Another United World
〜一つに集まった十四の世界〜


第十一話 旅立ち



世界で起こり始めた異変。本当の物語が始まった。






健「みんな。久しぶりだな。」

ロイド「あぁ。」

解散から一週間後、かつて学校があった場所に健達が集結していた。

エド「話を聞いてアルも手伝うって来てくれた。」

アル「カイルの事もあるからね。」

ロニ「こっちもビビとエーコが言う事を聞かなくてな。悪いが一緒だ。」

ビビ「僕らでもやれる事はあるはずです。」

エーコ「そ〜ゆ〜事!!」

コレット「ジーニアスにプレセアも手伝ってくれるしね。」

ジーニアス「僕の魔術も役には立つよ。」

プレセア「足手まといにはなりません。」

健「でだ。毎度毎度デュナミス孤児院じゃ迷惑がかかるから学校のグラウンドに集まったはいい。だけど何も無いのは寂しいよな。」

校舎はまだ無く、グラウンドとかつてあった場所が無意味に広がっていた。

浩之「流石に何も無い場所に集まるってのはな・・・」

承太郎「おいエド・・・」

エド「あぁ。ただし、先生の許可を貰わなくちゃな。」

リフィル「仕方ないわね。ただし校舎が戻ってきた時に邪魔にならないように。」

エド「じゃあグラウンドにだな。アル、手伝ってくれ。」

アル「了解兄さん。みんなは下がってて。」

卑弥呼「はいよ〜」

エドとアルはグラウンドの中央に立ち、同時に錬成を始めた。

ユフィ「うわぁ〜・・・こりゃ凄い・・・」

エドとアルはグラウンドに少々大きめの建物を錬成した。

エド「流石にガス水道電気は無いからな。」

美琴「まぁその辺は魔道士さん達に任せるって事で。」

ジーニアス「そんなぁ〜」

リフィル「とりあえず中に入りましょう。」

ジューダス「そうだな。」

そして練成で造られた建物に全員が入った。

リフィル「では今いるメンバーをもう一度確認するわね。」

健「俺と美琴、それに卑弥呼。」

ロイド「コレットにジーニアス、プレセアに先生。そして俺。」

承太郎「俺に花京院、アヴドゥルにジジィ・・・」

浩之「ティリアに祐介。たまと新城は来ないぜ。」

ナナリー「スケベとムッツリにアタシ。カイルがいないのは寂しいけどね。」

アル「僕と兄さん。」

ルフィ「俺とナミ。ジタンはまだ戻って来ないようだし。」

アヤ「ビビとエーコ、それにユフィとレッド13を含めて全員で二十六人と一匹ね。」

レッド13「別に27人でいいけど・・・オイラは人に含まれないの?」

コレット「見た目が見た目だもん。ワンタロウ。」

レッド13「ワ、ワンタロウ・・・」

ロイド「コレットは犬好きだから名前つけるんだよ。気にするな。」

花京院「それよりもこれからどうするかを。」

ジョセフ「ワシはDIOを追いたいが、奴の居場所はまだ分からぬ。」

エド「俺はカイルを探したい。」

ロイド「だけどディザイアンは俺を狙ってくると思う。難しい事に変わりは無い筈だ。」

ティリア「ガディムの事もあるわよ。」

健「亡霊達もだ。」

リフィル「ジタンはこの事を知っているのかしら?」

浩之「あいつは女好きだが結構鋭いからな。少なからず何か異変は感じてると思うな。」

健「問題はあいつが今どこにいるかだな。」

美琴「だけどさぁ。同時に五つも問題抱えてどうしたらいいか自体分かんないのに。」

卑弥呼「そうだよね。」

祐介「この後僕らがすべき行動。だったらいくつかに分かれる?」

アヤ「それは好ましくないわね。二十七で五組は厳しいわ。」

エド「そうだな。良くて三つか・・・」

