CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第十七話 劫火の消えし時後編 セイブ・ザ・クイーン


死んでしまったジタンを助ける為、カオスチャイルドを倒す為新たな仲間に出会ったダガー達。そしてダガーは一人、決着をつける為にシアウェイズキャニオンで待つリースの元に向かった。

ダガー「やぁっ!!」

リース「何の!!」

ダガーとリースはシアウェイズキャニオンで戦っていた。

リース「この手応えは・・・!!」

剣の手応えを感じ取ってリースはダガーから離れた。

リース「その剣・・・まさか・・・」

ダガー「気付いたわね・・・このセイブ・ザ・クイーン・エターナリーはアダマンタイトから出来てるのよ。」

リース「アダマンタイトか・・・確かにこの前の戦いで刃にヒビが入ったが・・・そうかアダマンタイトを・・・」

ダガー「ええ。だから私は・・・あなたに負けない!!」

リース「はっ!!」

ダガーはすぐに斬りにかかったがリースはジャンプして避けた。

ダガー「ちっ!!」

リース「その程度で!!」

ジャンプしながらリースは剣を振り上げ構えた。

リース「てやぁーー!!」

そしてそのまま両方の剣を振り下ろした。

ダガー「くっ!!」

ガゴン!!

振り下ろされたリースの剣をダガーはバックステップでかわした。しかし。

リース「そこだ!!」

リースは左の剣ですぐに突きにかかった。

ダガー「くぅ!!」

リース「なっ!?」

ダガーはバックステップで宙に浮きながらも右回りで突きをかわした。

ダガー「そこだ!!」

ダガーは剣を逆手に持ち替え回転を利用してリースに突きにかかった。

リース「そう来たか!!だが!!」

リースはすぐに左足を地面につけ、前方に宙返りして回避した。

ダガー「やるわね!!」

すぐにダガーは剣を持ち替えリースに向かった。

リース「来たか!!なら!!」

リースは右の剣に力を込めた。すると。

ダガー「炎!?」

リースの剣に炎がまとい始めた。

リース「はぁっ!!」

ボウ!!

リースは剣にまとった炎を一つの塊にしてダガーに飛ばした。

ダガー「速い!!だったら・・・!!」

何かを思い、ダガーは受け止めるような形で剣を前に出した。

ダガー「はぁっ!!」

ボウ!!

ダガーが力を込めたと同時に炎の塊がダガーに当たった。

リース「い、今のは!?」

当たったはずなのにリースは何かに驚いていた。それは。

ダガー「ふう・・・」

ダガーの周りに光の壁が貼られていた。

ダガー「ヴァルキリーが教えてくれた守護陣の応用、プロテクトフィールドが上手く出来てよかった・・・」

リース「どうやらお前も鍛えたようだな・・・」

ダガー「ええ・・・」







エーコ「ねぇヴぁる。」

ヴァルキリー「何だそれは?」

エーコ「アンタの愛称よ。いいでしょ?」

ヴァルキリー「変な名前付けるな!!」

エーコ「いいじゃん別に〜」

ヴァルキリー「で、何のようだ?」

エーコ「あのさ、ダガーに何か教えてたっぽいけど何教えたの?」

ヴァルキリー「それか・・・ダガーは今まで何を覚えていた?」

エーコ「ええっと・・・ビビお願い。」

ビビ「確か各種ブレイクと単体のみのストックブレイク、フルブレイクにクライムハザード、ショックも確か覚えてたはず・・・」

ヴァルキリー「ああ。それに私は防御の陣、衝撃波の改良、その他もろもろと多少の体術を教えてやった。」

ビエ「その他もろもろ・・・」

ヴァルキリー「悪かったな・・・例えが悪くて・・・」

ビビ「で、でも大丈夫だよね。お姉ちゃんなら。」

エーコ「当たり前よ。あたし達は帰ってくるのを待ってるだけよ。」







ダガー「たぁーーー!!」

リース「その程度!!」

ガギン!!

リース「そこだ!!てぁ!!」

ダガー「わっ!?」

リースはダガーの攻撃を剣で受け、そのまま押し出した。

ダガー(しまった!!隙が・・・!!)

リースに押し出されダガーに隙が生じた。

リース「もらった!!」

そしてリースはその隙をついて右の剣をダガーに突き出した。

ダガー「ぐっ!!」

リースの剣がダガーの右肩をかすった。

リース「外したか!!」

ダガー(隙が出来た!!)

リースに隙が出来た事に気付き、ダガーは左手をリースの胸部に当てた。

リース「何!?」

ダガー「吹き飛べ!!」

ゴウ!!

リース「ぐあっ!!」

ダガーの左手から魂気が発せられリースは吹っ飛ばされた。

ダガー「ああっ!!」

放ったと同時にダガーの左腕に反動で痛みが生じた。

リース「ガハッ!!」

魂気の衝撃でリースは血を吐いた。

ダガー「ブーストは一発が大きいけど・・・やっぱり・・・痛いわね・・・」

リース「諸刃の剣か・・・やるな・・・」

ダガー「こうでもなくちゃ・・・やれないからね!!」

リース「こい!!」







ヴァルキリー「所でジタンは何処に?」

エーコ「あそっか。こっちよ。」

そしてビビとエーコはヴァルキリーをジタンがいる場所に連れて行った。

ビビ「ここだよ。」

ヴァルキリー「すまないな・・・ジタン・・・」

エーコ「あたし・・・ジタンの事も好きだったから・・・まだ信じられないんだ・・・死んだなんて・・・」

ビビ「エーコ・・・」

ヴァルキリー「私もジタンには借りがある・・・例え命が減ろうとも蘇らせてやる。」

ビビ「借り?」

ヴァルキリー「下がっていろ。今から蘇生させる。」

ビビ「分かったよ。」

そして二人はヴァルキリーから離れた。

ヴァルキリー「さてと・・・ん?」

ビビ「どうしたんです?」

ヴァルキリー「こいつ・・・まだ完全に死んでない・・・?」

エーコ「ええ!?」

ビビ「どう言う事です!?」

ヴァルキリー「生と死は空にその魂を捧げ、そしてクリスタルの元で長い年月をかけ新たな魂となって生まれるものだ。アレイズはそのまだ変わらぬ魂を呼び戻す魔法・・・しかし・・・こいつはまだ・・・」

