CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第三十四話 決意を胸に



パンデモ二ウムにてクジャに立ち向かったジタン達であったが、トランスを発動され負けてしまった。その上あと少ししか生きられないと知ったクジャは暴走しテラを崩壊してしまった。ジタン達はブラン・バルのジェノム達をガイアに連れてきたが、ガイアは”霧”に覆われていたのであった。

ジタン「どうなんだ様子は?」

288号「何とかみんな落ち着いたみたいだよ。」

ダガー「ビビが提案したのよ。ジェノム達が新しく暮らす場所はここがいいって。」

ジタンとダガーは黒魔道士の村にいた。

288号「三日前に来た時は驚いたよ。突然『この人達をここに住まわせてくれないか?』って言われた時はね。」

ジタン「突然で悪かったな。」

288号「気にしなくてもいいよ。それにジェノムのみんなもここのみんなに馴染んできたみたいだし。」

ジタン「だろうぜ。」



ジェノムA「・・・ずっとこの生物は私についてくるな。」

33号「生物じゃなくてチョコボの『ボビィ=コーウェン』だって。」

ジェノムA「だからその名は長いと・・・うわっ!?」

ボビィ「クエェ〜」

33号「ボビィ=コーウェンは君になついてるんだよ。」

ジェノムA「そのようなこと言われても・・・」



ジェノムB「・・・いったい何をしてればいいのだ?」

163号「え?えっと、だからこの店の手伝いを。」

ジェノムB「だからそれは何をすればよいのだ?」

163号「えっとね・・・お客さんが『これが欲しい』って言って来たらそのものとお金を交換して・・・」

ジェノムB「何度も聞くが、具体的にオキャクサンとは何だ?」

163号「はぁ〜・・・ま、これからかな?」



44号「仲間になったんだから名前をつけなきゃね。444号君てのはどうかな?」

189号「やっぱり555号君がいいよ。」

ジェノムC「やめろと言ってるだろう・・・」

44号「じゃあ123号君は?」

189号「456号君は?」

ジェノムC「だから・・・」



ジタン「何とかやっていけるだろうさ。」

288号「そうだね。」

ジタン「そう言えばミコトはまだいないのか?」

288号「彼女かい?分かんないな。」

ジタン「そっか・・・」

ダガー「三日前のことよね。やっぱり。」

ジタン「だろうな・・・」

三日前



ジタン「じゃあ頼むな。」

288号「分かったよ。」

ダガー「で、これからどうするの?」

ジタン「このまま出発するのもいいけど・・・」

エーコ「けど?」

ジタン「八人いるからってあの力には敵わないだろうな。」

クイナ「確かにアル・・・」

ジタン「そこでだ。出発は三日後にして、その間に力をつけるなり決意を固めるなりみんなの自由時間を作ろうと思う。」

スタイナー「三日も大丈夫なのか?」

ジタン「三日だけさ。」

ビビ「でも移動手段はどうするある?」

ジタン「インビンシブルとチョコしかないしな・・・でも俺はここでみんなを待ってるよ。」

フライヤ「しかしお前以外にアレを操縦できるのはいないぞ。」

ジタン「その時は俺の力を少し与えるから何とかなるさ。」

ダガー「私はライフと離れたくないわ。」

クイナ「お師匠様の所に行って来たいアル。」

ジタン「出来る限りシド達にはばれないようにな。この戦いはどうなるか分かんないから俺達だけで決着をつけに行く。あいつ等にはいざって時のためにな。」

スタイナー「となると自分には行く当てが無いな。」

フライヤ「私もじゃが何もしないのはシャクに来る。クイナについて行くとするか。」

スタイナー「では自分も。」

サラマンダー「俺もついていく。」

エーコ「じゃあエーコはマダイン・サリに行きたいな。」

ビビ「僕はちょっとだけおじいちゃんの所に。」

ジタン「じゃあクイナ達にインビンシブル、ビビとエーコにチョコってことでいいな。」

ビビ「うん。」

ジタン「それじゃあスタイナーに運転できるよう力を与えるよ。」

そう言ってジタンは右手に光を出して、それをスタイナーにあてた。

