CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第十三話 運命〜少年の道、少女の道後編 別れ


レットが放ったゾンビの群れと戦うジタン達だったが、ビビとエーコに何かが起こると察知し、ジタン、ダガー、コウの三人は二人の元へ向かうのだった。

ビエ「・・・」

剣の国アレクサンドリアでゾンビが大量発生するより少し前、二人はまだリンドブルム城の展望台にいた。

ビビ「・・・?」

エーコ「どうしたの・・・?」

ビビ「今とても嫌な気配が・・・」

エーコ「気配・・・?」

ビビ「もしかして剣の国アレクサンドリアで何かが起こっているのかも・・・」

エーコ「もしそうだったら早く行かなきゃ・・・!!」

ビビ「うん!!」

そして二人は剣の国アレクサンドリアへ向かおうとした。が。

レット「そうはさせないぜ。」

二人の目の前にレットが現れた。

ビビ「お前はレット!!」

レット「さすがに名前は覚えてくれたようだな・・・」

ビビ「エーコ下がってて!!」

エーコ「ビビ!?」

ビビ「何しに来た!!」

レット「いちいちそんな事言わなけりゃいけねぇのかよ・・・おめぇらを殺しに来たのよ!!」

ビビ「エーコは逃げて!!ここは僕が!!」

エーコ「嫌よそんなの!!」

レット「それ以前に逃がす気は無いぜ。」

ビビ「くっ・・・」

ビビはメイスオブゼウスを取り出し握り締めた。

レット「お前の様な貧弱なガキが俺と戦おうってのか?」

ビビ「時間稼ぎくらいなら出来るさ・・・エーコを逃がすためのね・・・!!」

そう言ってビビは魔法を詠唱せずにレットに向かった。

ビビ「たぁーーー!!」

レット「ざけんな!!その程度で!!」

ビビはメイスオブゼウスで物理攻撃を試みたが難なくかわされた。

レット「死ねガキ!!」

レットは右手でビビを貫こうと構えた。

ビビ「僕だって!!」

ガギン!!

レット「ぬおっ!?」

ビビはレットの手をメイスオブゼウスで受け止めた。

ビビ「何もしてない訳じゃないんだ!!」

ドスッ!!

レット「ゴフッ!!」

ビビはメイスオブゼウスでレットののどを突いた。

レット「ガホッガホッ!!」

ビビ「今の内に逃げて!!」

エーコ「でも・・・!!」

レット「ガキが・・・殺してやる!!」

ビビ「はっ!!」

ザシュッ!!

ビビ「ぐっ!!」

エーコ「ビビ!!」

ビビの左腕がレットによって少し斬られた。

ビビ「大丈夫・・・かすり傷だから・・・!!」

レット「貴様よくも・・・ぜってぇ殺す!!」

完全にきれてレットはビビに向かった。

ビビ「こうなった相手は攻撃は避けやすい!!」

レット「ちぃ!!」

ビビはレットの攻撃をかわした。

ビビ「そこだ!!エアロガ!!」

ズビシュシュ!!

レット「おおっと!!」

ビビはエアロガを放ったがかわされた。

ビビ「ちぃっ!!」

レット「次はこっちの番だ!!」

そう言うとレットは両手に尖った石を出した。

レット「ちぇーーーい!!」

そしてビビに向けて大量に石を放った。

ビビ「くっ!!」

ビビは何とか石をかわした。

ビビ「ブリザド!!」

カチーン!!

ビビはレットの足元へブリザドを放った。

レット「甘い!!」

しかしレットはジャンプしてブリザドをかわした。

ビビ「そこだ!!ファイガ!!」

ヴァーーー!!

レット「ぬおっ!?」

ビビの放ったファイガは見事レットを包んだ。

エーコ「やったぁ!!」

ビビ「今の内に逃げよう!!」

エーコ「うん!!」

そして二人はそこから逃げようとした。が。

「ガキ・・・死ねぇーーー!!」

ビエ「!?」

レット「リャーーー!!」

ファイガの炎の中からレットが現れて二人に襲い掛かって来た。

ビビ「避けて!!」

エーコ「きゃっ!!」

ドスッ!!

ビビ「がっ!!」

ビビはエーコを退かした為にレットの一撃をモロに喰らった。

レット「本気で俺を怒らせやがって・・・」

エーコ「ビビ!!」

ビビ「来ないで・・・!!」

エーコ「!?」

ビビ「君は・・・ここから逃げるんだ・・・!!」

エーコ「でも・・・でも・・・!!」

レット「ガタガタ言ってんじゃねぇよガギ共!!」

バシッ!!

