CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第十ニ話 運命〜少年の道、少女の道前編 君の為なら・・・


バラバラに旅立った仲間達が集結し、第二の物語は遂に始まった。

ダガー「ん〜・・・」

ダガーはアレクサンドリア城の中で何やら悩んでいた。

ジタン「どうしたんだ?」

ダガー「ライフ・・・どうしても気になるのよね・・・運命ってのが・・・」

ジタン「それか・・・」

ダガー「あなた何か知ってるの?」

ジタン「核心は無いけど・・・一つだけ・・・それも悲しい奴を・・・」

ダガー「・・・悲しい奴?」

ジタン「・・・ああ・・・」

ダガー「あなたはあの時・・・ビビとエーコの運命とか言ってたけど・・・もしかして・・・」

ジタン「・・・」

ダガー「ねえ教えて・・・あの二人はどうなるの・・・?」

ジタン「・・・今はまだ・・・決心がつかない・・・でも・・・必ず話すよ・・・」

ダガー「ライフ・・・」

ダガーは倒れこむようにジタンに抱きついた。

ジタン「セーラ・・・?」

ダガー「私怖いの・・・あなたが段々変わって行く様で・・・私の知らないあなたになって行く様で・・・」

ジタン「セーラ・・・」

そしてジタンもダガーを抱きしめた・・・が。

エーコ「ま〜たイチャイチャしてるし〜」

ジダ「わっ!?」

部屋の窓の向こうにビビとエーコとコウがいた。

ダガー「ちょっと!!今結構シリアス入ってたのに!!」

ビビ「ルシアスなら寝てるでしょ?」

コウ「ビビ・・・シリアスってのは真面目とか笑い無しとかそう言う様な展開の事だ・・・」

ビビ「そうなんだ。」

ジタン「つうか何しに来たんだ?」

ビビ「昨日渡し忘れたんだけど・・・ジタン宛に手紙を預かってるんだ。」

そう言ってビビはジタンに手紙を渡した。

ジタン「手紙・・・これ・・・クルーか・・・」

ジタンは手紙を見て差出人がクルーだと分かった。

ダガー「誰?」

ジタン「ちょっとした知り合いさ・・・別にナンパしたとかの関係じゃないがな・・・」

エーコ「そら子持ちでナンパって・・・?」

エーコは何かに気付いた。

エーコ(冗談で言った感じのセリフなのに・・・笑みが無い・・・?)

笑みどころかジタンの表情は強張っており、昔の戦いでも見た真面目な時の顔だった。

コウ「どしたエーコ?」

エーコ「え?あ、何でも無いわよ。」

ジタン「ビビ・・・」

ビビ「ん?」

ジタン「四年前に一回聞いたが・・・もしエーコが危険な目にあった時・・・お前は自分の命を投げ出してでも・・・エーコを守れるか?」

ビビ「勿論さ。彼女は僕が・・・」

エーコ「・・・そんなの嫌よ・・・」

ビビ「?」

エーコ「そんなの嫌・・・あたしはビビがいないと嫌・・・命を投げ出して何て言わないでよ・・・!!」

エーコは泣きそうだった。

ビビ「エーコ・・・ごめん・・・」

そう言ってビビはエーコを抱きしめた。

コウ「で、どうしてそんな事を聞いたんだ?」

ダガー「やっぱり・・・」

ジタン「・・・例え気付いたって・・・みんなには言わないで欲しい・・・」

ダガー「・・・ええ・・・」

コウ「何の事か知らんが分かったよ。」

ジタン「ああ・・・」







リース「・・・」

何処か分からない場所・・・カオスチャイルドのアジトでリースは自分の剣の手入れをしていた。

リース「あの女・・・ダガーはまだ過渡期・・・今はまだまだだが・・・いずれ私と互角に戦えるであろう・・・」

そんな事を呟きながらリースは一心不乱に剣を手入れしていた。と、そこに。

マット「相変わらずだな・・・」

マットがやって来た。

リース「何しに来た・・・?」

マット「レットが奴らを一網打尽に出来ると言う策を思いついたと言う・・・来るんだ・・・」

リース「あいつが考える事は当てにならない・・・降ろさせてもらう。」

マット「我も気乗りはしないが、あの方からの命令でもあるらしいのだ・・・」

リース「そうか・・・ならば仕方ない・・・」

そう言って余り気乗りせず、リースは剣を鞘に閉まってレットの元に向かった。

レット「やっと来たか。」

リース「・・・」

レット「ガキなら呼んでねぇぜ。あんな奴いなくたって変わらんだろ?」

リース「貴様・・・!!」

リースは剣を抜こうとした。

マット「止すのだ。で、貴様が考えた策とやらを聞かせて貰おうか・・・」

レット「おうよ。よぉく聞いてろよ・・・」

そしてレットは自分が考えた策を二人に話した。

リース「ふざけるな!!私は反対だ!!」

リースはレットの策を聞いてきれた。

レット「いい案だろうがよ。奴らを消すにはな。」

リース「しかしその様な邪道な事出来る訳が無い!!」

レット「だがこれはあの方からの命令だ。悪く思うな。」

リース「くっ・・・!!」

マット「受け入れるのだリース・・・我もその策には反対だが・・・致し方あるまい・・・」

リース「・・・分かった・・・!!」

レット「そんじゃ今回は俺が一人でやってくぜ。あばよ。」

そう言ってレットは消えた。

リース「くそっ!!」

バシッ!!

