CRYSTAL MEMORY STORY
第二部 武器と運命の物語
第十五話 さよなら・・・
操り人形と化したダガーと戦う事になったジタン達。しかしジタンはマットからダガーを救う方法を得る為に一人マットに戦いを挑むのだった。
ジタン「てあっ!!」
マット「くぉっ!!」
ジタンとマットは外側の大陸でもの凄い戦いをしていた。
マット「腕を上げたなジタンよ!!」
ジタン「ありがとうな!!」
二人が戦っているのはかつてデザートエンプレスがあったキエラ砂漠であったので黒魔道士の村やコンデヤ・パタに被害は出ていなかった。
ジタン「おりゃーーー!!」
マット「何の!!」
辺りに尋常でない程巨大な砂埃を上げながら二人は仕掛けてはかわされ、かわした隙を付いて仕掛け、そしてかわされるを繰り返していた。
ジタン「くそう・・・目がチカチカするぜ・・・」
既に夜が明け・・・と言うか既に正午をまわっている為にジタンの体力も流石に限界を迎えつつあった。
マット「情けないぞジタンよ!!その程度で!!」
ジタン「てめぇが尋常じゃないんだよ!!俺は一応メンバー一持久力はあるんだぜ!!」
マット「だがその程度で!!」
ジタン「一々うるせぇ!!」
ミコト「兄さん・・・戻らないわね・・・」
ビビ「そだね・・・」
仲間達はジタンの帰りをアレクサンドリア城で待っていた。
コウ「まぁその内帰ってくるだろ。ほらエーコもう一回!!」
エーコ「えぇ〜・・・もう疲れたよう・・・死んじゃうよ〜・・・」
コウ「既に一回死んでるだろうが!!あと一時間!!」
エーコ「ふえぇ〜〜〜ん・・・(半泣き)」
コウはエーコの特訓の相手をしていた。(半強制的)
ビビ「大丈夫かなジタン・・・」
ミコト「兄さんに限って大丈夫よ。」
クイナ「でもマットの強さは計り知れないアルよ。」
ミコト「クイナいたの?」
クイナ「前回出ていなかったからってそれは酷いアル・・・」
ミコト「あら、ごめんなさいね。」
ビビ「所でネリクとマックスは?」
クイナ「もう大丈夫アルよ。ただしばらく戦いには参加させない方が良いアル・・・」
ミコト「よくよく思い返せば今まで全部仕掛けてきたのは全部レットよね・・・ネリクとマックスをやったのも、ビビを殺したのも・・・義姉さんをさらったのも・・・!!」
ビビ「ミコトお姉ちゃん・・・」
ミコト「それに私の事を『乳無しのメス猿』呼ばわり・・・あぁ〜〜〜!!絶対に倒してやるんだから〜〜〜〜!!」
クイナ「ど、どしたアル?」
ビビ「さ、さぁ・・・」
ミーナ「どうしたんですか?」
何処からかミーナがやって来た。
ビビ「ミーナ、ちょっとジタンの事を気にしてたんだ。」
ミーナ「ジタンさんですか・・・あの人は大丈夫でしょうけど・・・あのカオスチャイルドのマットとか言う方からとてつもない力を感じました・・・」
ビビ「うん・・・」
シルフ「ま、勝つにしても負けるにしても死にゃしないだろ。」
そして今度はシルフとマリーンが来た。
クイナ「シルフ、それにマリーンも。」
マリーン「マットが本当にジタンさんが言っていた様な奴なのであれば殺す事はまず無いでしょうね。」
シルフ「あの手の奴はどんな命令でも強い奴は殺しはしないからな。」
「甘いわね・・・」
ビビ「え!?」
ミコト「今の声・・・マイよね・・・?」
マイの声が聞こえたが辺りにマイはいなかった。と。
マイ「ここよ。」
クイナ「ヌッ!?」
マイがクイナの頭の上に現れた。
マイ「どんな奴でもあいつは敵なんだ・・・そんな考えじゃすぐに負けるわよ・・・」
シルフ「そこまで厳しく言わなくてもいいじゃねぇかよ。」
マイ「悪いわね。私はこんな人間なの。一応ね。」
ミコト「一応?」
マイ「アンタは知らなくて十分よ・・・母さんが死んだのはアンタのせいなんだから・・・」
ミコト「マイ・・・」
マイ「別に謝ってもらいたい訳じゃないからね・・・謝って母さんが帰って来る訳が無いんだから・・・」
ミコト「・・・」
ミーナ「マイ・・・言い過ぎよ・・・」
マイ「どう言おうと私の勝手でしょ・・・私から見たらミーナ姉がそいつと一緒にいられるのがどうかと思うよ・・・」
シルフ「その辺にしておけ。」
マイ「ふん・・・」
ミコトに対し嫌悪感を抱きマイはその場から消えた。
ミーナ「ごめんなさい・・・本当はあんな子じゃないんです・・・」
ミコト「ううん・・・ユフィが死んじゃったのは・・・私にも責任があるから・・・」
ミーナ「そんな事は・・・だからあの子の事・・・」
ミコト「分かってるわよ。」
コウ「何だ何だ?何の話だ?」
ビビ「もう終わったの?」
コウ「あれじゃあそう長く持たないからな。少し休ませるだけさ。」
エーコ「少しって・・・まだやんのぉ〜・・・?」
コウ「ティルはこの何倍もやってたぜ。特にお前は古の十七の武器なんだからそれよりも何倍も鍛えなくちゃいけないんだよ。」
エーコ「そ、そんなぁ〜・・・」
ビビ「コウ・・・それは分かるけどエーコはまだ十歳なんだ。僕からもお願いするから・・・」
コウ「あ〜わぁったよ。ったく・・・」
呆れながらコウはハルバートを背中に背負った。
エーコ「ありがとビビ・・・あたしはもう・・・だめぇ〜・・・」
そしてエーコは力尽きその場に倒れた。
ビビ「ああエーコ!!」
コウ「大丈夫かよこれで・・・」
クイナ「二人はまだまだ子供アル。それよかコウ、それ何アル?」