ビビ「ぐあっ!!」

エーコ「ビビ・・・!!」







ジタン「間に合うか・・・ビビ・・・エーコ・・・!!」

ダガー「・・・」

コウ「気付くのが遅すぎたな・・・」

ジタン達三人は二人の元へ急いで向かっていた。

メネ「この調子だと後十分くらいで着くと思うクポ。」

ジタン「十分か・・・」

ダガー「大丈夫かしら・・・」

コウ「だがそう簡単に行けるとは思わない事だな・・・」

ダガー「どうして?」

コウ「こう言う場合何かしら邪魔が入るだろうよ・・・」

ダガー「そうだけど・・・!?」

ジタン「チョコ避けろ!!」

コウ「ヴァニィ!!」

バシッ!!

チョコ「クェーー!!」

ヴァニィ「ギャッ!!」

ジタン「だぁ!!」

ダガー「ああ!!」

コウ「うおっ!!」

三人はチョコとヴァニィごと何かに叩かれ地面に墜落した。

ジタン「あつつ・・・大丈夫か!?」

コウ「俺らは大丈夫だが・・・チョコとヴァニィが・・・」

ダガー「私が治療しておくわ!!」

ジタン「しかし・・・やっぱ来てたな・・・」

コウ「ストーンゴーレムとはな・・・しかもこんな巨大な・・・」

三人を叩き落したのは八m近くあるかなりでかいストーンゴーレム(以下Sゴーレム)だった。

ジタン「レットの野郎・・・俺らが来るの気付いてやがったな・・・!!」

コウ「だろうな!!」

そう言って二人はそれぞれの武器を取った。

ジタン「行くぜ!!」

先にジタンがSゴーレムに向かった。

Sゴーレム「ゴォ・・・!!」

Sゴーレムは左腕を振り上げた。

ジタン「遅い!!」

ジタンは恐るべきスピードでSゴーレムに近づき、頭まで登った。

ジタン「この手の奴は頭飛ばせばおしまいよ!!ていっ!!」

バゴン!!

ジタンはSゴーレムの頭を砕いた。

ジタン「どうだ!!」

Sゴーレム「ゴォ・・・」

ジタン「何!?」

Sゴーレムの頭はすぐに戻った。

ジタン「まずっ!!」

ジタンは空中にいるために動きが上手く取れなかった。

Sゴーレム「ゴォ・・・!!」

そしてSゴーレムはジタンに向けて殴りかかった。

ジタン「くっ!!」

ジタンは防御の姿勢をとった。と。

ジタン「!?のあっ!!」

突然ジタンは何かに引っ張られる様に下に落ちた。

ジタン「あでっ!!」

コウ「大丈夫かよ。」

ジタン「サンキュ・・・」

どうやらコウがウィップでジタンを引っ張った様だ。

Sゴーレム「ゴォ・・・!!」

そして今度は右腕でコウに仕掛けてきた。

コウ「ただの力馬鹿って訳じゃ・・・!!」

ドン!!

コウは左手に持ったハルバートでSゴーレムの攻撃を受け止めた。

コウ「なさそうだな!!」

バゴン!!

コウはお得意の強力な蹴りで腕を粉々にした。

コウ「って、こうしても意味無しだがな。」

コウの言う通りにすぐ腕は元に戻った。

ジタン「コアを潰せばいいと思うんだがな・・・」

コウ「さてと・・・何処にあるのやら!!」

そして二人は同時にSゴーレムに向かった。

ジタン「はぁっ!!」

コウ「とぁっ!!」

そして同時にSゴーレムの胸部に向かい飛んだ。

ジタン「コアがあるとなりゃ!!」

コウ「ある場所は胴体!!」

と言う事で二人揃ってSゴーレムの胴体を狙った。

Sゴーレム「ゴォ!!」

ジタン「なっ!?」

Sゴーレムの胴体から妙な球体が二つ現れた。

コウ「やばっ!!」

ドシュシュッ!!

ジタン「ぐあっ!!」

コウ「うわっ!!」

二人は妙な球体に当たり、後ろの方に飛ばされた。

ダガー「ライフ!!コウ!!」

ジタン「いててて・・・お、俺は大丈夫だ・・・!!」

コウ「同じく・・・だが・・・動けねぇ・・・」

二人は体の彼方此方(あちこち)を石膏のような物で固められて身動きが取れなかった。

ダガー「こうなったら私が・・・!!」

そしてダガーも剣を抜き、Sゴーレムに向かった。(動物は治療済み)

ジタン「待て危険だ!!」

ダガー「てぇーーーい!!」

ダガーはSゴーレムの胴体に向けてストックブレイクを放った。

ボーーン!!

