CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第二十四話 襲撃後編 聖なる審判



トレノで息抜きをしていたのだが、剣の国アレクサンドリアが襲われたとの情報が入ってきた。その時何があったのか。剣の国アレクサンドリアからの目線で真相を明かそう。

ダガー「私からは聞けないから、コウからお願いね。」

コウ「ああ。」

どうやらロイドのことをビビに聞く話をしているようだ。と。

ダガー「・・・ねぇ・・・」

ダガーが何かに気付いた。

コウ「・・・ああ、何かが起ころうとしているのか?」

その時。城下町にある男がいた。



?「明日の幸せを願って人は眠る・・・昨日の不幸を全て忘れてしまうために・・・そして喜びに満ちた夢を見ることを願う・・・そう・・・辛く苦しい現実を忘れてしまいたいから。」

かなり謎めいた発言をしている・・・もしかして・・・

クジャ「いたって静かな、いつもの夜だね。新しい女王の誕生を祝い、剣の国アレクサンドリアの街も喜び疲れたようだ・・・」

やはりクジャだった。

クジャ「喜びの酒が、辛く悲しかった過去を洗い流し、バラ色の未来をもたらしてくれると信じてる・・・でもまだ宴は終わっちゃいない・・・いや違うね・・・本当のうたげはこれからさ。さあ始まるよ!!歓喜の炎が剣の国アレクサンドリアを焦がす炎が。おいでバハムート!!昔の主に捧げる鎮魂歌レクイエムを奏でておくれ!!」

クジャが叫ぶと暗雲から炎弾と共にバハムートが現れた。そして炎弾は街中に降り注いだ。

ボーーン!!ドゴーーン!!

街中で大爆発が起こった。

ダガー「なに!?」

コウ「上に行こう!!」

二人は玉座に向かった。そこで見たものは。

コウ「あれは!!」

ダガー「バハムート・・・」

燃え盛る城下町とバハムートだった。そのころ街では。

ルビィ「みんなこっちやで!!」

ブランク「早く逃げるんだ!!」

逃げ惑う人々をタンタラスが誘導していた。

魔獣「グシャーー!!」

クイナ「残ってて正解だったアル!!」

マーカス「これが霧の魔獣ッスか!?」

クイナ「そうアル!!」

ブランク「これじゃ外に逃がすのも辛いぜ!!」

ルビィ「うちの小劇場はそこそこ入れるで!!」

ブランク「それじゃあ二手に分かれよう!!俺とルビィで劇場近くの人を劇場に非難させる!!マーカスとシナはボスと一緒に外に逃がしてくれ!!」

シナ「分かったズラ!!」

クイナ「ワタシは一人でも何とか行けるアル!!」

そう言って皆分かれた。その時玉座では。

ベアトリクス「ガーネット様!!」

ダガー「ベアトリクス、皆は集結していますか?」

ベアトリクス「はっ!!皆ガーネット様の命令を待っております!!」

コウ「俺は先に街に行ってくる!!」

ダガー「お願い!!」

そう言ってコウはウィップを使いその場から降りた。そしてダガーは兵士が集結している場所に向かった。

スタイナー「急げ〜〜〜整列じゃ〜〜〜!!」

若干ばらついていたがダガーが来た際に一列になった。

ベアトリクス「ガーネット様、ご覧の通りいかような命令にも我々は迅速に対応いたします。何なりとご命令ください。」

ダガー「では・・・ブルツェンとコッヘルは情報収集を、国民の救助はワイマールとハーゲンが、バイロイトとラウダはシド大公へ援軍要請文書を出してください。そして大砲を撃つ準備をトジェボンとメルゲントハイムお願いします。」

プルート隊「はっ!!」

そして皆それぞれの持ち場へと走っていった。

ベアトリクス「お見事です!!ガーネット様!!」

スタイナー「さあ、ベアトリクスよ。次は我々の番だ!!」

そう言ってダガーに敬礼し、二人も戦場へかけていった。

ダガー「とは言ったものの。私はいったいどうしたら・・・お母様、どうか私に力をお貸しください!!」

ダガーは強く願った。と。

シュパァ!!

