CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第ニ十一話 一つの真実


世界各地の封印を解除し、レットとの決着へ望むジタン達。しかし影である企みがある事に誰も気付いてはいない。

ジタン「久しぶりだなレット・・・」

レット「だな。」

地脈の祠の奥にレットがいた。

ミコト「今まで私を馬鹿にした事・・・思い知りなさい!!」

怒りながらミコトはユニコーンドライブをレットに向けた。

レット「おいおい・・・人がたまに正々堂々とした戦いをしようと思ったらそれかい・・・だからお前は貧乳なんだよ。」

ミコト「か、関係無いでしょ!!それに私だってもう七十あるわよ!!」

ミーナ「でもAですよね・・・」

ジタン「それは確実だろうな。」

ミコト「兄さんにミーナも!!」

ジタン「悪ぃ悪ぃ。じゃ、戦うか。」

そう言ってジタンはデモンズブレスとエンジェルブレスを手に取った。

レット「ん?アルテマウェポンは出さないのか?」

ジタン「こんな所で出したら崩壊してそのまま俺ら全員潰れちまうぜ。」

レット「どうだっていいさ。んじゃ、行くとしますか!!」

レットは両手を岩で固めた。

レット「そりゃーーー!!」

レットはその腕でジタンに殴りかかった。

ジタン「おっと甘いぜ!!」

ジタンは難なくレットのパンチをかわした。

ジタン「今度はこっちだ!!援護行け!!」

ミコト「やってやるんだから!!」

ミーナ「喰らいなさい!!」

ミコトとミーナはレットに同時に銃撃と矢を放った。

ジタン「さらに俺付きだ!!」

そしてジタンが銃弾と矢のすぐ後ろからレットに向かった。

レット「なめくさるな!!どらっ!!」

ドゴン!!

レットは自分の前に土の壁を作り銃弾と矢を防御した。

ジタン「何ぃ!?おづっ!!」

そしてジタンも壁に激突した。

レット「そこだぁ!!死ねっ!!」

レットは両手の岩を鋭くしてジタンを切り裂こうとした。

ジタン「のわっ!?」

ジタンは寸前で避けたが右頬に斬り傷が出来た。

ジタン「やってくれたな!!」

ジタンはレットに斬りかかった。

レット「つぉっと!!」

レットは寸前でかわす事が出来た。

ジタン「一筋縄じゃいかないって事か・・・」

レット「なめちゃ困るって言ったよな・・・」

ジタン「はいはい・・・」

ミコト「・・・」

ミーナ「どうしましたミコトさん・・・?」

ミコト「兄さん・・・もしかしたら本気じゃない・・・」

ミーナ「え?」

ミコト「気のせいかもしれないけど・・・あの様子は本気とは思えない・・・」

ミーナ「どう言う事なのでしょう・・・」

ジタン「教えてやろうか・・・」

ミコミー「え?」

どうやらジタンは戦いながら二人の会話を聞いていたようだ。

ジタン「それはこの戦いが脚本の中の一つの余興としてあるからだ。」

ミコト「脚本・・・余興・・・?」

ジタン「この戦いは全部仕組まれてるんだよ。とびっきりデカイ何かによってな。」

ミーナ「仕組まれてるって・・・どう言う事です!?」

ジタン「簡単に言えば運命見たいな物さ。俺らはこいつらと出会い、そして戦うって言う脚本があるのさ。」

ミコト「それじゃ・・・」

ジタン「この戦いも・・・俺が一度死んで蘇るのも・・・セーラがリースを倒すのも・・・全てが定まってるんだ。」

ミーナ「じゃあ私達が出会うのも・・・シルフさんやヴァルキリーさん達に出会ったのも・・・」

ジタン「そうだ。そしてそれはいずれある事に繋がって行く・・・それまで俺らはこの演劇を演じざるをえないんだ。」

レット「けっ知ってたんか。」

ジタン「まぁな。」

ミコト「それじゃ私達は意識せずにその脚本通りに動いていたの?」

ジタン「ああ。」

ミーナ「それじゃこの結末は・・・」

ジタン「今は言えないが・・・俺らにとってかなり不利益かもしれない結末だな。」

ミコト「そんな・・・」

ジタン「今は脚本に沿って動くしかない。イレギュラーのあいつが行動を起こすまでな。」

ミコト「え?」

ジタン「だけど・・・決定付けられた事ってのは退屈だからな・・・」

ミーナ「それが本気で戦わない理由ですか?」

ジタン「当たり前だろ。先が分かりきってる演劇ほどつまんない物は無いぜ。」

レット「そいつは同感。だがお前らと俺はどうあっても戦わないけんのよ。」

ジタン「やっぱ・・・やらなきゃいけないんだよな。ミーナの街の事があるからな・・・」

レット「だからよ・・・やらなきゃいけねぇんだよ!!」

ジタン「ぐっ!!」

ガギン!!

