CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第二十三話 襲撃前編 眠らない街再び



ダガーが女王に即位するまで後三日に迫った日・・・イーファの樹から帰ってきてからギクシャクしたジタンとダガー、想い合っているのに気付かないビビとエーコなど、様々な想いが剣の国アレクサンドリアで交差していた。そんな中、ビビ達はトレノに向かっていた。

トット「着きましたぞ。」

エーコ「ふ〜ん、ここがトレノねぇ・・・」

ビビ「久しぶりだなぁ。」

エーコ「あんた来たことあんの?」

ビビ「あるも何も僕はトレノの近くに住んでいたからね。」

エーコ「じゃあ詳しいんだ。後で案内してね。」

ビビ「最初っからそのつもりさ。」

エーコ「じゃあおじさん、マダイン・サリについては後で話すね!!」

トット「ほっほっ、いいでしょう。お話を聞くのはトレノ見学の後で。」

ビビ「じゃあ行こう。」

そう言い残し二人は先に街に出た。

フラットレイ「そう言えばサクラがいないが。」

トット「あ、うっかりしてました。おそらく城下町で遊んでいると思いますが・・・」

フラットレイ「大丈夫なのか?四歳の女の子がこんな時間まで。」

トット「彼女はしっかりしてますから大丈夫でしょう。」

フラットレイ「しかしな・・・」

フライヤ「フラットレイ様、私達も行きましょう。」

フラットレイ「ん?ああ。」

今度はこの二人が街に出た。

ラニ「じゃあダンナ・・・」

サラマンダー「俺は一人で行く。」

サラマンダーは一人で出た。

ラニ「ちょっとぉ!!」

そしてラニも街に出た。

ここからはビビエー、フラフラ、ラニ、サラマンダーの順に展開していきます。その前に・・・





コウ「ほうほう・・・」

コウはまだ資料室にいた。・・・かれこれ三時間以上はいるぞ。

コウ「なになに・・・この世界にはいくつかの属性が点在し、主に確認されているのは八種類・・・その内六種類は一般的な魔法の為、下級または根源属性といわれている。」

また小難しい本を読んでいた。

コウ「その六つの属性は火、冷、雷、風、水、地・・・この六つである・・・その上に上級の魔法使いにしか仕えないのが無と聖・・・さらに未確認なのだが、この二つの属性よりも上を行く属性が存在すると、言われている・・・それが、光と闇。そしてさらに未確認なのだが、根源属性の六つを掛け合わせると幻とされたある属性が出るという、それが・・・・・・」

属性の本を読んでいるらしい。とそこに。

ダガー「コウ?何してるの?」

私服のダガーが来た。

コウ「あ、ティル・・・じゃなくてガーネット姫。」

ダガー「ティルでいいわよ。で、何してるの?」

コウ「ああ、街の本屋にいい本が無かったからここのを読んでいたんだけど。」

ダガー「そうなの、私もちょっと気晴らしに本を読みに・・・」

コウ「気晴らし・・・?ジタンのこと?」

ダガー「・・・うん・・・」

コウ「そっか。」

そしてダガーも本を読み始めた。

コウ「いったいなにがあったんだか・・・を?」

コウは本棚にある本があることに気付いた。

コウ「・・・日記?ブラネ女王のか、何でここに?」

コウは何気にその日記を読んだ。

コウ「この日記・・・去年のか。1799年の二月って書いてるしな、お?」

コウは日記に書いてある何かに興味を持った。

コウ「なになに・・・えっ!?」

コウはその日記を読んで驚いた。

コウ「ティル!!ちょっとこっち来い!!」

ダガーを読んだ。

ダガー「コウ?どうしたの?」

コウ「この日記なんだけど。」

ダガー「日記?お母様の?」

ダガーも日記を読んだ。

ダガー「えっと『二月○日、この日クジャが黒魔道士なる兵器の情報を私に教えてきた。私は使えると思い、ダリに工場を設置した。』・・・クジャがお母様に黒魔道士のことを教えたときの日記?」