ダガー「何?う・・・」

ダガーの胸のクリスタルが光だし、ダガーはその場にうずくまるように倒れた。



スタイナー「ベアトリクスよ、覚悟はよいか!!」

ベアトリクス「今宵、この命が露と消えようとも私は一向に構いません!!」

スタイナー「よし。行くぞ!!」そして二人も霧の魔獣に立ち向かった。



バクー「こっちだ!!早くしろい!!」

マーカス「こんだけの数を大量の魔獣から逃がすのは難しいッス!!」

バクー「弱音を吐くな!!俺はこいつらを運ぶ!!こっちは任せたぞ!!」

そう言って街の人をつれてバクーは街を出た。

シナ「次ぎ行くズラ!!」

マーカス「ウッス!!」



ブランク「大丈夫かルビィ!?」

ルビィ「なんとかな!!」

こっちは逃げ遅れた街の人を小劇場に連れている。

ルビィ「ロウェル!!まだいけそうか!?」

ロウェル「まだ大丈夫だよ!!」

中ではロウェルが混乱した人達をなだめていた。

ブランク「まったく、あの化け物はどんだけいるんだ!?」

と、二人の下に少女が来た。その少女は・・・

サクラ「おにいちゃん!!おねえちゃん!!」

サクラだった。

ルビィ「サクラ!!大丈夫やったか!?」

サクラ「うん。」

ブランク「危ないからそこの下にいろよ!!」

サクラ「うん!!」

そう言ってサクラも小劇場に入った。



クイナ「キリが無いアル!!」

クイナも苦戦していた。そこに。

コウ「大丈夫かクイナ!?」

コウが来た。

クイナ「何とかアル。」

コウ「やばそうになったら外に逃げろよ!!」

クイナ「そんなことしないアル!!」

コウ「そうか、じゃあ頑張ってな!!」

そしてまた別行動をとった。

クイナ「って少しは援護してくれアル〜〜!!」



ガガガガガ!!

魔獣「グシャーー!!」

コウ「キリがねぇな・・・」

コウは銃を単発(弾を一発ずつ発射する)から連発に変え銃を連射した。

コウ「今ある弾倉マガジンでなんとかなるか?」

そう言いつつコウはリロード(弾倉マガジンを取り替えること)した。と。

コウ「?・・・泣き声?」

コウは泣き声が聞こえたような気がし、その場に向かった。

コウ「!!大丈夫か!?」

コウが見たのは家のガレキの下敷きとなって倒れている女性とその女性の手を握り泣いている女の子であった。

女の子「うあぁ〜〜ん!!お母さんが〜〜!!」

女性「う・・・」

コウ「待ってろ!!今助ける!!」

コウはガレキをどかし、女性の容態を見た。

コウ「まずい・・・内蔵がやられてる・・・白魔法を使える人でなきゃ治せない・・・」

と。

女の子「!!お兄ちゃん後ろ!!」

コウ「なっ!?」

コウの後ろに霧の魔獣がいた。

魔獣「ギャーー!!」

コウ「間に合わない!!」

コウは目をつぶった。と。

サンダーブレード!!

スヴァーーン!!

コウ「!?」

魔獣「ガァーー!!」

スタイナー「大丈夫かコウ?」

魔獣の後ろにスタイナーとベアトリクスがいた。

コウ「いいとこに来てくれた!!この人を!!」

ベアトリクス「任せてください!!ケアルラ!!」

ベアトリクスは女性にケアルラをかけた。

コウ「俺はこの人を外に連れて行く!!必ず戻るからそれまで頼む!!」

スタイナー「ああ!!」

コウ「さあ、行こう!!」

女の子「うん!!」

コウは女性を背負い、女の子の手を引いてその場を去った。

ベアトリクス「まだまだですよ!!」

スタイナー「ああ、行くぞ!!」

二人はまた戦い始めた。その頃。





ダガー「う・・・」

ダガーが目を覚ました。

ダガー「・・・音楽が聞こえる・・・上から?」

上から音楽が聞こえ、ダガーは上へと向かった。

ダガー「・・・こっちじゃない?もっと上から?」

そう思いダガーはもっと上へ向かった。と、行き止まりの場所に来た。

ダガー「ここで終わり?・・・いえ、まだ上から・・・」

と、行き止まりの場所に階段が現れた。

ダガー「・・・行けってことかしら。」

ダガーはその階段をあがった。そこは祭壇のような小さなな広場であった。

ダガー「なんなのかしらここは・・・どうしてここに来たのかしら・・・怖い・・・でも、この国の女王として守っていかなくちゃいけない・・・だから弱音ははかない!!・・・でも、あなかがいないと・・・ライフ・・・力を貸して・・・」







ライフ・・・







ジタン「・・・セーラ、困っているんだな・・・でも、俺に何が出来るんだ。」

ジタンは悩んでいた。

ジタン「俺はあいつらを助ける理由は無い。死んでも俺達にとっては何の問題もない・・・でも、それでいいのか?本当に・・・」

その時、ジタンは今までのことを思い出していた。



ジタン(君の側にずっと居るよ。)

ダガー(えっ!?)