ダガー「どう!?」

ストックブレイクはSゴーレムの胴体に命中した。しかし。

Sゴーレム「・・・」

傷一つついていなかった。

ダガー「となるとやっぱりあそこにコアが・・・!?」

ダガーは何かを察知してその場からバク転して離れた。と。

ドゴーーーン!!

先程ダガーがいた場所から岩の塊がせり上がった。

ダガー「危ない危ない・・・」

ジタン「強く・・・なったんだな・・・」

コウ「ああ・・・」

ジタン「だが早くしないと・・・!!」

コウ「くっそう!!」

二人は身動きが取れるように必死にもがいた。

ダガー「何とかしないと・・・ビビとエーコが・・・!!」

そして再びSゴーレムに向かった。

リース「・・・」

そしてこの光景をリースは近くの大きな木の上の天辺で見ていた。

リース「ダガー・・・」







クジャ「はぁ・・・何とかこの辺は一段落着いたね・・・」

ゾンビを退治していたメンバーの内、クジャ達は一段落が着いた様で辺りにゾンビはいなかった。

ミコト「でもまだいると思う・・・」

マーカス「それはそうっすね。でもミコトさんは一回家に帰った方がいいッス。」

ミコト「確かにパジャマじゃね・・・」

クジャ「マーカス頼むね。僕にとっても大切な妹だから。」

マーカス「うッス。」

そして二人は一度ジタンの家に向かった。

クジャ「さてと・・・みんな大丈夫だろうか・・・」

クジャは他の仲間の元に向かった。その頃。



マイ「まったく・・・どんだけいるのよ・・・」

クイナ、サラマンダー、マイの三人はまだ大量のゾンビに囲まれていた。

サラマンダー「こっちが聞きてぇよ・・・」

クイナ「疲れたアル・・・」

マイ「だらしないわね・・・あんたらは下がって見ていな!!忍法分身の術!!」

クイナ「おわっ!?」

サラマンダー「何だぁ!?」

マイは忍術で大量に分身した。

マイ(大量)「はぁっ!!」

ゾンビの群れ「アァ〜・・・!!」

分身したマイはもの凄い速さで次々とゾンビを切り刻んで行った。

クサ「す、すげぇ・・・」

マイ(一人のみ)「ふう・・・」

そして一瞬の内に周りのゾンビを蹴散らした。

マイ「じゃ、私はこの辺で、後は頑張りな。」

そう言ってマイはそこから消えた。

クサ「・・・」

二人はまだ唖然としていた。と。

ミーナ「クイナさん!!サラマンダーさん!!」

スタイナー、フラットレイ、ミーナがやって来た。

スタイナー「大丈夫であったか!?」

サラマンダー「ま、まぁな・・・」

クイナ「マイがほとんどやったアルから・・・」

ミーナ「マイが!?」

サラマンダー「奴さんもうどっか行ったがな。」

ミーナ「そう・・・」

フラットレイ「まだゾンビはいるだろう。もう少しだ!!」

ミーナ「そうですね・・・皆さん頑張りましょう!!」

スクサフ「ああ!!」







シルフ「おらおらおらぁ!!」

ゾンビの群れ「アァ〜・・・」

シルフ「ったく!!まだか!?」

シャイン「こらまずいな・・・」

アーカム「ええ・・・」

マリーン「シルフ・・・」

マリーンはシルフに寄り添った。

シルフ「ちっ・・・こうなったら!!」

シルフはアルテマウェポンに力を込めた。

シルフ「ちょっと街壊れても文句無しだぜ!!クリスタルクレイモア!!」

ゴヴァーーー!!

ゾンビの群れ「ボァ〜〜・・・」

シルフ「もいっちょ!!」

ゾンビの群れ「ヴァ〜・・・」

シルフのクリスタルクレイモアでシルフ達の周りのゾンビは消えた。

シルフ「ふぅ・・・」

シャイン「さすがだな。」

アーカム「お見事です。」

シルフ「さて、もしかしたらまだいるかもしれない。頑張ろう!!」

マリーン「うん!!」

剣の国アレクサンドリアの方も大体片付いてきていた。その頃。







ダガー「きゃあっ!!」

ジタン「セーラ!!」

ダガーはまだ一人でSゴーレムと戦っていた。

コウ「くそ・・・これ頑丈だし・・・」

ジタン「ちょっとやそっとじゃびくともしねぇ・・・」

ダガー「二人の分も・・・私が・・・!!」

Sゴーレム「ゴォ!!」

Sゴーレムがダガーに殴りかかって来た。

ダガー「くっ!!」

ダガーは防御の体勢を取った。

バキッ!!