コウ「それ?」
クイナ「ちょうど右脇腹辺りに短剣の様な物が見えたアル。」
コウ「ああ・・・こいつね・・・」
コウのカラフル上着の右脇腹に少々古臭く、錆びれた短剣があった。
コウ「お守りみたいなもんだよ・・・」
クイナ「お守りアルか?」
コウ「ああ・・・」
「どうやら色々と盛り上がっているようだな・・・」
クイナ「フヌ?」
ミーナ「誰?」
何処からか声が聞こえた。
コウ「今の声・・・レイじゃないか?マリーン。」
マリーン「ええ・・・」
レイ「覚えてくれてたようだな。」
八人の近くにレイがいた。
クイナ「アンタがレイアルか?」
レイ「どうやら色々と知ってるようだな。」
ミコト「確かに義姉さんに似ている・・・」
レイ「そう言えばセーラ=レーンブールはどうしたんだ?」
コウ「ティルか・・・」
レイ「って。連れ去られたんだろ。大体は知ってる。」
ミーナ「ええ・・・」
コウ「そう言えばお前、あの事件の調査どうなんだ?」
レイ「どうやら殺った奴はもうこの星にはいないようだ。」
コウ「やっぱな・・・」
シルフ「事件?」
マリーン「後で教えるわ。」
レイ「俺はまだ探すつもりだ。だからここに来た。」
コウ「星間転移装置を使うのか。当てはあるのか?」
レイ「いつかはたどり着くだろう。どうせ俺はずっと暇なんだからな。」
コウ「ま、頑張ってくれよ。」
レイ「ああ・・・」
そう言ってレイは装置がある場所に向かった。
ビビ「聞いてた割にいい人みたいだけど・・・」
コウ「今はな・・・ってエーコ何処行った?」
その場全員「え?」
その場にエーコはいなかった。
シルフ「逃げたな・・・」
マリーン「かもね・・・」
コウ「いい度胸してるじゃねぇか・・・」
そう呟きながらコウは指の骨をバキバキならした。
ビビ「ど、どうしよう・・・」
コウ「ビビ・・・もしかくまったらお前も一緒にどうなるか・・・」
ビビ「さ、探してきます!!」
そう言ってビビはエーコを探しに出た。
コウ「さぁ〜てと・・・捕まったら何してやろうかな・・・?」
ミコト「コウ・・・何か怖い・・・」
ジタン「一体何の話してるんだ〜・・・?」
クイナ「お、ジタン。帰って来たアルか。」
疲労でボロボロになったジタンがやって来た。
ミコト「兄さん・・・大丈夫・・・?」
ジタン「ま、まぁな・・・」
コウ「で、ティルを助ける方法、分かったのか?」
ジタン「ああ・・・俺なら・・・俺にしか出来ないがな・・・でも今は休ませてくれ〜・・・」
そしてジタンはその場に倒れた。
ミコト「あ〜兄さん!!」
ミーナ「ミコトさん・・・一緒に家へ送ってあげましょうよ。」
ミコト「ええ。」
そしてミコトとミーナの手でジタンは家に送られた。
コウ「ジタンが目を覚ましたら一回みんなを集めよう。」
クイナ「賛成アル。」
シルフ「だな。でもセシル達は無理だろうな。」
コウ「仕方ないさ。」
クルー「お帰りなさい。」
マット「・・・」
リース「どうだった・・・?」
マット「決着つかず・・・持ち越しだ・・・」
リース「じゃなくてダガーを・・・」
マット「・・・あ奴は強くなった・・・」
リース「それだけで分かったよ。」
クルー「でも・・・どうやって助けるのかしら・・・」
マット「さぁな・・・」
ミコト「一雨来そうね・・・」
先程から数時間後、外が雨が降りそうな天気になりつつある時、皆はアレクサンドリア城のいつもの集合会議室にいた。
スタイナー「皆そろったようだな。」
ベアトリクス「それで、陛下をお救いになる方法は?」
フライヤ「私達は何をすれば良いのじゃ?」
ジタン「まぁ落ち着けって。彼女を救う方法は一つ・・・でも俺にしか出来ない方法だけどな・・・」
ビビ「それじゃあ僕らは・・・」
ジタン「もしあいつら・・・て言ってもレットぐらいだろうが仕掛けてきたら対応しておいてくれ。」
シルフ「分かったよ。」
ミコト「それで兄さんはどうするの・・・?」
ジタン「多分彼女は俺を殺しに来るだろうからその時に助けるさ。何としてもな・・・」
スタイナー「頼むぞジタン・・・」
ジタン「任せておけって。」
ミコト(兄さん・・・)
コウ(お前まさか・・・)
この時コウとミコトは何かを感じ取っていた。
ジタン「・・・とりあえず解散しよう。そろそろ雨が降ってきそうだ。」
エーコ「そうね。それじゃ。」
ビビ「さようなら。」
コウ「待てエーコ。」
エーコ「ギクッ!!」
コウ「分かってるよな・・・?」
エーコ「うぅ〜・・・」
ブランク「俺らはルビィとこ行ってるわ。」
マーカス「俺も行ってるッス。」
ミコト「え?ええ・・・」
シルフ「俺らは部屋にでも戻ってようぜ。」
シャイン「ああ。」
アーカム「いいでしょうね。」
そして皆その場から解散した。
ジタン「・・・すまないな・・・みんな・・・」
悲しそうな瞳で誰もいなくなった部屋にジタンは呟き、自身もそこから去った。
ダガー「・・・」
クルー「ダガーさん・・・」
ダガー「・・・」
クルー「・・・やっぱり・・・駄目なの・・・」
ダガーに意識は無く、眠っていた。
レット「あん?どうした?」
クルー「レット・・・何でもないよ・・・」
レット「ま、ならいいがな。」
クルー「どうするの?」
レット「こいつを出すのよ。」
クルー「もしかしてジタンを・・・!?」
レット「モチよ。オラ起きやがれ!!」
ゲシッ!!
