CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第三十二話 異世界



テラへの道を開いたジタン達八人は、輝く島魂の道からテラへ向かうのであった。

ジタン「みんな、しっかりするんだ。」

ダガー「うん・・・ライフ・・・?」

ジタン「大丈夫か?」

ダガー「ええ。」

ビビ「ここがテラ・・・」

フライヤ「ジタンの故郷・・・か。」

ジタン「・・・ああ。」

エーコ「とても青いんだ・・・」

ダガー「青・・・そう言えばライフの記憶にあるって言ってた青い光って・・・」

ジタン「ああ、この青さ。ま、こんな所で話すより、先に進もうぜ。」

スタイナー「進むと言われても街などあるのか?」

ジタン「ん〜・・・ま、街としては機能してるだろうから街なんだろうな。とりあえず行こうぜ。」

ダガー「うん。」

八人がその場を離れようとした時。

サラマンダー「!?誰だ!!」

エーコ「えっ!?」

八人の後方に黒い服を着た老人がいた。

老人「遂にここまで来たか・・・」

ジタン「・・・ああ。」

老人「分かっておるのだろう。今お前がしていることを。」

ジタン「分かってるからやってるのさ。」

老人「・・・また後でな・・・」

そう言い残し老人は消えた。

エーコ「し、知り合い?」

ジタン「まあな・・・ま、進もうや。」

クイナ「そうアルな。」

そして八人は街に向けて歩き出した。


テラ


エーコ「しっかし綺麗なんだけど・・・眼に来る青ね・・・」

ビビ「ほんと・・・何か眼がチカチカしてきた・・・」

ジタン「ガイアの中なんだ。少し我慢しろよ。」

フライヤ「所で気になったのじゃが・・・何ゆえガイアは青なのじゃ?」

ジタン「何が?」

フライヤ「月の色じゃ。テラは赤だったろう?」

ジタン「それか。細かいとこは知らないんだ。」

ダガー「じゃあこの辺り一面青いのも?」

ジタン「ガイアに関係してるってことは分かるんだけどどうしてかは知らないのさ。」

ダガー「ふうん・・・何か誰かにつけられてるような気がするんだけど・・・気のせいかな?」

ジタン「用心に越したことは無いぜ。ガイアと同じ感覚でいたら泣きを見るぞ。」

エーコ「でも辺りには何もいないような・・・」

グニッ・・・

エーコ「ぐっ・・・グニッ?」

エーコが何かを踏んだようだ。それは・・・

ヘクトアイズ「・・・」

やたら目があるモンスター、ヘクトアイズだった。

エーコ「びゃあ〜〜〜〜〜!!気持ち悪〜〜〜〜〜!!」

ヘクトアイズを踏んでしまったエーコはその場からビビの元までジャンプした。

ビビ「エ、エーコ落ち着いて!!怖くなんか無いから!!」

サラマンダー「ただの雑魚じゃねえかよ・・・そらっ!!」

ザグシュッ!!

サラマンダーは爪で斬つけた。が。

ヘクトアイズ「・・・」

サラマンダー「なっ!?」

あまり効いていなかった。

スタイナー「何をやっておる!!てやっ!!」

ザシュッ!!

今度はスタイナーが剣で斬りつけた。しかし。

ヘクトアイズ「・・・」

スタイナー「ぬおっ!?効いておらぬ!!」

あまりいいダメージではなかった。

ジタン「だから言ったろ!!つぇい!!」

ザシュッ!!