コウ「ああ、でもその後の文を読んでみな。」

ダガー「うん。『クジャが言うにはこの兵器は十年近く前に初めて作られ研究しここまでに達することが出来た。』・・・十年?確かビビも十歳じゃ・・・」

コウ「でも君の考えは違うと思うぜ。去年から十年前ってのは十一年前のことだ。それにホントに十年前かも分からない。」

ダガー「じゃあビビは黒魔道士が作られてから生まれたって事?」

コウ「俺のカンだけど、黒魔道士は十二年か十三年にプロトタイプ、つまり最初の一体が作られたんだと思う。それと、プロトタイプの外見は二つの国を襲ったのと同じだそうだ。」

ダガー「人間の顔をしてないって事?」

コウ「ああ。」

ダガー「でもビビは人間の顔をしている。」

コウ「それとその後の文を読んでみな。」

ダガー「うん。『しかし黒魔道士には時々自我を持つものが現れるというらしい。プロトタイプとして作ったものは自らをロイドと名乗り、その時に作られ自我を持った黒魔道士何体かと共に脱走したそうだ。つまり扱いには気をつけろとのことだ。』もしかして黒魔道士の村を作った人達のこと?」

コウ「多分、それとそのロイドって黒魔道士の事だけど、ここをよく読んでみな。」

そう言って日記のある文を指差した。

ダガー「えっと、『生意気にもロイドは自分を人間と同じようにオルニティアと言う姓をつけ・・・』オルニティア!?」

コウ「そう、ビビと同じだ。」

ダガー「何か関係が?」

コウ「分かんないよそんなの。」

ダガー「ビビに聞いてみる?」

コウ「それしかないな。」

また謎が増えた。ロイドなる黒魔道士とビビにはどんなつながりがあるのか。その頃。



ビビ「一応一通り案内したけど。」

エーコ「ありがとうね。それにしても・・・」

ビビ「?」

エーコ「あのニブチンはどこ行ったのかしらね!?」

ビビ「ジタンのこと?」

エーコ「そうよ!!まったくエーコの気持ちもダガーの気持ちも知らないで!!」

ビビ「それだったら君もニブチンじゃないか・・・僕の気持ちも知らないで・・・」

エーコ「え?」

ビビ「あ、なんでもないよ。」

エーコ「教えて、なんて言ったの?」

ビビ「いいよ。エーコには興味ないことだろうから。」

エーコ「・・・」

ちょっと複雑な空気になっていた。



フライヤ「フラットレイ様・・・」

フラットレイ「フライヤ・・・」

先程のお子様カップルと違い、こちらはトレノで一番高い建物の屋根でいちゃいちゃしていた。さすが竜騎士、得意のジャンプでここまで来たのであろう。

フライヤ「フラットレイ様・・・」

フラットレイ「フライヤ・・・」

・・・作者的にムカついてきたので次。



ラニ「エントリーエントリーっと。」

ラニはカードゲームの会場まで来ていた。

案内人「ルールは簡単。まず二回勝ってから決勝へ進むというシステムさ。最初は負けてもいいが決勝は一回きり、さぁ頑張りな。」

ラニ「よおし、頑張るよ!!」

ラニは会場入りした。



サラマンダー「・・・」

サラマンダーはクイーン家の近くにある湖を見ていた。と、そこに。

男「なんか美味しい話しねぇかな?」

かつてダガーからお金を盗み、パックにチケットを盗まれた四本腕の男が来た。と、二人の肩がぶつかった。

四本腕の男「って!!どこみてやが・・・!!」

サラマンダー「・・・」

四本腕の男「(ほ、焔色のサラマンダー!?)失礼しました!!」

四本腕の男はその場を逃げた。

サラマンダー「なんだいったい?」

サラマンダーには何の事か分からなかった。



エーコ「変わった所よねトレノって・・・」

ビビ「そう?」

エーコ「エーコ的に興味を持ったってのがあんまり無いのよねぇ〜・・・そうだ!!」

ビビ「な、なにいきなり!?」

