CRYSTAL MEMORY STORY
第二部 武器と運命の物語
第九話 呪われた天使
ジタンはアルテマウェポンを持つ物達の助けと二つのエレメンタルウェポン、古の十七の武器により復活した。しかしこの物語はここから始まるのだと言う。
ジタン「確か・・・この星の・・・」
ジタンとミコトは何かを探して別の星に来ていた。
ジタン「よし、こっちだな。」
ミコト「ねえ兄さん。何を探してるの?」
ジタン「そっか。まだ言ってなかったな。こいつの片割れさ。」
そう言ってジタンは自分の短剣を差し出した。
ミコト「兄さんの・・・ダガーの片割れ?」
ジタン「そうさ。そいつがこの近くにあるらしいんだが・・・」
そんな会話をしながら二人は街らしき場所に来た。
ジタン「この街の何処かにあるはずなんだけどな・・・」
ミコト「この街の人に聞いたら?」
ジタン「そうだな。さすが我が妹。」
ミコト「ふふっありがとう。」
ジタン「さてと・・・街の人は・・・お?」
二人の前方に人だかりがあった。
ジタン「ちょうどいい。あの人達に聞こう。」
そして二人は人だかりに近づいた。
ジタン「あの〜すいませんが・・・」
街人男A「一体何処に行ってしまったんだ!?」
街人男B「まさか盗まれたのか・・・」
街人男C「神体を盗み出すとはふざけた奴だ!!」
街人女A「早く捕まえましょう!!」
街の人は何やら大変な話しをしてるようだ。
ジタン「すいませ〜ん。」
街人女B「あ、すいません。どうかしまし・・・ああ!!」
ジタン「へっ?」
街人男D「一体どうし・・・あ!!貴様!!」
ジタン「へぇ?」
街の人が一斉にジタンを睨み付けた。
街人男E「貴様が神体を盗んだ犯人か!!」
街人女C「盗んでおいて戻ってくるって私達をおちょくってるのね!!」
ジタン「い、一体何の話だよ!?俺はたった今この星に来たばかりなんだぞ!!」
街人女D「見え透いた嘘を!!それじゃあその腰にあるのはなんなのよ!!」
ジタン「腰にって・・・」
ジタンの腰には短剣しかなかった。
街人男F「ふざけてんじゃねぇぞ!!さぁ来てもらおうか!!」
ジタン「まずっ・・・逃げるぞミコト!!」
ミコト「ええ!!」
二人はその場から逃げようとした。が。
街人全員「させねぇ!!」
ドドドドドドドッ!!
ジタン「うおっ!?」
ミコト「きゃあ!!」
街の人が一斉に二人を押さえつけた。
ジタン「う、動けない・・・」
街人男G「さぁ、観念してもらおうか。」
そして二人は街の人により手足をロープで縛られさらに体までもギッチリ縛られて全く動けれる状態ではなかった。
ミコト「き、きつい・・・苦しいよ〜・・・」
ジタン「お、おい・・・ミコトは・・・俺だけでいいだろ・・・!!」
街人女E「一緒って事は同罪よ!!」
街人男H「それに小さいんだからいいだろうが!!」
ミコト「そ、それセクハラ・・・!!」
街人男I「じゃかしい!!着いて来い!!」
そして二人は街の人達に連れて行かれた。
ジタン(この反応は・・・当たりだな。)
そして二人は街外れの少し小さめの山の上にある神社らしき場所に連れて来られた。
街人男A「宮司さん!!宮司さん何処だ!!」
街の人が呼ぶと神社から六十くらいの老人が来た。
宮司「はいはい・・・一体どうなされたんですか?」
街人女A「神体を盗んだ犯人を連れてきたのよ!!」
宮司「神体を・・・ですかな?」
街人男B「そうです!!おい!!」
街の人はジタンとミコトを宮司の前に押し出した。
ジタン「あでっ!!」
ミコト「きゃっ!!」
街人男C「こいつの腰にあるものこそ神体ですよ!!」
宮司「どれどれ・・・」
宮司はジタンの短剣を取り、調べ始めた。
宮司「これは・・・似てますけど神体ではありませんね。」
街人全員「えっ!!」
ジタン「だから言ったろうに・・・」
ミコト「それよりほどいてよ・・・」
街人女B「ごめんなさいね。」
そして二人は解放された。
ジタン「ふぅ〜・・・」
ミコト「まったく・・・自分のが小さいのに喜んでいいのか悲しんでいいのか・・・」
街人男D「それじゃあ神体は何処に・・・?」
宮司「まぁ大体予想はつきますけどね。」
街人男E「まさかあいつか?」
宮司「でしょうね。」
ジタン「誰?」
そこに。
「おじいちゃ〜ん。」
ジタン「ん?」
近くの森から黒味がかった茶色の長い髪で血の色をしたような瞳の巫女の服を着た少女が来た。
宮司「ミーナ、お前ですね。神体を持ち出したのは。」
少女はミーナと言うらしい。
ミーナ「ちょっと神体の絵を描いてみたくなって・・・ごめんなさい・・・」
街人女C「まったく・・・」
街人男F「貴様はいつも迷惑を起こす・・・早くこの街から出てけ!!」
宮司「まぁまぁ・・・今日の所はワシが叱っておきますので。」
街人男G「次やったらただじゃ置かないぞ。」
ミーナ「すいません・・・」
街の人達はミーナに嫌悪感を抱いて街に戻った。
宮司「さて、ミーナ。」
ミーナ「はい・・・」
宮司「絵が好きなのはいいですが神体を持ち出すとはいけませんよ。」
ミーナ「ごめんなさい・・・」
宮司「では神体を。」
ミーナ「はい・・・」
そう言ってミーナは布に包まれた何かを宮司に渡した。
宮司「お前のせいでこちらの方々は泥棒と間違われたのですからね。」
ミーナ「ええ!?ごめんなさい!!本当ごめんなさい!!」
ミーナは一生懸命謝った。
ジタン「いや、いいよ別にそんなに・・・」
ミコト「そうよ。顔を上げて。」
ミーナ「はい・・・?あなたは・・・」
ジタン「おっと自己紹介しなきゃな。俺は・・・」
ミーナ「あ、でしたらこちらに・・・」
そう言ってミーナは二人を何処かに案内し始めた。
ミーナ「ここでいいでしょう。」
ミーナが来た場所は神社から少し離れた場所にある展望台のような場所だった。
ミーナ「あそこでいいでしょうか?」
ミーナはそう言って崖ぎりぎりの場所を指差した。
ジタン「ま、足を伸ばせれるから良いか。」
そして三人は座り、足を伸ばした。(簡単に言えばあぐらや正座でなく、椅子に座ってる感じ)
ミコト「景色が綺麗ね。」
その場所から見る光景は素晴しかった。
ジタン「そうそう、俺はジタン。こっちは妹のミコトさ。」
ミコト「よろしくね。」
ミーナ「やっぱり・・・」
ミコト「?何か?」
ミーナ「あ、何でもないです。私はミーナ。ミーナ=ヴァレンタインです。」
ミコト「ヴァレンタイン?」
ミーナ「ええ。私はあなた達とジタンさんを助けに戦ったクラウドさんの仲間、ヴィンセント=ヴァレンタインの娘です。」
ミコト「ええ!?でもあの時は・・・あなた歳は?」
ミーナ「十九です。」
ミコト「どう言うこと?」
ジタン「時間かパラレルワールドだろ?」
ミコト「時間かパラレルワールド?」
ジタン「考えられるのは二つ。一つは時間。ミーナは生まれた後過去に来てしまったか。二つ目はパラレルワールド。別の次元から来た。だろうな。」
ミコト「そんなことがあるの?」
ジタン「星と星はあの装置が無くても時々渡る事が出来るんだ。一種の自然現象でそれの場合は色々と副作用が起こるらしいんだ。」
