一つの終わりは新たな始まりを意味する。
そんな言葉を聞いたことがある。
たどりついたらそこがスタート。
その言葉は本当なのかも知れない・・・





FINAL FANTASY \

CRYSTAL MEMORY STORY

第二部 武器と運命の物語
第一話 新たな始まり






女性「宛て〜もなく彷徨っていた・・・手がかりもなく探しつづけた、あな〜たがく〜れた想い出を〜心を、癒す、詩に〜して〜・・・」

この女性は部屋の窓枠に座り、一人の赤ん坊を抱きかかえていた。

?「相変わらず綺麗な歌だな。」

部屋の窓のすぐ近くまで生えている木に一人の青年が枝に座っていた。

青年「いい子守唄じゃないかティル。」

ダガー「褒め言葉として受け取っておくわコウ・・・」

そう、女性はダガー、青年はコウであった。

ダガー「で、何しに来たの?」

コウ「ああ、そろそろみんなの所に行く時間じゃないかなって。」

ダガー「もうちょっと待ってて、ルシアスまだ寝つけてないから。」

赤ん坊はルシアスと言うらしい。

コウ「リリスは寝てんのか?」

ダガー「ええ。」

そう言ってダガーは部屋にあるベットの近くに行き、コウも部屋の中に入った。

コウ「しっかしいつ見ても似てるよな〜・・・リリスはティルに、ルシアスはあいつによ。」

ダガー「ええ・・・」

コウ「あ、悪ぃ・・・」

ダガー「別にいいわよ。」

部屋にあるベットには既に額に角の生えた一歳か二歳くらいの女の子が眠っていた。この子がリリスのようだ。と。

ルシアス「ふ、ふぇ〜・・・」

ルシアスが泣きそうになった。

ダガー「よしよし・・・コウ、そっち向いてて。こうなったら母乳与えないと泣き止まないから。」

コウ「あ、ああ分かったよ。」

そう言ってコウはダガーに背を向け、ダガーはルシアスに母乳を与え始めた。

コウ「ところでよ、一国の女王がそんな格好でいいのかい?」

ダガー「暑いからいいでしょ。コウは四年前から何も変わってないじゃない。」

二人の服装はコウは前と変わらず、ダガーは丈が膝にかかる位の水色のスカートにクリーム色のブラウスと白い半袖のシャツだった。ちなみに今は夏。

コウ「いいじゃないか。」

ダガー「だったらお互い様よ・・・よっと。」

ダガーは母乳を与え終わり、ルシアスをベットに寝かせた。

ダガー「ルシアス・・・リリス・・・あなた達のパパは今何処にいるのかしらね・・・」

コウ「ティル・・・」

子供に話しかけたダガーの瞳は寂しさが漂っていた。

ダガー「じゃあ行きましょうか。しばらくは二人とも起きないと思うから。」

コウ「おう。」

そして二人は部屋を出た。

コウ「おっとそうだ、またフェードインに話が始まって何だか分からない者達よ。このコウ=エルフレイが教えてしんぜよう。」

ダガー「誰に話しかけてるの?」

コウ「何も知らない人達にさ。時は1804年、イーファの戦乱から四年後、そしてあいつが失踪してから三年後だ。あいつが失踪してから少し経った後、ティルに一人の子供が生まれた。その子供は召喚士の角が生えた現アレクサンドリア王女リリス=キラ=アレクサンドロスさ。街の人はそんなことがあり一時テンヤワンヤになってしまった。しかもそれから一年くらい経った後、ティルはまた妊娠し、もう一人の子供を産んだ。リリスから一年ちょい経って生まれたその子にはシッポが生えていた。それがさっきの赤ん坊、ルシアス=フィリ=アレクサンドロスって訳さ。」