ジタンの一撃がとどめになったらしく、ヘクトアイズは溶けて消えた。

ジタン「もうガイアじゃないんだ。モンスターだって今までとは違うぜ。オマケにあいつは厄介な魔法を持ってるんだ。」

ダガー「厄介な魔法?」

ジタン「死のルーレットさ。」

クイナ「アイヤッ!!それは危なかったアルよ!!」

ビビ「死のルーレット?」

ジタン「発動した奴とそいつの周りにいる奴らの中からランダムで一体一撃死にするんだ。」

クイナ「ワタシが一番使いたくない青魔法アル・・・」

フライヤ「それではヘクトアイズを見つけたら即効で倒さねばな。」

エーコ「そうね。じゃ、行きましょう。」

エーコが落ち着きを取り戻し、再び歩き出したその時。

グニッ・・・

エーコ「うっ・・・この感触・・・」

エーコは恐る恐る下を見た。

ヘクトアイズ「・・・」

またヘクトアイズがいた。しかも大量に。

エーコ「い、嫌ぁーーーーー!!」

またエーコはビビの元まで飛んでった。

ジタン「まずっ!!こんだけいたら死のルーレットぶっ放すかもしれない!!」

フライヤ「即効でけりをつけるぞ!!」

と言うことで前衛チームでヘクトアイズの駆除にあたった。

ジタン「どれだけいるんだよ!!」

と、その中のいくつかが死のルーレットを発動した。

ジタン「げっ!!来るぞ!!」

エーコ「死にたくない・・・死にたくないよビビ・・・」

ビビ「大丈夫・・・大丈夫だから・・・!!」

誰に当たるか分からない恐怖に二人は抱き合った。が。

ヘクトアイズの群れ「・・・」

ジタン「はっ?」

何もしていないのにヘクトアイズがドンドン溶けていった。

ジタン「・・・全部あっちに行った様だな・・・」

ダガー「ドレだけついてるのかしら・・・?」

ジタン「ま、障害はなくなったんだ。先に行こうぜ。特にそこのお二人さん。」

ビエ「あっ・・・」

二人はまだ抱き合っていた。

ダガー「そう言うのはゆっくり出来るときにね。」

エーコ「ちょっ!!待ってよ!!」

顔を真っ赤にして二人も先に進んだ。

ダガー「所でこの辺のモンスターってあれだけ?」

ジタン「まさか。後ムーバーとリングコマンダーがいるぜ。」

フライヤ「一体どんなモンスターなのじゃ?」

ジタン「リングコマンダーは魔法がちょっと強力な上、ウイルス持ちの嫌な奴さ。ムーバーは三対一組でボールみたいなモンスターだ。」

サラマンダー「それはこいつか?」

ジダフ「はっ?」

サラマンダーの手にはムーバーが一体捕まえられ、しかもクイナがリングコマンダーらしいモノを食べていた。

クイナ「あんま美味くないアルよ。」

サラマンダー「で、こいつはどうする?」

クイナ「さっき食べたからいいアル。」

サラマンダー「じゃ、飛んできな!!」

バシン!!