ミコト「そうなんだ・・・」
ミーナ「私には分かりません・・・」
ミコト「何か難しい話になってきてるような・・・」
ジタン「で、母親は誰何だ?」
ミコト「もしかしてユフィ?」
ミーナ「・・・ええ。」
何故かミーナの表情が暗くなった。
ミコト「あなたの時のユフィは元気にしてるの?」
ミーナ「・・・」
ミコト「ミーナ?」
ミーナ「え!?あ、えっと・・・」
ジタン「(この様子・・・)ミコト。」
ミコト「何?」
ジタン「あんまりそう言うのは聞くなよ。」
ミコト「どうして?」
ジタン「どうしても。」
ミコト「分かったわ。」
ジタン「所でミーナ。」
ミーナ「はい。」
ジタン「神体ってのは?」
ミーナ「神体はこの神社に祭ってある物で、かつてこの街を救ったとされて今では神として崇めてるのです。」
ジタン「もしかして短剣の一種か?」
ミーナ「え?ええ。でもそれが?」
ジタン「やっぱり
エンジェルブレス
はここにあるんだな。」
ミコト「エンジェルブレス?」
ジタン「今回の目的さ。こいつの片割れの。」
ミーナ「それって・・・
デモンズブレス
ですか?」
ジタン「そうさ。」
ミコト「デモンズブレスって兄さんの短剣のこと?」
ジタン「そう。こいつの名前さ。」
ミーナ「目的って事は・・・」
ジタン「ああ・・・エンジェルが必要になってね。」
ジタンはミーナに全てを話した。
ジタン「だからこいつらの力が必要なんだ。持ってっちゃ駄目かな?」
ミーナ「私は良いですけど・・・街の人が許してくれませんよ。」
ジタン「そっか・・・」
ミコト「街の人と言えばさっきどうしてあんなに・・・」
ミーナ「ああ、あれはいいのよ。」
ミコト「いいって・・・辛くないの?あんなに言われて・・・」
ミーナ「いいんです・・・私は・・・悪魔と同じなんですから・・・」
ミコト「悪魔?」
ミーナ「私がこの街に来てから・・・いつも街に災難が起こる・・・それに・・・」
ジタン「そこまでだ。」
ミーナ「?」
ジタン「俺らはそんな話を聞きたい訳じゃない。」
ミーナ「でも・・・」
ジタン「それ以上言うな。俺はそう言う奴は嫌いなんでな。」
ミコト「兄さん!!」
ジタン「別に俺ならアレを盗むって事は難じゃない。アンタのために止めようと思ったが・・・勝手に持って行くよ。」
ミコト「兄さん!!」
ミーナ「止めて下さい!!アレを持って行かれたら・・・この街は・・・」
ジタン「だったらその自己嫌悪を治す事だな。行くぜミコト。」
そう言ってジタンは立ち上がりその場を去った。
ミコト「待ってよ!!ごめんね・・・」
ミーナ「ううん・・・いいのです・・・」
ミーナに謝りミコトはジタンの後を追った。
ミーナ「・・・お父さん・・・お母さん・・・」
ミコト「兄さんさっきのは何よ!!兄さんらしくない!!」
ジタン「それくらい分かってるさ・・・」
ミコト「じゃあどうして!!」
ジタン「・・・あの子は全て自分のせいだと思い込んでる・・・災難なんて全て人のせいで起こる訳ではないのにな・・・あの子は・・・心に大きな闇がある・・・」
ミコト「兄さん・・・」
ジタン「俺が見抜けないと思ってるのか?アレはあの子の闇を取り除くためにちょっと喝しただけさ。」
ミコト「・・・」
ジタン「それにあの子は悪魔じゃない。どっちかと言えば天使さ。」
ミコト「え?」
ジタン「あの様子からすれば全てに優しく接し、『自分は後回しで良いから誰かを幸せにしたい』と思い、物腰低めに生きている・・・天使のような子さ・・・」
ミコト「・・・」
ジタン「だから俺はあの子の闇を消そうと思ったのさ。」
ミコト「・・・ごめんなさい・・・」
ジタン「謝らなくったっていいさ。」
ミコト「ううん・・・兄さんの考えも分からなくて・・・ごめんなさい・・・」
ジタン「いいって。さてと、これからどうするか。」
ミコト「本当に奪うのもなんか・・・」
ジタン「もう少しこの街にいるか。」
ミコト「ええ。」
ジタン「それにミーナの事も気になるしな。」
ミコト「ミーナの事?もしかして惚れてるの?」
ジタン「違うっつうの。」
ミコト「ならいいけど。」
ミーナ「何か言いました?」
ジタン「おわっ!?」
ミコト「きゃっ!!」
すぐ後ろにミーナがいた。
ジタン「あ〜・・・何処から聞いてた?」
ミーナ「一応初めから・・・」
ジタン「そ、そうか・・・」
ミーナ「私は天使なんかじゃありませんよ・・・確かに心の中に闇があることは気付いています・・・けどあなたが言うほど私はそんな・・・」
ジタン「自身を持てって。自身持てばお前だって結構行けるぜ。可愛いからよ。」
ミーナ「ええ!?」
ジタンの一言にミーナは顔が真っ赤になった。
ミコト「やっぱり口説いてるし・・・気をつけてね。兄さん女好きだから。」
ジタン「ちょい待て!!俺はもう・・・てかまだ式は挙げてなかったな。」
ミーナ「え?」
ジタン「あ、何でもないよ。」
ミーナ「そう?」
ジタン「そうそう!!」
ミーナ「ふふっ・・・とりあえず家に寄ってく?」
ジタン「長居するつもりは無いんだけどな・・・ま、お言葉に甘えて。」
ミコト「少しくらいいいかしら?」
ミーナ「ちょっといずらいかも知れないけど・・・こっちよ。」
そして二人はミーナの家に案内された。
ダガー「・・・なぁんか嫌な予感が・・・」
エーコ「どしたの?」
ダガー「今嫌な予感が・・・」
ビビ「嫌な予感?」
エーコ「もしかしてジタン浮気してたりして・・・」
ダガー「ま、まさかね・・・?」
ジタン「へっくし!!」
ミコト「風邪?」
ジタン「さぁ?」
ミーナ「大丈夫ですか?」
ジタン「ああ大丈夫さ。でもこの家は・・・」
ミーナの家は一人だけで暮らせれるように部屋は一つだけでその他ベットや台所や風呂にトイレが一応ある程度だった。
ジタン「生活観が無いような部屋だな・・・」
ミーナ「私だけが暮らすんですからこれで十分なんです。」
ジタン「でも十九の女の子の部屋がこれって・・・もうちょっとこう・・・何か・・・」
ミーナ「いいんですこれで。」
ジタン「いいってもな〜・・・何か趣味とか無いのか?」
ミーナ「趣味は・・・絵を描くのが好きですね。」
ミコト「確かに絵を描く道具はあるけど・・・絵が無いじゃない。」
ミーナ「絵は生活費のために売ってるんです。そんな高く無いですけど・・・」
ジタン「高くないって・・・」
ミーナ「一枚100くらいで。」
ジタン「この星の単価が知らないから高いかどうか分かんないけど・・・安いな・・・」
ミーナ「なんなら今から描いてあげましょうか?」
ミコト「じゃあお願いしようかしら。」
ミーナ「じゃあ脱いで下さい。」
ジミ「え!?」
ミーナ「やっぱり絵を描くんならやっぱりそれでしょう。芸術ですし。」
ミコト「そう・・・言うんなら・・・」
そう言ってミコトは恥ずかしそうに上着を脱ごうとした。
ミーナ「嘘ですよ。そんな本気にしないで下さいよ。」
ジタン「あ、嘘か・・・マジで良かったような・・・」
ミーナ「ってジタンさん。ミコトさんが脱ごうとしたのに部屋にいたんですか?」
ジタン「あ、それはだな・・・」
ミコト「いいのよ。相手が兄さんなら。」