ダガー「まあそう言うことです。」

コウ「まあ説明が終わった所であいつらの所に行くか。」

ダガー「ええ。」

一方その頃。





エーコ「え〜い!!」

スタイナー「何の!!」

エーコ「きゃぅ!!」

ビビ「大丈夫?」

エーコ「本気出さなくてもいいじゃない!!」

フラットレイ「しかしそれでは訓練にならんぞ。」

エーコ「きぃ〜〜〜〜〜!!」

ビビ「ちょっと休もうよ。」

城から少し離れた広場にビビとエーコ、スタイナーにフラットレイ、ブランクとシナにネリクとマックスがいた。

ブランク「そんな甘いこと言ってると強くなれねぇぞ。」

エーコ「別にあたしは強くなるって言ってないわよ!!とりあえずフェアリーテイルを扱えるようになりたいの!!」

ネリク「だったら強くなるしかないホ。」

エーコ「うぅ〜・・・ビビぃ〜・・・みんなが虐めるよぉ〜・・・」

エーコは明らかに嘘泣きしながらビビに抱きついた。

シナ「そんなにビビに甘えないズラ。」

マックス「そうだぞ。ビビも困ってるではないか。」

ビビ「僕は別に困ってないさ。」

スタイナー「そしてビビ殿も甘やかさないのである。」

フラットレイ「フェアリーテイルは剣だから修行相手は今はスタイナーしかおらん。我慢するのだな。」

ダガー「そうよエーコ。」

ビビ「あ、お姉ちゃん。」

コウ「俺もいるんですけど。」

エーコ「コウが相手になってよ〜・・・」

コウ「俺は別にいいけどエーコだったらティルが相手したらいいんじゃないか?」

ダガー「私はいいわよ。私も修行中だし。」

エーコ「でもやっぱり強い相手のほうが修行になるでしょ。だからコウが相手をしてよ。」

ダガー「それどう言う意味!?」

ダガーは左腰にあった剣、セイブ・ザ・クイーンを持って構えた。

コウ「落ち着けよ。それじゃあ俺が相手になるぜ。」

そう言ってコウは近くにあった両刃の片手剣を持った。

コウ「いつでもいいぜ。」

エーコ「ようし・・・」

そしてエーコは落ちていたフェアリーテイルに似ている剣を持った。

エーコ「うぅ〜ん・・・」

エーコは持っただけでフラフラだった。

エーコ「やぁ〜〜〜!!」

そしてエーコはコウに向かい走り出した。

コウ「まだまだだな。」

ガチャン!!

エーコ「あっ!!」

コウは一振りでエーコの剣を弾き、そのまま剣先をエーコに向けた。ちなみに片手で。

コウ「俺の勝ちだな。」

エーコ「悔しいぃ〜〜〜!!」

フラットレイ「しかし驚きだな、コウは剣の腕が立つとは。」

コウ「昔ちょっとな。」

エーコ「もう一度お願い!!」

コウ「もう一度か?」

エーコ「今度こそあたしが勝ってやるんだから!!」

コウ「そいつはまだ早いな。」

エーコ「え!?」

いつのまにかコウはエーコの後ろにいて、逆手持ちした剣の刃をエーコの首に向けていた。

コウ「このまま俺が前に進めばお前の首は飛ぶぜ。」

エーコ「うぅ〜・・・」

ビビ「これはもうエーコの負けだよ・・・」

エーコ「絶対に勝ってやるんだから!!」

ダガー「エーコも相変わらずね・・・」

ちなみに皆の服装はスタイナーとフラットレイ、ブランクとシナ、ネリクマックスはあまり変わらず、ビビは前の服が半袖になった程度でエーコは黄色のワンピースのみに羽の状態のフェアリーテイルを髪飾りにして頭につけていた。