リースは怒り、近くの壁を殴った。







ダガー「ていっ!!」

コウ「まだまだ!!」

ダガーはコウを相手に剣の特訓をしていた。

ジタン「彼女も・・・頑張ってるようだな・・・」

フライヤ「ああ・・・」

そしてジタンはフライヤと一緒にそれを見ていた。

ジタン「俺がいない三年間・・・彼女はどうしてたんだ・・・?」

フライヤ「その様な事は自分で聞くのだな。」

ジタン「ああ・・・」

ルビィ「何や何や?何堅苦しい話してるん?」

ジタン「ルビィ?それにミコトも・・・」

二人の近くに車椅子に乗って来たルビィとミコトが来た。

ジタン「ルビィ・・・もうすぐなんだろ?ここに来て大丈夫なのか?」

ルビィ「大丈夫やって。それにまだ二ヶ月あるんや。」

ジタン「でもな・・・」

ルビィ「服だけやと思たら性格まで変わったんかい?」

今のジタンの服装は前のズボンとシャツに半袖の薄い青と薄いピンクと白のチェック柄の腰より少し長い位の丈がある上着を羽織り、前の服についてたリボンは長くなった髪を縛っていた。(短剣は右にエンジェル、左にデモンズ)

ジタン「俺は前からこうだよ。」

ルビィ「そうか〜?髪もそんな伸ばして・・・男子やったらあのシルフっちゅう奴の次に長いやん。」

ちなみにシルフは三十cm近く後ろ髪が長く、ジタンは二十cmくらいだった。

ジタン「髪は関係無いだろ。」

ルビィ「そやけどな・・・」

ミコト「いいじゃないですか。兄さんは兄さん何ですから。」

ジタン「そうだ、もう一つ聞きたい事がある。ミコト。」

ミコト「何?」

ジタン「マーカスとは何処まで行った?」

ミコト「えええええ!?」

ジタン「兄として聞いてる。どうなんだ?」

ミコト「そ、それはその・・・」

ミコトは顔を真っ赤にしてジタンから目を逸らした。

ルビィ「大丈夫や。ウチの調べじゃ混浴はしとらんで。」

ジタン「そうか・・・」

ルビィ「でも一緒に寝たかどうかは知らん。」

ミコト「そ、そんな事してませんよ!!」

ジタン「・・・一応信じておくぞ・・・」

ミコト「うん・・・」

ルビィ「まったく大変やな。」

ジタン達がそんな事を話している頃。

ダガー「はぁ・・・はぁ・・・」

コウ「段々腕を上げてきたな。」

ダガー「私だって頑張ってるのよ。」

コウ「その調子だ。じゃ、もう一回行くか?」

ダガー「勿論!!」

コウ「なら来い!!」

ダガー「てやぁーーー!!」

ダガーは必死に特訓していた。

ルビィ「しっかしコウも完璧にメインキャラ上がりしたな。フライヤはサブキャラ扱いやけどな。」

フライヤ「私の代わりにフラットレイ様がいる。私はバリアントを守るという大事な使命があるのじゃ。」

ルビィ「ま、そやね。それにミコトちゃんもジタンいなかったからもうメインやし・・・?どないしたジタン?」

ジタン「ん?ああ何でも無いよ。」

ルビィ「そっか?」

ジタン「・・・」

コウ「もうイッチョ!!まだまだ!!」

ジタンは仲間を見るのとは違う目でコウを見ていた。

ミコト「・・・兄さん・・・?」

そしてその夜・・・







エーコ「ビビ・・・」

エーコはリンドブルム城の自分の部屋で眠っていた。

ビビ「・・・そろそろいいか・・・」

そしてすぐ近くにビビもいて、何処かに出るような準備をしていた。

ビビ「ちょっと・・・出掛けて来るね・・・」

眠っているエーコに小さく呟き、ビビは出発しようとした。と。

エーコ「ビビ・・・」

ビビ「!?」

眠ったままエーコはビビの服を掴んだ。

エーコ「お願い・・・何処にも行かないで・・・」

エーコは明らかに眠っていたが、その目には涙が溢れていた。

ビビ「・・・すぐに戻るから・・・」

そう言ってビビはエーコの頬にキスをして部屋を後にした。





ミコト「・・・ん?」

そしてほぼ同時刻、ミコトは違和感を感じ目を覚ました。

ミコト「・・・兄さん・・・?」

寝る時はいつも隣にいるはずのジタンの姿が無かった。

ミコト「兄さん・・・何処・・・?」

ミコトはベットから降りてパジャマ(上下共に薄めのピンク)の上に少し暖かめの上着を着て外に出た。そしてその頃。







コウ「・・・」

コウは剣の国アレクサンドリアの城下町の家の屋根の上に立って何かを待っていた。と。

ジタン「コウ・・・」

そこにジタンがやって来た。

コウ「後は・・・ビビか。」

ジタン「ビビならちょうど来たぜ。」

そしてすぐにチョコに乗ったビビがやって来た。

ビビ「ありがとう。また後で呼ぶからその辺にいて。」

メネ「分かったクポ。」

ビビ「ちゃんと来たよ。」

ジタン「さてと・・・俺はコウに聞きたい事、ビビに伝えたいことがある。」

コウ「俺もジタンに聞きたい事があるが・・・ビビになら聞かれても大丈夫だろうな。」

ビビ「何の事?」

ジタン「先にコウに聞きたい・・・お前は・・・何者なんだ・・・?」

コウ「・・・」

ビビ「ちょっとジタン?」

ジタン「普通は知らない様な事を知っていたり、テラの存在を話した時もお前は平然としてた・・・どうしてだ?」

