CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第十六話 劫火の消えし時前編 希望、秘密、愛、心


カオスチャイルドの手からダガーを救出できたがジタンが犠牲となった。果たしてこれからどうなるのか。

ダガー「・・・」

リリス「まま〜ぱぱどうしたの〜?」

ダガー「・・・」

コウ「リリス・・・今君のパパはまた出かけてるんだ。だからちょっと・・・」

リリス「?」

コウ「どうしたもんか・・・サクラ相手頼む・・・」

サクラ「うん。リリスちゃんこっち来て遊ぼ。」

リリス「うん!!」

コウ「・・・結局振り出し・・・いやそれ以上か・・・」







マーカス「はぁ〜・・・」

クジャ「・・・やっぱり駄目かい・・・?」

マーカス「・・・」

クジャ「いつもいつもありがとうね・・・少し休んだらどうだい?」

マーカス「いいッスよ・・・」







エーコ「・・・」

ビビ「・・・元気出して・・・って言っても無理か・・・」

ミーナ「それはそうですよ・・・」

レイ「・・・」

マイ「あんな事があったらね・・・」







ラニ「どうだった?」

コウ「・・・」

ラニ「そう・・・」

コウ「あいつの死から三日・・・みんな命を吸い取られたかのようになっちまった・・・」

ラニ「ダガーを助けれたのに・・・ジタンが死ぬなんて・・・」

コウ「だが気になる・・・どうしてあいつが・・・」

ラニ「・・・サァリの事・・・?」

コウ「ああ・・・もしかしたらカオスチャイルドは・・・」

ラニ「カオスチャイルドと言えば・・・コウはあいつの事どう思う?」

コウ「あいつか・・・」

回想



ダガー「・・・」

フライヤ「ダガー・・・」

ルビィ「・・・これ全部夢・・・何て事だったらええのにな・・・」

ベアトリクス「夢だったとしても・・・この辛さは本物です・・・」

二日前、仲間達全員は既に止まったジタンを前に悲しみにくれていた。

エーコ「どうして・・・どうしてジタンが死ななきゃいけないの・・・」

ビビ「エーコ・・・」

エーコ「教えてよ!!どうしてジタンが死ななきゃいけないのよ!!ねぇ!!」

ブランク「んなの知るかよ!!」

シナ「二人ともやめるズラ!!」

エーコ「・・・」

スタイナー「・・・ジタンよ・・・これがお前の出した答えなのか・・・?」

フラットレイ「『どんな結末を迎えようとも文句は言うなよ』は・・・この事か・・・あいつはあの時からこの結末を・・・」

クイナ「じゃあどうしてワタシ達に何も・・・」

サラマンダー「・・・あいつが俺らの事を『仲間』だと思ってるからだろ・・・」

コウ「だろうな・・・それに助けられる方法がアレだけじゃな・・・」

ダガー「・・・ねぇ・・・」

コウ「?」

ダガー「もしかしてさ・・・私がさらわれてから・・・もうこの結末へ進んでいたのかな・・・?」

コウ「・・・だろうぜ・・・」

シルフ「辛いだろうがな・・・」

マリーン「運命・・・だったのかな・・・避けられない道だとしたら・・・」

「おそらくそうでしょうね・・・」

ビビ「!?」

クルー「皆さん・・・お久しぶりですね・・・」

コウ「お前・・・確かクルーか・・・」

クルー「はい・・・」

サラマンダー「堂々とやってくるたぁいい度胸してるじゃねぇか・・・」

ミコト「あなた達がいなかったら兄さんは・・・兄さんは!!」

クルー「・・・僕は戦いに来た訳じゃありません・・・」

全員「!?」

コウ「なら・・・何しに来た・・・?」

クルー「・・・すぐに済みますよ・・・」

そう言ってクルーは止まっているジタンの近くに寄った。

ダガー「・・・?」

クルー「少しだけ・・・いいですか・・・」

ダガー「・・・」

クルー「ジタン・・・」

クルーは持っていた一輪の花をジタンに添えた。

ビビ「・・・クルーは何をしに来たの・・・?」

クルー「見ての通り・・・ですよ・・・」

エーコ「・・・どうして敵のアンタが・・・」

クルー「・・・分かりません・・・」

エーコ「分からないって・・・アンタ達がいたからダガーはさらわれるしジタンは死んだのよ!!分かってんの!?」

クルー「・・・分かってますよそれくらいは・・・あなた達が僕達に対して敵意を持ってる事も・・・ジタンがあなた達にとってどんな人なのかも・・・」

エーコ「・・・」

クルー「僕を殺すならいいですよ・・・あなた達に撃たれる理由を僕も少なからず持っているから・・・」

ダガー「・・・それじゃあどうしてここに来たのよ・・・」

コウ「ティル・・・」

ダガー「どうして敵に花なんか添えたりするの・・・あなたは何を考えてるの・・・?」

クルー「・・・それは教えて欲しいくらいですよ・・・」

ダガー「・・・?」

クルー「確かに僕らは敵同士です・・・でも・・・ならどうして・・・僕はこんなに悲しいんです・・・?」

ダガー「・・・あなた・・・」

クルー「倒さなくちゃいけないはずの人が死んで・・・どうして僕は悲しいんですか・・・?」

クルーは涙を流していた。

ミコト「もしかしてあなた・・・」

コウ「・・・行けよ・・・」

クルー「・・・?」

コウ「今回は見逃してやる・・・さっさと行け。」

クルー「・・・」

クルーは何も言わずにその場から消えた。

ダガー「クルー・・・」





ラニ「あいつはさ・・・本当に・・・」

コウ「あの涙は演技で流せれる様なものじゃない・・・本心だよ・・・」

ラニ「まぁそれはいいとしてさ・・・みんな大丈夫なのかな・・・?」

コウ「ミコトはマーカスがいるから少しは大丈夫だろうし他の奴らもそんなにやわじゃないだろ・・・だがティルは・・・」

ラニ「そう言えばさ・・・最近ダガーの様子がおかしいんだ。」

コウ「?」

ラニ「夜も寝ないで怪しそうな本を読んでたり・・・また怪しげな事をしようとしてたり・・・」

コウ「・・・まさかな・・・その本どんなだったか分かるか?」

ラニ「少しくらいなら・・・」

コウ「教えてくれ。まさかとは思う・・・」

ラニ「ええ。」







セシル「そうか・・・ジタンが・・・」

シルフ「ああ・・・」

城の一室にアルテマウェポンを持った六人が揃っていた。

バッツ「ダガーの次はジタンか・・・」

ロック「しかも死んだとなっちゃぁ・・・フェニックスでもいればな・・・」

クラウド「フェニックス?」

スコール「確か・・・忘れた・・・」

シャイン「どっかで聞いたような・・・」

アーカム「アレじゃないか?」

ティーダ「何ス?」

マリーン「命を戻す事の出来る召喚獣じゃ・・・?」

シルフ「そりゃあそうだが・・・実質本当にいるかどうかなんて怪しいしな・・・」

セシル「でもこれからどうするか・・・」

バッツ「ああ・・・これはかなりやばい問題だな・・・」

ロック「蘇生させる方法が分かればな・・・」

コウ「蘇生させる方法がどうかしたか?」

クラウド「コウ・・・それに・・・」

エーコ「みんな来てたんだ・・・」

スコール「ビビ、エーコ、ラニと、それに・・・ミーナとマイ、レイだったか?」

レイ「忘れるな・・・」

ティーダ「今みんなでこれからどうするか話してたとこッス。そこで蘇生させる方法が分かればって事で・・・」

コウ「蘇生方法か・・・俺が知る限りは二つしかないな。」

ビビ「二つ?」

ミーナ「でも蘇生させる方法、蘇生魔法はアレイズだけじゃ・・・」

コウ「だからそれの事さ。アレイズはフェニックスを宿す者かルフェイン人にしか・・・」

マイ「ルフェイン人・・・?」

ビビ「前にコウの本で読んだ事があるけど、確か召喚獣や精霊が住むって言う次元にいたって言う幻の人種・・・だっけ?」

コウ「ああ。」

レイ「だがそんな確信が無い事を頼ってたら先に進めないぜ・・・」

マイ「それにフェニックス自体何処にいるかも知らないのに・・・」

コウ「フェニックスなら・・・って言ってもな・・・」

シルフ「ルフェイン人か・・・確かあいつがそうだったが・・・」

マリーン「シルフ?」

シルフ「ん?まぁそれよりどうしたんだ?」

コウ「ああ、ちょっとティルを探してるんだが、その途中でお前らの会話が耳に入ってな。」