ダガー「変わるものもあれば、変わらないものもあるのね・・・」

そう呟いてダガーは空を見上げた。

ダガー「何も変わってないのは私・・・あの時から時が止まっている・・・」

ビビ「お姉ちゃん・・・」

フラットレイ「そっとしておけ・・・」

ダガー「・・・」

ダガーの瞳はまだ寂しさが漂っていた。と、そこに。

マーカス「差し入れッス〜」

ダガー「あらマーカス。」

奥からマーカスがジュースらしい物を持ってやってきた。

スタイナー「おお、すまぬな。」

その場の仲間皆がジュースを手に取った。

ブランク「で、このジュースは何な訳?」

ブランク「ミコトさんの特性ジュースッス。」

ブシ「な、何!?(ズラ)」

コウ「あん? それがどうした?」

二人の反応を見てコウはジュースを飲まなかった。と。

飲んだ人ほぼ「ぶべぇーーー!!」

コウ「いい!?」

ジュースを飲んだ人のほとんどがジュースを噴出した。

スタイナー「結構いけるが・・・」

ダガー「の、飲めないって程じゃないけど・・・きつい・・・」

エーコ「飲めるわけ無いわよこんなの!!」

コウ「・・・スタイナー俺のあげるよ。」

スタイナー「おお、すまぬな。」

マーカス「そんなひどい味ッスか?」

ブランク「お前はあいつに惚れてて味覚がいかれてんだろ・・・」

マーカス「でもジュースを作ることを教えたのは兄貴ッスよ。」

ブランク「だからってこの味を教えた覚えは無いぜ。」

シナ「それにその服もあの子のコーディネートじゃないかズラ。」

マーカスの服は前の服にミコトがプレゼントしたと言うスカーフ、バンダナなどで青とピンクだらけであった。

ダガー「そう言えばミコトとクイナとサラマンダーにラニは?」

コウ「大方ミコトはルビィの人形、クイナは料理でサラマンダーはサボりだろ。ラニは何の風の吹き回しかサクラの面倒見るって言ってたぜ。」

ダガー「フライヤとベアトリクスは育児休業よね。」

フラットレイ「ああ、だが本当なら私はクイナと手合わせしたかったのがな。」

エーコ「何で?」

ビビ「武器が武器だからでしょ?」

フラットレイ「ああ、あいつの話ではミストルテインとルーンアクスは対なる武器だそうだからな。」

ビビ「ルーンアクスは斧、つまり斬りに徹してるし、ミストルテインは槍だから突きに徹してるからね。」

フラットレイ「おまけに私が使っていた槍とは形状が違う。私のは斬りも出来るタイプだったからな。今までと使い勝手が違う。」

エーコ「努力家だねぇ・・・子育て専念中のフライヤが聞いたら感動してるでしょうね。」

コウ「またまた分かんない展開になりつつあるので俺が説明しよう。」

ダガー「誰に言ってるの?」

コウ「先の戦乱から四年たってフライヤとベアトリクスにも子供が出来てただいま育児休業中であり、子供の名はそれぞれバリアントとエドワードと言う名をつけたそうな。ちなみにルビィはただいま妊娠中でもう八ヶ月に入っているのだ。」

マーカス「またちなみに言うとリリスは最近二歳になって、バリアント、エドワードは一歳、ルシアスはそろそろ一歳になるッスが、ルシアスとエドにバリィは年代が違うッス。」

ブランク「またまたちなみに言うとミコトがルビィの人形って言うのは妊娠して余り動けなくなって暇になったルビィがミコトを呼んで自分が作った服をミコトに着せていることからそう呼ばれているんだ。」