コウ「一応俺は天文学者だぜ・・・それくらい・・・」

ジタン「じゃあどうしてこの戦いが武器と運命に関する事だ何て知った?」

コウ「・・・じゃあ俺も一つ聞く。何でお前は星々の魔獣を召喚出来た・・・?」

ジタン「それは・・・」

コウ「俺の事を言っても良いが、お前もそれを言わなきゃ俺は喋らないぜ・・・」

ジコ「・・・」

二人の間に気まずい空気が流れた。

ビビ「二人とも止めなよ。仲間でしょ?」

ジタン「ビビ・・・」

コウ「そうだな・・・」

ジタン「コウ・・・仲間だって・・・信じてるからな・・・」

コウ「ああ・・・」

ビビ「ジタン・・・コウ・・・」

ジタン「じゃあビビ・・・お前にはとても酷な話になるが・・・覚悟は出来てるか・・・?」

ビビ「覚悟?」

ジタン「セーラは気付いてるかもしれないし・・・コウは勘が鋭い・・・今の内に話しても問題無いと思うが・・・お前はどうだ・・・?」

ビビ「それは・・・僕にとって辛い話し・・・?」

ジタン「ああ・・・」

ビビ「じゃあ教えて・・・覚悟は・・・出来てる・・・つもりだから・・・」

ジタン「コウも・・・誰にも話すなよ・・・」

コウ「ああ・・・」

ジタン「ビビ・・・お前は・・・」

ビビ「・・・」







ミコト「兄さん・・・何処なの〜?」

ミコトは夜の城下町を一人で歩いていた。

ミコト「やっぱり夜は怖い・・・兄さん・・・?」

ミコトは道の先に人影が見えた。

ミコト「兄さん?」

ミコトはその人影に近づいた。

ミコト「兄さんなの?ねぇ・・・!?」

ミコトはその人影を確認して声が詰まった。

ミコト「あ・・・嫌・・・」

人?「ウァ〜・・・」

その人らしい物は徐々にミコトに近づき、ミコトは逃げようとしていた。

ミコト「こ、来ないで・・・お願いだから・・・こっちに来ないで!!」

ミコトは恐怖により腰を抜かしたらしくその場に倒れこんだ。

ミコト「いやぁーーーーーーー!!」

城下町にミコトの悲鳴が響き渡った。







コウ「今のは!?」

ビビ「ミコトお姉ちゃん!?」

ジタン「ミコト!!」

悲鳴は三人の耳にも届き、現場へ向かった。







人?「アゥァ〜・・・」

ミコト「ひっ・・・こ、来ないでったら・・・あっち行って!!」

ミコトは泣きながらその人らしき物から必死に逃げようとしてるが、腰を抜かしてるが為に、上手く動けなかった。

人?「ウゥ〜ワ〜〜!!」

そして人らしき物がミコトに襲い掛かった。

ミコト「いっ嫌・・・誰か!!」

ジタン「ミコト!!」

ミコト「!?お兄ちゃん!!」

襲われる寸前にジタンはミコトを救出した。

ジタン「もう大丈夫だ!!」

ミコト「怖かったよ・・・怖かった・・・!!」

ミコトは泣きながらジタンにしがみ付いた。

ジタン「しかしこいつは・・・」

人?「グォア〜〜〜・・・」

人らしき物は再びミコトを襲おうとした。が。

コウ「どらぁっ!!」

ドスッ!!

コウがハルバートで人らしき物を貫いた。しかし。

人?「ヌワァ〜・・・」

人らしき物に余りダメージを与えれてなかった。

コウ「な、何だこの腐敗臭!?」

その人らしき物から異様な腐敗臭が漂っており、コウは右腕で鼻を隠した。

コウ「くそっ・・・ビビ!!」

ビビ「分かってる!!ファイラ!!」

ヴォーー!!

人?「ガァ〜〜〜!!」

人らしき物はビビのファイラで火達磨(ひだるま)となりその場に倒れた。

コウ「何だってんだよこいつは・・・?」

ビビ「腐った臭いがしてたけど・・・」

ジタン「これはまさか・・・!?」

ジタンは辺りの家に明かりが灯ったのと人が来てるのに気付いた。

ジタン「一回ここから離れよう。」

ビビ「うん。」

コウ「ああ。ビビつかまれ。」

ジタン「もう大丈夫だからな。」

ミコト「うん・・・」

そして四人は街の人が来る前にその場から去った。

コウ「朝になったらみんなに知らせよう。」

ジタン「ああ・・・ビビ。」

ビビ「?」

ジタン「さっき言った事・・・忘れるなよ。」

ビビ「うん・・・分かってる・・・」

そして夜が明けた。







ブランク「ゾンビだぁ〜〜!?」

仲間達は城内の会議室に集まり、夜中にあった事について話し合っていた。

コウ「あの腐敗臭にハルバートぶっ刺しても平気でいた事、そして普通とは違った雰囲気・・・おそらくゾンビだろうな。」

クイナ「でもゾンビ言うたらイーファの樹にいた・・・」

ジタン「確かにそうだが昨日の夜にいたアレは明らかに人の死体だ・・・」

マックス「生きし屍・・・か・・・」

ネリク「でもどうして昨日夜中に出歩いてたラリ?」

ジタン「ちょっと用があってな・・・」

エーコ「でもゾンビってね〜・・・」

ビビ「そ、そうだね・・・」

ミコト「あれ?ビビもきの・・・ムグッ!?」

ジタンがミコトの口を塞いだ。

ジタン(エーコには黙って出たって事秘密にしてるんだ・・・)

ミコト(わ、分かったわ・・・)