ジタン(すっと側に居る。たとえ何があっても絶対に。)



ジタン「・・・」



ジタン(ダガー・・・!!)



ジタン「セーラ・・・」



ジタン(俺決めたよ・・・ずっと、ずっと君の側にいる・・・そしてずっと君を守り続ける・・・)

ダガー(ライフ・・・)



ジタン「あんなに沢山約束してたんだよな・・・」



ダガー(私・・・あなたがいるならどこへでも行くよ。一緒なら何も怖くないもの。)

ジタン(ああ、俺も君と一緒なら何も怖くない・・・だから・・・)

ダガー(うん・・・)



ジタン「・・・最低だよな俺って・・・」

そして最後にある光景を思い出した。



幼ダガー(どんなに辛いことがあったってあたしはあたしらしく生きたいんだ。だから君も、自分らしく生きなよ。それが正しい答えだと思うんだ。)



ジタン「!!・・・正しい答え・・・か・・・」

ジタンは「幼い頃のダガーに言われたと思われる言葉を思い出した。

ジタン「セーラ・・・くそぉ!!」

ピィーーー

ジタンは指笛を吹いて、チョコとメネを呼んだ。

メネ「どこに行くクポ?」

ジタン「剣の国アレクサンドリアだ!!すぐ行くぞ!!」

メネ「正気クポ!?あそこはもう戦争状態だクポ!!」

ジタン「だから行くんだ!!」

メネ「・・・分かったクポ!!乗りかかった船だクポ!!地獄の果てまでも行くクポ!!」

そしてジタンはチョコに乗り、剣の国アレクサンドリアへ向かった。

ジタン(俺が馬鹿だった・・・セーラ、無事でいてくれ・・・!!)

ジタンは祈っていた。その時、ダガーにあげたのと同じイヤリングがジタンの耳で少し光った。







ダガー「?・・・ライフ?」

その時ダガーのイヤリングも一瞬光った。

ダガー「・・・気のせいかしら?」



クジャ「・・・ここに来るか・・・あいつにはバハムートを向かわせるか。行け!!」

バハムート「グアーー!!」

バハムートはジタンの所へ飛んで行った。その頃。



フライヤ「この船はやけに揺れるのう・・・」

トレノに行っていた者はヒルダガルデ二号機で剣の国アレクサンドリアへ向かっていた。が、なぜがとても揺れている。

シド「仕方が無いブリ・・・なにせワシが体で作った飛空挺ブリ・・・あちこちにユルミとかタルミとかがあってもおかしくないブリ。」

ラニ「それってやばくない?」

シド「ワシの勘が正しければ・・・剣の国アレクサンドリアにたどり着くのが精一杯だと思うブリ!!」

フラットレイ「駄目ではないか。」

ビビ「うぅ〜・・・」

エーコ「大丈夫?」

ビビ「船酔いしたみたい〜・・・」

サラマンダー「ビビ、船室で休め、少しは気が休まるだろう。」

ビビ「うん・・・」

エーコ「あたしが連れてくよ。」

そう言ってビビとエーコは船室に向かおうとした。と。

シュパァ!!

ビビ「?・・・エーコ、今光らなかった?」

エーコ「えっ!?」

シュパァ!!

ペンダントがまた光った。と、同時に船が大きく揺れた。

ビビ「うわぁ!!」

エーコ「・・・ダガー?」

ビビ「どうしたの?お姉ちゃんがどうしたって?」

エーコ「今・・・ダガーの声が聞こえたの・・・」

と。また船が揺れた。

ラニ「ちょ、もうやばいんじゃない!?」

エーコ「もしかして、聖なる審判!?」

ビビ「せ、聖なる審判って!?」

と、エーコが艦首に向かい走り出した。

ビビ「エーコ!!危ないよ!!」

エーコ「召喚士が呼ばれてる・・・今こそがアレクサンダーの聖なる審判!!」

そう言ってエーコは飛び降りた。

ビビ「エーコ!!」

と、また船が大きく揺れた。

エリン「も、持ちませ〜ん!!不時着します!!」

ビビ「わぁ〜〜!!」



エーコ「・・・ダガー、あそこね!!」

エーコは自然落下していた。

ダガー「エーコ、ここに来るの!?」

と、光に導かれ、エーコはダガーの所に降りてきた。

シュパァーー!!