レットは右腕でジタンを切り裂こうとしたがジタンは短剣で受け止めた。

レット「こんな形で出会わなきゃよ!!」

ジタン「仲間になれたかもってか!!」

レット「俺じゃ無理か!!」

ジタン「無理じゃないさ!!」

ジタンとレットは今までに見ぬ激闘を繰り広げた。

ミコト「兄さん・・・」

ミーナ「・・・もしかしてレットが私達を呼んだ理由・・・」

ミコト「え?」

ミーナ「あの街での事だと思う・・・」

ミコト「あの街での?」

ミーナ「レットは・・・あんな事をしようとは思ってなかった・・せざるを得なかった・・・その事を私達にだけでも・・・」

ミコト「だけど・・・」

ミーナ「許せれない事・・・それは分かっています・・・だけど・・・それを許す事も必要なのです・・・」

ミコト「・・・ミーナ強いね・・・」

ミーナ「鈍いだけです・・・」

ジタン「どりゃ!!」

レット「むおっ!!」

二人が会話をしている内にジタンはレットの咽元に刃を沿えていた。

ジタン「どうだ・・・」

レット「へへ・・・強ぇな・・・マットが気に入るわけだ・・・」

ジタン「もし真実を知らなかったらあいつと結構いい戦いが出来たんだろうな・・・」

レット「知った今じゃどうなんだ・・・?」

ジタン「出来れば・・・仲間にしたいもんだな・・・」

レット「あいつの性格じゃ簡単にYESとは言わないだろうな・・・」

ジタン「だろうな・・・」

レット「・・・ささねぇのか・・・?」

ジタン「え?」

レット「トドメだよ・・・」

ジタン「・・・」

レット「どうなんだ・・・?」

ジタン「・・・ミコト、ミーナ。」

ミコト「え?」

ミーナ「何です?」

ジタン「お前らならどうする?」

ミコト「え・・・?」

ミーナ「私は・・・」

ジタン「どうなんだ?」

ミコト「私は・・・兄さんに任せる・・・」

ミーナ「私もジタンさんに任せます。」

ジタン「そうか・・・じゃ・・・」

レット「・・・」

ジタンは短剣を降ろした。

ジタン「俺の答えはこれだ・・・お前を仲間として受け入れたい・・・この戦いの影に潜む闇に立ち向かう為に・・・」

レット「・・・他の奴らがどう思うかだぜ・・・」

ジタン「何とかなるさ。そんな奴らが俺らの仲間には沢山いる。一人や二人大丈夫だって。」

レット「全く甘いな・・・もしここで俺が襲って来たらどうなるんだ?」

ジタン「その時はその時さ。」

レット「へっ・・・死神同士、仲良くは無理だろうがよろしくな。」

ジタン「あぁ。」

そう言ってジタンは右の短剣を鞘にしまい、手を差し出した。

レット「握手かよおい・・・ま、いいか。」

そしてレットも手を差し出そうとした・・・

「ざけんなよ・・・」

レット「なっ!?」

ジタン「にっ!?」

レットの後ろの方から男の声が聞こえた。

「てめぇらここで潰してやるぜ!!」

ジタン「レット避けろ!!」

チュン!!

ジタン「ぐあっ!!」

レット「ジタン!?」

レットをどかしたジタンの右腕を大量のレーザーのような光が貫いた。

ミコト「兄さん!?」

ジタン「な、何だってんだ・・・!!ぐぁっ・・・!!」

ジタンの右腕から大量の血が流れ出していた。

レット「誰だ!!ここには結界が張ってあったはずだぞ!!」

「んなの知った事か裏切り者がよ・・・」

レット「裏切り・・・まさかお前は!?」

「だがまずはそっちの!!」

ミコト「え?」

「シッポ女からだ!!」

声が響くとミコトのすぐ後ろに光の塊が発生した。

ジタン「ミ、ミコト!!」

ミーナ「ミコトさん!!」

「死ね!!」

レット「くそ、退け!!」

ミコト「きゃっ!?」

レットがミコトを突き飛ばした。

バガン!!

ミコト「!?」

レット「ぐおっ!!」

光の塊がレットを直撃した。

ジタン「レ、レット!!」

レット「ざ、ざまねぇ・・・な・・・」

そう言ってレットはその場に倒れた。

ジタン「レ、レット・・・!!く・・・誰だ!!」

「誰だって言ってもよ・・・んじゃ、出てみるか。」

ミーナ「あ、あなたは!?」

入口の方からかつてリトルボーイと一緒にいた大男が来た。

大男「実質初めてだな。俺はファットマン。一口に言えばリトルボーイの相方って所だ。」

ジタン「じゃ、じゃあ貴様も・・・!!」

ファットマン「ああそうさ。だが、貴様らはここで死んでもらうがな!!」

そう言うとファットマンは両腕にレットに放った光の塊りを発生させた。

(ギャァーーーー!!)

(うあぁーーーー!!)

ジタン「!?何だ今の・・・」

ミーナ「どうしたんです?」

ジタン「今変な声が・・・聞こえなかったか?」

ミコト「う、ううん・・・」

ジタン「だが聞こえたぞ・・・何かが死ぬかのような・・・死に際の悲鳴のような・・・」

ファットマン「何だお前には聞こえるのか。ま、どうだっていいがな。」

そう言うとファットマンは光の塊を大きくさせた。

(いやぁーーーーー!!)

(助けてくれぇーーーー!!)

ジタン「なっ・・・!?また・・・!!」

その同時にジタンが声を聞き取った。

ジタン「一体何が・・・まさか!?」

ジタンは力を入れてファットマンを睨んだ。

ジタン「な・・・何だよこれ・・・!!」

ミーナ「どうしたんです?」

ジタン「奴の体の中に・・・」

ミコト「え・・・?」

ジタン「大量の魂が・・・!!」

(嫌だぁーーーー!!)

(助けて・・・助けてくれぇーーー!!)

ジタン「クリスタルに行くべき魂達があいつの中に大量にいる!!」

ジタンの目にはファットマンの中に死んだ魂があるのが見えていた。

ミコト「ちょっ!!それってどう言う事!?」

ミーナ「聞いた事があります・・・死んだ者の魂を喰らい、自らの力にする禁断の技がある事を・・・」

ミコト「そ、そんなのって!!」

ジタン「ああ・・・完全にいかれてやがる・・・!!こいつを倒すぞ・・・!!」

ファットマン「だがその前に貴様らは死ぬんだ!!あばよ!!」

バガーーーン!!