ダガー「・・・?」
レットは思いきり蹴ってダガーを起こした。
レット「よ〜し。さっさとジタンを殺して来い!!」
ダガー「・・・」
何も言わずにダガーは出発した。
レット「さ〜てと・・・俺もいっちょ行ってくるか。」
クルー「そう・・・」
レット「あっちからいい物が現物で来るっつうからそいつの能力拝見も兼ねて行って来るぜ!!あばよ!!」
そしてレットもその場から消えた。
クルー「・・・」
エーコ「うぅ〜・・・体中痛いよう・・・」
ビビ「だ、大丈夫・・・?」
エーコ「大丈夫じゃな〜い・・・」
ビビとエーコはリンドブルム城の一室(エーコの部屋)にいた。
エーコ「コウの奴・・・やりすぎなのよ〜・・・あたた!!」
ビビ「しばらく寝てたら?」
エーコ「でもそうなるとお風呂に入れないよう・・・」
ビビ「しょうがないよ。体が一番大切なんだから休んでなよ。」
エーコ「うぅ〜・・・分かった・・・」
そしてエーコは眠った。
ビビ「ふぅ〜・・・凄い雨だな〜・・・星が見えないや・・・」
時間帯的に夜中だが大雨で何も見えてなかった。
ビビ「ジタン・・・どうやってお姉ちゃんを助けるんだろう・・・ふあぁ〜・・・僕も寝よう・・・」
そしてビビもエーコの隣で眠りについた。
シルフ「・・・やっぱり誰か持ってる奴がいるんだな・・・」
シルフは自分達の部屋でアガスティアの葉を見ていた。
シルフ「一体誰が・・・」
マリーン「・・・シルフ・・・」
シルフ「あ、悪ぃ起こしちまったか。」
マリーン「ううん・・・ずっと起きてたの・・・」
シルフ「え?」
マリーンはそっと後ろからシルフに抱きついた。
シルフ「マリーン・・・?」
マリーン「シルフ・・・怖いの私・・・あなたがその葉を手に入れてから・・・私達の前からいなくなってって・・・」
シルフ「マリーン・・・」
マリーン「お願い・・・あなたの戦いが終わっていないのなら私にも手伝わせて・・・」
シルフ「マリーン・・・嬉しいけど・・・俺の事だから・・・」
マリーン「そうじゃないの・・・少しでも早く・・・前のように普通に暮らしたいだけ・・・だから・・・」
シルフ「・・・分かったよ・・・」
そしてシルフは振り向いマリーンを抱きしめた。
シルフ「出来る限り頑張るから・・・マリーンは俺が守るから・・・頼むな・・・」
マリーン「うん・・・」
そして二人は互いの唇を近づけた。
コウ「おっし・・・これくらいあれば十分か。」
コウは自分の家で大量にエリクサーを作っていた。
コウ「うっ・・・くぁ〜・・・あ〜・・・」
コウは体を伸ばし首の骨を鳴らした。
コウ「それにしても凄い雨だな・・・あの日以上かな・・・?」
悲しげな瞳でコウは自分の右腕を見た。
コウ「あの日も・・・こんな雨だったよな・・・みんな・・・」
ルビィ「・・・」
ブランク「何だ。まだ寝ないのか?」
ルビィ「うん・・・何か嫌な感じがしてな・・・」
ブランク「気のせいだろ?寝不足は体に悪いから早く寝ろよな。」
ルビィ「ああ・・・」
ミーナ「なんだろう・・・とても嫌な感じが・・・ジタンさん・・・大丈夫かしら・・・」
仲間達の一部がこれから起きるかもしれない事に感付きつつあった。
ジタン「・・・」
その時ジタンは自分の家で風呂に入っていた。
ジタン「助ける方法は一つ・・・おそらく解くチャンスは・・・」
「・・・兄さん・・・?」
ジタン「ミコトか?」
ミコト「・・・一緒に・・・いい?」
ジタン「なっ!?」
ミコト「お願い・・・」
ジタン「・・・目瞑ってるから・・・入るなら入れよ・・・」
ミコト「うん・・・」
そしてジタンは目を瞑った。
ミコト「いいわよ・・・」
ジタン「おう・・・」
ジタンが目を開けると隣にミコトがいた。(水着着用中)
ジタン「一体どうしたんだ?」
ミコト「兄さん・・・」
ジタン「・・・ミコト・・・?」
ミコトの目には涙が溢れていた。
ミコト「兄さん・・・死ぬつもりじゃ・・・無いよね・・・?」
ジタン「ミコト・・・」
ミコト「私だって気付かない程馬鹿じゃないわ・・・兄さんは・・・」
ジタン「・・・」
ジタンは何も言わずにミコトを抱きしめた。
