CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第二十話 封印解除


コウに決闘を挑んだマイだったが謎の刺客によりミルが犠牲になった。ミコトとの蟠りを消したマイと共に仲間達は封印解除の為世界中に散った。

ジタン「さてと・・・後は待つだけか・・・」

ミコト「ええ・・・」

他の仲間達を皆封印の場所に送り届けたジタン達は決戦の場所地脈の祠に到着していた。

ミーナ「皆さん大丈夫でしょうか・・・」

ジタン「大丈夫だって。」







火の封印


スタイナー「あ、暑いぞ〜・・・」

フラットレイ「が、我慢すれ〜・・・」

クイナ「む、無理アル〜・・・」

サラマンダー「じゃ、じゃかぁしい・・・」

火の封印の場所はその名の通り暑かった。

スタイナー「あ、あの野郎・・・よりによって・・・ぐぉ〜・・・」

サラマンダー「あ、あの野郎って・・・誰だ・・・?」

フラットレイ「恐らく・・・こんな封印を仕掛けたレットか・・・」

クイナ「つ、つうか・・・どうしてここ志願したアル・・・?」

スタイナー「い、いや・・・何となく・・・」

サラマンダー「な、何となくじゃ・・・ねぇだろボケ・・・!!」

スタイナー「こ・・・今回限りだが・・・すまぬ・・・」

フラットレイ「うぅ〜・・・う?」

一番前を歩いていたフラットレイが突然足を止めた。

スタイナー「どした・・・?」

フラットレイ「何か近くに・・・うおっ!?」

突然フラットレイの足元の地面が盛り上がった。

クイナ「フラットレイ!?」

サラマンダー「気を付けろ!!俺らにも来たぞ!!」

クイナ「アイヤ!!」

そして辺りの地面が盛り上がったり崩れたりし、崩れた地面の隙間から火が噴出した。

クイナ「オヘェ〜・・・マグマアルよ・・・」

噴出したのはマグマで四人はいくつか残された地面に立っており下に落ちる事は無かった。

スタイナー「皆無事か!?」

サラマンダー「ああ・・・しかしこりゃまたとんでもない事になっちまったな・・・これで戦えってか・・・」

フラットレイ「レットもやってくれる・・・しかしこれはこれでいいかも知れぬな。」

クイナ「何でアル?」

フラットレイ「ここ最近雑魚相手や敗北などでまともに戦えてなかったからな・・・」

サラマンダー「そいつは同感だ。最近まともに登場してねぇからせっかく出来た新しい技まだ一回もやってねぇし・・・」

スタイナー「ほぉ。お前も新技あみ出したのか。」

サラマンダー「お前もか・・・まぁちょうど良い。」

クイナ「あのぉ〜・・・お話中申し訳ないアルが・・・」

スサ「あ?」

クイナ「来るアル!!」

ドゴーーーン!!

スタイナー「うおっ!?」

サラマンダー「どぁっ!!」

二人の足元に向けて炎の塊が何処からか放たれ足場が崩れた。

フラットレイ「早く飛び移れ!!」

スタイナー「わ、分かってる!!」

二人は足場が完全に崩れる前に近くの別の足場に飛び移った。

スタイナー「落ちたらおしまいだな。」

サラマンダー「しかし何が来やがったんだ?」

フラットレイ「ここの封印を司ってる者であろう・・・姿を現せ!!」

フラットレイが叫ぶと四人の前に炎を纏った竜が現れた。

竜「よく来たな・・・我はアドラメレク・・・火の封印を司りし霊帝・・・」

スタイナー「この気迫・・・なめて掛かればお終いであるな・・・」

サラマンダー「へっ・・・最初っから本気で行くくせに・・・」

フラットレイ「お喋りはそこまでだ。行くぞ!!」

クイナ「おっしゃアル!!」

フラットレイの掛声と同時に四人は武器を持ち構えた。

スタイナー「先手必勝!!ショック!!」

サラマンダー「雑魚ちらし!!」

フラットレイ「桜花狂咲!!」

クイナ「アクアブレス!!」

四人は一斉にアドラメレクに攻撃を放った。

アドラメレク「甘いぞっ!!」

アドラメレクは四人の攻撃をかわした。

アドラメレク「滅びよっ!!」

アドラメレクは口を開け、そこに強力な魔力の炎の塊を作った。

サラマンダー「来るぞ!!飛べっ!!」

ドゴーーーン!!

スタイナー「おわっ!!」

アドラメレクは炎の塊をスタイナーのいる辺りに放ち、辺りの足場が吹き飛んだ。

スタイナー「おぁ〜・・・危な・・・」

フラットレイ「長引いてはこちらが不利だ!!一気に畳み掛けるぞ!!」

そう言ってフラットレイはアドラメレクに飛び掛った。

フラットレイ「降りしきれ!!雨竜!!」

バシューーー!!

フラットレイの槍から無数の槍の形をした気がアドラメレクに放たれた。

アドラメレク「その程度!!」

アドラメレクは難なくかわした。

サラマンダー「何だお前も新しい・・・」

フラットレイ「いや、これは本来トランスした時に使えたアレだ。」

サラマンダー「そうか・・・」

話の途中で先に言われた為サラマンダーは多少落ち込んだ。

フラットレイ「ちなみにフライヤが命名した物だ。」

サラマンダー「んなこたいいわい!!」

勿論逆ギレ。

フラットレイ「どしたのだ?」

クイナ「フラットレイ・・・本気アルか?」

スタイナー「んなコントは今度にせい!!」

サラマンダー「・・・ああ・・・!!」

スタイナー「おり?普通ならアレがかかるはずだが・・・」

クイナ「流石に今回は戦闘中ギャグ無しアルよ・・・」

スタイナー「そうか。ではもう一度行くぞ!!」

そう言ってスタイナーは剣を振り上げた。

スタイナー「クライムハザード!!」

スタイナーはアドラメレクにクライムハザードを放った。

アドラメレク「このような攻撃かわせぬとで・・・はっ!!」

バーーーン!!

アドラメレク「ぐおっ!!」

アドラメレクは避けられるはずだったクライムハザードに当たった。

フラットレイ「気付かれたか・・・」

クイナ「アル・・・」

クライムハザードはフラットレイとクイナの攻撃を当てる為の囮だったらしく、アドラメレクはそれに気付きわざとクライムハザードに当たったようだ。

サラマンダー「だが隙が生まれたぜ!!そこだっ!!」

サラマンダーは左手を前に出し、ルーンの爪を装着している右腕を後ろに引けるだけ引いた。

サラマンダー「白虎!!」

ドゴウ!!

アドラメレク「うごっ!!」

サラマンダーが左腕を引き、右腕を前に突き出したと同時に白い虎の形をした魂気がアドラメレクを直撃した。

アドラメレク「やるではないか・・・」

スタイナー「それがお前の新技か。」

サラマンダー「ああ。」

アドラメレク「しかし・・・この程度ではやられはせぬ!!」

アドラメレクは再び口に炎を集め始めた。

クイナ「待ってたアルよ!!」

クイナはこのタイミングを狙っていたらしく、既に詠唱を終えていた。

クイナ「マトラマジック!!」

クイナはアドラメレクの口目掛けマトラマジックを放った。

ボガーーーーン!!

アドラメレク「うごっ!!」

口に集まっていた炎が暴発しアドラメレクに大きなダメージを与えた。

アドラメレク「ぐっ・・・おのれ・・・」

フラットレイ「一気に片を付ける!!たぁっ!!」

フラットレイはアラドメレクに飛び掛った。

アドラメレク「なめるで・・・ない!!」

ボゴウ!!

フラットレイ「うおっ!!」

スタイナー「フラットレイ!!」

突然アラドメレクから炎が噴出し、フラットレイは直撃し、偶然下にあった足場にうずくまった。

サラマンダー「ヒートか・・・クイナ!!」

クイナ「分かったアル!!」

クイナはフラットレイのいる足場に向かった。が。

アドラメレク「させぬっ!!」

阻止しようとアドラメレクが炎を放った。

サラマンダー「させねぇ!!白虎!!」

炎を目掛けてサラマンダーが白虎を放った。が。

クイナ「ほぁ〜〜〜〜〜〜!!」

白虎の魂気はクイナに向かっていた。

バゴーーーン!!