マーカス「ちょっと心配になって来たッスかたミコトさんの所に行って来るッス。」

そう言ってマーカスはミコトの所に向かった。

コウ「しっかし変な話だよな。妊娠中って理由で城にいるとはな。」

フラットレイ「フライヤもここで世話になってるしな。」

ダガー「いいでしょ仲間なんだから。」

コウ「心が広いことで・・・」

その頃ルビィとミコトは。





ルビィ「ん〜・・・もうちょっと短くしたほうがいいかな?」

ミコト「あの・・・これ以上はやめてください・・・恥ずかしいです・・・」

ルビィ「女の子なんやからいいやないの。うちは当分動かれへんからあんたにはうちの分可愛くなっておらいたいんや。」

ミコト「べ、別に私は・・・そんな・・・」

ルビィ「なんや〜可愛くなりた無いんか? そんなんじゃマーカスに嫌われるで。」

ミコト「だ、だから何度も言うように私達はそんな関係じゃ・・・」

ルビィ「やっぱ今のままじゃあかんな。そのスカート短くするの決定や。」

ミコト「ええ!?」

ミコトがはいているスカートは淡い緑色の可愛いスカートだったがもの凄く短かった。と、そこに。

マーカス「ミコトさん、ルビィ、入るッスよ。」

部屋の外にマーカスが来ていた。

ミコト「マ、マーカス!? ちょっと待って!!」

しかし・・・

マーカス「失礼するッス・・・」

マーカスは二人がいる部屋に来た。

マーカス「ブハァッ!!」

マーカスはミコトのスカートの短さを見て鼻血を噴出した。

ミコト「大丈夫マーカス!?」

マーカス「な、何スかその短さ!?」

ミコト「あの・・・これは・・・」

マーカスとミコトは顔が真っ赤になっていた。

マーカス「ル、ルビィッスねこれ!?」

ルビィ「可愛いやろ? 上もうちのコーディネートやで。」

ミコトの上は水色のシャツだったが、ノースリーブで面積は狭くへそ出し状態だった。

ルビィ「ホントならもっと胸バーンみたいな奴を着せたかったんやけど、ミコトちゃんうちみたいにナイスバディや無いからそれは止めたわ。」

ミコト「でもお姉さま、そんな胸大きくないような・・・」

ルビィ「なんや〜!?」

マーカス「そのお姉さまってやっぱやめたほうがいいと思うッスけど・・・」

ルビィ「ええやん。ジタンの妹ならうちの妹も同じや。」

ミコト「あの所で・・・上着着てもいいでしょうか?」

ルビィ「ん? ええで。」

そしてミコトは首にピンクのスカーフを巻いて半袖の男物の青い上着を着た。

ルビィ「やっぱそれってマーカスの服?」

マーカス「えっ?そうッスけど・・・?」

ミコト「去年の誕生日にくれたのよ。」

マーカス「つうたって俺の古着ッスけど。」

ミコト「でもこれ、私にとって兄さん以外の人から貰った初めてのプレゼントよ・・・」

ルビィ「よかったやないマーカス。」

マーカス「何がッス?」

ルビィ「いや、ええわ。 ん?動いた。」

ミコト「本当?」