ファットマンは両手の光の塊を天井に向けて放った。

ミコト「崩れるわ!!」

ファットマン「はぁーーっはっはっ!!潰れて死んでしまえ!!あばよ!!」

ファットマンは崩れかけた天井の隙間から地上に飛び出した。

ジタン「まずい・・・俺らも逃げな・・・うぐっ!!」

ミーナ「ジタンさん!?」

ジタンの腕は血が止まらず流れ続けていた。

ミーナ「このままじゃ・・・これで!!」

ミーナは自分の黄色のシャツを破り取りジタンの右腕に巻いた。

ミーナ「今はこれだけですが・・・すいません・・・」

ジタン「いや、ありがとう・・・ちゃんと隠せよ。」

ミーナ「はい。」

ミーナは開けていた上着を閉めた。

ミコト「で、でもどうやってここから!!」

ジタン「入口は・・・もう崩れちまってるか・・・」

ミーナ「天井からはどうです?」

ジタン「行けそうだが・・・厳しいな・・・」

ミコト「兄さんは腕が酷いし・・・」

ミーナ「・・・私に任せてください。」

ジタン「え?」

ミーナ「父さんからの授かり物・・・今ここで・・・」

ミコト「ミ、ミーナ・・・?」

ミーナ「お父さん・・・この呪われた力を・・・愛する人達の為に使います・・・!!」







ダガー「一体何がどうなってるの!?」

コウ「中で何かが起こってるんだ!!」

クジャ「いや、それは分かるから。」

エーコ「そんな突っ込みしてる場合じゃない!!」

ジタン達が中で戦っていた最中に水と木の封印に向かったメンバーが祠の近くに来ていた。

ビビ「駄目だ・・・この封印はちょっとやそっとの魔法じゃ破壊できない。」

ワルキューレ(戦士服)「何が起こっていようと私達は参入不可能か・・・」

祠の周りの封印は戻っていて六人は中に入る事が出来なかった。

クジャ「駄目元で・・・試してみるか!!」

クジャはアルテマアローの準備をした。

ビビ「クジャ、そのアルテマは?」

ダガー「クジャが改良したのよ。」

エーコ「だったらあたし達も。」

ビビ「うん。」

ワルキューレ「心得た。」

そう言うとワルキューレがアルテマショットを、ビビとエーコがアルテマソードの準備をした。

クジャ「何だ君達もか。」

コウ「アルテマ三連発ってか・・・豪勢だな。」

ダガー「でもこれで突破出来なかったら?」

コウ「そんときゃ諦めっしか無いだろ。」

ビビ「何とか頑張ってみる。」

ワルキューレ「では、一、二の三で行くぞ。」

クジャ「分かったよ。」

エーコ「ええ。」

ワルキューレ「では行くぞ。一。」

クジャ「二の・・・」

ビエ「三!!」

ワルキューレ「アルテマショット!!」

クジャ「アルテマアロー!!」

ビエ「アルテマソード!!」

ドゴーーーーーーン!!

コウ「うおっスゲェ!!」

三つのアルテマが封印に当たり大爆発を起こした。

ダガー「どう!?」

ビビ「・・・いや、駄目だ。」

封印は壊れていなかった。

エーコ「うぅ〜〜〜・・・これじゃどうすれっての・・・」

コウ「やっぱ待つだけ・・・待て!!」

ダガー「え?」

コウ「何か来るぞ!!」

ダガー「何かって・・・一体な・・・」

ファットマン「うぉっし!!」

ダガー「え!?」

封印の中の地面からファットマンが飛び出して来た。

ダガー「な、何者!?」

ファットマン「俺はファットマン。いずれ御魂の称号を得られる男だ。」

コウ「その言い草・・・てめぇも奴らの!!」

ファットマン「ああそうだ。」

ビビ「ジタン達はどうしたんだ!!」

ファットマン「さぁな。潰れて死んだんじゃないか?」

ダガー「う、嘘よそんなの!!」

ファットマン「だけどよ〜奴さん方出て来ないぜ。おっ潰れて死んだんだろどうせ。」

ダガー「こ、こいつぅ!!」

コウ「この封印さえ無かったら貴様なんか!!」

ファットマン「おいおい何言ってるんだよ。お前だったらその手で一発だろ。」

コウ「くっ・・・俺はもう・・・この手に頼らないって決めてんだよ!!」

ファットマン「もったいねぇ奴だな〜そんな力を持ってんのに・・・その気になれば全世界、全星、全次元を支配出来るぜ。」

コウ「そんな気は無いね。」

ファットマン「結局お前と話すだけ無駄だって事だな。んじゃ、貴様らも殺すとするか。」

エーコ「そっち封印の中じゃない!!どうやって殺すってのさ!!」

ファットマン「いんや、確かこの封印は・・・」

ファットマンは右手に魂を光の球にして集めた。

ファットマン「こっち側からなら!!」

そしてファットマンはエーコに向けて光の球を放った。

エーコ「うえっ!?きゃっ!!」

球は封印を抜け、エーコのすぐ横を通った。

ファットマン「難なく通す事が出来るんだぜ。」

エーコ「な、何よそれ卑怯じゃない!!」

ファットマン「そう言われてもな。こう言う風に出来てんだからしょうがないだろ。」

ダガー「これじゃ何も出来ない・・・一体どうすれば・・・」

ファットマン「どうするかって?そりゃ決まってるだろ。諦めるんだよ。」

コウ「諦めりゃ・・・そこで全てが終わる・・・まだここは終わりの章じゃない!!」

ファットマン「ほざいてろ!!ここでてめぇらは!!」

「終わりはしません!!」

ファットマン「何ぃっ!?」

ドゴン!!