ダガー「あうっ!!」

コウ「ティル!!」

ダガー「だ、大丈夫・・・」

しかしダガーの右目の上辺りから血が流れていた。

ダガー「何とか・・・して見せるから・・・!!」

そしてまたダガーはSゴーレムに向かった。

ジタン「よすんだ!!」

ダガー「ええーーーい!!」

Sゴーレム「ゴォ!!」

ドシュシュッ!!

Sゴーレムは胴体から大量に尖った石を放った。

ダガー「くっ!!」

ダガーは石をよく見てかわし始めた。しかし。

ダガー「うっ!!目に血が・・・」

目に血が入り、ダガーは一瞬動きが止まった。そして。

ダガー「ぐぅっ!!」

石が三つ、左肩、右腿、若干右よりの腹部に刺さった。

ジタン「セーラ!!」

ダガー「く・・・」

Sゴーレム「ゴォ!!」

そしてまたSゴーレムはダガーに殴りかかった。

ジタン「避けろ!!」

ダガー「う・・・」

しかしダメージは大きい様で避けれそうに無かった。

バキッ!!

ダガー「ああ!!」

コウ「!!」

ジタン「セーラーーー!!」

ダガーはまたモロに喰らって後ろに飛ばされた。

ダガー「あうっ!!」

コウ「ティル!!」

ザクッ

ジタン「!?」

ダガーはコウの近くに飛ばされ、剣はジタンの近くに落ちた。

コウ「ティル・・・」

ダガー「う・・・」

ジタン「これ・・・セイブ・ザ・クイーンじゃ・・・!?」

ジタンは剣の柄に何かを見つけた。

ジタン「血の跡・・・セーラ・・・」

ジタンはダガーの手を見た。そこには血染まった包帯が巻かれてあった。

ジタン「セーラ・・・!!」

コウ「ティル・・・!!」

二人同時に怒りを覚えた。

ジタン「う、うおぉーーーー!!」

ジタンは思いっきり力を出して石膏の様な物を壊した。

ジタン「てめぇ・・・ぶっ倒す!!」

ジタンは短剣を合わせてアルテマウェポンを出した。

ジタン「おらぁーーー!!」

Sゴーレム「ゴッ!?」

バゴーーーン!!

ジタンは一撃でSゴーレムの左腕を吹き飛ばした。

Sゴーレム「ゴ、ゴォーーー!!」

Sゴーレムはダガーとコウを標的にして殴りかかって来た。

ジタン「コウ!!」

コウ「わぁてる!!はぁっ!!」

コウは左手に力を込めると石膏が消えた。

ダガー「コ、コウ・・・?」

コウ「そっから動くなよ!!」

そう言ってダガーの前に立ち、右手のグローブを取った。

ダガー「あ、危ない!!」

コウ「こんな奴に使うのは勿体無いが・・・」

そう言いながらコウは人差し指で六芒星を書いた。

コウ「俺を怒らせたからにゃんなの関係ねぇ!!」

二人の前にSゴーレムの拳が来て、コウも手を開いて右腕を構えた。

コウ「おらぁーーー!!」

ドン!!

二人の拳が当たった。と。

バガーーーン!!

Sゴーレム「ゴッ!?」

Sゴーレムの右腕が分解される様に吹き飛んだ。

コウ「パーはグーより強いんだよ・・・」

ダガー「な、何をしたの・・・?」

コウ「錬金術の一種だよ・・・気にすんな・・・」

ダガー「錬金術・・・?」

ジタン「それより今だ!!一気に胴体を叩く!!」

ダガー「え・・・ええ・・・!!」

コウ「おう!!」

ダガーは再び立ち上がり石を抜いた。

Sゴーレム「ゴォ!!」

ドシュシュシュッ!!

Sゴーレムは先程よりも多く石を放った。

ジタン「ちぃ!!」

コウ「防ぎきれるか!?」

ジタン「そんなの聞いてる暇があったら!!」

ジコ「全部ぶっ飛ばすまでだ!!」

そして二人揃ってダガーを守るように攻撃態勢を取った。が。

ガギギギン!!

