CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第十四話 マリオネット


レットの策略によりダガーが捕らえられ連れ去られた。ダガーの運命はいかに・・・

ジタン「・・・」

ジタンはアレクサンドリア城の一室の窓際にリリスを抱いて外を見つめていた。

ジタン「セーラ・・・」

リリス「ねぇぱぱ?ままはどうしたの?」

ジタン「ママはちょっと出掛けてるんだ。すぐに戻ってくるよ。」

リリス「ほんとう?」

ジタン「ああ・・・本当さ・・・」





コウ「・・・いつもならティルが剣の稽古を頼んでくる時間なのにな・・・」

仲間達「・・・」

ビビ「お姉ちゃん・・・大丈夫だよね・・・」

サラマンダー「どうだろうな・・・現実は厳しい物だ・・・」

スタイナー「貴様!!」

スタイナーはサラマンダーの胸倉を掴んだ。

スタイナー「陛下が死んだと言うのか!?」

サラマンダー「敵に捕まったんだ。最悪の場合も考えとけ・・・」

スタイナー「何を!!」

フラットレイ「よすのだ二人とも!!」

スサ「・・・」

ブランク「だが、そんな事もあるかも知れないって事は確かだ・・・」

ラニ「でもさ・・・」

シナ「最初っから最悪のパターンを考えておいた方がいいズラ・・・」

フライヤ「しかしの!!」

ベアトリクス「どうして陛下が・・・」

マーカス「こんな事言うのは何スが・・・過ぎた事を言うのは・・・」

エーコ「しょうがないって言うの!?仲間なのに!?」

コウ「お前らいい加減にしろ!!」

仲間達「!?」

コウ「俺だっていつまで冷静にしてられるか分かんねぇからな・・・」

仲間達「・・・」

ミコト「・・・」

ミコトは今の仲間達を悲しい目で見つめた。

ミコト(義姉さんがレットに連れ去られてから二日が経った・・・兄さんはあの日から笑顔が消え・・・みんなも心が荒み始めていざこざが起きる様になった・・・私達の間でも、一番冷静だったコウがみんなをなだめているけど・・・そう長くは持たないと思う・・・私も兄さんもコウも・・・みんなも・・・義姉さんがいなくなって・・・)