ファットマン「おぶぁっ!?」

ダガー「何!?」

地面から何かが飛び出し、それとファットマンは封印の外に飛び出した。

ファットマン「おつつつ・・・な、何しやがるんだって・・・貴様ら!?」

ミーナ「私達の・・・私達の道はまだここが終着点ではありません!!」

ダガー「ミ、ミーナ!?その姿は!?」

飛び出したのは背中と腰に悪魔のような黒い羽と先の尖ったシッポが生え、腕が鬼のように変化し髪の色が黒く染まり足元まで伸びたミーナだった。

ミーナ「力を解放した・・・これが私の新の姿です!!」

ファットマン「おっかねぇ女だな・・・まさに悪魔だな。」

ミーナ「・・・」

ダガー「ミ、ミーナは悪魔なんかじゃ・・・」

「「悪魔なんかじゃない!!」」

ダガー「!!」

封印の中から声が二つ聞こえた。

コウ「やっと登場か・・・」

ジタン「悪かったな・・・」

ミコト「ええ・・・」

封印の中からジタンとミコトがやって来た。

ビビ「無事だったんだ!!」

ジタン「あたぼうよ・・・ミーナが上への通路を文字通り切り開いたからだ・・・」

ミーナ「本当は・・・この姿を見せたくは無かったのです・・・みんなに嫌われるでしょうから・・・」

コウ「んな事言ったら俺はどうすんだ。それにジタンだってよ。」

ジタン「ああ。例えどんな恐ろしげな姿形だろうと、ミーナがミーナである事には変わりないんだ。」

ミーナ「ジタンさん・・・」

ジタン「それに・・・そう言う話はこいつを倒してからだ!!」

ファットマン「げっ・・・やべぇや。」

ミコト「命を弄ぶお前を・・・絶対に許す訳には行かない!!」

エーコ「て、てかレットは!?」

ミーナ「レットは・・・あいつが・・・」

ミコト「私を庇って・・・」

ワルキューレ「何があったのだ?」

ジタン「簡単な話し、俺達の新の敵はカオスチャイルドじゃない。その裏にいる奴らだ!!」

ダガー「そ、それじゃリースは!!」

ビビ「戦わずに済んだかもしれないって事・・・?」

ジタン「ああ・・・だから俺はレットを仲間にしようとした・・・だがあいつが・・・!!」

ファットマン「自分の使命を忘れた奴には死。んなの当たり前の事だろ。」

ダガー「こ、こいつ・・・!!」

ビビ「許せれない・・・絶対に!!」

ワルキューレ「倒す!!」

ジタン「ったりめぇだ!!行くぞみんな!!」

ミーナ「はい!!」

その場の全員がファットマンに構えた。

ファットマン「全部で九人か。まとめて相手は厳しいし・・・」

ファットマンは両手の間に魂を集めた光を発生させた。

ファットマン「こいつで動きを止めさせてもらうぜ!!」

ジタン「まずっ!!みんな避けろ!!」

ファットマン「遅い!!止まりやがれ!!」

バシュッ!!

ジタン「おわっ!!」

ミコト「きゃっ!?」

ミーナ「危ない!!」

コウ「やべっ!!ティル!!」

ダガー「コウ!?あうっ!!」

クジャ「うわっ!!」

エーコ「きゃあっ!!」

ビビ「エーコ!!しま・・・わぁっ!!」

ワルキューレ「これは・・・うおっ!!」

ファットマンの放った光にダガーを庇ったコウ、ビビとエーコ、クジャとワルキューレが捕まった。

ダガー「コウ!!みんな!!」

コウ「わ、悪ぃ・・・これは・・・捕縛光だ・・・」

ダガー「捕縛光・・・?」

ジタン「何かを捕まえる際に使う光だ・・・一度捕まればちょっとやそっとじゃ・・・ぐっ!!」

ダガー「ライフ!?その腕!!」

ダガーはジタンの右腕の状態に気付いた。

ダガー「待ってて!!今治す!!」

ジタン「いや、今そんな事すればまた捕縛光に!!」

ダガー「でも・・・!!」

ジタン「大丈夫だ・・・こんなの・・・それよりも奴を・・・!!」

ダガー「・・・分かったわ・・・!!ミコト、ミーナ!!援護を!!」

ミコト「ええ!!」

ミーナ「分かりました!!」

ジタン「気を付けろよ・・・奴は死んだ者の魂を使って攻撃してくる・・・その威力はかなりやばいぜ・・・」

ダガー「死んだ者の魂を・・・!?」

ファットマン「そうさ。なんだったらお前の故郷の奴らでも使ってやるか?」

ダガー「お前は・・・お前は絶対に!!」

ダガーは怒り任せにスターブレードを出してファットマンに斬りかかった。

ジタン「ま、待て!!」

ダガー「うわぁーーーーー!!」

ファットマン「へへ・・・こんなに簡単に挑発できるとはね・・・」

ダガー「いやぁっ!!」

ファットマン「だがこれで。」

ダガー「!?」

ファットマンは一瞬の内にダガーの後ろに回っていた。

ファットマン「こいつもチェックメイトだ。」

ダガー「し、しまっ!!」

ジタン「セーラ!!」

ダガー「きゃっ!!」

ファットマン「お。」

ファットマンがダガーに捕縛光を放ったが寸前でジタンが救出した。

ダガー「あ、ありがとう・・・それに・・・ごめんなさい・・・」

ジタン「いやいいって・・・だけどもう挑発なんかに乗せられるなよ。」

ダガー「ええ。」

ジタン「んじゃ、改めてこいつを・・・」

(ジタン・・・さん・・・)

ジタン「!?」

ダガー「どうしたの?」

ジタン「今・・・声が・・・」

ダガー「声?」

ミコト「もしかしてあいつの中にある魂?」

ジタン「それは間違いないだろうけど・・・俺を呼んだ・・・?」

ダガー「え・・・?」

ジタン「おい・・・まさかお前・・・!!」

ファットマン「あ?あ、そうそう。俺はこの前かなりいい魂を吸い取る事が出来たんだぜい。よく知らんが六歳ぐらいのガキだったかか?」

ジタン「き、貴様ぁ・・・!!」

ミーナ「ど、どうしたんですジタンさん!?」

ファットマン「何だ、お前はこの魂と知り合いかい。だったらいい事を知ったぜ。」

ジタン「どう言う事だ・・・」

ファットマン「簡単な話よ。俺のこの技は使った魂はそのまま消滅する。つまり俺がこの魂をどうするかは・・・」

ジタン「ぐっ・・・!!」

ファットマン「さぁてと・・・さっそく使って・・・」

ジタン「や、やめろ!!」

ミコト「兄さん!?」

ジタン「それだけは・・・それだけはやめろ・・・!!」

ファットマン「ほ〜・・・そんな事言っちまっていいのか?」

ジタン「・・・覚悟は出来てるさ・・・」

ミーナ「ジタンさん・・・」

ジタン「三人とも・・・何があっても・・・手は出さないでくれ・・・」

そう言ってジタンは短剣を地面に置きファットマンの前に立った。

ファットマン「いい度胸じゃねぇかよ。じゃ、望み通り!!」

ボゴッ!!