ルビィのお腹は大きくなっていた。

ルビィ「あんたらもこんなになるんやで。」

マーカス「ル、ルビィ!?」

ミコト「わ、私達はそんな・・・」

二人は顔が赤くなった。

ルビィ「ほんと熱いなあんたら。」







ダガー「さっきのってやっぱり・・・」

ビビ「うん・・・」

エーコ「マーカスの鼻血ね。」

鼻血の噴出し音は外にも響いていた。

ダガー「それじゃあ私はちょっと散歩してくるね。」

コウ「暇だし俺もついてくわ。」

ダガー「それじゃあまたスタイナーがエーコの相手ね。」

エーコ「ええ〜〜〜!!」

そして二人は歩き出した。

スタイナー「では行くぞ!!」

エーコ「うぇ〜〜〜ん!!」





コウ「この国ももう完全に復興したんだな。」

ダガー「今さら何言ってるのよ。すでに霧の三大国は完全に復興してるでしょ。」

コウ「いやさ、改めてそう思っただけさ。」

ダガー「でもさ、もう”霧”は無いのに霧の大陸ってのはどうかと思うわ。」

コウ「今さら変えなくてもいいんじゃないか?それに”霧”は完全には無くなってないって噂もあるぜ。」

ダガー「ふ〜ん・・・」

二人がそんな話をしていると。

「ばれたアルーーー!!」

「今度こそ大物だったのにこのクソ魚!!」

ダコ「あの声は・・・」

二人は声がした方、剣の国アレクサンドリアの船着場へ向かった。そこには。

ダガー「やっぱり。」

クイナ「おのれーーー!!絶対釣るアルよサラ!!」

サラマンダー「言われんでも、もう五回食い逃げされてんだ!!」

そろって前と変わらないクイナとサラマンダーがいた。

ダガー「食い逃げ常習犯のあなた達に言われてもね・・・」

クサ「おわっ!?」

コウ「さぼりか〜?」

サラマンダー「・・・黙れ・・・」

ダガー「クイナは食材調達よね。」

クイナ「そのつもりアルが・・・さっきからばれてばれて・・・」

ダガー「しっかりしてよね。」

サラマンダー「任せろ、晩飯は俺らがでっかい魚釣ってやるからよ。」

ダガー「期待してるね。それじゃあまた。」

クイナ「アル。」

そして二人はまたどこかに歩き出した。

サラマンダー「さてと・・・大物を釣るとしますか。」

そう言ってサラマンダーは竿を振った。

サラマンダー「釣るぞ・・・」

そして餌が水に入った瞬間。

ジャボン!!

サラマンダー「おっ!!来た!!」

クイナ「かなりデカイアル!!」

かなりの大物が食いついてきた。

クイナ「絶対釣り上げるアルよ!!」

サラマンダー「おう!!」

竿はかなりしなり、魚ももの凄く抵抗している。

クイナ「もうちょいアル!!」

サラマンダー「うおぉ〜・・・!!」

サラマンダーは引き上げようと思いっきり竿を引いた。

クイナ「もう少しアル!!」

サラマンダー「おらぁーーー!!」

最後の大勝負と言わんばかりに渾身の力を込めて竿を引いた。が、その時。

ザボーーーン!!