エーコ「ちょっと分かりやすく!!」

ヴァルキリー「つまりこいつの魂は既に体には無いが、クリスタルにもいない・・・まだ私達の近くに彷徨っているのか・・・」

ビビ「てことはつまり・・・」

ヴァルキリー「奴の魂はこの星の何処かにいる。これも奴が・・・」

エーコ「じゃ、じゃあジタンは!?」

ヴァルキリー「私の推測だが・・・蘇るも蘇らないも奴次第か・・・」

意味不明な事を呟き、ヴァルキリーはジタンの様子を見続けた。







ダガー「はぁはぁ・・・」

リース「もうばてたか?」

ダガー「まだまだ・・・これからよ・・・!!」

リース「てやぁっ!!」

ダガー「はっ!!」

リースが斬りにかかったがダガーはバックステップでかわし、右足で地面を踏み切りリースに突き出した。

リース「その程度!!」

リースはジャンプして突き出しをかわした。が。

ダガー「そこよ!!」

ダガーは両手で剣を握り締め、リースに向かいジャンプした。

リース「しまった!!」

ダガー「そこ!!」

ダガーはリースに向けて剣を突き出した。

リース「だがこの程度!!」

リースは宙に浮きながらもダガーの突きをかわしやり過ごした。が。

ダガー「まだよ!!ここがトドメ!!」

リース「何だと!?」

ダガーはかわされたのではなく、リースの上に来たのであった。

ダガー「はあっ!!」

リース「くっ!!」

リースは剣をバツの字に構え防御の構えをとった。

ガギン!!


ドゴン!!

リース「ぐあっ!!」

ダガーのトドメの切り落としがちょうどバツの字の重なってる場所に当たったが、それによりリースは地面に叩き落された。

ダガー「あの突きをジャンプしてかわした事が・・・これを喰らう事になったのよ・・・」

リース「そ、そうか・・・勢い良く突き出し、上へ逃げた所を追い、かわされたと見せかけ切り落とすのか・・・」

ダガー「本当は突き出し、上へ切り上げ、ジャンプしながら下から突き出して上に行った所を切り落とすのが本当の形・・・これがアクセルよ・・・」

リース「最後の一撃が重い・・・だが!!」

パァーーーーー!!

ダガー「な、何!?」

突然リースを中心に辺りにとてつもない光が発せられた。

ダガー「ま、眩しい!!」

あまりの眩しさにダガーは腕で目を覆ってしまった。

リース「火属性『光』・・・これを使うのはジタン以来だ・・・」

ダガー「!?」

光は収まったがリースはその隙を突いてダガーの後ろに周っていた。

ザシュッ!!

ダガー「あうっ!!」

ダガーの左脇腹辺りにリースの剣が刺さった。

ダガー「なるほどね・・・彼から教えてもらってる・・・各属性に二つずつ・・・特殊な力があるって・・・」

リース「ああ・・・レットは『山』と『死』・・・クルーは『氷』と『治』・・・私は今の『光』と後一つ・・・それはこの戦いで見るがよい。」

ダガー「そう・・・させて・・・もらうわ!!」

ダガーは刺さった剣を抜き、すぐにリースの方を向いた。

ダガー「てあっ!!」

ダガーはストックブレイクをリースに放った。

リース「その程度!!」

リースは難なくストックブレイクをかわした。

ダガー「それ位・・・お見通しよ!!」

再びダガーは剣を構えた。

ダガー「つぁっ!!」

リース「何!?」

ダガーは一振りでストックブレイクを三発放った。

リース「はっ!!くっ!!」

ドゴン!!

リース「ぐっ!!」

二発はかわしたが三発目は命中した。

リース「一振りで三発とはな・・・」

ダガー「全体は出来ないけど・・・連続と散弾はマスターしたわ・・・」

リース「やるな・・・しかし私だってな!!」

ボウ!!

リースは先程よりも大きい炎をダガーに向けて放った。

ダガー「その速さなら・・・まだ・・・かわせれる・・・!!」

ダガーは寸前で炎をかわした。

ダガー「うっ!!」

先程刺された場所から血が流れ出し、ダガーは左手で患部を押さえた。

ダガー「この程度で・・・負ける訳には!!」

ダガーは患部を押さえながら片手で剣を振り上げた。

ダガー「行かない!!」

ダガーは片腕でストックブレイクの散弾を放った。

リース「攻撃が緩い・・・甘いぞ!!」

リースは簡単に避けた。

リース(だが範囲が広い・・・しかしあの散弾は最高三発だな・・・!!)

ダガー(今の炎の様子を見ると・・・大きければ大きいほど速さが減速する・・・威力か速さか・・・ね・・・)

二人同時に互いの技を見破った。

リース(しかし奴は連続と言った・・・それが何発かが分からなければ・・・)

ダガー(この傷を治す暇はどう考えても無い・・・速めに何とかしなくちゃ・・・)

リース(うかつに仕掛ければ・・・)

ダガー(やられる・・・!!)

それぞれ違う事を考えていたが行きついた結論は同じだった。

ダガー「ちっ・・・」

リース「くっ・・・」

二人は睨み合い、そこから動こうとはしなかった。







コウ「・・・」

フライヤ「のう・・・コウ。」

コウ「ん?」

ミコト「最近様子おかしくない?」

コウ「そうか?」

ベアトリクス「何か物思いにふけこんだりぼうっとしてたり・・・」

クイナ「何かあったら話して欲しいアル。」

コウ「いや、何でも無いさ・・・ただ気になるんだ・・・」

ミコト「気になるって?」

コウ「昔から感じてる・・・あの涙の感じがしてな・・・」

その場全員「?」

話し終わったと同時にコウは何処かを見たが仲間達は何の事か気付いていなかった。

コウ(クリン・・・お前まで・・・)