ジタン「うぐっ!!」

ファットマンは無防備のジタンの腹部を思いっきり蹴り飛ばした。

ファットマン「ははは・・・こりゃいいや!!」

ジタン「がっ!!ぐぉっ!!」

その後もファットマンはジタンをリンチの如く殴る蹴るの暴行を続けた。

ミコト「こいつ・・・!!もうやめて!!」

ミコトがユニコーンドライブの銃口をファットマンに向けた。

ジタン「よせミコト・・・!!」

ミコト「でもこのままじゃ兄さんが!!」

ジタン「大丈夫だ・・・俺は大丈夫だから・・・」

ダガー「どうして・・・どうしてそんなになっても・・・」

ミーナ「さっき言ってた六歳くらいの子供が何か・・・」

ジタン「ああ・・・あの子は・・・あの子は十四年俺が・・・だから今度は・・・!!」

ダガー「十四年前・・・もしかしてその子って!!」

ジタン「言うな!!」

ダガー「!?」

ジタン「言わないでくれ・・・彼女を・・・彼女を消したくないんだ・・・!!」

ダガー「ライフ・・・」

ファットマン「健気だね〜・・・だったらその望み通りに消してやろうか!!」

ジタン「なっ!?」

そう言うとファットマンは両手の間に光を集めだした。

ジタン「き、貴様!!」

ファットマン「は〜っはっは!!馬鹿め!!誰が人の言う事なんか素直に聞くかっての!!このまま一緒に消してやらぁ!!」

(いや・・・いやぁーーーーー!!)

ジタン「やめろぉーーーー!!」

ジタンはファットマンを止めようとしたがダメージが大きく動けそうに無かった。

(任せろ・・・時間稼ぎくらいはする!!)

ジタン「!!」

ファットマン「んだ今の声?ま、貴様を殺すのに関係な・・・うごっ!?」

ダガー「な、何!?」

突然ファットマンの動きが固まったかのように止まり、光が魂に戻った。

ファットマン「な、何だってんだよこりゃ!!」

ミーナ「い、一体何が・・・」

ダガー「わ、分からない・・・何が起こって・・・」

(ダガー・・・)

ダガー「え!?」

(今の内にジタンに武器を!!)

ダガー「そ、その声・・・リース!?」

ファットマン「にゃにぃ!?」

ダガーが名を呼ぶとファットマンの上に魂だけとなったリースが現れた。

ファットマン「き、貴様何のつもりだ!?」

リース(簡単な事だ・・・これ以上貴様らを許す訳には行かないだけだ!!)

ファットマン「この・・・誰が貴様らを作ったと思ってるんだよ!!」

ミコト「作った!?」

ミーナ「どう言う事です!?」

ジタン「カオスチャイルドは・・・その名の通りこいつらがカオスの力を利用して生み出した人造人間だ・・・」

ダガー「人造人間・・・!?」

リース(そうだ・・・私達はこの為だけに作られた人形・・・どう言うわけか命のような物が備えられてるらしいがな・・・)

ダガー「そんな・・・」

リース(そんな事より急げ・・・もう・・・持たない・・・!!)

ダガー「リース!?」

ファットマン「なめやがって・・・貴様から先に使ってやる!!」

リース(あ・・・あぁーーーーー!!)

ダガー「リース!!」

リースはファットマンに吸収されファットマンの力にされた。

リース(気にするな・・・私が選んだ答えだ・・・悔いは・・・無い・・・)

その一言を最後にリースは完全に消滅した。

ダガー「リー・・・ス・・・私・・・仲間に・・・って・・・言いたかったのに・・・!!」

ファットマン「馬鹿な野郎だぜ・・・結局俺の力になるんなら・・・」

「まだ・・・馬鹿はいるぜ・・・!!」

ファットマン「に!?」

「おらぁっ!!」

ファットマン「どわっ!?死んでなかったのかレット!!」

レット「ぎりぎりな・・・!!」

地下から瀕死のレットがファットマンを後ろから押さえつけた。

ミコト「レット!!」

レット「ぼさっと・・・してんじゃねぇ・・・!!さっさとこいつを・・・急がねぇと俺もこいつに・・・!!」

ミコト「わ、分かった!!兄さん!!」

ミコトはすぐ下に落ちていた二つの短剣をジタンに投げ渡した。

ジタン「わか・・・ぐっ!!」

ダガー「ライフ!?」

エンジェルブレスを左手で受け取ったがデモンズブレスは受け取る事が出来なかった。

ダガー「その腕じゃ無理よ!!すぐに治療を!!」

ジタン「いやいい・・・これでやってやる・・・!!」

ジタンは右腕の痛みをこらえて右手でデモンズブレスを拾った。

レット「ジタン・・・早くやれ・・・!!俺ごとこいつを・・・!!」

ジタン「レット・・・すまない・・・!!」

ジタンは全身に力を集中し始めた。

ジタン「時間がかかる・・・三人であいつを・・・!!」

ダガー「分かったわ!!」

ミコト「同時に。ミーナ、姉さん!!」

ミーナ「はい!!」

ダガーは二つの剣を構え、ミコトは銃口を、ミーナは矢と自分の髪の毛を一本合わせ強力な矢にしてファットマンに向けた。

ファットマン「どいつもこいつも邪魔しやがって・・・!!離しやがれこん野郎!!」

レット「離すかよ・・・初めて出来た・・・仲間なんだからよ・・・!!」

ミコト「レット・・・ごめん!!」

ファットマン「ふざけんなよ・・・!!てめぇも吸い取ってやる!!」

レット「ぐおっ・・・!!」

ファットマンによりレットも吸収され始めた。

レット「早く・・・こいつを・・・!!」

ダガー「ごめん!!ストックブレイク!!」

ミコト「それっ!!」

ミーナ「はぁっ!!」

三人は同時にファットマンに攻撃を仕掛けた。

ファットマン「させねぇ・・・!!リースの分使ってやる!!」

レット「なっ!?貴様!!」

ファットマンはリースの魂を使って障壁を発生させた。

バチン!!