ベアトリクス「確かに昨日、霧の大陸のいたる所で化物を見かけたとか・・・」

ラニ「でもそんなこと出来る奴いるの?」

ジタン「一人いるさ・・・レットがな・・・」

シルフ「レットってあのカオスチャイルドとか言う奴らの黄色いの?」

ミーナ「でも地とゾンビって繋がりが無いような・・・」

ジタン「あいつは地に関する事が出来る・・・おそらく地属性『死』・・・」

マリーン「死・・・?」

ジタン「あいつは死んだ生き物を操る事が出来るんだ。今回のケースもそうだろう。」

シナ「しかし一体あいつら何なんズラ?性格もバラバラだし・・・」

シャイン「これから戦う奴なんだしちょっとは情報が欲しいぜ。」

アーカム「同感ですね。相手は僕らの事を知ってるみたいですし。」

ジタン「まぁそうだな。レットはあの感じのまま・・・ただ殺戮を楽しんでる死神さ・・・リースは剣士として誇りを持っているから卑怯なマネとかはしない。」

ダガー「・・・」

ジタン「マットは・・・あいつはただ強い奴と戦いたい・・・リースと似てる様で少し違うんだ・・・」

マーカス「そのカオスチャイルドって三人だけ何スか?」

ジタン「いや、後一人いる・・・あいつ・・・あの子は戦いを嫌ってるから仕掛けてこないとは思うけど・・・」

エーコ「まぁでも気を付けなきゃいけないって事は確かね。」

クイナ「そうアルね。」

スタイナー「おや?クウカはどうしたのであるか?」

クイナ「クウカはお師匠様のとこにいるアルよ。しばしあそこで修行するって言ってるアル。」

サラマンダー「とりあえずこんな感じに攻めて来てるって事はいつか本格的に攻め込んで来るって事だろうぜ。」

フラットレイ「そうであろうな。」

ベアトリクス「気を付けなくてはいけませんね。」

エーコ「ま、大丈夫だよねビビ?」

ビビ「・・・ん?」

エーコ「どうしたのビビ?」

ビビ「ううん・・・何でも無いよ・・・」

エーコ「ビビ・・・?」

ビビ「・・・」

そしてまた夜を迎えた・・・







エーコ「う・・・ん・・・」

夜中、エーコは自分の部屋のベットの中で不意に目を覚ました。

エーコ「・・・ビビ・・・?」

エーコはビビがいない事に気付いた。(ビビとエーコは一緒に暮らしている)

エーコ「何処に行ったの・・・?」

エーコは寝間着(瑠璃色のネグリジェ)のままビビを探し始めた。



ビビ「・・・」

その時ビビはリンドブルム城の展望台にいた。

ビビ「運命・・・か・・・」

ビビは運命について何か考えていた。と。

エーコ「ここにいたんだ・・・」

ビビ「エーコ・・・?」

ちょうどエーコがやって来た。

エーコ「どうしたの・・・こんな時間に・・・?」

ビビ「ちょっとね・・・」

エーコ「・・・」

エーコは何も言わずにビビに寄り添った。

ビビ「・・・エーコ・・・一ついいかい?」

エーコ「何・・・?」

ビビ「もし・・・もしさ・・・二つの道があって・・・片方は自分にとって有利な道だけど・・・大切な何かを失ってしまう道と・・・もう片方はその大切な何かを優先させる為に自分を犠牲にしなくちゃいけない道・・・君ならどっちを選ぶ?」

エーコ「あたしは・・・後者だね・・・大切な何かを失ってまであたしは・・・」

ビビ「それじゃあ君の道の大切な物が僕で・・・これと同じ場合の僕の大切な物が君だとして・・・二人同時にその分かれ目に来たら・・・」

エーコ「そんなの・・・考えたくないよ・・・」

ビビ「ごめん・・・ちょっと気になってね・・・」

エーコ「ビビ・・・ずっと・・・一緒にいるよね・・・あたしの側から・・・離れないよね・・・?」

ビビ「・・・勿論さ・・・」

そう言ってビビはエーコを抱きしめた。

エーコ「ビビ・・・」

二人の髪が夏の風に吹かれ揺れていた。(ビビは帽子をかぶってない)



リース「・・・」

そんな二人を少し離れた場所からリースが見ていた。(ちなみに赤いマント着用中)と。

ジタン「リース・・・お前・・・」

リースの近くにジタンが来ていた。

リース「ジタンか・・・何の様だ・・・?」

ジタン「・・・レットは何を企んでる・・・?」

リース「あいつの考えなど知らん・・・ただ気に食わないのは確かだ・・・」

ジタン「そうか・・・」

リース「・・・ただ一つだけ言っておく・・・」

ジタン「?」

リース「あの二人・・・そしてダガーに気を付けろと・・・」

ジタン「どうしてセーラまで・・・?」

リース「私とお前は敵同士なのだ・・・多くは言わん・・・」

ジタン「そうかい・・・あの子はどうしてる・・・?」

リース「心配無用だ・・・あの子を戦わせようとは思わん・・・」

ジタン「分かってるが・・・あの子を俺は・・・悲しませたくない・・・」

リース「それはそうだ・・・しかし・・・避けられない道と言う物もある・・・覚悟しておけ・・・」

ジタン「そっちもな・・・」

やけに重苦しい話をする二人に風が通り抜け、二人の髪と服を靡かせた。

リース「それではな・・・」

そしてリースはその場から消えた。

ジタン「・・・」

ジタンはまだその場にいた。ずっと風が髪と服を靡かせていた。

ジタン「あの二人は・・・まだいるか・・・」

二人はまだ展望台にいた。







クルー「・・・」

クルーは何故かアレクサンダーの祭壇にいた。

クルー「運命って・・・過酷な物だね・・・」

悲しそうな目でクルーは剣の国アレクサンドリアの城下町を見下ろした。

クルー「僕も・・・ここを・・・?誰か来る・・・」

クルーは人が来るのを察知して隠れた。

コウ「話って何なんだ?」

ダガー「うん・・・」

祭壇に来たのはダガーとコウだった。

ダガー「何だか・・・ライフが私の知らない人になって行く様な気がして・・・怖いの・・・」

コウ「確かにあいつは変わった・・・何かとても大きな事を隠しているのか・・・それとも・・・」

ダガー「ねぇコウ・・・彼はいつまでも・・・彼だよね?」

コウ「ティル・・・昔、今の質問に似た事を聞いた奴がいるんだ・・・そいつは自分を疑い・・・自分を見失ってた・・・ある日、そいつはただ一人だけ心から信じれる奴に聞いたんだ。『俺はいつまで俺でいられると思う?』って・・・」