ジタン「例えその先を知ってても・・・受け入れてくれ・・・避けられない道ってのは誰にでもあるんだ・・・」
ミコト「兄さん・・・!!」
ジタン「俺に甘えたいんなら今の内だぜ・・・もうすぐ俺は出発するから・・・」
ミコト「兄さん・・・うっ・・・うう・・・うわぁーーーーん!!」
ジタンの腕の中でミコトは大きな声で泣き出した。
ジタン「よしよし・・・」
ミコト「うわぁーーーーん!!」
その時ジタンに聞こえていたのは外の雨音よりも今自分の腕の中で泣いているミコトの泣き声だけであった。
リース「クルー・・・」
クルー「敵は倒さなくちゃいけない・・・そうだよね姉さん・・・」
リース「・・・」
クルー「だったらどうして・・・僕はこんなに苦しいの・・・?」
リース「それはお前が優しいからだよ・・・」
クルー「でも・・・僕らに心なんていらないはずだよね・・・ただジタン達を殺す為に生み出された僕達に・・・」
リース「・・・必要無い物なんて無い・・・」
クルー「・・・?」
リース「私達に心があるのは・・・必要だからあるのだ・・・」
クルー「姉さん・・・」
リース「いつか必要となるのだろう・・・私達の心は・・・」
クルー「・・・そうなのかな・・・ジタン・・・」
ジタン「それじゃあ・・・行ってくるよ・・・」
クジャ「ああ・・・」
ジタン「後の事は頼むな・・・」
クジャ「分かってるよ・・・」
ジタン「それじゃ・・・」
そしてジタンは雨の中、何処かに向かった。
シルフ「何やってんだクラーク?」
シルフは昔の夢を見ているようだ。
クラーク(若かりし頃)「ああ、かなり昔に消えたって言う魔法を使えるようになりたくてな。」
シルフ「昔に消えた魔法?それって確か・・・」
クラーク「ああ。だけどメイスオブゼウスがあるから魔力だけで十分なんだよ。」
シルフ「そうなのか?あれは確か魔力と同時に・・・」
シルフ「はっ!!」
シルフは夢の途中で何かを思い出したらしく目を覚ました。
シルフ「はぁはぁ・・・どうして今頃こんな夢を・・・」
マリーン「どうしたのシルフ・・・」
シルフ「いや、何でもない・・・と思う・・・」
マリーン「そう・・・?」
シルフ「でも・・・まさか!?」
シルフはベットから飛び起き自分の装備を持って部屋を飛び出した。
マリーン「ど、どうしたの!?待って!!」
そしてマリーンも後を追った。
シャイン「な、何だぁ〜・・・?」
アーカム「何事です・・・」
コウ「ん?」
コウは違和感を感じ懐から板のような物を取り出した。
コウ「・・・な!?マジかよ・・・!!」
コウは板に書かれていた文字を読みハルバートを手に取り外に飛び出した。
コウ「嫌な予感が当たっちまったか・・・!!」
ビビ「ZZZ・・・」
ビビはエーコのすぐ横で眠っていた。と。
(ビビ・・・)
誰かがビビを呼んだ。
ビビ「だ、誰・・・?」
(お前の仲間が危機に陥っている・・・早く助けるのだ・・・)
ビビ「な、仲間・・・それよりあなたは・・・?」
(自ずと分かるだろう・・・早くするのだ・・・お前達を救った仲間の為に・・・)
ビビ「救った仲間・・・ジタン!?」
エーコ「どしたのよぉ〜・・・?」
エーコも目を覚ました。
(早く行くのだ・・・我が息子・・・ビビ・・・)
ビビ「!?も、もしかして父さん!?」
しかしその声はもうしなかった。
エーコ「何なのよもう・・・」
ビビ「分かんない・・・でも・・・ジタンに何か起ころうとしてるんだ・・・」
エーコ「ええ!?」
ビビ「行こう!!」
エーコ「うん!!」
そして二人も走り出した。
ジタン「・・・来たか・・・」
ダガー「・・・」
二人はいつの間にかマダイン・サリの近くに来ていた。
ジタン「俺らにとって縁のある地・・・あの花畑があったここが・・・俺らの決着をつける場所になるなんてな・・・」
ダガー「・・・」
ダガーは何も言わずに剣を取った。
ジタン「やっぱり・・・避けられないか・・・しょうがない・・・」
ジタンは冷静にアルテマウェポンを出し、右手で持った。
ジタン「今元に戻してやるからな・・・!!」
ダガー「!!」
ガギン!!
