CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第三十一話 テラへの鍵後編 祠と守護者、魅かれ合う心



イプセンの古城でテラへの鍵を入手した八人。そしてテラへの道を開くため、世界を飛び回ることになった。

ジタン「あそこが水の場所か。」

ダガー「そう見たいね。」

エリン「着地できるようなのでこのまま行きます。」

ジタン「ああ、頼む。」

そしてヒルダガルデ三号機は小島のような場所に着陸した。

ジタン「こいつは・・・祠だな。」

ダガー「この奥にこの鏡を置く場所があるのね。」

エーコ「それじゃ、行こうか。」

ダガー「ええ。」

ジタン「なぁ、俺が提案しておいて何だけど・・・二人で大丈夫か?」

ダガー「何とかなるわよ。マダイン・サリの召喚士をなめてもらっちゃ困るわ。」

エーコ「そう言う事!!」

ジタン「なら大丈夫だな。とりあえずこれ。」

そう言ってジタンはダガーにダークマターを渡した。

ダガー「ダークマターじゃない。どうしたのこれ?」

ジタン「サラマンダーがあの城の中で見つけたんだってよ。オーディンが眠ってるだろ?」

ダガー「・・・うん。オーディンの力を感じるわ。これで私の召喚獣はみんな戻ってきたわね。」

ジタン「そうだな。じゃ、俺らは次の祠へ行ってくるよ。」

ダガー「じゃまた後でね。」

ジタン「ああ。」

そしてジタンはヒルダガルデ三号機に戻った。

エーコ「さ、邪魔者もいなくなったことだし、女同士じっくり行くわよ。」

そう言って先にエーコが祠の中に入って行った。が、ダガーは・・・

ダガー「・・・じっくり?」

じっくりの意味が分からないらしく頭をかしげながら中に入った。





ジタン「なぁビビ。」

ビビ「何ジタン?」

ジタン「エーコと何かあったのか?最近ギクシャクしてないか?」

ビビ「そうかなぁ?元々僕とエーコはあんな感じだけど。」

ジタン「そっかなぁ〜・・・俺にはどうもビビもエーコも何かに気付いていないような気がするんだよな〜・・・」

フライヤ「私も同感じゃ。」

ジタン「やっぱフライヤもそう思うか。」

フライヤ「ああ。」

ビビ「気付いていないって何に?」

ジフ「さぁねぇ・・・」

ビビ「?」

ビビの恋愛相談(?)をしている内に船は閉ざされた大陸の火山の上に来ていた。

船員「これ以上は近づけません!!オーバーヒートしちゃいます!!」

ジタン「予想していた通り・・・だったな。」

フライヤ「そうじゃの。」

ジタン「大丈夫か?」

フライヤ「竜騎士をなめるなよ。私よりサラマンダーを気にしてやれ。あ奴はまだ傷が完全に癒えておらん。」

サラマンダー「こんなもん傷の内には入らねぇ・・・」

ジタン「ならいいな。・・・そろそろ限界高度だ。行ってくれ。」

フライヤ「行ってくるぞ!!」

サラマンダー「・・・」

二人は祠の入口に向かって飛び降りた。

ジタン「次は風の祠・・・」

そして船は忘れられた大陸の南にある風の祠へ向かった。





ビビ「そう言えばウイユヴェールのあの案内人ってジタンだったんだよね?」

ジタン「ん?ああ、そうだけど。」

ビビ「何でアークと心を交わせれたの?」

スタイナー「そう言えばそうであるな。」

ジタン「よく分かんないんだよな。何となく出来たみたいな物だったから。」

ビビ「不思議なこともあるんだね・・・」

そんなジタンに関する疑問について討論している内に、船は風の祠に到着した。

ビビ「な、何か本当に風が強そうだけど・・・」

ジタン「さすが風に守られてるってだけあるな。」

ビビ「じゃ、行って来るよ。」

ジタン「飛ばされんなよ。」

ビビ「うん。」

ジタン「でもやっぱ心配だな・・・おっさん、先行ってやってくれ。」

スタイナー「心得た。」

先にスタイナーが外に出た。

スタイナー「別にたいした風ではないわ。」

ビビ「本当?」

そしてビビも外に出た。が。

ビビ「あわわわわ!!」

ビビはちょっと飛ばされそうになった。

スタイナー「ビビ殿!!」

スタイナーがビビの前に立ったために飛ばされずに済んだ。

ジタン「やっぱりおっさんをここに任せてよかったな・・・」

スタイナー「では、行きますぞ。」

ビビ「うん。」

そしてスタイナーが盾になりながら二人は祠に入った。

ジタン「大丈夫かあの二人・・・ってこっちはクイナだからな・・・人の事言えないか・・・」

そして船は最後の祠のある外側の大陸に向かった。





ジタン「・・・みんないないと寂しいな・・・」

エリン「こう言う時って結構仲間の大切さを知るんですよね。」

ジタン「ああ。だからさっさと終わらせてみんなと合流しよう。」

エリン「そうですね。」

クイナのことを忘れてこんな会話をしていると最後の祠が見えた。

ジタン「『揺れ動く』ってこう言う事か・・・地面がずっと揺れてやがる。」

祠の周りは常に地震が起こっていた。

エリン「これじゃ着陸は出来ませんよ。」

ジタン「そうだな・・・長いロープか何かを使って下に降りよう。帰りは上から垂らしてくれれば何とかなる。」

エリン「分かりました。縄梯子かありますからそれを使ってください。」

ジタン「分かった。行くぜクイナ。」

クイナ「アル。」

そして二人はデッキから縄梯子を使って祠の入口まで向かった。





地脈の祠


ジタン「それじゃ、行くとしますか。」

クイナ「ワタシジタンと一緒に行きたかったアルよ。」

ジタン「は?ま、まあ余りものって感じで組むことになっただけなんだけどな。」

クイナ「照れなくていいアルよ。ク族の言葉に『余りものには福がアル』ってあるアル。」

ジタン「・・・ま、ここが余りもので福があるといいけどな・・・」

ぶつくさ言いながら二人は奥へ進んだ。

クイナ「・・・ガラーンとして何もなさそうアルな・・・」

ジタン「だな。」

何もない道を歩く二人。と。

ズゴゴゴゴゴ!!

突然祠の中で地震が起こった。

ジタン「な、何だ!?」

と、二人の足元が突然天井まで動き出した。

ジタン「まずい!!クイナ飛ぶぞ!!」

クイナ「アル!!」

二人は天井に着く前に前にジャンプした。が。

クイナ「ここもアル!!」

ジタン「ちぃ!!また飛ぶぞ!!」

クイナ「アル!!」

そしてまた天井に着く前に二人はジャンプしようとした。が。

ジタン「げっ!!上からか!?」

行き先の天井の一部が防火扉のように降りてきた。

ジタン「完全に閉まったらお終いだ!!降りて即行ダッシュだ!!」

クイナ「アル!!」

そして二人は下に降りて前が閉まる前に通り抜けた。と、

ジタン「今度は横か!!」

クイナ「走るアル!!」

壁の一部が二人の行く手をさえぎるかのように飛び出てきた。二人は全力で走って切り抜けた。

クイナ「アイヤーーー!!ミンチにされるとこだったアルよ!!」

ジタン「トラップか・・・みんな大丈夫だよな・・・」





水の祠


エーコ「なんも出てこないわね・・・」

ダガー「これだけ何もないと逆に不安だわ・・・」

エーコ「多分エーコ達の力にひれ伏せてるんだわ!!」

ダガー「ひれ伏せっ!?・・・そんなことないと思うけど・・・」

エーコ「まったく!!ちょっとは自信持ちなさいよ!!」

ダガー「これは自信とは関係ないような・・・!?エーコ伏せて!!」

エーコ「えっ?きゃっ!?」

バゴーーン!!