ダガー「その人は・・・どう答えたの?」

コウ「『今の君が終わっても、また新しい君になれる。どんなになっても君は君だ』・・・そう答えた・・・」

ダガー「・・・」

コウ「だから今あいつはその時だと思うんだ。たとえ変わっても・・・あいつはあいつに変わりないよ。」

ダガー「ありがとう・・・コウ・・・」

クルー「・・・」

クルーは二人の話をずっと聞いていた。

クルー「僕は・・・」

そしてクルーはその場から消えた。







ネリク「フワァ〜・・・眠いド・・・」

マックス「我慢しろ・・・お前は寝すぎなのだ・・・」

ネリクとマックスはブラネの墓近辺を見回りしていた。

ネリク「第一なんで見回りなんかしなくちゃならないホ?」

マックス「がたがた言うな。皆剣の国アレクサンドリアを見回りしてるのだぞ。」

ネリク「ゾンビって言ったって・・・お?」

マックス「どうした?」

ネリク「ブラネの墓の場所に誰かいるラリ。」

マックス「何だと・・・?」

二人はブラネの墓に近づいた。

マックス「確かにいるな・・・何をしてるのだ・・・?」

ネリク「とっちめるホ・・・」

マックス「しかしな・・・」

ネリク「あいつが誰かは分からんラリ・・・でも先手必勝言うし・・・」

?「俺をしめる何ざてめぇらに出来んのか?」

ネリク「その声はレット!?」

レット「当たりだ!!ちぇい!!」

ドスッ!!

ネリク「グホッ!!」

マックス「ネリク!!」

レットが尖った石をネリクに投げつけ、石はネリクに命中した。

レット「てめぇも後を追いな!!」

マックス「何!?」

ザシュッ!!

マックス「ガハッ!!」

マックスはレットの爪で斬られ、その場に倒れた。

レット「さてと・・・準備は出来た・・・後は実行あるのみだな・・・キキキ・・・」

そう言ってレットはその場から消えた。

フラットレイ「今こちらから声がしなかったか?」

スタイナー「気のせいではないか?」

ちょうど近くをフラットレイとスタイナーが通りかかった。

フラットレイ「気のせいだったのか・・・ん?」

スタイナー「どうした?」

フラットレイ「女王の墓の前に誰かいるぞ?」

スタイナー「何だと・・・?」

二人は墓の前まで来た。

フラットレイ「!?ネリク!!マックス!!」

スタイナー「一体どうしたのである!?」

ネリク「レ・・・レットが・・・」

スタイナー「レットだと!?」

マックス「す、すまない・・・」

フラットレイ「スタイナー医者を!!私はある程度応急処置を施しておく!!」

スタイナー「了解した!!」

そしてスタイナーは医者を呼びに走り出した。

フラットレイ「しかし何故レットはここに・・・?」

フラットレイは墓に異変を見つけた。

フラットレイ「墓が・・・掘り起こされてる・・・?」

ブラネの墓は掘り起こされていた。

フラットレイ「これがレットの仕業だとしたら・・・まさか!?」







マリーン「シルフゥ〜〜・・・」

シルフ「・・・寝かしてくれよ・・・」

シャア「ZZZZ・・・」

シルフ達はダガーが設けた四人の部屋で眠っていた。(シルフはマリーンに取り付かれてるので寝れずしまい)