「はぁはぁ・・・・」

?「ばれたか・・・」

「ごめん・・・」

先日コウ達を見ていた謎の人物の所に一人の少女がいた。

?「お前は来るなと言ったはずだ・・・どうして・・・」

少女「気になったんだ・・・アレからしんお兄ちゃんがどうなったのか・・・」

?「・・・ここは俺がやる・・・お前は帰るんだ・・・」

少女「・・・うん・・・」

悲しそうな瞳をして少女はその場を去った。

?「すまないな・・・クリン・・・」







ラニ「ねぇコウ・・・」

コウ「ラニ・・・」

ラニ「さっきさ・・・」

コウ「クリンだろ?やっぱり奴らが関わってるんだ・・・」

ラニ「まだ八光陣が来ないから不確かなんだけども・・・」

コウ「・・・」







ダガー「やぁっ!!」

リース「はっ!!」

ダガー「つぁっ!!」

リース「何の!!」

ダガー「はぁはぁ・・・」

リース「に、ニ連続か・・・」

ダガー「ま、まだまだよ・・・!!」

ダガーは剣を構えた。

ダガー「はっ!!てやっ!!たぁーーー!!」

そしてリースに向かってストックブレイクを三発連続で放った。

リース「次は三連か!!だが!!」

リースは上手くステップして三発ともかわした。

ダガー「そこっ!!つぁーーー!!」

リースがかわした所を見計らい、二発放った。

リース「五連続か!!くうっ!!」

リースは何とか二発もかわせた。

ダガー「でもこれで!!」

しかしダガーは攻撃の手を休めず、一発放った。

リース「くそっ!!」

ドゴン!!

リース「ぐう!!」

六発目のストックブレイクはかわせず、防御を取ってあえて受けた。

リース(これで六連発が五回目・・・奴の限界は六発か・・・?)

リースは戦いながらダガーのストックブレイクが最高何連続放てるかを調べていた。

リース「だがっ!!」

リースは姿勢を低くしてダガーに斬りにかかった。

リース「たぁーーーーー!!」

ダガー「甘い!!」

ガチャン!!

ダガーは上手くリースの剣を二本とも受け止めた。

ダガー(でも何も考えないで来る訳が無い・・・まさか!!)

リース「はあっ!!」

バシュッ!!

ダガー「ああっ!!」

リースはとてつもない熱を辺りに放出した。

ダガー「うくぅ・・・!!」

あまりの熱さにダガーはその場にうずくまった。

リース「どうだ・・・火属性『熱』は・・・」

ダガー「うぅ・・・」

リース「これを人に・・・それもたった一人に使ったのは初めてだ・・・」

ダガー「くっ・・・ちょっと火傷したかしら・・・」

リース「わずかだがフィールドを張ったか・・・やるな・・・」

ダガー「当たり前・・・でしょ!!」

剣を握り締めダガーはリースに向かった。

ダガー「はぁーーー!!」

リース「来い!!」

ガチャン!!

ダガーはリースに斬りかかったが受け止められてしまった。が。

ダガー「まだまだぁーーー!!」

リース「何!?」

その後もダガーは七回、全八回連続斬りをリースに仕掛けた。

リース「うかつだったな・・・」

八回の中でリースは三回斬られていた。

ダガー「ラッシュは途中邪魔さえなかったら斬り込めれるからそこん所よろしくね・・・」

リース「ああそうか・・・!!」

リースはすぐにダガーに斬りかかった。

ダガー「はっ!!」

それに対しダガーはプロテクトフィールドを張った。

リース「はぁーーー!!」

バァン!!

リースの剣がダガーのフィールドに当たった。

リース「うぉーーーー!!」

ダガー「!?フィールドが!!」

リースの剣がダガーのフィールドを砕こうとしていた。そして。

バキン!!ザシュッ!!

ダガー「ああっ!!」

フィールドが斬り砕かれ、そのままリースの剣はダガーの右腕を斬り付けた。

ダガー「うぅ・・・!!」

リース「利き腕を取らせてもらった・・・悪いな・・・」

ダガー「ふふっ・・・これで・・・取った・・・ですって・・・?」

リース「何?」

ダガー「こんなの・・・掠り傷にもならないわよ・・・」

リース「・・・ふっ・・・言うようになったな。」

ダガー「そりゃあ・・・そうよ!!」

ダガーはストックブレイクを放った。

リース「!!」

ほぼ不意打ちに近かったがリースはかわした。

ダガー「はぁ!!」

今度は二発放った。

リース「この程度!!」

ダガー「てやっ!!」

再び二発放った。

リース「くうっ!!」

ダガー「はぁーーー!!」

そしてダガーは六発目のストックブレイクを放った。

リース「厳しいが・・・避けれない物でない!!」

リースは何とか六発目もかわした。

リース「恐らく今のが限界・・・狙うは今!!」

リースはダガーの連続が限界だと思い、ダガーに向かった。

リース「はぁーーー!!」

ダガー(来た・・・このチャンスは・・・外せない・・・!!)

何かを思いダガーはリースに気付かれないように剣を握り締めた。

ダガー「そこぉっ!!」

リース「!?」

ダガーはリースが近づいたのを見計らって七発目のストックブレイクを放った。

リース「何!?」

ダガー(もらった・・・!!)

どうやらダガーは限界を六発だと思い込ませて七発目を命中させようとしていたようだ。しかし。

リース「くぅっ!!」

ダガー「あっ!!」

リースは七発目のストックブレイクもかわした。

ダガー「くそっ・・・!!」

リース「危なかった・・・限界は七発だったか・・・」

ダガー「ばれちゃしょうがないわね・・・」

リース「策士になったな・・・」

ダガー「これも一つの戦いよ・・・!!」

不意を付いてダガーはストックブレイクを四発放った。

リース「くおっ!!」

ダガー「それっ!!」

リース「くっ!!」

ダガー「やぁっ!!」

リース「はっ!!」

その後も立て続けに二回放ったがリースはそれを何とかかわした。

ダガー「てやぁーーー!!」

そしてダガーは七発目のストックブレイクを放った。

リース「これをかわせば・・・!!」

リースは七発目のストックブレイクもかわした。

リース「隙がある!!」

かわしてすぐにリースはダガーに斬りかかった。

ダガー「かかったわね・・・ドライバー!!」

リース「!?」

ダガー「はぁーーーー!!」

ガガガガガガガガガガガガ!!

