CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第十話C 命の価値、灼熱の剣士


ジタンが新たな仲間に出会った頃、ダガー達はずっと剣の国アレクサンドリアで皆の帰りを待っていた。

ダガー「あ、あっつ〜い・・・」

リリス「う〜ん・・・う〜ん・・・」

剣の国アレクサンドリアは異常な猛暑に見舞われていた。

ダガー「何でこんなに熱いのよ・・・」

暑さでダガーはだらけていた。

ロック「そんなに暑いか?」

スコール「まぁまぁ暑いな・・・」

ダガー「どうしてロックとスコールは平気なの〜・・・?」

ロック「俺はフェニックスの洞窟って言う溶岩が噴出してた洞窟に乗り込んだことがあってな。」

スコール「炎の洞窟と言う場所で訓練してた・・・」

ダガー「そ、そう・・・で、他のみんなは?」

ロス「他の奴らは・・・」



ティーダ(やっぱ水の中は気持ちいいッス〜)

ティーダは水の中に潜っていた。



バッツ「あぢ〜・・・」

クラウド「暑いといえば暑くなるんだ・・・」

バッツ「じゃあ寒い〜・・・」

セシル「そう言ったら余計に暑くなっちゃったりして。」

セシル、バッツ、クラウドは酒場にいた。



ラニ「ああ〜・・・やる気無くす〜・・・」

フライヤ「ど、同感じゃ・・・」

ベアトリクス「あ〜暑い〜・・・」

ルビィ「なんやねんあんたら・・・あっついな〜・・・」

女性陣はルビィの部屋(仮名称)でぐったりしてた。



ブランク「うがぁ〜〜〜!!」

マーカス「兄貴が壊れた・・・」

シナ「暴れるなズラ〜・・・」

ロウェル「こう言う時は僕のダンスでも見てくれたまえ☆はっはっは〜!!」

ネリク「余計に暑苦しいド・・・」

マックス「空気が悪い・・・」

男性陣はルビィの小劇場でとろけていた。



ダガー「とにかく暑い〜・・・」

ロック「心頭滅却すれば何とこさ。ま、耐えるんだな。」

ダガー「あうぅ〜・・・?そう言えばコウは?」

スコール「あいつは自分の家にいるようだ。」

ダガー「何してんだろう・・・あら?」

ダガーの前の方からヴァニィが近づいて来た。

ダガー「ヴァニィじゃない。どうしたのかしら?」

ロック「背中に乗ってるのは・・・娘の方か。」

サクラ「お姉ちゃん!!」

ダガー「どうしたのサクラちゃん?」

サクラ「一緒に来てくれない!?お父さんが!!」

ダガー「コウがどうしたの?」

サクラ「お願い早く!!」

ダガー「分かったからちょっと待って・・・」

ダガーはセイブ・ザ・クイーンを手に取った。

ダガー「それじゃ行きましょう。」

そしてダガーはサクラに連れられコウの家に向かった。

ダガー「ちなみにコウは前の戦乱の後、こっちに引っ越してきたのよ。」

ダガーが説明した後、コウの家に到着した。

ダガー「コウ?入るわね〜」

ダガーはサクラと一緒にコウの家に入った。(二階建て)

サクラ「こっちこっち!!」

そしてサクラがダガーを案内した。

ダガー「一体どうしたのかしら・・・ん?」

ダガーは二階の奥にあるコウの研究室とやらに来た。そこでダガーは何かを感じた。

ダガー「何だろう・・・この辺りだけ異様に涼しい・・・ヒヤァ〜っとしてるって言うか・・・」

何故か部屋の前は涼しかった。

サクラ「お父さんがこの部屋に入ってから出てこないの。」

ダガー「一体どうしたのかしら・・・」

ダガーは部屋の扉を開けようとドアノブに触れた。と。

ダガー「きゃっ!!」

触れてすぐにダガーは反射的に手を離した。

ダガー「な、何なのこの冷たさ?」

ドアノブは異常に冷たいようだ。

ダガー「しょうがない・・・こじ開けよう。」

そう言ってダガーは剣で扉をこじ開け始めた。

ダガー「あ、あれ?硬い・・・」

何故か扉は硬かった。

ダガー「この・・・よっこい・・・しょ!!」

バゴン!!

ダガーは扉をこじ開けた。と。

ガダン!!

ダガー「きゃっ!?」

中から何かが倒れてきた。

ダガー「何なのよ・・・コウ、中にい・・・ええ!?」

その部屋の中は滅茶苦茶冷たそうな氷でカチンコチンに固まっていた。

ダガー「な、何なのこれ?」

サクラ「お姉ちゃん!!」

ダガー「どうしたのサクラちゃ・・・ええええ!?」

ダガーは倒れてきた物を見て驚いた。それは・・・

コウ「・・・」

氷により固まったコウであった。

ダガー「どうしたのコウ!?」

サクラ「お姉ちゃん!!お父さんを助けてあげて!!」

ダガー「わ、分かったわ!!」





コウ「ふう〜・・・助かった・・・」

コウは猛暑の熱により助かった。(家の外にいる)

ダガー「どうしたのよ一体?」

コウ「異様に暑くなったから涼しくなるような薬を作ってたんだけど・・・失敗して固まっちまったのさ〜・・・はぁ・・・ヘボッ・・・」

ダガー「でもアレだけ氷があるって事はみんな喜ぶかもね。」

コウ「そうだな。」

サクラ「じゃあ私がみんなに氷を配るね。」

コウ「良いのか?」

サクラ「ヴァニィもいるし大丈夫よ。」

コウ「じゃあ頼むな。」

サクラ「うん!!」

そしてサクラはみんなに氷を配るために家に戻った。

ダガー「所で・・・その背中のハルバート何?」

コウの背中にはハルバートが背負ってあった。

コウ「銃がオズマの時に壊れてな。代わりにこいつを武器にしようって思って仕入れたんだ。」

ダガー「そう言えばガントレットつけてないしね。」

コウ「完全にぶっ壊れたからなんか新しく作るのも何だしよ・・・」

ダガー「でもグローブはつけてるのね。」

コウ「いいじゃん・・・」

二人はコウの現服装について話し合った。と。

?「すいません!!誰かいませんか!?」

二人の近くで誰かが助けを求めた。

ダガー「どうしたのかしら?」

コウ「行ってみよう!!」

そして二人は声がした方に向かった。

ダガー「どうしたんですか!?」

二人が着いた場所には半袖の白のローブ(猫耳フードつき)を羽織り、首から鈴を下げて金の髪飾りをつけた少女と傷だらけで倒れてる普通の服とスナイパーアイ、ダイヤの指輪をつけ、ミラクルシューズを装備した狩人のような少年と、黒のローブを羽織り司祭の帽子をかぶり、ダッシュシューズと左腕に銀の腕輪を装備した黒魔道士のような少年がいた。

