CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第十八話 転生


リースとの決着をつけたダガー。しかし謎はまだ大きく深いままだった。

レット「そっか・・・リースが・・・」

クルー「うん・・・」

クルーはカオスチャイルドのアジトでリースの事を他の二人に話していた。

マット「このまま行けば次は・・・」

レット「ああ。だがその為にゃジタンの野郎が・・・」

マット「その通りだ。だからこそ我が行く。お前はその後で・・・そして最後に我が・・・」

クルー「ねぇ・・・」

レット「あん?」

マット「?」

クルー「僕は・・・どうするの?」

レット「そいつは・・・なぁ。」

マット「ああ。それは自分で見つけるのだ。」

クルー「自分で・・・」

レット「そうだ。」

マット「では行って来る・・・」

そしてマットはその場から消えた。







ダガー「いった〜・・・」

コウ「ったく・・・無茶しすぎなんだよ・・・」

その時ダガー達は一室の部屋に一部集合していた

コウ「特に左手、切断しないのが奇跡に近いぜ。」

ダガーはその部屋のベットで包帯だらけで横になっていた。

ダガー「ごめん・・・」

コウ「ま、この調子なら傷痕は残らないだろうし、大丈夫だろう。」

ダガー「うん。」

ビビ「それにしても凄い戦いだったよ。」

エーコ「ダガーったらいつの間にあんな技覚えてたの?」

ダガー「アレのほとんどはヴァルキリーが教えてくれたのよ。最後の除いてね。」

ミコト「確かストライクバスターだったっけ?」

ダガー「アレは私の力と召喚獣の力を一体だけ使って放つの。あの時はバハムートの力を使ったわ。」

ミーナ「つまり属性も変われるって事ですか?」

ダガー「ええ。」

ビビ「へぇ〜」

コウ「ま、早く傷治せよ。代行でもリーダーはいい気しないんだ。」

ダガー「分かったわ。」

エーコ「なんかさぁ〜・・・最近いい感じじゃない二人?」

ダコ「え?」

エーコ「もしかしたらもしかするんじゃない?」

ビビ「どう言う事?」

エーコ「ん?そりゃあサクラちゃんにお母さんと弟と妹が出来るかも・・・」

コウ「なっ!?」

ダガー「もう!!エーコったら!!」

ダガーはエーコを左手で叩いた。と。

ゴウ!!

エーコ「ぎゃう〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」

ダガー「あぐぅ!!」

バゴーーーン!!

間違ってブーストを出してしまい、エーコは壁にめり込み、ダガーの左手にまた衝撃が走った。

ビビ「わわわ!!エーコ!!」

エーコ「もう駄目ポ・・・」

ダガー「いったぁ〜・・・」

コウ「どうしてそんなの出すんだよ。ほれ、手ぇ出せ。」

ダガー「え?」

コウはブーストの衝撃で傷口が開いたダガーの左手を取った。

コウ「しゃぁないなもう・・・」

そしてコウは包帯を取り、ダガーの左手にエリクサーをかけて自分の右手に巻いてある包帯を数枚巻いてあげた。

コウ「これでいいだろ。」

ダガー「あ、ありがとう。」

ミコト「あの〜・・・そんな事はしててもいいけど・・・こっち手伝って。」

コウ「は?」

ミーナ「エーコちゃんの角が・・・」

エーコ「抜けにゃ〜い・・・」

エーコの角が壁に刺さって抜けなくなっていた。

ダガー「え〜っと・・・自業自得って事で。」

ヴァルキリー「何だ今の?」

その部屋にヴァルキリーとフリオニール、シルフとマリーンが来た。

シルフ「おわっ!?何やってんだエーコ!?」

エーコ「助けてよ〜・・・」

ダガー「ああ気にしないで。」

シマフヴァ(はっきり言って無理・・・)

コウ「ん?フリオニール、それなんだ?」

フリオニールの首元に七つの珠がついている首飾りがあった。

フリオニール「ああ。ヴァルキリーからまた七星神の力を借りたんだ。」

ダガー「しちせいじん?それってあなたがオメガの戦乱で使っていたって言う?」

フリオニール「ああ。」

マリーン「それより酷い怪我ですね・・・」

ダガー「このくらい何とも無いわ。何としてでも早く治して彼に・・・」

ヴァルキリー「その事についてなんだが・・・」

ダガー「え?」

ヴァルキリー「あいつは下手したら戻って来ないかもしれないぞ。」

ダガー「ええ!?」

ヴァルキリー「本来アレイズとは(説明中)と言う事だ・・・」

コウ「つまりあいつの魂はこの辺の空を彷徨ってるってか。」

ヴァルキリー「ああ。そして気になるのだが・・・ダガー。」

ダガー「何?」

ヴァルキリー「ジタンの二つ目の血に関してだが・・・」

コウ「あどどどどどおどどど!!」

ダガー「え!?」

コウはその事実を隠したいらしく思いっきり慌てた。

コウ(バカ野郎!!誰もその事知らないんだよ!!)

ヴァルキリー(そうなのか。)

ダガー「ねぇ。今なんて・・・」

コウ「ななな、何でもないさ!!」

ダガー「・・・なら・・・いいけど・・・」

コウ「おうそうだヴァルキリー!!話しあるからこっち来いや!!」

そう言ってコウは無理矢理ヴァルキリーを連れて部屋を出た。

シルフ「何だったんだ?」

ダガー「さ、さぁ・・・」





ヴァルキリー「無理矢理に連れ出した事についてはいいが、話とは何だ?」

コウ「さっきと同じさ。まだ真実を教えるわけには行かない。」

ヴァルキリー「そうか・・・所で一ついいか?」

コウ「ん?」

ヴァルキリー「お前は・・・何者なのだ?」

コウ「・・・」

ヴァルキリーの質問にコウの表情は暗くなった。

コウ「・・・ロストマンとだけ言っておこうか・・・」

ヴァルキリー「ロストマン・・・」





ダガー(ロストマン・・・?)