ミーナ「弾かれた!!」

ダガー「リースの・・・リースの魂をこんな事に・・・!!」

ファットマン「へへ・・・危ねぇ危ねぇ。これでこいつを吸収して・・・」

レット「おい・・・ジタン・・・!!」

ジタン「分かってる・・・たださっきので力が出ないんだよ・・・!!」

ファットマン「こりゃ好都合だ。この隙にこいつを俺の力に・・・」

(させない・・・!!)

ファットマン「何!?」

レット「な、何だ・・・!?」

ジタン「あ、あんたらは・・・?」

ファットマンの周りに魂だけの白魔道士のような男と騎士のような男とモンクのような男と竜騎士のような男が現れファットマンを抑えだした。

ダガー「あなた達は!?」

白魔道士(我らは既に死んだ者・・・)

騎士(この者により消えた剣士とはこの状態で知り合ったのだ。)

モンク(そしてこいつに捕らえられてる少女ともな。)

竜騎士(命を弄ぶこいつを・・・私達も許す事は出来ん!!手を貸す!!)

ファットマン「こ、この・・・ふざけやがって・・・!!」

ダガー「ライフ!!」

ミコト「兄さん!!」

ミーナ「ジタンさん、今です!!」

ジタン「ああ・・・!!レット・・・リース・・・姫・・・今行くぜ!!」

ダガー「な、何なの!?」

ジタンは何かを発動したらしく、かつてビビとエーコを蘇生させた時に出た羽と角が現れた。

ジタン「全ての想いを乗せて・・・行くぜ!!」

ジタンは炎をまといファットマンに飛び掛った。

ミーナ「こ、これは・・・」

ダガー「フェニックス・・・!?」

そのジタンの姿は幻の召喚獣、フェニックスのようでもあった。

ファットマン「や、やめろ貴様!!」

レット「行けぇーーー!!ジタンーーーー!!」

ジタン「転生の・・・炎ーーーーーー!!」

バシュッ!!

ファットマン「ぐごっ!!」

炎をまとったジタンはファットマンの体の中に突っ込んだ。

ファットマン「うごご・・・!!」

ダガー「な、何がどうなって・・・?」

レット「やったか・・・後は・・・頼む・・・ぜ・・・」

そう言うとレットは力尽き消滅した。

ミコト「レット・・・」

ミーナ「それよりもジタンさんは!?」

白魔道士(あの者なら大丈夫だ。)

騎士(不死鳥を宿し者。あの少女を救い出す事が出来るだろう。)

モンク(だからワシらはその時間を稼ぐ為に来た。)

竜騎士(後は・・・任せるだけだ。)

そう言って四人の魂がいなくなった。

ファットマン「うぐぐ・・・がぁーーーーーー!!」

ミコト「何!?」

ファットマンの体の中から炎の鳥が飛び出してきた。

ミーナ「ジタンさん!!」

ジタン「お待たせ!!」

「あ・・・」

炎の鳥の炎が消え、中からジタンとジタンの着ていた上着に身を包み、ジタンの腕に抱きかかえられたダガーに良く似た少女がいた。

ファットマン「こ、この野郎・・・うぐっ!?」

ジタン「まずい暴走だ!!」

ダガー「暴走!?」

ミーナ「もしかしてあいつの中の魂が!?」

ジタン「このままじゃやばいぞ!!何が起こるか分かったもんじゃねぇ!!」

ファットマン「うがぁーーーーーーーー!!」

ファットマンの体の中の魂達が暴走を始め溢れ始めていた。

ダガー「急いで逃げなきゃ・・・でもコウ達が・・・!!」

コウ「わ、悪ぃ・・・中々解けそうに無い・・・」

コウ達は依然捕縛光に捕まったままだった。

ジタン「ちょっとやそっとじゃ捕縛光は消えない・・・こうなったらあいつを倒して暴走を止める!!」

ダガー「でもどうやって!?」

ジタン「かなりでかい一撃をぶっ放す!!これは俺の専門だ!!」

ダガー「でもその腕じゃ・・・!!」

ジタン「大丈夫・・・姫、行こう!!」

少女「はい!!」

ダガー(姫・・・やっぱりあの子は・・・)

ジタン「ぶっつけ本番!!名付けるならツイントランスだ!!はぁ・・・!!」

少女「フェニックス・・・力を・・・!!」

二人が同時に力を発動し、少女がジタンの中に消えた。

ジタン「行くぜぇ・・・!!」

そして同時にジタンに先程現れた角と羽が再び現れた。

ジタン「魂を道具としてしか使わなかったお前を・・・倒す!!」

ファットマン「がっ・・・!!」

ジタン「時の彼方に!!」

少女(消え去れ!!)

ジ少「エターナルフラッシャー!!」

バシューーーーー!!