クイナ「ル!?」

サラマンダー「どわぁっ!!」

突然魚に何かが降って来た。

クイナ「あぁ〜・・・」

その為魚は逃げてしまった。

サラマンダー「チクショウ・・・なんだってんだ?」

見ると水面に黒い布が浮かんでいた。

サラマンダー「何だありゃ?」

クイナ「アレ釣れるアルか?」

サラマンダー「ああ。」

サラマンダーは上手いこと竿を振って針を布に引っ掛けた。

サラマンダー「ん? これ重いぞ。」

クイナ「何かついてるアルか?」

サラマンダー「引き上げれば分かるさ。」

そしてサラマンダーは布を釣り上げた。

クイナ「これ・・・」

サラマンダー「人だな。」

布はなんと人であった。つまり布はマントの類である。

クイナ「・・・ドラえもんって奴アルね。」

サラマンダー「ドザエモンだ。」

クイナ「つうか誰アル?」

布は全身を覆い被さってあり、顔は見えなかった。

サラマンダー「さあな。頭は・・・ここだな。」

サラマンダーは頭を見つけてそこの布を下げた。すると中には金色の綺麗な髪があった。

クイナ「何アルこいつ?」

サラマンダー「知るか。」

何気にクイナが顔を確認した。

クイナ「ルルルル!?」

サラマンダー「どうしたん・・・何!?」

二人は顔を確認してもの凄く驚いた。

クイナ「ちょちょちょ!!これどっどどどう言うことアル!?」

サラマンダー「し、知るかそんなこと!!っつつつうか落ち着け!!」

クイナ「それはサラもアルよ!!ととととりあえずどうするアル!?」

サラマンダー「まま、まずは治療だ!!」

クイナ「それに医者呼ばないと!!」

サラマンダー「それにあいつら全員にこの事伝えなければ!!」

クイナ「それじゃあサラが治療とみんなに伝えるの!!」

サラマンダー「お前が治療と医者を!!」

クサ「おう!!(アル)」

二人同時に行動した。が。

クイナ「サラは医者を呼んでくるアル!!二人同時に治療してどうするアル!!」

サラマンダー「分かった!!お前はあいつらにこの事を!!」

そして二人は同時に走り出した。

クイナ「って治療しなくちゃ!!」

サラマンダー「くっそーーー!!人がたりねぇ!!」

クサ「誰かーーーーーーーー!!」







数時間後





ラニ「どうしたの一体!?」

フライヤ「何があったのじゃ!?」

ダガー「静かにして!!」

とある部屋の前に仲間達が集合していた。一部暗い表情だった。

エーコ「とりあえず集まってって言われたんだけど・・・」

サクラ「あれ? お父さんは?」

エーコ「ちょっとラニ、何でサクラちゃんまで連れてきたのよ。」

ラニ「七歳だからって一人ってのはどうかと思ってね。」

フラットレイ「あいつはトット先生に何か頼まれてダゲレオまで飛んでったぞ。」

ラニ「ダゲレオぉ!?何であんなとこまで?」

ダゲレオとは忘れられた大陸の南にある図書館である。

ベアトリクス「所で本日は何で?」

ダガー「・・・」

ビビ「よく分かんないけど、集まってって言い出したのはクイナとサラマンダーなんだ。」

エーコ「それからダガーとコウに事情が説明されてあたし達はただ集まったんだけど。」

と、部屋からトットが出てきた。

トット「・・・皆様。」

ダガー「先生!!」

ビビ「何があったの?」

トット「・・・中へ。」

そして全員部屋の中に入った。部屋の中には大きなベットがあり、一人の男性が寝ていた。

ダガー「ああ!!」

男性の姿を見てダガーが駆け寄った。

エーコ「ええ!?」

その男性とは・・・

ビビ「ジ、ジタン!?」

そう、あのジタン=トライバルであった。

エーコ「ちょっと何があったのよ!?」

クイナ「ワタシとサラが釣りをしてたら上からなんか降って来て・・・」

サラマンダー「引き上げたらこいつだった。」

ダガー「ライフ・・・!!」

ダガーは目覚めぬジタンを抱きしめ泣きだした。

ミコト「兄さん・・・!!」

マーカス「ミコトさん・・・」

ミコトもマーカスの胸の中で泣いていた。

フライヤ「ジタンは大丈夫なのか?」

トット「ええ、今は・・・」

ベアトリクス「今はってどう言うことですか?」

トット「これを見てください・・・陛下、ちょっとすいません。」

ダガー「はい・・・」

トットは皆にジタンの左足を見せた。

エーコ「あ!!」

ジタンの左足が先の方から徐々に石化していた。

トット「このままではジタン殿は死んでしまいます。」

ブランク「石化だったら金の針や白金プラチナの針を使えば治るんじゃないんじゃ?」

トット「これは石化ではありません・・・」

エーコ「石化ではないって・・・思いっきり石化でしょ。」

トット「私が考えてることが当たってればこれは石化ではないです。その確認のためにコウ君をダゲレオに向かわせたのですが・・・」

ドゴーーーン!!