ミコト「義姉さんどうしたの?」

ダガー「え?な、何でもないわ。」

ミコト「そう?」

ラニ「入るよ〜」

ダガー「ラニにサクラちゃん。」

ダガーがいる部屋にラニとサクラが入ってきた。

サクラ「お父さんがそこにいたけど話していたい事があるって言って。」

ダガー「そう。あ、お守り。」

ダガーはサクラに勾玉のお守りを返した。

ダガー「それとラニ。一ついい?」

ラニ「何?」

ダガー「あのさ・・・ロストマンって・・・」

ラニ「!!」

ダガーの『ロストマン』と言う単語にラニの顔が強張った。

ダガー「ラニ・・・?」

ラニ「・・・」

マリーン「ロストマンって・・・どう言う意味?」

ミーナ「ただ単に訳せば『失う』と『男』ですが、二つを組み合わせると『迷子』になります。」

エーコ「頭いいのね・・・って早く抜いて〜〜〜!!」

ダガー「迷子・・・?」

ラニ「・・・二人っきりの時に・・・話すよ・・・」

ダガー「そう・・・」

ラニ「・・・」

エーコ「ぬ〜い〜て〜〜〜〜!!」







レイ「これで敵の一人が消えたって事だが・・・」

スタイナー「どうしたのだ?」

その頃他の仲間達はいつもの集合場所にいた。

レイ「少し前に起こったあの大火事の犯人が殺された事件・・・」

シャイン「あの事件か。」

アーカム「何か分かったのですか?」

レイ「あの事件現場に妙な後があったんだ。」

フラットレイ「妙な後?」

レイ「地面を溶かしたような足跡があったんだ。」

クイナ「地面を溶かしたようなアルか?」

サラマンダー「それも足跡だと?」

フライヤ「奇妙な・・・」

ベアトリクス「それではあの三人を殺した犯人は物を溶かす事が出来るの。そう言いたいのですか?」

レイ「それが普通だろ。」

ブランク「でもな〜・・・と言ってもそんな事が起こってもおかしくないからな。」

シナ「物を溶かすズラか・・・恐ろしいズラ・・・」

ネリク「今のオレらの戦力は十七の武器が十、エレメンタルウェポンがニと今いないセシル達とジタンを含めたらアルテマウェポンが九。」

マックス「だか私達はまだ戦えそうに無い上、ダガーは重症、ジタンは戻らないがヴァルキリーが来た。戦況としては一人減ったはしたが謎の組織の事が分からぬ・・・」

レイ「戦況はまだ不利さ・・・その謎が分からなければ・・・」

マイ「・・・ちょっといいかい?」

レイ「・・・どっから出てきた・・・?」

またマイが何処からとも無く現れた。

マイ「忍者をなめないでよね・・・で、私からも一つ言わせて貰うけど・・・覚悟しておいて・・・」

スタイナー「わ、分かったが・・・何故覚悟を?」

マイ「そいつは・・・仲間を疑うって事だからさ・・・」

フラットレイ「仲間を・・・?」

クイナ「まさか・・・」

マイ「・・・コウよ・・・」

サラマンダー「・・・」

マイ「あいつは私達の前に出てきた謎の女と知り合いらしいし何かを隠している・・・」

フライヤ「まさか・・・コウが敵だと言うのか?」

マイ「・・・可能性としてはゼロじゃないよ・・・」

ベアトリクス「ですが・・・」

マイ「だったらどうして話さない?」

ブランク「そ、そいつは・・・」

シナ「う〜・・・」

マイの答えに一同に重い空気が圧し掛かった。

マイ「でしょ・・・だからあいつは・・・」

コウ「そうかいそうかい。」

マイ「!?」

仲間達の所にコウがやってきた。

ネリク「コ、コウ・・・」

マックス「こ、これは・・・」

コウ「いや、俺だって疑われてもおかしくないからな。そう言う事を言われる覚悟はしてたよ。」

マイ「で、どうなの?」

コウ「確かに俺は隠し事を結構してる。お前らが知らない事も知っている。疑われてもしょうがないさ。」

マイ「そう。それじゃあ教えてくれるのかしら。」

コウ「悪いがまだ駄目だ・・・みんなには悪いけど・・・知るには早すぎる・・・」

レイ「だったら別にいいさ。」

コウ「ただこれだけは覚えていてくれ・・・俺はお前らを騙そうとも裏切ろうとも思っちゃいない。ただ俺の事を知られたくないだけだ・・・」

スタイナー「確かに人には隠しておきたい過去と言うものはあるだろうが。」

サラマンダー「お前のは異常だぜ。」

コウ「それだけ俺がやばいって事さ・・・」

クイナ「コウ・・・コウはワタシ達の仲間アルよね?」

コウ「ああ。そのつもりさ・・・出来る限りな・・・」

フラットレイ「それで十分だ。私達は仲間。それだけで・・・」

マイ「・・・」







ダガー「それで・・・話してくれるの?」

ラニ「ああ・・・ダガーがその事に触れちゃったらしょうがないよ・・・」

その時ダガーとラニは二人きりの状態になり、先程の事を聞こうとしていた。

ダガー「・・・そんなに・・・重要なの・・・?」

ラニ「・・・あいつの過去を・・・表してるからね・・・」

ダガー「コウの過去?」

ラニ「あいつの為に・・・少しだけでいいかい?」

ダガー「その意味さえ分かればね。」

ラニ「あいつは一度だけ・・・二つに分かれてる道のどちらかを選ばなくちゃいけない時が来てね・・・」

ダガー「二つに一つって事?」

ラニ「そう。一つは自分の在り方を教えてくれた奴らから頼まれた事。もう一つはあいつにとって大切だった・・・いや、大切な人が教えてくれた不確かな真実・・・」

ダガー「不確かな真実?」

ラニ「そいつらは怪しい事をしてるって噂があって、その人はそれを調べて不確かだけど一部を知った。」

ダガー「それで・・・コウは?」

ラニ「・・・前者を選んだよ。不確かじゃしょうがないし自分の在り方を教えてくれたんだもの・・・信じたく無かったって・・・でも・・・」

ダガー「でも?」

ラニ「それが間違いだったんだ・・・その判断をした事で・・・一つの村が・・・消えた・・・」

ダガー「!?」

ラニ「そいつらの目的はその村にあった何か重要な物。それを奪う為に・・・」

ダガー「酷い・・・」

ラニ「そしてさらに辛いのが・・・コウはそこで少し暮らしていた・・・私と大切な人と一緒に・・・」

ダガー「!!」

ラニ「ショックだったよ・・・子供から老人・・・もうすぐ生まれてくる命や生まれて間もない命さえ奪われて・・・」

ダガー「そんな・・・」

ラニ「ちょっとはコウを憎んだりもしたよ・・・けど・・・あいつがいなかったら私は死んでいた・・・だから・・・」

ダガー「ラニも・・・そんな過去が・・・?」

ラニ「・・・これを言ったらコウの事が少し・・・」

ダガー「いいえ、大丈夫よ。知ってるから・・・彼が血塗られし紅蓮の剣士だって・・・」

ラニ「そう・・・じゃあ・・・言うね。」

ダガー「うん・・・」

ラニ「私が・・・十二歳の時・・・」



回想



ラニ「楽しかったね!!」

父親「ああ。また来ような。」

ラニ「うん!!」

ラニ(その日は家族と一緒にトレノに来ててカードゲームの大会に出てたんだ。)

ダガー(ラニってトレノ出身じゃなかったんだ。)

ラニ(私の家は南ゲートから少し離れた山にあったのよ。父親が猟師であの斧は形見って事。)

ダガー(でもどうして・・・)

ラニ(私も全然分からなかった・・・けれど・・・あの鉱石がアダマンタイトだって知った時に理由が分かったよ。)

ダガー(どう言う事?)

ラニ(加工出来ようと出来なくてもアレは高い値で売る事が出来る。それを狙ってたちの悪いゴロツキどもが・・・)

父親「な、何だお前達は!?」

ゴロツキA「何でもねぇよ。ただお前んとこにある鉱石を貰いに来ただけよ。」

父親「アダマンタイトの事か・・・何故ここが分かったかはいい。怪我をしたくなかったら早々に立ち去るんだ。」

ゴロツキB「そんな心配はいらねぇな。怪我するのはお前らだけだからな!!」

父親「ぬっ!!」

ラニ「お、お父さん?」

母親「ラニ!!そっちに行っちゃ駄目!!」

ラニ「きゃっ!!」

ゴロツキC「おっ?こんな所に。」

父親「し、しまっ!!」

ゴロツキD「よそ見してる暇あんのかよ!!」

父親「ぐおっ!!」

父親の体に剣が深く突き刺さった。

ラニ「!!」

母親「あなたぁーーー!!」

父親「に、逃げろ・・・逃げて・・・生き・・・て・・・」

そして父親は息を引き取った。

ラニ「お、お父さん・・・?」

母親「そ、そんな・・・」

ゴロツキE「抵抗なんかするから死ぬんだよ。さ、死にたくなかったらアダマンタイトを・・・」

母親「うわぁーーーー!!」

母親は父親の斧を持ち、ゴロツキに立ち向かった。

ゴロツキA「頭の悪い奴だな。そんなんで・・・」

母親「!!」

ゴロツキ達「死ね!!」

ラニ「あ・・・!!」

ゴロツキ達が母親をめった刺しにした。

母親「ぐっ・・・」

ラニ「お、お母・・・さん・・・?」

母親「ラニ・・・こ、これを・・・」

母親がラニにアダマンタイトを渡した。

ラニ「・・・」

母親「逃げて・・・生きて・・・ラニ・・・」

そして母親も息を引き取った。

ラニ「お母さん・・・お母さん・・・!!」

ゴロツキB「まったくよ〜抵抗するなって言ったのに。」

ゴロツキC「じゃ、お嬢ちゃん。それを俺らに・・・」

ラニ「嫌!!」

ゴロツキD「この・・・ガキが!!」

ラニ「あうっ!!」

ゴロツキE「なんならお父さんとお母さんの所に逝かせてもいいんだ・・・」

ラニ「!?」

ゴロツキA「な、何だ貴様!?」

コウ「・・・」

ラニ(これが初めて会った時さ。あの剣は炎の・・・)