シルフ「ダガーがどうかしたのか?」

コウ「ちょっと嫌な気がしてな・・・」

マリーン「どうしたの?」

ラニ「最近ダガーの様子がおかしいんだ。夜も寝ずに怪しそうな本を読んでたりとか・・・」

セシル「そ、それは確かに・・・」

エーコ「あたしらは気になったからついて来ただけ。」

コウ「もしその本がアレイズの事を書いてる本だったら彼女は・・・」

ミーナ「ちょっと待って。どう言う事ですそれ?」

シルフ「そういやぁ言い忘れてたけどアレイズも古代に消えた魔法なんだ。」

ビビ「そうなんだ。」

シルフ「だがアレイズだけはどんな魔法よりも命を消費するらしくな、ルフェイン人でもあまり使う事は無かったらしいんだ。」

エーコ「ふ〜ん・・・てかどして古代の魔法とルフェイン人が関わってるの?」

コウ「まぁぶっちゃけて言うと全ての魔法の根源はルフェイン人らしいんだ。」

エーコ「ほえっ!?」

シルフ「それは本当だぜ。あいつ自身そう言ってたからな。」

マリーン「あいつ?」

シルフ「まぁそれについちゃいつかはな・・・あだだだだ!!」

マリーン「もしかしてその人って女かしらシルフぅ〜〜〜!?」

シルフ「ででででで!!ま、卍固めはやめ・・・あが〜〜〜〜!!」

シャア「ご愁傷様・・・」

ビビ「それよりもお姉ちゃんは何をしようとしてるんだろう?」

コウ「多分ジタンを蘇らせようとしてるのかもな・・・」

ミーナ「ジタンさんを・・・!?てことはまさか・・・!!」

コウ「そ。本当にアレイズを使おうとしてる可能性がある・・・」

レイ「大丈夫なのか・・・?」

コウ「んな訳ねぇだろ。発動したら彼女は死ぬだろうし・・・失敗しても結末は・・・」

エーコ「それって滅茶苦茶やばくない!?」

コウ「当たり前だろ!!よく考えてみればここで立ち話してる暇なんざ無いんだ!!」

シルフ「だったらよるなっつうの!!」

コウ「だからとりあえず彼女を探すかその本を探すかどっちにするか考えてたんだけどよ・・・」

マリーン「だったらセシル達が本を探してコウと私達がダガーを探しましょうよ。」

コウ「だな。ラニはセシル達と行動してくれ。この中でどんな本なのかを知ってるのはお前だけだからな。」

ラニ「ああ。」

ビビ「行こう!!」

そしてコウ達は二手に分かれてダガーを探し始めた。







ダガー「・・・」

その頃ダガーは一人、止まっているジタンの前で何かを始めようとしていた。

ダガー「全部準備は出来た・・・後は・・・」

そう言ってダガーは突然自分の左手の手首を斬り、ジタンを中心に作られた魔方陣のような溝に血を流し、血で陣を完成させた。

ダガー「・・・もうすぐだから・・・」

そしてほとんど死んだような瞳の状態のままダガーはジタンの近くに寄り、右手をジタンの胸に添えた。

ダガー「・・・天空そらに在りし記憶達よ・・・」

そしてダガーは本当にアレイズの詠唱を始めた。

ダガー「我が願い受けて・・・この者の命を転生させん・・・」

詠唱を続けると二人の周りの空気が震え始めた。

ダガー「我が御霊消えようと・・・この者をこの地に・・・」

そしてアレイズの詠唱が終わったその時。

「よせぇーーー!!」

ダガー「!?」

バシッ!!

ダガー「きゃっ!!」

コウ「ま・・・間に合ったか・・・」

ダガー「コ、コウ・・・」

コウがダガーをジタンから離した為にアレイズは中止された。

ビビ「よ、良かった・・・お姉ちゃんだいじょ・・・!?」

エーコ「ダ、ダガー何してんのよ!?」

ダガー「え・・・?」

ダガーの左手首からはまだ血が流れ続けていた。

ミーナ「ダ、ダガー・・・さん・・・!!」

マイ「・・・ミーナ姉・・・?」

マリーン「待ってて下さい!!ケアルガ!!」

すぐにマリーンがダガーの手首にケアルガをかけ、出血は止まった。

コウ「傷痕は残っちゃいないか・・・」

ダガー「どうして・・・どうして止めるのよ・・・!!」

ビビ「お姉ちゃん・・・」

コウ「あのなぁ・・・お前が死んでジタンが戻ったって何の意味も無いぜ・・・頭冷やして冷静になって考えろよ・・・」

ダガー「どうしてそうしていられるのよ・・・!!」

コウ「・・・あいつの遺言だ・・・お前の事頼むってな・・・」

ダガー「・・・」

コウ「分かったら二度とこんな事するんじゃないぞ。」

ダガー「・・・そうしていられるのって・・・沢山の人を傷付けたからなんだろうね・・・」

コウ「・・・知ってるのか・・・」

ダガー「さらわれたあの日からね・・・」

コウ「そっか・・・だが俺がこうしていられるのは・・・ルミアがいたからだろうな・・・」

ダガー「コウはルミアさんが死んだ時・・・どうしたの・・・?」

コウ「・・・ただ悲しんだよ・・・でも・・・蘇らせようとはしなかったな・・・」

ダガー「どうして・・・?」

コウ「ルミアは俺とサクラの中でずっと生き続けてるって言い聞かせてるけど・・・本当はもうサクラに・・・母親の死を見せたくないんだ・・・」

ダガー「・・・」

コウ「だから・・・どんなに辛くたって・・・ルミアを蘇らせようとは思ってない・・・」

ダガー「コウ・・・」

コウ「それにな・・・お前が死んじまったら・・・あいつに申し訳ない・・・だからお前は俺が守ってやるよ・・・」

ダガー「コウ・・・」

ビビ「さっきから何の話をしてるの?」

コウ「こっちの話だ・・・」

エーコ「別に教えてくれたっていいじゃない。ダガーはコウについて何か知ってるっぽいし。」

コウ「・・・」

ダガー「いつか教えるわよ・・・」

エーコ「絶対に教えてよね。」

ラニ「どしたの?」

ビビ「ラニにみんな。」

ラニ「やっぱ本が無くってさ・・・ってその本!!」

コウ「ありゃ〜・・・」

セシル「結構苦労して探してたんですけどね・・・」

シルフ「まぁそれよりもだ・・・本当に命がけで蘇らせようとするとはな・・・」

ダガー「だって・・・」

ミーナ「ダガーさんの気持ちは分かりますけど・・・死んだら何にもなりませんよ・・・」

ダガー「ミーナ・・・」

ミーナ「私もジタンさんが死んだなんてまだ信じられません・・・また私達の所に来て欲しいって思います・・・」

マイ「ミーナ姉・・・」

ミーナ「けど・・・死んだらそこで全てが終わりなんですよ・・・あなたの命はそこで終わるんですよ・・・!!」

ダガー「ミーナ・・・」

ミーナ「だから・・・だからもうこんなことしないで下さい!!」

ミーナは右手で左手首を掴みながらダガーに言いつけた。

コウ「まさかミーナは・・・」

ダガー「けど・・・やっぱりあの人がいないと・・・」

シルフ「・・・ダガー。」

ダガー「?」

シルフ「星間転移装置を借りるぞ。」

ダガー「どうしたの?」

シルフ「あの二人を・・・呼ぶ・・・」

マリーン「あの二人って?」

シルフ「・・・九人目と・・・最後の希望を・・・」

ダガー「九人目・・・最後の希望・・・?」

シルフ「こうなったらこいつの本当の力を解放させる・・・あいつらを倒すためにな・・・!!」

怒り混じりにシルフは話しながらアルテマウェポンを掴んだ。

マリーン「アルテマウェポンの・・・本当の力・・・?」

Aウェポンを持つ六人「・・・」

セシル達は自分達のアルテマウェポンを見た。

シルフ「だからしばらく出かけるぜ・・・」

マリーン「シルフ・・・」

シルフ「悪いけど・・・俺一人だけで行かせてくれ・・・」

マリーン「・・・分かったわ。シルフは昔ッから言い出したら聞かないからね。」

シャイン「別に俺らは行ってもいいけどな。」

アーカム「お二人だけでごゆっくりとして来たら?」

マリーン「シャイン・・・アーカムぅ〜・・・?」

シャア「うっ!!」

マリーン「悪ふざけも程ほどにしないと・・・」

シルフ「この雰囲気・・・マリーンやめろ!!」

マリーン「やっぱり駄目?」

シルフ「当たり前だろうがよ!!」

マリーン「しょうがないか。」

シャア「ほっ・・・」

ダガー「マ、マリーン・・・それ何・・・?」

マリーンは右側の懐から大きな大砲を出して構えていた。(右手をメインのグリップを掴み、左手はマリーンが伸ばせれるだけいっぱいの位置(砲の横)にあるグリップを掴んでいた。)