少女「すいませんが白魔法とか回復用のアイテムとかありますか!?」

ダガー「白魔法なら使えます!!」

コウ「エリクサーなら少し持ってるぜ。」

少女「お願いします・・・この二人を・・・私だけじゃ力不足で・・・!!」

ダガー「分かったわ!!」

コウ「しかしこいつは白魔法とエリクサーだけじゃやばそうだな・・・ちゃんと医者に診てもらわなきゃ・・・お。」

ダガー達の近くを一人の青年が通りかかった。

コウ「お〜いそこの通行人〜」

青年「ん?」

通りかかった青年は紺のズボンにグレーのジャケットと赤色のチョーカーをつけ、両腰にマチェットと呼ばれる刃物の一種を携え、髪と瞳の色がダガーそっくりの、と言うよりダガーをもし男にした場合の良い例えと言っても過言で無いほどダガーっぽい青年だった。(ショートヘアー)

コウ「すまないが・・・医者を呼んで来てくれないか?」

青年「・・・何でだ・・・?」

コウ「いや何でって・・・人が二人ほど重症なんだ。医者に診せないと下手したら・・・」

青年「俺には関係無いね・・・」

そう言って青年はその場から去ろうとした。

コウ「ちょっと待てよ。人が死に掛けてるんだぜ。助けたっていいだろ?」

青年「命ある物全て最後には死ぬ・・・ただそいつらはそれが早かっただけじゃないのか?」

コウ「けどよ・・・」

青年「それじゃあな・・・」

そして青年はその場を去った。

コウ「エーコがいたら絶対きれるな・・・しゃあない。俺が行くか。」

そしてコウが医者を探し始めた。







医者「もう大丈夫じゃ。安心せい。」

少女「ありがとうございます。」

医者「それではの・・・」

ダガー「何とかなったね。」

コウ「ああ・・・」

ダガー「でもさっきの人は何なのよ・・・」

コウ「ティル・・・きれてる?」

ダガー「なぁに!?」

コウ「いや・・・何でも・・・」

少女「助けていただきありがとうございました。」

ダガー「あ、いえいえ。当然の事したまでです。」

少女「申し遅れました。私はマリーン。マリーン=レズリアです。」

ダガー「私はダガー。」

コウ「俺はコウ。」

マリーン「ダガーさんにコウさん。ありがとうございます。」

ダガー「ねぇマリーン。何があったの?」

マリーン「私にも良く分からないんです・・・いきなり黒いコートで全身を隠した女性らしい人に剣を振るわれて・・・私は後ろに下がってて二人の補助をしてたんだけど・・・」

コウ「この二人はその女に斬られたって訳か。」

マリーン「はい・・・そして私には何もせずその場から突然消えて・・・」

ダガー「何者なの?」

マリーン「まったく分かりません・・・でも、とても強いって事だけは分かります・・・」

ダガー「何者なの・・・?」

少年×2「ん・・・」

コウ「お、気付いたな。」

少年の意識が戻った。

マリーン「シャイン!!アーカム!!」

少年A(狩人)「・・・マ、マリーン?」

少年B(黒魔道士)「僕らは一体・・・?」

マリーン「良かった・・・!!」

コウ「よ、大丈夫か?」

少年A「あんたらは?」

マリーン「二人を助けてくれたのよ。ダガーさんとコウさんって言うの。」

少年B「そうですか。僕はアーカム=ブライアント。こっちはシャイン=グラストと言います。」

シャイン「こっち呼ばわりかよ。」

アーカム「お前はそれで十分だ。」

シャイン「んだと!?」

アーカム「別にいいではありませんか。」

シャイン「こんなろ!!ぶっ殺す!!」

アーカム「面白い。受けてたちましょう。」

二人はいきなりケンカしようとした。が。

スパパン!!

シャイン「あでっ!?」

アーカム「いたっ!!」

マリーン「いい加減にしてよね二人とも!!人前で恥ずかしい!!」

マリーンが二人の頭を何処から出したか分からないほどデカイハリセンで引っ叩いた。

シャイン「つつつっ・・・マリーン俺ら怪我人だぜ〜」

マリーン「それだけ元気あればいいわよ!!」

アーカム「しょうがないか・・・」

マリーン「ホントごめんなさい・・・まだこの二人子供な者でして・・・」

そう言ってマリーンはハリセンをローブの中にしまった。

ダガー「あ、気にしないで下さい。」

シャイン「子供って・・・俺らもお前も同い年だろうが・・・」

アーカム「それに十八ですし・・・」

マリーン「おつむが子供だって言ってるの!!」

コウ「まぁまぁもうその辺にしてよ。」

ダガー「それじゃあ私達はこの辺で。」

マリーン「ありがとうございました。」

そしてダガーとコウは三人の下を去った。

ダガー「さてと・・・これからどうしようか?」

コウ「そうだな・・・ん?」

ダガー「どうしたの?」

コウ「あいつだ。」

ダガー「あ。」

近くの家の屋根の上に先程の青年がいた。

コウ「どうする?」

ダガー「ちょっと話しつけたい・・・」

コウ「同感。じゃ行くとするか。」

そう言ってコウは右の服の袖をめくり、ダガーはコウにつかまった。

コウ「よ。」

そしてコウはウィップを使って屋根に上った。

青年「ん?」

コウ「よ。」

青年「お前か・・・何の様だ?」

ダガー「ちょっとアンタに話したいと思って来たのよ・・・」

青年「何だおま・・・!?」

ダガー「?」

青年「お前・・・か・・・」

ダガー「アンタ誰なのよ?私はアンタの様な人知らないわよ。」

青年「いや、何でもない。で、何の様だ?」

ダガー「さっきのアンタの態度についてね・・・どうして何もしなかったのよ?」

青年「そんな事か・・・」

ダガー「そんな・・・事?」

コウ(あ、な〜んかやばそう・・・)