ゴロツキD「こいつ!!邪魔する・・・!!」

コウ「・・・」

ゴロツキD「な・・・!!」

コウの持っていた刃が炎で出来た剣がゴロツキの腹部に刺さっていた。

ゴロツキC「こいつ!!」

コウ「・・・」

コウは切りかかったゴロツキをかわし右足を高く上げた。

ゴロツキC「ギャァッ・・・!!」

そしてそのまま即頭部を蹴り降ろし床に頭を沈めさせた。

ゴロツキB「この・・・化物が!!」

コウ「・・・」

コウは剣を左手に持ち、指で陣を書き、武器を持ってる腕を掴んだ。そして。

ゴロツキB「ぎゃぁーーーーー!!」

コウの錬金術でゴロツキの腕が消滅した。

ゴロツキA「ひ、ひぃーーーー!!」

最後のゴロツキは恐怖で逃げ出した。

コウ「・・・」

そのゴロツキを追わずにコウは剣を持ち替えて左手を向けた。すると。

ゴロツキA「ギャァッ!!」

逃げたゴロツキの両足が消えた。

ゴロツキA「あ、足が・・・足がーーー!!」

ゴロツキB「う、腕が・・・俺の腕・・・!!」

コウ「・・・」

コウは腕を消滅されたゴロツキのノドに蹴りを入れ黙らせた。

ラニ「・・・!!」

ラニは恐怖でその場から動けなかった。

コウ「・・・」

ゴロツキA「ひぃ・・・ひぃ・・・!!」

そしてコウは足を消されたゴロツキの元に向かった。

ゴロツキA「ひぃっ!!た、助けてくれよ!!命だけは!!」

コウ「・・・黙れ・・・!!」

ゴロツキA「ヒギャッ・・・!!」

コウは思いっきりゴロツキの心臓のある位置を踏みつけた。

コウ「・・・」

ラニ(正直言って怖かったよ・・・噂では聞いてたけど・・・)

ダガー(決して殺さないが・・・生きて行ける様な状態にはしない・・・ね。)

ラニ(あのゴロツキ達は少しの間苦しみ続けて最後に自害したって聞いてる・・・絶対に殺さないけど・・・死より辛い事を・・・それがあいつのやり方だった・・・)

コウ「・・・」

ラニ「・・・!!」

コウは怯え続けるラニの側に来た。

ラニ「こ、来ないで・・・!!」

コウ「・・・」

コウは怯えるラニの頭に左手を置いた。

ラニ「!?」

コウ「・・・大丈夫・・・?」

ラニ「・・・」

コウ「・・・お父さんとお母さんは・・・」

ラニ「・・・」

コウ「そっか・・・」

ラニ(よく分かんないけど・・・コウは私に優しくしてくれた・・・)

ダガー(彼自身・・・そうなのかもね・・・傷付けたくないけど・・・向かうなら・・・何かを傷付けるなら・・・)

ラニ(多分それだよ。)

コウ「それじゃ俺は・・・」

そしてコウは家を出て行こうとした。と。

ラニ「・・・」

コウ「・・・?」

ラニがコウの足を掴んだ。

ラニ「一人に・・・しないで・・・」

コウ「・・・俺についてもこんな光景を見るだけだ・・・よすんだな・・・」

ラニ「でも・・・」

コウ「・・・しょうがない・・・でも自分の事は自分で守れよ。」

ラニ「うん・・・」

コウ「じゃあ・・・行こう。」







ラニ「確かにあいつはとても怖い力を持ってるけど・・・根は優しいんだ。だから私は・・・」

ダガー「・・・もういいわ。」

ラニ「?」

ダガー「それでもう・・・十分だから・・・」

ラニ「そう?それで脱線したけど・・・ロストマンは・・・その判断をして・・・全てを失ったコウが自分自身につけた汚名さ・・・」

ダガー「だから迷子か・・・」

ラニ「コウはもう・・・失いたくない・・・間違えたくない・・・その意志だけがあいつを動かしているんだよ・・・」

ダガー「コウ・・・」







エーコ「痛た〜・・・」

ビビ「大丈夫?」

その頃ビビとエーコは図書室にいたが、エーコの頭(角)に包帯が巻かれてあった。

エーコ「うん・・・何とかね〜・・・」

ビビ「それじゃあ早く良くなる様に・・・」

エーコ「え!?」

ビビはエーコの額にキスをした。

ビビ「おまじないさ。」

エーコ「ビ、ビビったらもう!!」

エーコは顔を赤くしてビビをちょっと押し出したと。

バダン!!

ビビ「うわっ!!」

若干強すぎたらしく後ろの棚にぶつかって上からやけに物が落ちてきた。

エーコ「あ!!ご、ごめん!!」

ビビ「ううん。大丈夫だよ・・・ん?」

エーコ「どうしたの?」

ビビ「この記事・・・」

落ちてきた物の中に新聞のような物があった。

ビビ「十一年前のか・・・これは・・・」

エーコ「何々・・・『謎の残虐な事件再び。犯人最凶の錬金術師は今だ正体不明』?どゆ事?」

ビビ「こっちにも似た物があるよ。『連続傷害事件。犯人生地獄へのジャッジの正体は謎のまま・・・』、多分同じ事件だよ。」

エーコ「でもどして犯人の名前違うの?」

ビビ「え〜っと・・・」

マーカス「その事件ッスか?」

エーコ「あれ?マーカスにミコト。どうしてここに?」

何処からかマーカスとミコトが来た。

ミコト「何してるの?」

ビビ「別に何も。で、この事件知ってるの?」

マーカス「その事件の犯人の名前が様々なのは、ただ色々呼ばれてるだけからッス。」

ビビ「そうなの?」

マーカス「名前は三つ。錬金術師である事から『最凶の錬金術師』、相手を殺さず、生地獄を遭わせる『生地獄へのジャッジ』、炎で出来てる剣を持つ事から『血塗られた紅蓮の剣士』って呼ばれてるッス。」