リース「くぅっ!?」

ダガーは隙の無い神速の突きを十二回突いた。

リース「くそうっ!!」

思いもよらない攻撃にリースは一時ダガーから距離を置いた。

リース「ストックブレイクの限界は七発なのに何故・・・?」

ダガー「ストックブレイクね・・・」

リース「ストックブレイクは・・・そうか・・・」

ダガー「早いわねやっぱり・・・」

リース「ストックブレイクの限界が七発だろうが・・・そこから別の技につなげるのは別と言う事か・・・」

ダガー「ええ・・・」

リース「油断は禁物か・・・だが!!」

ダガー「!!」

すぐにリースが突きにかかったがダガーは寸前でかわした。

リース「その程度では私には勝てないぞ!!」

ダガー「そうかしら!!」

そしてダガーも負けじとリースにかかった。

リース「このままでは・・・こうなれば!!」

何かを思いリースはダガーから離れた。

ダガー「何をするつもり!?」

リース「こうするのさ!!」

リースは二つの剣を合わせ、スターブレードを出した。

ダガー(ジャッジメント・シャインを出すつもり!?)

ダガーはリースがジャッジメント・シャインを出すと思い、リースから離れその場でジャンプした。しかし。

リース「かかったな・・・ダガー・・・!!」

ダガー「!?」

リース「七色の閃光よ!!星の雨となりて地を流れろ!!」

リースはジャッジメント・シャインとは違う詠唱をするとスターブレードの刃が虹色に輝きだした。

リース「喰らうがいい!!プリズミックスターレイン!!」

シュパァーーーーー!!

スターブレードから七色の光が分散してダガーに向かい放たれた。

ダガー「まずい・・・かわせない!!」

ダガーはかわせないと思い、フィールドを張った。

バシューーン!!

ダガー「うくっ!!」

最初の光が命中し、それでフィールドは消え去った。

ダガー(フィールドが一撃で・・・まずい!!)

すぐに着地したが残りの光もダガーに向かって来ていた。

ダガー「うわっ!!」

リース「ちっ!!」

残りの光をダガーは何とかかわせた。

ダガー「こんな技もあったのね・・・」

リース「当たり前だ・・・手はまだ三つはある。」

ダガー(三つ・・・ジャッジメント・シャインを除いてそうだとしたら・・・クライムハザードやショックじゃ対抗出来そうにないし・・・フルブレイクならともかく・・・でもアレは外した隙が大きい・・・うかつには出来ない・・・けど・・・)

リース「何を考えてる!!隙ありだ!!」

ダガー「アレコレ考えてる暇なんか無い!!」

ガチャン!!

ダガー「くぅ・・・!!」

リース「ぬぅ・・・!!」

ダガー「はっ!!」

リース「たあっ!!」

二人は一度ぶつかったがすぐに二人とも距離を置くように離れた。

リース「行くぞ!!」

すぐにリースは両腕を交差させ斬りかかった。

ダガー(フィールドは間に合わない・・・くっ!!)

ダガーはフィールドを出す暇が無いと思い剣を前に出して防御の構えを取った。

リース「アスタリスク!!」

ガチャン!!

リースはダガーに×の字に切り下ろしたが、ダガーはそれを剣で防御した。

リース「はっ!!」

ダガー「!?」

ダガーはリースが左の剣を逆手に持ち変えた事に気付いた。

リース「それっ!!」

ダガー「わっ!?」

リースは左の剣を振り上げたがダガーはバック転でかわした。

ダガー(まって・・・この斬り方・・・)

ダガーはリースの攻撃の仕方に違和感を感じた。

ダガー(アスタリスクの形!?)

ダガーはリースの攻撃の仕方がアスタリスク(*)の形である事に気付いた。

ダガー(となるとまさか!!)

リース「そこだーーー!!」

リースはダガーに向けて右の剣を突き出した。

ダガー(フィールドも回避も間に合わない・・・こうなったら!!)

何かを思いつきダガーは左手を前に出した。

ザシュッ!!

ダガー「ぐうっ!!」

リース「何!?」

リースの剣はダガーの左手を貫通し、頬をかすめて止まっていた。

ダガー「や、やっぱり痛いけど・・・私が彼やみんなに与えた痛みに比べたら・・・軽い物よ!!」

リース「なっ!?」

ダガー「ブースト!!」

ゴウ!!

リース「ぐほっ!!」

ダガー「あうっ!!」

ブーストで吹き飛ばされてダガーの手からリースの剣が抜けた。

リース「片腕を・・・犠牲にするとはな・・・」

ダガー「犠牲にしたつもりはないし・・・私にとっては顔に傷が出来た事の方が辛いわよ・・・」

先程の攻撃でダガーの左頬には切り傷が出来ていた。

リース「まだ余裕なのだな・・・」

ダガー「も、勿論・・・」

リース「フッ・・・」

ダガー(って言っても・・・さすがにこれはきついわね・・・本当に左手に力が入らない・・・)

刃が貫通した為にダガーの左手にはまったく力が入らない状態だった。

ダガー(止血くらいしておかないと・・・この勝負は・・・)

ダガーは止血しようと思い、何か止血できそうな物を探した。と。

ダガー「?・・・これ・・・」

そしてダガーはベルトに紫色のバンダナがある事に気付いた。

ダガー「このバンダナは・・・」





ジタン(何か止血するもの無いかな・・・そうだ!!これで大丈夫だろう。)

ガーネット(ありがとうございます。)





ダガー(さっき思い出したんだけど、魔の森で貸してくれたバンダナ、もう傷も治ったから返すね。)

ジタン(いやいいよ。それあげる。)

ダガー(でも・・・)

ジタン(プレゼントだよ。いいから貰いな。)

ダガー(うん、ありがとう。)





ダガー(四年前の・・・ベアトリクスね・・・)

ダガーはそのバンダナを左手の患部にきつく巻きつけた。

ダガー「ありがとう・・・これで・・・行ける・・・!!」

リース「来るか!!」

ダガー「ええ!!」

ダガーは両手で剣を握りリースに向かった。

ダガー「てやっ!!」

リース「何の!!」

ダガーはリースに斬りかかったがバックステップでかわされた。

リース「それっ!!」

ボウ!!

かわしてすぐにリースは大きめの炎を両方の剣から放った。

ダガー「これは当たったら火傷じゃ済まないわね・・・ショック!!」

ボゴーーーン!!