シルフ「・・・?何だこの気配・・・?」







ダガー「それじゃあ今日はもう休むわね。」

コウ「ああ。俺は見回りがあるから・・・?」

ダガー「どうしたの?」

コウ「嫌な予感が・・・」

ダガー「え・・・?」







ジタン「さてと・・・早く帰らなきゃ・・・?何だ・・・この感じ・・・」







クジャ「・・・何だか嫌な空気だな・・・」



仲間達の一部が何かを察知していた。





サラマンダー「暇だな・・・」

クイナ「何も無いに越した事はないアル。」

サラマンダー「だがよ・・・ん?」

クイナ「どしたアル?」

サラマンダー「何だあの人だかり?」

二人の前方に怪しい人だかりがあった。

クイナ「こんな時間に何アル?」

サラマンダー「見てくるか・・・」

そう言ってサラマンダーは人だかりに向かった。しかし。

クイナ「しかし何アルかこの腐ったような臭い・・・」

クイナは腐ったような臭いを感じてて前に進んでいなかった。

クイナ「・・・腐った臭い・・・腐敗臭?・・・まさかアル!?」

サラマンダー「お〜い。何やってんだこんな時間に・・・」

クイナ「サラ逃げるアル!!」

サラマンダー「あ?」

「ブォア〜〜!!」

サラマンダー「うおっ!?」

人だかりの正体はゾンビだった。

ゾンビの群れ「オァ〜〜〜!!」

サラマンダー「どぉおーーー!!」

サラマンダーは襲われる前に全力で逃げた。

サラマンダー「な、何だってこんな大量に!?」

クイナ「このままじゃ民家も危ないアルよ!!」

サラマンダー「よし、こうなったら・・・」

クイナ「こうならば・・・」

クサ「俺(ワタシ)はあいつら(みんな)を呼んでくるからお前は(サラは)ここで頑張れ!!(頑張るアル!!)」

二人同時に同じ事を言った。

サラマンダー「お前青魔法あるから大丈夫だろ!?」

クイナ「サラは戦い慣れしてるアルからここで頑張るアルよ!!」

二人は危機的状況なのに口論し始めた。そんな事している内に・・・

ゾンビの群れ「ヌボァ〜〜〜・・・」

二人は大量のゾンビで囲まれた。

クイナ「クヌゥ〜〜!!こうなれば!!」

サラマンダー「当たって砕けろだ!!」

クサ「だぁ〜〜〜!!」

二人はゾンビの群れに突っ込んだ。







コウ「みんな集まってるか!?」

アレクサンドリア城の前には仲間達がほぼ全員揃っていた。

マーカス「ジタンさんとミコトさんがいないッス。」

ミーナ「それにマイも・・・」

ダガー「ビビとエーコは船の国リンドブルムにいると思う。それにクジャもいないし・・・」

コウ「ジタンならいち早く気付くだろうからいいとして・・・とりあえず街に大量のゾンビが現れたらしい。多分クイナとサラマンダーは今戦っているだろう。俺らも行ってゾンビが民家を襲う前に全部叩きのめそう。」

ベアトリクス「分かりました。」

ダガー「でも全員行ったら城が・・・」

コウ「分かってるさ。フライヤ、ベアトリクス、ラニ、ブランクとシナは念の為に残っててくれ。」

ブランク「ああ。」

シナ「分かったズラ。」

ダガー「ネリクとマックスはレットにやられて重症だから・・・みんな頑張って!!」

ほぼ全員「ああ!!」

そして全員行動を開始した。







サラマンダー「オラオラオラァ!!」

クイナ「アルアルアルゥ!!」

ゾンビの群れ「アァ〜〜・・・」

二人は囲まれた状態で必死に戦っていた。

サラマンダー「き、きりねぇ・・・」

ゾンビは全然減っていなかった。

クイナ「き、きついアル・・・」

ゾンビの群れ「アヴォォ〜〜〜・・・」

サラマンダー「またきやがった!!」

クイナ「もう嫌アル〜〜〜!!」

ゾンビの群れが二人に襲い掛かった。と。

「忍法風迅の術!!」

クサ「!?」

ザシュシュッ!!

ゾンビの群れ「ヴォェ〜・・・」

二人の周りにカマイタチが発生してゾンビが少し細切れにされた。

マイ「しっかりするんだな二人とも!!」

クサ「マイ!?」

二人を助けた(?)のはマイだった。

マイ「見てらんないから手伝ってやるよ!!」

サラマンダー「うるせぇ!!」

クイナ「とりあえず助かったアル!!」







シルフ「どりゃーーー!!」

ザシュッ!!

ゾンビの群れ「アアァ〜〜〜・・・」

シルフ「くっそう・・・どんだけいるんだよ・・・」

マリーン「まだ民家を襲ってはいないと思うけど・・・」

シャイン「どうだっていいからさっさと潰しちまおうぜ!!ていっ!!」

シャインは矢を三本束ねて放った。

ゾンビの群れ「アヴァ〜・・・」

アーカム「しつこいですね!!ファイガ!!」

ヴァーーー!!

ゾンビの群れ「ヴェ〜〜・・・」

シルフ「全然減らねぇ・・・こら根気との勝負だな・・・」







ダガー「二人とも大丈夫!?」

コウ「ああ!!」

マーカス「何とかッス!!」

ダガー「それにしてもこの数・・・」

ゾンビの群れ「ヴォ〜〜〜・・・」

コウ「一体どんだけいるんだよ・・・」

マーカス「そうッスね・・・」

ダガー「弱気にならないで!!」

コウ「分かって・・・ティル後ろ!!」

ダガー「はっ!?」

ゾンビ「ヴァ〜!!」

ダガーの後ろにゾンビが一体いた。

ダガー「くぅっ!!」

ダガーは剣で防御体制を取った。と。

ジタン「伏せろ!!」

ダガー「ライフ!?」

ジタン「たぁーーー!!」

ザシュッ!!

ゾンビ「ウァ〜〜・・・」

襲われる寸前にジタンがゾンビを切り刻んだ。

ジタン「大丈夫か!?」

ダガー「ええ・・・」

コウ「しかし数がかなりあってな・・・」

クジャ「諦めたらそこで終わりだ!!」

ジタン「兄さん!!」

クジャ「確かにこの数は大変だけど・・・諦めなかったら大丈夫だろ?」

コウ「まさかクジャに言われるとはな・・・そうだな。」

マーカス「もう一踏ん張りッス!!」

ジタン「あれ?ミコトは?」

マーカス「そう言えばまだ見てないッス・・・」

クジャ「そう言えば家だ・・・」

ジタン「やばい!!ミコト!!」

マーカス「ミコトさーーーーーん!!」

ジタン「あり?」

ジタンよりも早くマーカスがミコトの下に向かった。

ジタン「だ、大丈夫か・・・」

ダガー「大丈夫でしょ。私達はここを!!」

ジタン「ああ!!」







ミコト「ふぅ〜・・・」

皆が必死に戦っているその頃、ミコトは風呂に入ってたらしく、少々髪が濡れたままパジャマを着て小さめのタオルで髪を拭いていた。

ミコト「兄さん達何処行ったのかしら・・・ふぅ〜・・・」

髪を左手で拭きながら右手で牛乳のような物を飲んでいた。(250mlパック、ストロー付き)

ミコト「『発育がよくなる牛乳』・・・明らかに嘘っぽいけど・・・やっぱり気になっちゃうのよね・・・はぁ・・・」

ミコトはため息を吐き、左手で自分の胸を触った。(タオルは頭に置いてる)

ミコト「二十歳なのに全然大きくならない・・・これじゃあエーコに抜かされちゃうかも・・・」

そんな事を呟きながらミコトは胡散臭い牛乳を飲み干した。と。

ドンドンドン!!