ビビ「この内の一つ・・・レットがコウに言ってた・・・」

エーコ「それじゃあ犯人って・・・」

ミコト「やめましょうよ。仲間を疑うなんて。」

エーコ「そ、そうね。で、そっちは何してたの?」

マーカス「にぃ!?べ、別に!!ね、ねぇ!!」

ミコト「え!?ええ!!そ、そうよ何もしてないわ何も!!」

二人は顔を赤くしながら精一杯否定した。

エーコ「怪しい・・・」

ビビ「疑うのは・・・」

エーコ「これは別話!!」

ビビ「そうなの?」

そんなこんなで一時図書室はゴタゴタが生じた。











「相変わらずだな・・・みんなは・・・」

その光景を上から・・・遥か上空から見ている者がいた。その者は・・・

ジタン「一時期心配になったけど・・・大丈夫だな。」

魂だけの状態のジタンだった。

ジタン「俺はどうすればいいんだろうか・・・俺も過去に罪を犯した身・・・このまま蘇るってのも・・・」

「それは違うよ・・・」

ジタン「・・・」

「ああ・・・」

ジタンの近くに二つの魂が近づいてきた。

ジタン「姫に・・・リースか・・・」

ガーネット「誰もあなたを咎めたりしないわ。」

リース「その通りだ。」

それは十四年前に死んだままの姿の本当のガーネット姫とリースだった。

ジタン「・・・でも俺は・・・」











ダガー「・・・?」

ラニ「どしたの?」

ダガー「今誰かが・・・ううん、何でもないわ。」

ダガーが僅かにジタンからの視線に気付いたようだ。

ラニ「そうかい?」

ダガー「うん・・・ん?」

ラニ「今度は何さ?」

ダガー「リースに似た気配が・・・」

ラニ「それって・・・まさか・・・!!」







シルフ「どわっ!!」

マリーン「シルフ!!」

シルフ「だ、大丈夫だ!!」

ダガーが別の気配を感じたとほぼ同時に外では大量の落雷が襲い掛かっていた。

フリオニール「これは明らかに人工的な雷だ・・・」

シャイン「つまり魔法の類か!!」

コウ「だがこれは異常だ!!どう考えたって犯人は・・・」

アーカム「上です!!」

コウ「やばっ!!」

コウの所に雷が落ちようとしていた。と。

コウ「おわっ!?」

落ちかけていた雷が爆発した。

コウ「い、一体何が・・・?」

ダガー「みんな!!」

コウ「なっ!?ティル!!」

その場にダガーとラニ、そしてビビ達がやってきた。

ダガー「大丈夫コウ!?」

コウ「そんな事よりティルこそそんな体で・・・」

ダガーの怪我はまだ完治しておらず、ラニに支えられて立っていられるのがやっとだった。

ダガー「分かってるけど・・・じっとなんかしてられないじゃない。」

コウ「ティル・・・」

ビビ「それにしても・・・この雷は一体・・・」

エーコ「どう考えてもカオスチャイルドだろうけど・・・雷なんかあったっけ?」

ダガー「・・・恐らく・・・風属性『雷』でしょうね。」

コウ「風・・・となるとマットか。」

ダガー「分からないけど・・・」

コウ「しかしどう言う事だ?ここ最近奴らは頻繁に・・・」

「そうしないといけなくなって来たのだよ・・・我らは・・・」

コウ「マットか!?」

マット「ああ・・・」

仲間達の近くにマットが姿を現した。

スタイナー「お前まで来たか・・・」

マット「かつて共に戦った身だが・・・感傷に浸っている暇など無いぞ。」

フラットレイ「その通りだ・・・」

クイナ「マットが立ち向かうと言うなら・・・」

サラマンダー「俺らはただぶつかって行くのみだ・・・!!」

マット「ならば来い!!その力の全てを出して!!」

シルフ「そうさせてもらうぜ!!」

そしてシルフ達はマットに向かい走り出した。

マット「行くぞ!!風よ鳴け!!そして我が力となれ!!」

マットが唱えると周りの空気、風がマットに集まりだした。

フリオニール「こ、これは!?」

マット「行け!!ウィンディドラグーン!!」

シルフ「何!?」

マットの周りに集まった風が塊り、七つのマットの姿に似た風の人形に変化した。

ダガー「風を利用して分身を生み出した!?」

スタイナー「うおっ!?」

フラットレイ「くっ!!」

クイナ「アイヤ!!」

サラマンダー「ちぃっ!!」

シルフ「おわっ!?」

フリオニール「くそっ!!」

コウ「やばっ!!」

分身はコウ達七人に向けられた。

マット「すまないな・・・この中で力強き七人には我がドラグーンの相手をしてもらおう。」

コウ「これも戦略かよ・・・ぬわっ!!」

ダガー「コウ!!」

ラニ「ダガー駄目だよ!!そんなんじゃ・・・」

ダガー「だ、だけど・・・」

マット「行くぞ!!」

ダガー「はっ!!」

マットがダガー達に向かって来ていた。

ミコト「みんな下がって!!ここは私が・・・!!」

マット「遅い!!」

ミコト(間に合わない!?)

マットの速さは素早く、既にダガー達の前に来ていた。

マット「もらった!!」

?「甘い!!」

マット「ぬっ!?」

ガギン!!

ダガー「あ!!」

ヴァルキリー「間に・・・合ったか・・・!!」

ダガー達の前に戦士状態になったヴァルキリーが現れ、マットの槍を受け止めていた。

マット「お前は・・・!!」

ヴァルキリー「私の名はヴァルキリー・・・オーディン仕えし騎士だ・・・!!」

マット「やるな・・・この力はジタンほどではないが・・・出来る!!」

ヴァルキリー(悪かったな・・・ジタン以下で!!)

コウ「サ、サンキュヴァルキリー!!こっちゃこいつらのおかげでそっちには・・・だぁ!!」

ダガー「コウ!!」

マイ「しょうがないねまったく!!」

レイ「手を貸そう!!」

エーコ「よ〜しやっちゃえ無愛想コンビ!!」

マイ「・・・アンタ後で・・・」

レイ「・・・だな・・・」

エーコ「あう・・・」

ビビ「エーコ・・・口は災いの元だよ・・・」

マット「まだいたか・・・はぁっ!!」

マイ「ちっ!!」

レイ「くっ!!」

マットは二人にもウィンディドラグーンを飛ばした。

ビビ「こうなったら僕が・・・!!」

ミコト「駄目よ!!手を出そうとしたらあなたにも分身が・・・」

ダガー「そうよね・・・でも・・・じゃあどうしたら・・・」

エーコ「?そう言えば・・・」

ビビ「?」

エーコ「ミーナは・・・?」

ダガー「え・・・?」

ダガー達の周りにはミーナはいなかった。

ミコト「そう言えば・・・」

ビビ「・・・?あそこ・・・!!」

ダガー「え?」

ビビが何かに気付き、同時にダガー達は上を見上げた。そこには。

ダガー「ミーナ・・・?」

ミーナ「・・・」

ミーナが身を乗り出して矢を射る構えを取っていた。

ミコト「ミーナはもしかして・・・そうだ!!」

ミコトは何かを思い付きユニコーンドライブを取り出した。

ダガー「ミコト!?」

ミコト「ミーナが何をしようとしてるのかが分かったわ・・・私はそれを援助するわ!!」



ミーナ「ミコトさん・・・気付いたんだ・・・ありがとうございます・・・!!」

そしてミーナは矢をさらに力に引いた。



ミコト「ミーナの後に私が行けば・・・」

そしてミコトもユニコーンドライブに力を込めた。



ミーナ「タイミングを外したら・・・皆さんに・・・慎重に・・・」

仲間に当てないように狙いを定めるミーナの頬を汗がつたった。

ミーナ「・・・そこだ!!五月雨!!」

バシュシュッ!!

マット「何!?」

コウ「おわっ!!」

スタイナー「ぬおっ!?」

フラットレイ「はっ!!」

クイナ「アイヤ!!」

サラマンダー「どぉっ!?」

ミーナの五月雨が分身五体を貫き消滅させた。

ミーナ「残った・・・ミコトさん!!」

ミコト「ええ!!」

そして同時にミコトもユニコーンドライブを構えた。

ミコト「喰らえ!!ファントムショットガン!!」

ドシュシューーーーー!!

ダガー「きゃっ!?」

ユニコーンドライブの銃口から光の散弾が放たれた。

レイ「おわっ!!」

マイ「わっ!!」

シルフ「だわっ!?」

フリオニール「くおっ!?」

ミコトが放った光の散弾で残り全ての分身は消滅した。

マット「ドラグーンが・・・くっ!!」

ドラグーンが全て倒されてマットは一度距離を置いた。

マット「ドラグーンをやるとはたいした物だ・・・」

ミーナ「よっと・・・私達だって何もしてない訳じゃないし十七の武器の使い手なのよ。」

マイ「ミーナ姉・・・」

ミーナ「ジタンさんの代りになんかなれないけど・・・私が相手になるわ。」

ミコト「それは私も。一緒に行こう、ミーナ。」

ミーナ「はい!!」

コウ「俺らだっているぜ。」

フリオニール「覚悟するんだな。」

マット「・・・確かに我が不利だな・・・しかし我はここで朽ちる訳には行かない・・・!!」

ヴァルキリー「お前も騎士なのだな・・・敵なのが惜しい程の・・・」

ビビ「そんな事言ってる時じゃないよヴァルキリー!!」

ヴァルキリー「ん・・・すまない・・・」

ダガー「風のカオスチャイルドマット・・・あの人を死に追いやった少なからずの原因・・・ここで倒す!!」

マット「くっ!!」

皆一斉にマットに向かった。と。

コウ「あでっ!!」

ダガー「きゃっ!?」

マット「!?」

エーコ「あたた・・・?え?え、え?」

ビビ「こ、これは・・・?」

何故かマットに向かった全員がマットの後ろの方にいた。そして何故かアレクサンドリア高原にいた。

シルフ「な、何が起こったんだ!?オマケにヴァルキリーだけいねぇし!!」

その周りにはヴァルキリーの姿は無かった。

シャイン「ア、アーカム・・・今の・・・何が・・・?」

アーカム「そ、そんなの僕が知りたいですよ・・・」

突然起こった謎の現象に皆困惑した。

フリオニール「何だこの気分は・・・何かに飛ばされたような・・・」

マリーン「な、何をしたの・・・?」

マット「何をと言われても・・・我が気付きし時には、我らはここに来、お前達が突然後ろにいたのだが・・・」

ラニ「これって・・・嘘でしょ・・・!?」

思い当たる節があるのかラニの顔が青くなった。

コウ「こ、こんな芸当出来るのは奴だけだが・・・あいつは俺が・・・俺が・・・!!」

ダガー(コウ・・・あなたは・・・)

コウ「あの野郎は俺が・・・!?みんな伏せろ!!」

ダガー「え!?」

ドガガガーーーン!!

ダガー「きゃっ!!」

ビビ「うわっ!!」

突然辺りに爆発が生じた。

ダガー「な、何が・・・!?」

エーコ「ちょっ!!何これ!?」

爆発が収まったその広場に大型のモンスター(ベビーモスや鉄巨人程の大きさの類)が数体いた。

マット(レットでもこのような事はしない筈だ・・・誰が・・・?)