コウ「レールカノンとは違うか・・・多分魔力を集めて発射する兵器だろうな。」

ミーナ「そんな事よりどっから仕入れたんですかそれ・・・?」

マイ「ミーナ姉・・・突っ込むとこ違う・・・」

レイ「この場合はそれがどっから出て来てるかって方が正当な突っ込み方だ・・・」

エーコ「どう考えてもそのローブからだろうけど・・・」

ビビ「そんな物まで出て来たら何だか・・・」

マリーン「出来れば気にしないで・・・」

シルフ達三人以外「無理。」

マリーン「うぅ・・・」

ショボ〜ン・・・となりながら大砲を閉まった。

シルフ「だから限度考えろって言ったろ。武器オタクだからってな・・・」

ビビ「武器・・・」

エーコ「オタク・・・」

マリーン「それ言わないでよ恥ずかしい・・・!!」

シルフ「多分後ガトリングとミサイルランチャー、チェーンソーと爆弾にハエ叩きとスタンガン、後はムチとロケットパンチに・・・」

マリーン「シルフ!!」

シルフ達以外「ロケットパンチって・・・」

マリーン「あぁ・・・私の可憐で清らかなイメージが・・・」

ほぼ全員(絶対違うだろ・・・)

ほとんど同じ事を思ったが誰も口には出さなかった。

コウ「本当に白魔道士かよ・・・」

シルフ「ま、いいさ。とりあえず俺は行って来るぜ。」

マリーン「行ってらっしゃい。」

シルフ「おう。」

そしてシルフは出かけた。

セシル「じゃあ僕らも一度戻るよ。」

コウ「悪ぃな、一々呼び出して。」

バッツ「いいって。でなきゃ俺全然活躍してねぇし・・・」

ロック「んじゃな。」

クラウド「あばよ・・・」

ティーダ「またッス〜」

スコール「またな。」

そして六人もその場を去った。

コウ「さてと、俺らはどうするか。」

ダガー「そうね・・・コウ何か無い?」

コウ「そうだな・・・奴らが戦力を増やしてるかも知れないからな・・・近々攻めてくるかもな・・・」

ダガー「もしそうなったら対抗するしかないわね。」

コウ「後は・・・まぁ大丈夫だろうとは思うがまだミコトがな・・・」

ダガー「そっちはマーカスがいるから大体は大丈夫でしょ・・・多分・・・」

ミーナ「ミコトさん・・・」

マイ「まったくこんな時に・・・」

ダガー「ミコトは彼の事が好きだったからね・・・もしかしたら私以上に・・・」

マイ「だからってさ・・・」

コウ「お前がどう思おうと勝手だが・・・つうか分からなくも無いが素直になったらどうだ?」

マイ「?」

コウ「いや・・・何でも無いさ・・・」

マイ「そう・・・」

ダガー「でもどうして戦力が増えてるなんて分かるの?」

コウ「おそらくあいつらの後ろには・・・やっぱいつか話すよ・・・」

ダガー「ならいいけど。」

マリーン「どっちにしたって気をつけなくちゃいけませんね。」

ダガー「ええ。じゃあ・・・何か起こるまで各自自由行動で。」

エーコ「やったね!!」

ダガー「私はミコトの所に行ってるわ。」

コウ「俺も行くよ。」

ミーナ「私も行きます。」

マイ「・・・しょうがない。私も行くよ。」

そう言う事でダガー達四人はミコトがいるジタンの家に向かった。







マーカス「ふぅ・・・」

クジャ「まだ駄目かい?」

マーカス「完全に塞ぎこんでるッス・・・アレはジタンさんで無い限り・・・」

クジャ「でも彼は・・・」

マーカス「そうッス・・・だから俺が・・・」

コウ「こんち〜」

クジャ「やぁみんな。どうしたんだい?」

ダガー「ちょっとミコトの様子が気になってね。」

マーカス「ミコトさんはずっと塞ぎこんでるッスが・・・皆さんなら少しは心を開くと思うッス。」

ダガー「だといいけどね・・・とりあえず会ってみてもいい?」

マーカス「うッス。」

そしてマーカスとダガー達四人はミコトがいる部屋に向かった。

マーカス「ミコトさ〜ん。ダガーさん達が来たッスよ。」

しかし部屋の中から返事は無かった。

マーカス「入るッスよ〜」

ダガー「ミコト〜?」

ミーナ「ミコトさ〜ん・・・」

五人は部屋に入った。そこは・・・

コウ「うっわぁ・・・くらっ!!」

部屋はほとんど真っ暗で少ししか見えていなかった。

ダガー「ちょっとこれはきついわね・・・ミコト?」

ミコト「・・・」

ミコトはベットの上で座り込み(体育座り)塞ぎこんでいた。

ダガー「ミコト?ちょっといい?」

ミコト「・・・」

ダガー「悲しいのは分かるけど・・・ずっと塞ぎこむのは良くないと思うわよ。」

ミコト「・・・」

ダガー「そりゃあ私だって辛いから蘇らせようとしたけど・・・ねぇ・・・」

ミコト「・・・」

ダガー「はぁ・・・」

ミーナ「ミコトさん・・・」

ミコト「・・・」

ミーナ「・・・やっぱり駄目ですかね・・・?」

マイ「・・・荒療法でいいなら私に任せな。」

ミーナ「マイ?」

ダガー「荒療法って・・・」

コウ「こんなんじゃしょうがないか・・・頼むぜ。」

マイ「ああ・・・」

ミコト「・・・」

マイ「・・・そうやって逃げるのか?」

ミコト「・・・」

マイ「そうやって辛い現実から逃げるのか?」

ミコト「・・・」

マイ「大切な人が死んだから全てに目を塞ぐのか?」

ミコト「・・・」

マイ「そんなんじゃ母さんが死んだ意味が無いのと同じよ・・・」

ミコト「!!」

一瞬ミコトに反応があった。

マイ「母さんは・・・母さんはアンタを守って死んだのよ・・・その命を・・・アンタは無駄にするつもりなの?」

ミコト「・・・」

マイ「答えろ!!ミコト=カリスミィ!!」

ミコト「・・・!!」

ダガー「ちょっと言い過ぎじゃない・・・?」

コウ「いや、これくらいが一番さ。ほれ。」

ダガー「え・・・?」

ミコト「・・・」

ミコトの目に涙が滲んでいた。

ミコト「・・・兄さん・・・!!」

マイ「ふぅ・・・後は任せたよ。」

ダガー「ありがとうマイ。」

そしてダガーがミコトに近づき抱きしめた。

ダガー「ミコト。」

ミコト「・・・義姉・・・さん・・・」

ダガー「大丈夫よ・・・彼の代わりにはなれないけど・・・私やみんながいるから・・・だから・・・一緒に頑張ろう?」

ミコト「義姉さん・・・うっ・・・」

ダガー「今回だけ・・・胸貸すね。」

ミコト「うわぁーーーーーー!!」

ダガーの胸の中でミコトは大きな声で泣き出した。

マイ「最近泣きっぱなしじゃないか?」

ダガー「涙は決して枯れないわ。泣きたい時は泣く・・・それが人なのよ・・・」

マイ「・・・」







レット「あぁあぁ・・・せっかく支給された戦力がこれじゃあな。」

キュライヤ「・・・」

カオスチャイルドのアジトにキュライヤら吸血鬼が大量にあった。

リース「こんな物に頼るからこうなるのだ・・・奴らはそれほど強いと言う事だ。」

レット「今さら言う事じゃねぇがおめぇどっちの味方だよ・・・」

リース「さぁな・・・」

レット「ま、んなこたいいがよ。俺らの目的と結末は決まってるだろうが・・・にしちゃガキは何の為にいるんだ?」

リース「クルーにも使命がある・・・我らとは違うな・・・」

レット「どうだっていいがな・・・」

リース「我らがいる理由・・・結末がどうあれ・・・」

レット「それ以上言うなっての・・・俺らはあっちが奴らを吸収する為だけに作られた存在だ・・・だったらそれを全うするだけだ・・・」

リース「・・・嫌われ役すまないな・・・」

レット「気付いてたのか・・・?」

リース「薄々な・・・ただそのやり方が気に食わないから認めたくは無かったのだが・・・」

レット「・・・全部はあっちの書いた脚本道理ってこった。俺らはその役者としての役割を果たすだけだ・・・」

リース「ああ・・・ただ・・・」

レット「コウ=エルフレイか・・・奴は予想外だが・・・にゃろうは上に知らせてねぇってのが気になるぞ。」

リース「この脚本の演出は・・・雷が仕組んだのか・・・それとも・・・」

レット「で、どうすんだこっから?」

リース「私はあいつの元に行く・・・」

レット「そっか、もうお前のラストステージか・・・もし俺らの本意を奴らが知ったらどうなるか・・・」

リース「・・・お前にもあるのだな・・・」

レット「んなのどうだっていい・・・ただあの親父のこった。多分量産された奴がいるだろう・・・そっちの方がこの仕事に向いてる気がするが・・・」

リース「レット・・・」

レット「んあ?」

リース「・・・クルーによろしくな・・・」

レット「・・・任せとけ・・・」

意味深な事を呟きリースはその場から消えた。







ダガー「どうしたのマーカス?」

マーカス「ダガーさんッスか・・・ちょっと・・・」

ジタンの家から少し離れた裏通りにダガーとマーカスがいた。

ダガー「ミコトの事ね・・・」

マーカス「・・・」

ダガー「当たり?」

マーカス「・・・ジタンさんに頼むって言われたのに・・・俺じゃ彼女を・・・」

ダガー「そんな事無いわよ。」

マーカス「・・・」

ダガー「今の私達の中で彼女をよく知ってるのはあなたかクジャが一番でしょ。」

マーカス「・・・俺・・・悔しいッス・・・」

ダガー「?」

マーカス「彼女の事・・・大切に思ってるのに・・・何も出来ない自分が悔しいッス・・・!!」

ダガー「マーカス・・・」

マーカス「彼女が悲しんで心を閉ざした時も・・・俺は・・・」

ダガー「・・・」

マーカス「正直・・・ジタンさんとダガーさんが憎いッス・・・ミコトさんを悲しませたジタンさんも・・・俺がどんだけ頑張っても開かなかった心をいとも容易く開かせたダガーさんも・・・」