エーコの頭上を氷の塊がかすめた。

ダガー「トラップだわ!!走り抜けましょう!!」

エーコ「分かった!!ダガー後ろ!!」

ダガー「わっと!!」

バゴーーン!!

ダガー「行きましょう!!」

二人は振り注ぐ氷の中を奥まで走った。





火の祠


フライヤ「何もないのう・・・」

サラマンダー「・・・」

フライヤ「こう何もなくては張り合いが無いのではお主?」

サラマンダー「何も無いに越したことはねぇ・・・」

フライヤ「以外じゃな、お主がそのような事を言うとはな。」

サラマンダー「・・・!?飛べ!!」

フライヤ「何?ぬおっ!?」

ヴァーー!!

フライヤの足元から炎が噴出した。

サラマンダー「トラップつきとはな・・・」

フライヤ「明らかに溶岩並みの温度じゃ!!当たったりもしたら火傷ではすまないぞ!!走れ!!」

サラマンダー「言われるまでもねぇ!!」

二人は足元から噴出する炎を避けつつ奥へ走った。





風の祠


ビビ「何にも無いね・・・」

スタイナー「何も無いからこそ気を配るのであるぞ。見た目で何も無いと言うのはほぼ何かあるということであるからな。」

ビビ「そうなんだ。」

スタイナー「そう、ですので気を付けるのですぞビビど・・・!?」

ビビ「おじちゃん?」

スタイナー「下がるのでありますビビ殿!!」

ビビ「えっ?わわっ!!」

ビシュッ!!

ビビの目の前を見えない何かが通った。

ビビ「何!?

スタイナー「カマイタチである!!今の音からすれば切れ味は計り知れなかろう!!」

ビビ「トラップ!?それじゃあエーコも・・・!!」

スタイナー「エーコ殿のことが気に病むのは分かりますが今は目の前の壁を乗り越えるのですぞビビ殿!!」

ビビ「・・・うん!!」

スタイナー「一気に切り抜けますぞ!!」

ビビ「分かった!!」

二人はカマイタチを避けつつ奥へ走った。





クイナ「オホッ!!どうやらあれが鏡を置く場所アルよ!!」

ジタン「そのようだな。」

二人の前に鏡を置く祭壇のようなのがあった。

クイナ「早く置くアルよ。」

ジタン「そうだな。」

ジタンは祭壇に鏡を置こうとした。と。

(待ちわびたぞ・・・)

どこからか声がした。

ジタン「誰だ!?」





フライヤ「後はここに鏡を置くだけじゃな。」

サラマンダー「結局アレだけだったのか・・・」

フライヤ「お主にとっては物足りなかったのでは?」

サラマンダー「それよりさっさと置いたらどうだ。」

フライヤ「そうじゃな。」

フライヤも鏡を置こうとしたその時。

サラマンダー「!?フライヤ下がれ!!」

サラマンダーが何かに気付いたようだ。

フライヤ「何じゃいった・・・!?」

フライヤも何かに気付いてその場から一歩下がった。と、そこに腕が六本あり刀を六本持った蛇のようなモンスターのような者が現れた。

フライヤ「何じゃ貴様は!?」

モンスター?「クジャの言った通りであったな・・・ネズミ共が迷い込んで来るであろうと・・・」





ジタン「お前はっ!?」

ジタン達の所にも宙に浮いたアンデットのようなモンスターが現れていた。

モンスター?「我らはテラの守護者・・・言うなればガーディアン。」

ジタン「ガーディアン?」





ガーディアン「そう、我らテラの守護者、いわばテラの力そのものだ・・・」

ダガー「テラの!?」

ダガー達の所には青いタコのようなガーディアンがいた。

エーコ「つうかあんた達は何なの!?」

ガーディアン「我らは語るために守護者になったのではない・・・貴様らの様なネズミを始末することに至上の喜びを覚えるからだ。」

エーコ「悪趣味・・・って言うかネズミはフライヤだけよ!!」

ダガー「意味が違うわよ!!でも、私達はここから下がらないわ!!クジャの野望を阻止するためにテラへ行く!!」

ガーディアン「ほう・・・小娘かと思ったが、良かろう・・・我が水の力にて、その判断を後悔するが良い!!」





ビビ「うわぁ〜〜〜!!」

スタイナー「ぬわぁ〜〜〜!!」

ガーディアン「どうした?貴様らの力はそんなものか?」

ビビ達の所には竜のようなガーディアンがいた。

スタイナー「うぐぐぐ、言わせておけば・・・」

ビビ「あいつ、風のガーディアンてだけあって、中々魔法が当たんなくって・・・やっぱり二人だけじゃ無理だよぉ・・・」

スタイナー「ビビ殿!!男子たるもの弱音を吐いてはいかんのである!!」

ビビ「でも・・・」

スタイナー「我らが力を合わせれば、バケモノごときに負ける訳が無い!!」

風のガーディアン「どちらが先にやられるか決まったのか?」

スタイナー「ええい黙れ黙れ!!まずは自分が相手をしてやるのである!!」

ビビ「え!?」

スタイナー「・・・ビビ殿、自分があやつめに組みかかり動きを封じます。それと同時にビビ殿は得意の魔法を奴に!!」

ビビ「そんな・・・失敗したらおじちゃんに間違って・・・」

スタイナー「・・・信じているぞ、ビビ。」

ビビ「・・・わかった。」

スタイナー「うぉりゃ〜〜〜っ!!」

ビビ「はぁっ!!」

スタイナーは風のガーディアン目掛け走り、ビビは魔法を唱え始めた。





土のガーディアン「クジャは8匹のネズミが来ると言っておったはずだか・・・?」

ジタン「おもてなしの準備でもしてくれてたのか?そりゃ悪かったな、たった二人で!!」

クイナ「でもワタシ達二人で、全てたいらげてしまうアルよ!!」

土のガーディアン「そうか、他の場所へも同時に・・・無謀なことをするネズミもいたものだ・・・」

ジタン「やってみなきゃ分かんないだろ?」

クイナ「食べてみなきゃ分からないアルよ?」

土のガーディアン「貴様らの様な下等な生命が、テラへ向かっていったい何とする?」

ジタン「俺にはちゃんとした理由がある、兄さんを止めるってな!!」

クイナ「美味しいものがあるか分からない所は楽しみアルよ!!」

土のガーディアン「よかろう・・・心して味わうが良い、本当の恐怖を!!」

二人に向かい土のガーディアンが襲ってきた。

ジタン「行くぜクイナ!!」

クイナ「アル!!」

そして二人も土のガーディアンへ向かい走った。





フライヤ「はぁーーー!!」

フライヤ達も火のガーディアンとの戦闘していた。

火のガーディアン「なんの!!」

ガチャン!!

フライヤの槍と火のガーディアンの剣二本から火花が生じた。

火のガーディアン「死ぬがよい!!」

フライヤ「くっ!!」

火のガーディアンは残った腕の内二本をフライヤに斬りつけた。が、寸前で後方にジャンプしかわした。

フライヤ「一筋縄では行かないようじゃな!!」

火のガーディアン「我らをなめてもらっては困るな。」

サラマンダー「そうかい!!」

火のガーディアン「ぬっ!?」

サラマンダーが火のガーディアンの後ろにまわり、爪で攻撃を仕掛けた。

火のガーディアン「甘い!!」

ガチャン!!