シルフ「マットだけでも大変だっつぅのによ・・・俺とフリオニールで雑魚は片つけっからそっちは頼むぜ!!」

マイ「私とレイも行くよ。」

コウ「ああ。じゃ、やるとす・・・!!」

ダガー「コウ?どうしたの?」

コウ「まさか・・・アンタが来るとは思って無かったよ・・・」

ダガー「え?だ、誰に話して・・・?あの人は?」

?「・・・」

コウの前に髪と瞳が黒で額にハチマキを巻き、濃い緑色の作業着のようなズボンに白のタンクトップにズボンと同じ色のマントと手袋をつけた、コウ達を見張っていたあの青年がいた。

ラニ「カ、カズキ・・・羽のカズキ・・・!!」

カズキ「コウ・・・ラニ・・・久しぶりだな・・・」

コウ「そりゃどうも・・・」

ダガー「し、知り合い?」

ラニ「かなりの訳アリな関係だけどね・・・」

コウ「つう事だ・・・俺はこっちを相手する・・・ラニはそっちを頼む。」

ラニ「そっちって・・・まさか!?」

「なぁんだ・・・ばれてたんですね。」

ダガー「え!?」

何処からか声がしたが、そのような事を話しそうな者はいなかった。と。

ダガー「きゃっ!!」

突然ダガーの影から何かが現れた。

ダガー「あ、あなたは!?」

「僕かい?」

現れたのは金髪蒼眼に青いズボンに黒い長袖の上着を着た青年だった。

ラニ「クリスまでいるなんて・・・」

クリス「安心しなよ。来たのは僕らだけだからさ。」

ラニ「それって喜んでもいいのかな・・・ま、全員来ないだけ良いか。コウ。」

コウ「あ?」

ラニ「それ貸してよ。残念だけど私の斧じゃクリスに敵わないしさ。」

コウ「そっか。ほれっ。」

そしてコウはラニにハルバートを投げ渡した。

ラニ「ありがとう。」

クリス「君が僕にか・・・勝てるのかい?」

ラニ「勝てるとは思ってないよ。ただコウがあっちとなるとアンタの相手は私だからね。」

クリス「なるほどね。じゃ、僕はこれで行くか。」

そう言ってクリスは『木』と書かれた掌ほどの珠を取り出した。

クリス「火は危険だけど手加減なんか出来ないから木坐もくざでね。」

クリスは話しながら珠を握ると柄が木で出来た鍔の無い片刃の剣が現れた。

クリス「所で始める前に一つ。」

ラニ「?」

クリス「・・・ジタン=トライバルは・・・どうしてる?」

ダガー「!?」

ラニ「何でアンタがジタンの事を?」

クリス「ま〜・・・関係は無いんだけどね・・・どうなんだい?」

ラニ「・・・今はいない・・・って言っておこうかな?けどダガーと二人の子供を残して消えるって事は無いだろうけどね。」

クリス「そうか・・・彼は戻ってきたのか・・・こっちじゃ・・・」

ラニ「クリス?」

クリス「いや、何でも。それじゃ!!」

ラニ「くっ!!」

そしてラニとクリスは戦いを始めた。

ダガー「私は・・・どうしたら・・・」

そう呟いてダガーは辺りを見た。

シルフ「どりゃ!!」

フリオニール「はぁ!!」

マイ「つぁっ!!」

レイ「とうっ!!」

シルフ達はモンスターと・・・

スタイナー「とぁっ!!」

フラットレイ「ていっ!!」

クイナ「チョァーー!!」

サラマンダー「だぁっ!!」

マット「まだまだ!!」

スタイナー達はマットと・・・

コウ「とりゃ!!」

カズキ「甘い!!」

コウはカズキと・・・

ラニ「それっ!!」

クリス「何の!!」

ラニはクリスと戦いを繰り広げていた。

ダガー「私は・・・どうすれば・・・」

ミコト「駄目よ義姉さん・・・あなたの傷はまだ・・・」

ダガー「けど・・・」

ミーナ「耐えるのも必要です・・・今は・・・」

ダガー「・・・ええ・・・」



レイ「そらっ!!」

ベビーモス「ガァーーー!!」

マイ「これで半分・・・は行ってないか・・・」

シルフ「こんな場所で大量且つデカイモンスターって・・・キツッ・・・」

フリオニール「じゃ、久々に使うか。」

そう言ってフリオニールは首の珠を一つ取った。

フリオニール「我が耳に声を傾け、ここに来たれ!!ニライカナイ!!」

バシューーー!!

フリオニールが唱えると珠から光が溢れ、鎧をまとった巨人のような者が現れた。

フリオニール「頼んだぞニライカナイ!!やってくれ!!」

ニライカナイ「・・・」

フリオニールの指示でニライカナイは両手を天にかざし、そこに光が集まりだした。

シルフ「久々に来たな・・・みんな早く離れろ!!」

マイ「はっ!?」

レイ「何!?」

ニライカナイ「・・・」

バシューーーーー!!