ダガー「マーカス・・・」

マーカス「俺も彼女の事・・・想ってるのに・・・」

ダガー「・・・」

マーカス「すんませんッス・・・こんな話して・・・」

ダガー「いいわよ・・・義妹を頼むね。」

マーカス「俺に・・・出来るッスかね・・・」

ダガー「出来るわよ。」

マーカス「ダガーさん・・・」

ダガー「でもそうなるとあなた義理の弟になる訳ね。」

マーカス「はい!?」

ダガー「だってそうでしょ。あなた達だっていつか・・・」

マーカス「話が飛び過ぎッス!!」

ダガー「あらそう?私から見ればもうすぐだと思うんだけどね〜」

マーカス「いい加減にしてくださいッス!!」

ダガー「ごめんね、言い過ぎたわ。それにしても・・・否定はしなくなったのね。」

マーカス「はい?」

ダガー「だって前は二人が付き合ってる事全力で否定してたでしょ。」

マーカス「そ、そりゃあ・・・自分で言うのも何スがもうバレバレッスし・・・」

ダガー「そう言えばどっちから告白したの?」

マーカス「それは・・・気付いたら付き合ってたって感じなんで特に告白なんか・・・」

ダガー「初々しいわね。」

マーカス「四年前の二人だってそうだったじゃないッスか・・・」

ダガー「いいでしょ。」

マーカス「本当に変わったッスね。」

ダガー「まぁね。」

色々な話をする二人。と。

「ええ加減にせいやゴルァ!!」

ダマ「へぇっ!?」

突然近くからもの凄い罵倒が聞こえた。

「どう言われようと悪いのはそちらです。」

「んだとアマァ!!いてこまれてぇか!?」

ダガー「な、何て・・・?」

マーカス「さ、さぁ・・・」

何かと思って二人は声がする方に向かった。そこには・・・

チンピラA「貴様本当に痛い目にあいたいようだな!!」

女性「私は間違った事は言っていません。悪いのはそちらです。」

チンピラB「減らず口を・・・!!」

チンピラC「おい姉ちゃん・・・強がるのも体外にしろよ・・・」

紺のズボンに白いシャツと緑の半袖の上着を着、両手にブレスレットをつけたセミロングの青髪に青い瞳をした女性がチンピラと思われる男達に絡まれていた。

女性「それはそちらでしょう。謝るなら今の内です。」

チンピラA「ふざけやがって・・・やっちまうぞ!!」

チンピラBC「おーーー!!」

そしてチンピラはナイフを取り出した。

ダガー「あ、危ない!!」

二人は女性の下に向かおうとした。が。

女性「哀れな・・・罪深き者よ・・・」

女性は少々変わった事を呟き剣を取り出した。

女性「はっ!!」

ドスッ!!ガスッ!!バシッ!!

チンピラABC「ぐおっ!!」

ダマ「ええ!?」

一瞬の内に女性はチンピラを三人とも打ちのめした。

女性「峰内にしておきました。これに懲りたなら今後・・・」

チンピラA「つ、つえぇな・・・姉ちゃん・・・だが・・・一ついいか・・・?」

女性「何だ。」

チンピラA「その剣は・・・両刃だ・・・」

女性「え!?」

女性の剣は刃渡り七十cm程で両刃の剣で血が付いていた。

チンピラABC「ゲフッ・・・」

女性「あぁーーーー!!私は何て事を!!また無駄に命を天に還してしまった!!あぁーーーー神よ!!どうか私に裁きを!!」

ダガー「あの・・・まだ死んでいませんので・・・」

女性「え?」

素早くダガーがチンピラにケアルをかけていて死んではいなかった。

女性「す、すまない・・・で、では!!」

マーカス「あ!!ちょっと!!」

マーカスが呼び止めようとしたが女性はすぐ何処かに走り去ってしまった。

マーカス「な、何ス?」

ダガー「さ、さぁ・・・」







ダガー「てな事がさっきあったのよ。」

エーコ「か、かなりやばくないその人?」

マーカス「ホントッスよ・・・」

ダガーとマーカスは先ほどあった事を皆に話していた。(ちなみに場所は外の広場)

ベアトリクス「また変わった人が現れましたが・・・全員悲しみから脱する事は出来ましたね。」

ミコト「ええ。」

レイ「にしても・・・あのマイとか言う奴はまた何処行ったんだ?」

ミーナ「あの子は本当に・・・まったく・・・」

ビビ「とりあえず僕らはどうしてようか?」

ダガー「コウの話じゃ奴らの戦力は増えるかもって言ってたし。」

サラマンダー「あの吸血鬼が生きて・・・いや、まだあったとはな・・・」

フラットレイ「それもそうだが・・・何故カオスチャイルドの所に・・・?」

コウ「気になる事は山積みだな・・・オメガの封印を解いた組織・・・吸血鬼とあいつ・・・」

ダガー「あいつ?」

ビビ「もしかしてこの前のあの女性の事?」

エーコ「今さら言う事じゃないけどアンタはホント謎の塊よね。」

コウ「知ろうとするなよ・・・探求は時に死を招くぜ・・・」

エーコ「はいはい・・・」

ダガー「・・・」

ネリク「しっかしエライ事になって来たホな・・・」

マックス「ああ・・・」

ダガー「ネリク、マックス。怪我はもう大丈夫なの?」

ネリク「大方治ったドが・・・」

マックス「まだしばし安静にしてろだそうだ・・・」

ダガー「そう・・・」

マリーン「シルフは誰かに会いに行ったからしばらくは帰って来ないと思うけど・・・」

ビビ「それじゃあ『最後の希望』ってのはなんだろう?」

フライヤ「さぁの・・・」

ダガー「・・・」

エーコ「で、さっきからどしたのダガー?」

ダガー「・・・ねぇ・・・さっきから気温が高くなってない・・・?」

ビビ「言われて見れば・・・」

ブランク「夏なんだから当たり前だろ?」

ダガー「ううん・・・この暑さは・・・違う・・・」

シナ「違うって何がズラ?」

ダガー「この暑さは・・・ここ最近感じるようになった・・・あの・・・」

コウ「・・・」

何かを呟きながらダガーは剣を手に取った。

ダガー「あいつの気配の暑さよ!!」

ガギン!!

コウ「んな!?」

ダガー「あなたらしくないわね・・・リース!!」

リース「こっちの・・・勝手だろう・・・!!」

コウ「リ、リースぅ!?」

突然リースが現れ剣でダガーに攻撃を仕掛けていた。

リース「はっ!!」

リースはダガーから離れた。

コウ(ま、まったく気付かなかった・・・)

ダガー「リース・・・!!」

リース「・・・私に気付くとは・・・やるようになったな・・・」

ダガー「なめてもらっちゃ困るわね・・・」

リース「そうだな・・・」

ダガー「で、どうしてあなたらしくないこんな事を?」

リース「こっちの都合と言うものだ・・・」

ダガー「・・・そろそろ決着付けるとか・・・そう言うとこ?」

リース「・・・」

ダガー「お早い展開ね・・・」

リース「・・・しょうがない事だ・・・」

ダガー「そう・・・だったら・・・!!」

リース「!!」

ガチャン!!

ダガー「私がどれだけ強くなったか見てもらおうかしら!!」

リース「そうさせてもらおう!!」

周りに仲間がいるのに二人はお構い無しに戦い始めた。

コウ「ちょ!!あぶなあぶな!!」

ビビ「うわっ!!」

ダガー「はぁーーー!!」

リース「てやぁーーー!!」

エーコ「ちょっと周り見てよまわっ!?きゃっ!!」

スタイナー「へ、陛下流石にこれはきけ・・・おわっ!!」

皆の声は二人には届いていなかった。

ダガー「たあっ!!」

リース「何の!!」

コウ「こ、こりゃあ止めようにも止めれ・・・だぁっ!!」

二人の戦いは悪化を増し、止めようが無かった。

エーコ「誰か止めてぇーーーー!!」

エーコは空に叫んだ。と。

「任せなさい!!」

その場全員「!?」

ボガーーーン!!