ジタンが右腕を前に出すと空間に歪みが発生し、歪みから光が発生しファットマンに放たれた。

ファットマン「ぎゃぁーーーーー!!」

ジタン「現世にあってはならぬ者よ・・・」

少女(全ての次元から消滅せよ・・・)

光を喰らったファットマンは消滅していた。

ジタン「二度目・・・今度は上手く成功したな・・・」

少女「ふう・・・」

光を放った後、二人は元の状態に戻った。

エーコ「あぁ〜・・・やっと動ける・・・」

そして同時にビビ達の捕縛光が消えた。

ミコト「ミーナ、そろそろ戻ったら?」

ミーナ「はい。」

そしてミーナも元の姿に戻った。

コウ「さてと、色々聞きたいが・・・」

ジタン「姫・・・」

少女「ジタンさん・・・」

コウ「まずはそっちだな。その子はまさか。」

ダガー「十四年前に死んだ本当の・・・」

少女「はい。ガーネット=ティル=アレクサンドロスです。」

ビビ「え!?ど、どう言う事なの?」

コウ「ま、色々と聞きたい事はある。ここじゃなくアレクサンドリア城に行こうぜ。」

ジタン「だな。」

ガーネット「あ、待って。」

ジタン「?」

ガーネット「その傷、今治すね・・・」

そう言うとガーネットはジタンの右腕を持つと顔に近づけた。

ガーネット「癒しよ・・・」

ガーネットは涙を出し、ジタンの右腕に一滴落とした。

ジタン「うつっ・・・傷が・・・」

ダガー「治っていく・・・」

ガーネットの涙が落ちた場所からジタンの右腕が完全に治った。

ガーネット「これで大丈夫です。」

ジタン「ああ。ありがとう。」

ダガー「・・・」

コウ「んじゃ、あっちに戻るか。みんないいな?」

クジャ「ああ。」

ワルキューレ「なら急ごう。他の奴らはもう戻ってるはずだ。」

ジタン「ああ。」







ジタン「さてと、何からどう話せばいい事やら・・・」

戦いが終わり、主なメンバーはいつもの集合場所に集まっていた。

トット「まずはそちらのお方・・・間違いなく姫様・・・」

ガーネット「はい。お久しぶりですトット先生。」

フラットレイ「しかし何故死んだ者が。」

ジタン「俺が転生の炎で蘇らせたんだ。」

ブランク「そこでまた疑問が出来るんだよ。その転生の炎ってのは何なのか。そしてどうしてお前が使えるのか。」

ジタン「それは・・・」

コウ「簡単な話しこいつの中にフェニックスがいたからだろ。」

エーコ「はいそこ!!いきなり変な事言わない!!」

マーカス「そのフェニックスって前に言ってた命を戻す召喚獣じゃなかったッスか?」

ダガー「正式には命と時を司る召喚獣よ。でもどうしてあなたの中に・・・それにあの角・・・」

ジタン「兄さんとコウならもう気付いてるだろ。」

クジャ「ああ。」

コウ「まぁな。」

ラニ「またあんたらだけの秘密?」

ジタン「ちゃんと言うよ。その為にちょっと昔話をする事になるがな。」

シナ「またズラ?」

ジタン「時期を言えば・・・前のシルフ達の戦い、オメガの戦乱の後だ。」

シルフ「つまりガイアとテラが融合した時か。」

ジタン「ああ。融合の後、ガイアの文明がそれなりに復興してから二つの星は共存について話し合ったんだ。」

ミコト「ガイアとテラが?」

ジタン「その話し合いは上手く行っていたらしいけど双方の星の一部が同時にクーデターを起こしたらしくな、話は決裂して今のようになったんだ。」

マイ「いつの世も争いは絶えないんだ・・・」

エーコ「でもさ、その事とジタンがフェニックスを宿していた理由が不明なんだけど。」

ジタン「今話すよ。その際テラの男とガイアの女の間に三つ子が生まれたんだ。クーデターのせいで二人はテラ、一人はガイアに引き取られたらしいけど。」

スタイナー「もしやその子とは。」

ジタン「俺さ。俺の中にはガイアとテラの血が流れてるんだ。割合的には同じくらいだと思うが。」

ミコト「じゃあ私も・・・私の中にガイアの・・・召喚士の血が?」

ジタン「少しは流れてるだろうな。多分俺らは何かの装置か魔法かは分かんないけど赤子のまま数年前まで眠ってたっぽい。」

ダガー「それじゃフェニックスがあなたの中にいたのは・・・」

ジタン「多分本当の母さんが俺の中に宿したんだと思う。何かの為に。」

クイナ「じゃあガイアに引き取られた子供はどうしたアルか?」

ジタン「俺らと同じさ。恐らく数年前まで赤子のまま眠らされてたんだと思うぜ。」

フライヤ「となると・・・お前と同じくらいか。」

ジタン「同じどころか同い年さ。そして今ここにいる。」

レイ「お、おい・・・その言いっぷりだと・・・その子供は・・・」

ダガー「私・・・?」

ジタン「ああ。生まれた三つ子。それは俺、セーラ、ミコトの三人だ。」

ダガー「そ、そんな・・・私がライフと・・・」

サラマンダー「四年前の記憶の場所で見たのはこの事か・・・」

ベアトリクス「し、しかしお二人には既に子供が・・・兄妹では出来ないはずでは・・・」

ジタン「それに関しちゃ専門家がいるだろ。な、コウ。」

コウ「あ?」

ダガー「ど、どう言う事なの!?知ってる事があるなら教えて!!」

コウ「お、落ち着けって。多分その時のガイアにバニシング・アーツを持った奴がいたんだろ。」

ビビ「ばに・・・?」

ルビィ「なんやねんそれ。」

コウ「自分の意志で消したい物を何でもかんでも消す事の出来る腕の事だ。やり方によっちゃ命ある物全部消す事だって出来るもんだぜ。」

マリーン「こ、こわぁ・・・」

アーカム「それではダガーさんとジタンさんの間に子供が出来たのも。」

シャイン「そのバニーガールてので何かを消したって事だろ?」

クジャ「バニシング・アーツ。」