近づくと二人のペンダントからとてつもない光が発せられた。

ダガー「エーコ!!どうしてここに!?」

エーコ「船に乗ってると、ダガーの声が聞こえた気がしたの、だから・・・」

ダガー「そうだったの・・・ワタシもエーコが側にいるような気がして、そうしたら体の周りに光が集まって。」

シュパァ!!

また光が発せられた。

ダガー「そう、この光よ!!」

エーコ「ダガー!!この光はね、あたし達の召喚士の運命の光なのよ!!」

ダガー「運命の光?」

エーコ「そう、運命の光!!この光こそが四つの宝珠に隠された力なのよ!!この光がね、召喚士の周りに現れた時、その召喚士は聖なる召喚獣に呼ばれているの!!さあダガー!!召喚士の運命を全うしなければ!!」

ダガー「でも私・・・どうしたらいいか分からないわ・・・」

エーコ「大丈夫よ、エーコの言うとおりにして!!まず手を合わせるのよ!!」

ダガーは手を合わせた。

ダガー「こうかしら?」

エーコ「そう!!そして心の中でこうつぶやくの。」



我らの守護神よ 大いなる守護神よ 此の地の光が途絶えし 此の地に闇が訪れし。我らの守護神よ 聖なる守護神よ 神につかふる者の祈りを聞き届けたまえ



二人がなにかをつぶやくと、光が段々強くなった。そして。

シュパァーー!!

夜空に向けて光が伸びた。



ルビィ「ブランク!!大丈夫!?」

ブランク「こ、これぐらい・・・」

ルビィ「さっきウチを庇ったから・・・」

ブランク「へっ・・・あんなのへでもないぜ・・・ん!?」

ルビィ「なんやあの光!?」



シナ「どどど、マーカス!!」

マーカス「何スシナさ・・・いい!?」



コウ「ここなら安全だよ。」

女の子「ありだとう。・・・何あの光?」

コウ「光?・・・な、なんだありゃ!!」



クイナ「危なかったアル・・・いきなり船が落ちてくるアルから・・・」

シド「すまんブリ・・・」

フライヤ「しかしなんじゃこの光は?」

ビビ「城から出ている・・・?もしかしてエーコとお姉ちゃんが?」

ラニ「でも今は街中の魔獣を一掃することが先決だよ!!」

フライヤ「そうじゃな、行くぞ!!」



メネ「何クポ今の光!?」

ジタン「今の・・・聖なる審判か?」

メネ「!!危ないクポ!!」

ジタン「なっ!?」

バハムート「ガァーー!!」

ジタン「バハムート!?先に行け!!」

メネ「えっ!?」

ジタンはチョコから降りた。

ジタン「こいつの相手は俺がするからお前らは街の救助に向かってくれ!!」

メネ「・・・分かったクポ!!」

そう言って二匹は剣の国アレクサンドリアに向かい、ジタンはバハムートと戦うことになった。

ジタン「さあ、きやがれ!!」





コウ「なんだったんだあの光。」

コウは街の人が沢山避難した丘にいた。と。

街の人「おい、城の後ろに羽が!!」

コウ「羽?」

コウも城を見た。確かに白い羽が城にあった。



ビビ「何が起こってるの!?」

クイナ「分かんないアル!!」

と、羽が城を覆った。

フライヤ「これはいったい!?」

フラットレイ「巨大な何かを召喚しようとしてるのか!?」

と、羽が再び広がった。そしてそこには・・・

ラニ「な、何アレ!?」

城の後ろにとてつもなく巨大な召喚獣がいた。

コウ「あ・・・アレクサンダー・・・伝説の召喚獣・・・」

どうやらこれがアレクサンダーのようだ。



エーコ「ダガー・・・いい?」

ダガー「ええ、街で暴れまわる魔獣を一掃するため・・・」

エーコ「行くわよ・・・」

と、二人はアレクサンダーに命令をした。

ダエ「聖なる審判!!