クイナ「ホ、ホヘェ・・・」

白虎の魂気とアドラメレクの炎は揃ってクイナが着地した足場に命中し、クイナはすぐ近くの足場に飛び移っていた。

クイナ「何するアルか!!」

サラマンダー「悪ぃ!!白虎は距離が遠くなると命中率が下がっちまうんだ!!」

クイナ「しっかりするアル!!」

スタイナー「しかし、チャンスは出来た!!」

アドラメレク「はっ!!」

スタイナーはアドラメレクのすぐ後ろに迫っていた。

スタイナー「この一撃でトドメを刺す!!喰らえ!!」

スタイナーは剣を振り上げアドラメレクに飛び掛った。

スタイナー「インパクトダウン!!」

ズヴァッ!!

アドラメレク「ぐごぁっ・・・!!」

スタイナーの一撃でアドラメレクは消滅した。

サラマンダー「やるじゃないか。」

スタイナー「まぁな。ん?」

アラドメレクが消えてすぐ、辺りが何の変哲も無い洞窟に変化した。

スタイナー「これは・・・」

サラマンダー「あいつを倒したからじゃないか?」

フラットレイ「だろうな。」

スタイナー「もう大丈夫なのか?」

フラットレイ「ああ。それよりも・・・」

スタイナー「アレか?」

四人の洞窟の奥に赤色の珠が輝いていた。

クイナ「これが封印アルか?」

サラマンダー「そうだろうな。」

フラットレイ「これを壊せばいいか・・・スタイナー。」

スタイナー「心得た。たぁっ!!」

ガシャン!!

スタイナーは赤の珠を砕いた。

スタイナー「これでよいのだろうな。」

フラットレイ「ああ。後はジタン達があいつを倒すだけだ。」

クイナ「連絡は外に出てからしようアル。」

サラマンダー「だな。」

スタイナー「では行くか。」

そして四人は外に向かった。



金の封印


シルフ「こらまた目に来るなぁ・・・」

フリオニール「ああ・・・」

シルフ達の金の封印の場所は辺り一面金だけだった。

マリーン「いやぁ〜〜〜!!こんなにあればまだまだ武器が買えるわぁ〜〜〜〜!!」

マリーンは目を輝かせ辺りを高速で徘徊していた。

フリオニール「・・・アレはいつもああなのか?」

シルフ「アレはああだ・・・ったく・・・本来の目的忘れんじゃないぞ!!」

マリーン「分かってまぁ〜〜〜っす!!」

シフ「絶対分かってないな・・・」

そんなマリーンをほおって置き二人は奥に進んだ。

マリーン「うへへへへ・・・へ?」

目を輝かせていたマリーンが何かに気付いた。

シルフ「どした〜?」

マリーン「これ何?」

マリーンの前には金色の水晶の様な物があった。

シルフ「どれ・・・」

フリオニール「・・・ただの飾りで無い事は確かだな・・・」

シルフとフリオニールも水晶の様な物を調べ始めた。

シルフ「・・・まさかと思うが・・・これが封印か?」

マリーン「まぁさか〜・・・」

フリオニール「だが、もしやと言う事もある。破壊して損は無いだろう。」

そう言ってフリオニールは剣を抜いた。

シルフ「おいおい・・・ま、いいがよ。」

シルフは止めようとせずフリオニールに任せた。

フリオニール「じゃ、やるぞ!!てぇいっ!!」

フリオニールは水晶を斬り砕こうとした。が。

(去れ・・・!!)

バーーーン!!

フリオニール「うあっ!!」

シルフ「フリオニール!?」

フリオニールの背中に雷をまとった光が当たった。

マリーン「シ、シルフあそこ!!」

マリーンが指差した先に同じ水晶があった。

シルフ「よく見りゃ彼方此方にあるじゃねぇか・・・」

そしてその水晶は辺りに後七つあった。

マリーン「やっぱりこれが封印?」

シルフ「だろうな。それよりもフリオニールを。」

マリーン「ええ。」

マリーンはフリオニールにケアルをかけた。

フリオニール「すまない・・・」

シルフ「んじゃ、さっそくこいつらをぶっ壊しますかっと!!」

そしてシルフも水晶を砕こうと剣を振り下ろした。と。

(去れ・・・!!)

別の位置にある水晶がシルフに光の弾を放った。

シルフ「やっぱ来たか!!散れ!!」

マリーン「うきゃあっ!!」

三人は光の弾を散ってかわした。

シルフ「この隙に!!」

シルフは今攻撃をして来た水晶に斬りかかった。

シルフ「ぶっ壊れろ!!」

バギャン!!

シルフは一つ目の水晶を破壊した。

シルフ「後七つ!!」

(去れ・・・消え去れ!!)

シルフが破壊したと同時に他の七つの水晶が同時に大量の光の弾を辺りに放った。

シルフ「んなっ!?何無茶苦茶ぶっ放してんだよ!!んなの当たる訳・・・」

マリーン「シルフ飛んで!!」

シルフ「は?どあっ!!」

マリーンに言われシルフはジャンプした。その直後足元に光弾が飛んできた。

フリオニール「この光は壁や床に反射するぞ!!気を付けろ!!」

光弾はあたりの壁や床、天井に反射する性質を持っていた。

シルフ「ふざけやがって・・・こんな小細工に・・・」

シルフは若干怒りながら両手で剣の柄を握り締めた。

シルフ「やられてたまっかいよ!!」

カキーーーン!!

マリーン「へぇっ!?」

何とシルフは剣を思いっきりフルスイングして光弾を打ち返した。

フリオニール「む、無茶な奴だな・・・アルテマウェポンじゃなかったら砕けてたぞ・・・」

シルフは上手い事刃に当たらぬよう空気抵抗受ける事覚悟で刃を下にして振り切ったのだ。

シルフ「ま、いいんじゃないか。おかげでまた一個壊せたんだし。

マリーン「え・・・?」

よく見るともう一つ水晶が破壊されていた。

シルフ「これぞ俺の得意技、対艦巨砲主義的ホームランと反射の見極めは自称人一倍だからな。」

フリオニール「自分で自称ゆうなよ・・・」

シルフ「いいじゃんかよ。ガキの頃はよくこれで・・・」

マリーン「!!!!!」

マリーンが何か思い出したらしく突然顔を真っ赤にした。

マリーン「それ以上言わない事!!」

シルフ「やっぱ駄目?」

マリーン「駄目!!」

フリオニール「ま、何があったかは聞かないでいよう・・・とりあえず残りも壊すぞ!!」

シルフ「合点!!」

マリーン「おっけい!!」

そして三人は別々の水晶に向かった。

シルフ「ぶっ壊れろ!!」

シルフは向かった水晶に思いっきり剣を振り下ろした。

(去れ・・・立ち去れ・・・!!)

水晶はほとんど零距離に近いような距離で光弾をシルフに放った。

シルフ「うおっ!!」

シルフは人類の限界を超えたような仰け反り(マト○ックス)で光弾をかわした。

シルフ「あっっっっっぶないな、んなろっ!!」

ドガシャン!!

シルフは怒りMAXで水晶と叩き壊した。

シルフ「ふざけやがって・・・!!」

マリーン「ありゃ〜・・・シルフプッツン逝っちゃってる・・・」

フリオニール「早めに破壊するか。避けろよマリーン。」

マリーン「へ?」

フリオニールは七聖神の珠を一つ取った。

フリオニール「我が声に耳を傾け、ここに来たれ!!コクテニル!!」

ニライカナイ同様光が溢れ、岩のような肌のマンモスらしき動物が現れた。

フリオニール「コクテニル、潰せ!!」

コクテニル「・・・」

コクテニルは命令されると辺りに巨大な岩を発生させた。

ドゴゴーーーン!!