ジューダス「分けるにしても、ディオは情報が無い。ディザイアンと亡霊はいつ襲ってくるか分からない。ガディムも不明だ。」

リフィル「これからの方針が決まるまで、しばらくは待機ね。」

健「そうなるな。」

ロイド「そう言えば健。お前達はあの亡霊について知ってるんだろ?分かる限りでいいから教えてくれ。」

エド「そうだな。何でもいいからよ。」

健「分かった。今まであったのは鎌鼬と輪入道だ。そしてその他に七人いるんだ。」

卑弥呼「そうなの?」

美琴「うん。ガシャドクロ、大百足、雪女、玉藻前、烏天狗、女郎蜘蛛。そして八岐大蛇・・・」

健「こいつらの親玉は八岐大蛇。こいつさえやればいいんだがな。」

リフィル「その様子だとそのヤマタノオロチは強そうね。」

健「確実に強いだろうさ。大昔にこの世界そのものを崩壊寸前まで追い込んだんだからな。」

ジューダス「問題は大有りだな。」

健「何とかしなくちゃな。」

美琴「うん。あら・・・?」

健「おっ?」

卑弥呼「どうしたの?」

健「神器が疼いてる・・・来るな。」

美琴「うん。」

リフィル「何ですって?」

エド「本当のようだぜ。来たぞ!!」

窓際にいたエドが叫ぶと、外にあの亡霊兵がいた。

健「お出ましだな。行こう!!」

ロニ「おうよ!!」

そして全員がそれぞれの武器を持って外に飛び出した。

ロイド「ん?何か前と違ってないか?」

健「お、本当だ。今度は槍やら斧やら持ってる。バージョンアップか?」

美琴「まぁ雑魚にバージョンアップは基本だよね。」

卑弥呼「基本なのはいいとして、迷惑だよね。」

健「ま、やってやろうか!!」

浩之「おう!!」

リフィル「待ちなさい。いくらなんでも全員で向かったら危険だわ。いざって言う時の為に何人かだけにしましょう。」

健「そうだな。じゃあ俺とエドに浩之、ジューダスとロニ、ビビとロイド、リフィル先生にユフィで。」

卑弥呼「あ、私行くわよ。」

美琴「私も!!」

健「ルフィと承太郎はいざって時に待機しててくれ。」

ルフィ「あぁ。」

健「じゃ、行くぜ!!」

ほぼ全員「あぁ!!」

そして健を先頭に一部の仲間が亡霊兵に向かった。

エド「先手必勝!!喰らえ!!」

一番先にエドが錬金術で地面から拳を錬成して亡霊兵を少し吹き飛ばした。

ビビ「燃えろ!!ファイラ!!」

そして吹き飛ばした亡霊兵にビビが炎の黒魔術、ファイラを放って焼き尽くした。

健「でやぁっ!!」

ジューダス「はぁっ!!」

ロニ「うぉらっ!!」

ロイド「ていっ!!」

そして健、ジューダス、ロニ、ロイドの四人がそれぞれの武器で亡霊兵を切り倒していった。

浩之「この一週間での成果見せてやる!!でりゃあっ!!」

そして浩之も一撃の重い正拳を放ち、数対の亡霊兵を吹っ飛ばした。

リフィル「あら、浩之も凄くなったわね。」

浩之「へへ、まぁな。」

ユフィ「って危ないよ!!」

浩之「は?」

浩之はユフィに言われて後ろを向いた。そこには斧を持った亡霊兵が今にも切りかかろうとしていた。

ユフィ「ていっ!!」

亡霊兵「ヴォァ・・・」

浩之「どあっ!!」

ユフィがとっさに手裏剣を投げつけて亡霊兵を倒したが、手裏剣は浩之の頭上すぐ上を通過したのだった。

ユフィ「油断しちゃ駄目じゃん。」

浩之「あぁ・・・」

ロイド「にしたって、こいつは厳しいな。ぶっ飛ばすけどいいか?」

ロニ「おう。」

ロイド「おっしっ獅子戦吼!!ぶっ飛べぇ!!」

亡霊兵数体「ボアァ〜・・・」

ロイドが左腕から体当たりするとそこから獅子の形の闘気が放たれ亡霊兵数体が吹き飛ばされた。

ロニ「これも喰らえ!!アクアスパイク!!」