サラマンダーはムーバーを思いっきりどっかに蹴り飛ばした。

ジタン「・・・ま、大丈夫だな。」

エーコ「ねぇ・・・まだなの?エーコ疲れてきたんだけど・・・」

ジタン「後もうちょっとだ。ビビに抱っこでもしてもらえば?」

エーコ「むっ!!失礼ね!!エーコはそこまで子供じゃないわよ!!」

ジタン「はいはい・・・」

その内八人は橋らしき場所まで来た。

ジタン「この橋を越えればもうすぐさ。」

ビビ「ふぅ〜・・・」

ダガー「今までよりほんとモンスターが多いわね・・・」

若干省いてるが結構戦闘を繰り返しているのだ。

ジタン「あと少しだから頑張れよ。」

エーコ「うん。」

そして八人は橋を渡った。すると階段が見えてきた。

ジタン「後はここを上がるだけさ。」

エーコ「もう・・・もう駄目・・・」

ビビ「だったら僕がおんぶでもする?」

エーコ「ええっ!?」

ビビ「別に抱っこでもいいけどさ・・・」

エーコ「・・・」

いつもなら『子供じゃない!!』とか言いそうなのだが。

エーコ「・・・お願い・・・」

かなり恥ずかしそうにおんぶを頼んだ。

ビビ「じゃあ僕の背中に乗って。」

エーコ「うん。」

つうことでエーコはビビにおんぶしてもらった。

ジタン「じゃ、行くか。」

そして階段を登った。

ビビ「はぁはぁ・・・」

エーコ「大丈夫?」

ビビはかなり疲れてた。

ビビ「な、何とも無いさ。」

エーコ「ごめんね・・・」

ビビ「いいって。」

ジタン「まったくお熱いこって・・・」

ダガー「そうね。・・・あら?」

ダガーが何かを見つけた。

ダガー「・・・船?」

少し離れたとこに青い船が泊まっていた。

ジタン「あれがインビンシブルさ・・・」

スタイナー「あれがか・・・」

ジタン「セーラには辛いかもしれないけど・・・あの船がマダイン・サリを襲った嵐の原因さ・・・」

ダガー「それじゃあ私の誕生日やイーファ、崩壊の時に出たあの眼が・・・」

ジタン「そう・・・あれさ・・・」

ダガー「あれが・・・私の大切な物を全て・・・」

ジタン「セーラ・・・」

ダガー「・・・もういいのよ・・・それより早く街に行きましょう。」

ジタン「あ、ああ。」

そして最後の階段を登りきり八人は街の入口に到着した。

ジタン「着いたぜ。ここがブラン・バルさ。」

ダガー「ここが・・・テラの街・・・」


ブラン・バル


八人が到着した街、ブラン・バルはとても静かだった。

エーコ「めちゃくちゃ静かね・・・本当に街なの?」

ジタン「まぁな。」

エーコ「だったら住人の会話ぐらい聞こえてもいいと思うんだけど・・・つうか誰か住んでるの?」

ジタン「そりゃあ住人ぐらいいるさ。辺りをよく見な。」

エーコ「住人って言われても・・・ん?」

エーコは何かを見つけた。

エーコ「本当だ。確かに人が・・・んん!?」

近くにいた住人を見てエーコはさらにあることに気付いた。

エーコ「あの人シッポがあるよ!!」

ビビ「本当だ。」

近くにいた人にはジタンと同じシッポが生えていた。

ジタン「それに良く見てみな、髪の色も同じだからよ。」

ダガー「確かに・・・あれがテラの住人?」

ジタン「近からず遠からずだな。ま、俺もあいつらと同じ種族だってことさ。」

エーコ「にしたって・・・全然感情無さそうなんだけど・・・」

ジタン「本来俺らに感情なんて必要ないからな・・・」

ダガー「いったいどう言うこと?」

ジタン「立ち話もなんだしよ、どっかで休んでから話をしようぜ。」

ダガー「休む所なんてあるの?」

ジタン「一応な。」

と言うことでジタンの案内で休める場所目指して八人はブラン・バルを歩くことにした。