火のガーディアンは腕を後ろにまわし、サラマンダーの攻撃を受け止めた。と、その隙に。

フライヤ「隙アリじゃ!!」

フライヤが上から槍を構えていた。

火のガーディアン「何!?」

フライヤ「喰らえ!!」

フライヤは火のガーディアン目掛け槍を投げつけた。

火のガーディアン「この程度!!」

ガチャン!!

火のガーディアンはサラマンダーの爪を受け止めていた腕を数本前に戻し、槍を弾き返した。

フライヤ「くそっ!!」

火のガーディアン「だから言ったろう・・・なめてもらっては困るってな!!」

サラマンダー「ちぃ!!」

サラマンダーは火のガーディアンが腕を再び戻して剣で切りつけてきたのでやむを得ず後方に下がった。

火のガーディアン「やはり無謀なことであったな。たった二人で来るとは・・・」

フライヤ「くっ・・・」

火のガーディアン「他のネズミ達はそろそろ殺されておるだろうな・・・」





ダガー「はぁはぁ・・・」

エーコ「うぅ〜・・・」

水のガーディアン「非力なものよのう・・・」

ダガー「やっぱり前衛無しってのはきついかな・・・?」

エーコ「ごめん・・・エーコがワガママ言っちゃったから・・・」

ダガー「別にいいわよ。それより今はこいつを倒さなきゃ!!」

水のガーディアン「今度は何を召喚するというのだ?非力な召喚士の生き残りよ・・・」

エーコ「マ、マダイン・サリの召喚士は非力じゃないわよ!!ケルベロス!!」

エーコは挑発に乗ってしまい、ケルベロスを召喚してしまった。

エーコ「思いっきりやっちゃって!!」

ケルベロス「ガァーーー!!」

ケルベロスは水のガーディアンに飛び掛った。

水のガーディアン「貧弱貧弱!!」

バシューーーッ!!

水のガーディアンは両肩の触手から高圧力の水をケルベロスに向けてはなった。

バシュッ!!

エーコ「ケルベロス!!」

ケルベロス「ガ・・・」

エーコ「もういいわ!!戻って!!」

エーコの命令でケルベロスは宝石に戻った。

水のガーディアン「そろそろネタがなくなってきたのでは?」

エーコ「くっ・・・!!」

ダガー(でもあいつの言ってることは正しい・・・こっちはシヴァもイフリートもラムウもやられちゃってるし、エーコもガルーダやタイタン、ケルベロスも戦闘できる状態じゃない・・・)

かなり危機的状況らしい。

ダガー(あいつが水だから真っ先にラムウを召喚したのが間違いだったわ・・・もう少しあいつの戦い方を見ていれば・・・)

エーコ「こうなったらカーちゃんにフレンズ、まとめて召喚よ!!」

ダガー「駄目よエーコ!!むやみに召喚したらこっちが不利になるだけよ!!」

エーコ「でも!!」

ダガー「分かってる!!(でも・・・どうすれば・・・リヴァイアサンじゃ吸収されるし・・・こんなとこでバハムートやアークは召喚できない・・・オーディンは・・・効率よくないから・・・となると!!)」

ダガーは何かを覚ってダガーはアメジストを手に取った。

エーコ「ダガー!?」

ダガー「この世の全てを無くせし力を持ちし者よ・・・その力・・・我に示せ!!アトモス!!

ダガーが詠唱するとアメジストからアトモスが現れた。

ダガー「本当は使いたくなかったけど・・・仕方が無い!!重力物体199!!

命令するとアトモスは口の中から怪しい球体が現れ水のガーディアンに放たれた。

ヴァーーー!!

水のガーディアンは球体に押しつぶされそれなりのダメージを与えられた。

水のガーディアン「やるようだな・・・」

エーコ「いいわよ!!もっとやっちゃえ!!」

ダガー「それは・・・難しいわ・・・」

エーコ「なんでぇ!?」

ダガー「アトモスは重力の召喚獣・・・ダメージはランダムだから効く時もあるし効かない時もあるのよ・・・」

エーコ「うぅ〜・・・それじゃあもうやばいじゃない!!」

ダガー「でも・・・ここは私達二人でやらなきゃいけないのよ・・・」

水のガーディアン「くっくっく・・・無駄なあがきはよせ・・・どの道お前らはここで死ぬのだからな・・・」

ダガー「くっ・・・」

エーコ(死にたくないよ・・・ビビ・・・!!)





ビビ「・・・エーコ・・・?」

ビビ達も苦戦を強いられていた。

ビビ「気のせいか・・・」

風のガーディアン「どうした?さっきの威勢はどこへ行った?」

スタイナー「ぐ・・・」

風のガーディアン「来ないのであれば・・・こちらから行くぞ!!」

風のガーディアンが二人に襲い掛かった。

スタイナー「ぬ、ぬおぉーーー!!」

ガギン!!

スタイナー「ぬおっ!!」

スタイナーは剣で風のガーディアンの攻撃を受け止めたが多少力が足りず少し飛ばされた。

ビビ「おじちゃん!!」

スタイナー「な、何のこれしき・・・」

しかし二人ともかなりダメージを受けていた。

ビビ「あいつはドラゴンの種族だから、多分冷気が弱点だと思うけど・・・」

スタイナー「ビビ殿・・・冷気系魔法は後いかほど使える?」

ビビ「ブリザドなら十ニ回・・・ラ系は六回・・・ガ系なら三回ぐらいだと思う・・・」

スタイナー「エーテルはいくら残っておる?」

ビビ「確かニ、三個だったと思う。」

スタイナー「となると・・・エーテルを使えばガ系は後・・・」

ビビ「計算している暇は無いよ!!あいつを倒さなくちゃならないんだ!!」

スタイナー「・・・そうであったな、ビビ殿!!では自分が時間を稼ぐのでその内に魔力を集中しておいてください!!」

ビビ「分かった!!」

そしてビビは威力を高めるために魔力をため始めた。

スタイナー「覚悟!!でやぁーーー!!」

スタイナーは風のガーディアンに向かい走った。





ジタン「大丈夫かクイナ?」

クイナ「な、何とかアル・・・」

こちらもいささか苦戦しているようだが、ジタンには特に外傷は無かった。

ジタン「ハイポーションだ。ほれ。」

クイナ「サ、サンキュアル・・・」

ジタン「地のガーディアンだけあって地面にいたら大ダメージは確実か・・・」

クイナ「すまないアル・・・」

ジタン「なぁに、ちょろいちょろい。それよりクイナ・・・」

クイナ「ル?」

ジタンはクイナに耳打ちをした。

ジタン「・・・いけるか?」

クイナ「いけるけど、そんな長くはいけないアル・・・せいぜい一分・・・程度アル・・・」

ジタン「それで十分だ!!一気に行くぞ!!」

クイナ「ア、アルゥーーー!!」

クイナの体が光りだした。

地のガーディアン「下らん小細工を!!そろって死ねい!!」

地のガーディアンは地震を発生させようとした。が。

ジタン「そうはさせねぇ!!」

地のガーディアン「なっ!?」

地のガーディアンの後ろにジタンがまわっていた。

地のガーディアン「おのれ!!」

地のガーディアンは地震をやめ、ジタンへ攻撃を仕掛けた。

ジタン「おっと!!」

しかしジタンはすぐに攻撃を止め、その場から離れた。

ジタン「引っ掛かったな!!今のはクイナをトランスさせるためのおとりだよ!!」

地のガーディアン「なぬっ!?」





フライヤ「お主も持っていたとは・・・」

サラマンダー「お喋りは後だぜ・・・!!」





エーコ「こうなったらこっちの物よ!!」

ダガー「覚悟しなさい!!」





スタイナー「一気にけりをつけますぞ!!」

ビビ「うん!!」

ジタン以外皆トランスしていた。ちなみにサラマンダーは筋肉が隆起し、紫色に輝いていた。

火のガーディアン「これがトランスか・・・しかし!!」

火のガーディアンは剣に火をまとい、切りかかってきた。

フライヤ「甘い!!」

ガチャチャチャン!!