レイ「うおっ!!」

ニライカナイの手に集まった光が地面に向けて放たれ辺りにいたモンスターを一瞬で全滅させた。

マイ「な、何なのよそれ・・・?」

フリオニール「これが七星神の力だ。戻っていいぞ。」

ニライカナイ「・・・」

フリオニールの命令でニライカナイは珠に戻った。

レイ「よし・・・それじゃあ他の奴らを・・・」

シルフ「そう言うこった!!マリーン達はそこで待っててくれよ!!」

マリーン「ええ!!」



クリス「あらら〜・・・結構とんでもない奴がいるんだね。」

ラニ「よそ見してる暇でもあるのかしら!?」

クリス「おおっと。」

ラニはハルバートを振り下ろしたがクリスは難なくかわした。

クリス「でもこのままじゃ援軍来ちゃうしな〜・・・しょうがないか。ふんっ!!」

クリスはその場に立ち止まり地面へ力を込めた。

ラニ「まずっ!!避けて!!」

シルフ「よ、避けてってっても・・・なっ!?」

フリオニール「こ、これは・・・!?」

クリスの所に向かっていたシルフ達の動きが突然止まった。

マイ「か、影縫いか・・・!!」

クリス「へぇ〜分かるんだ。ご名答だよ。でもこれはちょっとやそっとじゃ外せないから無理しない方がいいよ。死んじゃうからね。」

レイ「くっ・・・!!」



コウ「クリスの奴も鍛えてたようだな。」

カズキ「まぁな。そしてお前もそのようだな。」

コウ「まぁね。俺の場合はあんまあの力を使わないようにしてるってだけだがね。」

カズキ「そうか。じゃあどれだけ行けるか見せてもらうぞ!!」

そう言ってカズキは素早く踏み込みコウに殴りかかった。

コウ「その程度なら!!」

カズキの攻撃をコウはしゃがんでかわし、同時に両手を地面につけて両足をカズキに向けた。

コウ「そらっ!!」

そしてその姿勢のまま両足をカズキに向けて蹴り出した。

カズキ「甘い!!」

しかしカズキは高くバック転してその攻撃をかわした。

カズキ「相変わらず足技は強力だな。」

コウ「誰のおかげだろうかね?」

カズキ「まぁそうだな。」

コウ「・・・変わってないな・・・アンタは・・・」

カズキ「君もな・・・」

コウ「・・・」









ジタン「みんな・・・」

ジタンはまた上空から皆が戦っている光景を見ていた。

ガーネット「・・・行かないの・・・?」

ジタン「?」

ガーネット「あなたならあそこに行けるのに・・・どうして行かないの?」

ジタン「理由は同じさ・・・俺は・・・」

リース「そんなのはどうだっていいのだ・・・」

ジタン「リース・・・?」

リース「あいつらはお前が戻ってくる事を信じて戦っているのだ・・・だから・・・」

ジタン「分かってるけど・・・俺は・・・!!」

ガーネット「あっ!!」

ジタン「み、みんな・・・!!」









スタイナー「く、くそう・・・!!」

フラットレイ「ま、負けか・・・」

マット「すまないな・・・手加減など出来ないからな・・・」

スタイナー達がマットに敗れてしまっていた。

ダガー「あの四人が・・・」

ビビ「僕の見る限り・・・あの四人の中で一番強いのは・・・」

ミコト「どう考えたってマットが一番よ・・・兄さんが苦戦した相手って事は・・・」

ミーナ「ジタンさんと同じか・・・それ以上か・・・」

マット「さて・・・次はお前達だ・・・」

そしてマットがダガー達の方に歩き出した。

ダガー「くっ・・・!!」

エーコ「む、無理よ・・・あんなのに・・・勝てるわけ無いわよ・・・」

ビビ「けど・・・ここで逃げるわけにも・・・」

ミーナ「そうです・・・だから皆さんは離れててください。」

ミコト「ミーナ!?」

ミーナ「次は私が相手になります!!」

そしてミーナは矢をマットに向けた。

マット「いい心がけだ。だが・・・」

ミーナ「何です?」

マット「お前には・・・戦いは向いていない。」

ミーナ「なっ!?」

マット「この場合だけではない。全て生か死をかけて戦うのだ。つまりそれ相応の覚悟が必要にもなるが・・・お前にはその覚悟が見えぬ・・・」

ミーナ「・・・確かにそんな覚悟なんてないですけど・・・私はそんな理由で戦っているわけではありません。」

マット「ほう。」

ミーナ「私が戦う理由・・・それは・・・ジタンさんの為です。」

マット「ジタンの・・・?」

ミーナ「私は・・・ジタンさんの為になる事であれば・・・なんでもする・・・私にとってとても辛い事でも・・・あの人の為なら私はやってみせる!!」

マット「いい心がけだ・・・ならば!!」

ダガー「ま、待って!!」

ミコト「義姉さん!?」

ダガー「私も・・・私も行く・・・!!」

ビビ「無茶だよ!!そんな怪我じゃ・・・」

ダガー「だけどもう・・・黙ってみ見てられない・・・!!」

マット「その剣は・・・リースのか・・・」

ダガー「そうよ・・・彼女の分も・・・私が戦う・・・!!」

マット「その心がけも認めた・・・ならば行くぞ!!その力見させてもらう!!」

そしてマットは地面を強く蹴りダガー達に向かった。

ダガー(来る・・・!!ライフ・・・力を・・・貸して・・・!!)









ジタン「セーラ・・・」

ガーネット「あの人は待ってるの・・・だから・・・」

ジタン「ぐっ・・・!!」

リース「行くのだジタン!!彼女を助ける為に!!」

ジタン「セーラーーーー!!」

二人に説得されジタンは自分の体があるアレクサンドリア城に向かった。









ヴァルキリー「この気配からして・・・この方向で間違いないと思うのだが・・・」

その時ヴァルキリーはダガー達が戦っている所へ向かっていた。

ヴァルキリー「しかし何故皆は消えたのだろうか・・・古代の魔法にもそんな物は・・・?」

ヴァルキリーは何かを感じその場に立ち止まった。

ヴァルキリー「何だこの感じは・・・何かが・・・来るというのか・・・?」

そう呟いてヴァルキリーは空を見上げた。

ヴァルキリー「もしかして・・・だが急がなければ・・・皆の為にも!!」

そしてヴァルキリーは再び走り出した。







ミーナ「あぐぅ!!」

ミコト「ミーナ!!」

ミーナ「ご、ごめんな・・・さい・・・」

遂にミーナもマットによって倒された。

マット「さて・・・次は誰が来る・・・」

ミコト(今の私じゃ時間稼ぎにもならないと思う・・・けどこれ以上義姉さんは戦わせない方がいいしビビとエーコも無理をさせちゃいけない・・・だけどシルフ達は動けないしコウとラニも苦戦してる・・・どうしたら・・・)

マット「来ないなら・・・こちらから行くぞ!!」

そしてマットはダガー達の所に踏み込んだ。

ミコト「ま、まずいっ!!」

ミコトはとっさに防御の構えを取った。と。

マリーン「ここは私に任せてください!!」

マリーンがダガー達の前に立った。

マリーン「これならどうです!!」

そしてマリーンは十六話で出した砲を出した。

マリーン「魔力最大出力!!喰らいなさい!!」

マット「なっ!?」

マリーン「ラグナロク発射!!」

ドシューーーーー!!

マット「何だと!?」

マリーンの出した砲先からとてつもない魔力を秘めた光線が放たれたが、マットはギリギリでかわした。

マリーン「あ〜〜〜!!」

マット「今のは・・・あんな物に当たれば一撃でお終いだ・・・気をつけねば・・・!!」

マリーン(まっず〜・・・)

シャイン「や、やべぇ・・・ラグナロクが外れちまった・・・」

アーカム「まずいですね・・・」

ダガー「アレって・・・前に出て来たアレよね・・・何なの?」

アーカム「アレはラグナロク。マリーンが仕入れた武器の中で一番の威力を誇る兵器で前にコウが話したように魔力を集めて放つ兵器です。」

シャイン「毎度説明どうもな。で、アレ一発放つのに必要な魔力は相当な量で一発撃てばしばらく撃てないんだよ。その分威力は馬鹿になんないぜ。」

ビビ「でも外れたって事は・・・」

マリーン「そゆ事。ごみん☆(ペロッ)」

勿論効果音は舌を出した音。

エーコ「ごみんじゃ無いわよ〜〜〜〜〜〜〜!!」

マット「そこだ!!隙あり!!」

その隙を突いて再びマットが踏み込んできた。

エーコ「いやぁ〜〜〜〜〜〜!!」

最悪の状況(エーコにとって)となって久しぶりにエーコは空に向かって吼えた。(もうちょっとマシな表現しろよ・・・女の子なんだし・・・)

ダガー「こうなったら・・・みんな下がって!!」

ビビ「お姉ちゃん!?」

右手の剣で自分を支えながらダガーは皆の前に立ち左手にも剣を持った。

ダガー「これなら・・・プロテクトフィールドも強力になるはず・・・はぁ・・・!!」

そう言ってダガーは二つの剣を合わせてスターブレードを出した。

ダガー「フィールド!!」

そしてダガーはスターブレードを地面に刺し、いつもより強力なフィールドを張った。

バァン!!

マット「くぉっ!!」

ダガーのフィールドでマットの槍は受け止められた。

ダガー「く・・・くぅぅ・・・!!」

ミコト「ね、義姉さん・・・?」

ミコトはフィールドを出し続けているダガーに異変を感じた。マットの攻撃を受け止める為に力を込めていたが、右腕で腹部を押さえだした。

ミコト「も、もしかして傷口が・・・!?」

ダガー「ぐっ・・・!!」

ミコトの予想通り剣を握り締めてる左手と右手で抑えてる腹部から血が滲み出していた。(ダガーの今の服装は病院で入院した人が着るような服)

ダガー「ま、まだまだ・・・!!」

ミコト「もう止めて!!このままじゃ死んでしまうわ!!」

ダガー「だ、駄目よ・・・ここで逃げたら・・・あなた達が・・・!!」

ミコト「でも!!」

ミコトはダガーに駆け寄り背中からダガーを抱きしめた。

ミコト「義姉さんをほっとくなんて・・・!!」

ダガー「駄目よミコト・・・私から・・・離れて・・・!!」

ミコト「嫌よ!!」

ダガー「お願い・・・このままじゃ・・・もたない・・・くっ!!」

遂に力尽きフィールドは消え、ダガーはその場に倒れた。

マット「もらったーーー!!」

そしてマットは槍をダガーに突き出した。

コウ「まずいっ!!」

クリス(ごめん・・・ガーネット・・・!!)

マット「はぁーーー!!」

マットは既にダガー達のすぐ前まで来ていた。

ダガー(ごめんね・・・ライフ・・・)

ダガーは既に半ば死を覚悟していた。が。

ドジュッ!!

?「ぐぅっ!!」

ダガー「!?」

ダガーの所にまで槍は届かず、槍が何かに刺さった音と女性の声が聞こえた。

ダガー「な、何が・・・!!」

マット「お前・・・」

ヴァルキリー「し・・・」

ダガー「ヴァルキリー!?」

ヴァルキリー「死ぬ気か・・・馬鹿者が・・・!!」

ダガーの前にヴァルキリーが現れ、右肩にマットの槍が刺さっていた。

ダガー「ど、どうして・・・」

ヴァルキリー「言ったはずだ・・・死んでもらっては困るとな・・・!!」

ダガー「・・・」

ヴァルキリー「は、早く連れて行くのだ・・・!!」

ミコト「え、ええ!!」

そしてミコトはダガーの体を支えてその場から離れ始めた。が。

マット「逃さん!!でぇいっ!!」

ヴァルキリー「ぐあっ!」

マットは槍を振り上げヴァルキリーを放り投げたと同時に槍を構えた。

マット「そこだ!!」

ドシューーー!!