エーコ「ビビってこの近くに住んでいたんだよね!?」

ビビ「う、うん・・・もしかして・・・」

エーコ「ビビの家に連れてって!!」

ビビ「でも、トット先生と話があるし・・・それに・・・」

エーコ「いいから連れてって!!」

ビビ「・・・うん、でもトレノを離れることになるけどいいかい?」

エーコ「全然いいわよ!!早く行こうよ!!」

エーコが先に走り出した。

ビビ「あ、ちょっと待ってよ!!」

そう言ってビビも走り出した。その頃。



フライヤ「フラットレイ様・・・私はずっと、このままでいたい・・・」

フラットレイ「私もだ・・・あの時のようなことはしない・・・ずっと側にいる・・・」

まだラブってた。

フラットレイ「さて・・・そろそろ降りようか・・・」

フライヤ「ええ、そうしましょう・・・」

そう言って二人は屋根から下りた。と、下では。


サラマンダー「・・・どうもな・・・」

サラマンダーが街の人に何かを聞いていた。と。

フライヤ「お、サラマンダーではないか。」

サラマンダーの近くに着陸した。

サラマンダー「・・・お前らか・・・」

フラットレイ「何か情報を仕入れたのか?」

サラマンダー「まぁな、この近くにキング家ってのがあるだろ?」

フラットレイ「あのオークション会場のある屋敷のことか。」

サラマンダー「そこの領主がクジャって話だそうだ。ま、噂だがな。」

フライヤ「う〜む、しかし少し分かっただけでもよいではないか。キング家に行ってみよう。」

サラマンダー「・・・遠慮する、あそこにいい思いではないんでね。」

フラットレイ「お前、ここに来た事があるのか?」

サラマンダー「一応な・・・俺の過去の話なんざ興味ないだろう・・・」

フライヤ「そう言われると聞きたくなるな。」

サラマンダー「・・・あれは二年前だった、俺はここの用心棒をしていた・・・」

サラマンダーの回想が始まった。その頃。



ラニ「楽勝楽勝♪」

案内人「はい一回戦おめでとう!!でもまだ一回、決勝行くならすぐさま入る!!」

ラニ「次だって簡単に終わらせるよ!!」

そう言ってまた会場に入った。

ラニ「どうでもいいけど、私だけ短くない?」

多分気のせい。その頃。



ビビ「・・・ゴホッゴホッ・・・ペッ・・・」

エーコ「コホッコホッ・・・」

こちらの二人は埃まみれの場所にいた。

ビビ「ゴホッ・・・予想してたけど・・・埃まみれだ・・・」

エーコ「コホッ・・・まさか洞窟に住んでいたなんて・・・」

ビビ「多分ここを越えたら少しは楽になると思うけど。」

エーコ「・・・ほんとだ。」

二人は埃まみれの場所を越えてひらけた場所に来た。

エーコ「へぇ〜さっきの場所を除けばいいとこじゃない。暗いけど。」

ビビ「後でファイアで一掃しておこう。」

と、エーコが下を見て何かに気付いた。

エーコ「ねぇ、下って温泉?」

ビビ「え?そうだけど。」

エーコ「さっきの疲れもあるし、入らない?」

ビビ「今はそんな時じゃないでしょ。それにさっきだってあんまり動いてなかったし。」

さっきとはいったい?回想


ビビ「もうすぐ着くよ。」

エーコ「まさかここまで離れているとは・・・」

二人は洞窟へ向かって歩いていた。

ビビ「来たいって言ったのはエーコでしょ。」

エーコ「う、そうだけど・・・」

ビビ「じゃあ文句は言わな・・・エーコ危ない!!」

エーコ「え?」

エーコの後ろに大量にマンドラゴラがいた。

ビビ「僕の魔法で何とかするから下がってて!!」

が。

エーコ「ビビばっかりに任せられないわ!!ケルベロスやっちゃって!!」

そう言ってラピスラズリをマンドラゴラに投げた。と、ラピスラズリが光だし、ケルベロスが現れた。

ケルベロス「ガァーー!!」

マンドラゴラ達「キィ〜〜〜・・・」