乱れ切りをしてきたがフライヤは全て受け止めた。そしてその隙にサラマンダーが仕掛けてきた。

サラマンダー「おらぁーーー!!」

火のガーディアン「くっ!!」

火のガーディアンは標的をフライヤからサラマンダーに変更した。

ガチャン!!

サラマンダー「ちぃっ!!」

後少しだったが寸前でサラマンダーの攻撃は受け止められた。

フライヤ「惜しかったな・・・だがこの調子ならいけるぞ!!」





水のガーディアン「おのれ・・・」

ダガー「だから言ったでしょ?なめてもらっちゃ困るってね!!」

エーコ「このまま一気に行っちゃうわよ!!カーちゃん!!やっちゃって!!」

エーコは既に召喚していたカーバンクルに命令をした。

カーバンクル「それっ!!」

パシューーー!!

水のガーディアン「くぅ!!」

水のガーディアンは前方に水を発生させルビーレイを受け止めた。

水のガーディアン「先程は力が違う・・・これがトランス・・・!!」

エーコがトランスしているため召喚獣も力が上がっていた。

ダガー「エーコ!!何とか時間を稼いでいて!!一か八か、やってみる!!」

エーコ「OK!!じゃあフレンズいっちゃえ!!」

カーバンクルに続いてフレンズを召喚し水のガーディアンに襲わせた。

水のガーディアン「くぬぅ!!」

水のガーディアンはフレンズ達を水鉄砲で攻撃しているが、パワーアップしている上、七匹で一召喚獣なのだから簡単には倒せれなかった。

水のガーディアン「こ、小癪なマネを!!」





風のガーディアン「ぐおっ!!」

ビビ「どうだ・・・僕の魔法とおじちゃんの剣技を組み合わせた魔法剣の味は・・・」

スタイナー「地の魔法をあてたこの技、岩割剣とでも名付けよう。」

風のガーディアン「おのれぃ!!」

スタイナー「よせ、貴様の翼は既に無い。あきらめるのだな。」

ビビ「僕らの目的を果たすために・・・僕らはお前を倒す!!おじちゃん!!」

スタイナー「うぬ!!」

そして二人そろって力をため始めた。





ジタン「それじゃあそろそろ決めるとしますか!!」

クイナ「アル!!」

そしてクイナは詠唱を始めた。

地のガーディアン「ぐ・・・」

地のガーディアンはかなりのダメージを喰らっていた。

クイナ「OKアル!!」

ジタン「行くぜ!!盗賊の証!!」

クイナ「ツイスター!!」

ジタンは盗賊の証を放ち、クイナが唱えると当たりに竜巻が発生した。

ズガーーーン!!

地のガーディアン「がぁーーーっ!!」





サラマンダー「フライヤ!!とどめを刺せ!!」

フライヤ「分かっておる!!」

火のガーディアン「おのれ・・・おのれぇーーー!!」

必至に抵抗するが今の火のガーディアンはサラマンダーの相手をするだけで精一杯であった。

フライヤ「とどめじゃ!!桜花狂咲!!」

フライヤは火のガーディアンへ桜花狂咲を放った。

バーーン!!

火のガーディアン「ぬがぁーーーっ!!」





ダガー「強大な力を持ちし王よ・・・斬れぬもの無きその刃を今、我が敵に!!、

オーディン!!

ダガーが詠唱するとダークマターからオーディンが現れた。

ダガー「確率は低いけど・・・一撃でしとめて見せよ!!斬鉄剣!!

ダガーが命令するとオーディンは乗っている馬を水のガーディアンの方に走らせた。

エーコ「みんな下がって!!」

オーディンが来る前にエーコはカーバンクルとフレンズを戻した。そして。

ズヴァーーー!!

水のガーディアンは斬鉄剣により一刀両断された。

水のガーディアン「ぐぼぁーーー!!」





スタイナー「我が剣技、とくと見よ!!アイスブランド!!」

風のガーディアンへ向かい走るスタイナーの剣は氷で出来てるかのように冷気が発せられていた。

ビビ「それにもう一つ!!ブリザガ!!」

そしてビビも同時に魔法を放った。

ガチーーーン!!

風のガーディアン「ヴぁーーー!!」



四つの祠のガーディアンがほぼ同時に倒されたのであった。

ジタン「邪魔者は消えたな・・・後はこいつをここに置いて・・・と。」

ジタンは鏡を台座に置いた。

クイナ「他のみんなは大丈夫アルか?」

ジタン「ああ、今頃みんな迎えを待ってるんじゃないか?」

クイナ「そうアルな!!それでは飛空挺に帰るアルよ!!」

そして二人は地脈の祠の外に出た。





ダガー「やっぱり外は気持ちがいいわね。」

エーコ「まったく・・・レディにあんなバケモノの相手をさせるなんて、ジタンたら・・・」

ダガー「いいじゃない。終わったことなんだから。」

エーコ「そうだけど・・・ねぇ、ダガー・・・」

ダガー「?」

エーコ「・・・聞きたいことがあるの・・・」

ダガー「何?」

エーコ「・・・誰にも言わないって約束する?」

ダガー「だから何?」

エーコ「・・・好きな人が・・・二人いるときは・・・どうしたらいいと思う?」

ダガー「えっ!?」

エーコ「ねぇ・・・教えて・・・」

ダガー「好きな人が二人いる時ねぇ・・・」

エーコの唐突な質問にダガーは困ってしまった。

ダガー「よく分かんないけど、どちらにするかはエーコしだいよ。私にはそれしか言えないわ。」

エーコ「そう・・・よね。ごめんね変なこと聞いちゃって。」

ダガー「いいわよ別に。で、エーコはどっちの方が好きなの?」

エーコ「え?」

ダガー「相手が誰だか分かんないけど、エーコはその二人のどっちの方が好きなの?」

エーコ「それは・・・」

ダガー「誰にも言わないから、どんな人かだけ。」

エーコ「・・・一人はね、エーコの理想って言っても過言でない人なの・・・でもその人には別に好きな人がいるの・・・」

ダガー「で、もう一人は?」

エーコ「もう一人は・・・ずっとエーコの側にいて、いつも守ってくれる優しい人なの・・・でも、この人はエーコがさっきの人の事ばっかり考えているからエーコのことを仲間としか見てくれないの・・・もしかしたら、嫌ってるかもしれないし・・・」