ミコト「えっ!?」

マットは槍から鋭い風を纏った竜巻を放った。

ビビ「早く逃げて!!その風に巻き込まれたら絶対・・・!!」

ミコト「分かってるけど・・・!!」

ミコトは必死になって竜巻から逃げようとしていたが竜巻の速度の方が早くすぐ後ろにまで迫っていた。

ミコト「まずい・・・!!」

ダガー「このままじゃ二人とも・・・ミコト。」

ミコト「?」

ダガー「・・・ごめんね・・・」

ミコト「え・・・?」

ダガー「・・・ブースト・・・」

ゴウ!!

ミコト「ああっ!?」

ダガー「ぐぅっ!!」

突然ダガーがブーストでミコトを竜巻が来ない場所に飛ばした。

ビビ「お姉ちゃん!?」

エーコ「何してるのよ!!」

ダガー(でもこれで・・・ミコトは助かったわ・・・)

ミコト「ね、義姉さん!!」

ダガー「ごめんね・・・」

重症であった事もありブーストを放った衝撃でダガーは逃げる事が出来ずにその場に倒れた。

ミコト「いやぁーーーーー!!」

ダガー(さよなら・・・)

ダガーのすぐ近くに竜巻が迫り、ダガーは再び死期を覚った。と。

(大丈夫だよ・・・)

ダガー(・・・?)

(今奴が向かってる・・・安心しろ・・・)

何者かがダガーに話しかけた。と、その時。

「はぁーーーーーーー!!」

ダガー「!?」

ビビ「え!?」

ヴァーーーーー!!

エーコ「きゃーーーー!!」

ミコト「な、何が!?」

突然ダガーに迫っていた竜巻が弾かれ別方向に飛ばされた。

マット「・・・来たか・・・」

コウ「な、何が起こったんだ・・・まさか・・・!!」

ヴァルキリー「・・・遅いぞ・・・!!」

ダガー「何が・・・あぁっ!!」

ミコト「あ・・・!!」

シルフ「お・・・」

ミーナ「ジ・・・」

ダガーのすぐ前、竜巻が弾かれた地点に何者かが現れていた。それは・・・

ジタン「待たせたな・・・みんな・・・」

右手にアルテマウェポンを持ったジタンだった。

ビビ「ジタン!!」

ジタン「おっさん・・・フラットレイ・・・クイナにサラマンダー・・・それにミーナも・・・すまない・・・」

マット「やっと来たか・・・」

ジタン「ああ・・・シルフ達は動けないしコウとラニは取り込み中、しかも新顔二人付きか・・・かなり時間経った感じがするぜまったく・・・」

ダガー「ラ、ライフ・・・」

ジタン「ごめんなセーラ・・・後は・・・任せとけ。」

ダガー「う、うん・・・」

そしてダガーは気を失った。

ジタン「ミコト・・・セーラを頼む。」

ミコト「兄さん・・・!!」

ジタン「早くしてくれ。」

ミコト「え、ええ!!」

そしてミコトは倒れているダガーを抱きかかえその場を離れた。

ジタン「ビビ、エーコ。お前達はミーナを頼む。」

ビビ「う、うん!!」

エーコ「分かったわ!!」

マリーン「私達も手伝います!!シャインアーカム!!」

シャイン「おっしゃ!!」

アーカム「力仕事は苦手ですが・・・」

そしてビビとエーコ、マリーン達はミーナを抱えその場を離れた。

ジタン「後はおっさん達にシルフ達か・・・コウとラニは無理だろうからしかたねっか。」

クリス「あなたがジタンか・・・」

ジタン「あ?確かにそうだがお前は何だ?」

クリス「僕はクリス。君のおかげで色々と大変な目に遭った男と言っておこう。」

ジタン「俺のせいって・・・ま、いいか。とりあえずシルフ達を解放させてもらうぜ。」

クリス「僕の影縫いを解く事が出来るのですか?」

ジタン「出来るさ。こうすりゃ・・・な!!」

ボゴン!!