二人が唱えるとアレクサンダーの羽から大量の光が発射され、街の魔獣に降り注いだ。

魔獣「ギャーー!!」

ビビ「うわっ!!」

その威力は凄く、街中にいた魔獣がほとんど消えてしまった。そしてアレクサンダーは発射した後、冷却かなんかの為蒸気を噴出した。





コウ「すげえ・・・でもあれだけじゃまた魔獣が増えるだけだ・・・やっぱ行くしかないな。」

街の人「行くってあそこにか!?死に行くような物だぞ!!」

コウ「それでも俺は約束した、必ず戻るって!!ヴァニィ!!」

ピィーーー

コウは何かの名前を呼び、指笛を吹いた。と、空か何かが飛んできた。

街の人「ひ、飛竜!?」

コウは飛んできた飛竜の上に乗った。

コウ「行くぜヴァニィ!!」

ヴァニィとは飛竜の名前らしい。そしてコウは再び戦場へ向かった。



クジャ「素晴しい、あれがアレクサンダーか・・・しかしこれだけではまだ分からない。バハムートをぶつけないとな。」

その頃。



ジタン「くっ・・・」

ジタンはバハムート相手に苦戦していた。

ジタン「やっぱ最強だしな・・・おまけに飛んでるし・・・」

と、バハムートがメガフレアを放ってきた

ジタン「ちいっ!!」

ジタンは全力でメガフレアを避けた。が、一発はジタンの少し前に発射されていた。

ジタン「まずい!!」

ボーーン!!

ジタンは寸前でジャンプして避けた。

ジタン「あっぶねぇ〜・・・なっ!?」

ジタンの前にバハムートがいた。

ジタン「しまっ!!」

ザグシュッ!!

ジタン「がっ・・・!!」

ジタンの腹部にバハムートの爪が突き刺さった。その部分から大量の血が流れた。

ジタン「がふっ・・・」

そして口からも大量の血を吐いている。

バハムート「ガア!!」

バハムートはジタンを近くの山に投げつけた。(戦っていた場所は高地)

ドゴーーン!!

ジタンはそのまま山にぶつかった。そしてそのまま動かなくなった。

バハムート「ガァーー!!」

そしてバハムートは戻っていった。

ジタン「がっ・・・セー・・・ラ・・・」







ダガー「!?」

エーコ「どうしたの?」

ダガー「い、いえ・・・なにも・・・」

ダガーはジタンの身に起こったことに気付いたようだ。その時城下町は。



魔獣「ギャア!!」

フライヤ「はぁ・・・はぁ・・・」

再び魔獣が発生し、皆苦戦を強いられていた。

フラットレイ「大丈夫かフライヤ!?」

フライヤ「え、ええ・・・」

しかしフライヤの左肩から血が流れていた。

フライヤ「しかしフラットレイ様、あなたの方が重症です。先程私を庇ったばかりに・・・」

フラットレイ「なに・・・大丈夫だ・・・」

大丈夫と言うがフラットレイに腹部からも血が出ていた。と、魔獣が複数襲ってきた。

フラットレイ「まずい!!」

魔獣「ガァ!!」

フライヤ「フラットレイ様・・・!!」

二人は襲われると思い、寄り添った。が。

ガガガガガ!!

フラフラ「!?」

魔獣「グアー!!」

コウ「大丈夫か!?」

タイミングよくコウが来てくれて二人は助かった。

フラットレイ「コウ、その飛竜は!?」

コウ「話は後だ!!ヴァニィ、二人を頼む!!」

そう言ってコウはヴァニィから降りた。と、コウがあることに気付いた。

コウ「バハムートが戻ってきた!?」

バハムートが戻ってきたのだ。





ダガー「バハムート!!」

エーコ「聖なる審判はまだ無理よ!!でもアレクサンダーの羽ならメガフレアは耐えれると思うけど。」

と、バハムートがメガフレアを放ってきた。

エーコ「アレクサンダー!!」

エーコが言うと羽で覆い二人を守った。

ボーーン!!

メガフレアは当たったが何とも無かった。

バハムート「ガア!!」

バハムートは力をため出した。

エーコ「何!?」

ダガー「おそらくギガフレア、メガフレアの百倍くらいの炎弾を放つつもりだわ・・・」

エーコ「でもアレクサンダーなら大丈夫じゃない?」

と、そんなこと言ってる内にバハムートは炎弾を放ってきた。アレクサンダーも羽を覆った。

ボゴーーン!!

大爆発をしたがまだ大丈夫だった。が。

クイナ「アイヤーー!!」

爆風が城下町を襲った。

ダガー「街が!!」

エーコ「ちょっとこれはやばいわ!!」

と、またバハムートは力をため出した。

ダガー「テラフレアを出すつもり!?」

エーコ「テラフレア?」

ダガー「ギガの百倍の力を持つ炎弾を放つのよ。」

エーコ「ちょっ!!それはまずいわよ!!アレクサンダーなら大丈夫だろうけど街が!!」

ダガー「テラフレアはためるのに時間がかかると思うけど・・・」

エーコ「でもあいつを倒すだけの力なんで誰もないわよ!!」

かなり絶望の状況になった。

ダガー(誰か・・・!!お母様、ライフ!!)