ダガー「・・・結構難しい話ね。」

エーコ「ねぇ、どうしたらいいの?」

ダガー「それはさっきも言ったわよ。決めるのはエーコ自身だって。」

エーコ「でも・・・エーコには分かんない・・・」

ダガー「焦っちゃ駄目よ。答えを出すのに急ぐ必要は無いわ。」

エーコ「・・・」

ダガー「飛空挺が見えたわ。行きましょう。」

エーコ「え?・・・あ、うん。」

そして二人は飛空挺に乗船した。



ジタン「みんな乗ったことだし、後は輝く島からテラに行くだけか。お?」

サラマンダー「・・・」

ジタン「サラマンダー、そこにいたのか。」

サラマンダー「一つ聞きてぇことがある。何がお前をそこまで動かせる?」

ジタン「何がっていわれてもな・・・ま、あえて言うなら・・・償い・・・なか?」

サラマンダー「償い?」

ジタン「俺は昔に沢山人を殺している。本来なら殺されてもおかしくないはずなんだけど、俺は生きている。そして今この世界が危機的状況にある。それも自分の生まれた星によってな。俺はこの星が好きだから、この世界の全てが好きだから守ってやりたい。俺のせいで死んでいった人達への、せめてもの償いみたいなものかな?」

サラマンダー「・・・そうか。しかしそれで本当に償いになるのか?」

ジタン「それぐらい気付いてるさ・・・見方を変えればただの自己満足かもしれないからな・・・でも俺は償いになると信じているから今こうしているんだ。許してもらえるわけないと思うけど・・・せめて俺はこの星を、ガイアを守ってみせる。」

サラマンダー「・・・」

ジタン「ま、こんなくらい話は置いといて、今日は祠の攻略で疲れているだろうし、飛空挺も火山の熱でちょっち修理が必要だからテラへは明日行くことにしてエスト・ガザで休むことにしよう。」

サラマンダー「ああ。」

ジタン「それじゃまた後でな。」

そしてジタンはブリッジに向かった。

サラマンダー「・・・あいつも辛い過去を背負ってるんだな・・・」

その頃ブリッジでは。

ジタン「それじゃ修理はここじゃ無理だってのか?」

エリン「すいません・・・ここの道具だけじゃ完全には直りません。一度国に戻らないと・・・」

ジタン「そっか・・・」

ダガー「別に修理無しでも行けるんじゃない?」

ジタン「まあこの船で行くわけじゃないからいいけどよ・・・何が起こるかわかんねぇから完璧に修理してからにしよう。」

ダガー「そっか・・・じゃあそうしましょう。」

ジタン「こっから船の国リンドブルムまではかなりあるからな・・・早くても明日の昼頃か。」

エリン「すいません。もっと装備を充実させておけば・・・」

ジタン「気にすんなって。とりあえず俺らをエスト・ガザに降ろしてくれ。」

エリン「あ、はい。」

そして船はエスト・ガザ周辺に着陸した。

エリン「それじゃ修理が済み次第、こちらに来ますので。では!!」

ジタン「おう!!」

ジタン達八人をエスト・ガザの近くに降ろして飛空挺は一路船の国リンドブルムへ向かった。

ジタン「それじゃさっさと行くか。ここにいても寒いだけだし。」

ダガー「そう・・・よね・・・キュシュン!!」

そして一行は再びエスト・ガザに来た。

ジタン「ちょっといいかい?今日ここに泊まりたいんだけど。」

神官「おや、あなた達は。お泊りでしたら、そちらの方に店を出してる者がいますのでその者に聞けばよいでしょう。」

ジタン「さんきゅ。」

神官に言われた通りに店の前に来た。

ジタン「すいませ〜ん。今日泊まりたいんすけど〜」

店の娘「あ、は〜い。」

ジタン(おっ!!かなり可愛い!!・・・ってナンパしたらセーラに何されるかわかんねぇし・・・)

店の娘「何名様です?」

ジタン「ん?ああ、えっと、八人だから・・・三部屋ありますか?」

店の娘「少々お待ちください。・・・はい。三部屋あります。」

ジタン「じゃあお願い。」

店の娘「では八名様、三部屋で800ギルになります。」

ジタン「地味に高ぇ・・・ま、いいか。はい。」

店の娘「はい、ではどうぞ。」

ジタン「んじゃ、休むとすっか。」

フライヤ「割り当てはどうすんじゃ?」

ジタン「もち男女は分けるさ。後は・・・俺とビビ、おっさんとクイナにサラマンダーってことでいいか?」

サラマンダー「勝手にしろ・・・」

クイナ「ワタシはいいアル。」

スタイナー「自分は姫様の警護のため横にはなれぬ。」

ジタン「そこまで心配しなくてもいいじゃないか?フライヤもいるんだし。」

スタイナー「し、しかし・・・」

ジタン「ま、とりあえずさっさと寝ようぜ。」

ダガー「そうね。」

そして八人は泊まる部屋の前に来た。

ジタン「じゃあ俺らはここで。」

ダガー「私達はここで。」

クイナ「そいじゃワタシ達はここアル。」

ジタン「それじゃおやすみ。」

ダガー「おやすみなさい。」

ビビ「エーコ、おやすみ。」

エーコ「・・・あ、うん、おやすみ・・・」

ビビ「?」

ビビがちょっと疑問を抱いたが各々部屋に入り就寝した。

その夜



ジタン「ZZZZZ・・・」

ジタンは爆睡していた。と。

ギィ・・・

部屋の扉が静かに開いた。

ジタン「むは?・・・ひゃれ〜?(誰〜?)」(かなり寝ぼけ)

?「・・・ジタン・・・入っていい?」

ジタン「ひょの声・・・エーコか〜?」(寝ぼけ)

エーコ「うん・・・」

ジタン「いいぜ別に〜・・・」

エーコ「入るよ・・・」

そっとエーコは部屋に入り、ジタンが寝てるベットの側に来た。

ジタン「ふあぁ〜・・・いったいどうしたんだ?こんな時間に?」

エーコ「ちょっとね・・・」

ジタン「ビビならそっちのベットだぜ。」

エーコ「・・・今、用があるのはビビじゃないわ。」

ジタン「はえ?」(まだ寝ぼけ)

すると寝ぼけ気味のジタンの上にエーコが乗っかった。

ジタン「エーコ〜いったいどうしたって・・・?」

エーコ「・・・」

ジタン「エ、エーコ!?」(眼が覚めた)

部屋は月明かりだけで薄暗かったが、ちょうどエーコのいる位置に窓から月明かりが差し込んでいてエーコの今の状態が微かに見えていた。

エーコは・・・一糸まとわぬ姿でジタンの目の前にいた。

ジタン「エ、エーコ・・・いいい、いったい何のつもりだ?」

エーコ「ジタン・・・あたしね・・・最初にあったときからずっと・・・好きだったの・・・」

ジタン「エーコ・・・」

エーコ「でも・・・ジタンはいつもダガーのことばっかりでエーコに見向きもしないじゃない・・・」

ジタン「あ・・・えっと、それは・・・」

エーコ「エーコだってジタンのこと好きなのよ、それなのに・・・」

ジタン「わわ、分かったからよ、とりあえず服着れよ。寒いだろ。」

エーコ「何も、分かってないわよ・・・!!」

ジタン「エーコ・・・?」

エーコ「エーコがジタンのこと好きだって気持ちは・・・ダガーと同じくらいあるのに・・・それなのにジタンは・・・」

ジタン「・・・」

エーコ「だからお願い・・・エーコを・・・抱いて・・・」

ジタン「いい!?」

エーコ「お願い・・・」

ジタン(ほんとに六歳かよ・・・?)

ジタンは困惑してしまった。

ジタン(どうするジタンよ・・・相手から来たんだから断る必要もないし・・・いやいやいや!!相手は十歳離れてるんだぞ!!犯罪になっちまう!!つうか何で今日突然来たんだ・・・?突然?)

