CRYSTAL MEMORY STORY
第一部 青と赤の物語
第二十五話 再び外へ
ダガーが女王へ即位する三日前、剣の国はクジャと謎の老人により崩壊した。街を脱出した者は船の国へと避難していた。
エーコ「ん・・・」
エーコはどこかの部屋のベットで寝ていた。
エーコ「う・・・?ここは・・・?みんなは・・・どこ?・・・!!」
と、エーコはあることに気付いた。
エーコ「えっ!?ウソ!?あたし・・・服着てない!?」
エーコの服装は下着(下のみ)と体中あちこちに包帯が巻かれていただけであった。
エーコ「やだ・・・こんな姿、誰にも見られたくな・・・」
またエーコはあることに気付いた。
ビビ「ZZZ・・・」
ビビがエーコの寝ているベットに寄りかかって寝ていた。
エーコ「ビビ!?」
エーコはとっさにかけてあった毛布で体を隠した。と、ビビも眼を覚ました。
ビビ「あ・・・エーコ、おはよう・・・」
エーコ「お、おはようってあんたね!!レディがこんな格好でいるのに男が入ってきていいと思って・・・!!」
エーコはまたかなりの早口と激しい身振り手振りでビビに説教した。と。
ハラッ・・・
ビエ「あ・・・」
エーコの体を隠していた毛布が下に落ちてしまった。つまり・・・
エーコ「きゃあーーー!!エッチィ〜〜〜!!」
バゴンドンズゴンドシンガイ〜ンサグシュポヨヨ〜ン!!(!?)
ビビ「アバダババダバ!!」
エーコは恥ずかしさのあまり、近くにあった椅子やテーブル、テレビにパソコン(?)フライパンにハルバート(やばっ!?)そしてモーグリなどをビビに投げつけた。ちなみに全弾命中でとどめに乙女の恥じらい五トンの重り(なんだそれ?)を投げつけた。
ドッゴーーン!!
エーコ「はぁ、はぁ・・・」
ビビ「うきゅ〜・・・」
ビビはボロボロだった。
エーコ「まったく!!ん?」
エーコは毛布で体を隠しながらあることに気付いたそれは。
エーコ「もしかして、ビビも怪我してた?」
ビビ「え?」
ビビの服装は上着を着ておらずに羽織っているだけで体に包帯や絆創膏(ばんそうこう)だらけであった。
ビビ「ちょっとだけね。」
エーコ「ごめん・・・」
ビビ「ううん、いいよ。」
エーコ「所で、ここは?」
ビビ「リンドブルム城だよ。剣の国が崩壊してみんなここに来たんだ。」
エーコ「そっか、昨日あんなことがあったからね。」
ビビ「昨日?・・・あ、そっか。」
エーコ「?」
ビビ「眠っていたから分かんないだろうけど、あれから十日たっているんだよ。」
エーコ「と、十日!?そんなに寝てたのあたし!?」
?「そうですよ。」
ビビ「あ、エリン。」
エリンが来た。
エリン「傷の具合はもう大丈夫ですか?」
エーコ「うん。」
エリン「でしたらビビ君にお礼を言わなければなりませんね。」
エーコ「え?」
エリン「ビビ君はエーコちゃんと同じくらい怪我していたにも関わらず、エーコちゃんの手当てをずっとして、側にいたのですから。」
エーコ「そうなの!?」
ビビ「手当てって言っても、たいしたことはしてないけどね。」
エーコ「・・・ありがとう。」
エリン「そうそう、皆様は話し合いをするということで会議室に集まってます。」
ビビ「分かった。後で行くよ。」
エリン「それじゃごゆっくり。」
そう言ってエリンは部屋を出た。
エーコ「・・・ビビ。」
ビビ「なに?」
エーコ「こっち、来てくれない?」
ビビ「うん。」
そう言ってビビはエーコに近づいた。