ミコト「ん?」

何者かが玄関の戸を叩いた。

ミコト「はい?どちらさまですか?」

ミコトは玄関に向かった。と。

バダン!!

ミコト「!?」

何者かが扉を突き破ってきた。その正体は・・・

ゾンビ「アァ〜〜!!」

ゾンビであった。

ミコト「ゾンビ!?」

ミコトは少し下がりユニコーンドライブを出そうとした。が。

ゾンビ「ウガァ〜・・・!!」

このゾンビはやけに移動速度が速く、すぐにミコトの前まで来た。

ミコト「速い!?くっ!!」

ミコトはユニコーンドライブを出すのを止めて近くにあった椅子を掴んだ。そして。

ミコト「えいっ!!」

椅子をゾンビの足目掛けて投げた。

バシッ!!

ゾンビ「アウァ〜〜・・・」

見事に命中し、ゾンビはその場から倒れた。だが・・・

ミコト「え・・・?」

ゾンビ「アォ〜・・・」

ゾンビはミコトの方に向かって倒れてきたそして・・・

バダン!!

ミコト「きゃっ!!」

ゾンビがミコトを押し倒し・・・と言うよりも巻き込んで倒れた。しかも。

ミコト「!!!!!」

ゾンビの手がミコトの胸を触っていた。

ミコト「い、いやぁーーーー!!」

ボゴン!!

ミコト「あんなのにまで・・・もういやぁ・・・!!」

ゾンビを弾き飛ばしたが、あんなのにまで触られて流石にショックが大きく、ミコトはその場で落ち込みながら泣き出した。

ゾンビ「エェ〜・・・!!」

しかしゾンビはそんな事お構い無しに再びミコトを襲おうとした。

ミコト「うぅ〜・・・?はっ!!」

ミコトはゾンビがまた来た事に気づいたが既にすぐ近くにいた。

ゾンビ「ヴァ〜!!」

ミコト「ま、まずい!!」

ユニコーンドライブを出す隙もなくミコトはピンチに陥った。と。

「どりゃーーー!!」

ザシュッ!!

ミコト「!?」

何者かが家に入って来てゾンビの頭を切り落とした。その人物とは・・・

マーカス「な、何とか間に合った・・・」

マーカスだった。

ミコト「マーカス!!」

マーカス「ミコトさん大丈夫ッスか!?」

ミコト「え?ええ・・・ただちょっと胸を・・・」

マーカス「いい!?だ、大丈夫ッスか!!」

マーカスは慌ててミコトの側に駆け寄った。

マーカス「傷はどれくらいッスか!?」

ミコト「あの・・・胸を・・・触られただけ・・・なの・・・」

マーカス「な、ぬぁぬーーーーー!!」

ミコト「え?」

マーカス「よ、よくもミコトさんの・・・だがそいつはもう殺したし・・・この怒りは何処へ向ければいいんだーーーー!!」

意味不明にマーカスは叫んだ。

ミコト「マ、マーカス?」

マーカス「はっ!!そんなことより早く逃げるッス!!ゾンビが大量に向かって来てるッス!!」

ミコト「ええ!?」

マーカス「行くッスよ!!」

ミコト「で、でも私パジャマだし・・・」

マーカス「でも着替えてる暇・・・着替え・・・ブホッ!!」

ミコト「えっ!?」

突然マーカスが鼻血を噴出した。

マーカス「す、すんませんッス・・・でも着替えてる暇は無いッス・・・申し訳ありませんがこのまま行くッス!!」

ミコト「わっ!!」

そう言うとマーカスはミコトを抱きかかえて走り出した。

ミコト(マーカス・・・)







ジタン「今とても不吉な事が起こっている様な・・・」

ダガー「何ぶつくさ言ってるの!?」

ジタン「ああ・・・何でもないよ。それっ!!」

ザシュシュッ!!