マーカス「ミコトさん・・・ミコトさん?」

ミコト「え・・・?」

マーカス「大丈夫ッスか・・・?」

ミコト「え、ええ・・・」

マーカス「・・・」





シルフ「あいつら・・・大丈夫だろうか・・・?」

マリーン「さぁ・・・」

シルフ達も今の仲間達を気にかけていた。

シャイン「一体どうなるのかな・・・」

アーカム「一番悪くて内部崩壊・・・でしょうね・・・」

シルフ「そうさせないようにしねぇとな・・・」

セシル「そうだね・・・」

シルフ「セシル?」

セシル「ジタンが連絡をくれたんです。何でも六人の中でも冷静だからとかで。」

シルフ「そっか。」

セシル「大体はジタンとミコト、それにコウって人から聞いたよ・・・ダガーがあの黄色いのに連れ去られたんだってね・・・」

マリーン「はい・・・」

シャイン「そう言えばそっちはどうなんだ?」

セシル「モンスターが大量に発生してね・・・大変だよ。」

アーカム「となると他の五人は救援に来れそうに無いですね・・・」

セシル「いや、ロックはカオスチャイルドが何処にいるのか単独で捜索しています。おそらくガイアにはいると思いますよ。」

シャイン「だけど今の状況・・・」

アーカム「とてもじゃないけどこっちが不利・・・」

マリーン「何とかしないとね。」

シルフ「ああ・・・」







ロック「忘れられた大陸・・・いるんだとしたらこの辺なのかもしれないな・・・」

ロックは一人忘れられた大陸にいた。

ロック「まったくあいつらは何処にいるのやら・・・お?」

ロックは何かを見つけた。

ロック「ありゃ・・・ダガーか?」

遥か遠くにダガーらしき人物がいた。

ロック「連れ去られたんじゃ・・・あ!!」

ダガーの後ろにドラゴンゾンビが迫っていた。

ロック「危ない!!」

ロックはダガーを助けようと走り出そうとした。が。

ロック「なっ!?」

ダガーは一撃でドラゴンゾンビを倒した。

ロック「な、どうなってるんだあの強さ・・・お?」

そしてロックはダガーの近くに何者かが現れたのを見た。

ロック「ありゃあレットだったか・・・?まさか・・・」

そしてダガーとレットらしき人物はそこから消えた。

ロック「こりゃやばそうだな・・・あいつらに連絡しとこう・・・」

そう言ってロックは忘れられた大陸を発った。







ルビィ「みんなの様子はどうなん?」

コウ「いつまで持つか分かんないな・・・クイナはネリクとマックスの看病に当たってるからいざこざを起こす事は無いだろうけど・・・」

シルフ「早いとこダガーを助けなくちゃな・・・」

ミコト「兄さんもずっとあのままだし・・・」

セシル「ロックは今頃何処で何をしてるんだろう・・・」

シャイン「おい。アレロックじゃないか?」

アーカム「こちらに小型飛空挺が近づいて来ますよ。」

ミコト「アレってハイウインドジュニアじゃ・・・どうして・・・?」

セシル「クラウドの星のシドさんに借りたんです。」

ロック「よ、どうだこっちは?」

セシル「まずいですね・・・いつ内部崩壊が起きてもおかしくありません。」

コウ「そっちはどうだった?」

ロック「良い知らせと悪い知らせが一つずつってとこだな・・・」

ミコト「良い知らせと・・・悪い知らせ・・・?」

マリーン「じゃあ良い知らせからお願いします。」

ロック「忘れられた大陸ってとこにダガーを見つけたぜ。」

ミコト「本当!?」

コウ「で、悪い知らせは?」

ロック「レットとか言う奴と一緒に消えた。」

セシル「その話からすれば・・・」

コウ「ティルが殺されている以上にきつい事になりそうだな・・・」

ミコト「ど、どう言う事?」

コウ「俺らも覚悟を決めなきゃいけないって事だ。」

ミコト「覚悟・・・それってもしかして・・・!!」

コウ「大体は言わなくても分かるだろ・・・」

ミコト「そんなの嫌よ・・・どうして・・・」

コウ「だが、俺は覚悟は出来てる・・・そしてあいつも多分な・・・」

ロック「現実ってのは厳しいからな・・・」

セシル「でも、目を逸らしちゃいけない・・・」

シルフ「ああ・・・」

ミコト「そんな・・・みんなどうしてそう割り切れるの!?」

ルビィ「ミコトちゃん・・・」

コウ「分かってるよ・・・だが、ティルが連れ去られたって事はそう言う事もあるかも知れないって事もある・・・」

ミコト「コウ・・・」

シルフ「だが絶対に助け出す。そうだろ?」

セシル「彼女は僕達の仲間だ。」

ロック「絶対に助けてやらなきゃな。」

コウ「ああ。勿論だ。」

ミコト「みんな・・・」

スコール「俺らもいるぜ。」

ミコト「スコール・・・クラウドにティーダ、バッツも・・・」

バッツ「事情は聞いている。」

ティーダ「確かに俺らの星も大変ッスけど・・・」

クラウド「乗りかかった船なんだ。俺らだってとことんやってやるさ。」