ダガー「そんな事って何よ!!人が死に掛けてたのよ!!なのに何で何もしようとしなかったのよ!!」

青年「そいつにも言ったが俺には関係ないからだ。」

ダガー「それはそうだけど死に掛けた人を目の前にして普通見て終わりだけってあるの!?関係あったって無くたって助け合いって言葉があるでしょ!!」

青年「そこだ。一番関係無いのはな・・・」

ダガー「!?」

青年「人が死ぬなんて事はただの自然現象と一緒だ。それに俺は助け合いって言葉は嫌いなんだよ・・・」

ダガー「し、自然現象ですって・・・!?」

青年「人は・・・いや、生きる物全ていつか死ぬんだ。無理にその時間を伸ばす必要なんか無いだろ・・・」

ダガー「あ、アンタね・・・!!」

コウ「ちょっと待ちなティル。」

ダガー「コウ!!」

コウ「いいから落ち着け。お前はその感じからすると命に興味は無いようだな。」

青年「ああ・・・」

コウ「事と内容によっちゃお前も正しいかもしれないからな。とりあえずお前が命をどう思ってるのか。そしてどうしてそう思うのか聞かせてくれないか?」

青年「・・・お前らは命にどれだけの価値があると思う?」

コウ「質問を質問で返すなよ・・・命の価値な・・・」

ダガー「命の価値・・・?」

青年「俺は物心がついた時・・・いや、生まれた時から一人で生きてきた。沢山の無駄に消えた命を見続けて来てな・・・」

コウ「それで?」

青年「生まれたのに望まれずに消えた命や戦争と言う意味の無い事で消えた命・・・ずっと・・・俺は見続けてきた・・・」

ダガー「・・・」

青年「それで俺は悟った。命なんて価値の無いちっぽけな物・・・いつか散るのなら無理にその時間を伸ばさなくてもいいとな・・・」

コウ「・・・確かに最後だけは当たってるな。」

ダガー「コウ!?」

コウ「自殺者のように中には自分から死を選ぶ奴だっている。そう言う奴は助けたら後で何言われるか分かったもんじゃない。」

ダガー「それはそうだけど・・・」

コウ「だがな。お前が言った事全部当たってる訳じゃないぜ。」

青年「それはそうだ。こう言うのは数が多い程答えはある・・・お前の様な奴や、そこのセーラ=レーンブールの様にな・・・」

コウ「何だ。それくらい分かってんじゃ・・・ん?」

ダガー「何でアンタ私の本名知ってるの!?」

青年「お前は俺の事を知らない様だが、俺はお前の事をよく知ってる・・・お前の生い立ちやお前自身知らない真実もな・・・」

ダガー「私自身知らない・・・真実?」

青年「見た感じまだ知らされて無い様だな・・・知りたかったらクジャにでも聞いてみるんだな。」

ダガー「どうしてクジャが・・・?」

青年「こっからは自分らで聞くんだな。じゃあな。」

そう言い残して青年はその場から飛び降りた。

コウ「何者なんだあいつ?」

ダガー「・・・うん・・・」

コウ「とりあえず後でみんな招集しよう。少しは何か分かるかも知んないからな。」

ダガー「そうね。それに今いないみんなが帰って来た時にもう一度ね。」

コウ「ああ。」

それから小一時間後。城内のそれなりに広い会議室っぽい部屋に主なメンバーが揃った。

ほぼ全員「涼しい〜・・・」

コウの失敗作氷付きで・・・

クジャ「で、君達が僕を呼ぶなんて、それなりに大変な事なのかい?」

ダガー「え、ええ・・・」

コウ「な、なぁクジャ・・・いいかげん少し露出度下げたらどうだ?」

クジャ「別に良いじゃないか。」

ダガー「コウ・・・今はそんな事より・・・」

コウ「そうだな。なぁクジャ。ティルってまだ何か秘密があるのか?」

クジャ「ダガーの秘密・・・かい?」

ベアトリクス「陛下はマダイン・サリ出身の召喚士一族の生き残りの一人でしょう。それ以外にも何かあるんですか?」

ブランク「つうかなんでクジャに聞くんだよ?」

コウ「いやね。さっき何かティルを男にしたような・・・エーコがいたら絶対ブチきれる様な・・・ま、そんな奴に出会ったんだ。」

フライヤ「ダガーを男にしたような・・・?」

セシル「エーコ姫がきれるって事は・・・つまり・・・どう言う事?」

クジャ「もしやレイか?」

全員「レイ?」

クジャ「その男って瞳の色がダガーと同じじゃなかったかい?」

コウ「よく見たら同じだったな。」

クジャ「やっぱり・・・」

ダガー「知ってるの?」

クジャ「おそらくこの中じゃ・・・いや、ガーランドがいない今、知ってるのは僕だけだろうね。」

ダガー「何者なの?それに私自身知らない真実って・・・?」

クジャ「・・・難しい話になるけど・・・全員揃った時・・・特に彼が帰って来た時に話そう・・・あいつはもう知ってるだろうからね・・・」

コウ「ジタンの事か?」

ダガー「一体何を・・・ならさ、レイについて何か知らないの?」

コウ「あいつ何か知らないけど命を大切にしないって言うか・・・興味が無いと言うか・・・」

クジャ「やっぱりね・・・」

ダガー「何なの?」

クジャ「彼が命を大切にしない理由は分かるよ。ガーランドから聞いた話だけどさ、テラの歴史はそれなりに知ってるでしょ。」

ラニ「そりゃあね。」

クジャ「そこから話さなくちゃいけないと思うから・・・あいつは・・・」

クジャがレイについて何かを話そうとした。と。

マリーン「ダガーさん!!コウさん!!」

その場全員「!?」

皆の所にマリーン達が走って来た。

ダガー「三人とも、どうしたの?」

シナ「誰ズラ?」

ダガー「レイと会う前に出会った人達よ。マリーンにシャイン、アーカムって言うの。」

コウ「で、どうかしたのか?」

マリーン「あの時の女が現れたの!!」

コウ「あの時ってシャインとアーカムに重傷を負わせた?」

マリーン「はい・・・今は街中で何もしてはいなんですけど・・・」

マーカス「な、何だか話が分からなくなってきたッス・・・」

ティーダ「同感ッス・・・」

ダガー「ああもう!!話は滅茶苦茶になってくるし何だが暑くなって来てるしもう嫌!!」

コウ「確かに段々暑くなってきてるな・・・」

クラウド「言われて見れば・・・」

バッツ「俺暑いのやなんだよな〜・・・」