エーコ「さっきの、治してあげる・・・」
そう言ってエーコはビビの額に自分の額を当てた。(角が当たらないように。)
ビビ「エ、エーコ・・・?」
そしてエーコは両手をビビのほほに添えた。
エーコ「ケアル・・・」
ビビ「・・・」
エーコはケアルで先程のビビの傷を治した。
ビビ「・・・暖かい・・・」
この時のケアルはとても優しく暖かいようだ。
エーコ「・・・これでいいよね。」
ビビ「うん・・・ありがとう・・・それとモグは街にいるモーグリと話してるから心配いらないよ。」
エーコ「分かったわ。それと・・・服・・・」
ビビ「あ、うん。」
ビビはエーコに服を渡した。
エーコ「あっち向いててね。」
ビビ「うん。」
ビビはエーコとは反対のほうを向き、エーコは服を着始めた。
エーコ「所で帽子は?」
ビビ「あ、ベットの脇においているんだ。」
と言って不意にベットのほう、つまりエーコのほうを見てしまった。
エーコ「きゃあ!!」
ビビ「あわわわ!!ごご、ごめん!!」
そしてまた反対のほうを向いた。
ビエ「・・・」
ビビもエーコも顔が真っ赤になっていた。
エーコ「・・・もういいよ・・・」
ビビ「うん・・・」
ビビが振り返るとエーコはちゃんと服を着ていた。
エーコ「はい、帽子。」
エーコはビビに帽子を渡した。
ビビ「じゃあ行こうか。」
エーコ「うん。それと、さっきの・・・許してあげるから。」
ビビ「え?」
エーコ「あたしを助けたのと手当てしてくれたからね。」
ビビ「えっと・・・い、行こう。」
そして二人は会議室へ向かった。その時会議室では。
シド「これで霧の大陸三大国すべてが崩壊したブリか・・・」
コウ「ここはともかく蒼の国は復興のめどはたってねぇし。」
ラニ「剣の国はこつこつやってるらしいけど。」
シド「ブリ〜・・・」
会議室にはシドとオルベルタ、傷だらけのフライヤにフラットレイ、ラニとコウにサラマンダー、クイナとスタイナーにベアトリクスとブランクとルビィがいた。
スタイナー「街は壊滅状態・・・自分が情けない・・・」
フライヤ「お主だけの責任ではない。」
ブランク「でもこれじゃあな・・・」
クイナ「アル〜・・・」
色々悩んでいるとこにビビとエーコが来た。
コウ「お、エーコ。元気そうだな。」
エーコ「みんな・・・傷だらけ・・・」
あの時戦っていた者はあちこちの包帯や絆創膏があった。
エーコ「あれ?」
エーコがあることに気付いた。
エーコ「ジタンとダガーは?」
一同「・・・」
少し空気が重くなった。
エーコ「?」
ビビ「・・・分かんないんだ・・・」
ビビが口を開いた。
エーコ「え?」
ビビ「僕たちが目覚めるよりも早くに目覚めたらしいんだけど、二人ともどこかに行ったみたいなんだ。」
エーコ「ど、どこかって!?」
ルビィ「分かったら苦労はせんよ・・・」
ラニ「最後に見た人の話からして、別々に出て行ったらしいんだ。」
エーコ「そんな・・・」
コウ「酷な話だけど、俺達はクジャと三大国のことで精一杯なんだ。」
エーコ「そう、クジャよ!!元はと言えばあいつが原因じゃない!!」
ベアトリクス「分かってはいますが、今の私たちではかなわないわ。」
シド「そうそう、クジャのことブリだが。あやつはなぜかヒルダガルデ一号に乗ってたブリ!!」
ブランク「ああ、ヒルダさんが怒って奪ってったアレか・・・あっ!!」
ルビィ以外の一同「怒って奪ってった?」
ルビィ「ブランク・・・」
スタイナー「どういうことなのだ?」