ミーナ「それじゃあ絵は二人が寄り添ってるのにしましょう。どんな具合かは任せます。」
ジタン「そっか・・・それじゃあ。」
そう言うとジタンはミコトを抱き寄せ、左手をミコトの左肩に置いて、ミコトはジタンに寄り添い左手で右手首を握り少々横向きのポーズをとった。
ミーナ「じゃあそれで。動かないで下さいね。」
そしてミーナは絵を描き始めた。
数分後
ミーナ「・・・っと。完成しました。」
ミーナの絵が完成した。
ジタン「どれど・・・」
ジタンはミーナの絵を見て止まった。
ミコト「どうしたの?えっと・・・」
そしてミコトも絵を見て止まってしまった。
ジタン「俺・・・芸術って良く分かんないけど・・・凄い・・・」
ミコト「うん・・・何て言えばいいか分かんないけど・・・なんだろう・・・心が・・・」
ミーナの絵はとても素晴しいようだ。
ジタン「これほど凄いのに・・・一枚100ってのはどうだ?」
ミコト「ねぇ、100あれば何買えるの?」
ミーナ「えっと・・・十個入りタマゴワンパック買えます。」
ジタン「大体タマゴ十個入りワンパックって98ギルだよな・・・」
ミコト「でもこれくらいなら1,000・・・いえ、何万とか何十万とか行けますよ。」
ミーナ「いいんですよ。」
ジタン「こんな凄いのに・・・どうして?」
ミーナ「そんなにお金は要りませんし・・・高くしすぎると誰も買ってくれませんしね。でも見てくれるだけでも私は嬉しいですけどね。」
ミコト「や、優しい・・・」
ジタン「やっぱ天使だよ・・・」
ミーナ「だからそんなんじゃありませんよ。所でどうするんですかこれから?」
ジタン「そうだな・・・念の為にエンジェルブレスを持ち帰れないときの事を考えておこう。」
ミコト「そうよね・・・ってそうだ兄さん。」
ジタン「何だ?」
ミコト「この前言ってた『奴ら』って誰の事なの?」
ジタン「ああそう言えば言ってなかったな。」
ミコト「うん。」
ジタン「奴らは・・・」
ジタンは『奴ら』の事を話そうとした。が、その時。
ドゴーーーン!!
突然大きな地響きが起こった。
ミーナ「何!?」
ジタン「まさか・・・奴らが・・・街に行こう!!」
ミーナ「はい!!」
そして三人は街に向かった。
ミーナ「ま、街が・・・」
ミコト「何これ・・・?」
街は地面から盛り上がった土や岩などでボロボロだった。
ジタン「地属性『山』・・・気付かれたか・・・」
ミコト「どう言う事?」
ジタン「さっき言おうとした奴らの一人だよ!!俺は元凶を探すから二人は街の人を!!」
ミーナ「分かりました!!」
ミコト「兄さん・・・気を付けてね!!」
ジタン「ああ!!」
そして三人は二手に分かれた。
ジタン「ここまでやるって事は・・・本気で俺を殺ろうとしてるな・・・うおっ!!」
ジタンの足元が盛り上がったが、寸前でジタンは避けた。
ジタン「危ねぇ・・・レットの野郎・・・街の人を巻き込むなんて・・・」
何者かの名を怨み混じりに言いジタンは再び走り出した。
ミーナ「みんなこっちよ!!」
ミーナは街の子供達を先導していた。
少年A「怖いよう・・・」
ミーナ「大丈夫、怖くないから。」
少女A「ほんと?ミーナお姉ちゃん?」
ミーナ「本当よ。必ずお父さんやお母さんの所に連れてってあげるから。」
少女B「パパ・・・ママ・・・」
ミーナ「大丈夫だから泣かないでね。」
ミーナは子供の先導と同時に不安を取り除くようにあやしてるので大変だった。その時。
少年B「お姉ちゃん上!!」
ミーナ「え?」
ミーナが見上げると上から大量で大きいガレキが落ちてきた。
少女C「きゃぁーーー!!」
ミーナ「くっ・・・!!逃げて!!」
そう言うとミーナは子供達をガレキが落ちてこない場所に突き出した。そして。
ドドドーーーーン!!
大量のガレキがミーナの上に落ちた。
少年A「お姉ちゃん!!」
子供達はミーナを呼んだが返事は無かった。そこに。
ミコト「大丈夫みんな!?」
ミコトと街の人が多数通りかかった。
少女A「ミーナお姉ちゃんが!!」
ミコト「え!?」
ミコトは目の前のガレキの山を見た。山の下から腕が少し出ていた。
ミコト「ミーナ!!」
少女B「ミーナお姉ちゃんを助けてあげてよ!!」
街人女A(朝とは別人)「何言ってんだい!!逃げるんだよ!!」
少年B「でもお母さん!!お姉ちゃんは僕達を!!」
街人男A「あんな悪魔ほっとけ!!逃げるぞ!!」
少女C「でも!!お姉ちゃんが!!」
嫌がる子供達を大人は無理矢理連れて行った。
ミコト「ミーナ待ってて!!今助けるから!!」
ミコトは急いでガレキを退かし始めた。
ミコト「いた!!」
ガレキの中からミーナを見つけた。
ミコト「ミーナ!!」
ミーナ「ミ・・・コト・・・さん?」
ミコト「大丈夫!?」
ミーナ「な、何とか・・・」
そしてミコトはミーナをガレキから救出した。
ミコト「よく無事だったわね。」
ミーナ「え、ええ・・・」
ミーナの怪我は少し血が出てる程度だった。
ミコト「後は任せてミーナも避難して。」
ミーナ「でも・・・」
ミコト「私は大丈夫。ユニコーンドライブがあるから。」
ミーナ「ユニコーンドライブ!?」
ミコト「古の十七の武器って言う凄い力を持った武器よ。今は普通の武器と同じくらいだけど。でも大丈夫だからミーナは・・・」
「ぎゃぁーーーー!!」
ミーナ「何今の!?」
すぐ近くから悲鳴が響いた。
ミコト「まさかさっきの人達!?」
二人はすぐに悲鳴がした方に向かった。
ミコト「うっ!!こ、これは・・・」
ミーナ「ひ、酷い・・・」
二人の目に飛び込んだ光景は血を流し、倒れてる街の人達の姿だった。その中には子供もいた。
ミコト「み、みんな死んでる・・・」
ミーナ「誰がこんな事を・・・?ミコトさんあそこ!!」
ミーナの指差した先には生き残ってる街の人と黒いコートに全身を隠した人らしき者がいた。
ミコト「何してるのよ!!」
二人は黒コートの近くに向かった。と。
ミーナ「!!」
二人の目の前で黒コートが街の人を一人、腕を突き刺して殺した。
ミコト「あなた何をしてるのよ!!」
黒コート「キッキッキッ・・・本命登場かと思ったら・・・ただのガキかよ・・・」
声からして黒コートは男のようだ。
ミーナ「何で街の人を殺すの!!この人達が何したのよ!!」
黒コート「ケケケケケケケ・・・俺が殺すのに理由なんてねぇよ。ま、あるとすりゃ・・・」
喋りながら黒コートは自分の右手についてる血をなめた。
黒コート「暇つぶしだな。」
ミコミー「!!」
黒コート「人を殺すってのは結構楽しいモンでな!!ギヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
ミコト「・・・何よアンタ・・・!!」
黒コートの言葉にミコトは激しく怒りを覚えた。
ミコト「ふざけんじゃないわよ!!」
そしてミコトは黒コートにユニコーンドライブの銃口を向けた。
黒コート「おうおう。まだヘナチョコの十七の武器か。そんなモンで・・・」
ミコト「消えろーーー!!」
黒コート「この俺を倒せると思ってんのかよ!!」
ドゴン!!