ダガーは心の奥で祈った。







ジタン「くっ・・・セー・・・ラ・・・」

バハムートに重症を負わされたジタンの意識が戻った。が、重症には変わりなかった。

ジタン「ぐっ・・・動けねぇ・・・セーラが・・・危ないってのに・・・」

ジタンからは大量に血が流れ生死の境をさまよってもおかしくなかった。

ジタン「くそ・・・体が言うこときかねぇ・・・」

必死に動こうとするが、動けそうな状態ではなかった。

ジタン「い・・・行かなくちゃ・・・あいつらを・・・助けるんだ・・・だから、ミコト・・・力を・・・貸してくれ・・・!!」

女性らしき名前を呼ぶと、ジタンは立ち上がった。

ジタン「・・・まだ・・・倒れるわけには・・・いかない!!」

そう言ってジタンは走り出した。

ジタン(待ってろ・・・!!今、助けるからな・・・!!)

しかしジタンが走るその先は崖であった。しかしジタンは走るのを止めず、むしろ加速していた。

ジタン「うおぉーー!!」

そしてジタンは崖から飛んだ。しかし、地面には着地していなかった。ただ、闇空にピンク色の光が浮いていた・・・・







エーコ「どうするの!?聖なる審判にはまだ時間が必要だよ!!」

ダガー「・・・」

エーコ「ねぇ!!」

ダガー「・・・エーコはここから下がって。」

エーコ「!?」

ダガー「リヴァイアサンで水の壁を作って爆風を少しでも抑える。」

エーコ「そんなことしたらダガーも危ないよ!!」

ダガー「・・・別にいいのよ。だから、エーコは下がって。」

エーコ「だめよ!!ダガーやめて!!」

エーコが必死に止めようとしているが、ダガーの手にはアクアマリンがあった。そしてバハムートもテラフレアをため終わった。

ダガー(ライフ・・・さよなら・・・)

エーコ「だめぇ!!」

その一瞬はとても短く思えた。炎弾を放とうとするバハムート。リヴァイアサンを召喚しようとするダガー、それを止めようとするエーコ。一瞬一瞬が短く思えた。と。

召喚はするな・・・

ダガー「!?」

ダガーの頭に声が聞こえた。

合図をしたら聖なる審判を放て。

ダガー「えっ!?」

エーコ「どうしたの!?」

ダガー「声がして・・・合図をしたら聖なる審判を放てって・・・」

エーコ「え〜〜!?確かにもうすぐ立てば放てるだろうけど。」

と、バハムートが巨大な炎弾を放ってきた。

エーコ「来たよ!!」

ダガー(助けてっ!!)

ダガーは目をつぶった。と、その時。

ボガーーン!!

ダエ「!?」

炎弾は二人の前で爆発した。しかも爆風はそんなに無かった。

エーコ「なにがあったの!?爆風がないって!?」

と、ダガーが空を見て何かに気付いた。

ダガー「なに!?あの光!?」

ダガーが見たのはバハムートのはるか上にピンク色の球体があった。

ダガー「いったいなんなの・・・!!」

その時またダガーに声が聞こえた。

今だ!!放て!!

ダガー「エーコ!!聖なる審判よ!!」

どうやら今放てとのことだそうだ。

エーコ「え!?う、うん!!」

そしてエーコも準備が整った。そして。

ダエ「聖なる審判!!

再び聖なる審判を放った。今度はバハムートに向けていた。

バハムート「ガッ!!」

バハムートは聖なる審判を恐れ、上空に逃げた。しかし上には先程のピンク色の光がいた。

バハムート「ガアッ!!」

バハムートは光にメガフレアを放った。しかし。

バシューーー!!

光からもレーザーのような大きな光が発射された。

ボーーン!!

二つの攻撃は相殺し爆発が起こった。しかし、レーザーはまだ消えていなかった。

バハムート「ガッ!?」

バハムートはとっさにレーザーをかわした。が、そのためにバランスを崩し、聖なる審判が当たった。

バハムート「ガァーーー!!」

ヴァーーン!!