エーコ「しかし・・・あっちを見てもこっちを見ても・・・シッポばっかり・・・」

ジタン「シッポで悪かったな・・・」

エーコ「あ、別にジタンに言った訳じゃ・・・」

ジタン「ま、別に気にしないけどな。おっとここだ。」

八人は家らしき建設物の前に来た。

ダガー「ここって家じゃないの?」

ジタン「気にすんなって。」

そう言いながらジタンは中に入った。

ダガー「あ、ちょっと!!・・・まったく・・・」

後を追うようにダガーも中に入った。

フライヤ「疲れていることには変わりない。入ろう。」

ビビ「うん。」

そして他の仲間たちも中に入った。

ビビ「お邪魔しま〜す・・・」

しかし中には誰もいなかった。しかも家の中には水色とピンク色の装飾品でいっぱいだった。

エーコ「・・・誰もいないの?」

ジタン「そんなこといちいち気にしてたら休めないぜ。」

ダガー「でもさ・・・明らかに人の家でしょ?いいのかしら黙って入って・・・」

ジタン「いいから入ってるじゃないか。」

ダガー「だからねぇ・・・」

と。

?「誰?」

奥から少女の声がした。

フライヤ「ん?誰じゃ?」

と、八人のいる部屋に青い瞳をしたピンクのワンピース風の服にピンクと水色の長袖の上着、ピンクの可愛らしい靴に白のニーソックスの少女が来た。

ダガー「ちょっと!!ここ人が住んでるじゃない!!ごめんなさい!!今すぐ出て行きますので!!」

少女「・・・ただいま・・・!!」

ダガー「えっ?」

ジタン「ああ、お帰り。」

少女「ただいまっ!!」

と、少女はジタンに抱きついた。

エーコ「ええ!?ちょっとジタン!!一体この人とどう言う関係なのよ!?」

ジタン「ああ、紹介するよ。この子がミコトさ。」

少女の名はミコトと言うらしい。

ダガー「ミコトって・・・あ〜ライフの妹?」

ミコト「ええ。よろしくねダガーさん。」

ダガー「え?よ、よろしく・・・」

何故か握手をする二人。

ダガー「あなたにもシッポがあるのね。」

ミコトにもシッポがあった。

ミコト「当たり前よ。だって私は兄さんの妹だし、ジェノムなんだから。」

ジミ以外「ジェノム?」

ジタン「俺らの種族の名前さ。」

ミコト「私達はテラの民のための魂の器なのよ。」

ビビ「魂の・・・器?」

エーコ「ジタン達がテラの人間じゃないの?」

ジタン「本当のテラの民は眠ってるのさ。ガイアがテラになるまでな。」

ミコト「その時が来たらジェノムにテラの民の魂が宿り、テラの民となるのよ。」

ジタン「だから今まであったジェノム達は感情が無いに等しかったんだ。」

ミコト「もっとも、今回の融合のせいで器としては不適合なジェノムしか生まれなくなったんだけどもね。」

スタイナー「それにしてはお主らは少し違うようだが?」

ジタン「俺らは特別なのさ。前にも言ったろ?俺はガイアに戦乱を呼ぶために造られたって。」

ダガー「うん。」

ジタン「そのために俺らには多少感情が組み込まれてるのさ。」

ミコト「私はほとんどテラにいたからあまり感情表現できないけどね。」

クイナ「一つ気になったアルが・・・何でジタンがガイアに送り込まれたアルか?」

ジタン「大切な妹を危険な場所に連れてく兄がいるか?」

ミコト「でも私は兄さんとは離れたくなかったのよ・・・」

ジタン「ごめんな・・・お前に危険な目にあって欲しくなかったから・・・」

ミコト「たとえ危険な場所だとしても、兄さんと離れるなんて私は・・・」

ジタン「ミコト・・・」

ミコト「兄さん・・・」

何だかだいぶ前のジタンとダガーのやり取りっぽくなっていた。(二十話参照)