黒コートは地面を殴りつけた。と。
バゴーーーン!!
ミコト「きゃっ!?」
ミコトの足元から地面が盛り上がった。
黒コート「甘いな。」
ミコト「え?」
黒コートは一瞬の内にミコトの後ろにいた。
ミコト「嘘・・・」
ミーナ「ミコトさん!!」
黒コート「あばよ、乳無しのメス猿。」
そう言って黒コートは右手を構え、ミコトの胸を貫こうとした。
ミコト「兄さん助けて!!」
ミコトは心の底から叫んだ。と。
「はぁーーー!!」
ガギン!!
ミコト「!?」
ミーナ「あ!!」
黒コート「て、てめぇ・・・」
ジタン「妹を・・・ミコトをバカにするな!!」
ジタンがミコトのすぐ後ろに来て短剣で黒コートの手を受け止めていた。
黒コート「ケケケ・・・早かったじゃねぇかよ。」
ジタン「ふざけんなよ・・・無関係の街の人を殺して・・・!!」
ジタンは黒コートの手を弾き、ミコトを抱えてその場から離れた。
ミーナ「大丈夫ですか!?」
ミコト「う、うん。何とか・・・」
ジタン「二人は下がってろ。こいつは俺がやる。」
ミコト「兄さん。こいつ何なの?」
黒コート「へっ何でぃ、俺らのことはまだ言ってなかったのけ?」
ジタン「言おうとした時に仕掛けてきたんだろ。」
黒コート「んなの知らん。」
ジタン「あいつはレット。地の力を持つ化物さ。」
黒コートはレットと言うらしい。
レット「化物って何だよ。それはお前だってそうだろうが。」
ジタン「俺はお前ほど化物じゃないさ。」
レット「ケケケケケケ・・・よく言うぜ。お前だってかなりの数殺しただろうが。」
ジタン「それくらい分かってるさ。」
レット「まったくてめぇはほんと・・・ムカつくんだよ!!」
レットは切れてジタンに襲い掛かった。
ジタン「よっ!!」
ガギン!!
ジタンはまたレットの攻撃を短剣で受け止めた。
レット「てめぇも俺と同じだろうに何で認めねぇんだよ!!俺はそんなてめぇがムカつくんだよ!!」
ジタン「勝手にムカついてんじゃねぇよ!!確かに俺はお前と同じだがよ!!お前ほどに腐っちゃいねぇよ!!」
レット「何処が違うんだよ!!てめぇはほんと・・・死にやがれ!!」
レットは何度もジタンを殺そうと腕で攻撃を仕掛け、ジタンはその度に短剣で受け止めた。
ミコト「どうしてあいつ短剣を素手で受けてられるの!?」
ミーナ「分かりませんが・・・手が硬直とかしていて硬度が剣の刃を受け止められる程だとしか・・・」
ジタン「ミーナの!!言うとおりだ!!こいつの手は!!今滅茶苦茶!!硬いんだよ!!」
ジタンは攻撃を仕掛けようとしてるがレットの攻撃を受けるだけで精一杯だった。
ジタン「やっぱもう・・・一本は限界かな!?」
レット「そらそらそらそら!!どうしたどうした!?」
ジタン「ちぃ!!」
ジタンはその場からジャンプし、少し壊れた家の屋根に上がった。
レット「キャキャキャキャ!!逃げんのかおい!!」
そしてレットも後を追った。
ミコト「兄さん!!行こうミーナ!!」
ミーナ「・・・」
ミコト「ミーナ!!」
ミーナ「ミコトさんは先に行っててください!!後から必ず追いつきます!!」
そう言ってミーナは神社のほうに向かい走り出した。
ミコト「ミーナどこ行くの!?・・・しょうがない!!」
そしてミコトはジタンの後を追った。
ミーナ「はぁはぁ・・・」
ミーナは神社にたどり着いた。
ミーナ「急がなきゃ・・・!!」
ミーナは神社に入ると一目散に何かをつかんだ。
ミーナ「ごめんなさい!!」
そしてミーナは神社を出ようと走り出した。と。
宮司「待てミーナ!!」
ミーナ「!!」
神社の入口に宮司がいた。
ミーナ「おじいちゃん・・・」
宮司「ミーナよ。お前は今何をしているのか分かっておるのか?」
ミーナ「そ、それは・・・」
ミーナは一瞬目を逸らした。しかし。
ミーナ「分かってなかったらこんな事しません!!」
再び宮司の方を見た。
ミーナ「私はあの人達の助けになりたいんです!!そのためなら私は!!」
宮司「・・・そうか。行くが良い。」
ミーナ「おじいちゃん・・・」
宮司「お前が決めた事なんじゃ。ワシに止める事は出来ん。お前のやりたいようにやればよい。」
ミーナ「はい!!」
そしてミーナは再び走り出した。と。
宮司「待ちなさい。」
宮司がミーナを呼び止めた。
宮司「これを持って行きなさい。」
そう言って宮司はミーナと同じくらいの弓と大量の矢を入れた筒を投げ渡した。
宮司「必要になりましょう。」
ミーナ「ありがとう!!」
そしてミーナは再び走り出した。
宮司「行くのですミーナ。自分の為に、守りたい人の為に。」
一方その頃。
レット「ギキャッハーーーーー!!」
ジタン「づっ!!」
レットの手がジタンの左腕をかすった。
ミコト「兄さん!!」
ジタン「俺は大丈夫だ!!お前はこいつが街の人に手を出さない様にしてればいい!!」
ジタン達の周りには生き残ってる街の人達がいた。
ミコト「分かってるけど・・・兄さん・・・」
ジタン「言ってるだろ?俺は大丈夫だからってな。」
しかしジタンには右足、腹部、左頬にも攻撃の傷跡があった。
レット「お前も無茶するんだな〜街の人間を生かしながら俺と戦うなんざ。」
ジタン「てめぇがみんなを逃がさなぇように周りに山創るからだよ・・・」
ジタン達が戦ってる周り数メートルにかなりでかい山が出来ていた。
街人男A「いったい俺達どうなるんだよ!!」
少年A「怖いよ・・・」
街人女A「どうして私達がこんな目に遭わなくちゃいけないのよ!!」
街人男B「これも全部あの悪魔のせいだ・・・あいつがこの街にいるから俺達まで・・・!!」
少女A「ミーナお姉ちゃんは何にも悪くないよ!!ミーナお姉ちゃん優しいもん!!」
街人女B「あの悪魔を庇うのはおよし!!」
少年B「どうしてなんだよ!?ミーナは何もしてないじゃないか!!」
街人男C「あいつがこの街に・・・いや、この世界にいる自体いけないんだ!!あんな奴早く死んでしまえばいいんだ!!」
街の人達は恐怖とミーナの事で大人と子供の間で口論が生じていた。
レット「グヒェヒェヒェヒェ!!あ〜あ〜なんだよ人のせいにしてよ。」
少女B「お姉ちゃんは悪くないもん!!悪いのは全部お前だもん!!」
子供達「そうだそうだ!!」
少年C「お前なんか消えちまえ!!」
子供達はレットに向けて小石などを投げつけだした。
街人女C「お前達およし!!」
レット「青臭ぇガキどもが・・・それほど死にてぇようだな!!」
レットは子供達に切れて攻撃目標を子供達にした。
ジタン「やめろ!!お前の相手は・・・!!」
レット「じゃきゃぁしぃ!!」
ドゴン!!