エリン「つまり陛下の中のテラの血を完全に消した。と言う事ですね。」

ジタン「多分そうなんだろうな。ま、おかげで俺らは結ばれる事が出来たんだしよ。」

コウ「これで四年前のちょっとした疑問が解決したぜ。どうしてネクロノミコンを読んで目が潰れなかったのか。ありゃその星以外の者なら潰れないからな。」

エーコ「根暗のミカン?」

コウ「こんなボケはほっといて。彼女が普通にいられたのも消したとは言え、少しはテラの遺伝子が残ってたんだろうな。」

ジタン「ああ。そして俺も星々の魔獣を召喚する事が出来たって事よ。アレは別々の星の血が流れてる奴にしか出来ないしよ。」

ビビ「そうなんだ・・・あれ?じゃあ・・・」

エーコ「コウはガイア出身じゃないの!?」

コウ「今頃気付いたのかよ・・・」

ビビ「だってその話だとコウは自分がこの星出身じゃないって宣言してるし・・・」

コウ「まぁ今更いいだろうが。そして今気付いたがかなり話がずれた。戻そう。」

ジタン「だな。確か・・・姫の事だな。」

ダガー「そうそう。確かこの子はライフがフェニックスの力を使って蘇らせたのよね。」

ジタン「ああ。今俺にはフェニックスはいないがな。」

ミーナ「それじゃあ・・・」

ガーネット「はい。私の中です。ジタンさんは私を蘇らせる際に自身の魂の半分とフェニックスを私にくれたんです。」

コウ「魂の半分・・・つまりお前らは二人で一人って事でもあるのか。」

ジタン「ああ。さっきのツイントランスがいい例さ。それでもちゃんとした体を作る事は出来なかったけどな。」

ワルキューレ「ちゃんとした体・・・そうか。この子の体は既に亡くなっている。魂を戻しても体が無くては蘇生魔法を意味が無い。」

ジタン「だから俺の魂半分、そしてフェニックスを使ってもこの状態は完璧な体じゃない。言うなれば物体ある魂だな。」

エーコ「じゃあ触れないって事?」

ジタン「それはやって見なきゃ分かんないさ。ま、それはいつかにしておけな。」

トット「しかし・・・こうなると大変ですね。」

コウ「どうしてです先生?」

トット「既に今陛下はいらっしゃる。しかし本当の陛下となる者も現れ・・・これではどうなる事やら・・・」

ガーネット「・・・やはり私は蘇らない方が・・・」

ジタン「いや大丈夫さ。こんな時の為にいい方法を考え済みさ。」

コウ「ほほう。してその方法は?」

ジタン「セーラは今まで通りガーネット=ティル=アレクサンドロスでいて、この子は俺が妹として引き取るのさ。」

ビビ「なるほど。それなら大丈夫か。」

ブランク「そうかぁ?」

ガーネット「ですが・・・」

ジタン「硬い事は無し、そうすりゃ何の問題も無いさ。」

ミコト「ま、一人姉妹が増えたっていいわ。これで私が一番下じゃなくなったし。」

ダガー「それじゃ私達の妹として。」

ジタン「向かえるって事。」

ガーネット「・・・」

ジタン「嫌か?」

ガーネット「いいえ・・・嬉しいです・・・」

ジタン「んじゃガーネットのままじゃなんだし・・・新しい名前でも付けるか。何がいいか。」

ミコト「私は兄さんに任せるわ。」

クジャ「そうかい?じゃあ・・・」

ダガー「クジャの事じゃないと思う・・・」

ジタン「そうだな・・・ラピスってのどうだ?」

ガーネット「ラピス・・・?」

ジタン「ラピスラズリのラピス。宝石繋がりさ。」

ガーネット「ラピス・・・私の・・・名前・・・」

ジタン「おし、決定だ。今日からお前は俺達の妹、ラピス=トライバルだ。」

ダガー「よろしくね、ラピス。」

ガーネット改めラピス「ジタンさん・・・ダガーさん・・・ううん、お兄ちゃんにお姉ちゃん。よろしくね。」

ダガー「ええ。」

ラピス「それにこの人達も。フリオニールさんは・・・」

フリオニール「俺だが。」

ラピス「これからはこの人達も一緒ですよ。ね?」

ラピスが呟くと彼女の周りに先程現れた四人の魂が現れた。

白魔道士(久しぶりだなフリオニール。)

フリオニール「ミ、ミンウ!?それにスコット王子にヨーゼフ、リチャード!?」

どうやらフリオニールと四人とは面識があるようだ。

ミンウ(見ての通り私達は既に霊体だ。だがこれからはこの子の力となってお前達の力となる。)

シルフ「どう言う事だそりゃ?」

スコット(彼女の力となる。例えこのような状態でも多少は戦える。)

ヨーゼフ(言うなればソウルオブリバース。戻りし魂だ。)

リチャード(この子に我らの遺品を小さくし持たせた。それがあれば戦える。)

フリオニール「遺品?」

ラピス「これです。」

ラピスの首には小さい状態の杖と剣と小手と槍がアクセサリーのようにかけてあった。

ラピス「これがあればこの人達も。」

フリオニール「そうか・・・四人とも。これからよろしくな。」

ミンウ(ああ。)

コウ「全て解決かな?」

ジタン「いや、全てじゃない。」

コウ「・・・奴らか・・・」

ジタン「早く動けよ・・・炎血・・・」

コウ「ああ。」

ダガー「?」

小さな声で会話した二人にダガーは一瞬不思議そうな顔をした。

コウ「武器と運命・・・第二幕の始まりか・・・」

コウは誰にも気付かれないような声で小さく呟いた。




レットとの戦いから新の敵の存在に気付き始めた一同。そしてコウが今もなお隠している敵との関わりとは・・・
続く





あ と が き
何とか大方の前半は終わりました。
ここから戦いと展開は大きくなって行きます。
とりあえずスランプ脱出と就職が問題です・・・
ニートはあんまりいい気がしないようなするような・・・
第二十話へ
第二十ニ話へ
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