ミコト「みんな・・・ありがとう・・・」

コウ「よし、それじゃあどうするかだな。」

ルビィ「そう言えばジタンはどうしたんや?」

コウ「そう言えばな・・・ずっと一人か子供を抱いてるか・・・」

ミコト「でも笑顔が無い・・・」

バッツ「一番ショックなのはあいつだろ・・・目の前で恋人が連れ去られたんだ・・・」

ティーダ「そうッスね・・・」

スコール「だから俺らも頑張るんだ。」

クラウド「ああ。」

コウ「そうだな。みんな、力を貸してくれ。」

バッツ「勿論。」







ジタン「・・・」

ジタンはアレクサンダーの祭壇で城下町を見下ろしていた。

ジタン「セーラ・・・」

クジャ「大丈夫かい・・・?」

ジタン「兄さん・・・」

クジャ「君が何を考えているかは大体予想はつくよ。彼女がこの後どうなるのか・・・」

ジタン「その時は俺が・・・」

クジャ「それは正しい答えなのかい?」

ジタン「・・・」

クジャ「君がどうしようと君の勝手だ。自分が一番正しいと思った答え、早く出すんだよ。」

ジタン「ああ・・・」







レット「作戦は上手く行った様だな。」

リース「・・・」

レット「そう怖い顔で睨むなっつの。これで奴らはボロボロじゃないか。」

マット「しかし許せれる事ではないな・・・」

レット「勝てばいいんだよ。」

リース「ダガー・・・」

ダガー「・・・」

カオスチャイルド達の近くに眠っている様にしているダガーがいた。







エーコ「あ〜もう腹立つ〜〜!!」

ビビ「エーコ落ち着きなよ。」

ビビとエーコは城の湖のほとりを歩いていた。

エーコ「だってさ!!」

ビビ「みんな・・・焦っているんだよ・・・お姉ちゃんの事・・・カオスチャイルドの事・・・色んな事・・・」

エーコ「だからって・・・」

ビビ「今僕達は最大の危機を迎えているんだ・・・仲間どうしでいがみ合ってる場合じゃない。」

エーコ「分かってるけど・・・あら?」

エーコは前方に何かを見つけた。

エーコ「あの子・・・クルーじゃない?」

ビビ「え?」

クルー「・・・」

二人の前方にクルーがいた。

ビビ「どうしたんだろう・・・悲しそうな顔してるけど・・・」

エーコ「行ってみよう。」

そして二人はクルーに近づいた。

エーコ「クルー?」

クルー「!?」

ビビ「久しぶりだね。」

クルー「あ・・・ビビさんにエーコさん・・・でしたか・・・」

エーコ「どうしたのこんな所で?」

クルー「いえ・・・何でもありません・・・」

エーコ「何でもないって顔それが?」

クルー「それは・・・」

ビビ「僕らでよかったら悩みを聞くよ。」

クルー「大丈夫ですって・・・」

エーコ「あ〜もう!!うじうじしてないで悩んでる事があったら人に話してみるの!!そうすればすっきりするから!!」

クルー「エ、エーコさん・・・」

ビビ「エーコの言う通りだよクルー。」

クルー「・・・」

クルーは少し悩んだ。

クルー「もし・・・好きな人と戦わなくちゃいけない時があったとしたら・・・どうすればいいんでしょうか・・・」

エーコ「好きな人とね〜・・・難しいわね。」

ビビ「クルーはどうしたいの?」

クルー「嫌でも戦わなくちゃいけないんだ・・・だから・・・」

ビビ「それはクルーの出した答えじゃないでしょ。クルー自身どうしたいの?」

クルー「僕は・・・」

エーコ「あら?ねぇビビ。」

ビビ「ん?」

エーコ「アレ・・・ダガーじゃない?」

ビビ「ええ!?」

少し離れた場所にダガーが立っていた。

ビビ「本当だ!!お姉ちゃん!!」

エーコ「ダガー!!」

二人はダガーの元に向かった。

クルー「いけません二人とも!!今その人は!!」

ビエ「え?」

クルーに呼び止められ二人は彼女の方を見た。と。

ガチャン!!

ビエ「!?」

二人のすぐ後ろで金属音が響いた。

スコール「くっ・・・!!」

ダガー「・・・」

ビビ「スコール!?どうしてここに!?」

スコール「早く・・・離れろ・・・!!」

ビビ「う、うん・・・」

二人はダガーとスコールから離れた。

エーコ「ダガーどうしたの!?」

先程の金属音はダガーとスコールの剣が当たった音だったらしく、二人の剣が当たっていた。

ダガー「・・・」

ビビ「お姉ちゃん・・・どうしたの一体・・・」

ブランク「一体なんだ!?」

スタイナー「ぬぬ!?陛下!?」

金属音を聞きつけ仲間達がほとんどやって来た。

ベアトリクス「陛下どうされたのです!!」

しかしダガーの瞳には輝きは無く、人形の様に無表情だった。

エーコ「ダガー正気に戻ってよ!!」

スコール「無駄だ二人とも・・・ダガーは今・・・くっ!!」

スコールはダガーに押され負けして怯んだ。

ダガー「・・・」

そしてダガーはスコールに剣先を向け突き出した。と。

コウ「おらぁーーー!!」

ダガー「!?」

バシッ!!