ジタン「!?」

コウ「はっ!?」

ダガー「あ、あなた・・・」

リース「・・・」

ジダコ「リース!?」

リースが前の大剣を持って三人の前に立っていた。

リース「今回限りだ・・・ダガー。」

ダガー「え・・・?」

リース「使え!!」

リースは大剣をダガーに向けて投げた。

ジタン「なっ!?」

コウ「危ない!!」

ダガー「わっ!!」

ジコ「えっ!?」

ダガー「あ・・・れ?」

ダガーは目を逸らしたが剣を片手で受け取っていた。

ダガー「こんなに大きいのに重くない・・・でも力が無いと使えないのね・・・」

リース「お前にスターブレードが使えるかどうか見させてもらう。」

ダガー「スター・・・ブレード・・・ん!!」

ダガーは両手でスターブレードを握った。

ジタン「悪ぃなリース・・・行くぜ!!」

そしてジタン、コウ、ダガーの順にSゴーレムに向かった。

ジタン「フリーエナジー!!」

ボーーーン!!

コウ「おらっ!!」

バゴン!!

Sゴーレム「ゴゴッ!?」

ジタンのフリーエナジーとコウの蹴りで胴体にヒビが入った。

ジタン「セーラ!!」

コウ「止めはいいぜ!!」

ダガー「分かったわ!!」

そして最後にダガーがスターブレードに力を込めて向かった。

ダガー(リースが見ている前で恥はかけない・・・それに・・・それに私だって・・・!!)

ダガーが力を込めるとスターブレードが光りだした。

ダガー「やられてばっかりで終わるわけには行かない!!」

そして胴体辺りまでジャンプした。

ダガー「喰らえーーー!!フルブレイクーーー!!」

バギン!!ガギン!!ドゴン!!バゴン!!

ダガーは力を込めて四回斬撃をして、再び剣を構えた。

ダガー「そこだぁーーー!!」

ダガーの斬撃でSゴーレムのコアが見えていた。

ダガー「はぁーーー!!」

バシューーー!!

最後にストックブレイクに似た強力で大きな衝撃波を放った。

ドゴーーーン!!