続けてロニが水弾を放つ晶術を放ち亡霊兵を貫いた。

健「しかし数が多いな。とにかくぶっ潰す!!」

リフィル「なら任せなさい!!レイ!!」

ジューダス「なっ!?」

エド「うわっ!!」

リフィルのレイで亡霊兵達にダメージを与えたが、健達にも当たりかけていた。

エド「先生危ないよ!!」

リフィル「あら、あなた達なら大丈夫だと思ってやったのよ。」

浩之「そ、そうか・・・」

エド「だったら期待に答えてやらなくちゃな!!」

そう言ってエドは右腕に甲剣を錬成して切りかかった。

卑弥呼「よ〜し!!やっちゃるよ!!」

そして卑弥呼も気合を入れて両手を前に出した。

卑弥呼「凍てつけ!!アイスブレイズ!!」

卑弥呼の手から氷の風が吹きその場の亡霊兵全てを凍らせた。

卑弥呼「美琴!!やっちゃって!!」

美琴「当たり前!!」

そして美琴は八尺瓊勾玉を掲げた。

美琴「降り注げ、聖なる雨!!フォトンレイン!!」

詠唱すると空からレイに似た光が降り注ぎ凍りついた亡霊兵を全て倒した。

健「よし、一まずは完了だな。」

美琴「だね。」

ジューダス「しかしこいつらは雑魚に過ぎん。いくら倒したって奴らに打撃を与えたわけじゃない。」

健「あぁ。ただこいつらが上無しに来るとは思えない・・・多分誰かが・・・」

「その通りだ・・・」

健「!!」

どこからか声がし、健はその方向を向いた。

健「今度はお前か・・・烏天狗!!」

健が叫ぶと烏のような顔に羽が生えた体と下駄、そして手には草のうちわを持った妖怪が現れた。

烏天狗「我らが敵、日本武尊が生まれ変わり健と美琴。この場でしとめさせてもらおう。」

健「やれる物ならやってみろ!!」

健は右手の草薙の剣を指で回転し始めた。

健「俺らは負けるわけには行かないんだ!!気円刃!!」

十分に回転させた後力強く握り振るうと円状の気の刃が放たれた。

烏天狗「甘いぞ!!」

烏天狗は飛んで気円刃をかわし、同時にうちわを振って旋風を発生させた。

健「やばっ!!美琴!!」

美琴「えぇ!!」

健が呼んだと同時に美琴が健の前に来て八咫鏡を前に出して旋風を弾いた。

烏天狗「八咫鏡・・・我らの攻撃を弾く鉄壁の鏡か・・・ならば致し方あるまい。」

健「なっ?」

そう言うと烏天狗は消え去った。

ロイド「逃げた・・・のか?」

卑弥呼「じゃない?」

健「そうとは思えない。確かあいつは逃げるような事はしないはずだ。」

美琴「何かを知っていた・・・何かを・・・」

浩之「何か・・・!美琴伏せろ!!」

美琴「え?きゃっ!!」

浩之「うぐっ!!」

無理矢理美琴をどかした浩之が何者かに腹部を殴られた。

浩之「こん位なら・・・何とも無いっての・・・!!」

「!!」

浩之は殴られつつもその殴りつけてきた者の腹部を逆に殴りつけた。

健「あ、葵ちゃんか!?」

葵「・・・」

襲ってきたのは葵だった。

浩之「となるとガディム絡みだな・・・祐介、ティリア!!」

祐介「分かった!!」

ティリア「えぇ!!」

健「じゃあビビとユフィは下がってくれ。」

ビビ「分かった。」

ユフィ「あいよっ」

そしてビビとユフィが下がり、祐介とティリアが前に出てきた。

ロイド「葵もガディムにか・・・」

祐介「いや、彼女は違う。」

ジューダス「どう言うことだ?」

ティリア「恐らくあの葵はガディムが作り出した偽物、ドッペルゲンガーね。」

ロニ「何だ偽物かよ。」

浩之「だけど強さは本物と同じだ。特に相手はあの葵ちゃん、なめてたら痛い目に遭うぞ。」

ロニ「痛い目つったって・・・」

ドゴッ!!