ビビ「・・・なんかマンドラゴラがかわいそうだ・・・」


ビビ「ほとんどケルベロス任せじゃなかった?」

エーコ「でもぉ〜・・・」

エーコは下を覗き込んだ。

ビビ「危ないよ。僕、前に落ちそうになったことがあるから。・・・思えばその時からかな高い所が怖くなったの。」

エーコ「・・・分かった・・・」

その後二人は部屋らしき所に来た。

エーコ「・・・ここも埃だらけ・・・」

ビビ「結構時間たっているからね。」

エーコ「なんか料理道具は特にボロボロじゃない?」

ビビ「おじいちゃん、最後は何も食べてなかったからね。」

エーコ「おじいちゃんって?」

ビビ「僕を育ててくれた人なんだ。ク族だけど。」

エーコ「ク族ってクイナみたいなの?どうして?」

ビビ「父さんと母さんが僕が小さい時に死んじゃって預かっていたらしいんだ。よくは分からないけど。」

エーコ「ビビも両親の顔は分かんなくて血のつながっていないおじいちゃんに育てられたんだ・・・」

ビビ「なんか似てるね・・・僕達。僕のおじいちゃんも死んじゃったし・・・」

エーコ「ビビ・・・あら?」

エーコは埃まみれの棚に何かを見つけた。

エーコ「このペンダントなに?」

ビビ「ペンダント?」

それは少し汚れていたが、金色の綺麗なペンダントだった。

エーコ「磨けばまだ綺麗になるわ。ん?これ、開くのかな?」

そう言ってエーコはペンダントをいじり始めた。と、ペンダントが開いた。中には・・・

エーコ「・・・女の人の絵?」

ビビ「絵?」

ビビもその絵を見た。絵の女の人は綺麗な黒の長髪で、金色の瞳をした綺麗な人だった。

エーコ「誰なの?」

ビビ「僕にも分かんな・・・?名前が書いてある。」

ビビは絵に女の人の名前が書いてあるのに気付いた。

ビビ「えっと・・・『ティアラ=オルニティア』・・・!!もしかしてこの人が・・・」

エーコ「ビビのお母さん?」

ビビ「オルニティアってあるから多分・・・」

エーコ「ティアラっていい名前じゃない。そうだ!!エーコに子供が出来たらティアラってつけよう!!」

ビビ「いいんじゃない?何年後か分かんないけど。そうだ、これあげるよ。」

エーコ「え?でもこれってビビが持っていた方が・・・」

ビビ「いいよ、まだアクセサリーとして使えそうだからエーコにあげるよ。」

エーコ「・・・じゃあありがたくもらうわ!!」

そう言ってエーコはペンダントをしまった。

ビビ「じゃ、そろそろ帰ろうよ。」

エーコ「そうね。」

二人は部屋を出た。

エーコ「あ〜あ、温泉入りたかったな〜」

ビビ「我慢しなよ。」

エーコ「でもぉ〜」

エーコは駄々をこねてる。と。

ガゴッ

エーコ「え?」

エーコの足場が崩れた。

ビビ「エーコ!!」

ビビは下に落ちそうになったエーコの手をつかんだ。

ビビ「くっ・・・エーコ、大丈夫・・・?」

エーコ「う、うん。」

と、エーコの服からモグが出てきた。

モグ「クポォ〜・・・」

ビビ「・・・モグも手伝って・・・」

モグ「クポ!!」

そう言ってモグもエーコを引き上げるのも手伝った。

ビビ「そ、そう言えばエーコ・・・その羽って、動かせるの?」

エーコ「そっか!!ビビナイス!!」

そう言ってエーコは背中の羽を動かした。

エーコ「・・・あんまり変わんないかな?」

ビビ「でも、あと少しだよ・・・」

あと少しでエーコを引き上げれそうだった。が。

ガゴッ!!

ビエ「え?」

今度はビビの足場が崩れた。つまり・・・

ビビ「うわぁ〜〜!!」

エーコ「きゃぁ〜〜!!」

二人そろって下に落ちてしまった。

モグ「クポ!!」

モグは落ちる際にエーコの服から出たペンダントをキャッチして落ち行く二人を見ていた。そして・・・

ザッボーーーン!!