フリオニール「うぉっ!!」

ジタンがアルテマウェポンを地面に刺して力を込めるとシルフ達の足元の地面が崩れ、影が一瞬歪んだ。

シルフ「お。動けるぜ。」

クリス「なるほど。地面を吹っ飛ばせば影もって事ですか。」

ジタン「そう言う事。シルフ達はおっさん達を連れてこっから・・・」

シルフ「それはいいけどよ・・・見られちゃまずい戦いでもすんのか?」

ジタン「ん〜ま〜・・・そうなるな。だからよ。」

レイ「しょうがないな・・・」

そしてシルフ達もスタイナー達を抱えてその場を去った。

ヴァルキリー「私は・・・行った方が良いか?」

ジタン「その怪我だからな・・・先行っててくれ。」

ヴァルキリー「すまないな・・・」

そしてヴァルキリーも去り、その周りにはジタンとコウ、ラニにマット、カズキとクリスだけとなった。

ジタン「さてと・・・ここ最近になってカオスチャイルドの動きが活発になったが・・・その事に関して何か言う事ねぇか?」

マット「事情と言うのはそれぞれある物だ。我らには我らの事情がな。」

ジタン「そう言うと思ったぜ・・・俺がどん位死んでたと思ってんだ?」

マット「まさか・・・」

ジタン「全部じゃないが調べてきたさ。お前らとそこの新顔共の関係とコウとの因縁の間柄もな。」

コウ「ばれたか・・・ま、仕方ないか。」

ジタン「お前らの策略にまんまと乗るつもりは無いぜ。さっさと失せな。」

マット「・・・」

カズキ「そうだがな・・・お前達にはまだ力が無い・・・」

ラニ「はい?」

ジタン「・・・オメガ・・・だな?」

クリス「あれほどどえらいパワーは無いけど、それに近い力を出せれる奴を量産してるのさ。今のままじゃ無理だろうから悪いけどもうしばらく我慢してくれよ。」

ジタン「・・・はぁ・・・みんなに知られたら何されっか分かんないけど・・・それしか無いようだな。」

コウ「だな。俺の一番嫌いな展開だがよ。」

ラニ「どう言う事?」

ジタン「つまりだな・・・」

カズキ「・・・!?待て!!」

ジタン「あ?」

話そうとした瞬間、カズキが突然止めさせた。そして。

カズキ「はっ!!」

突然飛び出し近くの草むらに飛び込んだ。

クリス「誰かいたんだな。」

コウ「予想は付くがな。マイだろ?」

カズキ「名前は分からないがそう呼ばれたはずだ。」

草むらにいたのはマイだったが何故か意識は無かった。

コウ「羽抜きか・・・さすがにこっから先はばれちゃあいつらも・・・」

カズキ「そう思ってやったのだ。貸し一な。」

コウ「へいへい。」

ラニ「で、一体何を話そうとしたのさ。」

ジタン「そうだ。こいつらの目的は・・・」

ジタンはラニに何かを話し始めた。

クリス「いつ頃から僕らが関わってるって思った?」

コウ「サァリが出てきてから怪しいと思っててな。で、昨日クリンに気付いて核心に至ったよ。だけど・・・遂にここにも来たなんて・・・」

カズキ「雷はまだ上にお前がいる事を知らせていないぞ。」

コウ「え?」

クリス「彼も彼でなんか考えてるのでしょう。」

コウ「そうか・・・」

ジタン「・・・って事だ。」

ラニ「そ、そんな・・・」

コウ達の会話が終わったと同時にジタンの話も終わった。

マット「お前達三人は気付いてしまったが・・・これは避けられぬ道が故・・・致し方あるまい・・・」

ジタン「ああ・・・」

マット「・・・すぐにレットが向かうだろう・・・あいつと我を倒さば・・・」

ジタン「クルーは・・・どうすんだ?」

マット「それは彼女次第だ・・・」

最後にそう呟いてマットはその場から消えた。

カズキ「それじゃ俺達も戻る。彼女のここの記憶だ。」

そう言ってカズキはコウに白い羽のような物を渡した。

カズキ「会えて嬉しかったが・・・気を付けろよ・・・」

そしてカズキはそこから去った。

コウ「サンキュ・・・先輩・・・」

クリス「ジタン。」

ジタン「何だ?」

クリス「ガーネットを・・・幸せにしろよ。」

ジタン「何でお前に言われなきゃ・・・まさか・・・」

クリス「確信が無いのならそれは思わない方がいいよ・・・それじゃ。」

そしてクリスも自分の影に消えた。

ジタン「・・・」

ラニ「ジタン・・・」

ジタン「ここの事・・・話すなよ・・・」

コウ「当たり前さ。」

ジタン「ここからが勝負なんだ・・・」







ルビィ「まったく・・・散々心配させて・・・」

ジタン「悪ぃ・・・」

ルビィ「ま、ええわ。お帰り。」

ジタン「ああ。ただいま。」

アレから数時間後(ダガーとマイは意識を取り戻している)仲間達ほぼ全員はアレクサンドリア城に集まっていた。

ブランク「しっかしビックリしたぜ。突然城から何かが飛び出したと思ったらお前だもんな。」

先程の戦いにブランク、シナ、マーカス、フライヤ、ベアトリクスがいなかったのは前者三人はルビィの所に向かったから、後者二人は子供の所に行ったからである。

ジタン「とりあえず全員揃ったんだなこれで。」

エーコ「後はカオスチャイルドを全部倒すだけよ。」

ビビ「でもあの人達は何なのかな?」

コラ「・・・」

マイ「ん〜・・・」

ミーナ「どうしたのよマイ。そんなに唸って。」

マイ「私あそこで何か見たはずなのに・・・思い出せない・・・」

マイは先程の事を見ていたはずだが何故か忘れていた。

ダガー「それよりも・・・マットのあの強さは・・・」

ミコト「次来たら・・・」

ジタン「いや、次はレットだろう・・・」

ベアトリクス「どうしてそのような事が?」

フライヤ「何か知っておるのか?」

ジタン「そりゃ・・・マットがそう言ったんだ。」

クジャ「でもそいつは敵なんだろ?信じれるのかい?」

ジタン「に、兄さん・・・久しぶりに見たけど相変わらず・・・」

クジャ「失礼だな。これでも少し控えめにしたんだよ。」

エーコ「どう見たって]−2のリュックより・・・」

ビビ「エーコ?」

エーコ「え?」

ジタン「・・・今のはいいとして・・・マットは嘘をつくような奴じゃない。多分この後レットが・・・」

「俺が何だって?」

ダガー「その声レットね!?」

皆が見れる場所にレットが現れた。

レット「死んだと思った奴がまた増えてやがるぜおい・・・」

ジタン「悪いが死ねないんだよな。大切な人を残しては。」

レット「ケッ!!ま、いいがマットが言ったように次ぁ俺だ。」

ミコト「いい度胸ね。ここに今どれだけいると思ってるのよ。」

レット「人の話しは最後まで聞けっつうのペタンコ。」

ミコト「ぺ、ペタンコで何が悪いのよーーーーー!!」

本当の事を言われてミコトはきれた。

マーカス「お、落ち着くッスミコトさん!!」

レット「俺だって馬鹿じゃねぇ。で、決着付ける場所は地脈の祠だ。」

ネリク「あそこホか。」

マックス「まだあったのか・・・」

レット「ただし条件があるぜ。一つは祠の周りに五行の封印をする。」

ミコト「ごぎょう?」

レイ「この世の理としての一説だ。木、火、土、金、水の五つが輪廻し続ける事で・・・」

ダガー「以外にそう言う所があるんだレイって・・・」

レイ「・・・」

ヴァルキリー「それを考えるとお前の所には遅れ・・・」

レット「いんや駄目だ。封印は一つ解放しても二十分あればすぐ発生する。つまりほぼ同時に五つ解かんきゃいけねぇんだ。」

ジタン「となると・・・封印解除五組に突入する奴ら・・・全部で六つに分けないと・・・」

レット「おっと待った。最後の条件だ。俺と戦うのはジタンとペチャ猿にあの弓女だ。」

ミーナ「それって・・・私とジタンさん、ミコトさんの三人だけって事?」

ミコト(ペチャ猿ですって・・・!!)

マーカスに押さえつけられてる為ミコトは目でレットに訴えた。

レット「そうだ。だがそん代わり五つの封印の場所を教えたるぜ。」

ジタン「気前いいじゃねぇか。」

レット「ケッ・・・この紙に書いてる地点がそうだ。」

そう言ってジタンに紙を投げ渡した。

レット「今の状態じゃ到底相手になんねぇから五日後だ。いいな。」

ジタン「分かった。首洗って待ってな。」

レット「ケッ!!」

そしてレットもその場から消えた。

ジタン「さてと・・・どんな感じに分けるかだ・・・」

ビビ「こうなったら僕とエーコも行くよ。」

エーコ「うん。」

ジタン「でも二人だけじゃ危険だ。ワルキューレ、付いてってくれ。」

ヴァルキリー「分かった。」

ほぼ全員「ワルキューレ?」

ジタン「何だ本名言ってないのか。」

ヴァルキリー「当たり前だ。それは私を負かした者だけが・・・」

ジタン「こいつの名はワルキューレ=サイリル。ヴァルキリーってのは代々オーディンに仕える者が付ける名で・・・」

ヴァルキリー「こら!!」

ダガー「へぇ〜じゃワル・・・」

ヴァルキリー「その名は私に勝った者だけだ!!故にジタン以外は駄目だ!!」

エーコ「じゃぁアンタジタンに負けたの?」

ジタン「元々星々の魔獣を召喚したのはこいつらを助ける為さ。エンジェルブレスを探す途中で世話になったからな。」

ヴァルキリー改めワルキューレ「そう。だから我を本名で呼ぶのは・・・っておい!!変えるな!!」

ビビ「大丈夫さ。言わなければいいならそこは変わってもいいでしょ。」

ワルキューレ「・・・しょうがない・・・」

ジタン「話し戻すぞ。それで一組目はビビ達で・・・二組目はおっさん達頼めるか?」

スタイナー「心得た。」

フラットレイ「それまでに回復しておく。」

シルフ「三つ目は俺とフリオニールでいいぜ。」

マリーン「いや!!私も行く!!」

シルフ「・・・マリーンも・・・」

ミーナ「四組目はマイとレイかしら。」

コウ「じゃ俺は五組目だな。」

ダガー「あの・・・私もいい?」

ジタン「でもその怪我じゃ・・・」

ダガー「お願い・・・何もしないのって・・・一番嫌なの・・・」

ジタン「ったく・・・コウ、頼むぜ。」

コウ「ああ。」

クジャ「怪我人がいるなら僕も行くよ。」

コウ「クジャが!?」

クジャ「義理とはいえ妹がそんな体で出るんだ。僕はまだ戦えるからさ。」

ジタン「頼むよ、兄さん。」

クジャ「ああ。」

ジタン「よし・・・じゃあ五日後の決戦までみんな体を休めて。解散だ。」

そしてほぼ全員その場から解散した。

マイ「・・・」

ミーナ「どうしたのマイ?」

マイ「いや・・・」

コウ「・・・」

マイ「・・・何でもない・・・」

一瞬だったがコウとマイの目が合った。と言うよりも互いににらめ付けた。

マイ(絶対に秘密を暴いてやる・・・)

コウ(近々来るなこりゃ・・・)

そして全員解散した。









ガーネット「よかった・・・」

リース「ああ・・・」

その光景をガーネットとリースは上から見ていた。

ガーネット「でも・・・あなた達はよかったの?」

リース「・・・」

ガーネットが話しかけると二人の近くに四つの魂が近づいてきた。

「私達は体さえなくなっている。」

「彼らに全てを託した。それでいのだ。」

「若者なら何とかしてくれるだろう。」

「そう。だから俺達はいいのだ。」

ガーネット「そう・・・なの・・・」







ジタン「・・・待っててよ・・・ガーネット・・・君は六年後に・・・だから絶対・・・待っててくれな・・・」

そうジタンは空に呟いた。




遂に蘇ったジタンだが、またも謎の敵が現れた。カオスチャイルドの目的、コウの過去、謎の組織。浮かび上がっては消えるこのパズルの正解を知る者は少ない。
続く










あ と が き
ジタンが戻ってくる重要な話なんですけど・・・
スランプと言うか時間がと言うかいい作品とは思えないような物になっちゃいました。
とりあえずちょっぴし謎が明らかになりつつあります。
全ては遠かれど謎が明らかになってく・・・
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