そして発生させた巨岩で水晶を三つ破壊した。

マリーン「後二つ!!」

マリーンは近くにあった水晶に向かい何か機械の様な物を付けた右腕を突き出した。

マリーン「こんな水晶ロケットパンチでやれるでしょ!!」

そう、取り出したのはロケットパンチなのだ。が。

シルフ「やれるかボケ!!」

マリーン「ひゃうっ!!」

マリーンはシルフの飛び蹴りにより水晶から離された。

シルフ「中途半端な攻撃じゃ駄目だ!!一撃でぶっ壊さなきゃ何が起こるか分かんねぇ!!」

マリーン「だからって〜・・・!!」

フリオニール「そんな事してる暇あるのか!!真面目にやれ!!」

シマ「は〜い・・・」

フリオニールに怒鳴られ二人はおとなしく従った。

フリオニール「やるしかないんだ!!しっかりと破壊するしかない!!」

フリオニールは近くにあった水晶に向かい剣を突き出した。

(・・・)

フリオニールが向かっていた水晶が先程とは違う光を集めだした。

フリオニール「まずいっ!!」

(消えろ・・・!!)

水晶の一点に光が集中し光弾に変化した。

フリオニール「くおっ!!」

フリオニールは横に飛んで光弾をかわした。

シルフ「で!!こっちに来る!!」

フリオニールを狙った光弾はシルフに向かっていた。

シルフ「避けんじゃねぇばっきゃろう!!」

カキーーーン!!

シルフはまたフルスイングで光弾を打ち返し破壊した。

シルフ「はぁ・・・これで後一つ・・・やってるでこんなろ!!」

怒りが頂点に達したシルフは残りの一つに向かい走り出した。が。

フリオニール「悪いな。もう終わってるぜ。」

シルフ「おるぅっ!?」

既にフリオニールが壊していた。

シルフ「んだよ〜・・・せっかく決めてやろうと思ったのによ・・・」

マリーン「よしよし。後でいい子いい子してあげるからね〜」

フリオニール「どうでもいい話だが、ここの封印を司ってたのは堕天使アルテマって言うらしい。最後の破壊したらそう言う声が聞こえた。」

シルフ「うぅ〜・・・」

フリオニール「・・・じゃあ封印を壊すのはお前がやれ・・・」

シルフ「マイド!!」

かなり落ち込んでいたシルフだったが、一瞬で元に戻った。

フリオニール「はぁ・・・」

マリーン「ボケの無いキャラって大変なのね・・・」

フリオニール「何も言うな・・・」

シルフ「ま、いんじゃないの。封印は解除したんだし、後はゆっくりしてようぜ。」

フリオニール「・・・そうだな。」

マリーン「じゃ、私が連絡しておくね。」

シルフ「頼むね。」



土の封印


マイ「ここが封印か・・・何だかただの土で出来た洞窟って感じしかしないな・・・」

土の封印の場所は一見普通の洞窟だった。

レイ「気を抜くなよ。何があるかさえ分からないんだ。」

マイ「分かってるよ・・・」

ネリク「・・・かなり息苦しいメンツだホ・・・」

マックス「言うな・・・」

このメンツは無愛想コンビにドワーフとエルフと言う異色の組み合わせの為会話と言う会話をせず来ていた。

マイ「ま、こんな所さっさと済ませて帰ろうよ。」

ネリク「賛成ラリ・・・」

マックス「ちゃんとやる事やってからだがな。」

レイ「・・・」

マイ「・・・」

ネリク「・・・」

マックス「・・・」

四人(誰か何か喋れ・・・)

これと言った会話が無く四人はふと同じ事を思ってしまっていた。と。

マイ「・・・?何か来る・・・?」

先を歩いていたマイが何かに気付いた。

レイ「どうやら、封印解除の前のお決まり事だな・・・」

ネリク「てことは・・・」

マックス「戦いだな・・・ちょうどいい。」

四人はそれぞれの武器を持ち臨戦態勢を取った。

レイ「分かるか、マイ。」

マイ「・・・この空間にいる事は確かだけど・・・」

ネリク「正確な場所は分からないホか・・・」

マイ「ええ・・・」

マックス「気を抜けば・・・おしまいか・・・」

マイ「・・・来る・・・レイの足元!!」

レイ「なっ!?うおっ!!」

マイが叫んだと同時にレイの足元が裂けたが、レイはとっさにジャンプしてかわした。

レイ「なめたまねしてくれてよ・・・さっさと出て来い!!」

レイが叫ぶと四人の前に鎧を来た男のような者が現れた。

男?「我が名はマティウス。封印を司りし神帝。愚かな者よ、早々に立ち去るが良い。」

ネリク「愚かな者って・・・オレらは引く訳にはいかないド!!」

マックス「倒させてもらう!!」

マックスはすぐに風の矢をマティウスに向けて放った。

マティウス「甘い!!」

マティウスは前に土の壁を作りマックスの矢を受け止めた。

マックス「あんな事が出来るのか・・・くそっ」

ネリク「だったら壁ごとたたッ斬るド!!」

そう言ってネリクは飛べるだけ上に飛んだ。

ネリク「どっせ〜〜〜〜い!!」

そして斧で壁を斬ろうとした。が。

マティウス「はっ!!」

ドゴン!!

ネリク「おぶっ!!」

マティウスは土の壁をネリクに押し出した。

マイ「何やってんのさ!!このっ!!」

マイはマティウスが攻撃をした隙を突いて背後に回った。

マイ「喰らえ!!」

マイはマティウスに手裏剣を投げ付けた。

マティウス「くぅっ!!」

手裏剣は全てマティウスに命中した。

マイ「どう言う事・・・どうして壁を張らなかったのかしら・・・」

マティウス「こしゃくなまねをしてくれる・・・だが!!」

マイ「わっ!!」

マティウスはマイに向けて土の塊を飛ばした。

マイ「っぶないなもう・・・」

マイは素早い動きですぐ着地してマティウスの攻撃をかわした。

レイ「・・・おい。」

ネマ「ん?」

レイ「俺が突っ込む。援護頼むぞ。」

ネリク「はっ!?」

マックス「お、おい待て!!」

レイはすぐにマティウスに向かい走り出した。

レイ「うおぉーーー!!」

マティウス「来るか!!ならばこちらも!!」

マティウスはすぐに土の壁を張った。と。

レイ「よし、お前らやれ!!」

レイは唐突に足を止め、ネリクとマックスに指示を出した。

ネリク「ほあっ!?」

マックス「何!?」

レイ「いいから早く!!」

ネリク「こき使いやがって!!」

マックス「後で覚えてろよ!!」

ネリクとマックスは若干ふて腐れながら言われた通りマティウスに攻撃を仕掛けた。

マティウス「甘いぞ!!」

二人の攻撃はマティウスの土の壁にさえぎられた。と。

レイ「そこだっ!!」

レイが既にマティウスに向かっていた。

マティウス「おのれ・・・喰らえっ!!」

レイに向けてマティウスは土の壁を押し出した。

マイ「レイ!!」

レイ「大丈夫だ!!くぉっ!!」

レイはほとんどギリギリだったが壁をかわした。

レイ「ギリギリだったが・・・これで奴の戦法は分かった・・・」

マイ「え!?」

マティウス「くっ!!その為か・・・!!」

レイ「奴はこちらの攻撃をあの壁で受け止め、そのダメージ分の威力と速さで壁を押し出すってやり方でやって来る。」

マイ「リフレクの物理版って事!?じゃあどうやって倒せってのさ!!」

レイ「勝機はある。ダメージが大きくなればなるほど、壁を放った後の隙が大きい。そこを叩けばいい。」

マティウス「・・・確かにそこの者の言う通りだ。だがそれでも倒せれるのか?」

ネリク「またエライ自信だド・・・」

マックス「そこまで言うなら何か策があると言う事だろう。」

マティウス「私はオートリジェネをつけている。時間と共に傷は癒えていくのだ。」

マイ「オートリジェネって・・・厄介な物を・・・」

レイ「だがそれでもやるしかない。行くぞ!!」

レイは再びマティウスに向かい走り出した。

マティウス「何度でも来るがいい!!お前達に私は倒せん!!」

レイ「やって見なきゃ分からないだろうが!!」

再び土の壁を張ったマティウスにレイは斬りかかった。

マイ「私もやらなくちゃ・・・援護頼むよ!!」

ネリク「わ、分かったド!!」

ネリクとマックスに援護を任せ、マイもマティウスに向かった。

マックス「しかしお前は前衛向きではないか・・・?別にいいが・・・」

そんな事をぼやきながらも二人は特性アイテムと風の矢で援護の体制を取った。

ネリク「どりゃっ!!」

マックス「ていっ!!」

二人はマティウスの土の壁にアイテムと矢を当てた。

マイ「レイ!!囮頼むよ!!」

レイ「何!?」

マティウス「はっ!!」

ドゴン!!