シド「・・・全部話すブリ・・・」
説明中
コウ「なっさけねぇな、一国の大公が。」
シド「うぅ〜ってそんな話じゃないブリ!!それと、言葉を話す黒魔道士兵が乗ってたブリ!!」
ビビ「言葉を話す!?」
クイナ「もしかして黒魔道士の村のアルか!?」
コウ「それってお前らが言っていた?」
ビビ「信じられないよそんなの!!」
シド「しかし本当ブリ。」
ビビ「どうして・・・」
と、その頃。
クジャ「はぁ・・・はぁ・・・」
クジャはボロボロになってヒルダガルデ一号から出てきた。そこは洞窟のような場所であった。と、そこに。
ゾーン「どうしたでおじゃる!?」
ソーン「傷だらけでごじゃる!!」
こいつらが来た。
クジャ「うるさい!!」
ゾソ「ひっ!!」
かなりいらだっているようだ。
と、黒魔道士が何体か来た。
クジャ「そこのお前!!」
234号「234号です・・・」
確かに黒魔道士の村人のようだ。
クジャ「お前の番号は聞いていない!!あの計画の準備は出来ているだろうね?」
234号「はい・・・」
クジャ「まあ、当然だね。・・・まだ彼らには踊ってもらわないと困るんだよ・・・僕は体を休めるが、手を抜くんじゃないぞ!!」
クジャは皆に命令し、奥に進んだ。
ビビ「そう言えばあの女の子も銃を使ってたよね。」
エーコ「あの女の子?・・・ああ、あの子ね。」
コウ「それってスタイナーが言っていた氷の洞窟にいたって奴のこと?」
ビビ「うん。でもコウの銃とは違って手よりちょっと大きくて。」
エーコ「真ん中にくるくる回る物があってそこに弾を六つ入れていたよね。」
コウ「リボルバーか?なんでそんな物を?」
ほぼ一同「り、リボルバ〜?」
コウ「一口に銃って言ったって沢山の種類があるんだ。俺のは狙撃や連射の利くライフルで、お前らが見たのは手と同じくらいのハンドガンの一つのリボルバーってのだ。」
フライヤ「何か違う機能でもあるのか?」
コウ「ハンドガンには握る所に弾倉を入れてるオートマチックがあるけど、こっちは弾の数が多いしリロードも早いが弾詰まりもする。リボルバーは六発限りだけどジャムんないのが利点だな。」
エーコ「ジャム?」
コウ「専門用語で弾詰まりのことだ。それにライフルも連射は効かないけど射程が長い狙撃にむいたスナイパーライフルと戦闘用で連射がうりののアサルトライフルがある。俺のはアサルトライフルに属するな。他にも銃にはハンドガンと同じ弾を連射するマシンガンや猟銃として使え、近距離であれば強力なショットガンタイプもあるし・・・」
ビビ「も、もう十分に分かったから。」
コウ「あっそ・・・しかしよくよく思えばクジャは飛空挺を持ってるって事だろ?だったら奴の行動範囲はかなり広くなるな。」
サラマンダー「こっちは空どころじゃないからな、大公がこんなんじゃな。」
シド「分かってはいるが三号機をこのまま作っても二号機の二の前ブリ。」
ビビ「あんなのにはもう乗りたくないよ・・・」
シド「何とか体を元に戻したいブリ。オルベルタ、何かよい知恵はないブリか?」
オルベルタ「はい。さようとなこともあろうかと、ドクトル=トット殿をお呼びしております。」
コウ「トット先生が!?」
誰よりも早く反応したのはコウだった。
エーコ「あれ?コウってあのエラそうなおじさんの事知ってるの?」
コウ「知ってるも何も・・・」
そんなことを話していると。
トット「お待たせいたしましたかな?」
トットが来た。
エーコ「おじさん久しぶり!!」