ダガーはショックを放ち炎を打ち落とした。

ダガー「それぇ!!」

リース「なっ!?」

炎が爆発した隙をついてダガーはすぐにリースに斬りかかった。

ダガー「フルブレイク!!」

リース「あの攻撃か!!」

リースはフルブレイクがどんな攻撃かを知っている為、剣で防御の構えを取った。

ダガー「それ!!」

リース「はっ!!」

ダガー「ていっ!!」

リース「何の!!」

ダガー「やぁっ!!」

リース「くぅっ!!」

ダガー「たぁっ!!」

リース「ちぃっ!!」

ガギン!!

リース「くぅ!!」

初めの三回はかわせたが最後の一撃は剣で受け止め、リースに隙が生じた。

ダガー「そこだぁーーーーー!!」

リース「かわせないか・・・くそっ!!」

リースは最後の衝撃波はかわせないと思い防御の姿勢を取った。

ボゴーーーーン!!

リース「ぐぁーーー!!」

リースは最後の衝撃波の直撃を喰らった。

リース「ぐはっ・・・!!」

ダガー「はぁはぁ・・・ううっ!!」

フルブレイクを放った衝撃でダガーの左手にも痛みが生じた。

ダガー「トドメの一撃が当たったから・・・少しはいいダメージを与えたと思うけど・・・」

リース「ま、まだまだだ・・・」

ダガー「や、やっぱりね・・・」

リース「私は・・・そう簡単には・・・負けない・・・!!」

リースは二つの剣の刃をかさねた。

ダガー「何を・・・?」

リース「喰らえ・・・サンライトムーンフラシュ!!」

バシューーーーー!!

ダガー「ああっ!!」

剣の刃からとてつもない光が発せられ、ダガーはその場にうずくまった。

リース「太陽と月の光・・・今のでは防御も出来ていまい・・・」

ダガー「うくぅ・・・!!」

防御出来ていない分今の光によるダメージはとても大きかったようだ。

リース「どうした・・・もう終わりか・・・?」

ダガー「・・・」

リース「いい戦いではあったが・・・惜しかったな・・・」

ダガー「・・・だ・・・」

リース「?」

ダガー「・・・まだ・・・よ・・・」

リース「・・・」

ダガーは剣を地面に刺し、それを支えにフラフラになりながらも立ち上がった。

ダガー「私は・・・負ける訳には・・・いかない・・・」

リース「ダガー・・・」

ダガー「ベアトリクスが・・・私にこの剣をくれた・・・」

ベアトリクス(必ず陛下の想いに答えてくれるでしょう。)

ダガー「ラニが・・・アダマンタイトをくれた・・・」

ラニ(そいつは私の宝物と言うかお守りみたいな物だけど・・・使ってよ。)

ダガー「ブランクが・・・彼の形見をくれた・・・」

ブランク(あいつがタンタラスに入って初めてつけていたバンダナだ。)

ダガー「レイが・・・戦う決意を決めさせてくれた・・・」

レイ(俺のする事に理由なんているのかよ。)

ダガー「サクラちゃんが・・・このお守りを渡してくれた・・・」

サクラ(お守り。持ってって。)

ダガー「ビビとエーコが・・・仲間の大切さを教えてくれた・・・」

ビビ(みんなで頑張れば大丈夫さ。)

エーコ(みんながいるからこそね。)

ダガー「ヴァルキリーが・・・私を強くしてくれた・・・」

ヴァルキリー(我が主の為が故、あなたには強くなってもらわねばなりません。私が習得してる技、あなたにも教えますので弱音を吐かぬよう・・・)

ダガー「ミコトが・・・家族の温かさをくれた・・・」

ミコト(ね、ねえ・・・さん・・・)

ダガー「コウが・・・私の生き方を教えてくれた・・・」

コウ(お前が死んじまったら・・・あいつに申し訳ない・・・だからお前は俺が守ってやるよ・・・)

ダガー「みんなの・・・みんなの支えがあったから・・・私は今・・・ここにいる・・・負ける訳には・・・負ける訳には行かない・・・!!」

リース「これは・・・ダガーの魂気が・・・?」

ダガー「絶対に・・・負けられない・・・!!」

リース「まさか・・・トランスか!?」

遂にダガーはトランスを発動した。

ダガー「さぁ・・・決着つけるわよ・・・!!」

リース「ああ・・・行くぞ!!」

ダガー「ええ!!」

ガチャン!!

そして二人は一気に剣の刃と刃をぶつけた。







コウ「うおぉ〜・・・」

エーコ「どしたの?」

コウ「今もっんの凄い気の気配が・・・」

ミーナ「正直鳥肌が立ちました・・・」

レイ「これが奴の力なのか・・・」

その頃一部の仲間達(ビビ、エーコ、ミコト、ブランク、マーカス、ベアトリクス、ラニ、コウ、サクラ、ミーナ、レイ)の一部(ビビ、コウ、ミコト、ミーナ、レイ)が今行われている戦いのとてつもない気配を感じ取っていた。

ビビ「お姉ちゃん・・・」

ミコト「大丈夫よね・・・」

ベアトリクス「当たり前です。」

エーコ「ありゃ?ちゃっかりベアトリクスまでいるの?」

ベアトリクス「悪いですか?」

エーコ「一部メインキャラ差し置いてサブキャラがいることはいいけどベアトリクスは初めてよね。」

ブランク「んなとたぁどうだっていいがよ。今どうなってんだあっちは?」

ビビ「前から凄い気を感じるけど・・・さっき感じたのは今までに無いほど強力な力を感じた・・・」

エーコ「もしかしてダガートランスしたのかな・・・」

コウ「つまりリースはそれほど強いって事だ。」

ブランク「そいつは十分分かってる事だろ。」

マーカス「違うッスよ。コウさんは『他の三人も同じくらい強い』って言ってるんスよ。」

コウ「ああ。あのクルーって奴は分かんないがな・・・?」

ミーナ「どうしました?」

コウ「いや・・・ただちょっと・・・」

喋りながらコウは背中のハルバートに手をかけた。

コウ「なっ!!」

ミコト「きゃっ!?」

レイ「おわっ!?」

そしてコウは一気にハルバートをある場所に投げた。

ガギン!!