レイ「おぐっ!!」

レイはモロに土壁を喰らった。

マイ「その隙に!!」

レイが囮にされた隙にマイは分身の術でマティウスを取り囲んでいた。

マイ大勢「それっ!!」

大勢のマイは一斉にマティウスに斬りかかろうとした。

マティウス「させん!!」

マティウスは自分の周りに小さな土の塊を大量に発生させた。

マティウス「はぁっ!!」

そしてマティウスは自分の周りにいるマイ達に土を飛ばした。

マイ(分身A)「うわっ!!」

マイ(分身B)「きゃぁっ!!」

マイ(分身C)「あうっ!!」

マイ(本物)「わっと!!」

土により分身は全て倒されたが、本体はかわした。

マイ「でも、怯む訳には行かない!!」

マイは体制を立て直し、マティウスに向かった。

マイ「はぁーーー!!」

ザシュッ!!

マティウス「ぐっ!!」

マイはマティウスに一撃を入れたがあまりいいダメージにはなっていなかった。

マイ「こんなんじゃすぐに・・・あんたら早く!!」

ネリク「どいつもこいつも・・・これで出番が増えるならやってやらぁ〜〜〜!!」

マックス「何でそうなる・・・?」

またブツクサ言いながらも二人は同時にマティウスに攻撃を仕掛けた。

マティウス「うぐぐっ!!」

レイ「連携決めるぞ!!着いて来い!!」

マイ「私に命令するんじゃないよ!!」

ネリクとマックスが作った隙を付いてレイとマイはマティウスの懐に飛び込んだ。

マティウス「これ以上・・・やらせん!!」

レイ「なっ!?」

マティウス「去れ!!そして散るがいい!!」

ズドーーーン!!

レイ「うおっ!!」

マイ「あうっ!!」

二人が近づいた瞬間、マティウスは自分を中心とした衝撃波を辺りに放ち二人を弾き飛ばした。

ネリク「大丈夫ドか!?」

レイ「こんなの・・・軽傷だ・・・それよりも早く奴に!!回復される前に!!」

マックス「あ、ああ!!」

ネリクとマックスはすぐに攻撃の態勢に移った。が。

マティウス「させぬ!!」

マティウスは槌の壁を張り、防御の体制を取った。

ネリク「まずっ!!」

マックス「これでは・・・」

マイ「だったら・・・あの壁ごとぶち破るのみ!!」

そう言ってマイは指と指の間全てにクナイを掴んだ。

マイ「喰らえぇーーー!!」

マイはクナイを土の壁に向けて投げ付けた。

マイ「まだまだ!!」

その後もマイは立て続けにクナイをありったけ投げた。

マティウス「そのような小細工で破壊されると思っているのか?」

マイ「さぁね・・・ただ・・・」

マティウス「・・・?」

マイ「いいダメージは入れれると思うよ・・・!!」

マティウス「何だと!?」

ドゴゴゴーーーン!!

マティウス「ぬおっ!?」

先程のクナイが何故か全て爆発を起こした。

マイ「特性のクナイ爆弾の威力はどうかしら・・・?」

レイ「お、お前怖い物持ってんだな・・・」

マイ「感心してる暇があったらあの壁を・・・!!」

ネリク「おっしゃ!!だったら『今まで一度も使った事の無いかなり危ない特性アイテム』いったるド!!」

マックス「全ての力をこの一撃にかける!!」

そう言ってネリクはあからさまに怪しいアイテムを取り出し、マックスは風の弓に力を込めた巨大な風の矢を発生させた。

ネリク「どっせーーーーい!!」

マックス「貫けーーー!!」

二人は同時に壁に攻撃を仕掛けた。

マティウス「何ぃっ!!」

ドゴーーーン!!

マティウス「ぐがぁーーー!!」

二人の攻撃は壁を破壊し、マティウスに大ダメージを与えた。

レイ「後は任せろ・・・!!」

レイは立ち上がり、マティウスに向かい走り出した。

レイ「うぉーーーー!!」

マティウス「近づけ・・・させん!!」

レイを近づけさせまいとマティウスはマイに飛ばしたのと同じ土の塊をレイに向けて放った。

レイ「その程度・・・避けるまでもない!!」

マティウス「なっ!?」

レイは両手のマチェットで飛んできた土を全て切り崩し、さらに前進した。

レイ「たぁーーーーー!!」

ザシュッ!!

マティウス「うがぁーーーーー!!」

レイのとどめの一撃によりマティウスは消滅し、四人の前に茶色の珠が現れた。

マイ「これが封印ね・・・」

ネリク「これを壊せばあっちも・・・」

マックス「だろうな。マイ、頼む。」

マイ「あいよ。はっ!!」

マイは居合いで封印の珠を真っ二つにした。

マイ「完了っと・・・後はあっちが済ましてくれるだろうさ。」

レイ「ああ。それじゃ戻るとするか。」

ネリク「ラリホッ!!」

マックス「ああ。」

そして四人は洞窟を後にした。



水の封印


ビビ「ここの何処かに封印があるんだな・・・」

ワルキューレ「そうだ。」

ビビとエーコ、ワルキューレが来た水の封印がある場所は様々な場所から水が湧き出ている洞窟だった。

ビビ「確かに水って感じだね・・・綺麗な水が湧き出てる。」

ワルキューレ「だがこれは人工的に出来た空間だ。例え綺麗な物だとしてもそれはまやかしに過ぎぬ。」

ビビ「分かってるよ。早く封印を解かなきゃ・・・」

ワルキューレ「ああ・・・しかし何処にあるの・・・」

エーコ「ぢょっど〜・・・」

ワルキューレ「・・・」

エーコ「ほっとかないでよ〜・・・寒いんだから〜・・・」

ビビ「・・・大丈夫?」

エーコ「なわけないでしょ〜・・・クシュン!!」

何故かエーコは服がずぶ濡れだった。その理由は・・・

ワルキューレ「はしゃいで水の中に突っ込んだお前が悪いんだろう・・・」

エーコ「だってここ滑るんだもん・・・」

転んで水の中に突っ込んだからである。

ワルキューレ「全く持って情けない物だ・・・この程度の場所、気を引き締めればなんてこ・・・とぉっ!?」

ビビ「あ・・・」

ワルキューレ「あたた・・・」

言ってる側からワルキューレも転んだ。

エーコ「気を引き締めれば・・・なんですって?」

ワルキューレ「・・・」

ビビ「そんな事言いから先に・・・うわっ!!」

エーコ「ビビ!?」

ビビ「がっ・・・!!」

突然ビビが水泡のような物に包まれ、捕らえられてしまった。

ワルキューレ「しまった!!すぐ近くに敵がいたのか!!」

エーコ「そ、そんな事よりビビを!!」

ワルキューレ「分かった!!」

ワルキューレは剣を取り出してビビが入ってる水泡の前に立った。

ワルキューレ「今助ける!!てやっ!!」

ザシュッ!!