コウ「その黒コート・・・もしかしたらこの暑さに関係してるのか・・・?」

シャイン「そんなの知らないがよ・・・俺らじゃ歯がたたなくてな・・・」

アーカム「お手上げです・・・」

ダガー「とりあえずその黒コートが何か仕出かす前に何とかしなきゃ・・・」

クジャ「それじゃ僕の話は延期だね。」

ダガー「ごめんね。」

クジャ「いやいいさ。ただサラマンダーの為に作った服を着せれないのは残念だけど・・・」

シナ「アレズラか・・・(二部八話)」

ダガー「まぁそれは良いとして・・・とりあえずみんなでその黒コートの場所に・・・」

兵士「大変です皆さん!!」

いきなり兵士がやって来た。

ダガー「どうしたの!?」

兵士「こ、これは陛下!!実は今、街の入口前で街の人間と黒いコートを羽織った者が・・・!!」

コウ「いきなりきやがったか!!」

ダガー「それで被害は!?」

兵士「そ、それが・・・話によればその黒コートに街のゴロツキがぶつかった事から始まって・・・ただゴロツキを叩きのめしたとしか・・・」

ネリク「何だドそれ?」

マックス「別に我らが出るような事ではない様な・・・」

兵士「ですが・・・それを期に街中でその黒コートを倒そうと躍起になった人々が暴動を・・・」

コウ「そいつは止めなきゃいけないな。」

ダガー「みんな行きましょう!!」

ブランク「よっしゃ久々の出番!!」

ダガー「あ、クジャは残ってて。そんな格好で一緒にいられたくないもの。」

クジャ「酷いな・・・ま、いいけど。」

そしてクジャ以外その暴動が起こってる場所に来た。

マーカス「うわ〜・・・酷いッスこら・・・」

既に怪我人が出るほど酷い状態だった。

ダガー「怪我人が出てる・・・回復魔法を使えれる者と特にさえない人は治療に当たりましょう。」

コウ「じゃ、俺はあっち行くわ。」

マックス「私も行こう。」

ネリク「オレも行くラリ。」

ラニ「私も行くわ。」

マーカス「じゃ俺らはさえないからこっちッスね。」

セシル「僕らはあっちだね。」

クラウド「そうだな。」

ダガー「念の為に私も行ってくる。」

ベアトリクス「お気をつけて。」

シャイン「アーカム。」

アーカム「分かってる。」

そしてコウ、ネリクマックス、ラニ、シャインとアーカム、ダガーとアルテマウェポンを持つ六人が黒コートの場所まで向かった。

コウ「はいちょっとごめんよ〜・・・あいつか。」

黒コート「この程度か・・・情けない・・・」

そこには黒コートで全身を隠し、右手に片刃の柄に太陽の刻印が彫ってある剣と左手に片刃の柄に月の刻印が掘ってある剣を持った剣士らしい女がいた。

ダガー「あなた一体何者なの!?どうして街の人達を!?」

黒コート「本命登場か・・・それはこやつらからぶつかってきて・・・」

めんどいので回想。

ゴロツキA「おう姉ちゃん。ぶつかっといて何も無しかい!?」

黒コート「お前達からぶつかってきたんだろう・・・」

ゴロツキB「んだと!?」

ゴロツキC「やっちまおうぜ!!」

黒コート「くだらない・・・」

しばしお待ちを。

黒コート「ふう・・・」

ゴロツキ達「きゅ〜・・・」

黒コート「この街には強い奴がいないようだな・・・つまらない・・・」

街の人A「何だと!?」

街の人B「だったら俺らと勝負だ!!」



コウ「そら街の奴らが悪いわな。」

ダガー「だからって街の人を傷つけるのは許せないわ。」

シャイン「つうか何で俺らを襲ってきたんだよ。」

アーカム「僕らはあなたと関係はありませんよ。」

黒コート「お前達で無く、お前達の仲間に様があったのだ。しかしいないようだな・・・」

クラウド「だったら俺らが相手をしようか?」

スコール「腕には自信がある・・・」

黒コート「アルテマウェポンを持つ者か・・・」

ダガー「待ってみんな。ここは私が相手になるわ。」

黒コート「お前か・・・その気配からすると剣を持ってまだ間もないな。」

ダガー「そうね・・・三年やってるけど実質一年行ってないかも・・・」

黒コート「そのような弱者とは遠慮する。」

ダガー「じゃ、弱者ですって!?」

黒コート「そのような腕で私と戦おうなぞ早いにも程がある。諦めるのだな。」

コウ「んじゃ、俺がタッグ組むなら良いか?」

ダガー「え?」

黒コート「お前、武器は何だ?」

コウ「剣に腕はあるが今はハルバートだ。」

黒コート「この気配は・・・只者で無いと見た・・・いいだろう。」

ダガー「ありがとう。」

コウ「つう事で、野次馬は下がった下がった。」

シャイン「俺が潰そうと思ったのにな〜」

アーカム「お前と僕では無理だろう・・・」

ラニ「頑張りなよ。」

セシル「それにしてもあの人礼儀正しいな〜」

バッツ「俺は何かムカつくけどな。」

そして広場にはダガーとコウ、そして黒コートだけになった。

コウ「で、どう戦うんだ?」

黒コート「魔法の類は禁ずる。剣の戦いにそのような物はいらぬ。」

ダガー「分かったわ。」

コウ「だけど剣技ならいいんだろ。」

黒コート「ああ。殺すまでは戦わない。それでいいか。」

コウ「十分。」

ダガー「いいわよ。」

黒コート「では行く!!はぁっ!!」









ブランク「で、負けたんだな。」

ダガー「うぅ〜・・・」

コウ「思いっきりな。」

ベアトリクス「陛下はともかくコウが負けるとは・・・」

ラニ「どうせ本気出してないでしょ。」

コウ「ティルとあの剣士の戦いだったから俺がでしゃばるのもなんだし・・・」

ダガー「コウ〜・・・」

コウ「げ・・・」

ダガー「アンタね〜〜!!」

ダガーはきれてコウの胸倉を掴み思いっきり揺らした。

ダガー「アンタが本気出してたら私は負ける事も無かったのよ〜〜〜!!おかげで大恥かいたじゃないのよ〜〜〜!!」

コウ「だだだだってよ〜!!お〜女の戦いにおおおお男がさささ参加するのも〜〜〜!!」

ダガー「そんなのどうだって良いわよ〜〜〜!!」

コウ「ゴホッゴホッ・・・まったく・・・四年前とは大違いだな・・・とりあえずあいつに勝ちたいんなら剣の腕上げなくちゃいけないだろうな。でなきゃ百回戦っても百回負けるだろうし・・・」