何処からかコウが現れダガーに思いっきり飛び蹴りをかまし、ダガーは吹き飛ばされた。

フライヤ「ダガー!!」

スタイナー「コウ貴様!!何を考え・・・!?」

スタイナーはコウの姿を見て怒るのを止めた。

コウ「はぁ・・・はぁ・・・」

コウは全身傷だらけで重傷に近かった。

スコール「くぅ・・・」

そしてスコールもボロボロだった。

ラニ「い、一体どうしたのさ・・・?」

コウ「見りゃ・・・分かるだろ・・・ティルにやられたのさ・・・」

仲間達「!?」

コウ「あいつは今・・・カオスチャイルドのマリオネットだよ・・・!!」

スタイナー「な、何だと!?」

スコール「俺とコウ、シルフ以外はもうやられたよ・・・」

マーカス「それじゃあミコトさんも・・・」

コウ「躊躇ためらい無しにな・・・」

ダガー「・・・」

コウ「でも・・・俺らも限界だろうな・・・」

スコール「ああ・・・」

コウ「わ、悪ぃ・・・後・・・たの・・・む・・・」

スコール「くっ・・・」

そしてコウとスコールはその場に倒れた。

ビビ「コウ!!スコール!!」

フラットレイ「この二人にセシル達までも・・・」

シルフ「ああ・・・」

サラマンダー「シルフ・・・てめぇまで・・・」

シルフもそれなりに怪我を負っていた。

シルフ「相手が相手だから本気だせねぇし・・・睡眠薬も切らしちまってる・・・実力行使で何とかしたいが・・・」

ダガー「・・・」

ダガーがシルフに向かって来た。

シルフ「くっ!!」

ガチャン!!

シルフ「何だか知らんが滅茶苦茶強くなってんだよ・・・!!」

ダガー「・・・」

ラニ「ど、どうするんだい!?」

フライヤ「しかし相手が・・・」

ミーナ「皆さんどうしたんですか!?」

マーカス「ミーナさん!!実は・・・」

ダガー「・・・」

ミーナ「ダガーさん・・・?」

ダガー「・・・」

シルフ「おわっ!!」

ダガーはシルフを押し倒し、ミーナにストックブレイクを放った。

ミーナ「ダガーさん!?くっ!!」

ミーナはすぐに与一の弓を取り出して矢を射った。

バーーーン!!

矢とストックブレイクは当たり爆発を起こした。

ダガー「・・・」

ミーナ「え・・・?」

ストックブレイクを放った後すぐにダガーはミーナに向かっていた。

ミーナ(避けれない!!)

ミーナは防御の姿勢を取った。と。

ガチャン!!

ダガー「!?」

ミーナ「え!?」

マイ「何やってんのよ・・・ダガーさんよ・・・!!」

ミーナの前にマイが現れダガーの剣を佐助の刀で受け止めていた。

ミーナ「マイ!?」

マイ「一体どうしたのよこの人は・・・!!」

シルフ「敵に操られてるんだよ・・・!!」

マイ「シルフ・・・アンタまでそんなに・・・ちぃ!!」

ダガー「・・・」

マイ「悪いけど私は本気を出させて貰うよ!!」

ダガー「・・・」

そしてマイとダガーが戦い始めた。

スタイナー「待つのだマイ!!相手は・・・!!」

マイ「そんな事言ってられないよ!!」

ダガー「・・・」

マイ「だけどこいつ・・・こんなに強かったっけ!?」

マイもダガーに苦戦していた。

フラットレイ「くそっ・・・どうすれば・・・」

スタイナー「しかし・・・相手は陛下・・・」

仲間達はどうすればいいか分からなかった。と。

マイ「しまった!!」

ダガーの攻撃で佐助の刀が弾かれた。

ダガー「・・・」

ダガーはマイに斬りかかった。

マイ「くっ!!」

マイも防御の姿勢を取った。と。

「退けっ!!」

マイ「あつっ!?」

誰かがマイを突き飛ばした。

ガチャン!!