エーコ「もしかしてジタンってシスコン?」

ビビ「で、ミコトお姉ちゃんはブラコン?」

サラマンダー「馬鹿馬鹿しい・・・」

ミコト「!!」

サラマンダーの一言にミコトが銃を向けた。

ミコト「私はともかく兄さんの悪口は許さない!!」

ジタン「ちょっ!!ミコト落ち着け!!」

エーコ「もの凄いお兄ちゃん子なんだ・・・」

ビビ「そう言えば氷の洞窟で助けてくれたのお姉ちゃん?」

ミコト「ええそうよ。」

スタイナー「やはりジタンのためか?」

ミコト「それ以外に何があるのよ?」

クイナ「もの凄い兄妹愛アルな・・・」

ダガー「あのう・・・ミコト・・・ちゃん?」

ミコト「何かしら?」

ダガー「気になったんだけど・・・ライフがテラにいなかった時、どうしてたの?」

ミコト「・・・何も・・・でも、とても寂しかった・・・」

ジタン「ミコト・・・ごめんよ・・・」

ミコト「だから兄さんが無事だってことを分かってから私もガイアに来たのよ。」

ダガー「優しいのね。」

ミコト「当然よ。兄妹なんだから。」

エーコ「でもこれはちょっと行き過ぎじゃ・・・?」

ミコト「何か文句あるの?」

エーコ「別に・・・」

フライヤ「しかし目に来る色合いじゃのう・・・」

ダガー「確かにね・・・水色とピンク色で統一されてるって言っても過言じゃないわ。」

ジタン「いいじゃないか。俺は水色が好きなんだ。」

ミコト「私はピンク色が好きなのよ。」

フライヤ「だからジタンのバンダナは水色じゃったのか。」

ジタン「記憶は失っててもそれは覚えていたんだろうぜ。でもセーラの血で紫になっちまったけどな。」

ダガー「ごめんね。大切な物だったのに。」

ジタン「いいんだよ。っとそうだ。」

ジタンは額に巻いてあったピンク色のバンダナを取った。

ジタン「こっちに帰ってこれたんだし、返すよ。」

ミコト「いいわよ。私の物は兄さんの物でもあるんだから。」

ダガー「じゃあこれでも受け取って。」

そう言ってダガーはミコトに何かを差し出した。

ダガー「十年前にライフがくれたバンダナよ。私の血で紫になってるけど・・・貰って。」

ミコト「でもそれは、あなたが兄さんから貰った物・・・」

ダガー「いいのよ。ちょっと前にもバンダナ貰ってるから、こっちはあなたに。」

ミコト「・・・それじゃ貰っておくわ。」

そう言ってミコトはダガーからバンダナを貰った。

ミコト「あなたとても兄さんのことが好きなのね。」

ダガー「えっ!?」

えらく直接的なことを言われてダガーは驚いた。

ミコト「じゃあ嫌いなの?」

ダガー「そ、そんな極端に好きだ嫌いだなんて・・・!!」

ミコト「じゃあどうなの?」

ダガー「そ、それは・・・」

ミコトの質問にダガーは。

ダガー「す、好きよ!!私はライフのことが大好きですよ!!」

少々ヤケクソになってダガーは思いっきり告白した。その際ダガーの顔は真っ赤になっていた。

エーコ「ヒューヒューいいんじゃない?」

フライヤ「そうじゃの。」

ダガー「ちょっ!!からかわないでよ!!」

ミコト「それじゃあ将来的にあなたが私の義姉さんになるのね。」

ダガー「ぶっ!!な、何言ってんのよ!?」

ミコト「ガイアに行った時に青い服を着た剣士さんが教えてくれたの。互いに想い合う男女はいずれ結婚するって。そうなるとあなたは私の義理の姉さんになるじゃない。」

ダガー「は、話が飛びすぎよ!!大体まだ結婚するって決めたわけじゃ・・・!!」

ミコト「じゃあ結婚しないの?」

ダガー「そ、それは・・・」

ジタン「はいはいそこまで。あんまりセーラをからかうなよミコト。」

ミコト「ごめんなさい・・・兄さんを盗られそうでちょっと・・・」

ジタン「まったくお前って奴は・・・」

呆れ笑いしながらジタンは右手人差し指でミコトの鼻の頭をツンっと軽く押した。

ジタン「俺はお前みたいな可愛い妹がいて幸せだよ。」

ミコト「に、兄さ・・・!!」

ミコトの顔がちょっと赤くなった。

ミコト「もう!!・・・ふふふ。」

恥ずかしくてミコトはちょっと怒こったが、すぐに微笑んだ。そしてジタンも思いっきり笑い出した。

ダガー「とても仲がいいのね。ふふふふふ。」

ダガーもちょっと微笑んでいた。

エーコ「あ〜あ〜・・・なぁんだかやる気が失せてくる・・・」

ジタン「ま、休むぐらいならここでも出来るだろ。とりあえず休めよ。」

フライヤ「そうさせてもらおう。」

ジタン「そうだミコト。俺はちょっとガーランドの所に行って来る。すぐ戻るからそれまでみんなのこと頼む。」

ミコト「待って兄さん。私も行くわ。」

ジタン「おいおい待てよ。お前がここを離れてどうするんだよ。」

ミコト「でも兄さんと・・・」

ジタン「それくらい分かってるさ。すぐに戻るからよ。」

ミコト「・・・すぐに戻るって約束よ。」

ジタン「ああ。っと、そう言えばお前が会ったって言う青服の剣士ってどんな奴なんだ?」

ミコト「えっとね・・・頭にバンダナを巻いててゴブリンみたいな顔で最後に『ッス』ってつける人よ。ちょっと控えめな性格だったけど、何か兄さんに似ててとても優しかったわ。ガイアに来た時少しの間その人にお世話になってたの。」