?「ヒッ!!」

ビビ「えっ!?」

コウ「大人しく出て来な・・・次は当てるぜ・・・」

?「・・・」

ハルバートが突き刺さった壁の近くにクルーがいた。

ビビ「クルー!?」

クルー「・・・」

コウ「ここに来たって事はリースの手助けって訳じゃ無さそうだな。何しに来た?」

クルー「ここにも・・・いないの・・・」

ベアトリクス「もしかしてリースを探してるのですか?」

クルー「・・・」

何も言わずにクルーはうなずいた。

エーコ「どう言う事?同じカオスチャイルドなのに決闘の場所を知らされてないって?」

ミコト「それにどうして今さらリースを探してるの?」

クルー「まだ・・・別れの言葉を・・・言ってないから・・・」

レイ「別れの言葉だと?」

クルー「ねぇ・・・あなた達なら知ってるんでしょ・・・何処に・・・」

ブランク「何で敵のお前に言わなくちゃいけないんだ。」

クルー「そ、そうです・・・よね・・・でも・・・」

サクラ「?あのお姉ちゃん・・・泣いてるよ。」

ミーナ「え?」

エーコ「でもそんな感じは・・・」

サクラ「ううん・・・泣いてるよ・・・心の中で・・・大切な人の居場所を探して・・・」

コラ「!!」

マーカス「どしたッス?」

コウ「サクラ!!お前あいつの心が見えるのか!?」

サクラ「う、うん・・・」

ラニ「コ、コウ・・・」

コウ「ああ・・・女神の瞳だ・・・サクラにもあったなんて・・・」

ミコト「女神の瞳?」

コウ「・・・壁の向こうから人の心まで何でも見る事が出来る眼の事だ・・・ルミアがそうだったが、まさかサクラにまで・・・」

サクラ「でも見えちゃいけないの?」

コウ「いや・・・お前には・・・何も起こらずに元気に育って欲しい・・・それだけだ・・・」

サクラ「お父さん・・・?」

この時サクラはコウの顔が悲しそうになったのに気付いた。

レイ「で、あいつは本当にリースの居場所を知らないのか?」

サクラ「うん・・・」

エーコ「でも教えるって訳には行かないし・・・てかどうして知りたいのよ。もしダガーの邪魔するんだったら・・・ここで倒させてもらうよ・・・」

クルー「教えてもらえる訳・・・無いですよね・・・でも・・・でも僕は・・・」

ビビ「クルー・・・?」

クルー「僕は姉さんに会いたいんだ!!まだ別れの言葉の一つも言ってないのに・・・!!」

ベアトリクス「姉さんって事は・・・あなたはリースの妹?」

クルー「・・・」

レイ「ただの口実じゃないか?」

ブランク「俺もそう思うな。」

サクラ「ううん・・・あの人は本当の事を言ってるよ・・・」

コウ「サクラ・・・」

サクラ「あの人は大切な人・・・あの人のお姉さんに会いたがってる・・・」

クルー「ですからどうか・・・!!」

マーカス「しかしッス・・・」

ミコト「・・・忘れられた大陸よ・・・」

ミーナ「ミコトさん!?」

ミコトが二人の居場所を話しだした。

ミコト「シアウェイズキャニオンにいるわ・・・」

クルー「あなた・・・!!」

居場所を聞いてクルーは走り出した。

エーコ「どうして場所教えたのよ!!サクラちゃんはああ言ってるけどもし手助けとかだったら・・・!!」

ミコト「・・・分かるのよ・・・」

エーコ「え?」

ミコト「大切な姉妹がもう戻らないと知って・・・でも最後にもう一度話したいって気持ち・・・私もそうだったから・・・」

マーカス「ミコトさん・・・」

コウ「・・・俺らも行くぞ・・・!!」

ビビ「え!?」

コウ「俺らもシアウェイズキャニオンに行くぞ!!もしもって事がある!!」

ラニ「なるほどね・・・アンタの口癖か・・・いいよ。」

ミコト「ええ!!」

レイ「しょうがないな・・・」

コウ「クルーより遅れるけどそいつは仕方ない・・・すぐに出発だ!!」

ベアトリクス「分かりました!!」

サクラ「お父さん私も行く!!」

コウ「サクラ・・・俺から離れるなよ!!」

サクラ「うん!!」

そして十一人は飛空挺が置いてある場所に向かった。その頃。







ダガー「はぁーーー!!」

リース「てぁーーー!!」

ドゴーーーーン!!

ダガー「はぁはぁ・・・」

リース「はぁはぁ・・・や、やるな・・・」

ダガー「そ、そっちこそ・・・」

二人はずっととてつもない戦いを繰り広げており、その凄まじさは辺りの光景が変化しているほどであった。しかし二人ともかなりのダメージと疲労が溜まっていた。

リース「はぁはぁ・・・くっ・・・つぁーーー!!」

ダガー「くっ!!」

リース「はぁっ!!」

全身全霊の如くリースは斬りかかったがダガーはそれをジャンプしてかわした。

ダガー「ていっ!!」

そしてダガーは宙に浮いた状態のままストックブレイク(散弾)を放った。

リース「うおっ!!」

しかしリースもこれを全部前転しながらかわした。

リース「はぁっ!!」

そしてリースは体制を整えてすぐに速く小さな炎をダガーに放った。

ダガー「甘い!!」

しかしダガーは難なくこれを回避した。

ダガー「行くわよ!!フルブレイク!!」

かわしてすぐにダガーはフルブレイクを仕掛けた。

リース「その程度!!」

リースはフルブレイクの斬撃を連続バク転でかわし続けた。

ダガー「そこぉーーー!!」

そしてダガーは最後の衝撃波を放った。

リース「はっ!!」

しかしリースはジャンプして衝撃波をかわした。

ダガー「ちっ!!」

リース「今度はこっちだ!!喰らえ!!」

ジャンプした状態のままリースはスターブレードを出した。

リース「ジャッジメント・シャイン!!」

ダガー「くっ!!」

ダガーは全ての力を込めてフィールドを発生させた。

バァン!!

スターブレードの剣先はダガーの真上のフィールドに当たり、ダガーを中心とした辺り一面にもの凄い衝撃が走った。

ダガー「くぅーーー!!」

リース「うぉーーー!!」

ドゴーーーーーーン!!