スタイナー「すまぬな。」

ジタン「じゃ、三日後にな。」

フライヤ「ああ!!」

そう言ってジタンとダガー以外の六人は村を出た。

ジタン「さってと、俺らはどうしてようかな?」

ダガー「そうねえ・・・」

と、そこに。ミコトが来た。

ミコト「兄さん・・・やっぱりクジャ兄さんと戦うのね・・・」

ジタン「・・・ああ。このままじゃガイアも崩壊しちまうからな。」

ミコト「死にに行くようなものよ!!お願いだから行かないで!!」

ジタン「ごめんな。これは絶対にやらなきゃならないんだ。このままじゃガイアは・・・」

ミコト「そんな事兄さんじゃなくてもいいじゃない!!お願いだから行かないで・・・!!」

ミコトは泣きながらジタンに抱きついた。

ジタン「ミコト・・・」

ジタンはよしよしと言わんばかりにミコトの頭をポンポンと軽く叩いた。

ジタン「あの人に立ち向かえるのは俺達ぐらいなんだ。だから俺は行くんだ。俺が育ったこの星を救うために。」

ミコト「兄さん・・・!!」

ジタン「もし俺が死んだ時は青服の剣士の所でお世話になってくれ。あいつ等ならお前のことも迎えてくれるだろ。」

ミコト「・・・馬鹿!!」

そう言い残しミコトは泣きながら村を出てった。



ジタン「やっぱ辛いんだろうな・・・」

ダガー「当たり前よ。あの子ライフのこと大好きだったでしょ。」

ジタン「今どこで何してるんやら・・・」

ダガー「やっぱり心配?」

ジタン「当たり前だろ。」

ダガー「じゃあ私とミコトが同時にいなくなったらどっちを探しに出る?二人ともは無しで。」

ジタン「う!!」

ダガー「さあどっち?」

ジタン「ぬ〜〜〜〜〜・・・」

ダガー「嘘嘘、冗談よ。そんな本気で悩まないでって。」

ジタン「冗談に聞こえねぇっての・・・」

その頃他の方々は。







エーコ「おじいさん・・・この先の戦いをどうか・・・」

エーコはマダイン・サリの召喚壁で祈っていた。

エーコ「・・・よしっ。もういいわよ。」

ビビ「ほんとにいいの?」

エーコ「だってあたしだけで二日くらいとってるでしょ。」

ビビ「別にいいよ。僕は少しでいいんだ。」

エーコ「ごめんね・・・」

ビビ「いいって。それより早く行こうよ。」

エーコ「う、うん。」

そう言って二人は近くにいたチョコの元に向かった。と、その途中で。

モリスン「ビビ殿。少々よろしいでしょうか?」

マダイン・サリのモーグリの一人モリスンがビビに話しかけてきた。

ビビ「別にいいよ。エーコは先に行ってて。」

エーコ「うん。」

そう言って先にエーコはチョコの元に向かった。

ビビ「で?」

モリスン「ビビ殿。どうかエーコ嬢のことをよろしくお願いします。」

ビビ「え?」

エーコ「あの方は召喚士の末裔であり、とても重要な使命を持ちし方。どうか守ってください。」

ビビ「重要な使命?」

モリスン「そのことについては今は・・・ですがその時が来たら必ず・・・」

ビビ「分かってるさ。エーコは僕が絶対に守る。」

モリスン「ありがとうございます。ではこの魔法を・・・」

ビビ「魔法?」

そう言ってモリスンは黒い光を差し出した。

モリスン「封印されし闇の魔法・・・ダークネスです。あなたならこの魔法を扱うことが出来るでしょう・・・」

ビビ「ありがとう。」

モリスン「そしてこちらはエーコ嬢に・・・同じく封印されし光の魔法・・・シャイニングです。」

そう言って今度は白い光を差し出した。

ビビ「分かった。エーコに渡しておくよ。」

モリスン「お願いします・・・」

ビビ「うん。」

そう言ってビビもチョコの元に向かった。

ビビ「お待たせ。」

エーコ「それじゃあ行きましょうか。」

ビビ「待って、モリスンがこれを。光の魔法だって。」

エーコ「光の魔法?まあ受け取っておくわ。」

そう言ってエーコはシャイニングを受け取った。

ビビ「じゃ、行こうか。」

そう言って二人はチョコの背中に乗った。

メネ「次はどこに行くクポ?」

ビビ「とりあえずトレノまで。」