そろって温泉に落ちた。

エーコ「・・・ぷはっ!!」

ビビ「ごほっごほっ!!助かった〜」

エーコ「・・・服がびしょ濡れ〜」

モグ「クポォ〜・・・」

数分後

エーコ「・・・服乾きそう?」

ビビ「・・・なんとかね。」

二人は一枚の大きなタオルに包まり、服を乾かしていた。(ビビの微弱ファイアで)

ビエ「・・・」

二人は気まずいのか話すことが無いのか、ずっと黙っている。と。

ビビ「・・・温泉・・・」

エーコ「ん?」

ビビ「入らない?」

ビビがエーコを誘った。

エーコ「いいの?」

ビビ「服はもうすぐ乾くし、ここまで来た疲れもあるから。」

エーコ「・・・じゃあ一緒に入ろう!!」

そう言って二人は温泉に入った。

エーコ「ふぅ〜・・・気持ちいい〜」

ビビ「うん・・・」

ビビはまた話すことが無いのか気まずいのか、黙りこくってしまった。と。

エーコ「・・・もうちょっとこっちに来たら・・・?」

ビビ「え?」

今度はエーコがビビを誘った。

エーコ「そんな隅っこにいないでさ、こっちに来なよ。」

ビビ「・・・うん。」

そう言ってビビはエーコの近くに来た。

エーコ「・・・ねぇ。」

ビビ「ん?」

エーコ「ビビってさ・・・」

ビビ「うん。」

エーコ「好きな子とか・・・いるの?」

ビビ「えっ!?」

エーコ「・・・ちょっと気になってね・・・」

ビビ「・・・いるよ・・・」

エーコ「誰?どんな子?」

ビビ「その子はね、別の人が好きでね、僕の事なんか見向きもしないんだ・・・」

エーコ「・・・」

ビビ「だからいいんだ。このまま片想いを続けるつもりなんだ。」

エーコ「・・・悲しいよ、それ・・・」

ビビ「いいんだ・・・」

エーコ「ビビ・・・」

少し切ない空気になってしまった。と。

ビビ「あれ?」

ビビが何かに気付いた。

ビビ「あれって宝石?」

エーコ「えっ!?」

ビビが指差した先には回りの石とは少し違う石があった。二人はそれに近づいた。

エーコ「これってムーンストーンだわ。何でこんな所に。」

ビビ「やっぱり召喚獣がいる?」

エーコ「ちょっと待って・・・」

エーコは集中し始めた。

ビビ「どう?」

エーコ「・・・一応いたわ。」

ビビ「どんな召喚獣?」

エーコ「んとね・・・フレンズって言って、複数の召喚獣の同時攻撃・・・みたい・・・」

ビビ「・・・どんな召喚獣なんだろう・・・」

偶然新たな召喚獣を仲間(?)にした二人。その頃。



サラマンダー「あの時、俺はあいつにあった。」

フライヤ「あいつ?」

サラマンダー「・・・ジタンだ。」

フラットレイ「お前、会ったばかりではなかったのか?」

サラマンダー「あいつが忘れてるだけだ。あの時・・・」

サラマンダーの回想

サラマンダー「・・・暇だ・・・」

サラマンダーは用心棒をしていたが、かなり退屈だったようだ。と。

衛兵「どろぼーーーっ!!」

サラマンダー「・・・退屈しのぎになるか・・・」

と、屋敷からジタンが出てきた。

ジタン「ちょろいちょろい!!ん?」

サラマンダー「・・・」

ジタン「・・・なぁるほど、お前が最近キング家で雇われた用心棒か。」

サラマンダー「人の評判なんざ知らねぇが、一分も楽しませてくれた相手はいなかったな。さあ、楽しませてもらおうか?」

ジタン「なんだ・・・ただの拳闘バカかよ。」

サラマンダー「なんだと!?」

ジタン「俺のもっとも得意とする相手だな!!一分もたたない内に決着をつけてやるぜ!!」

サラマンダー「いいだろう、かかってきな・・・」

と、そこに。

衛兵×2「泥棒はどこだーー!!」

衛兵が二人来た。

ジタン「ククク・・・お出ましだな・・・」

サラマンダー「邪魔はさせん・・・さあかかってこい。」

ジタン「なあに言ってやがる、勝負はもう決まったんだよ!!」

サラマンダー「なに!?」

ジタン「た、たぁすけてくれ〜〜!!」

ジタンは衛兵に近づいた。

ジタン「俺がこの前を通りかかったら奴が慌てた様子でそこの扉から出てきたんだ!!泥棒じゃねぇかと思ってジロジロ見てたらいきなり殴りかかって来て・・・」

衛兵A「しかし奴はこの屋敷の用心棒・・・」

ジタン「だから怪しいんじゃねぇか!!見ろ!!これがおとなしく人に飼われる奴のツラか!?」

衛兵B「た、確かに前々から怪しい奴とは思っていたが・・・」

ジタン「俺は助っ人呼んでくるからそれまで頼むぞ!!」

そう言ってジタンはその場を逃げようとした。で、すれ違いさま。

ジタン(一つだけ教えてやるぜ・・・本当に強い奴は自分の強さを隠すのさ。なんつったけな・・・能あるタカは・・・なんだっけ?)