ワルキューレの一太刀で水泡は破裂し、ビビは救出された。

エーコ「ビビ!!」

ビビ「ゴホッゴホッ!!だ、大丈夫・・・」

ワルキューレ「気を付けねばならないな・・・」

ビビ「うん・・・」

エーコ「てか出て来なさいよ!!こそこそしてるなんて卑怯よ!!」

ワルキューレ「・・・そんなんで出て来るのか・・・?」

ビビ「いや・・・出て来たよ・・・」

ビビの言う通り、三人の前に巨大な壷のような物を抱えた魔獣のような者が現れた。

ワルキューレ「出て来る物だな・・・」

魔獣?「良く来た・・・封印を解かんとせし者・・・我が名はファムフリート。暗闇の雲ファムフリート・・・」

ビビ「丁寧な奴なんだね・・・お前を倒さなきゃいけないなら、倒させてもらうよ!!」

ファムフリート「・・・」

エーコ「動きは鈍そうだし、早く済みそうね!!」

ビビ「やって見なくちゃ分からないさ!!エアロラ!!」

ビビはエアロラをファムフリートに放った。が。

ビビ「あっ!!」

ファムフリートは水の壁を発生させてエアロラを防いだ。

ビビ「あの水の壁を破らなきゃ倒す事は無理って事か・・・」

エーコ「でもアレじゃ攻撃も出来なくない?」

ビビ「そんな訳無いでしょ。きっと何かあるはずなんだよ、攻撃の方法が・・・」

ワルキューレ「だが踏み込まなくては先へは進めぬ。先に行くぞ!!」

そう言ってワルキューレは先にファムフリートに向かった。

ビビ「え!?ちょっと!!」

ワルキューレ「突き破る!!ショット!!」

ワルキューレは剣からストックブレイクに似た衝撃波の塊を放った。

ボゴン!!

ショットは水の壁に当たったが、壁はビクともしなかった。

ワルキューレ「くそっ!!」

ビビ「この水の壁は・・・物は試しだ。エーコ。」

エーコ「何?」

ビビ「カーバンクルで援護お願い。」

エーコ「え?」

ビビ「行くよ!!はぁ・・・!!」

ビビは両手の間に魔力を集中させ、フレアをバレーボール程の大きさの球体にまとめた。

ビビ「僕なりの修行の成果、見せてやる!!フレアブラスト!!」

ビビはフレアの球体を水の壁に向けて放った。

ワルキューレ「うおっ!!」

ボガーーーン!!

ファムフリート「・・・!」

ビビのフレアブラストは水の壁に当たり、壁に少し歪みが生じた。

ビビ「エーコ早く!!」

エーコ「え?あ、うん!!カーバンクル!!」

エーコはすぐにカーバンクルを召喚した。

エーコ「今ビビが攻撃したポイントにルビーレイ!!」

カーバンクル「分かった!!」

ワルキューレ「私も手伝おう!!」

エーコ「ルビーレイ!!」

ワルキューレ「ショット!!」

エーコはカーバンクルのルビーレイを、ワルキューレはショットをビビがフレアブラストを当てた場所に向けて放った。

ドゴーーーン!!

ビビ「うわっ!!」

二つの技は命中し、爆発と共に水の壁は消え去った。

ビビ「やっぱり!!大きなダメージを当てさえすれば消える!!」

ワルキューレ「今の内に奴の懐へ!!」

エーコ「ええ!!」

三人はすぐにファムフリートの元に向かった。と。

エーコ「ああっ!!」

ビビ「エーコ!?」

ワルキューレ「何!?」

エーコが攻撃され、その場に倒れた。

ビビ「エーコ!!」

ビビはすぐにエーコを抱き寄せた。

ビビ「エーコ大丈夫!?」

エーコ「ビ、ビビ・・・」

ビビ「はっ・・・!!」

ビビはエーコの背中から血が出ているのに気付いた。

ビビ「酷い出血だ・・・どうしてこんな・・・?」

ワルキューレ「ビビ伏せろ!!」

ビビ「え?わっ!!」

ワルキューレはビビとエーコを無理矢理伏せさせた。その時。

ビビ「!?」

ビビが立っていた場所に何かがかなりの速さで通過した。

ワルキューレ「水だ・・・この辺の水が銃弾の如き速さで飛んで来たのだ。」

ビビ「それじゃエーコの傷も・・・!!」

ワルキューレ「ああ。見せろ。」

ビビ「う、うん。」

ワルキューレ「やはり・・・背中を打ち抜かれた痕がある・・・フルケア!!」

ワルキューレはフルケアをエーコにかけ、エーコの傷を癒した。

ビビ「エーコに無理はさせない方がいい。でもそうなるとあいつを・・・」

ワルキューレ「大丈夫だ。お前はここから援護してくれればいい。」

ビビ「ごめん・・・」

ワルキューレ「その代わり気を付けろよ。」

ビビ「うん!!」

ワルキューレ「では・・・オーディンが直属人神騎士ヴァルキリー・・・」

ワルキューレは喋りながら力を解放し騎士の服になった。

ワルキューレ「参る!!」

そしてそのままワルキューレはファムフリートに向かった。

ファムフリート「来るか・・・!!」

ファムフリートは再び水の壁を発生させた。

ワルキューレ「ビビ!!」

ビビ「分かった!!」

ビビはエーコ右腕で抱き寄せながら左手に魔力を集中させた。

ビビ「さっき程の威力は期待出来ないけど・・・小型のダークネスを放つ!!」

ビビの左手にソフトボール程の球体のダークネスが現れた。

ビビ「これをやれば・・・」

エーコ「ま、待って・・・」

ビビ「エーコ?」

エーコ「これを・・・」

エーコは微力ながら小さなシャイニングの球体をビビの前に出した。

エーコ「ごめん・・・ね・・・」

ビビ「エーコ・・・ありがとう・・・!!」

ビビは右腕に力を込め、エーコを抱きしめた。

ビビ「例え微力でもこれならどうだ!!アルテマ!!」

ビビは左手を前へ突き出すと同時にダークネスとシャイニングを合わせアルテマを出して壁に放った。

ドゴーーーーーン!!

微力アルテマは水の壁に大きな歪みを生じさせた。

ビビ「ヴァルキリー!!」

ワルキューレ「分かっている!!」

ワルキューレはすぐに水の壁に向かった。

ワルキューレ「これくらいなら・・・突破出来る!!」

ファムフリート「!!」

ワルキューレは壁に突っ込み、そのまま突破した。

ワルキューレ「覚悟!!」

ワルキューレは剣にアルテマに似た魔力を集め始めた。

ファムフリート「させん!!」

ファムフリートは担いでた壷に強大な魔力を集中させた。

ワルキューレ「消え去れ!!アルテマショット!!」

ファムフリート「滅びよ!!」

ワルキューレの剣からアルテマを一塊の弾にした光が、ファムフリートの壷から強大な魔力の光線が放たれた。

ビビ「あのアルテマは・・・?」

ワルキューレ「うぐぐ・・・!!」

ファムフリート「うおぉ・・・!!」

二つの技はぶつかり、今にも相殺しかかっていた。

ビビ「このままじゃ危ない・・・!!もう一度・・・うぐっ!!」

エーコ「ビ、ビビ・・・?」

ビビの左肩を水の弾丸が貫通した。

ビビ「くっ・・・!!こんなので・・・こんなので負けはしない!!」

ビビは痛みをこらえ、左手に再びダークネスを出した。

ビビ「くそっ・・・このままじゃまとめる事が・・・!!」

傷によりダークネスはまとめる事が出来ずに、いつ暴発してもおかしくない状態だった。

ビビ「くそ・・・まとまれ・・・このままじゃ・・・お願いだ・・・!!」

エーコ「ビ、ビビ・・・!!」

ビビ「エ、エーコ・・・?」

エーコ「大丈夫・・・あたしも・・・力を・・・!!」

そう言うとエーコは右腕を出し、そこにシャイニングを出した。

ビビ「だ、駄目だ・・・こんな状態でアルテマ何か・・・!!」

エーコ「だ、大丈夫よ・・・あたしも・・・頑張るから・・・ビビも・・・!!」

ビビ「エーコ・・・!!」

エーコ「ビビ・・・!!」

二人は前に出した手を握り締め、ビビの左手のダークネスとエーコの右手のシャイニングを合わせた。

ビビ「このままじゃ暴発する・・・」

エーコ「でも・・・でも抑える・・・いや・・・」

ビエ「使いこなしてみせる!!」

二人が同時に互いの腕に力を込めるとアルテマの光が巨大な剣の形に変化した。

ビビ「これが・・・僕達の力だ・・・!!」

エーコ「喰らえ・・・これがあたし達の・・・!!」

ビエ「アルテマソーーードぉーーー!!」

二人は走り出し、同時に壁を斬るように剣を振り下ろした。

ザシューーーー!!