メネ「分かったクポ。それと乗り方変えた方がいいと思うクポ。」

ビエ「え?」

二人のチョコの乗り方はビビが普通に乗り、その後ろにエーコがビビの背中にしがみつくように乗っていた。

メネ「もうちょっと言い乗り方があるクポよ。」

ビビ「どんなの?」

メネ「それはクポ・・・」

説明中

ビエ「ええっ!?」

メネ「その方がいいと思うクポ。」

ビビ「・・・じゃあそうする?」

エーコ「・・・うん。」

ちょっと顔を赤くしながら二人はメネの言った乗り方を実行した。

ビビ「こう・・・かな?」

エーコ「多分・・・」

その乗り方とはビビが普通に乗り、エーコがビビの前に横向きに乗り、ビビにつかまってるというものであった。

エーコ「う、後ろでもいいのに・・・」

ビビ「だよね・・・」

メネ「いやぁ〜この方がいいクポ。じゃ、行くクポ!!」

そしてチョコは飛び立った。

ビエ「・・・」

二人は顔を真っ赤にして何も喋らなかった。また、その頃。







クイナ「アイヤーーー!!」

クエール「駄目アル駄目アル!!そんなんじゃ全然駄目アル!!」

スタイナー「く〜・・・強いであるなクイナの師匠殿は。」

サラマンダー「だがこいつに負けてたらクジャには到底敵わないぜ・・・」

フライヤ「その通りじゃ。もう一度お願い申す!!」

こちらのメンバーはクエールを相手に修行をしていた。

クエール「ウム!!では来るが良い!!」

クイナ「アチョーーー!!」

クイナはフォークをクエールに突きつけた。

クエール「甘いアル!!」

ガギン!!

クエールも自分のフォークでガードした。その隙にフライヤがクエールの頭上にいた。

フライヤ「今度こそ喰らうが良い!!竜剣!!」

クエール「何の!!」

フライヤは竜剣を放ったが見事に避けられてしまった。

クエール「アクアブレス!!」

ジャボボボン!!

クエールはクイナとフライヤに向けてアクアブレスを放った。

クイナ「グヌ〜!!」

フライヤ「ぐっ!!」

耐え切ったがダメージはでかかった。

フライヤ「魔力がとても高いのだな・・・」

クイナ「お師匠様は青魔王使いとしてはぴか一アル・・・その分魔力もハンパないアル・・・」

スタイナー「ではその魔力を下げさせてもらう!!マジックブレイク!!」

スタイナーはマジックブレイクで切りかかった。が。

クエール「甘いアルよ!!」

ガギン!!

またもフォークで受け止められてしまった。と、その隙にサラマンダーがクエールの後ろにまわった。

サラマンダー「おらぁーーー!!」

サラマンダーがクエールに斬りかかった。が。

クエール「何のっ!!」

クエールはその場でジャンプしサラマンダーの攻撃を避けた。そして。

クエール「くさい息!!」

ボワァ〜!!

スタイナーとサラマンダーにめちゃくちゃ臭そうな息を吹きかけた。

スタイナー「うえっ!!臭っ!!」

サラマンダー「うえぇ〜〜・・・」

クイナ「ま、まずいアル!!あれは大量のステータス異常を起こす技アル!!」

フライヤ「何じゃと!?」

スサ「うへへへへ・・・」

クイナの言うとおり二人は小さくなって混乱し、毒に犯され動きが遅まり目が見えなくなっていた。

スサ「ぶへへへへ・・・」

二人は目が見えなくなりながら互いに攻撃しあっていた。

クイナ「しょうがないアル・・・天使のおやつ!!」

クイナが魔王を唱えるとアイテム袋内の万能薬が光となって四人に降り注いだ。

スタイナー「どわっ!?」

サラマンダー「いでっ!?」

天使のおやつがかかったと同時に二人は相打ちとなって混乱も解けた。

クイナ「念のためにマイティーガードをかけとくアル。」

フライヤ「そうじゃの。」

クイナ「マイティーガード!!」

クイナが唱えると四人に光の盾が現れシェルとプロテスが同時にかかった。

クイナ「とりあえずそのMPを減らすアルよ!!マジックハンマー!!」

フライヤ「そうじゃの、竜剣!!」

二人は同時にMPを減らす技を発動した。

クエール「ハイッハイッ!!」

しかしこれも避けられてしまった。

クエール「マトラマジック!!」

ドババババッ!!