ロニ「おごぁっ!?」

エド「うわっ!?」

油断していたロニが先ほど浩之が放った葵必殺の崩拳がロニの鳩尾を直撃し、ロニは吹っ飛ばされた。

卑弥呼「お〜い。生きてますか〜?」

ロニ「がはっ・・・」

リフィル「しょうがないわね。ヒール。」

重症だったロニにリフィルが法術でロニを治した。

ロニ「つつ・・・今のは効いたぞ・・・」

浩之「だから言っただろ。」

健「とりあえず偽物って分かったけど・・・どうもやりにくいな・・・」

美琴「そっくりそのままだもんね・・・」

祐介「だけど偽物なんだ。やらなかったら僕らが負ける。」

ティリア「えぇ。それに、来たわよラルヴァが!!」

ティリアが言うように葵の後ろからラルヴァが五体に来た。

祐介「説明はしていなかったけど、ラルヴァは火、水、風を操る三タイプがいる。気をつけてね。」

健「あぁ。」

ジューダス「雑魚には変わり無い。行くぞ!!デルタレイ!!」

ジューダスが一番早く光の弾を放つ晶術を放ち、ラルヴァ一体の翼を貫いた。

ラルヴァ「ギシャァーーーー!!」

ジューダスの攻撃に反応したラルヴァが炎を発生させて放ってきた。

エド「させるかよっ!!」

とっさにエドが壁を錬成して炎を防いだ。しかしまた炎を放とうとしていた。

ロイド「させない!!はぁっ!!」

ロイドは剣を構えてそこから後ろにジャンプした。

ロイド「飛天翔駆!!」

ラルヴァ「ギャァッ!!」

ロイドはジャンプ後剣を前に突き出してそのままラルヴァに突撃して倒した。

ロニ「もうやられねぇぞ!!アクアスパイク!!」

そしてロニもアクアスパイクを放ち、ラルヴァ二体を貫いた。

祐介「壊れろ・・・!!」

ティリア「てぇい!!」

そして祐介の電波、ティリアが剣でそれぞれラルヴァを倒した。

浩之「ラルヴァ自体は雑魚だけど、問題は葵ちゃんの偽物だ。」

健「どうしたらいいものか・・・斬ったら夢に出てきそうだし・・・」

ティリア「じゃあ私は何度も出てくるわよ。あの時も何人斬った事か・・・」

祐介「でも急がないと危ないよ。」

ティリア「え?」

美琴「また来たよ!!」

美琴の言うとおり再びラルヴァが現れた。

エド「なぁティリア。もしかしたらあの葵を倒したらいいんじゃないか?」

ティリア「それはどうなんだろう・・・ラルヴァはガディムから生まれた物だから・・・」

浩之「ガディムは今先輩にとりついてる。葵ちゃんのドッペルゲンガーはただの偽物だからな・・・」

リフィル「そうでも無くてよ。」

健「先生?」

リフィル「今ラルヴァが現れる直前に松原さんから変な力を感じたわ。今ラルヴァを指揮してるのは松原さんよ。」

健「じゃあ葵ちゃんを倒せば・・・ってなおさらやりにくいぞ。」

ティリア「それなら私がやるわ!!援護よろしく!!」

そう言ってティリアはラルヴァの群れに向かって走り出した。

浩之「お、おい!!」

ティリア「てぇーーーい!!」

ティリアは一気に葵の所まで飛びかかって葵を斬ろうとした。しかし。

ラルヴァ「ギャァァッ!!」

ティリア「きゃあっ!!」

突然大量のラルヴァが発生してティリアはそのラルヴァの群れによって弾き返された。

浩之「大丈夫か!?」

ティリア「えぇ・・・だけど。」

健「数が増えたな・・・」

今のでラルヴァの数が増えてしまった。

浩之「これじゃあ葵ちゃんだけを倒すってのは無理だな。」

葵「・・・」

そんな事を話していると葵が手を上げた。

祐介「またラルヴァを呼ぶ気だ!!」

エド「そうはさせない!!」

エドは手を合わせて錬成をしようとした。しかし。

ラルヴァ「ギャァッ!!」

エド「ぐあっ!!」

ラルヴァが放った冷気でエドの腕が凍り付いてしまった。

リフィル「エド!!早くこっちに!!」

エド「す、すまない・・・」

ロニ「こうなったら晶術で!!」

ジューダス「それじゃ間に合わない!!僕が・・・」

「空破!!」

ロニ「なっ!?」

「絶風撃!!」

ドスッ!!