ダガー「きゃっ!?」

コウ「先生!!」

コウが城の壁をぶち破って現れた。

スタイナー「城を壊すな!!」

コウ「後で直すよ!!それよりも先生の言ってた事は当たってます!!」

トット「やはりそうですか・・・」

ダガー「何の事!?」

コウ「これを見てくれ。」

コウはダゲレオから借りてきた一冊の古い本を開いた。

コウ「このページのここ・・・」

ダガー「何々・・・『星々の魔獣』? 何なのこれ?」

コウ「ある条件が整ってれば誰でも発動できる言わば禁断の召喚術だ。」

ダガー「ある条件?」

コウ「それは今おいておくとして、こいつはおそらくそれを発動させたんだろう。」

ビビ「何でそんなことが分かるの?」

エーコ「つうかその魔獣について教えてよ。」

コウ「そうだな、これはある六つの星の強大な力を持った魔獣を召喚する魔法の一種。星は毎回ランダムに選ばれるがな。」

ビビ「それで召喚された魔獣は?」

コウ「その元の星に戻るんだが、その星から見れば魔獣が復活したように見えるんだ。」

エーコ「じゃあその星もやばいんじゃない?」

コウ「一番やばいのはそこじゃない。その魔獣は十日たてば自然に消滅するんだ。」

ラニ「だったら気にしなくても良いんじゃない?」

コウ「そうはいかない、その魔獣には発動者の魂が振り分けられるんだ。」

ミコト「それってまさか・・・!!」

コウ「魔獣が消滅すれば・・・ジタンは死ぬ事になる。」

ダガー「!!」

コウ「こいつが石化のように見えるのも、発動して徐々に魂が消えかけてる証拠さ。」

エーコ「じゃあ滅茶苦茶やばいんじゃない!!早く魔獣を倒さなきゃ!!」

コウ「簡単に言うけどよ、その魔獣はその星に戻るって言ったろ?」

ビビ「つまり・・・最低でも五つの別の星に行かなくちゃいけないって訳?」

コウ「ああ。しかもガイアにはそんな変化は無い。」

ダガー「じゃあ早く別の星へ移動する手段を考えなきゃ!!」

トット「それなら私に考えがあります。」

ダガー「ほ、本当ですか先生!!」

トット「ですからコウ君とラニ君手伝ってくれませんか。」

コウ「はい!!」

ラニ「私でよかったらね!!」

トット「皆様はこれを作ってください。」

そう言ってトットは本のある箇所を指差した。

トット「このエリクシルの中にジタン殿を入れれば多少は石化の侵攻を防げれるでしょう。」

ダガー「これってなんかの装置なのかな?」

コウ「材料に大量のエリクサーが必要だけど俺とトット先生の家にあるからそれを使ってくれ!!」

ダガー「ええ!!」

コウ「この様子は発動してまだ一日経ったぐらいだろう。遅くても三日以内に作り上げるぜ!!」

ラニ「ああ!!」

コウ「みんなやるぜ!!」

仲間達全員「ああ!!」

そして皆行動を開始した。



ダガー「エリクサーは何個使うの!?」

エーコ「えっと・・・二百個!?ふざけんじゃないわよ!!」



ビビ「確か毒消しに目薬、やまびこ草は六百個近く必要ってあったよね。」

マックス「それに金の針にワクチン、おふだに迷惑チンもだ。」

フラットレイ「出来る限りモンスターを倒してそいつらからとろうぞ!!」

ブランク「何で万能薬じゃねぇんだよ!!」



コウ「またこいつを見る羽目になるとはな・・・」

ラニ「しょうがないさ・・・」

トット「急いでこれを直しますよ!!」

コウ「はい!!」





ダガー「えっと・・・どうすればいいのかな?」

エーコ「一気に全部混ぜれば良いんじゃない?」

ビビ「でもそれで失敗したらまた材料全部集めなきゃいけないんだよ。」

エーコ「そ、それもそうよね・・・」

ネリク「慎重にやるド。」



ラニ「しかしこれ滅茶苦茶いかれてるよね。」

コウ「十年近くほったらかしなんだ。いかれてて当然だぜ。」

トット「早くしましょう。時間がありません。」

ラニ「そうだよね。」



エーコ「あ、後は・・・これと・・・これを・・・」

ダガー「エーコ何してるの!?」

エーコ「何って・・・目薬とワクチンを・・・」

ビビ「それは玉ねぎとクポの実だよ!!」



ラニ「も、もう駄目・・・」

コウ「もう一分張りだ・・・!!頑張れ・・・!!」

ラニ「でも・・・眠い・・・」



そして嵐のような三日は過ぎていった。



ダガー「か、完成・・・かな?」

ダガー達が作っていたエリクシルは完成したようだ。

ビビ「なんなんだろうね。」

エリクシルは大き目の青い水の球体のようだった。

エーコ「この本じゃ一種のセイメイイジ装置ってあるけど。」

ビビ「とりあえずジタンをこの中に入れよう。」