ジタン「・・・ストライクゾーンど真ん中で思い当たる奴がいるぜ・・・」

ミコト「知り合い?」

ジタン「俺のカンが外れてなけりゃな。」

エーコ「つうかさっきのセリフ・・・」

ビビ「どっかで似たのを聞いたことあるよね。」

ジタン「ま、気にしないこった。じゃ、後でな。」

そう言ってジタンは家から出た。

エーコ「・・・ん〜〜〜・・・」

ビビ「?どうしたのエーコ?」

エーコ「気のせいだと思うんだけどさ・・・ダガーとミコトってどっか似てるような気がするのよねぇ〜」

ダミ「えっ?」

エーコの何気ない一言で二人は顔を合わせた。

フライヤ「しかし全然違うぞ。」

エーコ「何だろうかなぁ?雰囲気かな?」

ミコト「でも言われてみれば・・・」

ダガー「うん・・・何だか本当の妹のような・・・」

ミコト「本当の姉さんみないな・・・」

スタイナー「不思議なこともあるのだなぁ・・・」

その頃ジタンは。



ジタン「・・・ここに来るのも懐かしいな・・・」

明らかに怪しい建物の中にいた。

ジタン「パンデモ二ウム・・・何も変わらないな・・・」

建物の名はパンデモ二ウムと言うらしい。

ジタン「ガーランド、いるんだろ。」

ジタンが呼ぶと先程の老人が現れた。

老人「ようやく来たか。」

ジタン「ああ、ガーランド。」

どうやらこの老人がガーランドのようだ。

ガーランド「お前が何しにここへ来たかは代々見当はつく。」

ジタン「なら話は早い。ガーランド・・・ガイアとテラは共存することは出来ないのか?」

ガーランド「・・・言わずとも分かるだろう。ついてくるが良い。」

そう言ってガーランドはそこから消えた。

ジタン「・・・」

ジタンは何も言わずに歩き出した。


パンデモ二ウム


パンデモ二ウムの中をジタンは迷わず前に歩いていた。そしてジタンはガーランドを見つけた。

ガーランド「分かるであろう・・・既に真紅に変わりつつある。」

ジタン「・・・ガイアの中心か。でもまだ青なんだな。」

ガーランド「そうだ。」

二人の目の前にはガイアの中心らしい輝きがあり、その光はほぼ青なのだか若干真紅に染まりつつあった。

ジタン「ガイアの青・・・テラの赤・・・」

ガーランド「イーファの樹は今もなお活動を止めてはおらん。いづれはこのままテラへなるだろう。」

ジタン「やっぱり無理なのか・・・」

ガーランド「ああ・・・」

ジタン「もしかしたらって考えていたけど・・・やっぱり無理なんだな。」

ガーランド「お前が育った地とはいえ、あそこはいつかは無くなるのだ。」

ジタン「・・・」

ガーランド「残念だが、諦めるしかなかろう。」

ジタン「・・・そんなのはごめんだ。」

ガーランド「?」

ジタン「確かにテラのためだってことは分かる、でも俺は・・・俺はガイアを滅ぼさせたくはないんだ!!」

ガーランド「お前・・・」

ジタン「覚悟は出来てるさ!!ガイアは俺が守る!!」

ガーランド「・・・」

ジタン「そのためだったらあんたも兄さんも倒す!!」

ガーランド「・・・それも悪くはないか・・・」

ジタン「何!?」

ガーランド「ライフ・・・いや、ジタンの方が良いか。」

ジタン「あんたの好きにしな。」

ガーランド「ではライフ・・・私達はかつてお前と同じことを考えたことがあるのだ。」

ジタン「同じ考え?」

ガーランド「テラとガイアの共存だ。」

ジタン「何っ!?」