ダガー「・・・」

ビビ「あ!!」

ジタン「やっぱり・・・こうなったか・・・」

マイを突き飛ばしたのはジタンで同時にダガーの攻撃を受け止めていた。

ビビ「ジタン!!お姉ちゃんは・・・」

ジタン「分かってるよ・・・つぇい!!」

ダガー「!?」

ジタンは剣を受け止めた状態のままダガーを押し上げた。

ジタン「フリーエナジー!!」

ダガー「・・・」

ジタンがダガーに向けてフリーエナジーを、ダガーがジタンに向けてストックブレイクを放った。

バガーーーン!!

二つは当たり爆発を起こした。

フライヤ「くぬぅ!!」

ブランク「な、何だよこの威力・・・!!」

マーカス「ジタンさん・・・本気出してるッス・・・」

ジタン「本気出さなきゃこっちが死んじまうっての!!」

そしてジタンは本気でダガーと戦い始めた。

エーコ「あたし・・・夢見てるんじゃないよね・・・あの二人が戦うなんて・・・」

ジタン「うぉーーー!!」

ダガー「・・・」

スタイナー「自分はどうしたら・・・」

フラットレイ「止めようにも相手はダガー・・・」

サラマンダー「しかもあの強さじゃ本気出さなくちゃやられるぜ・・・」

ミーナ「でも仲間と戦うなんて・・・」

ジタン「くうっ!!」

ダガー「・・・」

クルー(ジタン・・・僕は・・・僕は・・・!!)

クルーは何かを決意し、集中し始めた。

クルー「えい!!」

ガチン!!

ダガー「!?」

クルーが手を向けるとダガーの剣を持った腕が脚が氷で固まった。

ジタン「水属性『氷』!?まさか!!」

クルー「ジタン今です!!」

ジタン「クルー!?どうしてここに!?」

クルー「そんな事よりもダガーさんを!!」

ジタン「あ、ああ!!」

そしてジタンは再びダガーを見た。が。

ダガー「・・・」

ダガーは氷を壊した。

ジタン「くっ!!」

ビビ「お姉ちゃん!!」

エーコ「ダガー!!」

ビビとエーコはダガーに呼びかけたが応答は無かった。それどころか。

ダガー「ウルサイ・・・」

二人に向けて剣を振り上げた。

ダガー「キエロ・・・!!」

ダガーが二人にクライムハザードを放った。

エーコ「嘘・・・」

ビビ「そんな・・・」

ジタン「逃げろ!!」

しかしクライムハザードは二人のすぐ前に来ていた。と。

バガーーーン!!

ビエ「!?」

クライムハザードが二人に当たる前に爆発した。

バッツ「だ、大丈夫か・・・!!」

ジタン「バッツ!!」

ティーダ「俺もいるッスよ・・・」

バッツとティーダが互いに肩を支えながらやって来た。

バッツ「俺ってあんまり良いとこ無しだからな・・・」

ミコト「それくらい別にいいでしょ・・・」

マーカス「ミコトさん!!」

ほぼ同時にボロボロのミコトが来た。

ダガー「・・・」

ミコト「義姉さん・・・お願いだから・・・」

「無駄だ・・・」

ジタン「マットか!?」

マット「久しぶりだな・・・」

皆のすぐ近くにマットが現れた。

マット「見て分かるだろうがダガーは操られている・・・それも強力なやり方でな・・・」

ジタン「どうやったら戻るんだ・・・」

マット「そう簡単には治りはせぬ・・・しかし方法が無い訳ではない・・・」

ジタン「そうか・・・お前の事だ。どうせ・・・」

マット「今宵・・・その時にな・・・」

ダガー「ジャマスルナ・・・ワタシハココデ・・・!!」

マット「はっ!!」

バシッ!!