コウ「先生!!お久しぶりです!!」
トット「おお!!エーコ殿にコウ君。お久しぶりですね。」
コウ「はい。」
トット「いかがでしたかな一人旅は?」
コウ「色々ありましたね。」
スタイナー「何ゆえコウはトット殿の事を知っておられる?」
コウ「ん、まあちょっと・・・それと。」
トット「はい?」
コウ「サクラは元気ですか?」
トット「サクラ君でしたら・・・」
サクラ「あ!!ぱぱぁ〜〜!!」
サクラが走ってきてコウに飛びついた。
サクラ「ぱぱ、おかえりなさい!!」
コウ「サクラ、元気にしてたか?」
エーコ「パ、パパって・・・?」
コウ「サクラは俺の一人娘だよ。」
ほぼ一同「はいぃ〜!?」
ラニ「ま、驚くだろうね。」
ベアトリクス「ちょ、あなたどんな人生送っているのですか!?二十歳でバツ一で四歳の子供がいるって!?」
コウ「後で話すからよ、今はトット先生に大公の様子を見てもらわないと。」
トット「おお、そうでした。」
と言うことでトットはシドの体を調べだした。
シド「・・・どうブリ?」
トット「・・・やはり術者でなければ治せませんね。しかし・・・」
シド「しかし?」
トット「前に読んだ本にこの手の魔法をとく薬があると・・・」
シド「その薬とは?」
トット「きれいな薬ふしぎな薬あやしい薬の三つを調合した薬です。」
ブランク「その三つってここじゃよくある薬じゃねえか?シナも確かふしぎな薬を持っていたし。」
オルベルタ「もしかしたら街中で聞き込めば他二つもあるでしょう。」
エーコ「だったらあたしが行くわ!!もう怪我も治ったし、みんなは休んでて。」
ビビ「僕も行くよ、船の国は初めてでしょ。」
フライヤ「それでは薬の探索はビビとエーコに任せよう。」
ビビ「それじゃ行ってくるよ。」
そして二人は街に出た。その時、残った者達は。
ベアトリクス「で、先程の話の続きですが。」
コウ「そうそう。」
フライヤ「お主確か二十歳でバツ一じゃったよな。」
コウ「ああ。」
フラットレイ「それで四歳の子供がいる・・・つまり。」
コウ「そ、サクラは俺が十六の時に生まれたんだ。」
ルビィ「それじゃあ奥さんは?」
コウ「・・・」
コウは黙ってしまった。
クイナ「ル?」
コウ「・・・サクラが生まれてすぐに死んだよ・・・」
ベアトリクス「死別・・・ですか・・・悲しいですね・・・」
コウ「それでもあいつは、ルミアは俺の中で、そしてサクラの中で生き続けているさ・・・そう思えば寂しくはない・・・」
ラニ「コウ・・・」
スタイナー「所で気になったんだが、コウとラニはどういう関係なのだ?」
コウ「・・・七年前に会ったことがあるんだ。」
ラニ「そう・・・」
ブランク「はぁ〜いろいろあるんだな〜」
スタイナー「それと、お前のガントレットだが、何故腕だけで手の所はないんだ?」
コウ「それはな、グローブをつけてるしこいつは俺手製だしな。」
スタイナー「なるほど。」
そんな話をしている頃。
シナ「はいズラ。」
ビビ「どうもね。」
二人は劇場街にいた。
マーカス「所でジタンさんは?」
エーコ「・・・」
マーカス「心配ないッスよ。」
ビビ「そうだよね、それじゃあね。」
ビビとエーコはシナからふしぎな薬をもらった。
エーコ「後はあやしい薬ときれいな薬ね。」
ビビ「街の人に聞き込めばどこにあるかわかるかもね。」
と言うことで聞き込みを始めた。数分後。
ビビ「はぁ〜・・・」
エーコ「劇場街では手がかり無しね・・・」