スタイナー「どわぁーーー!!」

フライヤ「ぐわっ!!」

クイナ「アイヤァーーー!!」

サラマンダー「ぐうっ!!」

クエール「まだまだアルよ!!そんなんで世界を救うつもりアルか!?」

スタイナー「ぐ・・・」

クイナ「お師匠様の言うとおりアル・・・」

サラマンダー「そらそうだぜ・・・」

フライヤ「クエール殿、もう一度じゃ!!」

クエール「何度でもかかってくるアルよ!!」

クイナ「行くアルよ!!トアァーーー!!」







コウ「あいつ等からの連絡は?」

ベアトリクス「以前ありません・・・」

シド「まったく何をしておるんじゃか・・・」

ブランク「こっちはまた”霧”が出たりあちらこちらで木の根が暴れて大変だってのに。」

コウ「そこなんだよな・・・ネリク、マックス、ラニ。」

ラニ「ん?」

コウ「”霧”はイーファの樹から発生してたよな?」

ネリク「そうだド。」

マックス「つまりイーファで何かが起こっていると?」

コウ「そうとしか考えようがないぜ。」

フラットレイ「フライヤ・・・」

ルビィ「心配なんやな・・・フラットレイ。」

マーカス「そりゃそうッスよ・・・」

フラットレイ「この戦いが終わったら私はフライヤに求婚しようと思っている。」

コウ「おっ結婚か!!いいじゃないか?」

ベアトリクス「そうですね、その時は皆で祝ってやりましょう。」

ブランク「あんたはどうなのさ?」

ベアトリクス「えっ!?」

マーカス「スタイナーとはどうなんス?」

ルビィ「それは聞きたいな。」

ベアトリクス「そ、それは・・・で、ではあなたやラニはどうなんですか!?」

ルラ「いいっ!?」

コウ「そいつも気になるな。ルビィはブランク、ラニはサラマンダーだろ?」

ブランク「なっ!?」

シナ「そいつも気になるズラ。」

ルビィ「そ、それは・・・」

ラニ「つうか今はそんな話をしてる場合じゃないだろ!!」

シナ「ちぇっせっかく面白い話が聞けると思ったのにズラ。」

リンドブルム城の会議室ではこのような話で盛り上がっていた。と、そこに。

バクー「おっ?何の話だ?」

バクーがやってきた。

ブランク「ボス、どうしたんだ?」

バクー「マーカスに用があってな。」

マーカス「俺にッスか?」

バクー「おう、おめぇ宛てに手紙が来たぞ。そらっ」

バクーはマーカスに手紙を投げ渡した。

マーカス「おわっと!!・・・誰からッス?」

バクー「何やら女らしいぞ。おめぇも隅に置けねぇな。」

マーカス「女!?つうかボス中身読んだッス!?」

バクー「おう。安心しな、全部は読んでねえ。」

マーカス「そういう問題じゃ・・・ま、いいスか・・・」

そう言ってマーカスは手紙を読み出した。

ブランク「おめぇいつの間にそんな相手が出来てたんだ?」

シナ「おのれぇ!!オイラより先に彼女が出来るなどと許さんズラ!!」

マーカス「・・・彼女じゃないッスよ・・・ちょっと出かけてくるッス。」

ルビィ「なんやぁ?デートか?」

マーカス「違うッスよ。そんなことより早く兄貴にプロポーズしたらどうッス?」

ルビィ「なっ!?マーカス!!」

ブランク「てめぇっ!!」

コウ「おお怖っ・・・」

ネリク「それよりどこ行くホ?」

マックス「待てネリク、そう言う事は聞くものじゃない。」

マーカス「そうッス。じゃ。」

そう言ってマーカスは出かけて行った。

コウ「何だか変わった方に話が進んできたな。」

ルビィ「元はと言えばフラットレイがプロポーズするって言ったからやないか!!」

フラットレイ「なっ!?私の性か!?」

コウ「それは違うんじゃないか・・・?」

その頃マーカスは。



マーカス「えっと・・・確かピナックルロックスだったッスな・・・」