ダガー「ガッ・・・!!」

マットは素早くダガーの延髄に当身し気絶させた。

マット「この状態では目が覚めても今のままだ・・・この場は連れて行かせてもらう・・・」

スタイナー「何だと!?」

ジタン「よせスタイナー・・・今のままじゃ俺らに手は付けられない・・・残念だが・・・」

スタイナー「貴様それでも・・・!!」

フラットレイ「スタイナー・・・一番辛いのはあいつだ・・・」

スタイナー「くっ・・・」

マット「クルー・・・」

クルー「はい・・・」

マット「どうしようと勝手だが・・・必ず戻って来い・・・」

クルー「はい・・・」

そしてマットとダガーはその場から消えた。

ジタン「クルー・・・」

クルー「・・・」

エーコ「クルー・・・アンタあいつとも知り合いなの・・・?」

ビビ「もしかして・・・」

ジタン「クルーは・・・水のカオスチャイルドだ・・・」

ラニ「それじゃ私達の敵!?」

クルー「ええ・・・」

サラマンダー「だったらこの場で・・・!!」

クルー「少し待ってください・・・」

サラマンダー「ああ!?」

クルー「僕は僕に出来る事をしてから戻ります・・・でも、それから先は敵ですから・・・」

ジタン「クルー・・・」

そしてクルーはその場で集中し始めた。

クルー「水よ・・・その癒しにて・・・この地の戦士達の傷を・・・」

何かのセリフを言うとクルーを中心に辺りに水が広がった。

シナ「何ズラこの水!?」

コウ「う、ん・・・」

スコール「く・・・」

バッツ「傷が・・・」

ミコト「治ってく・・・?」

傷ついていた者達が水により傷が癒えた。

ジタン「水属性『治』か・・・すまないな・・・」

クルー「いえ・・・ビビさんエーコさん・・・手紙の意味はこう言う事です・・・」

ビエ「・・・」

クルー「次は僕を・・・お願いしますね・・・」

そう言ってクルーはその場から消えた。

ジタン「・・・クルー・・・」

エーコ「クルーが敵だなんて・・・」

ビビ「でも今思ったらそうかもね・・・あの子はアルテマの本を盗んだ・・・」

エーコ「じゃあどうして最後に本を・・・?」

ビビ「分からない・・・」

スタイナー「だが敵なら倒すしかあるまい。」

ジタン「それはセーラもか・・・?」

コウ「確かに今敵だしな・・・」

スタイナー「そ、それは・・・」

ジタン「でも手が無いって訳じゃない・・・」

ラニ「ダガーを助けれるっての?」

ジタン「ああ・・・かなりきついだろうがな・・・」

コウ「だったら彼女の事はジタンに任せよう。」

スコール「ああ・・・俺ら十人近く同時にかかっても負けたからな・・・」

ティーダ「情けないけど今この中で強いのはジタンとシルフ、それにコウぐらいッス・・・」

ミーナ「コウさんもシルフさんもやられましたし・・・」

ベアトリクス「ジタン殿・・・陛下をお願いします・・・」

ジタン「分かったけど・・・今の内に言っておく・・・どんな結末を迎えようとも・・・文句は言うなよ・・・」

サラマンダー「失敗したらその時はその時だろ・・・」

スタイナー「頼むぞ・・・」

フライヤ「助けてやるのじゃぞ。」

ミコト「負けないでね・・・兄さん・・・」

ジタン「ああ・・・」

シルフ「俺達はカオスチャイルドに対抗出来るだけの力を得よう・・・まだまだ俺らは・・・」

バッツ「ああ。だから俺はもう一度戻るよ。」