二人の武器がぶつかり辺りに凄い衝撃が走った。
ジタン「うおぉーーー!!」
ダガー「!!」
シルフ「そう言えばあいつって何処に住んでるんだ・・・!!」
シルフとマリーンはジタンの家を探していた。と。
コウ「シルフ!?」
遠くからコウがやって来た。
コウ「どうした!?」
シルフ「ジタンに何か起こってるのかもしれない・・・それであいつの家を探してるんだが・・・」
コウ「俺も同じだ!!」
マリーン「それでジタンの家は・・・!?」
コウ「とりあえずみんなにはまだ伝えて無いからすぐには・・・!?」
シルフ「何だ!?」
マリーン「ゾ、ゾンビ!?」
コウ達の周りに大量のゾンビがいた。
コウ「レットの奴か・・・!!くそっ!!」
それぞれ自分の武器を持った。と。
ゾンビの群れ「ボァ〜・・・」
ゾンビどもの頭が破裂し始めた。
ミーナ「大丈夫ですか!?」
コウ「ミーナ!?それにみんなも!!」
コウ達の元に他の仲間達が揃った。
シャイン「お前らがいきなり飛び出したからよ。」
アーカム「もしやと思って皆さんを呼んだのです。」
フライヤ「で、ジタンはどうしたのじゃ?」
コウ「分かんない・・・でもとても嫌な予感がする・・・」
シルフ「あいつ家に行こうと思ってるんだが・・・」
クジャ「彼はいないよ・・・」
フラットレイ「クジャ!?」
ブランク「いないってどう言う事だよ!?」
クジャ「彼はもうダガーを助ける為に出発したよ・・・」
ミコト「・・・」
マーカス「ミコトさん・・・ジタンさんは何処に行ったんスか?」
ミコト「分かんない・・・でも・・・でも兄さんは・・・」
コウ「あいつは一体何処に行ったんだ・・・」
スタイナー「おや?そう言えばビビ殿とエーコ殿は?」
ベアトリクス「そう言えば・・・」
クイナ「いないアル・・・ヌフ?」
サラマンダー「ヒルダガルデ三号・・・?あの二人か・・・?」
皆の頭上にヒルダガルデが止まり、縄梯子でビビとエーコが降りて来た。
ビビ「みんな!!」
コウ「ビビエーコ!!どうしてここに!?」
ビビ「声が・・・いや、何か嫌な予感がして・・・」
エーコ「それでジタンはどうしたの!?」
コウ「分からないんだ・・・」
ビビ「そんな・・・」
エーコ「どうしたらいいの・・・」
シルフ「アガスティアの葉もこんな時に限っていい反応が無いし・・・」
コウ「アガスティアの葉だって・・・!?」
シルフ「どうした?」
コウ「や、何でも・・・」
シルフ(まさかお前が・・・?)
ビビ「でもどうしたらいいんだろうか・・・」
ミーナ「それに・・・またゾンビが増えてきましたしね・・・!!」
仲間達「!?」
再び周りに大量のゾンビが来ていた。
サラマンダー「やばいな・・・」
コウ「待てよ・・・クジャ、お前ならジタンの居場所分かるんじゃないのか!?」
クジャ「確かに分かるけど・・・もしかしたら間に合わないかもしれないよ?」
コウ「それでだっていい!!教えてくれ!!」
クジャ「・・・外側の大陸、マダイン・サリの近くにいる・・・」
コウ「よし行こう!!」
エーコ「うん!!」
シルフ「ああ!!」
「そうは行かせないっての!!」
ミコト「レット!?」
皆の近くにレットが現れた。
レット「てめぇをあいつのとこに行かす訳にはいかないんでね!!」
コウ「こんな時に・・・!!」
スタイナー「・・・コウ達は先に行け!!」
コウ「!?」
フラットレイ「ここは私達が受ける!!その内にコウ、ビビエーコ、シルフ達は行くのだ!!」
コウ「お前ら・・・分かった!!」
シャイン「俺らも残る!!」
アーカム「シルフとマリーンだけでも行ってください!!」
ミコト「・・・やっぱりもう一度兄さんに会いたい・・・!!私も行く!!」
マーカス「だったら俺も!!」
ミーナ「私も行くわ!!」
レット「行かせねぇって言って!?」
バシシッ!!
レット「のぉ!?」
レットが後ろから何者かに蹴り飛ばされた。
「何なのよこいつ・・・」
「知らないな・・・」
ミーナ「マイ!?」
コウ「レイどうして!?」
蹴り飛ばしたのはマイとレイであった。
レイ「嫌な感じがして残ってたんだよ。」
マイ「何となくね・・・」
マレ「で、どうしたんだ?」
コウ「簡単に言えば・・・って事だ。」
マイ「なるほどね・・・私も付き合ってやるよ。」
ミーナ「マイ!?」
マイ「どうしようと私の勝手でしょ・・・」
ミーナ「・・・ありがとう・・・!!」
レイ「だったら俺も行く。何かいい感じがしないからな。」
コウ「悪いな・・・」
レイ「・・・」
フライヤ「話はまとまったようじゃな・・・お主ら十人でジタンの元へ行くが良い!!」
コウ「頼むみんな!!」
そして十人はヒルダガルデに乗り込みジタンの元に向かった。
レット「けっ・・・仲間想いだもんだな・・・そう言うのはムカつくんだよ!!」
クイナ「行くアル!!」
ジタン「はあっ!!」
ダガー「!!」
二人はまだ戦っていた。
ジタン「くっ・・・中々チャンスがこないな・・・」
ダガー「・・・!!」
ダガーはアトモスを召喚した。
ジタン「今度はアトモスか・・・!!」
アトモス「ガァ・・・!!」
アトモスはジタンを吸い込みだした。
ジタン「この程度・・・はぁーーー!!」
ジタンは吸い込まれた勢いを生かし、高くジャンプした。
ジタン「うぉらーーーー!!」
ズヴァッ!!