Sゴーレム「ゴッ!!」

衝撃波は貫通し、Sゴーレムは崩れ去った。

ダガー「はぁ・・・はぁ・・・」

ジタン「やったな・・・」

ダガー「ええ・・・あぅ・・・」

ダガーは力尽きてスターブレードを落とし自身もその場に崩れる様に倒れた。

ジタン「大丈夫か!?」

ダガー「う、うん・・・」

リース「スターブレードが使えただけでも奇跡に近い・・・お前の剣だ。」

リースはダガーの剣を渡し、スターブレードを拾って元の状態に戻した。

コウ「お前・・・俺らの敵だろ・・・どうして・・・」

リース「ただあいつのやり方が気に入らないだけだ・・・それではな。」

そしてリースはその場から消えた。

ダガー「リース・・・」

ジタン「動けるか?」

ダガー「少しくらい・・・」

コウ「ビビとエーコの元に行くか。」

ジタン「ああ。」

ダガー「急ぎましょう。」

そして三人は再びビビとエーコの下に向かった。







クジャ「どうやら片付いたようだね。」

剣の国アレクサンドリアの方は完全にゾンビがいなくなっていた。

ミコト「それにしても兄さん達はどうして船の国リンドブルムに・・・?」

ミコトはちゃんと服したを着ている。

マーカス「ビビとエーコがどうとか言ってたッスが?」

マリーン「シルフ、あなたなら分かるんじゃない?あの葉で。」

シルフ「とりあえずやってみるよ。」

そう言ってシルフはアガスティアの葉を取り出した。

ベアトリクス「それは?」

シルフ「後で話すよ。アガスティアの葉よ・・・ビビとエーコに何かが起ころうとしているのか・・・?」

シルフは葉に問いかけた。しかし。

ブランク「何も起こんないな。」

シルフ「おかしいな・・・誰か近くにアガスティアの葉を持った奴がいるのか?」

マリーン「どう言う事?」

シルフ「任意的に知りたい事がある時に近くに葉を持った奴がいると上手く反応しないんだ。」

フライヤ「つまり私達の仲間の誰かが持っていると?」

シルフ「さぁな・・・ただ、滅茶苦茶やばそうな事が起こってるっぽいな・・・こりゃ・・・」

ミーナ「そのリンドブルムと言う場所に行きましょう!!」

フライヤ「そうじゃな!!」

ラニ「飛空挺は大丈夫だよね!?」

ミコト「待って、ここに今一隻も無いでしょ・・・」

シルフ「てことは待機か・・・ちっ。」

ミコト「兄さん・・・走ってでも行きましょう!!」

サラマンダー「何ぃ!?」

ミコト「じっとしてるなんて私は嫌!!それなら走ってでもあっちに行きましょう!!」

スタイナー「しかしあっちまでかなりあるぞ・・・」

フライヤ「だがミコトの言う通りじゃ!!」

ラニ「行こう!!」

ミーナ「はい!!」

そして全員船の国リンドブルムに向かい走り出した。







ビビ「ぐあっ!!」

エーコ「ビビ!!」

ビビはずっと一人で戦っている為かなり疲労とダメージが溜まっていた。

ビビ「だ、大丈夫さ・・・この・・・くらい・・・」

レット「我慢は体に良くないんだぜガキ・・・ママに習わなかったのかい〜?」

ビビ「母さんは・・・僕が生まれてすぐに死んだよ・・・!!」

エーコ「もう止めてよビビ・・・死んじゃうよ・・・!!」

ビビ「死なんか・・・怖くない!!」

エーコ「ビビ・・・」

ビビ「君の・・・君の為なら・・・僕は死を恐れない!!」

そう言って再び立ち上がりレットに向かって行った。

ビビ「はぁーーー!!」

レット「まったくよ・・・早く死んで・・・」

喋りながらレットは右手に岩で出来た矛を出した。と言うより創った。

レット「くれってぇの!!」

ビビ「ちぃ!!」

レットはビビに矛で攻撃してきたがビビはかわすことが何とか出来た。

エーコ「あのままじゃビビは・・・こうなったら・・・!!」

何かを思いエーコはこっそりレットの後ろに周った。そしてフェアリーテイルを出した。

レット「ぬぁに!?」

ビビ「エーコ!?」

エーコ「どっか行っちゃえーーー!!」

そしてフェアリーテイルでレットを斬りつけようとした。

レット「その程度で!!」

エーコ「あっ!!」

レットは難なくかわした。

レット「俺を殺れるとでも!!」

エーコ「あ・・・」

レット「思ったか!!」

バシッ!!

エーコ「あうっ!!」

ビビ「エーコ!!」

レットはエーコを蹴り飛ばした。

エーコ「う・・・」

レット「まったく・・・戦ってる俺の邪魔をしやがって・・・てめぇから先に死ね!!」

レットは矛先をエーコに向けて突き出した。

エーコ「ひっ!!」

先程の攻撃で足をやられていてエーコは動けなかった。

レット「キェァーーー!!」

エーコ「い、嫌・・・!!」

ビビ「エ、エーコ・・・!!」

その時ビビの脳裏にある言葉がよぎった。



ジタン(お前はこの先自分の命とエーコの命、どっちを取るか選択肢が来るはずだ・・・お前かエーコ、どっちかが必ず死ぬ・・・その選択を選ぶのはお前だ・・・ビビ・・・)



先日の夜、ジタンから言葉だった。

ビビ「ここが・・・そうなんだな・・・僕は・・・僕は!!」

そしてビビはエーコの下に走り出した。

レット「死ねーーー!!」

エーコ「嫌あっ!!」

ビビ「させない!!」

エーコ「ビビ!?」

ドシュ・・・!!