ダガー「きゃあっ!!」

リース「うわっ!!」

突然辺りに爆発が起こった。

ダガー「何!?」

リース「何だ!?」

「お前達・・・周りをよく見ろ・・・」

マーカス「あ、アンタは・・・」

すぐ近くに先程の女性がいた。

女性「お前達の理不尽な争いで迷惑しているぞ。このような事は見過ごせは・・・」

ダガー「戦いの邪魔よ!!」

リース「説教など後にしろ!!」

女性「!!」

コウ「お、おいおい・・・」

女性「・・・邪魔・・・後にしろだと・・・?」

コウ「え・・・?」

コウは女性からかなりやばそうな気配を感じた。

女性「この私に・・・口答えするとは・・・」

コウ「も、もしもし?」

女性「ゆるさーーーーーん!!」

バシューーーー!!

コウ「えぇーーーーー!?」

突然女性の周りに光状の竜巻が発生して女性を包んだ。

コウ「な、何が起こってるんだぁーーーーーー!?」

程なくして竜巻は収まった。そこにいたのは・・・

エーコ「な、何なの〜〜〜!?」

女性「はぁ・・・はぁ・・・」

先程の服装から藍色のスパッツに前の所が開いている白いロングスカート、半袖の白い服と青色の胸当て、両肩に肩当をして左腕に円形の盾と頭に虹色のティアラをつけた戦士のような格好に変わっていた。

女性「私を侮辱した罪・・・その体で味わうが良い・・・!!」

そう言って女性は剣を握り力を込め始めた。

女性「浄化の炎が刹那の氷を溶かし、雷鳴響きて濁流となり、風吹き荒れて地を産み、命を作り上げたその力よ・・・」

女性は何かの詠唱をし始めた。

コウ「滅茶苦茶やばそうな・・・」

コウの言う通り女性の周りにとてつもない気が発生していた。

女性「光と闇を繰り返し築きだした歴史の礎を・・・絶つ刃を我が手に・・・!!」

言い終わると女性の剣が光りだした。

コウ「ま、マジでやべぇぞこら・・・」

ダガー「はぁーーー!!」

リース「てやぁーーー!!」

ちなみにずっとダガーとリースは戦っていた。

女性「これで・・・終わりです・・・!!」

そして女性も何かやばそうな事を始めようとしていた。

ビビ「あ、あのさぁ・・・これって・・・危険・・・だよね・・・?」

ほぼ全員「うん・・・」

エーコ「まともな誰か止めてぇーーーーーーー!!」

再びエーコは空に叫んだ。と。

「おっしゃ任せろ!!」

その場全員「!?」

ガギギン!!

ダガー「えっ!?」

リース「なっ!?」

女性「!?」

今度は何者かが二人、一人はダガーの剣を受けつつ女性を押さえつけ、一人はリースの剣を受け止めていた。

ダガー「あ、あなたは・・・」

女性「お、お前・・・」

シルフ「ったく・・・何やってたんだよ・・・!!」

マリーン「シルフ!?」

その内の一人はシルフであった。

「今度の仲間はとんでもないなシルフ・・・」

そしてもう一人は赤いマントを羽織り頭部に変わった飾りをつけた、ブレード状の剣を持った剣士だった。

シルフ「それは言うなよフリオニール・・・」

剣士の名はフリオニールと言うらしい。

ダガー「邪魔しないでよ!!」

リース「勝負に水をさすつもりか!!」

シルフ「場所と状況考えてやれっての!!」

ダリ「・・・」

フリオニール「お前もだぞヴァルキリー。」

女性「うっ・・・」

女性はヴァルキリーと言うらしい。

コウ「お、収まったのか・・・?」

二人の登場で荒れていた場が静まった。

ダガー「・・・リース・・・」

リース「だいぶ腕を上げたようだな・・・ここで決着をつけようと思ったが・・・」

ダガー「ええ・・・」

リース「三日後の暁の時・・・シアウェイズキャニオンで待ってるぞ・・・」

ダガー「分かったわ・・・」

そう言い残してリースはその場から消えた。

ダガー「リース・・・」

エーコ「とう!!」

バシッ!!

ダガー「!?」

突然エーコがダガーの後頭部に飛び蹴りをかました。

エーコ「ダガー!!あたし達を殺す気!?」

ダガー「そんなつもりは無いけど・・・」

ビビ「正直また死ぬかと思ったよ・・・」

ダガー「ご、ごめん・・・」

コウ「まぁそっちはいいとしてだ。誰なんだあんたら?」

フリオニール「俺はフリオニール。お前らから見れば最後のアルテマウェポンを持つ者だ。」

クイナ「九人目ってこう言う事だったアルか。」

レイ「つまりお前が昔の戦いで神の使いとやらの力を借りた奴か。」

フリオニール「ああ。でなかったら俺はただの剣士だ。」

コウ「んじゃあこっちは?」

シルフ「その神の使いだよ。」

ヴァルキリー「まぁそう言う事だ。」

そう言いながらヴァルキリーは普通の服装に戻った。

ヴァルキリー「私の名はヴァルキリー・・・そうか、お前がガーネット=ティル=アレクサンドロスか・・・」

ダガー「え?そうですけど・・・」

ヴァルキリー「ガーネット=ティル=アレクサンドロス。通称ダガー、正体はマダイン・サリの召喚士の生き残りのセーラ=レーンブール。先の戦乱の英雄の一人であり同じ英雄のジタン=トライバル本名ライフ=カリスミィと恋仲となり二人の子を儲ける。今だトマト嫌いで早口言葉は衰えず、スリーサイズは上から9・・・」

ダガー「もういい!!」

ヴァルキリー「そうか?」

ダガー「何であなたそんなに知ってるのよ!?」

ヴァルキリー「そりゃあ我が主を従えさせた者くらい知っていて当然でしょう。」

ダガー「主?」

シルフ「オーディンの事だよ。」

ダガー「はえ!?」

シルフ「つまり最後の希望ってのはこいつの事だよ。」

ダガー「じゃ、じゃああなたルフェイン人?」

ヴァルキリー「ああ。」

ダガー「でも神の使いって・・・?」

フリオニール「あんた召喚士なのか?」

ダガー「え、ええ・・・」

フリオニール「召喚獣には上位の神と崇められる奴が三体いる。オーディンはその内の一人、人神で、他二つは竜神のバハムート、海神のリヴァイアサンだ。」

ダガー「バ、バハムートとリヴァイアサンまで・・・?」

ヴァルキリー「しかしバハムートとリヴァイアサンまで従えさせているとはな・・・こんな貧弱そうで地味に胸が大き・・・」

ダガー「貧弱って何よ!!」

ミコト「それに義姉さん胸大きか・・・」

ダガー「何かしら可愛い義妹ちゃん?」

ミコト「・・・」

エーコ「そりゃミコトはどう見たって七十は無・・・」

ミコト「エーコ・・・もう一度逝きたい・・・?」

エーコ「そ、それにしても止めてくれてどうもね!!」

ダガー「まぁでもあのまま続けても私の負けだっただろうし、そこの所だけ感謝するわ。」

ミコト「どうして?互角だと思ったのに。」

ダガー「そりゃあ少しはリースの強さに近づいたけど・・・これがね・・・」

そう言ってダガーは剣を見せた。

ミコト「これって・・・義姉さん!!」

ダガー「そう・・・もう限界なの・・・セイブ・ザ・クイーンは・・・」

セイブ・ザ・クイーンの刃にはひびが入っていた。

ベアトリクス「セイブ・ザ・クイーンにヒビが入るなど・・・」

コウ「そらそうさ・・・こいつはこの戦いが始まってからずっとティルと共にいるんだ。ガタ来たっておかしくない。」

ダガー「・・・」

シルフ「それだと戦えねぇな。別の奴使うしか・・・」

ダガー「いや・・・」

シルフ「ん?」

ダガー「私は・・・セイブ・ザ・クイーンと一緒に戦う・・・」

シルフ「気持ちは分からなくないが・・・そこまで行ってるとな・・・」

コウ「俺が普通に錬金術で直したってあの剣だったらすぐにまた・・・」

ダガー「でも・・・私は・・・」

ヴァルキリー「何故その剣にこだわる?」

ダガー「・・・これは・・・私の決意の証・・・守られるんじゃなく、私が守る為・・・」

ヴァルキリー「そうか・・・しかしそれではもう・・・」

ダガー「・・・」

ラニ「どしたの一体?」

ダガー「ラニ・・・」

ラニ「ん?あんたら誰?」

フリオニール「俺はフリオニール、アルテマウェポンを持つ者だ。」

ヴァルキリー「私はヴァルキリー。」

ラニ「ま、別にいいけどさ。で、ダガーは何暗い顔してるの?」

ダガー「・・・」

ラニ「あ、その剣・・・」

ダガー「ええ・・・」

コウ「ティルはそれを使い続けたいって言ってるけど・・・正直もう・・・」

ビビ「何かいい法法無いのかな・・・」

コウ「頑丈な合金や鉱石があればな・・・」

ラニ「合金や鉱石・・・」

コウ「どうした?」

ラニ「い、いや何でも・・・」

ダガー「・・・やっぱり無理なのかな・・・」

コウ「現時点じゃな・・・」

ダガー「・・・」

ラニ「・・・これ・・・」

ダガー「?」

ラニ「これ使いなよ・・・」

そう言ってラニは掌に乗るくらいの大きさの鉱石を投げ渡した。

ダガー「何これ?」

コウ「ちょっ!!こいつは!!」

シルフ「アダマンタイトじゃないかこれ!!」

ダガー「アダマンタイト?」

コウ「かなり希少価値が高い最高の鉱石だ!!それが・・・」

ラニ「そいつは私の宝物と言うかお守りみたいな物だけど・・・使ってよ。」

ミコト「どう言う事?」

ラニ「私十二の時に家族が殺されて・・・よく分かんないけど両親が最期にこいつを・・・」

コウ(あの時か・・・)