ゾンビ×2「ヴォェ〜・・・」

クジャ「しかしあいつはここまでどうやって死体を集めたんだろうか・・・」

コウ「霧の大陸中の墓地にでも行ったとかじゃないか!?」

ジタン「ま、そんなとこだろうよ。」

ダガー「どうしてそこまで軽く・・・!?後ろ!!」

ジタン「まずっ!!」

ゾンビの群れ「ノヴァ〜・・・」

ジタンのすぐ後ろにゾンビが大量に襲いかかろうとした。

ジタン「だがこの程度!!」

ジタンは短剣を構えゾンビの群れに立ち向かおうとした。と、その時。

ゾンビ「オヴェッ・・・」

ジタン「いっ!?」

いいなりゾンビの頭が破裂し、そのまま倒れた。

コウ「ん?マーカスが帰って来たな。」

ジタン「てことはミコトか今の・・・んん!?」

ミコト「兄さん大丈夫!?」

ジタン「そ、それはお前だーーー!!何でパジャマなんだ!?」

ミコト「ちょっとお風呂上りで・・・そこをゾンビが・・・」

ジタン「ま、まさかマーカス!?」

マーカス「や、何もしてないッス!!絶対ッス!!命かけても誓うッス!!」

ジタン「そ、そうか・・・」

安心したのか、ジタンは自分の上着をミコトに羽織らせた。

ジタン「襟の所に一応ボタンがあるからちゃんとしとけよ・・・」

ミコト「うん・・・」

あまり効果は無さそうだがミコトは上着のボタンをつけた。

コウ「滅茶苦茶マントっぽい・・・」

マーカス「でも何処か不安が・・・これも使って下さいッス。」

そう言ってマーカスは自分のズボンに付けてた飾り風のベルトをミコトに渡した。

ミコト「ありがとうマーカス。」

そしてミコトはそのベルトをお腹の辺りを締める様に付けた。

コウ「さてと・・・後どん位いる?」

クジャ「はっきり言って数えれる程じゃ無いね・・・」

ダガー「多さがね・・・」

ゾンビの群れ「ヴォア〜・・・」

ジタン「どんなにいたってやるしかないだろうが。」

ダガー「そうよね・・・それじゃまたやりま・・・!!」

ダガーは群れの中にいる一体のゾンビを見て目を疑った。

ジタン「どうした!?」

コウ「こんな時にぼさっと・・・」

ジタン「セーラ、どうしたんだ・・・あれは!?」

マーカス「う、嘘!?」

クジャ「アレは・・・」

ダガー「お、お母様・・・」

ブラネ「ウォァ〜・・・」

そこにはゾンビ化したブラネがいた。

ジタン「レットの野郎・・・ブラネまで・・・」

ダガー「お母様・・・」

ジタン「駄目だ!!そいつはもうブラネじゃない!!倒すんだ!!」

ダガー「嫌・・・そんな事・・・」

コウ「こうなったら俺らが・・・うおっ!?」

ゾンビの群れ「アァ〜・・・」

コウ「邪魔するなくそっ!!」

ブラネ「アァ〜・・・」

ダガー「お母・・・様・・・」

ジタン「セーラ!!」

コウ「ティル!!」

ミコト「義姉さん!!」

ダガー「お母様・・・くっ!!」

目に涙を浮かべつつもダガーは剣を握り締めた。そして。

ダガー「やぁーーー!!」

ドスッ!!

ブラネ「アァ・・・」

ダガーはブラネの腹部に剣を突き刺した。しかし。

ブラネ「アァ〜・・・」

ゾンビなのでそれだけでは死ななかった。

ジタン「セーラ!!」

マーカス「早くするッス!!」

ダガー「でも・・・でも・・・!!」

ブラネ「アァ〜〜!!」

止めをさせないダガーにブラネは手を伸ばして来た。

コウ「ティル!!」

ダガー「く・・・う・・・うわぁーーー!!」

ダガーは涙を流しながら剣に力を込めた。すると剣が白く光りだした。

ダガー「ワイトスレイヤーーーー!!」

ズヴァーーー!!

ブラネ「アァ・・・」

ダガーの一撃でブラネは消滅した。

ダガー「お母様・・・」

ジタン「セーラ・・・」

ダガー「うっ・・・ライフ・・・うわーーー!!」

ダガーはジタンに抱きついて泣き出した。

ジタン「レットめ・・・!!」

コウ「ティル・・・ジタン・・・」

クジャ「しかし親玉は何処にいるんだろうね・・・」

マーカス「確かに・・・」

ジタン「・・・まさか!!」

ミコト「心当たりあるの?」

ジタン「ああ・・・思いっきりな!!」

コウ「奴は何処に・・・?」

喋っている途中でコウの懐から小さな光が発生した。

コウ「こんな時に・・・」

コウはその光った何かを手に取って見た。

コウ「・・・遂に来たか・・・!!」

ジタン「コウのあの様子・・・間違いないな・・・兄さん、コウ、マーカス!!」

クジャ「?」

ジタン「俺は船の国リンドブルムに向かう!!ここを頼む!!」

マーカス「そ、それはいいッスが・・・どうして今?」

ジタン「嫌な予感がする・・・だから頼む!!」

ダガー「もしかしてビビとエーコが!?」

ジタン「おそらく・・・」

コウ「だったら俺も行くぜ!!」

ダガー「私も行く!!」

ジタン「セーラ・・・コウ・・・」

ミコト「兄さん。行かせてあげて。」

ジタン「ミコト・・・」

ミコト「いつもだったら私も行きたいけど・・・兄さんここ最近義姉さんといる事が少ないでしょ・・・だから行かせてあげて。私の代わりに・・・」

ジタン「ミコト・・・分かった。二人とも。頼むな。」

ダガー「ええ!!」

コウ「ああ!!」

クジャ「こっちは任せな。」

マーカス「ミコトさんは俺が守るッス。」

ジタン「ああ・・・チョコ!!」

コウ「ヴァニィ!!」

ピィーーー!!

二人同時にチョコとヴァニィを呼んだ。

ジタン「船の国リンドブルムへ向かってくれ!!」

メネ「分かったクポ!!」

ダガー「チョコって二人乗り出来る!?」

メネ「その人の体重によるクポ。えっと体重は・・・」

ダガー「じょ、女性に体重聞くの!?」

コウ「どうだっていいから乗せてやれ!!」

メネ「しょうがないクポ・・・」

そしてチョコにジタンとダガー、ヴァニィにコウが乗って三人は船の国リンドブルムへ向かった。

ジタン(間に合ってくれ・・・ビビ、エーコ!!)

その時その二人は・・・







ビビ「ぐあっ!!」

エーコ「ビビ!!」

ビビ「だ、大丈夫さ・・・この・・・くらい・・・」

レット「我慢は体に良くないんだぜガキ・・・ママに習わなかったのかい〜?」

ビビ「母さんは・・・僕が生まれてすぐに死んだよ・・・!!」

リンドブルム城の展望台でレットと戦っていた。そしてビビはかなりのダメージを受けていた。

エーコ「もう止めてよビビ・・・死んじゃうよ・・・!!」

ビビ「死なんか・・・怖くない!!」

エーコ「ビビ・・・」

ビビ「君の・・・君の為なら・・・僕は死を恐れない!!」

そう言って再び立ち上がりレットに向かって行った。




本格的に攻めて来たカオスチャイルド。レットの目的は、リースの言った『ダガーに気を付けろ』とは・・・そしてビビとエーコの運命は・・・?




続く










あ と が き
六月後半に公開した作品です。
ジタンの服装が変わりましたがこれは後々大きく出てきます。
そして来たマーミコのイチャイチャ?
これも楽しみに。
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