ジタン「うおっ!!」
ミコト「あうっ!!」
レットはジタンとミコトの足元の地面を盛り上げてひるませた。
レット「死ねやぁーーー!!」
少女C「きゃーーー!!」
レットの手が子供達に刺しかかろうとした。と、その時。
バギン!!
レット「おうっ!?」
子供達「?」
子供達の目前でレットの手が弾かれた。
?「大丈夫みんな!?」
子供達「あ!!」
レット「て、てめぇ何だ!?」
ミコト「ミーナ!!」
山の上の方に先程の弓を構えたミーナがいた。
ミーナ「はっ!!」
ミーナはその場から飛び降り子供達に近づいた。
ミーナ「みんな怪我は無い?」
少年D「へっちゃらさ!!」
ミーナ「そう。危ないから下がっててね。」
少女D「うん!!お姉ちゃん頑張れーーー!!」
子供達「頑張れミーナお姉ちゃん!!」
子供達がみんなミーナにエールを送った。しかし。
街人男D「何しに来たんだ。」
大人はミーナを睨み付けていた。
ミーナ「・・・」
街人女D「あんたがこの街にいるからあたし達にまでこんな目に遭うんだ。いったいどうしてくれるのさ!?」
大人達はミーナに対して怒りの思いをぶちまけた。しかしミーナは。
ミーナ「・・・私がする事に理由なんているんですか?」
大人達「!?」
ミーナは冷静に言い返した。
ミーナ「私は私がしたいと思ったからここに来てるんです。皆さんには関係ありません。」
ミコト「ミーナ・・・」
ジタン「へへっ強くなったな。」
レット「ふざけやがって・・・てめぇも死ねぇい!!」
今度はミーナを標的にして攻撃を仕掛けてきた。
ミーナ「街の人達の命・・・償いなさい!!」
そう言ってミーナは左手に持ってた先程の弓をレットの方に向け、右腰につけてある矢筒から一本取り出して矢を射る構えをとった。
ミーナ「喰らいなさい!!」
ジタン「よ、
与一の弓
!?」
ミーナ「はっ!!」
ミーナは矢を放った。
レット「んな!?」
バギン!!
レット「うぉっち!?」
矢は当たり、レットを大きく弾き飛ばした。
レット「つつつつつつ・・・んな馬鹿な・・・」
ミーナ「知ってたんですか?」
ジタン「始めて見た時から君に十七の武器の光が見えてたからな。」
ミコト「今の十七の武器なの!?」
ジタン「そう。古の十七の武器の一つ、与一の弓だ。」
レット「ふざけやがって・・・死ね!!」
再びレットはミーナに仕掛けた。
ジタン「させねぇ!!」
ゲシッ!!
レット「どう!?」
ジタンが横からレットに飛び蹴りをかました。
ジタン「どうだ!!」
レット「うぜぇんだよ!!」
レットは左腕から岩で出来た刃を出した。
ジタン「やばっ!!」
ジタンはまだ飛んでいるために回避行動を取れそうに無かった。
レット「チェギャーーーーー!!」
ザシュッ!!
ジタン「ぐあっ!!」
ミコト「兄さん!!」
レットがジタンの左足を深く切り裂いた。
ジタン「や、やべぇ・・・」
傷は深く、ジタンは立ち上がる事さえ出来なかった。
レット「さてと・・・止めを・・・」
レットは右手を出して構えた。
レット「刺させてもらうか!!」
そして一気にジタンを貫こうとした。
ミコト「避けて!!」
ジタン「ちぃ!!」
ジタンは避けれそうに無かった。と。
ミーナ「危ない!!」
ズシュッ!!
ミーナ「うっ!!」
子供達「!!」
ミコト「ミッ・・・!!」
ジタン「ミーナ・・・?」
その時ジタンが見たのは自分の目の前にいるミーナの背中と、胸部辺りから出ているレットの手であった。
ミコト「ミーナーーーーー!!」
ミーナはジタンを庇い、レットの攻撃を受け、手が貫通していた。
ジタン「ミーナ!!」
ミーナ「クフッ・・・!!」
レット「ありゃま。これはこれは・・・」
レットはミーナから自分の手を抜いた。
レット「別の奴殺しちまったな。ま、俺にはどうだって良いがな!!ガヒャヒャヒャヒャヒャ!!」
ジタン「ミーナ!!しっかりしろミーナ!!」
ジタンはミーナを抱きかかえ、少しでも傷口を塞ごうと手で押さえていた。
ミーナ「ジタンさん・・・大丈夫ですか?」
ジタン「何言ってんだよ!!お前の方が危険だってのに!!」
少年E「嘘だろ・・・?」
少女E「ミーナお姉ちゃんが・・・」
子供達「うわぁーーーん!!」
子供達は皆一斉に泣き出した。
ミーナ「私は大丈夫です・・・どうせ死は私には・・・」
ジタン「なんだって!?」
ミーナ「ううん・・・何でもないです・・・それよりこれを・・・」
そう言ってミーナはジタンに何かを差し出した。
ジタン「これ・・・エンジェルブレスじゃないか・・・」
ミーナ「使って下さい・・・」
ジタン「ミーナお前・・・」
街人女E「そ、それ神体じゃない!!」
街人男E「貴様神体を汚すつもりか!!」
街人男F「てめぇらも消えちまえ!!」
街人女F「早く出てって!!」
街の人はミーナの事よりもエンジェルブレスの方が大切のようでそっちの事で怒りだした。と。
ミコト「何言ってるのよあなた達!!」
大人達「!?」
ミコトまでも遂に切れた。
ミコト「ミーナがこんな目に遭ってまで助けようとしてるのにあなた達は何なんですか!!ミーナより短剣の方が大切なんですか!?あなた達は最低な人間です!!」
街人男G「よそ者が何言ってやがる!!」
街人女G「あなた達には関係無いでしょ!!」
ミコト「関係無くない!!ミーナは私達の!!」
ジタン「もうやめろミコト!!」
ミコト「でも!!」
ジタン「やめるんだ!!」
ミコト「うっ・・・!!くっ・・・!!」
ミコトは悲しさと悔しさで泣いていた。
ジタン「レット・・・本気で俺を怒らせたな・・・」
レット「それがどうしたんだ!?おめぇはその傷じゃ立ち上がることさ!?」
ジタン「・・・」
ジタンの傷は全て消えていて、ジタンはその場に立ち上がった。
ジタン「・・・ただで済むと思うなよ・・・」
そう言ってジタンは右手にデモンズブレス、左手にエンジェルブレスを逆手で握り締めた。
レット「なんだなんだ?今度は二刀流か?」
ジタン「てめぇを倒すのに二本もいらねぇ・・・一つでいい・・・」
レット「頭いかれたか!?てめぇ自分で二つ持ってんだろうが!!」
ジタン「だから今・・・一つにするのさ・・・」
レット「何?」
ジタンは全身の気を集中し、二つの短剣に込め始めた。
ミコト「トランスとも違う・・・何なの・・・?」
ジタン「一気に終わらせてやる!!」
ガギン!!