ジタンはあることに気付いた。

ジタン「エーコ、お前・・・焦っているのか?」

エーコ「え?」

ジタン「俺のことが好きなのがあの時からだったら別に今日じゃなくたっても良かったんじゃないのか?」

エーコ「それは・・・」

ジタン「誰にも言わないからよ。言ってみ。」

エーコ「・・・うん。」

エーコは全て話した。

ジタン「なるほどね。だからってこんなことするのは良くないと思うぜ。」

エーコ「どうして?」

ジタン「セーラに言われなかったか?『焦っちゃ駄目』とか。」

エーコ「確かに言われたけど・・・でも・・・」

ジタン「実力行使はかえって逆効果になっちまうぜ。」

エーコ「・・・ジタンはエーコのこと、好き?」

ジタン「勿論さ。嫌いな分けないじゃないか。」

エーコ「だったら・・・!!」

ジタン「だから、そんなことしたって俺の気持ちは簡単には変わらんぜ。」

エーコ「ジタン・・・」

ジタン「それに、そのもう一人の方が本当は俺より好きなんじゃないか?」

エーコ「それは・・・」

ジタン「まずはそいつに告白してからにしな。ふられたら俺が抱いてやるからよ。」

エーコ「ジタン・・・」

ジタン「分かったら服着る。」

エーコ「・・・うん。」

そう言ってエーコはベットの側に脱ぎ捨ててあった服を着た。

ジタン「今夜のことは二人だけの秘密な。じゃ、おやすみ。」

エーコ「うん。おやすみ・・・」

小さく呟きエーコは部屋を出た。

ジタン「・・・はぁ〜・・・びっくりしたな〜まさかあそこまでやるとは・・・エーコの言うもう一人ってのはあいつだろうし、俺が抱くことも無いだろう。寝直そ。」

そしてジタンは床に就いた。と、あることに気付いた。

ジタン「ん?エーコが部屋から出てきたってことは・・・まさか・・・」

ジタンはそっと部屋から顔を出し、女性の部屋の方を見た。そこには・・・

スタイナー「ZZZZZ・・・」

スタイナーが立ったまま寝ていた。

ジタン「・・・頼りにならねぇ・・・」

そう思いジタンは再び床に就いた。

その頃。



エーコ「はぁ〜・・・」

エーコは落ち込みながらエスト・ガザの中をトボトボ歩いていた。

エーコ「はぁ〜・・・やっぱりあれってふられたんだろうね・・・体張ったのに・・・はぁ〜・・・笛でも吹こうかな〜・・・」

エーコは笛を吹こうと思い、エスト・ガザの中を歩き回った。

エーコ「ここの屋根でいいかなぁ〜・・・?」

そう思い、エーコはエスト・ガザの屋根に登った。(どこからかは気にしないで。)

エーコ「よっこいしょっと・・・うぅ〜・・・やっぱり寒いなぁ〜・・・あれ?」

エーコはエスト・ガザの屋根に何かを見つけた。それは・・・

ビビ「・・・」

エーコ「・・・ビビ?」

ビビが毛布に包まりながら星空を見上げていたのだ。

ビビ「あ、エーコ。どうしたの?」

エーコ「それはこっちのセリフよ。何してんの?」

ビビ「ちょっと眠れないから星でも見ようかなって。」

エーコ「ふ〜ん、隣いい?」

ビビ「いいよ。」

エーコはビビの隣に座った。

エーコ「きれいな星空ね。」

ビビ「うん。」

エーコ「・・・クシュン!!」

ビビ「エーコ、大丈夫?」

エーコ「う、うん。平気よ。ちょっと寒いけど。」

ビビ「熱は無い?」

エーコ「大丈夫だって。(まさかさっき裸になってたなんて言えないし・・・)」

ビビ「エーコ?」

エーコ「ん?なぁに?・・・クシュン!!」

ビビ「・・・ちょっとごめんね。」

エーコ「え?・・・きゃっ!!」

突然ビビはエーコを抱き寄せて自分が包まってた毛布にエーコも包んだ。

エーコ「ビ、ビビ!?」

ビビ「どう?これで少しは暖かくなったでしょ?」

エーコ「え?・・・う、うん・・・」

ビビ「これくらいしか出来なくてごめんね。」

エーコ「ううん、充分温かい・・・」

ビビ「そう、よかった。」

エーコ「・・・」

エーコはビビの顔をずっと見つめていた。

ビビ「?どうしたの?」

エーコ「な、何でも・・・」

エーコの顔は真っ赤になっていた。

ビビ「やっぱり熱があるの?えっと・・・」

エーコ「!!」

ビビはエーコの額に自分の額を当てた。

ビビ「熱は・・・やっぱり無いみたいだ。」

エーコ「・・・」

この時エーコの鼓動は急激に早くなっていた。

ビビ「大丈夫?」

エーコ「・・・うん。」

ビビ「寒いんだったら中に入ったら?僕が連れて行くよ。」

エーコ「待って・・・もうちょっと・・・このままでいさせて・・・」

ビビ「え?」

エーコ「お願い・・・」

ビビ「・・・分かった。」

そして二人で星空を見ることになった。

ビビ「そう言えばさ・・・」

エーコ「?」

ビビ「祠で戦ってた時、僕を呼んだ?」

エーコ「えっ?」

ビビ「気のせいだと思うけど、エーコが呼んだような気がして。」

エーコ「・・・呼んだとしても届く訳無いじゃない。」

ビビ「だよね。」

エーコ「そんなにあたしのことが心配?」

ビビ「え?ん〜・・・ま、そりゃあね。」

エーコ「どうして?」

ビビ「・・・何となく、似ているからさ。」

エーコ「・・・似てる?」

ビビ「僕ら二人とも早くに両親を亡くしているし、育ててくれた人もこの世にいない。その事を知ってからどうしてか君を助けたいって思うようになってね。」

エーコ「・・・一つ聞いてもいい?」

ビビ「何?」

エーコ「前にさ、好きな人がいるって言ったよね・・・」

ビビ「・・・うん。」

エーコ「その子とは・・・どうなった?」

ビビ「・・・進展無しさ、ずっと変わらない関係でいるよ。」

エーコ「自分から変えようと思わないの?」

ビビ「だってその子は僕のことは見向きもしないし、別の人が好きなんだ。僕に入る隙なんて初めから無いさ。」

エーコ「・・・あたしと同じだ・・・」

ビビ「え?」

エーコ「ううん、何でもないの。」

ビビ「何か今日のエーコ、変だよ。」

エーコ「・・・ほんとね、あたし・・・どうしちゃったん・・・だろ・・・」

ビビ「エーコ?」

エーコ「・・・」

ビビ「・・・寝ちゃったの・・・?」

エーコは知らない内にビビに抱かれて寝ていた。

ビビ「こんな所で寝たら風邪ひいちゃうからな、部屋に連れてこ。」

そう思いビビはエーコを部屋まで連れて行くことにした。

ビビ「えっと、エーコ達の部屋は・・・あ。」

スタイナー「ZZZZZ・・・」

先程まで立って寝ていたスタイナーだったが、なんと部屋の戸に寄りかかって寝てしまっていた。

ビビ「どうしよう・・・これじゃ入れないや。」

エーコを抱きかかえたままビビは途方にくれてしまった。が。

ビビ「しょうがない、僕の所でいいか。」

そう思いビビはエーコを自分達が泊まる部屋に連れてきた。

ビビ「・・・ジタンは・・・寝てるよね・・・」

ジタン「ZZZZZ・・・」

ジタンは再び爆睡していた。

ビビ「よっと。」

ビビはエーコを自分が寝るはずのベットに寝かせた。

ビビ「ふ〜・・・やっぱり長い時間人を持ち上げてると疲れるな・・・ふぁ〜・・・」

ビビは力尽きエーコの隣に倒れて寝てしまった。

数時間後。



エーコ「ん・・・」

エーコが目を覚ました。空は既に日が昇り明るかった。

エーコ「あれ・・・あたし、いつの間に寝てたの・・・かな・・・!!」

と、エーコはあることに気付いた。それは・・・

ビビ「ZZZZZ・・・」

ビビの顔がすぐ目の前にあったのだ。

エーコ(ビ、ビビ!?)