レット「お!?」

エーコ「ビ・・・?」

ビビ「ぐふっ・・・!!」

エーコ「ビビーーーー!!」

ビビがエーコの前に立ち、レットの矛を受け、体を貫かれた。

ビビ「ぐっ・・・」

そしてビビはその場に倒れた。

エーコ「ビビ!!どうして・・・!?」

ビビ「言ったでしょ・・・?命を・・・懸けてでも・・・って・・・」

エーコ「い、嫌よ・・・ビビ・・・」

レット「ありゃりゃま〜・・・ま、一人殺せたんならそれでいいか。あばよ。」

そしてレットはその場から消えた。

ビビ「ぐっ・・・!!」

ビビは腹部を貫いている矛を抜いた。

ビビ「だ、大丈夫だよね・・・?」

エーコ「ビビ・・・待ってて!!今ケアルを!!」

ビビ「いや、いいよ・・・」

エーコ「ビビ・・・?」

ビビ「これは・・・僕の・・・運命なんだ・・・」

エーコ「そんなの関係無いわよ!!ケアルガ!!」

エーコは泣きながら必死になってビビにケアルをかけたが傷は塞がりそうに無かった。

エーコ「どうして治らないのよ・・・!!お願いだから死なないでよ!!」

ビビ「エ、エーコ・・・」

ビビは血まみれの右手でエーコの涙をぬぐった。

エーコ「ビビ・・・」

ビビ「僕は・・・君に出会えてよかったと・・・思う・・・」

エーコ「うっ・・・うっ・・・」

ビビ「ごめんね・・・ずっといるって約束・・・守れなくて・・・」

エーコ「嫌・・・そんな事言わないで・・・」

ビビ「僕は・・・最低な奴だね・・・けど・・・一生懸命・・・君を愛した・・・つもりだよ・・・」

エーコ「そんな事言わないでったら!!」

ビビ「この四年間・・・ずっと・・・幸せだった・・・だから・・・エーコ・・・あり・・・が・・・とう・・・」

そしてビビの時は止まった・・・

エーコ「嘘・・・でしょ・・・ちょっと眠ってるだけなんでしょ・・・?」

ビビ「・・・」

エーコ「ねぇ!!起きてったら!!ビビ起きてよ!!」

しかし返事は何も無かった。

エーコ「起きてよ!!目を開けてよ!!」

エーコはビビの体を抱き寄せて揺らしたが、既にそこに命は無かった・・・

エーコ「ビビーーーーーー!!」







ダガー「!!」

コウ「今・・・かなり嫌な気が・・・」

ジタン「ビビ・・・エーコ・・・!!」





エーコ「うっ!!ううっ!!」

エーコはもう動かないビビを抱きしめ泣いていた。

エーコ「ビビ・・・」

エーコは落ちていた石の矛を拾った。

エーコ「あたしは・・・ビビがいないと・・・だから・・・」

エーコは矛先を自分の胸に向けて構えた。

エーコ「みんな・・・ごめんね・・・」

ザシュッ!!