ジタンは二つの短剣の柄の先をくっ付けた。と、その時。
バァーーーーー!!
二つの短剣を中心にとてつもない光が発生した。
レット「おおっ!?」
ミコト「な、何なの!?」
ジタン「別に何でもねぇよ・・・ただこいつの本当の姿を出しただけさ・・・」
ミコト「本当の姿・・・?ええ!?」
その時ジタンが持っていたのは短剣ではなく、自分と同じくらいの盗賊刀であった。
ジタン「七本目・・・これが俺のアルテマウェポンだ。」
ミコト「それもアルテマウェポンなの!?」
レット「アルテマウェポンだかウエムラポンポンだか知らんがそんなんで戦えるのかよ!!」
ジタン「ああ、十分にな!!」
そう言ってジタンは両手でアルテマウェポンを振り回した。と。
バゴーーーン!!
レット「んなぁ!?」
一振りで辺りの山が全て粉々に砕け散った。
ジタン「今の内に逃げろ!!」
少年F「おいお前!!しっかりやれよ!!」
少女F「お姉ちゃんの為にも頑張ってね!!」
子供達だけジタンにエールを送ってその場から去った。
ジタン「さて・・・これで心置きなく戦えるな・・・」
レット「ふざけたマネを・・・さっさと死ね!!」
レットは右腕に岩や土を大量に固め、手を大きくしてジタンに攻撃を仕掛けてきた。
レット「きぇやぁーーーーー!!」
ジタン「一撃でしとめてやる・・・でりゃ!!」
バゴーーーン!!
レット「ごうっ!?」
ジタンはAウェポンを右手だけで持ち、レットが目の前に来ると同時に左下から右上に斬り裂いた。
レット「おつつつつ・・・右腕を吹っ飛ばすとはな。」
先程の攻撃でレットの右腕は普通の人間と同じような腕になっていた。
レット「ま、いいけ。今日はこのへんにしたるわ。あばよ!!」
そう言うとレットは消えた。
ミコト「消えた!?」
ジタン「深追いしなくていい・・・」
ジタンの右手にはAウェポンは無く、柄の先をくっ付けた状態のままの二つの短剣が握られていた。
ミコト「ミーナ・・・」
ジタン「・・・」
二人はミーナの死に悲しんだ。と。
?「呼びました?」
ジミ「え!?」
二人は声がした方を見た。そこにいたのは。
ミーナ「あいつは逃げたんですね。」
ミーナであった。
ミコト「ミーナ!!」
ミコトはミーナに駆け寄り抱きついた。
ミコト「どうして!?どうして生きてるの!?」
ミーナ「・・・お父さんからの・・・授かり物ね・・・」
ミコト「ヴィンセントの?」
ミコトは話を聞くためにミーナを放した。
ジタン「あわっ!!」
ミコトが放れたと同時にジタンは顔を赤くし、逸らした。
ミーナ「お父さん・・・変身能力があったでしょ。」
ミコト「ええ。」
ミーナ「あれは宝条のせいで肉体を改造された結果・・・同時に死ねない体になったの・・・その症状が私にも少し・・・」
ジタン「もしかして・・・」
ミーナ「年は取るのだけれど・・・寿命でなきゃ死ねないみたいなの・・・だからガレキに潰されても・・・胸を貫かれても・・・それに多分寿命もとても長いと思う・・・」
ミコト「ミーナ・・・」
ミーナ「でもいいの。これはお父さんがくれた物なんだから。私はいいの。」
ミコト「強いんだね。」
ミーナ「いえ・・・私に比べたらジタンさんは・・・どうしたんですか?」
ジタン「・・・」
ジタンはずっと顔を赤くしてミーナから目を逸らしていた。
ミーナ「ジタンさん、どうしたんです?」
ジタン「・・・」
ジタンは何も言わず、右手でミーナの胸部辺りを指した。
ミーナ「いったいどうし・・・!!」
そこには先程貫かれた穴があった。
ミーナ「きゃあ!!」
ミーナは恥ずかしくなってすぐに腕で隠した。
ミコト「よ、よく見たら私より大きい・・・」
ジタン「多分セーラと同じか・・・それ以上・・・」
ミーナ「恥ずかしい・・・!!」
ミーナの顔は真っ赤だった。
ジタン「とりあえずこれ貸すよ。そんなんじゃ嫌だろ?」
そう言ってジタンは自分が着ている上着をミーナに渡した。
ミーナ「でもあなたは・・・」
ジタン「上は一枚あればいいんだよ。」
そんなジタンは上は白いタンクトップだけだった。
ミコト「でもミーナが十七の武器の使い手なんて・・・」
ミーナ「いいでしょ。」
ミコト「いいけどね。兄さん。」
ジタン「ああ。ついでにこれ返すよ。」
そう言ってミーナにエンジェルブレスを差し出した。
ミーナ「でも・・・」
ジタン「こいつはこの星に必要なのさ。」
ミコト「いいの兄さん?」
ジタン「ああ。いいのさ・・・」
ジタン「装置がこっから少し離れた街にあるなんてな・・・少し遅れるなこら・・・」
二人は街の入口付近にいた。
ミコト「でもさ・・・本当にエンジェルブレスいいの?」
ジタン「仕方が無いさ。この街の精神的支柱だしな。」
ミコト「ならいいけど・・・」
ジタン「それにさっさと帰らなきゃな。ここいずらいし。」
ミコト「そうね・・・」
二人の周りには少し街の人がいたが、好感的な見送りではないようだった。
ジタン「そんじゃ行くか。」
ミコト「そうね。お世話になりました。」
そう言ってミコトは宮司と街の人達に礼をした。
宮司「これからも気を付けてくださいね。」
ジタン「はい。所でミーナは?」
宮司「あの子は神体を戻して来ると言ってました。もしかしたらここには来ないかもしれませんけど。」
ジタン「そっか・・・長いはしてられそうにないしそろそろ行こう。」
ミコト「兄さんが言うなら・・・」
そして二人は街を出ようとした。
街人男A「もう二度と来るなよ。」
街人女A「半数近くいなくなってしまったんだから・・・」
ジタン「えぇえぇ分かってますよ。」
二人は街の領域から少し離れた。と。
ミーナ「ちょっと待ってください!!」
ジタン「ミーナ?」
街の向こうからミーナが走ってきた。
ジタン「ミーナ・・・その格好は・・・?」
ミーナの服装は巫女では無く、下は左がスネ辺りまで、右が膝より少し上で腿が少し見える赤いズボンと右だけ黄緑色とオレンジ色のチェックのパレオのような物と足首に黒のレッグウォーマー、上が黄色のノースリーブシャツに白と袖が水色で右だけ長袖で左が袖無しのフード付き薄めの上着に左腕にリストバンドと手袋、頭には薄いピンクのテンガロンハットをかぶっていた。
天からの声「上着を着てるのにシャツの色が分かるのは上着をコウの黒上着風にあけてるから。ちなみに靴は普通の靴だよ。」
ジタン「説明どうもな。で、どうしたんだ?」
ミーナ「私決めたんです。ジタンさん達について行くって。」
ジタン「え!?」
ミーナ「あんなこともあったし・・・ちょうどこの街から出る理由も出来ましたし、だったら一緒に行っても良いかな?って思いまして・・・駄目でしょうか?」
ジタン「いや、悪くは無いさ。ミーナは与一の弓を持ってるし、優しいからな。」