びっくりしてエーコの顔はまた真っ赤になった。

エーコ(どうしてあたしビビと一緒に寝てるの!?)

エーコは思いもよらぬことに混乱していた。と、落ち着いてから再びビビの方を見た。

ビビ「ZZZZZ・・・」

ビビはずっと寝ていた。

エーコ「ここまで連れてきたんだね・・・ありがとう・・・だからこれは、お礼・・・」

エーコは目をつぶり、ビビに近づいた。

ビビ「ZZZZZ・・・」

ビビとエーコの距離は徐々に縮まって行った。

エーコ「・・・」

二人の唇が近づく・・・

エーコ「・・・」

エーコの鼓動も加速を増す・・・後数センチ・・・

エーコ「・・・」

二人の唇が触れ合うまで、一センチ・・・



が。



ビビ「・・・ん・・・」

エーコ「!!」

ビビが寝ながら何かを呟いたのでエーコはビックリし、ビビに背を向けた。

エーコ「・・・」

エーコの鼓動は今もなお早いままであった。と。

ビビ「ん・・・エー・・・コ・・・」

エーコ「えっ!?」

ビビが寝言でエーコの名を呼び、エーコを抱きしめたのだ。

エーコ(ね、寝てるのよね・・・?)

しっかりビビは寝ていたが、エーコを抱く力は今まで以上に強かった。

ビビ「・・・エーコは・・・僕が・・・守る・・・から・・・」

エーコ「ビビ・・・!!」

寝言ではあったがビビの言葉にエーコの瞳に涙が溢れた。そしてビビを起こさないようにゆっくりビビの方を向いた。

エーコ「・・・今だけ・・・甘えさせて・・・」

小さくそう言ってエーコはビビの体に抱きついた。

エーコ(温かい・・・)

エーコがビビに抱きついて間もなく・・・

ビビ「・・・エーコ?」

ビビが目を覚ました。

エーコ「あ、起こしちゃった?」

ビビ「いいよ別に・・・おはよう。」

エーコ「・・・おはよう。」

ビビ「もう朝だから起きなくちゃ。」

ビビは起き上がろうとした。が。

エーコ「待って・・・」

エーコは起き上がらず、ビビを引き止めた。

ビビ「エーコ?」

エーコ「もう少し、このままでいさせて・・・」

ビビ「・・・うん。」

再びビビはエーコと共に横になった。

エーコ「もう少し、ビビの温かさを・・・感じさせて・・・」

ビビ「うん・・・僕も、エーコの温もりを感じていたいから、もうちょっとこのままでいようね・・・」

エーコ「うん・・・」

いつも以上、前のジタンとダガー以上にいちゃいちゃする二人。誰もいなくて思いっきりいいムード・・・のはずが・・・

?「かなりいい雰囲気になってきたな。」

?「そうね。でも覗き見は良くないような・・・」

?「だってよ、起きたらあいつら一緒に寝てて気まずくなっちまったから・・・」

?「理由になってないぞ。ジタン。」

ジタン「だったらセーラもフライヤも部屋に戻ればいいじゃないか。」

ダガー「気になるじゃない。」

フライヤ「たまには良かろう。」

なんとこの三人が戸の隙間からビビとエーコを覗き見していたのであった。

フライヤ「しかしスタイナーは頼りないのう・・・」

ジタン「ま、あいつのおかげであの二人はここまでこれたんだ。いいじゃないか。」

そのスタイナーはクイナ達の部屋の前で倒れて・・・いや、寝ていた。(部屋の位置はジタンの部屋とクイナの部屋が向かい同士でジタンの隣にダガー達の部屋がある。)

ダガー「それにしても幸せそうよね・・・」

ジタン「ああ・・・」

ちなみに中の二人は外の三人に気付いてなかった。と。

クイナ「ガッ!!エッ!!ルゥーーー!!」

サラマンダー「よ、よせーーー!!」

ジダフ「ん?」

クイナ達の部屋で騒ぎが起こった。

ジタン「クイナの奴、寝ぼけてサラマンダーをカエルと思ってるな。」

フライヤ「ムードぶち壊しじゃ。」

ダガー「まったく。」

三人が呆れかえったその時。

バダン!!

ジダフ「!!」

サラマンダー「うわぁーーー!!」

クイナ「カエルーーー!!」

二人が戸を突き破って三人に飛んできた。その際。

スタイナー「むがっ!!」

何故かスタイナーも巻き込んでジタン達に向かってきた。

ジタン「わぁーーー!!」

ダガー「きゃーーー!!」

フライヤ「のわぁーーー!!」

ドゴドゴドゴーーーン!!

エーコ「きゃっ!!」

ビビ「な、何!?」

六人まとめてビビ達の部屋に突っ込んできたのであった。ちなみに突っ込んできた際に二人は抱き合ったまま起き上がった。

ジタン「あつつつつ・・・よ、おはよう・・・」

ダガー「あははは・・・よ、よく眠れた?」

ビビ「みんな・・・どうしてここに・・・?」

フライヤ「そのな・・・不審な物音がして気になっての・・・(嘘)」

ジタン「さっき顔を洗って戻ってきた所さ・・・(これも嘘)」

ダガー「スタイナーが見当たんないから気になってね・・・(モチ嘘)」

スタイナー「ほがっ・・・自分はまったく記憶が・・・(本当)」

クイナ「カエルを追ってて・・・(半分本当)」

サラマンダー「クイナに追われて・・・(本当)」

ビビ「・・・見てたの?」

ジタン「な、何を!?」

ダガー「わ、私達はなぁんにも。(嘘)」

フライヤ「み、身に覚えが無い。(嘘)」

スタイナー「いったい何をです?」

クイナ「ワタシのカエル・・・」

サラマンダー「カエルははなっからいねぇっての・・・」

エーコ「見たの見てないの!!どっち!?」

ジダフ「・・・見ました。」

スクサ「何を?」

エーコ「・・・」

先程までのやり取りが見られてたことを知ってエーコは顔が真っ赤になって若干体が震えてきた。

ジタン「・・・やばい・・・よな?」

ダフ「うん。」

スタイナー「だから何が?」

エーコ「いっ・・・」

ジタン「まずっ・・・」

エーコ「いやぁーーーーーっ!!