ダガー「コウ〜・・・?」

コウ「あ、いや・・・」

ダガー「裁きの雷!!」

ダガーがコウに裁きの雷を放った。

コウ「おわっ!!」

とっさにコウは左腕を出した。と。

ダガー「え!?」

裁きの雷が消えてしまった。

コウ「あつつっ・・・やりたくなかったのにまた・・・」

ダガー「コ、コウ・・・何したの・・・?」

コウ「気にしないでくれ。」

クジャ「所で・・・レイについて何か話そうかい?」

ダガー「そうね・・・でもみんなが帰って来た時にしましょうよ。」

クジャ「それじゃあそうしよう。」

?「呼んだか?」

ダガー「!?」

ダガー達のすぐ近くにあの青年、レイがいた。

ダガー「レイね。」

レイ「どうやら名前は知ってもらえたようだな。そうさ、俺はレイ。レイ=フォードブールだ。」

コウ「姓もティルそっくりだな・・・」

レイ「とりあえずさっきの戦いを見せてもらったが・・・お前本気なのか?」

ダガー「ど、どう言う事よ!?」

レイ「あんなんじゃ戦いに出たらすぐに死ぬぜ。」

ダガー「わ、悪かったわね!!」

レイ「他人の事をどうこう言う前に自分をしっかりするんだな。」

ダガー「アンタのような最低な人に言われたくはありませんね!!」

ベアトリクス「へ、陛下・・・」

マーカス「プッツン行ってるッス・・・」

ダガー「第一アンタはどうして命に対して偏見的なのよ!!」

レイ「さっきも言ったろ。命何て安い物なんだよ。ちっぽけでどうしようもないほどな。」

ダガー「それじゃあどうしてアンタは生きているのよ!!」

レイ「別に俺は生きていたいなんて思ってないね。何気なく過ごしてその内死んで行けたらなって思ってるのさ。」

ダガー「本当に頭にくるわね!!生まれてきたのにどうしてそんな簡単に・・・」

クジャ「待てダガー!!それ以上言うな!!」

レイ「・・・アンタに一つ言っておく・・・」

ダガー「?」

レイがダガーに近づいた。

レイ「俺はな・・・」

ダガー「うわっ!?」

レイがダガーの胸倉を怒り混じりに掴んだ。

レイ「別に生まれたくて生まれた訳じゃないんだよ・・・俺はただ人を殺す為に・・・ただそれだけの為に創られたんだよ・・・!!」

ダガー「つ、創られた・・・?」

レイ「だから俺は命何か価値があるなんて思わない・・・そしてお前の存在もな・・・!!」

ダガー「あうっ!!」

レイはダガーを放したと同時に突き飛ばした。

レイ「てめぇがいなかったら俺は生まれなくて良かったんだからな・・・」

レイはそう言い残してその場を去った。

ダガー「・・・」

ラニ「確かにありゃムカつくタイプだわ。」

クラウド「しかし少しは当たってるだろう・・・」

コウ「そう。だから言い返せないんだよ。」

ブランク「腹立つな・・・」

クジャ「やっぱりね・・・」

ネリク「あいつは一体何だホ?」

マックス「何やらダガーに恨みがあるみたいだが・・・」

クジャ「いつか話すよ。」

ダガー「・・・」







ダガー「このっ!!」

セシル「まだまだです!!」

ダガー「えい!!」

コウ「まだ甘いぞ!!そんなんじゃすぐに終わりだ!!」

ダガー「はぁはぁ・・・もう一度!!」

ダガーはコウをコーチに、セシルを相手に剣の練習をしていた。

マリーン「頑張りますね〜」

ティーダ「そりゃあ勝負に負けてあそこまで言われちゃじっとしてられないッスよ。」

クラウド「しかしあいつは召喚士・・・どう考えても魔法タイプだ。」

スコール「あの感じからすればまだまだ未熟。剣などそう簡単に扱えれる物ではない。」

ロック「それでもあいつはやりたいんだよ。」

バッツ「努力家だな・・・」

ダガー「きゃあっ!!」

セシル「この調子じゃまだ勝てませんよ!!」

ダガー「くっ・・・!!」

コウ「意気込みはあるか・・・よし、もう一度!!」

ダガー「てやぁーーー!!」

シャイン「ダガー見てるとあいつを思い出すな。」

アーカム「あいつですか・・・いまどこにいるのやら・・・」

ダガー「ていっ!!」

セシル「その調子です!!」

コウ「隙を作るんじゃない!!一瞬でも見せたら待つのは死だけだ!!」

ダガー「やぁーーー!!」

ベアトリクス「陛下・・・」

ラニ「ダガーなら大丈夫だよ。」

ブランク「そうか?」

ネリク「仲間としてそれは・・・」

マックス「しかし徐々に腕が上がってる・・・まだ過渡期であろう・・・」

ラニ「ま、いつはかあの黒コートを・・・お?」

レイ「・・・」

マーカス「どうしたッス?」

ラニ「んにゃ。ちょっと離れるね。」

そう言ってラニはレイに近づいた。

ラニ「何しに来たんだい?」

レイ「別に良いだろう・・・」

ラニ「あの子さ・・・」

レイ「?」

ラニ「四年前に母親亡くしたんだよ。」

レイ「しかしそいつはこの大陸の者の命を奪った張本人だろう・・・それに血がつながって・・・」

ラニ「そんなの関係ないのさ。あの子にとって、ブラネ女王は大切な母親なんだからさ・・・」

レイ「・・・」

ラニ「四年前・・・あの戦乱で彼女は沢山の大切な物を失った・・・けれどもそれを乗り越えて今のダガーがいるんだ。戦乱で消えた命を無駄にしないよう・・・彼女は精一杯彼女らしく頑張ってるのさ。」

レイ「・・・」

ラニ「それにコウもだよ。」

レイ「あの男か・・・?」

ラニ「あいつは自分のあやまちで大切なものを一瞬で失ったんだ。それを無駄にしたく無いから、あいつも頑張ってるんだって私は分かるな。」

レイ「・・・」

ラニ「私はアンタの考えを変えろ何て思わないから、アンタも自分の本当に正しい答え、見つけるといいよ。」

レイ「答え・・・」

ラニ「じゃ、この辺で。」

そう言ってラニはレイから離れた。

レイ「・・・」

レイはその場に立ちどまっていた。



ダガー「はぁはぁ・・・」

コウ「よし、大体腕は上がってきたな。でも今日はこの辺でお終いだ。」

ダガー「もうちょっとお願い。」

セシル「そう言ったってもう何時間も続けてやってるんだよ。すこし休まなくちゃ・・・」

ダガー「でも・・・」

コウ「焦らないでいいんだ。ティルはティルのペースで行けばいい。」

ダガー「コウ・・・」

ロック「それよかもう夜だぜ。」

ティーダ「休む事も必要ッス。」

ダガー「でも・・・」

ベアトリクス「陛下、今日は休みましょう。でないと体が持ちません。」

ダガー「・・・分かったわ・・・」

コウ「よし、今日は解散だ。」

ネリク「さ〜て。よく寝るド。」

マックス「お前もう寝るのか・・・」

バッツ「ロック、この前の雪辱戦だ!!」

ロック「またやるのかよ・・・弱いんだし止めとけって。」

クラウド「しかし一人勝ちされててはムカつく。」

スコール「同感だ。」

ティーダ「何スか一体・・・?」

セシル「さあね。」

ブランク「俺はルビィのとこ行ってくわ。」

マーカス「う〜ッス。」

シナ「分かったズラ。」

ベアトリクス「では陛下・・・」

そしてほぼ全員その場から去った。

ダガー「やっぱり休まなくちゃね・・・でも、明日もお願いね。」

コウ「おう。」

そしてダガーもその場から去った。

ラニ「そう言えば明日だよね・・・」

コウ「・・・ああ。」

ラニ「当たり前だけど・・・行くんだね?」

コウ「日付が変わったらすぐにな。」

ラニ「でもそれじゃサクラは・・・」

コウ「サクラにはいつか教えるさ・・・」

コウとラニは二人しか分からない会話をしていた。

そしてその夜。





黒コート「その程度か・・・よく今まで生き残ってこれたものだな・・・」

ダガー「くっ・・・」

黒コート「そのような腕ではこれから先、生きて行けないぞ・・・考えておくのだな・・・剣を捨てるという道を・・・」



ダガー「はぁはぁ・・・夢・・・?」

ダガーは夢で黒コートの戦いを思い出して起きた。

ダガー「確かに今の私じゃ・・・でも・・・」

ダガーは近くにおいてある剣を取った。

ダガー「私は剣を捨てない・・・今まで守られっぱなしだったから・・・今度は私が・・・!!」

そしてダガーは着替えて城を出た。

ダガー「もう一度コウにお願いしよう。」

そう思いダガーはコウの家を目指した。

ダガー「あの手の人間はそう簡単に夜は寝ないはず・・・あら?」

コウ「・・・」

ダガー「コウ・・・どうしてこんな夜中に・・・?」

コウは何故か花束を持ち、ヴァニィと共に家から出てきた。

ダガー「何処に行くのかしら・・・?」

ダガーはコウの後をつけた。

ダガー「あ、ラニにトット先生だわ。」

コウはラニにトットと合流し、ヴァニィの背中に乗って何処かに向かった。

ダガー「後をつけよう。」

そしてダガーも三人の後を追い、走り出した。







黒コート「・・・」

黒コートはグニータス盆地(氷の洞窟がある盆地)の森の中に一人たたずんでいた。(イーファの樹の暴走で森が異常発生したと言う設定)