マーカスは木の根が所々出ていて若干荒れているピナックルロックスに来ていた。

マーカス「荒れてるなぁ・・・どこにいるんスか〜?」

マーカスが誰かを呼ぶと。

?「マーカス!!」

奥から突然少女が現れてマーカスに抱きついた。その少女とは・・・

マーカス「ミ、ミコトさん!?い、一体どうしたッス!?」

なんとミコトであった。

ミコト「マーカス・・・お願い助けて!!」

ミコトは泣いていた。

マーカス「どうしたんス?こんな所で・・・?」

マーカスはミコトがボロボロであることに気付いた。

マーカス「・・・何があったんス?」

ミコト「兄さんを・・・兄さんを助けて!!」

マーカス「兄さんって・・・ジタンさんのことッスか!?」

ミコト「・・・」

マーカス「・・・とりあえず来てくれッス。」

ミコト「・・・うん。」

そう言ってマーカスはミコトをどこかに連れて行った。







コウ「そう言えばジタンとティル、ビビとエーコはどうなんだろうかね?」

ベアトリクス「おそらくガーネット様とジタン殿はこの戦いが終われば・・・」

ブランク「ビビとエーコは後十年必要だよな。」

こちらはまだ恋愛話で盛り上がっていた。と、マーカスが帰ってきた。

ブランク「おうマーカス・・・だれだその子は?」

ルビィ「もしかして手紙の彼女か?」

マーカス「だから・・・ま、いいッス。この人がミコトさんッス。」

ミコト「こんにちは・・・」

コウ「ミコトってジタンの妹の?」

バクー「何でてめぇと知り合いなんだ?」

マーカス「そんなことよりミコトさんの話を聞くッス。」

フラットレイ「しかしお前もシッポがあるのだな。」

ミコト「い、いいでしょ!!それより話を聞いて!!」

ラニ「あ、ああ分かったよ。」

そう言ってミコトは話し出した。その頃。







ビビ「おじいちゃん、僕は行って来るよ。ガイアを救いに。」

ビビとエーコはビビが育った洞窟に来ていた。

エーコ「相変わらず荒れてるね。」

ビビ「しょうがないよ。でもこの戦いが終わったら僕はここに住もうと思ってるんだ。ここで僕は育ったんだから。」

エーコ「一人で?大丈夫なの?」

ビビ「大丈夫さ。トレノは近いし、魚だったらそこで釣ればいいし。」

エーコ「釣るって?」

ビビ「そこに釣り場があるんだ。来なよ。」

そう言ってビビはエーコを釣り場に誘った。

エーコ「ここ?」

ビビ「ここ。」

エーコ「釣り場じゃなくてただの崖じゃないの?」

エーコの言うとおり海までかなり遠かった。

ビビ「いいんだよこれで。じゃあ行く所全部行ったしジタンの所に帰ろうか。」

エーコ「あ・・・ちょっと待って。」

ビビ「?」

エーコ「行く前にさ、一つ聞きたいことがあるの・・・」

ビビ「なに?」

エーコ「ビビが好きな人って・・・誰なの?」

ビビ「え・・・?」

エーコ「お願い、これだけは今教えて・・・」

ビビ「・・・」

ビビは黙ってしまった。そして少したってビビは口を開いた。

ビビ「・・・君さ。」

エーコ「え・・・?」

ビビ「僕が好きなのは君さ・・・エーコ・・・」

エーコ「・・・あ、あたし・・・?」

ビビ「うん・・・」

ビビの告白によりエーコは顔が赤くなった。

エーコ「嘘でしょ・・・あたしはずっとジタンのことを見てて・・・ビビはあたしのこと嫌ってると・・・」

ビビ「それは違うよ。確かに君はジタンのことを見ていた。それでも僕は君が好きなんだ。」

エーコ「・・・」

ビビ「どうしてって言いたそうな顔だね・・・」

エーコ「そりゃそうよ・・・何であたしなんかを・・・?」

ビビ「前に言ったよね、僕と君はどこか似てるって。だから僕は僕と同じような生き方を君にはして欲しくない。絶対に守りたい。そう思うようになってから、気付いたら君を・・・」