サラマンダー「つめを隠す・・・か。」

ジタン(そういうこと!!じゃあね〜〜ん!!)

そしてジタンは逃げた。

衛兵A「も、もう逃げられないぞ!!」

サラマンダー「・・・くだらん。」

そしてサラマンダーもその場を去った。

衛兵B「お、おい・・・に、逃げるなよ・・・」



フライヤ「そ、それでお主まさか・・・」

サラマンダー「それから・・・お尋ね物になった・・・」

フラフラ「くくく・・・」

サラマンダー「何がおかしい!!」

フライヤ「い、いやお主中々に間の抜けた男じゃの。」

フラットレイ「顔だけで十万ギル・・・」

サラマンダー「・・・余計なお世話だ。」

フライヤ「いやいや、失礼した・・・そうかそのようなことがあったか・・・」

サラマンダー「かんちがいするんじゃねえぞ・・・別に奴を恨んでるわけじゃねえ・・・力がありながらそれを見せず、ただ仲間達とつるむだけの奴が理解できん・・・だから奴を見極めるために・・・」

フラットレイ「おそらくお前達が再び出会ったことは運命なのであろう。ただ道を極めんとする者はいつしか同じ道を歩むものと合い見えんからな。」

サラマンダーの過去がお笑いな事であったと分かったその頃。



ラニ「ふぅ〜・・・何とか勝ったわ。」

案内人「は二回戦おめでとう。次は決勝負けたらおしまい!!」

ラニ「どんな奴でも負けないわ!!でもやっぱり短い・・・」

さすがに気のせいじゃすまないが、その頃。



エーコ「たっだいま〜っ!!」

ビビとエーコはトットの家に帰ってきた。

トット「おお、お帰りなさいませ・・・いかがでしたかな?トレノの街は?」

エーコ「う〜ん、まあまあって感じかな?」

トット「やはり生まれ育った村のほうがよろしいですかな?」

エーコ「そうねえ・・・でも、いろんな人に会えるのは楽しいかな?今までモーグリのみんなとばっかり一緒にいたから。」

トット「モーグリだけ・・・なのですか?他に角の生えたお仲間はもう・・・」

エーコ「うん・・・もう、エーコ一人になっちゃったの。」

トット「そうですか・・・それでは召喚士一族の生き残りはもう・・・」

エーコ「でもどうしてそんなにエーコの角のこととか召喚獣とか気になるの?」

トット「いえいえ、ただ私めが物好きでいろいろ調べておるだけでしで・・・」

エーコ「ふうん・・・あ、そう言えばおじさん、ダガーの先生だったんでしょ?」

トット「まあ、そうですが・・・」

エーコ「ねえねえ!!どうすればあんなにおしとやかなお姫様になれるの!?」

トット「ほっほっ・・・昔は姫様もそれはそれは元気な姫君でしたぞ・・・」

エーコ「じゃあエーコもいつかあんなふうになれるかな!!」

トット「それはもう・・・」

エーコ「よかった!!それにエーコ、ダガーから『お姫様のしるし』もらったもんね!!」

トット「『お姫様のしるし』・・・ですか?」

エーコ「そう!!エーコが一個だけ持ってたかけらにもう一個足して、ダガーと二個ずつ・・・」

トット「そ、それはまさか・・・伝説の宝珠のことでは!?」

エーコ「うん、そうだよ、ダガーもそう言ってた。」

トット「そ、そういうことでしたか・・・文献から消えていた宝珠は分割され、一つは剣の国アレクサンドリアに残り、後はクレイラ、船の国リンドブルム、そして・・・もう一つは召喚士一族の手によってマダイン・サリへ・・・しかし、何故分割する必要があった?いったい500年前に何が・・・?・・・おお!!またやってしまいました!!どうもすみませぬ・・・考え事を始めますと周りが見えなくなるクセが・・・エーコ殿?」