黒コート「この大地を・・・いつか我々が・・・ん?」

黒コートは後ろに何かを感じ振り向いた。そこには。

ゴロツキA「よう姉ちゃん。」

昼間に黒コートが叩きのめしたゴロツキ達がいた。

黒コート「何だお前達か・・・何の用だ?」

ゴロツキB「アンタには昼間酷い目に遭わされたからな。そのお返しよ。」

黒コート「しかし、貴様らのような奴に負ける私では・・・!?」

バシッ!!

黒コート「ガッ・・・!!」

ゴロツキC「フッシッシ・・・」

ゴロツキがまだ一人後ろにいて棒で黒コートを叩き気絶させた。

ゴロツキA「ようし・・・後は・・・」

ゴロツキB「やるか・・・」

ゴロツキC「おう・・・」

ゴロツキ達は何かを企み始めていた。







ダガー「いたいた・・・」

ダガーはコウ達をつけて、ザモ盆地(グニータスの横の盆地)の端まで来ていた。(崖まで)

ダガー「それにしてもこんな場所に遺跡みたいな物があるなんて・・・」

コウ達は遺跡のような場所にいた。



コウ「久しぶりだな。アスカ。」

モーグリ「コウ、やっぱり来たクポね。」

遺跡の前には一匹のモーグリがいた。

アスカ「さぁ行ってくるクポよ。」

コウ「ああ・・・」



そしてコウ達三人は遺跡の中に入って行った。(ヴァニィは留守番)

ダガー「何があるのかしら・・・」

ダガーは遺跡の入口に近づいた。

ダガー「ようし・・・」

ダガーはアスカとヴァニィに気付かれないようにこっそり遺跡に入った。

ダガー「何かしらこの遺跡・・・」

遺跡は至ってシンプルで、至る所に水が流れていた。

ダガー「えっと・・・何処に・・・あ。」

遺跡は一本道で、その先にコウ達がいた。

ダガー「何かしらあれ・・・?」

三人は石碑のような物の前に立ち、コウは持っていた花束をその石碑に備えていた。

ダガー「あ、戻ってくる。隠れなきゃ・・・」

三人が戻ってきたのでダガーは物陰に隠れ三人をやり過ごした。

ダガー「行ったわね・・・ようし・・・」

ダガーは三人がそこから去ったのを確認して石碑に近づいた。

ダガー「何かしら・・・墓みたいだし・・・?何か書いてる。」

石碑には何か書いてあった。

ダガー「えっと・・・『ルミア=エルフレイ、ここに眠る・・・』・・・ルミアってコウの死んだ奥さんじゃ・・・あら?」

ダガーはさらに何かを見つけた。

ダガー「この石碑・・・鏡が埋め込まれてる・・・」

石碑に石で出来た鏡のような物があった。

ダガー「何なのかしらこれ・・・」

ダガーは鏡に触れようとした。と。

?「動くな・・・」

ダガー「!?」

ダガーの首筋に冷たい刃が当てられた。

?「お前が誰であろうとそいつに手を出す奴は・・・」

ダガー「コ、コウ?」

コウ「あ?ティルだったのか。」

ダガーを脅したのはコウで、コウは刃、ハルバートを戻した。

コウ「何やってんだこんな所で?」

ダガー「そ、それはこっちのセリフよ!!本当にビックリしたんだから・・・」

ラニ「でもそれはばれないようにこっそりとついて来たあんたも悪いよ。」

ダガー「う・・・と、所でここは?」

コウ「それを見たなら分かるだろ・・・ルミアの墓さ・・・」

ダガー「どうしてこんな場所に?」

コウ「まぁ・・・ちょっとな・・・」

ダガー「どう考えたって日差しが当たらない様な場所だけど・・・」

コウ「ここだけ日が差すんだ。だから花を置いたってしばらくは大丈夫・・・」

ダガー「そう・・・もしかして今日が・・・?」

コウ「ルミアの命日さ・・・」

トット「彼女は死ぬ前に、『私の墓はここに作って』と申されたのでここに・・・」

ダガー「トット先生ってルミアって人と知り合いだったんですか?」

トット「彼女は私の教え子の一人でしてね。」

ダガー「そうだったんですか・・・」

コウ「で、何しに来たんだ?」

ダガー「あ、そうそう。ちょっと眠れないからちょっと訓練してくれないかなって・・・」

コウ「ああいいぜ。とりあえず戻ろう。」

そして四人は遺跡を出た。と。

アスカ「コウ大変だクポ!!」

コウ「どうしたアスカ?」

アスカ「と、となりのグニータス盆地が・・・て誰クポ?」

コウ「ああ俺の仲間さ。こっそり入られたんだ。」

アスカ「まだまだ未熟クポ・・・じゃなくて!!グニータス盆地の森で大火災クポ!!」

コウ「何!?」

ラニ「ちょっと待ってよ!!今あそこに自然保護とか言ってる奴らが大量にいるんじゃないの!?」

トット「これはまずいですね・・・」

ダガー「行きましょうコウ!!ラニ!!」

コウ「ああ!!でも人がいるって事を考えると召喚はするなよ!!周りにも被害が出る!!」

ダガー「つまり剣で燃えている木をたおしていくて事ね。」

コウ「そう。先生は剣の国アレクサンドリアにいるみんなを起こして来てください!!ヴァニィ頼む!!」

ヴァニィ「ガァーーー!!」

トット「分かりました。」

ダガー「行こう!!」

コウ「ああ!!」

ラニ「うん!!」

そして三人はグニータス盆地に急行した。







黒コート「くっ・・・私は・・・?これは・・・」

黒コートが目覚めた時には辺りは火の海になっていた。

黒コート「奴らがやったのか・・・?」

黒コートは何かに気付き、後ろを見た。すると燃えた木が黒コートに向かって倒れてきた。

黒コート「・・・」

しかし黒コートは避けようとしなかった。

黒コート「消えろ・・・」

バシュッ!!

黒コートは自らを中心にもの凄い熱を放射し、倒れてきた木はおろか、半径数メートルを一瞬の内に灰にした。

黒コート「ふう・・・」







ダガー「早く!!こっちです!!」

ダガーは剣を片手に森に来ていた人達を安全な場所へ誘導していた。

コウ「どっせーーーい!!」

バギッ!!