葵「!!」

突如何者かが後ろから葵に剣を突き刺した。それと同時に葵とラルヴァが消え去った。

「間に合ったようだ。」

ロニ「カ、カイル!!」

カイル「ただいま、みんな。」

それはカイルだった。

エド「カイル!!無事だったか!!」

カイル「何とかな。ちょっと危なかったけど。」

ロニ「心配かけやがってこの野郎!!」

健「まぁ無事でよかった。だけどよく倒せたな。」

カイル「あぁ。あっちで葵に会ったから事情は知っている。葵はまだ柏木家にいるから偽者って分かったんだ。」

浩之「葵ちゃんが柏木家に?」

カイル「うん。マルチも一緒にいたよ。」

浩之「マルチもか・・・よかった。」

リフィル「だけどカイル。あなた傷は大丈夫なの?エドから矢が刺さったと聞いたわ。」

カイル「それならリアラが晶術で治してくれたから大丈夫。」

リフィル「あらそう?で、リアラって誰なの?」

カイル「あぁ紹介するよ。リアラ〜」

カイルが呼ぶとリアラがやって来た。

ロニ「お?君はあの時水門にいた・・・」

リアラ「はい。私がリアラです。」

ジューダス「ん・・・まさか・・・」

カイル「色々と話したい事があるんだ。みんな集まってくれる?」

健「まぁそれもいいけど、とりあえず一度ルーティさんに顔見せろよ。心配するぞ。」

カイル「それもそうだな。」

リフィル「では夜にここで。それでよくて?」

健「そうだな。」

カイル「じゃあリアラも家に来なよ。母さんも英雄の一人だから。」

リアラ「えぇ。」

ロニ「ほぉ〜脈はありそうだな。」

ナナリー「アンタと違ってカイルは真面目だから意外といい組み合わせになりそうね。」









ルーティ「カイル!!」

カイル「ただいま母さん。」

それから少し経ってカイル達数名はデュナミス孤児院に戻ってきていた。

カイル「ごめん母さん。心配かけちゃって・・・」

ルーティ「もう・・・あら?その子は?」

リアラ「リアラです。四英雄のルーティ=カトレットさんですよね?」

ルーティ「えぇ。」

リアラ「私は英雄を探しているんです。」

ルーティ「あ〜フィリアから聞いたわ。それで、私はあなたの探している英雄なのかしら?」

リアラ「えっと・・・実は前にここに来てどうか調べたんですが・・・」

ルーティ「そうだったの?でもその様子じゃ違うようね。ま、いいけど。」

リアラ「ごめんなさい・・・」

ルーティ「いいわよ。で、私とフィリアに会ったって言うなら、後はウッドロウかしら?」

リアラ「はい。」

カイル「どうやったら会えるかな母さん。」

ルーティ「う〜ん・・・一応面識があっても主婦と国王だからねぇ・・・フィリアにでも頼んで会えるように頼むわ。」

カイル「ありがとう母さん。」

ルーティ「で、あなたも行くのね?」

カイル「うん。もしかしたら父さんにも会えるかも知れないし、もしかしたら英雄になれる為に何か分かるかもしれないから。」

ルーティ「そう・・・分かったわ。」

リィム「お兄ちゃんがいない間は私がみんなの面倒見てあげるから。」

カイル「ありがとうリィム。」

リィム「で、リアラさん?」

リアラ「何?」

リィム「あなたお兄ちゃんの事どう思ってるの?」

リアラ「えぇ!?」

カイル「なぁっ!?何言ってるんだリィム!!」

リィム「どうなの?」

リアラ「べ、別にその・・・」

ルーティ「はいはいリィム。その辺にしなさい。」

リィム「はぁい・・・」

「相変わらず人気者ねカイル。」

カイル「ん?」

奥から格闘家のような服装の少女がやって来た。

カイル「リムル、来てたんだ。」

リムル「えぇ。」

リアラ「誰なの?」

カイル「俺のいとこのリムル。父さんの妹のリリスおばさんの子供なんだ。リムル紹介するよ、リアラだ。」

リアラ「初めまして。」

リムル「こちらこそ。」

カイル「それじゃあリリスおばさんも来てるの?」

「呼んだかしら?」

カイル「あ。」

丁度玄関からリムルの母のリリスがやって来た。

リリス「カイル久しぶりね。元気にしてた?」

カイル「はい。」

リムル「所でカイル、どこかに行くの?」