聖なる審判を喰らい、バハムートは消えた。

ダガー「やったの・・・?」

エーコ「多分・・・」

二人はおろか、街のにいる者皆唖然としていた。





クジャ「素晴しいよ、バハムートをいとも簡単に倒すとは・・・ふふふ、僕は君の力を待っていたよ、さあインビンシブルよ!!アレクサンダーを我が手に!!」

クジャが言うと空にあの眼が現れた。



コウ「あの眼は!!」

と、ビビが来た。

ビビ「コウ!!あの空の眼!!」

コウ「まさかアレクサンダーもバハムートみたいになっちまうのか!?」

しかし何も起こらなかった。





?「少々度が過ぎたようだな、クジャよ・・・」

クジャが呼び出したと思われる何かの中に黒ずくめの老人がいた。

老人「お前がガイアでどう暴れようと好きなようにさせて来たが・・・己が存在の意味すら忘れるようになったお前を見過ごすことは出来ん・・・お前の刃向かおうとする力の強大さを知るがいい・・・」

何か恐ろしいことを言っている。





クジャ「!?・・・なぜ動かん、インビンシブル!!バハムートを狂わせたようにアレクサンダーの魂も操り我が物にしろ!!・・・まさかガーランドか!!」

クジャは先程の老人のことを言っているのか?

クジャ「馬鹿な!!奴が自らガイアにおもむくなどと・・・そんなことが・・・僕の計画が読まれていたというのか!?それならどうしてインビンシブルを!?・・・ま、まさか・・・」

クジャはこれから起こるであろう恐ろしいことを考えてしまった。と、空の眼から怪しい光がアレクサンダーに降り注いだ。

ダガー「この光は!?」

エーコ「・・・アレクサンダーが苦しんでる・・・!!」

ダガー「え?」

と、その時。

バーーーン!!

ダガー「何!?」

エーコ「アレクサンダーが!!」

アレクサンダーが突如爆発し始めたのだ。



コウ「何が起こってんだよ!?」

ビビ「エーコとお姉ちゃんは!?」

コウ「多分あの爆発の中に・・・」

ビビ「そんな・・・」

と、二人の所にチョコとメネが来た。

メネ「何が起こってるクポ!?」

ビビ「メネ!!チョコ!!僕をあそこまで連れてって!!」

そう言ってビビは爆発が起こっている祭壇あたりを指差した。

メネ「死ぬ気クポ!?って言いたいけど男は度胸クポ!!乗るクポ!!」

ビビ「うん!!」

そう言ってビビはチョコに乗った。

コウ「二人を頼む!!」

ビビ「分かった!!」

そう言ってチョコは祭壇へ向けて飛んだ。



ダガー「ここはまずいわ!!早く行きましょう!!」

エーコ「うん!!」

二人はこの場から立ち去ろうとした。が。

バチン!!

ダガー「きゃあ!!」

ダガーが何かに弾かれた。

エーコ「ダガー!?」

エーコはダガーに駆け寄ろうとした。が。

バチン!!

エーコ「きゃあ!!」

エーコも弾かれた。しかもエーコの方が強く、そのまま足場のない場所へと飛ばされた。

エーコ「うそ・・・」

何の抵抗もせず、エーコは下に落ちてゆくのであった。

エーコ(あたし、ここで死ぬのかな・・・やだよ・・・誰か、助けて・・・ジタン・・・ビビ・・・!!助けて!!)

エーコは落ち行く中で必死に祈った。と。

?「エーコーー!!」

エーコ「!?」

誰かがエーコを呼んだ。そして。

ガシッ!!

エーコの体をつかんだ。

エーコ「あ・・・」

エーコを助けたのは・・・

ビビ「間に合ったね・・・」

エーコ「ビビ!!」

白馬に乗った・・・いやいや、チョコに乗ったビビであった。しかもチョコの片足を左手でつかんで右腕と体でエーコをつかまえていた。(つまりチョコの背中には乗ってはいない。)

チョコ「グェ〜・・・」

片足をつかまれてるため辛そうだった。

ビビ「早く降りよう。エーコ、しっかりつかまってて。」

エーコ「・・・うん。」

そう言ってエーコはビビにしがみ付いた。

ビエ「・・・」

よくよく思えばここまで来るのに身代わりに添い寝、手をつないで縄跳びに混浴と、色々あったが、これが二人とも始めて人を抱いた瞬間であった。そのため少し気まずいのだろう。