エーコ「・・・」

ビビ「ごめんね、エーコはジタンが好きなのにこんなこと言っちゃって。やっぱりニブチンだね僕は・・・」

エーコ「・・・ううん、ニブチンはあたしだったみたい・・・」

ビビ「え?」

エーコ「あたしね・・・ジタンのこと好きだったけど、もう一人好きになった人がいたの・・・」

ビビ「もう・・・一人?」

エーコ「その人はずっとエーコの側にいて・・・エーコを守ってくれて・・・とても優しい人なの・・・」

ビビ「・・・」

エーコ「でもエーコがずっとジタンの方しか見てなかったから、エーコの事嫌ってるんじゃないかってずっと思ってたの・・・」

ビビ「エーコ、その人って・・・」

エーコ「ずっとエーコを見てて・・・ずっとエーコを守ってて・・・ずっとエーコを優しさで包んでくれて・・・ずっとエーコを・・・愛してくれた・・・」

ビビ「・・・」

エーコ「それはあなたよ・・・ビビ・・・」

ビビ「エーコ・・・」

エーコ「ごめんね・・・」

ビビ「エーコが謝る必要はないよ。じゃあ一つだけいいかい?」

エーコ「なに?」

ビビ「この戦いが終わって・・・平和になって・・・僕らが大人になったら・・・」

エーコ「・・・」

ビビ「僕と・・・結婚してくれないかい?」

エーコ「ビビ・・・!!」

プロポーズしてビビも顔が赤くなった。

ビビ「だ、駄目かな!?」

エーコ「ううん、いいよ。あたしもビビとずっと一緒にいたい。だから・・・だから結婚しよ!!」

そう言ってエーコはビビに抱きついた。

ビビ「エーコ・・・!!」

エーコ「ビビ・・・!!」

二人は強く抱き合った。

エーコ「ビビ、大好き!!」

ビビ「エーコ、愛してるよ!!」

本当に誰もいなくてものすっごくいいムードな二人。 ・・・が。

?「ビビよ・・・」

ビエ「!?!?!?!?」

かなりラブラブで二人だけの世界に入ってたこともあり突然聞こえた声に二人は恐ろしく驚いた。

?「久しぶりアルよ・・・」

ビビ「!? おじいちゃん!?」

なんと釣り場の先に死んだはずのビビのおじいちゃん、クワンがいた。

クワン「ビビよ、今ワタシはお前に会いに来ているアル・・・長くはないがお前と話がしたいと思ってアル・・・」

ビビ「おじいちゃん・・・」

クワン「お前が今何しているかは分かっているアル。それはとても大変なことアルよ・・・」

ビビ「分かっているよ。それでも僕は僕に出来ることをする。」

クワン「その道はもしかしたらお前の命を奪うやも知れん・・・それでもアルか?」

ビビ「それでも、僕はその道を進む。僕のため、仲間のため、そしてエーコのために!!」

エーコ「ビビ・・・」

クワン「・・・その言葉を聞いて安心したアル。これでワタシはあっちに戻れるアル。」

ビビ「もういっちゃうの・・・?」

クワン「大丈夫アル、お前は一人じゃないアル。ワタシはお前の心の中にずっといるアル。」

ビビ「うん。」

クワン「それとそこの女の子。」

エーコ「はい。」

クワン「ビビのこと、宜しくアル。」

エーコ「はい!!」

クワン「ではビビ・・・さらばアル・・・」

そう言ってクワンは空に消えた。

ビビ「おじいちゃん・・・」

エーコ「大丈夫よ。あの人があたし達を見守ってくれるわ。」

ビビ「それにモグもね。」

エーコ「ええ。」

ビビ「それじゃあ行こうか。」

エーコ「うん。でもさ・・・」

ビビ「?」

エーコ「さっきの・・・見てたのかな?」

ビビ「さっきの・・・?ああ、多分見てたんじゃない?」

エーコ「見てたんじゃない?って・・・エーコ恥ずかしいよ・・・」

ビビ「僕はそう思わないな。」

エーコ「どうして・・・?」

ビビ「僕らもう恋人なんだから恥ずかしがる必要はないでしょ。」

エーコ「恋人ってビビったら・・・でも嬉しい!!」

そう言ってまたビビに抱きついた。

エーコ「そうよね!!恋人なんだから恥ずかしがる必要なんてないのよ!!」

ビビ「それじゃ今度こそ行こうね。」

エーコ「うん!!」

そう言って二人は寄り添い、手をつなぎながらチョコの元へ向かった。その頃。







スタイナー「ぐおへっ!!」

サラマンダー「っつつつ・・・」

クエール「まだまだアルよ!!」

フライヤ「MPを減らすというのは甘かったか・・・」

クイナ「忘れてたアル・・・お師匠様にはMPを使わないローリンローリンがあったのを・・・」

クエールのローリローリンを喰らったらしく皆瀕死状態だった。

クエール「これでも手加減したアルよ。」

フライヤ「くっ・・・」

クエール「どうしたアル?これで終わりアルか?」

クイナ「そんな訳・・・ないアルよ!!」

そう言ってクイナはクエールに立ち向かった。

クイナ「ゴブリンパンチ!!」

そう言って左手でクエールに殴りかかった。

クエール「まだまだアル!!ゴブリンパンチ!!」

クエールも同じ技でクイナに殴りかかった。

バシン!!