スコール「俺も・・・」

ティーダ「俺も戻るッス。」

ビビ「僕らも頑張ろうよ。」

エーコ「ええ。」

ミコト「やっと・・・みんなが一つに戻ったね・・・」

コウ「そうだな・・・だがジタン、一ついいか・・・?」

ジタン「何だ?」

コウ「まさかとは思う・・・お前・・・」

ジタン「その時は・・・その時だ・・・お前がみんなをまとめてくれ。」

コウ「やだね。」

ジタン「コウ・・・」

コウ「俺らの支柱、リーダーはお前かティルだ。俺じゃない。」

ジタン「ふっ・・・そうだな。」

コウ「だから・・・」

ジタン「出来る限り努力はするさ。」

ミコト「何の事?」

ジタン「何でも無いさ・・・」

コウ「それじゃあみんな・・・今は一度解散しよう。」

フラットレイ「ああ。」

シルフ「んじゃな。」

ジタン「マーカスいいか?」

マーカス「何ス?」

ほとんど解散した状態の中、ジタンがマーカスを呼び止めた。

ジタン「もしもの時は・・・ミコトを頼むな・・・」

マーカス「ジタンさん・・・」

バシッ!!

ミコト「マーカス!?」

コウ「お、おい!!」

マーカスがジタンの顔を思いっきり殴った。

ジタン「殴られるのは予想してたよ・・・」

マーカス「例え仲間でも許せる事と無い事はあるッス・・・もしミコトさんを泣かせる様な事をするんだったら・・・俺は何度でもジタンさんを・・・!!」

ジタン「そうなるかもしれないから・・・今の内に言ったんだよ・・・殴りたいのなら殴ればいいさ・・・」

マーカス「・・・その時は・・・覚悟してくれッス・・・俺も・・・決めておくッスから・・・」

ジタン「頼むな・・・」

マーカス「うッス・・・」

ミコト「兄さん・・・マーカス・・・」







クルー「ただいま・・・」

リース「クルー・・・おかえり・・・」

クルー「ダガーさんは・・・?」

リース「レットが調整をしてるよ・・・絶対に正気に戻らせ無い様にと・・・」

クルー「どうしてダガーさんを・・・」

リース「クルー・・・」

マット「それは奴があの者達の中心人物だろうからであろう・・・」

クルー「マット・・・だからって・・・こんな事・・・」

リース「でもアンタはジタンに教えるつもりなんだろ?」

マット「ジタンは強き心を持つ・・・その心を見させてもらい、判断した上で奴にダガーを助ける方法を教える・・・」

クルー「やっぱり・・・ジタンと戦うんだね・・・」

リース「クルー・・・」

少し泣きそうだったクルーをリースが抱きしめた。

リース「お前があいつの事をどう思っているかは知っている・・・でもね・・・避けられない道もあるのよ・・・」

クルー「姉さん・・・」

マット「・・・」

レット「何の話でぃ?」

マット「何でも無い・・・で、調整は済んだのか?」

レット「あたぼうよ!!アレであの女はただの戦うだけの人形よ!!」

マット「しかし解く事も出来るのであろう・・・」

レット「あるにゃあるが100%無理だな。こいつを解くにはデスペルっつう滅茶苦茶昔に消えた魔法を使わにゃいけないんだよ。」

マット「デスペル・・・エスナの基本となりし魔法か・・・確かに誰も使えぬだろうな・・・」

レット「だろ?だからあの女は一生俺らの人形よ!!ギャヒャヒャヒャ!!」

マット(誰にも解けぬだろう・・・あ奴以外・・・ジタンよ・・・)