エーコ「ああーー!!」

ビビ「どうしたの!?」

エーコ「ダガーがまだあそこにいるの!!」

ビビ「えぇ〜!?チョコ行ける!?」

チョコ「グェ〜!!」

メネ「無理クポ!!」

と、ビビがあることに気付いた。

ビビ「!?あの光、祭壇に向かってない!?」

エーコ「えっ!?」

エーコも空を見た。確かにピンク色の光が祭壇へ向かっていた。



ダガー「私、ここで死ぬのね・・・」

ダガーは逃げ場を失っていた。

ダガー「最期に・・・あなたと話がしたかった・・・ライフ・・・」

そしてとうとう祭壇が崩れて下に落ち始めた。

ダガー(みんな・・・さようなら・・・)

ダガーは眼を閉じた。と。

(諦めるのはまだ早いぜ!!)

ダガー「!?」

先程ダガー達に命令をした声が聞こえた。そして。

ダガー「きゃっ!!」

落ち行くガレキの中を先程の光が素早くダガーを助け出した。

ダガー「この光・・・この温もり・・・もしかして!?」

と。

エーコ「ダガー!!」

ビビ「お姉ちゃーん!!」

階段が現れた前の扉の前にビビとエーコがいた。

ダガー「ビビ!!エーコ!!」

と、光も二人の所に向かった。

エーコ「ダガー!!大丈夫!?」

ダガー「うん。」

そして光はダガーを降ろした。

ダガー「・・・来るのが遅いのよ・・・馬鹿・・・!!」

ダガーは少し泣いていた。

ビビ「来るのがって?」

と、光が段々と消えはじめ中から誰かが現れた。

エーコ「ええ〜!?」

光から現れたのは・・・

ジタン「・・・ごめん・・・」

ジタンであった。

ビビ「どう言うこと!?」

ジタン「ごめんよ、俺が馬鹿だった・・・」

ダガー「ほんとそうよ・・・でも、ありがとう・・・!!」

と、ダガーはジタンに抱きついた。

エーコ「ダガー・・・」

ジタン「そう言えばビビ、チョコとメネは?」

ビビ「だいぶ疲れたから先に行かせたよ。」

ジタン「そっか・・・じゃあ俺たちも早く行こう。」

ダガー「ええ。」

四人もその場を去ろうとした。が。

クジャ「行かせはしないよ。」

ビビ「クジャ!!」

四人の近くにクジャが現れた。

クジャ「こうなっちゃ仕方がないね・・・君達には死んでもらうよ。」

クジャは四人に右腕を向けた。

ジタン「早く行け!!」

ダガー「どうするの!?」

ジタン「さし違いでも時間を稼ぐ、だから!!」

クジャ「何言ってるんだい?君達って言っただろ?」

クジャの右手には強大な魔力が集まっていた。

クジャ「さよならだ!!」

クジャは魔法を放とうとした。と。

ガンガンガンガンガンガン!!

クジャ「なっ!?」

クジャの足元に銃弾が六発撃たれた。

エーコ「えっ!?」

と。

少女「早く逃げて!!」

皆の上にあの少女がいた。少女の右手には手より少し大きい銃があり、中心にある丸いとこから撃ち終わった銃弾六つを捨て。その丸い部分に次の銃弾六発をつめたホルダーをあてていた。

クジャ「な、なぜここに!?」

クジャも少女のことをしてるらしい。と、その隙に。

ジタン「今の内に行こう!!」

ビビ「うん!!」

四人はその場を去った。

クジャ「くそっ・・・」

クジャは上を見た。そこにはもう少女はいなかった。

クジャ「僕も逃げなきゃな、ここにいたら死んでしまう・・・」

そしてクジャもその場を去った。そして空の眼から陣が現れ城とアレクサンダーに巨大な光が放たれた。と、その時。

バーーーン!!

アレクサンダーが城ごと大爆発した。

ジタン「くっ!!」

ダガー「きゃあ!!」





コウ「まずい!!逃げるそ!!」

爆風は城下町にも来た。

スタイナー「うおぉーー!!」



ガーネット即位三日前。この時、剣の国アレクサンドリアは崩壊した。





老人「多くの魂が星へと還ったか・・・」




遂に剣の国アレクサンドリアも崩壊した。しかし、謎は深まるばかりであった。ジタンとクジャと少女と老人。深まりし謎はその深さを増して行く・・・



続く










あ と が き
とうとうアレクサンドリアが崩壊しました。
しかし地味にビビエーがありましたね。
あのシーンはラピュタを参考にしました。
これからどうなることやら。
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