ミーナ「ちゃんと戦いには出ますから。」
そんなミーナの背中には与一の弓が背負ってあり、右腰に矢筒を携えていた。
ミーナ「と言う訳でおじいちゃん。今までお世話になりました。」
そう言ってミーナは宮司に礼をした。
宮司「それがお前の決めた道ならワシは止めはせん。好きにするが良い。」
ミーナ「はい。」
少年A「出てっちゃうの?ミーナ?」
ミーナ「ごめんね。私はもうこの街にいられないから・・・」
少女A「お姉ちゃんは何もしてないじゃない!!」
少年B「そうだよ!!ミーナは僕達を助けてくれたじゃないか!!」
ミーナ「ううん・・・私はここにはいちゃいけないのよ・・・」
少女B「いやだ!!行かないでミーナお姉ちゃん!!」
子供達はミーナに駆け寄った。
ミーナ「ごめんねみんな・・・元気でね。」
宮司「さ、ミーナも困ってますから。」
少年C「グスッ・・・俺達の事忘れないでよな!!」
ミーナ「うん。みんなの事は忘れないから。」
少女C「元気でね・・・ミーナお姉ちゃん・・・」
ミーナ「うん・・・今までご迷惑かけました・・・もう行きます。」
街人男B「こいつらが何を言おうと、もう二度とここには来るなよ。」
ミーナ「分かってます。」
街人女B「じゃあさっさと行きな。あんたの顔なんか見たか無いよ。」
ミーナ「はい。ではジタンさん。ミコトさん。」
ジタン「ああ・・・」
ミコト「それでは。」
そして三人は街から離れた。
子供達「バイバーーーイ!!」
子供達はずっとミーナに手を振っていた。
ミーナ「さよなら・・・みんな・・・」
ミコト「でもいいのこれで?」
ミーナ「良いんですこれで。ミコトさんと一緒ってあの子にも知らせてあげたいですよ。」
ジタン「あの子?」
ミーナ「私の妹です。今は離れ離れで何処にいるか分かりませんけど・・・」
ミコト「てことはユフィとヴィンセントの娘?」
ミーナ「はい。でも・・・」
ミコト「どうしたの?」
ミーナ「いえ、何でも・・・そうだジタンさんこれ。」
そう言ってミーナはジタンに上着を返した。
ジタン「おう。サンキュ。」
ミーナ「べ、別にお礼なんて・・・」
ミコト(ムッ?)
ミコトはミーナの顔が赤くなってるのに気付いた。
ミコト「早く帰りましょうね〜兄さんも子供達を抱いてあげたいでしょ〜?」
ジタン「まぁな。」
ミーナ「こ、子供!?」
ミコト「兄さんは式挙げてないけど子供がいるのよ〜」
ミーナ「そ、そうなんですか・・・」
ミーナは激しく落ち込んだ。
ジタン「どした?」
ミーナ「いえ・・・何でも・・・」
ミコト「所で兄さん。本当にこれからどうするの?」
ジタン「エンジェルブレスは無いからな〜・・・どうすっか・・・」
ミーナ「ご心配なく。はい。」
そう言ってミーナは何かをジタンに渡した。
ジタン「こ、これエンジェルブレスだろ!!どうしてここに!?」
ミーナ「えへへ・・・」
ジタン「・・・ったく。お前も抜け目無いな。このっ」
笑いながらジタンはミーナの額を人差し指で軽く押した。
ミーナ「少しでも役に立ちたいって思って勝手に持ってきちゃいました。」
ミコト「でも街の方はいいの?」
ミーナ「大丈夫ですよ。これそっくりの偽者作って代わりに置いておきましたから。」
ジタン「お前・・・ほんと天使のような悪魔だな・・・」
ミーナ「いいんです。私は私ですから。」
宮司「まったくミーナは・・・」
宮司は偽者に気付いていた。
宮司「ま、ワシの目はともかく街の者なら分かるまい。」
ジタン「ま、ありがとなミーナ。」
ミーナ「はい。」
ミコト「あ、そうだミーナ。ちょっといいかしら?」
ミーナ「はい。」
ミコト(いつかでいいからさ、私の・・・描いてくれない?)
ミーナ(私は良いですけど・・・ジタンさんが・・・)
ミコト(分かってるけど・・・将来の為にある人に見せて少し慣れさせておきたいの・・・)
ミーナ(分かりました。)
ジタン「ミコト。お前今何言った?」
ミコト「え!?な、何も言って無いわよね!?」
ジタン「俺の耳を誤魔化せれるとでも?」
ミコト「うぅ〜・・・」
ジタン「ま、お前がそうしたいんなら構わないぜ。」
ミコト「ほんと!?」
ジタン「ただし、俺付き添いでな。」
ミコト「ありがとう兄さん!!」
ミーナ「あなた達本当に兄妹ですか?」
ジタン「みんなにそう言われるがそうだぜ。」
ミーナ「そうですか。ま、いいですけどね。」
ジタン「さ、そんなことより早く行こう。」
ミコト「ええ。」
ミーナ「はい。」
ダガー「むぅ〜・・・」
コウ「いったいどうしたんだティル?さっきからうなりっぱなしだぜ。」
ダガー「どうも嫌な予感が・・・」
コウ「気のせいじゃないか?」
ダガー「ならいいけど・・・」
ブランク「てか早くしろよ。みんなコールしてるぜ。」
ダガー「あ、うん。9のスリーカード。」
ブランク「ハートのフラッシュ。」
フライヤ「フルハウスじゃ。」
ベアトリクス「ブタです・・・」
ラニ「あたしも・・・」
コウ「ロイヤルだ。スペードの。」
シナ「またコウの勝ちズラ・・・」
ガイアの方達はポーカーをしていた。
ブランク「何でそんなにロイヤルストレートフラッシュ出せんだよ・・・」
コウ「今日は引きがいいんだよ。」
ブランク「ま、あっちよりはいいか・・・」
ロック「ロン!!立直(リーチ)一発ドラ2!!」
バッツ「ま、満貫か・・・」
クラウド「・・・来ない・・・」
スコール「あと少しだったのに・・・」
こちらは麻雀をしていた。
セシル「バッツ・・・弱い・・・」
ティーダ「そうッスね・・・」
マーカス「何でみんなして賭け事してるんスか?」
コウ「暇だからじゃねぇのか?ほい、Aのフォーカード。」
ブランク「がぁーーー!!」
ダガー「せっかくキング四枚揃ったのに・・・」
ビビ「・・・」
コウ「そう言えばビビはどうしたんだ?ずっと黙ってるけど・・・」
エーコ「ビビどうしたの?」
ビビ「・・・ある魔法を使いこなしたいんだ・・・」
エーコ「ある魔法?」
ビビ「でもどうすればいいか分かんないんだ。」
エーコ「あたしも協力するよ。何の魔法?」
ビビ「究極魔法・・・アルテマさ。」
エーコ「アルテマってあの?」
ビビ「うん。これから厳しい戦いが起こると思うから・・・」
ダガー「だったらクジャに聞いたら?彼使えるから。」
ビビ「ちょっと気乗りしない・・・」
コウ「アルテマか・・・それかどうかは知らないけど、ダゲレオに強力な魔法に関することを書いた本があるらしいぞ。」
ビビ「本当!?」
コウ「ま、噂だがな。ファイブカード。」
ダガー「ああもう!!」
ブランク「やっぱジョーカー入れなきゃよかった・・・」
ファイブカードとはフォーカードにジョーカーが加わった最強の手だが、ジョーカーは普通入れない。