二人のゴブリンパンチは拳と拳があたって結果的に外れた。

クイナ「グヌヌヌヌ・・・」

フライヤ「クイナ!!てやぁーーー!!」

その隙を突いてフライヤがクエールに仕掛けた。

クエール「フヌッ!?チョアーーー!!」

クエールはフォークをフライヤに向けた。が。

フライヤ「はっ!!」

クエール「なぬっ!?」

クエールの前でフライヤは大ジャンプした。

スタイナー「隙あり!!」

サラマンダー「うらぁーーー!!」

ジャンプしたフライヤを目で追ったクエールにスタイナーとサラマンダーは走り出した。

スサ「はぁーーー!!」

クエール「ルルッ!!」

クエールはクイナから離れスタイナーとサラマンダーの攻撃を避けた。

サラマンダー「今だ!!」

フライヤ「ああ!!」

フライヤはクエールに向けて槍を投げつけた。

クエール「クヌゥーーー!!」

ガチャン!!

クエールはフォークでフライヤの槍を弾いた。

フライヤ「今じゃクイナ!!」

クイナ「アル!!」

クエール「ナヌッ!?」

クイナ「カエルおとし!!」

ズドドドド!!

クイナが唱えるとクエールにカエルが大量に降り注いだ。

クエール「アイヤーーー!!」

クイナ「まだまだアルよ!!」

クエール「そこまでアル!!」

スフクサ「!?」

クエール「ワタシに一撃当てた。その時点でお前たちの勝ちアルよ。」

クイナ「お師匠様・・・」

クエール「クイナ、お前に五つの青魔法を授けようアル。」

フライヤ「まだ青魔法はあったのですか?」

クエール「クイナには二十五の青魔法を覚えさせておるが、今から授けし技は使い方によっては全てを破壊するがある。しかし今のクイナならその技も良き方に使えるであろう。」

クイナ「お師匠様・・・」

クエール「クイナよ、我ら青魔道士はその技を喰らいて覚える。つまり今から放つこの魔法を耐えきることがお前への最後の試練アル!!」

クイナ「分かったアル!!」

クエール「他のものは下がっておるが良いアル。」

フライヤ「分かりました。」

そう言って他の三人はクイナから離れた。

クエール「行くアルよ!!クイナ!!」

クイナ「アル!!」

そしてクエールは魔法を唱えだした。

クエール「受けよ!!グランドトライン シャドウフレア ショックウェーブパルサー サンシャイン インサニティサン!!

クエールから五つの強大な魔法がクイナに放たれた。

クイナ「ヌゥーーー!!」

ドガーーーーーン!!