ジャッジメント・シャインの力とフィールドの力がぶつかり続け、遂に大爆発を起こした。





ブランク「何だぁ今のぉーー!?」

コウ「あそこか!!」

ビビやコウ達が飛空挺ですぐ近くまで来ていた。

エーコ「ちょっとちょっと!!あの辺りとんでもない事になってるわよ!!」

ビビ「シアウェイズキャニオンがこうまで・・・」

ミーナ「それ程二人の戦いは凄まじいのですね・・・」

レイ「待て・・・クルーがいたぞ!!」

ミコト「何処!?」

マーカス「あそこッス!!二人が戦ってる場所の少し近く!!」

コウ「おし!!あそこに降りるぞ!!」

ベアトリクス「陛下・・・!!」

そして十一人はクルーがいる辺りに着陸した。

クルー「姉さん・・・!!」

コウ「どうやら本当に手を出すつもりは無いようだな。」

クルー「あなた達!!」

コウ「安心しろ。俺らも手を出すつもりは無い。これはティルとリースの戦いなんだ・・・」

クルー「はい・・・」

エーコ(あのさ・・・どうしてクルーに手を出さないのかな・・・?)

ビビ(さぁ・・・多分クルーに戦う意思が無いからじゃない?)

ブランク(だからってよ。あいつは敵なんだぜ?)

レイ(だったらお前やればいいだろう・・・)

この四人は聞こえないように小さな声で討論していた。

ベアトリクス「それで陛下は?」

クルー「さっきの爆発でどうなったかは僕にも・・・」

レイ「いや・・・あそこだ!!」

コウ「ティル!!」

レイが指差した先、爆発のあった地点にダガーがいた。

クルー「じゃあ姉さんは!?」

ミーナ「あそこよ!!」

クルー「あっ!!」

リースは爆発により上に飛ばされていた。

ダガー「ぐっ!!」

リース「くぅ・・・!!」

そして二人とも今の爆発でかなりのダメージを負っていた。

ダガー「流石に今のは辛かったわ・・・けど・・・!!」

再び剣を握り締めるとダガーは上を見上げた。

ダガー「まだ行ける!!」

そしてダガーはリースに向かってジャンプした。

リース「来るか・・・ならば私だって・・・!!」

リースはスターブレードを戻さずにそのまま力を込め始めた。

リース「星の力よ・・・此処に集いて我が刃となれ・・・!!」

ダガー(あっちも大技繰り出すつもりね・・・でも・・・!!)

二人の剣がほぼ同時に光りだした。

ダガー「やらせる訳にはいかない!!ストライクバスター!!」

バシュゥーーーー!!

ダガーの剣の先からリースに向けられ凄まじい威力を持つ光が放たれた。

ビビ「うわぁっ!!」

その衝撃は地上のビビ達にまで及んだ。

コウ「とんでもねぇ・・・あいつらこんな戦いをしてたのか・・・」

ミコト「それよりも義姉さんがあんなにまでなってる事の方が・・・」

クルー「姉さん!!避けて!!」

クルーはリースに叫んだが届く事は無かった。

リース「うぉーーー!!」

バガーーーーン!!

リースは避けようとせず、むしろ自ら光に向かい直撃を喰らった。

ブランク「いよっしゃ!!これであいつも・・・!!」

ミーナ「まだです!!」

ダガー「!?」

リース「ぐぅ・・・!!」

ダメージはあったがリースはまだ戦える状態であった。

ダガー「そんな・・・全力を出したのに・・・」

リース「確かにいい攻撃だったよ・・・無事でいられるのが奇跡に近い・・・だがそれで・・・」

リースは剣を構え直した。

リース「この一撃が出せる!!」

ダガー「!!」

リース「これで終わりだ!!スターセイバー!!」

ズヴァーーー!!

コウ「!!」

エーコ「ひっ!!」

ビビ「うっ・・・!!」

ベアトリクス「へ、陛下・・・」

クルー「スターセイバーが・・・決まった・・・」

リースの一撃は直撃し、ダガーの体に大きく深い傷が出来ていた。

ミコト「義姉さーーーーーーん!!」

リース「ダガー・・・お前は私が戦った中で・・・一番の・・・」

「・・・ってに・・・」

リース「!?」

ミコト「えっ!?」

レイ「あいつ・・・」

サクラ「大丈夫だよ!!お姉ちゃんはまだ!!」

ダガー「殺さないでよね・・・!!」

スターセイバーを喰らいはしたがダガーはまだ生きていた。

クルー「スターセイバーの直撃を喰らったのにどうして・・・?」

リース「あ、アレは・・・?」

ダガーの傷は左肩口から右腰にかけて深く斬られていたが、その途中にペンダントのような物があった。

ダガー「サクラちゃんに・・・感謝しなくちゃ・・・」

そう、ダガーはヤサカニノマガタマのおかげで致命傷に至らなかったのであった。

リース「スターセイバーを・・・もろともしないとは・・・あの勾玉は・・・だが!!」

リースは着地してすぐにダガーの元にジャンプした。

リース「次で決める!!」

ダガー「これが・・・最後の一撃になるわね・・・!!」

二人同時に最後の一撃を決めようと剣を構えた。

クルー「もうやめて!!姉さん!!」

ベアトリクス「陛下ーーー!!」

ミーナ「ダガーさん!!」

ダガー「はぁーーーー!!」

リース「うぉーーーー!!」

二人の距離は徐々に縮まって行った。

ダガー(リース・・・あなたに出会えて・・・私は・・・強くなれた・・・だから・・・)

リース(ダガー・・・お前のような・・・強い意志を持つ者に出会えて・・・私は・・・嬉しい・・・)

ダリ(ありがとう・・・)

最後の一撃を決める直前、二人は似たような事を思っていた。

ダガー「はぁーーーっ!!」

リース「てやぁーーーっ!!」

バギーーーーン!!