ジタンの一撃でアトモスは真っ二つにされアメジストに戻った。
ダガー「・・・」
ジタン「やっぱ彼女の召喚獣を倒すのはきついな・・・イフリートにシヴァ・・・リヴァイアサンもやっちまった・・・ラムウはこないだろうが・・・まだあの三体が残っているし・・・」
ダガー「・・・!!」
そしてダガーはオーディンを召喚した。
ジタン「オーディンか・・・あいつの為に倒したくない・・・だから!!」
ジタンは一気にオーディンの方に向かい走り出した。
ジタン「目指すは一点!!斬鉄剣のみ!!」
オーディン「!?」
ジタン「どりゃあ!!」
ガギーーーン!!
ジタンはオーディンの斬鉄剣を斬り砕いた。
ダガー「!!」
ダガーはすぐにオーディンを戻した。
ジタン「俺に召喚獣は通用しないぜ・・・諦めるんだな!!」
ダガー「!!」
コウ「まだか・・・!!」
コウ達はヒルダガルデでジタン達がいる場所へ向かっていた。
ミコト「・・・私間違ってた・・・兄さんとずっと一緒にいたいのに・・・止めようとしなかった・・・」
マーカス「ミコトさん・・・辛いかもしれないッスが過去にとらわれちゃ駄目ッス・・・」
ミコト「マーカス・・・」
ミコトは一度マーカスを見つめ、彼の胸に顔を埋めた。
マイ「過去にとらわれちゃ・・・か・・・」
ミーナ「マイ・・・」
ビビ「ジタン・・・大丈夫かな・・・」
エーコ「ジタンはあたし達を助けてくれたんだ・・・だから今度は・・・」
シルフ「だがあいつ・・・もしかしたら死ぬつもりで・・・」
エーコ「シルフどう言う事!?」
シルフ「多分ダガーを操ってる方法が古い魔法なら・・・解く方法は一つだけだ・・・」
コウ「デスペルか・・・」
ビビ「デスペルってシルフが言ってた魔法の?」
シルフ「知ってたのか?」
コウ「前に本を読んで知った・・・古代に消えた魔法は・・・魔力と同時に命を消費するって・・・」
マリーン「命!?」
エーコ「ちょっと待ってよ!!それじゃあクラークさんは!?」
シルフ「あいつはメイスオブゼウスがあったのとオメガの封印を見張ると言う事で命は消費されないんだろう・・・」
エーコ「でもさ!!ジタンって魔法使えないでしょ!?」
コウ「いや・・・もしかしたら・・・」
ビビ「どう言う事なの!?」
コウ「今ここで言ったら・・・何かが崩れそうだからいつかな・・・」
ビビ「分かった・・・」
レイ「だがこう言うのはすんなり行けるとは限らないぜ・・・」
ミコト「え・・・?」
レイが怪しげな事を呟いたその時。
グアァーーー!!
ヒルダガルデが突然大きく揺れた。
エーコ「きゃっ!!」
ビビ「な、何!?」
エリン「よく分かりません!!ですがここから進むのは危険です!!」
コウ「ちっ!!降りて走るしかないな・・・!!」
エリン「分かりました!!」
そしてヒルダガルデはその位置に着陸した。
ビビ「こっからまだあるだろうけど・・・急ごう!!」
ミコト「ええ!!」
そして十人は走り出した。と。
?「悪いが・・・お前達を行かせる訳にはいかない・・・」
レイ「誰だ!!」
十人の前に少々ロングでブロンドの金髪に青い瞳、青いズボンに青いコートを着た女性が現れた。
女性「久しぶりね・・・炎血・・・」
コウ「氷・・・!!貴様がどうして!?」
どうやらコウはこの女性、氷の事を知っているようだ。
氷「すまないがお前達をあ奴の元に行かせる訳にはいかない・・・」
エーコ「何よアンタ!!カオスチャイルドの仲間なの!?」
氷「仲間か・・・そう言えばそうなるだろうが・・・奴らと私達は違う・・・だが、今は敵対関係にあると言う事は変わりない・・・」
コウ「・・・みんなは先に行ってくれ・・・」
ミコト「コウ!?」
コウ「こいつは・・・俺が相手する・・・だから先に・・・」
氷「聞こえなかったのか・・・?行かせはしないと言ったろう・・・」
マイ「!?この気配・・・!!」
ミーナ「な、何なの!?」
突然氷の後ろの方から人間のようで人間とは思えないようなものが大量に現れた。
シルフ「な、何だこいつら・・・!?お前は!!」
シルフはその内の一人を見て驚いた。
マイ「キュライヤ・・・!!」
キュライヤ「グヴォァ〜・・・!!」
そこにはかつてシルフが倒した吸血鬼キュライヤがいた。
シルフ「てことはこいつら全員吸血鬼か!!」
氷「当たりだ・・・お前達にはこいつらの相手をしてもらう・・・それと保険として・・・」
喋りながら氷は右腰にある鞘から刃の無い刀を取り出した。
氷「出られないようにしておこう!!」
氷が力を入れると刀に氷の刃が出来、それを地面に突き刺した。と。
ガチーーーン!!