カイル「うん。ウッドロウ王の所に行くんだ。リアラと一緒に。」

リムル「そうなんだ。でも気をつけた方がいいわよ。今あの辺りに銀の悪魔がいるらしいから。」

カイル「銀の悪魔ってあの?」

リアラ「何なの?」

リムル「銀色の長髪で体と同じくらいある刀を持った殺人鬼よ。これまでに沢山の人が殺されたって聞いてるわ。」

カイル「一説じゃ神羅の伝説のソルジャーセフィロスって言うけど、セフィロスは五年前死んだって言うから違うと思うな。」

リアラ「だけど気をつけなくちゃね。」

リリス「本当よ。もし兄さんのような・・・」

ルーティ「リリス。」

リリス「あ、そうよね。」

カイル「?」

リムル「ねぇ母さん。私もついて行っていいかしら?」

カイル「リムル?だけど危ないんだよ?」

リムル「あら、私と決闘して十勝十五敗五引き分けのカイルが言える台詞?」

カイル「そ、それは〜・・・」

リムル「大丈夫よ。これでも鍛えているから。いいよね母さん?」

リリス「仕方ないわね。あなたには普通に育って欲しかったけど。」

リムル「だって母さんの娘だもん。」

カイル「ありがとうリムル。」

リムル「どう致しまして。」

ルーティ「ま、出発は明日なんでしょ?今日はゆっくりしていきなさいね。」

リアラ「はい。」









卑弥呼「酷い雨ね〜」

その日の夜、全メンバーがグラウンドの仮設小屋に集まった。

リフィル「つまりカイルはファンダリアのウッドロウ王に会いたいのね?」

カイル「はい。」

ユフィ「でも銀の悪魔がいるってんでしょ?あそこ辺りに。」

コレット「おっかないよぉ・・・」

カイル「みんなに迷惑はかけたくないから、俺達だけで行こうと思うんだけど。」

エド「それこそ危険だし迷惑だ。俺とアルも行く。」

アル「うん。」

ロニ「勿論俺も行くぞ。」

ジューダス「僕も行く。」

ナナリー「アタシだって。」

カイル「ありがとうみんな。」

健「じゃあまたみんなを分けよう。一組はここに残る。一組はファンダリアへ向かう。それで・・・」

「ま、待ってくれ・・・」

エーコ「きゃっ!?」

ルフィ「誰だ!?」

突然皆が集まっている部屋に布で体を隠している男が入ってきた。

「はぁはぁ・・・誰だは無いだろルフィ・・・」

ルフィ「あぁ!!」

ジタン「よっ・・・」

男の正体はジタンだった。

健「ジタン、大丈夫なのか?先生。」

リフィル「えぇ。」

ジタン「いや、俺は大丈夫だからこの子を・・・」

そう言ってジタンは背負っていた少女、ダガーを降ろした。

リフィル「この人は?」

ジタン「説明は後でするから・・・今は早く・・・ぐっ!!」

ルフィ「お、おいお前も相当怪我酷いぞ?」

ジタン「大丈夫だ・・・まずは彼女を・・・」

リフィル「分かったわ。エーコ、リアラ。ジタンをお願い。」

エーコ「うん。」

リアラ「はい。」

そしてリフィルはダガーを、エーコとリアラはジタンを治療し始めた。

ナミ「一体どうしたの?」

ジタン「ちょっとドジ踏んでな・・・」

エーコ「酷い怪我・・・とりあえず・・・あら?」

ビビ「どうしたの?」

エーコ「これ・・・?」

エーコはジタンの腰の辺りにあった何かを掴んだ。

ジタン「あでっ!!」

リアラ「え?・・・きゃあっ!!」

ロイド「何だ?」

ビビ「これ・・・シッポ?」

ジタン「あぁ〜・・・バレちまったか。」

ジタンの腰から動物のようなシッポが生えていた。

承太郎「お前の隠し事はそれだったのか・・・」

健「確かにジタンは着替えとか一人でするしプールの授業も受けて無いから気になってたけど・・・」

ジタン「そう。どうしてか生まれつきシッポがあるんだよ俺は。」

花京院「シッポの生えた亜人は聞いた事が無いからな。」

ジタン「それよりも彼女はどうなんですか先生。」

リフィル「外傷も無し、特に大丈夫だけど体温が低いわ。それに冷たくなって来てる。危ないわね・・・」

ジタン「・・・やっぱりか・・・」

健「ん?この子まさか・・・」

「そうよ。その少女はまさしくガーネット=ティル=アレクサンドロスよ。」

アヤ「素子?」