ガーランド「融合に失敗した後、一度だけそのこといついて話し合ったことがあるのだ。」

ジタン「そんなことが・・・でも、なんでテラはガイアを?」

ガーランド「その事に賛同しなかった者がいたのだ。テラにもガイアにも・・・」

ジタン「ど、どう言うことだ?」

ガーランド「ガイアの文明が多少復興した時、私達はガイアにて共存について話し合った。あのまま上手いこと進んでおれば今のようなことは起こらなかったろうな。」

ジタン「いったい何があったんだその時?」

ガーランド「話は数年ほど行われておったがある時ガイアテラ双方の一部の者がクーデターを起こし、話し合いは無駄に終わった。そして今まで通りガイアをテラにすることにしたのだ。」

ジタン「そんな・・・」

ガーランド「そしてその時、お前達が生まれたのだ。」

ジタン「何だって!?」

ガーランド「お前達がめぐり合うことになるとは・・・運命なのだろうか・・・」

ジタン「いったいどう言うことだ!?」

ガーランド「話し合いの際、テラの男、ガイアの女との間に三つ子が生まれたのだ。しかしクーデターにより二人は離れ離れになってしまったのだ。子供はテラに二人、ガイアに一人づつ引き取った。」

ジタン「その子供って・・・」

ガーランド「言わずとも分かるであろう。」

ジタン「そんな・・・まさか・・・」

ガーランド「そうだ・・・今のお前達にとっては酷な話だ。だが、真実なのだ。」

ジタン「・・・」

ガーランド「すまないな。しかし、いつかは知らねばならないことだ。」

ジタン「・・・ああ。」

ガーランド「で、これからどうする?」

ジタン「眠ってる人達には悪いけど、もう一度共存への道を目指したい。」

ガーランド「そうか・・・そう言えばクジャはどうした?」

ジタン「兄さんか、そう言えばグルグ火山以来見てないな・・・」

「僕を呼んだかい?」

ジガ「!!」

二人とは違う声がした。

ガーランド「クジャか!?どこにいる!!」

クジャ「ガイアとテラの共存?笑わせるねぇ。それじゃあライフがやって来たことは無意味になるじゃないか。」

ジタン「!!」

クジャ「もう戻ることのない魂達・・・それなのに共存とはねぇ。」

ガーランド「どこにおるのだクジャ!!」

クジャ「しつこいなぁ・・・僕はここだよ。」

ジタン「!!ガーランド後ろだ!!」

ガーランド「なっ!?」

ガーランドの後ろにクジャがいた。

クジャ「遅い!!フレア!!」

ヴァガーーン!!

ガーランド「があぁーーー!!」

ジタン「ガーランド!!」

ガーランドはクジャのフレアを喰らいどこかに飛ばされた。

クジャ「さてと・・・後は君だけだ。」

ジタン「くっ・・・」

クジャ「十年前もそうだけど、やっぱり君は悪い子だよライフ。」

ジタン「兄さん・・・」

クジャ「嬉しいね、僕のことをまだ『兄さん』って呼んでくれるとはね。」

ジタン「俺を・・・殺すのか?」

クジャ「さぁね。それは君しだいさ。」

ジタン「今の俺じゃあんたに勝ち目はない。でも、ミコトやセーラ達は殺さないでくれ!!」

クジャ「優しいもんだね。そうだねぇ・・・ま、殺さないで置いておくのも悪くはないかな?ただし・・・」

ジタン「ただし・・・?」

クジャ「君が僕のために働いてくれるんならね。」

ジタン「何?」

クジャ「とりあえずその邪魔な考えを消してからだね。」

ジタン「なっ!?」

クジャ「ちょっと眠ってもらうよ!!ホーリー!!」

シュパーーー!!