手がかりが無かったようだ。と、そこに。
?「お、お前もしかして。」
ビビ「え?」
ビビが振り返ると前にビビが助けたブルメシア(以下B)の夫婦がいた。
ビビ「あ、あの時の。」
B兵「あん時はどうもな、それと俺はガル、こいつはウェイだ。」
ウェイ「あの時は夫を助けてくれて・・・」
ビビ「いいですよ。」
エーコ「知り合い?」
ビビ「前にちょっとね。」
ガル「おかげでここまで来れたし、ウェイも何とか子供を生むことが出来たしな。」
ビビ「そうなんですか。あ、そうだ。きれいな薬とあやしい薬って知りませんか?」
ガル「薬?」
ウェイ「ごめんね、ちょっと分からないわ。」
ビビ「そうですか・・・」
と。
?「あやしい薬を探してるのかい?」
絵描きみたいな青年が来た。
エーコ「えっと、あなたは?」
青年「僕はミケル。あやしい薬なら持っているけど。」
ビビ「本当ですか!?」
ガル「よかったじゃねぇか。」
ミケル「あんまり使わないから結構余っているよ。」
ビビ「あの、少し分けてくれませんか?」
ミケル「別にいいよちょっと待ってて。」
そう言ってミケルは自分のアトリエの戻った。数分後。
ミケル「はい。」
ビビ「ありがとうございます!!」
エーコ「それじゃあ後一つだね。」
ビビ「商業区に行って見よう。」
エーコ「そうね。」
今度は商業区に来た。
エーコ「じゃ、また聞き込みね。」
ビビ「うん。」
そしてまた聞き込みを始めた。また数分後、噴水のある広場まで来た。
ビビ「あれ?ここ・・・」
ビビは壊れた建物を見た。
エーコ「どうしたの?」
ビビ「前ここにあった店でクポの実を買ったんだけど。」
エーコ「壊れちゃってるね。」
と。
?「ここで売ってた薬はそこの武器屋で売ってるわよ。」
元ここで薬を売ってた女の人が来た。
女の人「あれ?君って?」
ビビ「あ、アリスさん。」
女の人はアリスと言うらしい。
アリス「その子は誰?妹、恋人?」
エーコ「えっ!?」
ビビ「こ、恋人じゃないよ!!仲間なんだ!!」
アリス「ふ〜ん、ただの仲間って訳じゃ無そうに見えるけど、所で何か探してるの?」
エーコ「きれいな薬って無い?」
アリス「きれいな薬?あるわよ、ちょっと待って。」
そう言ってアリスは店があった場所を探した。
アリス「はい、ちょっと汚れてるけどいい?」
ビビ「いいですよ、ありがとう。」
エーコ「これでそろったね。」
ビビ「戻ろう。」
アリス「あ、ちょっと。」
ビビ「はい?」
アリス「これおまけね。」
アリスは二人に変わった薬を渡した。
エーコ「これ何?」
アリス「ホレ薬よ。」
ビエ「ホっホレ薬!?」
アリス「冗談よ。ただのエリクサーよ。それじゃあ仲良くね、さよなら。」
ビビ「あ、うん。」
またなんか気まずくなっていた。
エーコ「早く、城に行こうよ・・・」
ビビ「う、うん・・・」
そして二人は城に帰ってっていった。その頃。
ダガー「お母様・・・」
ダガーはブラネの墓の前にいた。
ダガー「お母様・・・私は、この地を守ることが出来ず・・・申し訳ありません・・・」
やはり悩んでいるようだ。しかし、その手にはジタンが使っていた短剣が握られていた。
ダガー「私はしばらくこの地を離れます。今の私では女王など無理です。ですが、必ず戻ってきます。彼らと共に世界を旅しに行きます。本当に世界が平和になるまで・・・」
ダガーは短剣を抜き、長い後ろ髪にあてた。
ダガー「行って来ます・・・!!」
ザシュッ・・・!!