恥ずかしさの余り、エーコはいきなりトランスし、同時に一斉召喚してしまった。

ジタン「逃げろぉーーー!!」

ダフ「わぁーーー!!」

スクサ「うわぁーーー!!」







数分後







エーコ「はぁはぁ・・・」

暴走したエーコの力により、あたり一面地獄絵図となっていた。

スクサ「がはっ・・・」

一番関係のないはずのこの三人は一番被害を被っていた。

ジタン「・・・危ねぇ危ねぇ・・・」

ダガー「間一髪ってまさにこのことね・・・」

フライヤ「うぬ。」

悲劇の原因を作ったこの三人はかなり遠くまで逃げていた。

ビビ「エーコ、落ち着いてよ・・・」

エーコ「見られてたなんて・・・恥ずかしくてもう生きてられない!!」

まだパニクッていた。

ビビ「だから落ち着きなよ・・・」

エーコ「うぅ〜〜〜!!(マジ泣き)」

ビビ「・・・しょうがないな。」

ビビはエーコに近づき、そっと抱きしめた。

エーコ「えっ?」

ビビ「どう、落ち着いた?」

エーコ「・・・うん。」

また二人の世界に入ってしまった。

ジタン「こっから離れたほうがいいな。でなきゃまた暴走しちまう。」

ダガー「そうね。」

フライヤ「じゃな。」

そう思い三人はその場を離れようとした。が。

神官「いったい何があったんですかこれは!?」

タイミング悪く、神官が来てしまった。

ジタン「まずっ!!」

神官「これをやったのはあなた達ですか!?弁償してもらいますよ!!」

ジタン「・・・どうする?」

ダガー「どうしようか?」

フライヤ「半分は私らのせいじゃ。払うしかあるまい。」

ジタン「やっぱそうなるか・・・いくら?」

神官「そうですね・・・50万ギルくらいでいいでしょう。」

ジダフ「ごっ50万ギル!?」

神官「これでも安くした方ですよ。さあ。」

ジタン(どうする?旅の資金分10万しかないぜ・・・)

ダガー(こうなったらおじ様に・・・)

フライヤ(じゃな。)

ジタン「あ〜えっと・・・俺ら10万しかないんだけどさ、船の国リンドブルムのシド大公とちょっとした知り合いだから後はそっちから頼むよ。」

神官「その言葉に偽りは?」

ジタン「一切ありませんよ、な?」

ダガー「ええ。」

フライヤ「うぬ。」

神官「・・・では、10万ギルもらいますよ。」

ジタン「へいへい・・・」

ジタンは渋々10万ギル払った。


数時間後。


ダガー「飛空挺が来たわ。」

ジタン「やっと来たか・・・大丈夫かお前ら?」

スタイナー「こ、この程度・・・」

クイナ「な、何とも・・・」

サラマンダー「ねぇと言いたいが、もう少し回復してくれ・・・」

この三人はまだ重症だった。そこに飛空挺が着陸した。

コウ「な、なんじゃこら?」

ブランク「ほとんど廃墟になりかけてるじゃないか・・・」

飛空挺から船の国リンドブルムに残っていた仲間達が降りて来た。

ルビィ「なぁジタン。何があったん?」

ジタン「や、気にしないでくれ・・・」

ネリク「そいつは無理ってもんド。」

マックス「ここまでぶっ壊れていてはな・・・」

フラットレイ「本当に何があったのだ?」

フライヤ「な、何でもございませんフラットレイ様!!」

ベアトリクス「そうでしょうか・・・!?あっ!!」

ラニ「ダンナ!!」

ベアトリクスとラニは重症のスタイナーとサラマンダーに駆け寄った。

マーカス「ほんと何があったんス?」

シナ「まるで戦争後ズラ。」

ダガー「な、なんでもないから!!あははは!!」

シド「こいつはひどいのう・・・」

ジタン「おっシド!!ちょっと頼みたいことがあるんだ!!」

シド「何じゃ?」

ジタン「詳しくはここの神官に聞いてくれ。」

コウ「そういやぁビビとエーコは?」

ジタン「さ、さぁねぇ〜!!」

ダガー「ほ、ほんと!!どうしたのかしら!!」

一同「?」

真実を知らない一同には何だか分かんなかった。と、そこにビビとエーコが来た。

ビビ「あ、みんな。」

ブランク「なぁ、何があったんだ?」

ビビ「さ、さあ!?僕には何にも!!ねっ!?エーコ!!」

エーコ「えっ!?そ、そうよね!!」

コウ「ま、いいかそんなこと。そろそろ出発したらどうだ?」

ジタン「そうだな。」

と言うことで、全員飛空挺に乗り込み、輝く島まで向かった。





エリン「何だか計器類が異常を起こしていますよ。」

ジタン「魂の道に近づいてる証拠だな。」

エリン「それに・・・船体が吸い込まれていく感じがしますよ。」

スタイナー「このままでは危ないのではないか!?」

エーコ「まさかこのまま飛空挺に乗って突入するの!?」

ジタン「まさか、行くのは俺ら八人だけさ。とりあえず輝く島の上空まで行こう。」

ダガー「それからどうするの?」

ジタン「魂の道は転移ゲートみたいなものだ。デッキから飛び降りるのさ。」

ダガー「この高さから?」

ジタン「大丈夫だって。」

エリン「ジタンさん!!輝く島に異変が!!」

ブランク「な、何なんだ!?」

その時輝く島から不思議な光が発せられていた。

ジタン「道が開いた・・・エリン、俺らが飛び降りたら即効離脱するんだ。」

エリン「分かりました!!」

ジタン「そろそろデッキに行こう。」

スタイナー「うぬ。」

ルビィ「絶対帰ってくるんやで!!」

ジタン「ああ!!」

コウ「頑張れよ、みんなの帰りを待ってるからな。」

ダガー「うん。」

そしてテラへ向かう八人はデッキにそろい、飛空挺は輝く島上空、光の中に入った。

エーコ「不思議な感じ・・・とても綺麗なんだけど・・・何だろう・・・」

ビビ「エーコ、怖いの?」

エーコ「・・・うん。」

ビビ「だったら僕の手を握ってなよ。」

エーコ「え?」

ビビ「僕の側にいれば少しは安心するでしょ?」

エーコ「・・・うん。」

そう言ってエーコはビビの手を握った。

フライヤ「で、これからどうするのじゃ?」

ジタン「自然に、楽にしてればいいさ。」

フライヤ「楽にと言われてもな・・・ぬ?」

エーコ「わっ!!」

スタイナー「ととととと!!」

突然八人の体が宙に浮いた。

ビビ「エーコ!!僕から離れないように!!」

エーコ「う、うん!!」

そう言ってビビはエーコを抱き寄せ、エーコもビビにしがみ付いた。

ジタン「それじゃ・・・行くぜ!!」

ダガー「うん!!」

クイナ「アル!!」

サラマンダー「おう。」

そして八人はデッキから飛び降りた。

コウ「飛び降りたぞ!!離脱だ!!」

エリン「了解!!」

そして飛空挺は光から離脱した。

ルビィ「・・・行ったんやな・・・」

コウ「ああ。」

マーカス「で、俺らはこれからどうするッス?」

コウ「するべき事をするまでさ。」

シド「まずはエスト・ガザの弁償じゃな。40万ギルか・・・」

ラニ「40万ギルって何?」

シド「な、なんでもないわ!!」

その頃。



ダガー「本当に・・・テラに向かってるのね・・・」

ジタン「今さら何だい?」

ダガー「ううん、改めて実感してるだけ。」

ジタン「大丈夫、俺がいるさ。」

ダガー「・・・そうね。」

そう言ってダガーはジタンの手を握った。

ダガー「絶対に離れないでね・・・」

ジタン「・・・ああ。」

そして八人はそのまま魂の道をテラへ向けて行くのであった。



ついにテラへ突入した八人。そこで全てが分かるのであろう。この物語が語る青と赤のその意味も・・・




続く










あ と が き
ついにビビエーの大御所!!
このかつてないほどいちゃちゃした二人!!
結構こだわって考えました。
いいよねぇ〜こういうの。
第三十話へ
第三十二話へ
第一部TOPへ

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