巨大な爆発が生じた。

フライヤ「うおぉーーー!!」

フライヤ達の所にも爆風が来た。

スタイナー「ぐおーーー!!」

サラマンダー「クっクイナーーー!!」


爆発が収まって数分後


青魔法の爆発により生じた煙はまだ残っていた。

フライヤ「クイナは大丈夫なのか?」

サラマンダー「・・・信じるしかないだろう・・・」

スタイナー「そうであるな・・・」

そしてさらに時間がたって煙が消えてきた。

フライヤ「クイナ!!」

クイナ「うぅ〜〜〜・・・」

クイナは傷を負っていたが大丈夫だった。

フライヤ「大丈夫か?」

クイナ「何とか大丈夫アル・・・」

クエール「良くぞ耐え抜いた。これでお前は新たな青魔法が使えるアル。この力で世界を救いに行くアルよ。」

クイナ「ありがとうアル、お師匠様。」

クエール「これからも精進するアルよ。そして仲間の方も宜しくアル。」

フライヤ「分かりました。ありがとうございます。」

スタイナー「では黒魔道士の村へ戻ろう。」

サラマンダー「ああ。」

そしてこの四人も黒魔道士の村に向かうことになった。その頃。







コウ「なるほどな・・・これで次に俺達がやることは見つかったな。」

シド「そうじゃの。」

ブランク「ちょうどガイア全部に”霧”が出てるんならここの飛空挺軍団もいけるだろうな。」

ラニ「そうと決まれば早速準備しようよ。」

フラットレイ「ああ。」

マーカス「ミコトさんはここに残ってくれッス。」

ミコト「いいえ、私も行くわ。」

マーカス「でもミコトさんはボロボロだし疲れてるでしょ?」

ミコト「でも何もしないのは嫌・・・」

マーカス「ミコトさん・・・分かったッス。じゃあ俺から離れないでくれッス。」

ミコト「ありがとうマーカス。」

ネリク「何だかんだであの二人・・・」

マックス「意外といい関係ではないか。」

ベアトリクス「そうですね。」

待機中の仲間たちも何か行動を起こし始める頃、ビビとエーコ、フライヤ達も黒魔道士の村に向かっていた。







ダガー「みんな今頃どうしてるかしら?」

ジタン「さあな、でも絶対にここに戻ってくれるさ。」

この二人は黒魔道士の村のある家に泊まっていた。

ダガー「大丈夫よね・・・この戦い・・・」

ジタン「不安に負けちゃ、勝てるものも勝てなくなっちまうよ。」

ダガー「でも・・・」

ジタン「しょうがないな・・・」

ジタンはダガーを抱き寄せた。

ダガー「えっ!?」

ジタン「どう?落ち着いたか?」

ダガー「・・・うん。」

ジタン「みんなが来るまで二人でいられる・・・その時間を大切にしよう・・・」

ダガー「うん・・・じゃあさ・・・」

ジタン「なんだい?」

ダガー「優しく・・・して・・・」

ジタン「・・・ああ。」

そう言ってジタンはゆっくりダガーを寝かせた。そしてジタンもダガーの上に・・・と。

?「何するのかしらねぇ!?」

?「これはさすがに覗かない方が・・・」

?「良かろう。」

?「うぬぅ〜・・・止めたい所だがこれは・・・」

?「止めなくてもいいアルよ。」

?「くだんねぇ・・・」

誰かが除いていた。それは・・・

エーコ「青春って奴かしらねぇ!?」

ビビ「どうなんだろう・・・」

フライヤ「青春じゃろう。」

スタイナー「姫様・・・」

クイナ「若いっていいアルね・・・」

サラマンダー「くだらん・・・」

仲間達が下からこの順に覗いていた。と。

56号「うわぁっ!!」

六人「!?」

六人の後ろの方で56号が突然大声を出した。その性で。

六人「うわぁーーー!!」

バターーーン!!

ダガー「きゃっ!!」

ジタン「なんだぁ!?」

エーコ「ぐ、ぐるぢぃ〜・・・」

ビビ「エ、エーコ・・・大丈夫?」

フライヤ「き、貴様ら重い・・・」

スタイナー「身動きが取れん・・・」

クイナ「ど、退けるアルサラ・・・」

サラマンダー「お、おう・・・」

ダガー「みんな・・・見てたの?」

エーコ「つうか何があったのよ・・・?」

ビビ「そうそう・・・確か後ろで誰かが・・・」

フライヤ「何があったんじゃ?」

56号「み、見たこともない虫が・・・」

積み重なってる六人「虫?」

56号の足元にゲジゲジした虫がいた。

サラマンダー「ムカデじゃねぇか・・・」

56号「ムカデって言うの?」

ジタン「ムカデよりもお前ら・・・見てたのか?」

六人「それは・・・」

ダガー「見てたのね・・・」

六人「はい・・・」

その時ダガーに異様な殺気が立ち込めた。

ジタン「まずっ!!刀魂放気!!」

バシューン!!

ダガーに向けてジタンが刀魂方気を放った。

ダガー「む〜!!む〜!!(何するのよ!?)」

見事に『沈黙』を発生させた。

ジタン「さてとお前ら・・・」

エーコ「い、いいでしょ!?ジタン達だってエーコ達を見てたじゃない!!」

ビビ「そ、そうだよそうだよ!!僕らだけ不公平だ!!」

ジタン「・・・なんだかお前ら息が合ってるな・・・」

エーコ「そ、そんなのいいじゃない!!」

ビビ「そうだよ!!僕らもう恋人なんだから合ってて当然だよ!!」

ジタン「おっ!!遂に交際スタートか!!」

ダガー「む〜!!む〜!!(おめでとう!!)」

エーコ「ビ、ビビ!!いちいち言わなくたって!!」

ビビ「駄目だった?」

エーコ「駄目じゃ・・・ないけど・・・」

ジタン「ま、いいか。で、みんなはもういいのか?」

フライヤ「ああ。」

ジタン「それじゃあ行くとするか。」

ダガー「む〜む〜(ええ、そうね)」

そして八人はインビンシブルに乗り、イーファの樹へと向かって行った。



新たな力と想いを胸に最終決戦へとおもむく八人。この戦いの結末はどうなるのか。この始まりの戦いは遂に最終局面へ。




続く










あ と が き
なんとビビがエーコにプロプォーーーズ!!
全世界のビビエーファンが待ちに待ったシーンが今ここに!!
これから二人はどうなるのかな?
そしてマーカスとミコトの関係もね。
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