エーコ「ただいま〜」
ビビ「薬持って来たよ。」
ラニ「これで大公も人間に戻るのね。」
トット「では薬を、私がかけます。」
トットはビビから薬をもらった。
トット「では行きますぞ。」
シド「う、うむ・・・」
そしてシドに薬がかけられた。するとシドの姿が段々変わって行った。
シド「おお、どうなったケロ?」
一同「ケロ?」
トット「・・・」
コウ「先生・・・まさか・・・」
トット「・・・はい・・・」
そこにいたのはブリ虫でなくカエルだった。
ラニ「みゃあ〜〜!!」
クイナ「カ、カエル〜〜!!」
フライヤ「まずい!!クイナを抑えよ!!」
暴走しそうなクイナをサラマンダーが抑えた。
クイナ「ガ、ガエル〜・・・」
シド「ええいこれではラチがあかん!!こうなったらヒルダを探しに行くケロ!!」
エーコ「でもどうやって?」
シド「ブルーナルシスを使うケロ!!」
ブランク「あの船か?大丈夫なのか?」
ブルーナルシスは船の国の船である。
エーコ「でも船が手に入ったなら空からじゃなく海から世界に出られるって事でしょ。」
コウ「だな。でも全員で行くのはまずいだろうな。」
ルビィ「なんで?」
コウ「全員で行ってその隙にここが襲われたら・・・」
フラットレイ「何人か置いていくって事か・・・」
ラニ「あ、あたしかカエルと一緒の旅はやだよ!!」
フライヤ「フラットレイ様はまだ怪我が完治しておりません。ここは私が・・・」
フラットレイ「すまない・・・」
ビビ「僕は行くよ、村のみんなが気になるから。」
エーコ「ビビが行くならあたしも。」
ブランク「俺はブルーナルシスを操縦しなきゃならんしな。」
ルビィ「うちはあんま力になれそうにないから残るわ。」
スタイナー「ベアトリクス、お前は残るのだ。」
ベアトリクス「しかし・・・」
スタイナー「心配するな、自分は大丈夫である。」
クイナ「ジタンを見つけられるかもしれないからワタシも行くアル!!」
サラマンダー「それじゃ俺も行くぜ・・・」
コウ「この前ので銃がいかれちまってるし、足もまだ治ってねえから俺は無理だな。」
オルベルタ「では、殿下にビビ殿にエーコ殿、フライヤ殿にスタイナー殿とクイナ殿とサラマンダー殿にブランク殿が出られると。」
ブランク「俺は船の操縦だけだぜ。」
コウ「大公は外すとして戦闘は六人いればなんとかなるだろう。」
ビビ「そうだね。」
?「待って、私も行くわ。」
一同「!?」
会議室にある人が来た。
ビビ「お、お姉ちゃん!?」
ダガーであった。が。
ダガー「みんな、心配させてごめんね。」
エーコ「どどどどどどど、どうしたのその髪!?」
ダガー「ああ、これ?」
スタイナー「姫様いいいいいったい何をお考えられて!!」
コウ「落ち着けって。ま、とりあえずどうしたんだ?ばっさり髪切っちゃって。」
ダガーの髪はばっさり切られていてショートヘアーになってた。
ダガー「いままで中途半端な気持ちでいたから、改めて決意を固めようって思って。」
コウ「確かに長髪の女が短くするのは失恋か決意を固めたときだからな。」
ブランク「そうか?」
ダガー「それはいいとして私も行く。クジャが何を企んでいるか分かんないけど。私は許せない。」
コウ「いいんじゃないか?彼女が決めてるんだから。」
シド「・・・よし、このメンバーで行くブリ。準備が出来たら水流の門に集合ブリ。」
コウ「それじゃあ解散だ。ティル、ビビ、頑張れよ。」
ダガー「ええ。」
ビビ「うん。」
数分後、出発するメンバーはブルーナルシスに集まっていた。
エーコ「長くて綺麗だったのに・・・」