ダガー「ええ。」

コウ「そっちは終わったようだな。」

ダガー「コウ、そっちは?」

コウ「終わったぜ。」

ダガー「急いでライフをこの中に!!」

ビビ「そう思っておじちゃん達にジタンを連れて来る様に頼んであるよ。」

エリクシルはブラネの墓標の前に置いてある。

スタイナー「陛下〜〜〜!!ジタンを連れて来ましたぞ!!」

スタイナーとフラットレイがジタンを連れて来た。石化は既に腰の辺りまで来ていた。

ダガー「私が入れる。」

スタイナー「分かりました。」

そしてダガーはジタンを抱き寄せエリクシルの前に来た。

ダガー「必ず助けるから・・・待っててね・・・」

そう言ってダガーはジタンにキスをし、そしてダガーはジタンをエリクシルの中に入れた。中は水のようでジタンはその中に浮かんだ。

ダガー「早く魔獣がいる星に行かなくちゃね。」

コウ「ああ、こっちだ。」

そう言ってコウは皆を城の外れの広場に連れて来た。

ダガー「これで行けるのね。」

広場には大きな球体が台座の上に乗っかっていた。

コウ「あえて名前をつけるんなら『星間転移装置』だな。これで行きたい星の座標を座標を入れれば・・・って説明してる暇は無いな。」

ダガー「その通りよ。早く行きましょう。」

コウ「誰が行くかは決めてるのか?」

ダガー「私は勿論行くわ。」

ミコト「私もよ、兄さんを助けたい。」

クジャ「僕は残ってるよ。」

ダガー「クジャ、来てたの?」

ブランク「アイテム集め手伝ってくれたんだ。」

クジャ「僕は彼の側にいるよ。心配だからね。」

ダガー「確かにその服じゃね・・・」

クジャは相変わらず露出の高い服を着ていた。

ビビ「僕とエーコも行くよ。」

エーコ「あたしだってジタンを助けたいよ。」

フラットレイ「この流れで行けばフライヤが来るだろうが私が変わりに行く。」

スタイナー「自分も行く。エクスカリバーを扱えるようにならんといかないしな。」

クイナ「だったらワタシも行くアル。」

サラマンダー「俺も行くぜ。」

コウ「それじゃあこの八人で行こう。」

エーコ「でも魔獣がいる星にこの装置が無かったら?」

コウ「行けるってことは装置があるってことだ、心配すんな。さ、前に立った。」

ダガー「ええ。ルシアスとリリスをよろしくね。」

コウ「分かったよ。」

フラットレイ「バリアントは任せたぞ。」

フライヤ「はい。」

スタイナー「エドワードを頼む。」

ベアトリクス「分かりました。」

マーカス「気をつけてッス。」

ミコト「うん。」

マーカス「でもその服で行くのは・・・」

ミコトの服は三日前のと同じだった。

ミコト「だってお姉さまが・・・」

マーカス「ルビィ・・・ジタンさんが見たらどう言うと思ってるッスか?」

ルビィ「大丈夫やて。」

ルビィは車椅子でここに来ていた。

ルビィ「とりあえず悪い虫がつかないようにな。マーカスが心配するからな。」

ミコト「だったらこの服は・・・いいえ、行って来ます。」

ラニ「頑張ってね。」

サラマンダー「言われるまでもねぇ・・・」

そして八人は装置の前に立った。

コウ「魔獣のいる星はジタンのオーラを拝借して六ヶ所とも分かってる。もしその星に装置があったら魔獣の細胞をインプットすれば行けるぜ。」

ダガー「分かった。」

コウ「じゃあ行くぜ!!」

コウは装置を発動させた。すると球体が八人に光を放ち、八人を光に変えて中に取り込んだ。そして。

パシュゥーーー!!

球体から空へ向かって光が放たれた。

コウ「行ったな・・・」

クジャ「ああ。僕らは待つことにしましょう。」

コウ「ああ。でもな・・・」

クジャ「? どうかした?」

コウ「いや、何でも。」

残った仲間達はその場を去った。しかしコウはまだ残っていた。

コウ「あれを発動するには別々の星の血が流れてる者しか出来ないはずなのに・・・あいつにはテラ以外の血が流れてるのか?」

そんな疑問を抱いてその場を去った。



イーファの戦乱から四年・・・再び戦いが始まろうとしていた。ジタンの運命は、そしてなぜジタンは魔獣を召喚出来たのか?謎はまだ増えて行くのであった。




続く










あ と が き
遂に二部が本格的に始まりました。
ダガーに二人も子供が出来てますね。
出来ちゃった結婚でもこれは・・・
って書いてるの僕か。
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第二話へ
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