ビビ「噂でもいい。僕ダゲレオに行って来る!!」
エーコ「あたしも行くよ!!」
ダガー「じゃあたまには二人きりでいいわよ。頑張ってね。やった!!ストレートフラッシュ!!」
コウ「ティル・・・悪いがまたファイブ。」
ダガー「ガ〜〜〜ン・・・」
セシル「凄い強いな・・・」
バッツ「だな。」
ロック「ロン!!リータンチートイ裏含めてドラ4!!(立直タンヤオ七対子(チートイツ)裏ドラを含めてドラ4)」
ティーダ「バッツ倍満ふってるし・・・」
クラウド「こねぇ!!」
スコール「また後少しなのに・・・」
スタイナー「あの・・・陛下少々よろしいでしょうか?」
ダガー「どうしたのスタイナー?それにみんな。」
フラットレイ「しばしガイアを離れようと思うのだが・・・」
ダガー「離れるって事は何処か別の星に行くの?」
クイナ「そうアル。」
ラニ「一体どうしたのさ?」
サラマンダー「ちょっと気になる事があってな・・・」
ラニ「気になる事?お、フルハウス。」
ダガー「2、3のツーペア・・・」
ベアトリクス「・・・2のワンペア・・・」
フライヤ「・・・4のスリーカード。」
ブランク「クラブのストレート。5から9な。」
コウ「誰も降りないなんてな・・・キングのフォーカード。」
ポーカーしてる人「あぁーーー!!」
コウ「時には降りるって事を覚えろよ・・・」
スタイナー「そ、そんなことよりいいでありますか?」
ダガー「あ、いいわよ。」
フラットレイ「すまないな。」
クイナ「すぐに戻ってくるアルから。」
サラマンダー「そんじゃな・・・」
コウ「行く前におまえらもどうだ?」
スクサフ「それじゃあ・・・」
と言うことで四人も一回参加した。
コウ「どだ?」
スクサフ「勝てる気しないから降り。」
コウ「お前らはコールか?」
スクサフ以外「・・・でもブタ・・・」
コウ「ちなみにお前らなんだったんだ?」
スタイナー「スペードの・・・」
フラットレイ「ハートの・・・」
クイナ「ダイヤの・・・」
サラマンダー「クラブの・・・」
スクサフ「ロイヤルストレートフラッシュ。」
ほぼ全員「はぁ〜〜〜!?」
コウ「凄いな。でも俺はファイブな。2の。」
スタイナー「やっぱし・・・」
フラットレイ「しかも2は一番弱い・・・」
クイナ「降りて正解だったアル・・・」
サラマンダー「だな。」
ダガー「うぅ〜・・・絶対に一回勝ってやるんだから〜・・・」
コウ「いやぁ〜今日はついてるな。な、ロック。」
ロック「だな。ツモ!!大三元(ダイサンゲン)、四暗刻(スーアンコー)、字一色(ツーイーソー)、トリプル役満!!」
バッツ「うがぁーーー!!」
クラウド「俺何も来ないのに!!」
スコール「いいとこ無しだ・・・」
ティーダ「トリプルって・・・」
セシル「凄いなロック・・・」
マーカス「二人とも鬼ッス・・・」
ビビ「それじゃあ僕達も行って来るよ。」
ダガー「うぅ〜・・・行ってらっしゃい・・・」
エーコ「だ、ダガー大丈夫?」
ダガー「うん〜・・・」
ビビ「い、行こうよ・・・」
エーコ「そ、そね。」
スタイナー「では自分らも行くとするか。」
フラットレイ「そうだな。フライヤ、すぐ戻るからな。」
フライヤ「私はいつでも待っております・・・」
クイナ「サラはラニに言わないアルか?」
サラマンダー「二度と会えないって訳じゃないだろ・・・」
ラニ「そうだけどさ〜・・・」
ダガー「ま、私達は彼が帰ってくるまでこうしてましょうよ。」
コウ「そうだな。Aのフォーカード。」
ブランク「ぬぁーーー!!」
セシル「コウは強いんだな・・・それに比べバッツ達は・・・」
ロック「やぁやぁ今日は勝ったな〜」
バクス「うぅ〜・・・」
ティーダ「一人勝ちッスね。」
ダガー「今度こ・・・?」
コウ「どうした?」
ダガー「・・・ううん、何でも・・・無いと思う・・・」
コウ「そっか。」
ダガー(でも感じた・・・自分に近い何かを・・・そして昔戦ったあの敵に似た何かを・・・)
何かを感じ、ダガーは空を見上げた。(初めから外でやっていた。)
ダガー(新たな戦いの・・・かしら・・・?)
?A「レットは阻止に失敗したみたいだよ・・・」
?B「あいつは殺戮にしか興味が無い・・・予想はしていたさ・・・」
?A「じゃあどうしてレットを・・・?」
?B「たとえアルテマウェポンが揃おうと無かろうとも、我は構わない・・・」
?C「あんたはどうせジタンと本気で戦いたいだけでしょ。」
何処か分からない場所にレットと同じ黒コートを羽織った三人が話し合っていた。声からしてAは少女。Bは青年。Cは女性のようだ。
黒コートA「やっぱり・・・戦うんだね・・・」
黒コートB「そのために我らは存在するのだ・・・」
黒コートC「心配しなくても良い。お前は戦わなくとも・・・私が奴を倒す。」
黒コートA「そうじゃなくて・・・どうして殺さなくちゃいけないの・・・?」
黒コートB「・・・」
黒コートC「お前はしなくて良い・・・お前の手は清らかなままで良いんだ。汚れるのは私達で十分だ。」
黒コートA「でも・・・僕もしなくちゃいけないんだよね・・・それが僕がいる理由なんだから・・・」
黒コートC「大丈夫よ。絶対に。」
黒コートB「そこまでだ。奴らあの黒魔道士とクリスタルの申し子、十七の武器を持つ者四人が別行動するようだ。」
黒コートC「一体どうして。」
黒コートB「黒魔道士と申し子はアルテマを手に入れるが為、四人はおそらく・・・」
黒コートC「どっちにしたって私達が向かわないとね・・・」
黒コートA「じゃあ僕も行かなきゃね。」
黒コートC「お前は黒魔道士と申し子の所で良いよ。ただアルテマを使えれないようにすればいい。」
黒コートA「うん。」
黒コートB「我は四人を追う。」
黒コートC「勝手にしな。私はあいつらの所に行ってるよ。」
黒コートA「気をつけてね。」
黒コートC「ああ。」
何やら怪しい事を話し、その場から消えた。
謎の敵の出現と、新たな仲間に出会えたジタン達。そしてビビはアルテマを手に入れれるのか。スタイナー達は何処に向かったのか。黒コートは何者か。散らばったパズルのピースのようにまだ謎は大きいままである。
続く
あ と が き
オフライン時二作目。
新キャラが登場しました。
番外編後編の巫女の少女です。
ちなみにダガーより上。
第八話へ
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第十話Bへ
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第二部TOPへ
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