シルフ「確かにアダマンタイトは価値が高いからな。」

ラニ「だけど使う事が無かったからずっと取っておいたんだ。使ってよ。」

ダガー「でもそんなに大切な物を・・・」

ラニ「いいんだって。」

ダガー「ラニ・・・」

シルフ「しかしな・・・」

ダガー「何?」

シルフ「アダマンタイトの扱いはかなり難しいんだ。何てったってあの時の剣の素材はこいつなんだ。」

フリオニール「ああ。」

コウ「つまりただ単に錬金術で合成するのは無理。」

フリオニール「こいつは最低でも強力な魔力のある者と錬金術師がいないといけないしからな。時の剣を作ったあの時はエルフ、ドワーフ、モーグリ、ブルメシアの民、ク族、そして人間がいたし・・・」

コウ「こらまた豪勢な・・・でも時を操る訳じゃないしが、とりあえず俺は必要だな。」

フリオニール「だが出来れば全種族をそろえて欲しい。その方が多少は負担は減る。」

ネリク「ドワーフとエルフはいるド。」

マックス「リハビリにはちょうどいい。」

エーコ「後はモーグリとク族にブルメシアの民か・・・モーグリはモリスン辺りに頼もうかな?」

フライヤ「ブルメシアの民は・・・クレイラの大司祭様に頼むか。」

クイナ「師匠を呼ぶアル。」

ビビ「魔力のある人か・・・」

シルフ「出来ればクラークにはさせたくないな・・・」

フリオニール「あいつも加担してたからな・・・」

ビビ「それじゃあ・・・アルフさんに頼もう。」

ほぼ全員「誰?」







288号「分かった。僕でよかったら手伝うよ。」

ビビ「ありがとうございますアルフさん。」

アルフとはどうやら288号の事らしい。







大祭司「分かりました。私でよければ。」

フライヤ「すみませぬ・・・」

大祭司「いえいえ・・・」







クエール「いいアルよ。」

クイナ「ありがとアル。」

クウカ「何の話アル?てかワタシこれでおしまい?」







エーコ「てことなの。モリスンいい?」

モリスン「もちろんですとも。」

エーコ「ごめんね久しぶりに来てこれだけって。」

モリスン「そんな事は・・・エーコ嬢が来られただけで皆喜んでいますよ。」

エーコ「みんな・・・」







コウ「これで準備は整ったか。錬金術担当と人間の俺。」

ドワーフ「ドワーフのオレ。」

マックス「エルフの私。」

大祭司「ブルメシアの民の私に。」

288号改めアルフ「魔力のある僕。」

クエール「ク族のワタシと。」

モリスン「モーグリの私。」

フリオニール「全員揃ったか。やり方は俺が覚えてるから指示通りに頼むな。」

コウ「ああ。」







ラニ「あっちは作業始めたみたいだね。」

ベアトリクス「そうですね。」

ラニ「所でダガーは?」

ベアトリクス「最後の一踏ん張りとかでヴァルキリー殿相手に特訓を・・・」

ラニ「努力家だねホントに・・・」







ダガー「きゃっ!!」

ヴァルキリー「まだ甘い!!これが模擬刀で無かったらあなたは死んでますよ。」

ダガー「わ、分かってるわよ・・・!!」

ヴァルキリー「我が主の為が故、あなたには強くなってもらわねばなりません。私が習得してる剣技、あなたにも教えますので弱音を吐かぬよう・・・」

ダガー「弱音なんてとっくの昔に捨ててるわよ・・・!!」

ヴァルキリー「よろしい・・・では!!」

ダガー「くっ!!」







クラーク「シルフ久しぶりじゃの。」

シルフ「かなり老けたなクラーク。」

クラーク「いつから生きとると思うて言いとる?」

シルフ「確かにそうだな。オメガは・・・」

クラーク「ああ・・・新たなメイスオブゼウスの若きマスターとキャルオルが授かった娘が海に沈めたがの。」

シルフ「やっぱエーコは・・・」

クラーク「で、何故主とフリオニールがどうしてガイアに来とるのじゃ?」

シルフ「フリオニールの事気付いてたか・・・もう遅いが今アダマンタイトを扱ってるんだ。」

クラーク「何じゃと!?」

シルフ「安心しな。剣の補強にだ。既に揃う物は揃ったけど・・・もし魔力の事でお前を呼んだらどうしてた?」

クラーク「ワシは・・・」

シルフ「分かってるっての。だからお前は呼ばなかったろ。」

クラーク「すまないの・・・」

シルフ「仲間だろ?いいって事よ。」







フリオニール「よし・・・何とかここまで来たか。」

コウ「後はこいつを剣と合成させるんだな?」

フリオニール「ああ。だがもう少し休ませておけ。このままだと劣化して壊れやすくなるんだ。ついでに錬成した後もな。」

コウ「OK、任せておけって。」







ヴァルキリー「この短期間でここまで成長するとは・・・」

ダガー「い、言ったでしょ・・・私だって・・・いつまで・・・も・・・」

力尽きてダガーはその場に倒れた。

フライヤ「もういいじゃろう。明日の戦いに支障が出るぞ。」

ヴァルキリー「そうか・・・」

シルフ「終わったようだな。」

ヴァルキリー「シルフか。」

シルフ「フリオニール達もそろそろ終わるらしいぜ。でさ、お前に頼みたいんだが・・・」

ヴァルキリー「・・・ジタンの事か。」

シルフ「知ってたのか?」

ヴァルキリー「ああ。」

シルフ「お前の命を削りたくないけどこいつらにはあいつがいなくちゃいけないんだ。」

ヴァルキリー「分かっている。あいつには私も借りがあるのでな。」

シルフ「悪いな・・・」

ヴァルキリー「いや、いいのだ。しかしそれは・・・」

シルフ「ダガーが出発してからな。」







バァーーー!!

コウ「おっし。ほぼ完成だ!!」

フリオニール「やっと出来たな。新たな剣が。」

コウ「みんなありがとな。」

大祭司「いえいえ・・・」

アルフ「役に立てただけで嬉しいよ。」

モリスン「では私はマダイン・サリへ・・・」

クエール「また何かあったら呼ぶアルよ。」

そして呼び出された者達はその場から去った。

コウ「さてと・・・後は剣とアダマンタイトが馴染むまで待って、以上が無いか調べて全部完了だな。」

フリオニール「ああ。その時は手伝ってくれ。」

ネリク「ラリホ!!」

マックス「ああ。」

コウ「おう。」

ダガーがヴァルキリーに特訓を頼み、コウ達がセイブ・ザ・クイーンの補強を開始してから二日、双方共に万全の状態に仕上がった。







エーコ「いよいよ今夜ね・・・」

ビビ「うん・・・」

フライヤ「今宵一つの決着がつくのか・・・」

ラニ「そう言やぁダガーは?」

ベアトリクス「体の疲れを落とすとかでミコト殿とマリーン殿とミーナ殿をつれてピナックルロックスに水浴びに・・・」

シャイン「んだと!?」

アーカム「まずいですねこれは・・・」

エーコ「どして?」

シャイン「精神集中とかでシルフが今そのピナ何とかにいるんだよ。」

アーカム「シルフはそう言うやましい事は考えないですが・・・」

ビビ「・・・一波乱有りそうかも・・・」







シルフ「・・・」

シルフはピナックルロックスの河(池?)の深さが浅い場所で精神集中をしていた。

シルフ「オメガウェポンであった物が全て揃った・・・一体この戦いのシナリオは・・・ん?」

シルフは何かに気付き近くの岩陰に身を隠した。

シルフ「おっと・・・こっから深いのか・・・お?」



ダガー「あたたた・・・筋肉痛だ〜・・・」

ミコト「大丈夫義姉さん?」

ダガー「な、何とか・・・」

マリーン「少しでも治さなくちゃいけませんけど・・・ケアルだけじゃ。」

ミーナ「ダガーさん・・・」

シルフから少し離れた深い場所に水浴びしてるダガーとミコト、水辺にマリーンとミーナがいた。(もち水着着用+マリーンとミーナは水の中に入ってない)