ワルキューレ「おっ!!」

ファムフリート「何っ!?」

二人の剣、アルテマソードは水の壁を一太刀で切り崩した。

ファムフリート「な、何故このような子供に・・・!?」

ワルキューレ「隙が出来た!!貫けぇーーー!!」

ファムフリート「し、しまっ!!」

ビエ「うわぁーーーー!!」

ファムフリート「たぁーーーーー!!」

バジューーーーー!!

ファムフリート「がぁーーーーー!!」

ワルキューレのアルテマショットとビビとエーコのアルテマソードがファムフリートを貫き、水の洞窟が普通の洞窟に変わった。

ワルキューレ「よし・・・後は封印を解くのみだ・・・大丈夫か?」

ビビ「う、うん・・・」

エーコ「あたし達・・・勝ったん・・・だよ・・・ね・・・」

疲れたのか二人は気を失った。

ワルキューレ「・・・良くやったな・・・後はジタン達に任せるのみだ。ゆっくり休めよ・・・」

そう言ってワルキューレは封印を壊しに向かった。



木の封印


ダガー「薄暗いわね・・・」

コウ「洞窟だもんな。」

ダガー、コウ、クジャの三人が来た木の封印がある洞窟は一見普通の洞窟だった。

クジャ「ま、気を抜いちゃいけないよ。いつ何が起こるか分からないしね。」

ダガー「・・・」

クジャ「どうかしたかい?」

ダガー「・・・四年前はあなたにそんな事言われるとは思わなかったわ・・・」

コウ「同感。ま、あの頃より・・・且つここ最近より露出は徐々に控えめになって来てるからいいか。」

今回のクジャの服装は今までの中で一番露出が少なかった。

クジャ「酷いじゃないかダガー。これでも君の兄としてちゃんとしてきてるんだよ。」

コウ「あ、そうか。お前ら義理の兄妹なんだよな。」

ダガー「・・・まだ式挙げてないんですけど・・・」

コウ「気にすんなよ。木(気)だけに。」

ダク「・・・」

コウ「・・・悪ぃ・・・」

ダガー「いつも突っ込み役なのに・・・」

コウ「俺はそんなんじゃねぇよ。周りの雰囲気がそうさせるんだ。」

ダガー「そうなの?どうだっていいけど・・・」

コウ「・・・何だか酷くないか?」

ダガー「そう?」

クジャ「まったく二人とも・・・そんな事話してる場合じゃないと思うよ。」

コウ「あ?・・・ってこりゃ・・・」

ダガー「・・・何かしら・・・地下の遺跡みたい・・・」

三人は地下に作られた遺跡跡のような柱が何本もある上にも横にも広い空間に出た。

コウ「こらまたこった場所だな・・・」

ダガー「でもこれだけ広いと何処に何があるか分からないわ。気を付けないと・・・」

コウ「ま、その通りだな。とりあえず武器でも持ってろ。」

ダガー「ええ。」

そう言ってダガーとコウは各々の武器を手に取った。

コウ「さてと・・どう出てくるか・・・」

ダガー「こう広くちゃ・・・何処から仕掛けてくるかさえ分からないからね・・・」

クジャ「そうだね。でも・・・」

コウ「どうしたクジャ?」

クジャ「何処となく不自然な物が前にあるよ。」

ダガー「不自然な物・・・わっ!!」

コウ「ほぁ〜・・・」

三人の前方に巨大な大樹があった。

ダガー「凄く大きい・・・何なのこの樹は?」

クジャ「そんなの分からないさ。ただ普通の樹ってわけでもない様だけどね。」

コウ「ああ。何か力を感じる。」

ダガー「それじゃこれが封印?」

コウ「さぁ・・・な?」

ダガー「どうしたの?」

コウ「んだそれ?」

ダガー「え?」

ダガーの後ろに巨大化したような種のような物があった。

ダガー「何だろう・・・」

クジャ「気を付けた方がいいよ。何なら今の内に燃やしておく?」

コウ「ん〜・・・ま、それも策か。頼む。」

クジャ「分かった。ダガー。」

ダガー「え?うん。」

ダガーは種のような物から離れ、クジャが右手に炎の塊を出して前に立った。

クジャ「じゃ、燃やすね!!」

クジャは炎を種のような物に放とうとした。と。

コウ「!!クジャ伏せろ!!」

クジャ「うわっ!?」

コウ「くぉっ!!」

ダガー「コウ!?」

クジャを突き飛ばしたコウのハルバートに木の根が絡み付いて来た。

コウ「何だよこれ・・・ティルこいつを!!」

ダガー「分かった!!せいっ!!」

ザシュッ!!

コウ「おぉっと!!」

ダガーは剣で木の根を切り落とした。

コウ「危なかった〜・・・だがこれでこの種がただの種じゃない事が分かったな。」

クジャ「ああ。それに・・・」

ダガー「それに?」

クジャ「結構あるしね。」

コウ「あら。」

種のような物はこの空間のあちらこちら、何十個とあった。

コウ「こりゃまた・・・でもな〜・・・」

ダガー「何?」

コウ「この種がもし分身とかの類だとしたら・・・どうだ?」

ダガー「分身の類?」

クジャ「この種を生み出した樹、それが封印に大きく関わってるって事だね。」

コウ「ああ。」

ダガー「それじゃあ・・・」

コウ「ああ・・・」

三人は同時に大樹を見た。

コウ「こいつがそうだって事だ!!」

(・・・)

ダガー「何か聞こえる!!」

(良くぞ気付いた・・・)

コウ「この声の主は・・・てめぇか!!」

三人に話し掛けて来たのは大樹だった。

大樹(左様・・・我は木の封印を司りし審判の聖樹・・・エクセデス・・・)

ダガー「何かエクスデスに似てる・・・」

コウ「丁重に自己紹介してくれてどうも。で、封印はお前を倒さなきゃ解けないのか?」

エクセデス(左様・・・)

コウ「てことは当たりだな。」

エクセデス(否・・・貴公らに我は倒せぬ・・・)

クジャ「これはまたいい挑発の仕方だね。どうしてだい?」

エクセデス(我が力無限なり・・・我が子ら倒さぬ限り我永久に力有り・・・)

ダガー「我が子ら・・・この種の事ね?だったらこれを壊せば!!」

コウ「つうたってかなりあるぜ。」

エクセデス(我が子ら倒されようと・・・永久に増え行く・・・)

クジャ「てことは・・・こいつを倒すにはこの種達を壊し続けながら隙を見つけて倒せってのかい?」

ダガー「しかも種はエクセデスを倒さない限り増え続ける・・・三人じゃとてもじゃないけど数不足よ。」

コウ「厳しいなこりゃ。」

クジャ「どうする?」

コウ「左手はリスクが大きいからな・・・一つ一つ壊してくしかないか。」

ダガー「でも三人でやるのは厳しいわよ。」

コウ「しょうがない。俺とティルで壊し続けるからクジャはあいつにデカイ一撃を与え続けてくれ。」

クジャ「強力な奴だと速射は無理だよ。それでもいいかい?」

コウ「大丈夫だ。俺ら二人で種をぶっ壊してやるからよ。」

ダガー「頑張ってね。」

クジャ「オッケイ。」

コウ「じゃ、最初ッから本気出して行くって事で、イージスの盾は取るか。」

そう言ってコウはハルバートの盾のような飾りを取りジェノサイドブレードを解放した。

ダガー「それイージスの盾って言うんだ。」

コウ「説明してる暇は無いぜ。行くぞ!!」

ダガー「ええ!!」

掛声と共に二人は散り、クジャは強大な魔力の一撃を出す為集中し始めた。

エクセデス(魔法など・・・撃たせぬ・・・!!)