ダガー「短いのは変?」
エーコ「そんなことないよ。」
ダガー「で、どこに行くの?」
ビビ「黒魔道士の村に行こうよ。みんなが気になる。」
エーコ「マダイン・サリによってる暇はないね。」
ブランク「それじゃあ行くぜ。」
そしてブルーナルシスは出航した。
スタイナー「外側の大陸か・・・」
フライヤ「どのような場所なのだろうか?」
クイナ「そっか、二人は始めてだったアルね。」
ブランク「地図からして一番近い浜辺は・・・ここか?」
ダガー「ここに船をつけてあとは歩いて村に行けばいいわね。」
色々話し合っている内に船は外側の大陸まで来た。
フライヤ「ここが外側の大陸か・・・」
クイナ「村はあっちアルね。」
ダガー「行きましょう。」
そして七人は村へ向かった。
ビビ「もうすぐ村だね・・・」
ダガー「みんないるといいけど・・・」
クイナ「見えたアル!!」
ビビ「早く行こう!!」
皆の足取りが早くなり、村に到着した。が、静かだった。
フライヤ「静かじゃな・・・」
ビビ「ちょっと墓に行ってくる!!」
ダガー「私も行くよ、みんなはここで待ってて。」
エーコ「うん。」
そして二人は墓に来た。そこには288号がいた。
288号「ビビ君・・・」
ビビ「みんなは?」
288号「クジャについて行ったよ、残ってるのは僕とチョコボ舎にいる二人だけだよ・・・」
ビビ「どうしてあんな奴に!?」
288号「みんな知ったんだよ、僕らに与えられたときが限られていることを。クジャはその命を延ばせるって言って・・・」
ビビ「だからってあんな奴の言う事を信じるなんて!!あいつが何をしたか忘れたの!?僕達のことをモノの様に・・・」
288号「しょせん僕らはそういうモノなのかもしれない・・・人間の言うことを聞くために作られたモノなのだから・・・」
ビビ「!!」
ダガー「ちょっと!!それは言いすぎじゃ!?」
ビビ「・・・クジャと一緒にどこへ?」
288号「・・・教えられない、仲間を裏切ることになる。」
ビビ「チョコボ舎にもいるって言ったよね。」
ダガー「ビビ!!」
ビビはチョコボ舎に走り出した。
ダガー「待って!!」
ダガーは後を追った。
エーコ「どうしたの?ビビが全速力で走ってたけど。」
ダガー「説明は後!!」
そしてダガーもチョコボ舎に来た。
ビビ「ここを開けて!!」
ダガー「ビビ・・・」
ビビ「開けて・・・!!」
と、中から。
クエェ〜
ダビ「?」
変な声が聞こえた。と。
111号「生まれたよ!!」
チョコボ舎の黒魔道士が出てきた。
111号「あ・・・」
ビビ「どうしたんですか?」
111号「・・・入りなよ。」
111号に誘われ二人は中に入った。そこには・・・
子チョコボ「クエェ〜」
生まれたてのチョコボがいた。
ビビ「生まれたんだね。おめでとう。」
33号「・・・ありがとう。」
ダガー「どうして残ったの?」
33号「僕達も行こうと思ったんだけど卵のことがあるから残ってってみんなに・・・」
111号「名前、考えなきゃね。」
33号「そうだね・・・なんだか・・・変な感じ・・・」
111号「僕も・・・」
ダビ「・・・」
二人は外に出た。そこに288号と他の仲間がいた。
ビビ「あなたも卵が気になって?」
288号「分からない・・・でも、大切なものがあるって思って・・・」
ダガー「ここに残った・・・」
288号「そう・・・」
ビビ「一つ聞いてもいい?」
288号「何だい?」
ビビ「僕も・・・もうすぐ止まるの?」
ダガー「ビビ!!」
ビビ「僕も黒魔道士なんだ・・・そろそろ止まってもおかしくないよね・・・」