ダガー「あ〜そこそこ・・・うぅ〜・・・」

ミコト「本当に大丈夫?」

ダガー「ありがとう・・・少しは楽になったよ・・・」

ミコトはダガーにマッサージをしていた。

マリーン「あのヴァルキリーって人、本当にジタンさんを蘇らせてくれるのかしら?」

ミーナ「それは信じるしかありませんよ。」

ミコト「そう言えばさミーナ・・・」

ミーナ「はい?」

ミコト「あなたどうして兄さんの事が好きなの?」

ダミー「えええ!?」

ミコト「・・・何で義姉さんまで驚くの?」

ダガー「ミ、ミーナ・・・彼の事好きなの?」

ミーナ「そ、それはその・・・」

ミコト「私の目は誤魔化せないわよ。」

ミーナ「・・・ええ・・・でも・・・叶う恋でない事だと気付いてますが・・・」

ダガー「じゃあどうして・・・」

ミーナ「・・・ジタンさんはどうか分かりませんが・・・私あの人に会った事があるんです。」

ダガー「ええ!?」

ミーナ「十五の時です・・・」

ミコト「・・・」

ミーナ「ミコトさんは分かると思いますけど・・・私が来てからあの街に色々と災難が起こって・・・いつも私に非があるって言われて・・・」

マリーン「・・・」

ミーナ「あの時もそうでした・・・そして私は・・・」

話しながらミーナは左手首のリストバンドを取った。そこには・・・

ダガー「そ、それっ!!」

ミーナ「・・・ええ・・・自分でやりました・・・」

ミーナの左手首に切り傷があった。

ミーナ「生きるのが辛くて・・・何度もやろうと思って・・・それで本当に斬ったあの日・・・」

回想



ミーナ「もういや・・・私なんか死んだ方が・・・」

その時ミーナは右手にナイフを持ち、左手の手首の上に添えていた。

ミーナ「こんなに辛いなら・・・いっその事・・・!!」

ミーナは右手に力を込め、震えながら左手首を斬り始めた。

ミーナ「死んだ方が・・・!!」

バチン!!

ミーナ「!?」

突然何者かがミーナに平手打ちをし、ナイフを弾いた。

ミーナ「あ、あなたは・・・?」

ジタン「自殺願望者かよ・・・」

ミーナを助けたのはジタンだった。

ジタン「まったく・・・ほれ。」

ジタンは右手をミーナの左手首に添えた。すると。

ミーナ「傷が・・・」

手首の傷が治っていった。

ジタン「深すぎて後は残っちまったな・・・悪いな。」

ミーナ「どうして私を・・・」

ジタン「どうして自殺何なんかしようと思ったんだ?俺に話してみろよ。」

ミーナ「・・・」

ミーナは自殺しようと思った理由を話した。

ジタン「なるほどな。そりゃ辛いだろうな。」

ミーナ「だから私なんか・・・」

ジタン「だからって死ぬ事は無いさ。生きていれば何かいい事がある。先なんか分からないけどここで朽ちるよりはもっとマシさ。」

ミーナ「・・・」

ジタン「街の人間が何を言おうと関係ないさ。ずっと君らしく、君なりに行き続ければいつか。」

ミーナ「私は・・・」

ジタン「ほれ。」

ジタンは自分の手首にあったリストバンドをミーナの左手首に、傷を隠すようにつけた。

ミーナ「え?」

ジタン「それあげるよ。だからもう死のうなんて考えんじゃねぇぞ。」

ミーナ「・・・」

ジタン「それじゃあな。」

ミーナ「あ、あなたは!?」

ジタン「もし次にあったら教えるよ。んじゃな!!」

ミーナ「・・・」





ミーナ「もしかしたらジタンさんは忘れてるかもしれませんが・・・私はずっと覚えてました・・・そして再び会った時にこの想いに気付きました・・・私はあの人が好きだって・・・」

マリーン「ミーナさん・・・」

ミーナ「叶わない事だって気付いています・・・でも私は・・・私は決めたんです。私はあの人の為になる事なら何でもする。あの人を守りたいから・・・だから私はあの人への愛であの人を守るって・・・」

ダガー「ミーナ・・・」

ミーナ「ごめんなさいねダガーさん・・・」

ダガー「ううん、何か私にも責任があると思うし・・・」

ミーナ「盗る気は無いので安心してくださいね。」

ダガー「ええ。」

ミコト「それじゃあ続いてマリーンね。シルフとはどうなの?」

マリーン「え!?」

シルフ(なっ!?)

ミコト「私の見た感じじゃシルフは嫌いじゃないけど引っ付かれるのはイヤだって感じがするけど。」

マリーン「・・・」

ダガー「本当の所はどうなの?」

マリーン「・・・本当はもう・・・恋人同士です。」

ダミコミー「ええ!?」

マリーン「私達の感覚で三年前から付き合い始めたんです。」

ダガー「でもシャインとアーカムは気付いてないっぽいけど・・・」

マリーン「そりゃああの二人に言ったら何が起こるか分かりませんもの。」

ミコト「何か複雑・・・」

マリーン「じゃあそう言うミコトさんはマーカスさんとはどうなんです?」

ミコト「そ、それは・・・」

ダガー「マーカスはもう観念したわよ。あなたも素直になったら?」

ミコト「・・・」

ダガー「しょうがないわね・・・ま、こっちはもういいから帰っていいわよ。」

ミコト(助かった〜・・・)