エクセデスはクジャを阻止しようと地下から木の根を大量に出し、クジャに向けて突き出した。

クジャ「悪いね!!初めの一撃は早く出来るんだ!!ファイガ!!」

ヴァガァ!!

クジャの魔力を集中させたファイガは根ごとエクセデスを燃やした。

クジャ「でもこれじゃまだまだだろうね・・・二撃目までダメージが残ってればいいのだけれど・・・」

コウ「分ぁ〜てるっての〜〜〜!!」

ダガー「私達だって頑張ってるんだから〜〜〜!!」

遠くではダガーとコウが種をひたすらに壊し続けていた。

コウ「だがこりゃ・・・!!」

ダガー「倒しても倒してもきりが無い!!」

エクセデスの言った通り種は倒してもまた現れていた。

コウ「しかも本体からの木の根で邪魔が入るしよ!!こんなろ!!」

二人にも木の根は襲い掛かっていた。

ダガー「これじゃ召喚なんかする暇も無いわ・・・全部直接でなくちゃ・・・!!」

クジャ「頼むね!!あいつもう回復し始めてる!!」

エクセデス(言ったろう・・・我を倒すなど・・・)

コウ「だぁってろ!!」

コウはブレードの斧の刃をエクセデス本体に投げ付けた。

エクセデス(・・・)

コウ「くそっ!!これじゃまったくダメージを与えれねぇってのかよ!!」

ダガー「喋ってないで戦ってよ!!」

コウ「ああ!!くそっ・・・こんな奴この左手があれば・・・!!」

ダガー「コウ?」

ダガーはいつもと違うコウの様子に戸惑いを感じた。

コウ「だけど・・・使う訳にはいかない・・・だから!!」

コウは投げていた刃を戻し、再び種の破壊に移った。

ダガー(何かあるんだわ・・・コウの左手に・・・ラニのあの様子からしてそれは・・・)





回想(十八話、ダガーとラニがコウの過去を話した後)



ラニ(最近あいつは良くなったとは思うけど・・・徐々にあの頃に戻りかけてると思うの・・・)

ダガー(あの頃・・・?)

ラニ(・・・あいつまた左手を使うのかな・・・でもそうなるとあいつの右目は・・・)

ダガー(ねぇ、何の事?それに左手と右目って・・・)

ラニ(え・・・あ!!な、何でもないさ!!)

ダガー(嘘・・・何か隠してる・・・)

ラニ(何でもないって・・・何でも・・・)





ダガー(あの感じは絶対に・・・)

コウ「ティル!!」

ダガー「え?わっ!!」

ダガーのすぐ横を木の根が通り過ぎた。

コウ「ボケッとしてんじゃねぇ!!」

ダガー「ご、ごめん!!」

クジャ「た、たくっ・・・しっかりしてくれよ・・・!!」

ダガー「クジャは大丈夫なの!?」

クジャ「み、見れば分かるさ・・・!!もうヘトヘトさ・・・!!」

ずっと強力な魔法を放ち続けてたクジャは既に限界に近かった。

コウ「こりゃ・・・本気でやばいかもな・・・」

ダガー「ええ・・・」

三人は一度集まった。

エクセデス(終わりか・・・ここまで良くやったと誉めよう・・・)

コウ「くっ・・・まったくダメージは無しってか・・・」

エクセデスにあまりダメージは無かった。

クジャ「これでも・・・結構やったんだよ・・・」

ダガー「でも・・・これだけやっても手応え無しなんておかしいわよ・・・」

コウ「そりゃそうさ・・・種を壊しながらずっと考えてたんだが・・・まったくこれ以外に気配が無いんだ・・・」

ダガー「それじゃ一体・・・」

コウ「だが何かあるはずだ・・・何か・・・!!ティル後ろ!!」

ダガー「え・・・?」

ダガーの背後に根が迫っており、ダガーを襲おうとしていた。

コウ「くそっ!!」

ダガー「あっ!!」

ジュッ!!

コウ「ぐあっ!!」

コウはダガーを突き飛ばし、根がコウの顔の左側をかすった。

ダガー「コウ!!目が!!」

コウ「は・・・はぁ・・・!!」

コウの左目はかすった際に眼球が傷付いたのか瞑れ、血が出ていた。

ダガー「すぐにケアルをかける!!見せて!!」

ダガーは傷を治そうとコウに近づいた。と。

ラニ(もしあいつの左目が目潰しとか何かされて見えない状態になったらさ・・・あいつを止めてやってくれ。)

ラニの言葉がダガーの頭を過ぎった。

ダガー(左目が潰された・・・止めてってどう・・・)

コウ「はっ・・・はぁ・・・はぁ・・・!!」

ダガー「コ、コウ?」

クジャ「大丈夫か?」

コウ「かっ・・・ひはっ・・・はぁ・・・!!」

左目が潰れてからコウの様子がおかしくなった。その姿は何かに怯えているかのようだった。

ダガー「ね、ねぇコウ・・・」

ダガーは再びコウに近づいた。と。

コウ「はぁっ・・・!!」

コウがダガーに気付いたらしくダガーの方を向いた。

ダガー「待ってて。すぐに治す・・・」

コウ「く、来るなぁーーーー!!」

ダガー「きゃっ!!」

クジャ「!?」

突然コウがダガーをブレードで斬ろうとした。

ダガー「コ、コウどうしたの!?」

コウ「うわぁーーーーーー!!」

ダガーの声は届かず、コウはブレードの武器部をすべて外しこの空間に有る物全てを破壊し始めた。

ダガー「ねぇどうしたの!?コウ!!コウってば!!」

コウ「あぁーーーーーー!!」

クジャ「駄目だ!!今の彼に何も届かない!!」

ダガー「これがラニが言ってた事・・・コウは一体・・・?」

(ダガー・・・!!ダガー聞こえる・・・!?)

ダガー「え!?」

何処からか声が聞こえた。

ダガー「ひそひ草から?」

ダガーはひそひ草を取り出した。

ラニ(ダガー聞こえる?)

ダガー「ラニ?どうしたの?それにどうしてひそひ草を?」

声の主はラニだった。

ラニ(そんな事より!!サクラがとても嫌な気配を感じたとか言って怯えだして・・・もしかしてそっちで・・・)

ダガー「ええ・・・コウが左目を・・・そしたら突然暴れだして・・・」

ラニ(だったら早くあいつを止めてやって!!そのままじゃ二人殺されるよ!!)

ダガー「どう言う事なの!?」

ラニ(あいつ・・・あいつの右目は普通に見る事が出来ないんだ!!)

ダガー「普通に見えないって・・・?」

ラニ(説明は難しいけど、あいつの右目は物を普通に見る事が出来ないんだ。多分今あいつの目にはおぞましい光景と異形の存在だけだと思う・・・)

ダガー「そ、それじゃコウが暴れだしたのって・・・!!」

ラニ(そう、異形の存在だと認識してるあんたらを殺そうと・・・そして今そこにある異形に見える物全てを破壊する為に・・・)

ダガー「コウ・・・」

ラニ(この会話は他の奴には届いてないから・・・だからお願い!!ダガーなら出来るから!!)