ジタン「・・・」

エーコ「ジタン・・・大丈夫かしら・・・」

ビビ「大丈夫だよ。今まで色んな事があったけどジタンは・・・」

コウ「だがあいつ・・・まさかとは思うが・・・」

エーコ「クラークさんならダガーが今どんな常態か分かるような気がするんだけどな・・・」

コウ「それってダゲレオの館長のか?」

シルフ「確かにクラークは今この星には消えてしまった魔法を持っている。治療する事は出来るかもな。」

ビビ「そう言えば気になってたんだけど・・・古代に消えた魔法って何々あるの?」

シルフ「そうだな・・・お前らは何か見たのか?」

エーコ「えっとね・・・何だっけ?」

ビビ「シールド、メルトン、アポカリプス、シェイド、それにオーラ・・・」

シルフ「まだ後デスペルとフルケアがあるな。」

ビビ「どんな魔法なんです?」

シルフ「デスペルは全ての状態を治す魔法でエスナの元となった奴って聞いてる。フルケアも完全に傷を癒す力があるケアルの元となった魔法だ。」

コウ「んじゃあそのデスペルがあれば・・・」

シルフ「だがクラークに戦わせたくは無い・・・あいつにはあいつの使命があるからな。」

エーコ「そうだよね・・・」

コウ「だったら・・・俺らは俺らに出来る事をする。それだけだ。」

ビビ「所でさ。レットが言ってた『サイキョウの錬金術師』ってどう言う事?」

コウ「ああそれか。ずっと黙ってたけど俺錬金術師なんだ。」

エーコ「れ、れんこんじゅつ?」

コウ「れ、ん、き、ん。」

エーコ「何なのそれ?」

コウ「どう言えばいいか・・・まぁ薬品を調合したり物を変えたりする事が出来る奴らの事だ。」

エーコ「で、どうしてサイキョウなの?」

コウ「ああ・・・それはだな・・・」

エーコ「ってただコウが強いだけだよね。」

ビビ「最強だもんね。」

コウ「そ、そっちか・・・」

二人は最凶が最強と勘違いしていた。

コウ「ま、俺の場合は特殊で右腕で六芒星を画くと出来たりするんだ。アレクサンドリア城を直したのはこれで、普段はフラスコやら色々使ってるのさ。」

ビビ「だからエリクサーが沢山あるんだ。」

コウ「滅茶苦茶ポーションやエーテル、万能薬をたっぷし使うがな・・・」

シルフ「ふ〜ん・・・もしかしてお前・・・」

コウ「ん?」

シルフ「や、何でもないよ。」

コウ「そうか・・・あり?」

コウが何かに気付いた。

コウ「ジタンの奴・・・何処行った?」

エーコ「え?」

ビビ「本当だ・・・」

先程まで近くにいたはずのジタンの姿が無かった。

シルフ「もう・・・行ったのか・・・」

ビビ「行ったって何処に?」

コウ「さぁな・・・ただ言えるのは・・・もしかしたらもうあいつとは・・・」

ビビ「え?」

コウ「いや・・・」







ジタン「マット・・・こうやって二人きりってのは久しぶりだな・・・」

マット「そうだな・・・」

二人はいつの間にか外側の大陸にいた。

ジタン「俺は絶対に彼女を助ける・・・お前はその方法を知ってるんだろ・・・」

マット「ああ。しかし・・・」

ジタン「分かってるよ・・・てめぇの事だからな・・・」

そう言ってジタンは短剣を二本取り出して構えた。

マット「この地なら辺りに被害は出るまい・・・」

そしてレットも槍を出した。

ジタン「思う存分・・・」

マット「戦おうぞ・・・!!」

ガギン!!

二人の武器はぶつかり、辺りに凄い衝撃が走った。

ジタン「くぅ・・・!!」

マット「はぁ・・・!!」

そして二人は外側の大陸を舞台に凄まじい戦いを始めた。







コウ「結局教えちまったな・・・俺の一つ目の秘密・・・」

夜中、コウは一人湖を見つめていた。

コウ「正しかったのか・・・間違ってたのか・・・どうなんだろうな・・・ルミア・・・」

湖に映った月を見つめ、亡き妻に問いかけていた。

コウ「後の三つ・・・俺の過去・・・正体・・・血塗られた腕・・・」

怪しげな事を呟きながらコウは自分の両手を見た。

コウ「紅蓮の炎でも・・・この手でも消せない道・・・誤った選択を選んでしまった道の先に・・・何が待っているんだろうか・・・ルミア・・・リン・・・」

二つの名を呟き、コウは夜空を見上げた。




マリオネットと化したダガーと戦う事になったジタン達。その先に待つものとは一体。そしてコウの秘密とは・・・




続く










あ と が き
内部分裂が起こっちゃいましたね。
ダガーがさらわれてこうなるって事は彼女がどんだけ中心人物かを示してます。
それに対しても本気で戦うジタン。
二人の行方ははたしてってか?
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第十五話へ
第二部TOPへ

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