クルー「あぁ・・・」

ミコト「あ・・・」







・・・ザグッ・・・

エーコ「・・・」



・・・タッ・・・


レイ「・・・」



・・・バダン・・・



全ての時間が遅くなったように一瞬一瞬が遅く感じた・・・そして最後の一撃を仕掛けた二人の結末は・・・





ダガー「はぁ・・・はぁ・・・」

リース「・・・」

最後の一撃を決めたのは・・・ダガーだった。

ダガー「あ、ありが・・・とう・・・」

そしてダガーも力尽き、トランスを解除しその場に倒れた。

コウ「ティル!!」

クルー「姉さん!!」

ビビ達はダガーの元に、クルーはリースの元に走り出した。

ミコト「義姉さん!!義姉さんしっかりして!!」

ダガー「ミ、ミコト・・・だい、じょうぶ・・・だよ・・・」

ミコト「義姉さん・・・!!」

ミコトは涙を浮かべダガーに抱きついた。

マーカス「でも・・・最後のアレは凄かったッス・・・」

ブランク「だよな・・・セイブ・ザ・クイーン・エターナリーが・・・」

まだダガーの右手に握られているセイブ・ザ・クイーン・エターナリーは完全に折れていた。

レイ「そしてあいつのスターブレードもな・・・」

そう呟いてレイはある箇所を見つめた。そこには折れていて元に戻っているリースの二本の剣があった。

ミーナ「あの最後の一撃の時・・・二人の剣がぶつかった時に・・・揃って剣の刃が砕けた・・・」

ベアトリクス「しかし陛下の位置が・・・勝負の明暗を分けた・・・」

コウ「ああ・・・考えてたか無意識かは分かんないけど・・・彼女は縦に振り下ろした事も決め手になったな・・・」

レイ「あいつは折れたスターブレードで横斬りをして・・・偶然か奇跡かダガーに当たらず・・・位置的に落下しつつあったダガーの斬りが・・・」

ダガー「違う・・・わよ・・・」

コウ「あんまり喋るな。傷に響くぜ。」

ダガー「サクラちゃんが・・・これを渡してくれたからよ・・・」

そう言って勾玉を手に取った。

サクラ「お姉ちゃん・・・」

ダガー「ありがとう・・・」

サクラ「ううん・・・どういたしまして・・・」

ダガー「それで・・・リースは・・・?」

コウ「あいつは・・・」

クルー「姉さん!!しっかりして!!」

リース「ク、クルー・・・」

クルー「姉さん・・・!!」

リース「ごめんな・・・私はもう・・・」

クルー「嫌よ・・・死なないで・・・!!」

リース「私はもう・・・無理だ・・・だから・・・」

クルー「姉さん・・・!!」

リース「すまないが・・・肩を貸してくれないか・・・」

クルー「姉さん!?」

リース「頼む・・・」

クルー「うん・・・」

リースに頼まれてクルーは倒れているリースの体を起こした。

ダガー「リース・・・ぐっ!!」

ダガーも起き上がろうと試みたが激痛が走り再び尻餅をついてしまった。

コウ「おいおい・・・ったく・・・」

ダガー「わっ!?」

コウ「今回だけだぞ。」

コウがダガーの体を持ち、立ち上がらせた。

ダガー「ありがとう・・・」

リース「ダガー・・・」

ダガー「リース・・・私の・・・勝ちね・・・」

リース「ああ・・・しかし・・・互いの剣が砕けるとはな・・・」

ダガー「ええ・・・」

リース「・・・すまないが・・・誰か・・・私達の剣をここに・・・」

ダガー「リース・・・?」

コウ「俺はこれで動けないし・・・みんな頼むよ。」

ビビ「分かったよ。」

エーコ「しょうがないわね〜・・・」

一部ふてくされながら仲間達は砕け散った二人の剣の欠片を拾い集め、リースの下に置いた。

リース「クルー・・・もういいよ・・・ダガー・・・それをここに・・・」

ダガー「う、うん・・・」

リースに言われ、ダガーは手元の剣を欠片を集めた箇所に置き、クルーはリースをその欠片の前に座らせた。

リース「私の残る力全てで・・・剣を蘇させる・・・」

そう言ってリースは剣の破片が置いてある場所に両手を置き、力を込めた。すると。

ベアトリクス「こ、これは・・・」

コウ「剣が・・・」

リースにより、二つの剣が混ざり合い始めた。

リース「くっ・・・」

ダガー「リース・・・」

リース「こ、これで・・・完了だ・・・」

そこにはリースが使ってた二つの剣があった。

リース「スターブレードの糧であるサンブレードムーンブレードはお前に渡す・・・」

そう言ってリースは二つの剣をダガーに渡した。

ブランク「セイブ・ザ・クイーンはどうしたんだ?」

リース「・・・この中にある・・・」

ダガー「・・・うん・・・セイブ・ザ・クイーンはこの剣の中にいるわ・・・」

コウ「二つの剣を一つにさせたって事か。」

リース「ああ・・・そして・・・」

ダガー「リース・・・?」

リース「私の役目は・・・もう・・・終わった・・・」

クルー「姉さん!!」

ダガー「リース!?」

突然リースの体が消え始めていた。

リース「クルー・・・ここからは・・・お前自身で・・・歩むんだよ・・・」

クルー「姉さん・・・!!」

リース「ダガー・・・私は・・・あのような戦いをする事が出来て・・・満足してるよ・・・」

ダガー「リース・・・」

リース「スターブレードはお前に託した・・・しっかりやれよ・・・」

ダガー「・・・ええ・・・!!」

リース「最期に忠告しておく・・・カオスチャイルドを・・・レットとマットを倒しても・・・戦いは・・・」

ダガー「え!?」

リース「気を・・・付けろよ・・・」

その一言を最期にリースは完全に消えた。

クルー「姉さん・・・うっ・・・うぅ・・・!!」

ダガー「・・・さよなら・・・私のライバル・・・」

ミコト「義姉さん・・・」

ダガー「・・・行きましょう・・・」

ミーナ「え?」

ダガー「もうここに用は無い・・・だから・・・」

コウ「ああ・・・分かった。」

ビビ「それじゃあクルーは・・・」

ダガー「今回の目的は果たしたのよ・・・だから・・・」

クルー「皆さん・・・」

コウ「・・・いつか墓でも作っておいてやるよ・・・じゃあな・・・」

レイ「救われたな・・・」

そしてダガーを含めた十二人は飛空挺に乗り、忘れられた大陸を後にした。

クルー「皆さん・・・ありがとう・・・」

既にいないダガー達に礼を言うとクルーもその場から消えた。




激闘の末、火のカオスチャイルドリースを倒す事が出来たダガー。しかしリースが最期に話した言葉の意味とは?彼らはまだ真実を知らない。
続く










あ と が き
ダガーとリースの決戦。
久しぶりに笑いが少ない話になりました。
一体リースが言った事って何ざんしょ。
いつか分かるでしょう。
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