コウはハルバートで倒れてきそうな木を早めに切り倒していた。

コウ「どうだそっちは!?」

ラニ「街の人は大体避難させたけど・・・火の勢いが凄くて・・・」

ダガー「あの人達は全部で二十人いるって言ってたわ!!」

ラニ「で、どんくらい避難させた!?」

ダガー「まだ十人行ったか行かないか・・・」

コウ「まだまだだな・・・」

ダガー「早くしないと逃げ遅れた人が・・・!!」

コウ「!?ティル伏せるんだ!!」

ダガー「え?」

ラニ「後ろ!!」

ファング「ガァーーー!!」

ダガーの後ろからファングが襲い掛かってきた。

コウ「間に合わない!!」

ダガー「くっ!!」

ダガーは剣で防御の姿勢をとった。と。

ファング「ギャァーーー!!」

ダガー「!?」

ファングはダガーのすぐ近くに倒れた。よく見ると矢が刺さっていた。

シャイン「大丈夫か!?」

ダガー「シャ、シャイン!?」

どうやら先程の矢はシャインが放った物のようだ。

アーカム「皆さん来ました!!ここは僕達に任せてください!!」

ダガー「アーカム!!」

マリーン「二人とも!!しっかりやるわよ!!」

シャア「ああ!!」

ダガー「私達は他の人達を探しましょう!!」

コウ「おう!!」

そしてダガー達三人は森の奥に向かった。







ゴロツキA「言われたブツはこれか?」

ゴロツキB「間違いねぇ・・・これだ。」

ゴロツキC「へっへっへ・・・これで俺達も大金持ちだな。」

先程黒コートを襲ったゴロツキ達は何故かルミアの墓に来ていた。

ゴロツキA「見張りのモーグリ何ざ屁でもなかったな。」

ゴロツキB「しかしこんな古臭い物にそんな価値があるのか?」

ゴロツキC「金になりゃいいんだよ。」

そう言ってゴロツキ達は墓に埋め込まれてる鏡を外し、そこから去った。







ダガー「よし・・・これで全員かしら・・・?」

コウ「大体は避難させたろ・・・」

ダガー達はまだ森の中にいた。

ラニ「ちょっと待った!!まだあそこにいる!!」

ダガー「ええ!?」

ラニが指差した先には人影があった。

ダガー「私が行ってくる!!」

そしてダガーはその人物の元に向かった。

ラニ「ちょっとダガー!?うあっ!!」

ラニは後を追おうと思ったが木が倒れてきて遅れを取った。



黒コート「また来たか・・・」

ラニが見つけた人物はあの黒コートだった。

黒コート「消えろ・・・」

黒コートは集中しだした。と。

ダガー「危ない!!」

黒コート「!?」

ダガー「やあっ!!」

バギッ!!

ダガーが倒れてきた木を叩き切った。

黒コート「貴様か・・・」

ダガー「はぁ・・・大丈夫でしたか・・・って!?」

黒コート「何しに来たのだ・・・」

ダガー「決まってるでしょ!!ここに来てる人達を助ける為によ!!」

黒コート「今の様子からすれば少しは腕を上げたようだな。」

ダガー「一応ね。」

レイ「・・・?あいつ・・・」

偶然にもレイが近くにいた。

黒コート「今くらいならこの森の炎にも対応出来るかも知れぬな・・・」

ダガー「そう言うあなたはどうしてここに?」

黒コート「私は気絶させられ、気付いた時にはこうなっていた・・・おそらく放火の犯人を私にする為であろう。」

ダガー「犯人がいるんですか!?」

黒コート「昼間私に倒されたあのゴロツキ達だ。」

ダガー「関係無い人達まで巻き込んで・・・」

レイ「・・・」

ダガー「この世に無駄な命何て無いのにどうしてこんな事を!!」

レイ「!!」

黒コート「お前・・・!!避けろ!!」

ダガー「え・・・?」

ダガーの後ろから大きな木が倒れてきた。

ダガー「あ・・・」

レイ「ちぃっ!!」

レイは両腰のマチェットを取り、ダガーの元に向かった。

ダガー(もう駄目!!)

巨木がダガーの真上まで来ていた。と。

ザシュシュシュッ!!

ダガー「!?」

巨木は一瞬の内に薪と同じ大きさほどに細かく刻みこまれた。

ダガー「い、一体何が・・・」

レイ「周りを良く見ろよな・・・」

ダガー「レ、レイ!?」

どうやらレイが巨木を切り刻んだようだ。

ダガー「あ、あなたどうして・・・?」

レイ「俺のする事に理由なんているのかよ。」

ダガー「レイ・・・」

黒コート「・・・この森に後誰がいる・・・」

ダガー「!?」

黒コート「この森に後誰がいるんだ。」

ダガー「え、えっと・・・コウとラニに・・・マリーン達やみんながいるとしたら・・・十八人くらいかしら・・・」

黒コート「そうか・・・」

そう呟くと黒コートは剣を二本とも取った。

ダガー「あ、あなた一体何をするの?」

黒コート「黙って見てるんだ・・・」

そう言うと黒コートは剣に力を込める様に集中し始めた。

黒コート「太陽よ・・・月よ・・・今一つとなり・・・星の力を導き出さん!!」

何かを唱え、黒コートは二つの剣を合わせた。と。

バシューーー!!

ダガー「何!?」

とてつもない光と共に二つの剣が人間と同じくらい大きい(長さだけでなく、刃の大きさも)両刃の剣になった。

黒コート「この大地に裁きの光を!!」

黒コートはその場でジャンプし、剣先を下に向けた。

黒コート「ジャッジメント・シャイン!!」

黒コートは何かの技名を言い、地面に剣を刺した。と、その時。

シュバァーーーーーーー!!

この辺り一帯の地面から凄まじい光が発生した。

ダガー「きゃぁーーー!!」

レイ「くぅーーー!!」

光が消えると辺り一面廃墟と化したかのように崩壊していた。

黒コート「これでいいか・・・」

黒コートの手には先程の大剣は無く、二本の剣があった。

ダガー「・・・」

そして先程の光でダガーは気を失っていた。

レイ「確かに今ので大体は火を消せたな。でも完全にじゃない。」

レイの言うとおりまだ火事は完全に収まっていなかった。

レイ「それじゃ、次は俺がやるか。」

そう言ってレイは何やら集中し始めた。

レイ「大海原に住みし海蛇よ・・・その力にて、我が仇なす意志を消し去れ!!」

レイは何処かで聞いた事があるような詠唱をした。

レイ「来たれ!!リヴァイアサン!!」

レイが言うとリヴァイアサンが召喚された。

レイ「大海嘯!!」

ザッバーーーン!!