マーカス「うぉあ!!」
皆の周りに大きな氷の壁が発生した。
エーコ「何なのこれ!?」
コウ「簡単な事だ・・・あいつが辺りの空気や水分を氷の刀・・・
アイスエレメンタル
で固めたんだよ・・・」
ビビ「もしかしてエレメンタルウェポン・・・?」
コウ「ああ・・・」
エーコ「てかコウってあいつと知り合いなの?」
コウ「悪いが・・・今は教えらんねぇ・・・」
エーコ「何でよぉ!!」
コウ「今それを知ったら・・・それは死を意味するぜ・・・」
エーコ「ま、またそんな冗談を・・・?」
コウ「・・・」
コウの目は本気だった。
エーコ「コ、コウ・・・?」
コウ「みんなは他の奴らをやっててくれ・・・」
シルフ「あ、ああ・・・」
氷「・・・アレは使わないのか・・・」
コウ「アレを使う相手は一人だけだ・・・お前じゃない・・・」
氷「そうか・・・行くぞ!!」
コウ「来い!!」
そしてコウと氷は戦い始めた。
ミーナ「うわっ!!」
ミコト「ミーナ大丈夫!?」
ミーナ「な、なんとかね・・・」
エーコ「なんなのよこいつら!?」
シルフとマリーン以外はキュライヤの分身とも言える吸血鬼と戦っていた。
マイ「どれだけウザイのよ!!」
吸血鬼「ヴォァ〜〜!!」
マーカス「あぶなっ!!」
シルフ「くそう〜・・・あの時倒したはずなのによ!!」
ゴヴァーーー!!
キュライヤ「グヴォッ!!」
シルフはクリスタルクレイモアを放ったが宙に浮いてかわされた。
シルフ「ちっ!!」
キュライヤ「ギヤァーーー!!」
シルフ「おっと!!」
ミコト「どうすればいいのかしら・・・!!」
マイ「こんなやつら頭を潰せばそれで終わりよ!!てやっ!!」
ザシュッ!!
吸血鬼「グォゥ・・・」
マイに頭を切られた吸血鬼はその場に砂となって消えた。
ミーナ「なるほどね!!」
そしてミーナも矢を取り射る体制を取った。
ミーナ「五月雨!!」
ミーナが矢を射るとその場から矢が分裂し大きく広がり大量の吸血鬼の頭に刺さった。
ミコト「そんな技持ってたんだ・・・」
ミーナ「一応ね。」
エーコ「そんな事言ってないでちゃんと戦ってよ!!あだだ!!」
エーコは筋肉痛でまともに戦えてなかった。
マーカス「俺だってこれと言った特技無いから辛いッス!!」
氷「新しい仲間が苦戦してるよ。助けに行かないのかい?」
コウ「てめぇを倒したら行くさ・・・!!」
氷「そうですか!!」
コウ「ああ!!」
レイ「あいつ・・・一体・・・」
マイ「アンタよそ見してる暇あるの!?」
レイ「そんな事言ってる暇あったらお前も戦え!!」
ミコト「ケンカしてるんじゃないの!!」
マレ「・・・」
ミコト「それにしても数が・・・」
ミーナ「ええ・・・こうなったら!!」
ミーナは矢を取り、上に向けた。
ミーナ「時雨!!」
そしてその矢を上に放った。すると。
ビビ「うわっ!!」
空から雨のごとく矢が大量に降って来た。
エーコ「危なっ!!」
レイ「うおっ!!」
吸血鬼達「ヴォァ〜・・・」
降り注いだ矢で吸血鬼が少し倒された。
エーコ「あ、危ない・・・」
ビビ「で、でも少しは倒せたね・・・」
シルフ「あっちは大方か片付いたようだな。だったらこっちも終わらせなくちゃな!!」
そう言ってシルフはアルテマウェポンに力を込めた。
シルフ「もう一度やられちまえ!!フェアリーエンド!!」
パシューーー!!
シルフが唱えるとアルテマウェポンから妖精のような形をした光が現れ通り抜けるようにキュライヤの体を貫通した。
キュライヤ「グゴッ・・・」
シルフ「ふう・・・」
コウ「どうやらあっちの方は片が付いたようだな。」
氷「だからどうしたというのだ?」
コウ「勿論・・・ここを突破させてもらうのさ!!」
氷「なっ!?」
コウは回し蹴り氷にかましたがかわされた。
コウ「悪いな!!」
コウは素早くグローブを外し六芒星を画いた。
コウ「おら!!」
ジュバーーー!!
コウの錬金術で氷が水に変化し壁が無くなった。
コウ「行くぜ!!」
氷「フッ・・・私の負けか・・・」
氷は追おうとせずその場から去った。
ジタン「はぁ・・・はぁ・・・」
ダガー「・・・」
二人はずっと戦い続けて疲労が溜まり、体の数箇所に傷が出来ていた。
ジタン「さ、流石にそう簡単に隙を見せてはくれないか・・・」
ダガー「・・・」
しかしダガーは操られてるのでそんな事は気にせずに剣を振り上げた。
ジタン「クライムハザード辺りか・・・今のあいつじゃ隙が出来るとは思えない・・・だがやるしかないな!!」
ダガー「・・・」
そしてダガーはジタンに向けてクライムハザードを放った。
ジタン「フリーエナジー!!」
そしてジタンもフリーエナジーをダガーに向けて放った。
ボガーーーーン!!