ジタン「ぐあぁーーー!!」

ジタンはホーリーの直撃を喰らい気を失った。

クジャ「ククク・・・これで邪魔者は後七人・・・」

ジタン(ミ・・・ミコト・・・みんなを・・・ガイアに逃がしてくれ・・・)





ミコト「!?」

ダガー「どうしたのミコトちゃん?」

ミコト「ミコトでいいわよ。」

ダガー「そう?で、何かあったの?」

ミコト「・・・何でもないわ。それよりついてきてくれない?」

ダガー「どこに?」

ミコト「いいからついていて。」

そう言ってミコトはダガー達をとある場所に連れてきた。

ダガー「何なのここは?」

エーコ「変な物があるけど・・・何の装置?」

ミコト「何でもないわよ。とりあえずそこに集まってて。」

ビビ「う、うん。」

言われるがまま七人は一ヶ所に集まった。

ミコト「そう、そこから動かないでね・・・」

そう言ってミコトはこっそり装置を起動させようとした。

ミコト(ごめんなさい!!)

が。

サラマンダー「待ちな。」

ミコト「!!」

サラマンダー「貴様何を考えている?」

ミコト「な、何の事!?」

サラマンダー「とぼけても無駄だ。俺らに何をしようとした?」

ミコト「・・・」

ダガー「ミコト?」

ミコト「・・・あなた達を・・・ガイアに送ろうとしただけよ。」

エーコ「ガイアに!?」

フライヤ「ちょっと待て、ジタンはどうしたのじゃ?」

ビビ「そうだよ、ジタンをおいていくなんて出来ないよ。」

ミコト「これは兄さんからの頼みなのよ・・・」

クイナ「フヌッ!?ジタンに何かあったアルか!?」

ミコト「・・・」

ダガー「教えてミコト!!ライフに何があったの!?」

ミコト「・・・クジャ兄さんに・・・消されたかもしれない・・・」

ミコト以外全員「!!」

ダガー「ライフが・・・消された・・・!?」

エーコ「嘘よ!!ジタンが死ぬわけないじゃない!!」

ミコト「そう、兄さんが死ぬわけないわよ。」

ビビ「じゃあどう言うこと!?」

ミコト「もしかしたら兄さんに人格を消されているかもしれないのよ・・・」

スタイナー「人格を!?」

ミコト「そしてさっき兄さんからみんなをガイアに逃がしてくれって私に伝えて・・・」

ダガー「・・・」

ミコト「だからあなた達を・・・」

ダガー「だったらなおさら帰るわけには行かないわ。」

ミコト「え・・・?」

ダガー「ライフを助けなきゃいけないじゃない。」

エーコ「そうよ!!エーコ達だけ帰るなんて出来るわけないじゃない!!」

クイナ「仲間を見捨てるなんて出来ないアルよ!!」

ミコト「あなた達・・・」

ビビ「ミコトお姉ちゃん!!ジタンがどこに言ったか教えて!!」

ミコト「・・・パンデモ二ウムよ。街の入口にゲートがあるからそこから行けるわ。」

ダガー「ありがとう!!みんな行くわよ!!」

フライヤ「ああ!!」

ミコト「待って!!私も行く!!」

ダガー「ううん。私達だけでいいわ。」

ミコト「いいえ、私も行く。兄さんを助けたいの。」

ダガー「・・・分かった。一緒に行きましょう!!」

ミコト「ええ!!」

そしてダガー達はジタンが向かったパンデモ二ウムに向かい走り出した。



テラに到着した八人。しかしクジャの野望はテラとは違っていた。クジャの野望とは?そしてガーランドが言った三つ子とは?まだ全てが明らかになったわけではないのであった。




続く










あ と が き
この物語の萌えのキーパーソン登場!!
やっぱミコトはブラコンですよ。
ちなみに服装はただの思い付きです。
ダガーに恋のライバル現る・・・
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