辺り一面に水が流れ、火事は完全に消えた。

レイ「これでいいか・・・」

黒コート「お前は一体・・・」

レイ「それはお互い様だ。なら知らなくてもいいだろ。」

黒コート「ふっ・・・そうだな。」

「お〜〜〜い!!」

レイ「あいつらか・・・」

黒コート「では私はここで去る・・・その女に言っておけ、『それなりに見込みはある』とな。」

レイ「ああ・・・」

そして黒コートはその場から消えた。と、同時に。

ダガー「ん・・・」

ダガーが目を覚ました。

ダガー「レイ・・・私は一体・・・?あの女は?」

レイ「お前に『それなりが見込みがある』って言ってくれって言い残して消えたよ。」

ダガー「そう・・・」

コウ「お〜〜〜い!!」

ダガー「みんな・・・」

ダガー達の元に仲間達が来た。

コウ「大丈夫か!?」

ダガー「レイが助けてくれたの。」

コウ「そっか・・・どうもな。」

レイ「・・・」

ダガー「みんなも大丈夫ね。」

ラニ「まぁね。」

フライヤ「しかしあそこで大海嘯を使うとはの・・・」

ダガー「え?」

ベアトリクス「おかげで火は完全に鎮火しました。」

ダガー「そ、そう・・・(私召喚何てしてないのに・・・)」

ロック「しかしどうして火事なんか起こったんだ?」

ダガー「昼間のあの黒コートにやられたゴロツキ達が犯人らしいの。」

バッツ「そうなのか?」

ダガー「詳しくは分かんないけど・・・」

ティーダ「まぁ消えたんだし、いいんじゃないッスか?」

ダガー「ま、そうね。」

コウ「んじゃ、帰るとするか。」

ダガー「ええ。」

ダガー達全員帰ろうと歩き始めた。と。

アスカ「コウーーーーーー!!」

コウ「ん?」

遠くからアスカが飛んできた。

コウ「どうしたアスカ。」

アスカ「ごめんクポ・・・!!神器が・・・ヤタノカガミが盗まれたクポ!!」

コウ「何だって!!」

ラニ「ちょっとやばいんじゃないの!?」

アスカ「ごめんクポ・・・」

ダガー「それってあの墓にあった鏡?」

コウ「ああ・・・」

ダガー「コウ・・・?」

コウ「誰がルミアの墓を・・・!!」

ダガー(やっぱり・・・さっきも感じたけど・・・いつものコウと違う・・・)

ダガーはコウに異様な殺気を感じていた。

コウ「悪い!!俺は用事が出来たからみんな先に戻っててくれ!!」

ラニ「私も行くよ!!」

ダガー「私も行く!!」

セシル「何だかよく分からないけど、僕達も行こう。」

マーカス「うッス。」

そして全員ルミアの墓に向かった。







ゴロツキA「おい・・・ここでよかったんだよな・・・」

ゴロツキ達は南ゲート、トレノアーチにいた。

ゴロツキB「確かそのはずだ・・・」

ゴロツキC「お、来たぞ。」

遠くから全身を黒いマントの様な物で隠した男のような奴が来た。

男「よう。約束のブツは持ってきたか。」

ゴロツキA「ああ。」

男「ようし、約束の金だ。鏡をよこせ。」

ゴロツキB「そっちが先だ。」

男「ああいいぜ。」

そして男はゴロツキ達に大量に金が入った感じがする袋を渡した。

ゴロツキC「よし・・・それじゃこいつを渡そう。」

男「いや、それはいい・・・何故なら・・・」

男は喋りながら右手を前に出した。その手には大きめのオートマチックハンドガンがあった。

男「お前らはここで死ぬんだからな。」

ゴロツキ達「!?」

ガン!!ガン!!ガン!!

男は銃でゴロツキ達の頭を撃ち抜き殺した。

男「ククク・・・これで一つ・・・後はあいつら親子が持ってるんだろうな・・・」

怪しげな事を言って男は鏡を持ってその場から去った。







コウ「鏡が・・・」

ラニ「無い・・・」

ダガー達はルミアの墓に来ていた。

ブランク「こんな場所にこんな物があるなんてな・・・」

ダガー「で、何か分かる?」

コウ「見た所何も痕跡は残ってない・・・」

ダガー「そんなに・・・大事な物なんだ。」

コウ「ああ・・・」

ダガー「みんな。」

ベアトリクス「心得ております。」

フライヤ「その鏡を探せばよいのじゃろ。」

コウ「探してくれるのか・・・?」

ダガー「勿論よ。」

コウ「ありがとう・・・」

ダガー「手がかりは何も無いから厳しいけど、諦めない限り大丈夫よね。」

レイ「そうだろうな・・・」

ダガー「じゃあ行きましょう。」

そしてダガー達はルミアの墓から出た。と。

人A「た、大変です!!」

遠くから先程救助した人達がやって来た。

ダガー「どうしたんです?」

人B「人が・・・トレノアーチで人が死んでるんです!!」

コウ「まさか・・・」

ダガー「行きましょう!!」

そしてダガー達はトレノアーチに来た。

ダガー「うっ!!これは・・・」

そこには先程のゴロツキ達の死体があった。

フライヤ「頭を銃の類で撃ち抜かれたのか・・・銃ならコウが分かるじゃろう。」

マーカス「でもコウさんはこう言うの苦手なんじゃ・・・」

コウ「・・・」

ブランク「普通に調べてるぞ。」

マーカス「アリ?」

ダガー「何か分かる?」

コウ「・・・銃の口径がデカイ奴で撃たれてるな・・・デザートイーグル辺りか・・・?」

ダガー「コウ?」

コウ「あ、悪い悪い・・・そこに金の入った袋があるから、鏡を盗んだのはこいつらだろうな。」

マリーン「ではその鏡は?」

コウ「こいつらを殺した奴が持ってただろうな。」

スコール「必要な物を手に入れたら用済みか・・・」

セシル「許せないタイプだね・・・」

レイ「・・・この件は俺が調べる。」

ダガー「レイ?」

レイ「捨て駒にするような奴は許せないんでね・・・俺が調べてやる。」

コウ「すまないな・・・」

レイ「じゃあな・・・」

ダガー「あ、レイ。」

レイ「?」

ダガー「ありがとう・・・絶対死なないでね。」

レイ「・・・」

レイは何も言わずにその場から去った。

ダガー「それじゃあ戻りましょうか。」

コウ「ああ・・・ん?」

コウは地面にある何かに気付いた。

コウ「これは・・・」

ダガー「どうしたの?」

コウ「いや、何でも・・・」

ダガー「そう、じゃ、先行ってるね。」

コウ「・・・地面が溶けてる・・・『毒』がいたのか・・・奴らが・・・また・・・」

コウは怒りを覚え、右腕を握り締めた。




謎の青年レイと出会ったダガー達。果たしてコウが大切にしてる鏡を盗んだ物の正体とは。パズルのピースはその数を増すばかりであった。




続く










あ と が き
オフライン時五作目及び三話同時作の三話。
また新たなキャラがたっぷり出てきました。
レイは勘の良い方なら分かるかも知れませんね。
そしてコウの謎が段々増えていく・・・
第九話へ
第十話Aへ
第十話Bへ
第十一話へ
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