マリーン「それでは。」

そしてミコト達三人はピナックルロックスから帰った。

ダガー「さぁてと、シルフにも聞かなくちゃね〜」

どうやらダガーは近くにシルフがいることに気付いていたようだ。

ダガー「え〜と・・・あら?」

ダガーはシルフの近くに何かがいるのを確認した。

ダガー「アレは・・・」

コウ「お前も色々大変なんだな。」

マイ「・・・」

ダガー「コウとマイ?」



先程の状況をシルフの視点から見てみよう。



シルフ「マリーンの奴・・・言いやがって・・・秘密っつうたのによ。なぁ。」

コウ「気付いてた?」

シルフ「それともう一人と一匹か?」

マイ「やっぱりばれてたね・・・」

トンベリ「ん・・・」

シルフの近くの木陰にコウ、水辺にマイと一匹のトンベリがいた。

コウ「んだ?そのトンベリ?」

トンベリ「みる・・・」

マイ「この子はミル。この近くにいたはぐれトンべりよ。」

ミル「よろ・・・」

コウ「モンスターを手名付ける・・・てか一緒にいるってのが以外だな。」

マイ「どう言う事よ?」

コウ「だってお前は・・・」

マイ「悪かったわね。そんな印象しかなくて。」

コウ「ま、お前がどんな奴か知らんが、一つ分かるのはみんながいる時に見せてるお前は別人なんだろ?」

マイ「?」

コウ「お前似てるんだよ。昔の俺に。」

マイ「昔のアンタ?」

コウ「ああ。俺も大勢の人間がいる場所と特定の奴の前とで変えてた・・・いや、知られたくなかったんだ。」

マイ「・・・」

コウ「お前も何かを知られたくないんだろ?」

マイ「・・・アンタに隠しても無理のようね・・・その通りよ。もっとも私はミコトに関わってる人にだけどね。」

コウ「やっぱりユフィとか言う母さんが死んだ事か?」

マイ「うん・・・」

ミル「まい・・・」

コウ「だが辛いのはお前だけじゃないさ。」

シルフ「ああ。ミコトもかなりその事で参ってるぜ。」

コウ「それにミーナもだろうな・・・」

マイ「ミーナ姉も?」

コウ「ティルが手首を斬った時にあいつは過剰に反応した。理由はどうあれ多分ミーナは一度自殺を図ったんだろうな。」

マイ「・・・」

コウ「死に関して辛くない奴なんかいない。誰だってそうなのさ。そして死の責任もな。」

マイ「・・・そんな事分かってるつもりよ・・・」

シルフ「マイ?」

マイ「本当は母さんの大切な仲間のミコトに会ってみたかったけど・・・母さんが死んだ事を思い出して・・・素直になれなくて・・・」

コウ「お前も大変なんだな。」

マイ「・・・」

ミル「まい・・・」

マイ「大丈夫よミル・・・私は・・・」

コウ「んじゃあそろそろ戻るとするか。ティルにアレを渡さなくちゃならないしな。」

シルフ「だな。そして俺らのけじめって奴をつけなくちゃ行かないしな。」

コウ「どう言うこった?」

シルフ「そのままさ。この星の者じゃなくても関わったんなら、何とかしなくちゃいけないって事よ。」

コウ「まさか・・・」

シルフ「だからよ、別の星の者同士頑張ろうじゃないか。」

ダガー「!?」

コウ「・・・」

シルフ「分からないとでも思ったか?ついでにお前があの葉を・・・」

コウ「・・・」

ダガー「コ・・・コウが・・・?」

マイ「!?誰!!」

シルフ「何!?」

コウ「!?」

ダガー「あ!!」

コウ「誰だ!!三つ数えない内に出てこないと・・・」

ダガー「・・・」

観念してダガーは出てきた。

コウ「ティ・・・ティル・・・!!」

ダガー「・・・」

コウ「聞いてたのか・・・」

ダガー「ごめん・・・なさい・・・」

コウ「・・・」

ダガー「嘘よね・・・?」

コウ「・・・」

ダガー「ね、ねえ・・・」

コウ「・・・お前はどうあってほしい・・・」

ダガー「私は・・・」

コウ「どうだっていいが、その事は忘れな。」

ダガー「?」

コウ「今夜つけるんだろ・・・決着を・・・」

ダガー「・・・」

コウ「戦いの最中にそんな事思い出されちゃこっちが困るんでな。」

ダガー「コウ・・・」

コウ「安心しな。終わったら聞きたい事話してやるよ。二人だけの時にな・・・」

ダガー「ええ。楽しみにしてるわ。」

コウ「んじゃ、行くとするか。」

シルフ「ああ。」

マイ「私はここにいるよ。」

シルフ「そっか。」







ベアトリクス「陛下・・・」

ダガー「何?」

ベアトリクス「準備の方は・・・」

ダガー「勿論出来てるわよ。」

ベアトリクス「皆が待っています。こちらに・・・」

ダガー「ええ。」

ベアトリクスに連れられてダガーは皆がいる場所に来た。

ビビ「お姉ちゃん・・・」

ダガー「私は大丈夫よ。」

エーコ「てかその格好は?」

ダガー「これ?」

ダガーの服装は黒のズボンに黒の長袖の上着、両手に皮の手袋と腰の辺りに赤色のベルトをつけた戦士のような格好だった。(ちなみに上着の背部とズボンの右腿辺りに剣の国アレクサンドリアの紋章が画かれている。)

ダガー「これは剣の国アレクサンドリアに古くから伝わってる戦士の服なの。」

シナ「一気に露出ダウンでがっくしズラ・・・」

ルビィ「シナのボヤキはええとして、何でその服を?」

ベアトリクス「剣の国アレクサンドリアの女は自分にとって大きな戦いに赴く時はこの服を着てその戦いに向かうとされているのです。陛下もその時を迎えたと思ったので私が調達しました。」

ダガー「こう見えて通気性いいし動きやすいのよ。」

マーカス「そうなんスか。」

ダガー「それはそうと剣は?」

ミコト「今コウが取りに行ってるけど・・・」

コウ「呼んだか?」

ダガー「コウ、剣は?」

コウ「ちゃんとあるよ。しかしその・・・」

エーコ「はいはい。服に関しちゃ後でね。」

コウ「そっか。じゃあほれ。」

コウは持っていた剣をダガーに差し出した。

コウ「俺らがアダマンタイトを使って新たに生まれ変わったセイブ・ザ・クイーン、名付けてセイブ・ザ・クイーン・エターナリーだ。」

ダガー「セイブ・ザ・クイーン・・・エターナリー・・・」

ビビ「女王を守る・・・永遠に・・・か。」

コウ「まぁそう言う事だ。」

ダガー「・・・ありがとうコウ・・・」

コウ「礼は俺だけじゃないぜ。教えてくれたフリオニール、ネリクにマックス、大祭司様にアルフとモリスン、クエールにラニだってそうさ。」

ラニ「私も?」

コウ「お前がアダマンタイトを渡してくれなかったらこいつは生まれなかったぜ。」

ダガー「そうよ。ありがとうラニ。」

ラニ「ど、どうもね。」

サクラ「お姉ちゃん・・・」

ダガー「何サクラちゃん?」

サクラ「・・・これ・・・」

サクラは首にかけてあった勾玉の首飾りをダガーに渡した。

サクラ「お守り。持ってって。」

ダガー「でもこれ・・・」

コウ「持ってけよ。俺が許す。」

ダガー「・・・ありがとうサクラちゃん。」

そう言ってダガーは首飾りを首にかけた。

ダガー「さてと・・・それじゃあ・・・」

コウ「・・・頑張れよ。」

ミコト「負けないでね・・・」

ビビ「帰りを待ってるよ。」

ダガー「ええ。」

ブランク「そうだ。これ持ってけよ。」

そう言ってブランクは少し古い色褪せた水色のバンダナをダガーに渡した。

ダガー「これは?」

ブランク「あいつがタンタラスに入って初めてつけていたバンダナだ。」

ダガー「彼の・・・ありがとうブランク。」

そう言ってダガーは一度髪を解き、そのバンダナで後ろ髪の根元を縛った。

ブランク「いいって事よ。」

ダガー「それじゃあお願いね。」

メネ「分かったクポ。」

チョコ「クェ〜」

そしてダガーはチョコに乗り、約束の場所へ向かった。

コウ「・・・行ったか・・・」

ビビ「うん・・・」

エーコ「・・・勝つ・・・よね・・・」

フライヤ「ああ・・・ダガーは負けないじゃろ・・・」

コウ「だがな・・・」

エーコ「何?」

コウ「もし・・・これが誰かの書いたシナリオだとしたら・・・俺らは何も知らされずにそれを演じてるのかもな・・・」

ビビ「どう言う事なの?」

コウ「いや・・・リースとか言うあのカオスチャイルドだが・・・奴に似た奴を俺は・・・」

ラニ「そして地と風もね・・・」

コウ「確信なんか無いけど・・・この戦いはまさか・・・」

エーコ「よく分かんないけど敵なら倒すしかないでしょ。」

コウ「敵なら・・・か・・・本当にそうなのか・・・」

ミコト「コウ・・・どうしたの?」

コウ「・・・」



?「やはり気付き始めてるか・・・コウ・・・」

仲間達の近くにコウを見つめる謎の人物がいた。が、その存在に誰も気付いていなかった。







クルー「あれ・・・?ねぇレット・・・姉さんは?」

レット「・・・」

クルー「って・・・教えてくれる訳無いよね・・・」

レット「・・・あいつはもう戻らないぜ・・・」

クルー「え・・・?」

レット「あいつは最後の舞台に向かった・・・おそらくもう・・・」

クルー「そ、そんな・・・」

レット「だが受け入れろ・・・これが俺らの存在理由なんだからよ・・・」

クルー「でも・・・でも・・・!!」

レット「おい待て!!」

レットの制止をはらってクルーは何処かに向かった。

マット「どうしたのだ?」

レット「マットか・・・クルーの奴がリースを探しに出て行きやがった。」

マット「以外だな。お前が心配事なんか。」

レット「俺だって兄弟の心配くらいはするさ・・・ただ覚られたくないだけでな・・・」

マット「レット・・・」

レット「奴が終わったら次は俺だ。後始末は頼むぜ。」

マット「心得た・・・」







リース「・・・来たか。」

シアウェイズキャニオンで待つリースの元にチョコに乗ったダガーが到着した。

ダガー「・・・いよいよね・・・リース。」

リース「ああ・・・」

ダガー「みんなの為にも・・・私は絶対に・・・負けない・・・!!」

そう言ってダガーは剣を取った。

リース「そうか・・・では私も・・・全力で行かせて貰うぞ・・・!!」

そしてリースも剣を取った。

ダガー「手加減なんて抜きよ!!私は絶対にあなたを倒す!!」

リース「来い!!」

ガギン!!

二人の剣がぶつかり辺りに大きな音が響いた。

ダガー「はぁーーーー!!」

リース「うぉーーーー!!」







クルー「姉さん・・・何処なの・・・!!」

そしてその頃クルーはリースを探していた。

クルー「姉さん・・・」







氷「リースとガーネット=ティル=アレクサンドロスが戦いを始めたようです・・・」

キスカ「そうか・・・」

そのほぼ同時刻、何処か分からない場所でキスカとあの氷が密会していた。

氷「それと・・・羽が炎血を見張ってるのですが・・・気付き始めてるそうです。」

キスカ「やはりね・・・でもいつかは会わなくちゃいけない・・・この舞台のラストはどうなるのか・・・」

氷「上に知らせない理由は・・・やはり・・・」

キスカ「ああ・・・彼らは出来ればな・・・」

氷「そうですか・・・」

そして二人はその後も謎めいた会話をし続けた。




新たな仲間と力を手に入れ、決着をつけに出たダガー。コウが気付き始めてるカオスチャイルドの真意とは。そしてキスカ達との関わりは。このパズルの謎は今だ誰も知らない。
続く










あ と が き
結構長くなった話です。
当たらなきゃら出てきましたし。
謎も増え続ける一方ですね。
謎はいつか明るみへ現れるでしょう。
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