その時その教室に素子がやって来た。

素子「久しぶりね、ジタン=トライバル。」

ジタン「一番会いたくねぇのに会っちまった・・・」

卑弥呼「知り合いなの?」

レッド13「そ、それよりも今とんでも無い事言わなかった?」

ナナリー「この子・・・アレクサンドリアのガーネット王女!?」

素子「えぇ。」

ルフィ「何でおめぇ王女さんを連れてきた?」

ジタン「彼女を誘拐したって犯人が俺なんだよ。もう隠し切れないさ。」

リフィル「あ、あなたが!?」

素子「ジタン=トライバル。一見普通の学生でも本当は裏の社会で有名な盗賊。この前アレクサンドリアで一戦交えたばかりよ。」

ジタン「逮捕は後にしてくれよ。俺は彼女を救いたいんだ。」

素子「分かったわ。だけどその様子じゃリフィルの法術でも難しいわね。」

リフィル「えぇ。せめてユニコーンの力があれば・・・」

ナミ「ユニコーンって法術の力があるって言う?」

アヴドゥル「しかしユニコーンはもう存在しないと聞くが?」

ジタン「いや、まだいる。と言っても最後のな・・・」

リフィル「どこなの?」

ジタン「大西洋、バーミューダ島近くの海域にある島の湖だ。」

健「バーミューダ島って・・・お、おいまさか。」

ジタン「あぁ・・・魔の三角地帯バーミューダ・トライアングルの中だ。」

魔の三角地帯バーミューダ・トライアングルは大西洋に存在するバーミューダ島近辺の海域で、通過した飛行機や船が消息を絶つ事から呼ばれた魔の海域である。

ジーニアス「よくそんな話知ったね。」

ジタン「俺は泥棒だからな。色々情報は知っているぜ。これも噂だけど一番有力だ。」

祐介「だけどあの海域は危険だ。いたとしても行ける手段が無い。」

ジタン「そこなんだよな・・・」

リフィル「だけどこのままじゃガーネット姫は死んでしまうわ。私が行きます。」

ロイド「先生。大丈夫か?」

リフィル「大丈夫よ。」

ルフィ「だけど心配だからな。ナミ、俺達も行こう。お前ならあの海域も大丈夫だろ?」

ナミ「任せなさいよ。その代わり、命の保障は頼むわね。」

ルフィ「あぁ。」

ロイド「俺も行く。三人じゃ危険だろ?」

コレット「ロイドが行くなら私も。」

ジーニアス「僕も行く。」

プレセア「私も・・・」

アヤ「私も行くわ。」

リフィル「ありがとう。」

健「じゃあ三つに分ける。まずここに残るメンバー。ファンダリアに向かうメンバー。大西洋に向かうメンバーだな。」

ティリア「じゃあ均等に分けなくちゃいけないね。」

健「だな。ファンダリア行きは、カイル、リアラ、ロニ、ジューダス、ナナリーさんにリムル。エドとアル。後はユフィとレッド13、頼むな。」

ユフィ「しょうがないわね。」

健「ユニコーンを探すのは、ロイド、コレット、リフィル先生、ジーニアス、プレセア、アヤさんにルフィとナミ。承太郎達スタンド使いも頼む。」

ジョセフ「よかろう。」

健「残るのは俺、美琴、卑弥呼、浩之に祐介、ティリアにビビとエーコだ。」

美琴「残るの?」

健「あぁ。ジタンはその怪我じゃ無理だろう。残っててくれ。」

ジタン「あぁ・・・」

素子「私も協力する。ジタンの監視をしなくてはな。

健「喜んでいいか分かんないけど、ありがとう。」

リフィル「出発は明日、みんな気をつけましょうね。」

プレセア「はい。」

健「どうなる事か・・・この先にある物は・・・」

健はそう呟いて雨が降る外を見た。




集結した健達だったが、再び分かれて行動する事になった。リアラの探す英雄とは、ダガーは助かるのか?それは誰にも分からない。




続く










あ と が き
再集結しましたがまたばらばらです
ここからFF9の要素も含まれていきます
まぁ銀色の悪魔は誰かは分かるでしょう
三つの展開、同時進行やったるで
この時点の相違点
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第十二話Aへ
第十二話Bへ
第十二話Cへ
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