ジタン「くっ!!」
ダガー「!!」
辺りに凄い爆風が生じた。
コウ「あそこか!!」
そしてコウ達がすぐ近くに来ていた。
ビビ「急ごう!!」
ジタン「くっ・・・」
ダガー「・・・!!」
クライムハザードを放った直後だがダガーはジタンに襲い掛かった。
ジタン「どう見たってあの戦い方は彼女にとってはオーバーロードだ・・・このまま続けたら確実に・・・こうなったら・・・!!」
何かを思いつきジタンはアルテマウェポンを左手に持ち、右手に力を込めた。
ジタン「くぅ・・・」
力を込めると右手に光が現れたが、同時にジタンは苦しみだした。
ジタン「チャンスは一回きり・・・ここにかける!!」
そしてジタンもダガーに向かい走り出した。
コウ「いた!!」
エーコ「ちょっとまた本気でやってるよ!!」
ビビ「止めよう!!」
ミコト「当たり前よ!!」
そして皆二人の所に向かい走り出した。
ダガー「・・・」
ダガーは剣先をジタンに向け突きの姿勢を取った。
ジタン「位置的に刺さる場所は・・・でもやるしかない!!」
そしてジタンも右腕を少し引き、構えた。
コウ「ティルよせーーーー!!」
ミコト「兄さーーーーん!!」
ジタン「あいつら・・・悪いな・・・」
ダガー「・・・」
そして二人はすぐ側まで近づいた。
ビビ「止めてよーーー!!」
エーコ「ジタン!!ダガー!!」
ジタン(あばよ・・・!!)
ダガー「・・・!!」
ザシュッ!!
ミコト「!!」
エーコ「やっ・・・!!」
ミーナ「ああ・・・」
ジタン「ぐふっ・・・!!」
ダガーの剣がジタンの左胸、ちょうど心臓辺りを貫いた。
ジタン「この瞬間を・・・待ってたぜ・・・!!」
ダガー「!?」
そしてジタンは右腕をダガーの心臓辺りに押し付けた。
ジタン「元に・・・戻れぇ!!デスペルーーー!!」
ドグン!!
ダガー「!!」
もの凄い衝撃がダガーの体の中を通り、その場に倒れた。
ジタン「ぐっ・・・」
同時にジタンもその場に倒れた。
コウ「マジかよ・・・ジタン!!ティル!!」
そしてコウ達は二人の下に駆け寄った。
ジタン「よ、よう・・・」
ミコト「兄さん・・・お願い死なないで・・・!!」
ジタン「ちょっと今回は厳しいかな・・・?」
ミーナ「ジタンさん!!」
ジタン「ミーナ・・・あんまり自分を責めるなよ・・・」
マーカス「ジタンさん・・・」
ジタン「マーカス・・・約束は・・・」
マーカス「・・・分かったッス・・・!!」
レイ「・・・何だこの感じ・・・これが・・・死・・・?」
マイ「・・・」
シルフ「ジタン・・・お前は・・・」
マリーン「そんな・・・」
ジタン「シルフ・・・マリーン・・・本当にちょっとの間だったな・・・」
エーコ「い、嫌よ・・・」
ビビ「ジタン・・・」
ジタン「ビビ・・・エーコ・・・お前らの結婚式を見るの楽しみだったけど・・・もう無理だな・・・」
コウ「・・・」
ジタン「コウ・・・彼女は・・・?」
コウ「・・・大丈夫だ・・・」
ダガー「・・・ん?」
そしてダガーが目を覚ました。
ダガー「み、みんな・・・一体どうし・・・!!ライフ!!」
そしてダガーもジタンの側に駆け寄った。
ジタン「よ、ちゃんと助けたぜ・・・」
ダガー「この剣・・・もしかして私が・・・!!」
ジタン「気にすんなって・・・」
ダガー「う、嘘・・・私が・・・私がライフを・・・!?」
ジタン「セーラ・・・ちゃんと俺の話を・・・」
ダガー「そ、そんな・・・」
ダガーは錯乱状態に陥りパニクっていた。
コウ「ティル・・・」
ダガー「い、嫌・・・私なんて事を・・・!!」
コウ「ティル!!」
バチーン!!
ダガー「うっ!!」
コウがダガーに平手打ちをした。
ジタン「コウ・・・」
ダガー「コ、コウ・・・?」
コウ「・・・ちゃんとジタンの話を聞けよ・・・」
ジタン「サ、サンキュ・・・」
ダガー「・・・」
ジタン「セーラ・・・俺はもう・・・だから・・・ちゃんとリリスとルシアスを・・・」
ダガー「死なないでよ・・・お願いだから・・・!!」
ジタン「流石に俺でも無理だな・・・コウ、頼みがある・・・」
コウ「何だ・・・?」
ジタン「お前なら・・・任せれる・・・セーラを・・・頼むな・・・」
コウ「・・・ああ。」
ジタン「セーラ・・・」
ダガー「うっうっ・・・」
ジタン「式挙げれなくてごめんな・・・俺の分も・・・幸せに・・・生きて・・・」
ダガー「ライフ!!」
ジタン「・・・」
コウ「・・・さよなら・・・ジタン・・・」
ダガー「いやぁーーーーーー!!」
エーコ「ビビ・・・う、うえーーーん!!」
ビビ「・・・」
ミコト「兄さん・・・うくっ・・・!!」
マーカス「・・・ジタンさんの変わりになるか分かんないけど・・・俺の胸でよかったら・・・」
ミコト「マー・・・カス・・・うわぁーーーー!!」
ミーナ「ジタンさん・・・!!」
マイ「・・・」
レイ「これが・・・死・・・命の重さ・・・」
シルフ「・・・」
マリーン「・・・シルフ・・・」
皆ジタンの死に悲しんだ。
ダガー「ライフーーーーー!!」
皆の鳴き声は雨よりも響き、辺りに響いた。
ダガーを正気に戻したがその代償はあまりにも大きかった。彼女を助ける為に散ったジタン・・・果たしてこの物語はどうなって行くのか?
続く
あ と が き
こ、今度はジタンが・・・
大変な事になってきましたよ〜
ちなみにミコトが風呂に入ったシーン。
初めは水着無しだったのよ。
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