スタイナー「ビビ殿・・・」
エーコ「そんなこと言わないの!!」
ビビ「エーコ?」
エーコがビビに近づいた。
エーコ「自分がいつ死ぬかなんて言わないの!!ビビは生きたくないの!?」
ビビ「生きたいよ、でも・・・どう考えたってそろそろ・・・」
エーコ「だから言わないの!!お願いだから・・・!!」
エーコはちょっと泣きそうだった。
ビビ「エーコ・・・ごめん・・・」
288号「・・・ビビ君。」
ビビ「?」
288号「ついてきな。」
ビビ「?」
言われるがまま、288号についていく一同。と、村のはずれに来た。そこには墓が一つあった。
ビビ「この墓は?」
288号「墓に名前が書いてあるから・・・」
ビビ「うん・・・」
フライヤ「私が読もう。」
フライヤが墓に書いてある文字を読んだ。
フライヤ「『この地に村を築きし物、ロイド=オルニティアここに眠る』とあるが。」
ダビ「ロイド!?」
エーコ「知ってるの?」
ダガー「聞こうとは思ってたけど、ロイドって・・・」
ビビ「・・・僕の父さんの名前だ・・・」
サラマンダー「どう言うことだ?」
288号「・・・君は純血の黒魔道士じゃないんだ。」
フライヤ「純血?」
エーコ「もしかして・・・!!」
エーコはペンダントを開いた。
エーコ「このティアラって人と?」
288号「ティアラか・・・懐かしい名前だ・・・」
ダガー「それじゃあ。」
288号「そう、ビビ君はロイドとティアラ、黒魔道士と人間の間に生まれたんだ。」
ビビ「父さん、母さん・・・」
288号「あの二人はこの地まで僕ら初期型を導いたんだ。その後作られた者もここまで。」
エーコ「そうなんだ。それじゃあビビは・・・」
288号「おそらく人間と同じくらい生きられるはずだよ。」
エーコ「よかった・・・」
288号「ロイドは村を作って間もなく止まったんだ。多分力を使いすぎての疲労だと思う・・・生まれたばかりのビビ君を残して。」
ビビ「・・・」
288号「ティアラが死んだことは薄々気付いているよ、彼女は元々病弱だったから。」
スタイナー「そこだが、何ゆえロイド殿とティアラ殿は知り合ったのだ?」
288号「そこまでは分かんないよ。でもこれだけは言える。人と人じゃないものが結ばれるのなら希望はあると。その希望はビビ君だと。」
ビビ「僕が?」
288号「そうさ、君は人間と黒魔道士の血が流れているからね。」
ビビ「288号さん。」
288号「それと、クジャはこの大陸の東にいるよ。」
ダガー「えっ!?」
288号「東の砂漠に流砂があるんだ。そこの一つに砂ぼこりが上がらない流砂がある。その中にデサートエンプレスがある。」
ビビ「デザートエンプレス・・・そこにクジャが?」
288号「おそらく・・・」
ビビ「ありがとう。」
288号「僕らも君みたいに強くなれるかな・・・?」
ダガー「きっとなれますよ。あなたにも人の心を持っていますから。」
288号「・・・」
ダガー「行こう、デザートエンプレスへ。」
エーコ「うん。」
ビビ「父さん、母さん、行って来ます。」
そして七人は村を出た。クジャの隠れ家、デザートエンプレスを目指して。
再び世界を旅し始めたダガー達。しかしジタンは行方不明のまま、完全に謎が解けたわけではない。その謎を解くためにデザートエンプレスへ向かうのだった。
続く
あ と が き
こっからかな?本格的にビビエーが出てくるのは。
ちなみにエーコが投げつけたものは全て思い付きです。
そしてビビの出生の秘密も明らかになりました。
それとしばらくジタンは出てきません。