エーコは自分の胸に矛を突き刺し自害を図った。

エーコ「ビビ・・・今・・・行くから・・・ね・・・」

そしてビビの手を握り、ビビに覆い被さる様に倒れ、エーコも止まった・・・

ジタン「やっと着いた・・・ビビ、エーコ!!」

そしてすぐ後に三人がやっと到着した。

ジタン「ビビ!!エー・・・コ・・・?」

コウ「どうした・・・!!」

ダガー「う、嘘・・・」

三人の目に入った光景は既に息絶えたビビとエーコの姿だった。

ジタン「ビビは・・・自分の道を選んだ・・・エーコは・・・辛くて後を・・・追ったのか・・・」

ダガー「う、嘘よね・・・二人が死ぬなんて・・・嘘だよね!?」

コウ「・・・」

ダガー「ねぇ!!教えてよ!!二人はまだ生きてるんでしょ!?そう言ってよ!!」

コウ「ティル・・・」

ダガー「私は信じない!!二人が・・・二人が死んだ何て・・・!!」

ダガーは二人の死を認めようとせずに泣いた。

コウ「ティル!!目を逸らすな!!」

ダガー「!?」

そんなダガーにコウが一喝した。

コウ「俺だって信じたくは無い!!でもな・・・二人は!!」

ダガー「言わないで!!」

泣きながらダガーはコウに抱きついた。

ダガー「お願いだから・・・その先を言わないで・・・!!」

コウ「ティル・・・」

ジタン「・・・」

コウ「・・・ジタン・・・」

ジタン「コウ・・・しっかりとセーラの目を隠しておけ・・・」

コウ「何?」

ジタン「セーラに・・・見られ無い様にな・・・」

コウ「・・・ああ・・・」

そう言ってまだ泣いているダガーの頭を腕で包んだ。

ジタン「・・・あっちで会ってると思うけど・・・ちゃんとこっちで付き合えよ・・・」

そう呟いて二人の近くにしゃがみ、二人の上辺りに左手を出し、角と羽を出した。

コウ「お、お前・・・まさか・・・」

ジタン「ああ・・・」

そしてジタンは自分と二人を羽で包んだ。

ジタン「天空そらに在りし記憶達よ・・・我が願い受けて・・・この者達の命を転生させん・・・我が御魂消えようと・・・この者達をこの地に・・・アレイズ・・・」

ジタンが何かの魔法を唱えると羽の中に光が溢れた。

コウ「蘇生魔法・・・まさか・・・!!」

そして光は消え、ジタンは角と羽を閉まった。

コウ「お前・・・そう言う事だったのか・・・」

ジタン「ああ・・・」

ダガー「ライフ・・・」

ジタン「セーラ・・・もう、大丈夫だ・・・」

ダガー「え・・・?」

エーコ「・・・ん・・・」

エーコが目を覚ました。いや、蘇った。

エーコ「あたし・・・自分で・・・」

ビビ「・・・うん・・・」

エーコ「え・・・?」

ビビ「あれ・・・僕・・・死んだんじゃ・・・」

そしてビビも蘇った。

エーコ「ビ、ビビ・・・!?」

ビビ「エーコ・・・」

エーコ「ビビ!!」

エーコは嬉し泣きの涙を流してビビに抱きついた。

エーコ「うぇ〜〜〜ん!!」

ビビ「・・・悲しませて・・・ごめんね・・・」

ダガー「ど、どう言う事なの・・・」

コウ「さぁな。奇跡が起こった、ってことでいいんじゃないか?」

ジタン「ああ・・・」

コウ「それとジタン・・・いいか?」

ジタン「ああ・・・セーラは二人のとこにでも行ってな。」

ダガー「ええ!!」

そしてダガーはビビとエーコの元に向かった。

コウ「お前の二つ目の血は・・・」

ジタン「そう言う事さ・・・まぁついでに俺からオマケ付きで蘇らせたがな。」

コウ「オマケ?・・・まぁいいとして、これで俺の疑問は解決した・・・」

ジタン「だが・・・まだ気になる事があるんだ・・・」

コウ「何?」

ジタン「リースが言ってたんだ・・・『ビビとエーコ、それにダガーに気を付けろ』って・・・」

コウ「どうしてティルまで・・・?」

ジタン「レットは何を企んで・・・まさか!!」

コウ「?」

ジタン「セーラ!!」

ダガー「何?」

ジタン「早く逃げるんだ!!」

ダガー「え?」

「遅いっての!!」

ダガー「きゃっ!?」

ジタン「セーラ!!」

ビビ「レ、レット!?」

突然レットが現れてダガーを強引に捕らえた。

ジタン「まさかお前・・・最初からセーラを!?」

レット「まぁそう言うこった。ガキは紛らわす為だけに殺したって訳よ。何だか蘇ってるがな。」

コウ「紛らわす為・・・だけにだと・・・!?」

レット「こっちゃはなっからこの女を捕らえるのが目的でな。それに気付かせない為にゾンビを出して、集団から離れてるガキを殺して、隙をついて捕まえるって訳よ。」

ジタン「だからブラネまでゾンビにしたのか・・・!!」

レット「そうすりゃ俺に対する怒りで頭が回らないだろ?」

ダガー「あ、アンタね・・・!!」

ジタン「セーラを放せ!!」

ジタンはレットに向かって走った。

レット「おっと動くな。この女がどうなるか・・・」

ジタン「くっ・・・!!」

ダガー「私には構わないで!!」

ジタン「そんな事出来るか!!」

コウ「くっ・・・」

レット「お前も妙な素振りを見せたらどうなるか・・・幻の存在とされたガイア最凶の錬金術師がよ・・・」

コウ「・・・」

ダガー「コウが・・・?」

コウ「ああ・・・」

レット「俺らの調べを舐めるなよ・・・」

コウ「そうかよ・・・」

ビビ「お姉ちゃんをどうするつもりなんだ!!」

レット「特になんもしねぇよ。ただ・・・いいように使わせて貰うだけよ。」

ダガー「早くこいつをやって!!私の事はいいから!!」

ジタン「そんな事・・・!!」

コウ「仲間をやれるかよ!!」

レット「美しいもんだね〜仲間思いってのは・・・ただ、それが命取りになるって事を覚えておきな。あばよ!!」

ダガー「ライフ!!コウ!!」

ダガーごとレットはその場から消えた。

ジタン「セーラ!!」

ビビ「お姉ちゃん!!」

コウ「レットの野郎・・・」

ジタン「どうしてセーラを・・・くそっ!!」

バシッ!!

ジタンは悔しく、地面を殴った。

ジタン「必ず・・・必ず助けるからな・・・!!」

コウ「ジタン・・・」

ビビ「・・・」

エーコ「ビビ・・・」

ビビ「・・・僕達も・・・頑張ろう・・・」

エーコ「うん・・・」

コウ「・・・ティル・・・」

連れ去られたダガーの安否を気遣う四人に日の光が差し込み、夜が明けた。




レットの策略により連れ去られたダガー。レットは何故ダガーを連れ去ったのか。ダガーの運命はいかに・・・




続く










あ と が き
ビビとエーコが・・・なんと・・・
これは一部の番外編であったので予想はしてたのでは?
連れ去られたダガーは?
って言わなくても分かるか。
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