ダガー「分かった!!」

クジャ「一体どうしたんだコウは!?」

ダガー「・・・後で話す。クジャ。」

クジャ「ん?」

ダガー「これから私がする事を・・・みんなに、特にライフには言わないで・・・」

クジャ「え?」

ダガー「コウ・・・」

コウ「や、やめろぉ!!来るな!!こっちに来るな!!消えろぉ!!」

コウは今もなお暴走していた。そのコウにダガーは近づき始めた。

コウ「はぁーーー!!ぐぁあぁーーー!!」

ダガー「・・・」

コウ「!?」

ダガーは武器を捨て、背中からコウを抱きしめた。

コウ「はぁ・・・はぁ・・・!!」

ダガー「コウ・・・怖くないよ・・・ここには怖い物なんか何にも無いのよ・・・」

コウ「・・・!!」

ダガー「だから落ち着いて・・・私はここにいるから・・・」

コウ「・・・ティル・・・なのか・・・?」

ダガー「ええ・・・」

コウはダガーの声を聞き、安静を取り戻した。

コウ「視覚じゃ分かんないけど・・・この温もりは・・・お前なのか・・・?」

ダガー「ええ・・・」

コウ「俺・・・結構取り乱したろ・・・ごめんな・・・」

ダガー「ううん・・・いいのよ・・・」

コウ「・・・ありがとう・・・」

ダガー「・・・どういたしまして・・・」

コウ「・・・こっからは任せてくれ・・・」

ダガー「うん?」

コウ「ラニから聞いてると思うけど・・・この右目があるからこうなるんだ・・・だったら・・・」

コウは額のバンダナを外し、それで目を隠すように縛った。

コウ「こうすればいいんだ。」

ダガー「でもそれだと・・・」

コウ「大丈夫。クジャこっちに来てくれ。」

クジャ「あ、ああ。」

コウに呼ばれクジャは二人の近くに寄った。

コウ「これで・・・この近くにティルとクジャがいる・・・後は敵・・・」

ダガー「分かるの?」

コウ「・・・知り合いが教えてくれた事でな・・・集中して・・・全ての神経を耳と肌に・・・」

クジャ「何かの拳法だろうか・・・」

ダガー「・・・」

コウ(・・・種の数は二百ほど・・・柱は七本、かなり壊しちまったな・・・そしてこのデカイのがエクセ・・・?)

コウは耳と肌の感覚で辺りを調べた。そして一つの疑問を感じた。

コウ「あの樹は・・・違う?」

ダガー「え?」

コウ「あの樹に力を感じない・・・どうやら今までやった事は無駄だったようだな。」

ダガー「それじゃ本当の本体が・・・」

クジャ「何処かに?」

コウ「ああ・・・見つけ出してやるさ・・・」

コウはさらに集中し始めた。

コウ(あの樹へ力を注いでる本体がいるはずだ・・・それさえ分かれば・・・何処だ・・・!!)

ダガー「・・・」

クジャ「信じてやろうよ。今の僕らにはそれしか出来ないさ。」

ダガー「ええ。」

コウ(この空間の何処かに絶対いるはずだ・・・絶対に・・・お。)

コウはこの空間の一箇所に何かを見つけた。

コウ「二人とも、あそこって何かあるか?」

ダガー「え?」

コウはある地点を指差した。

クジャ「エクセデスの後ろか?僕はずっとここだったから・・・」

ダガー「この地点からじゃ分からないと思うけど、何も無かったわよ。」

コウ「見えないようにしてんな。だが確実にあそこだろう。」

ダガー「それじゃそこを叩けば・・・」

コウ「だ〜がちょっと待ちな。その前に壁があるぜ。見えないだろうがよ。」

ダガー「じゃあどうするの?」

コウ「大丈夫だって。やけに力の反応がある箇所が十二箇所ある。そこ潰せば大丈夫だろ。」

クジャ「なるほど・・・」

コウ「だがやるなら一度に全部だ。でないとどうなるか知ったこっちゃねぇぜ。」

ダガー「十二箇所同時・・・上手くいくかしら・・・?」

コウ「何とかしろって。後俺はそんな攻撃は出来ないからよ。二人で頼む。」

ダガー「ええ!?」

コウ「ポイント教えてやるからよ。」

ダガー「もう!!」

クジャ「しょうがないさ。ま、ちょうど僕の取って置きは五発の散弾だがらね。後の七つはダガー。」

ダガー「揃ってもう・・・スターレイン、出来るかしら・・・?」

コウ「頑張れって。ポイントは・・・」

コウは攻撃をする場所を二人に教えた。

クジャ「よし・・・タイミングは同時に。」

ダガー「ええ。」

エクセデス(気付かれたか・・・させぬ!!)

エクセデスは三人に木の根を大量に仕向けた。

コウ「そんだけ殺気出てりゃ見えずとも!!」

ドゴッ!!

コウは錬金術で壁を作り根を抑えた。

コウ「早くやれ!!」

ダガー「ええ!!」

クジャ「ああ!!」

ダガーは剣を合わせスターブレードを出し、クジャはアルテマを出すのか両手にシャイニングとダークネスを出した。

クジャ「取って置きだ。喰らってみな!!」

そう言ってクジャは二つを合わせた。と、アルテマが巨大な弓矢の形に変化した。

ダガー「何なのそれ?」

クジャ「アルテマを改良したのさ。僕は弓矢の形にしたのさ。こいつは同時に五発放つ事が出来る。」

ダガー「ピッタシね。じゃ、やってやろうじゃない!!」

そう言ってダガーはスターブレードにかつてリースが出したような技を発動させ始めた。

クジャ「同時に行くよ!!」

ダガー「ええ!!」

コウ「やれぇ!!」

クジャ「アルテマアロー!!」

ダガー「プリズミックスターレイン!!」

バシューーーーー!!

二人は同時に技を放った。

エクセデス(うぉあ・・・!!)

コウ「壁が消えた!!もう一撃行けるか!?」

クジャ「ぼ、僕はもう・・・!!」

ダガー「わ、私も・・・!!」

二人は既に戦えそうに無かった。

コウ「しゃぁねぇ!!俺がやる!!そんかわり目を瞑っててくれないか!!」

ダガー「え!?」

コウ「早く!!」

クジャ「あ、ああ!!」

二人は命令され目を瞑った。

コウ「まったく・・・またこいつを使うなんてな!!」

コウは両手を合わせた。

コウ「うぉりゃーーーー!!」

ドゴーーーーーー!!

ダガー「な、何!?」

エクセデス(ぐぉーーー!!み、見事だ・・・!!)

コウの謎の力によりエクセデスは消滅し、辺りの洞窟が普通の洞窟に変化した。

コウ「もういいぜ。」

ダガー「な、何をしたの?」

コウ「秘密さ。それより目を・・・」

ダガー「ええ。」

クジャ「じゃ、僕は封印を壊しに行くよ。その後で祠にでも行かないかい?」

ダガー「ええ。」

コウ「ああ。あいつらが勝つのを近くで待つとするか。」

クジャ「じゃ、そう言う事で。」

コウ「ああ。」

ダガー「それじゃ・・・」

コウ「あ、ティル。」

ダガー「ん?」

コウ「・・・どうもな・・・」

ダガー「え?いいわよ。」

コウ「そうか。でもどうもな。」

ダガー「ふふふ・・・」







スタイナー(解除完了したぞ。)

フリオニール(終わった。)

レイ(済ませたぞ。)

ビビ(完了した。)

ダガー(済んだわよ。)

ジタン「みんなほぼ同時か。ありがとな。」

ミコト「みんな同時って凄いね。」

ミーナ「ええ。」

五行の封印が全て解除され、地脈の祠に行けるようになった。

ジタン「んじゃ、行くとするか。」

ミーナ「はい!!」

ミコト「絶対に倒してやるんだから・・・私をペタンコペタンコ言ったあいつは・・・!!」

ジタン「はぁ・・・ま、いっちょやってやりますか!!」

そして三人は祠に入った。







大男「遂に決着か。どうなろうと俺には勝手だがな。ひひひ・・・」

三人が入った後、地脈の祠の近くにあの大男が侵入した事に誰も気付いていなかった。




封印を解除し、レットとの決戦へ臨むジタン達。しかし深まるコウの謎はその深さを増すばかりであった。
続く





あ と が き
免許取る為離れてたらかなりスランプに陥って・・・
そんなこんなで書くのが大変ですた・・・
スランプって恐ろしい・・・
俺自身どうなるの・・・
第十九話へ
第二十一話へ
第二部TOPへ

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