ビビ「エーコ?」

エーコ「・・・モグが・・・呼んでいる。ごめんなさい!!モグがトレノのモーグリとお話したいって言うから置いてきちゃったんだけど様子が変なの!!なんだか・・・イヤな感じ・・・エーコ、モグの所に行って来る!!」

そう言ってエーコは走り出した。

ビビ「待って!!僕も行く!!」

ビビはエーコの後を追った。いったい何があったのか?その頃。



エリン「エントリーエントリーっと。」

なぜかエリンがカードゲーム会場の前にいた。

近くにいた父親「お、チャンピオンだ。」

どうやらエリンはカードゲームのチャンピオンらしい。と、今度は。

シド「まったく・・・ワシがチャンピオンなのにブリ・・・」

ブリ虫シドが来た。

エリン「船乗りのエリン、決勝戦に出場させていただきます。」

案内人「あい、待ってましたよ。さあどうぞどうぞ。」

エリン「じゃ、行こうかな?・・・あ。」

近くにいた少年「しっしっあっち行け!!」

シド「・・・」

エリン「やっぱり・・・すいません・・・そのブリ虫、私の・・・」

少年「え?チャンピオンのペットなの?」

ペットと言うことでシドは解放された。

シド「ワシはいつからお前のペットになったブリ?」

エリン「だって今はブリ虫じゃないですか。」

シド「まったく、どいつもこいつもブリブリブリブリ・・・」

そう言って二人は会場入りした。

父親「そう言えば聞いたことがある。チャンピオンはブリ虫のカードを自在に操ると・・・その名も『エリン・ザ・ブリ虫マスター』・・・」

そして決勝は始まった。

数分後。



エリン「私の勝ちですね。」

ラニ「くやしぃ〜・・・」

どうやらエリンが勝ったようだ。

ラニ「やっぱチャンピオンは強いね。」

シド「何を言っとるか!!チャンピオンはワシブリ!!」

ラニ「うわっ!!ブリ虫!!」

と、そこにフライヤ達が来た。

フライヤ「おや、お主は。」

エリン「あ、お久しぶりです!!フライヤさん!!」

フラットレイ「知り合いか?」

フライヤ「ええ。大公も相変わらずブリ虫で・・・」

シド「うっさいブリ!!」

ラニ「大公?」

エリン「このブリ虫、魔法でこんなになったシド大公なのです。」

ラニ「シドってあの!?」

フライヤ「そうじゃ、しかし何ゆえここに?」

シド「この大会に出ることとヒルダガルデ二号機のテストブリ。」

フライヤ「あの霧無しの飛空挺のことか。」

シド「平和になっても何があるか分からんブリ。」

フライヤ「うむ、確かに何が起こるか分からぬからな。」

と、そこに。

エーコ「あ、いたいた!!」

ビビ「みんなーー!!」

ビビとエーコが走ってきた。

フライヤ「どうした?」

エーコ「今トレノのモーグリから聞いたんだけど、剣の国アレクサンドリアが、剣の国アレクサンドリアが!!」

その頃、一人の少年もそのことに気付いていた。





ジタン「・・・始めたか・・・」

ジタンはリンドブルム港で剣の国アレクサンドリアの異変を感じていた。そして、剣の国アレクサンドリアでは。







ルビィ「みんなこっちやで!!」

ブランク「早く逃げるんだ!!」

街が火の海となり、霧の魔獣が暴れ、人々は逃げ惑っていた。

クイナ「残ってて正解だったアル!!」

街ではタンタラスとクイナが街の人を救うべく戦っていた。何故このようになったかは城からもみえていた。


コウ「あれは!!」

?「ガァーーー!!」

ダガー「バハムート・・・」

そう、バハムートが剣の国アレクサンドリアを襲撃していたのだ。バハムートはメガフレアを街中に放っていた。




トレノで息抜きをしていたが、平和はやはり長くは続かないのであろう。襲い来るバハムート、なにかを知るジタン、ついに戦いは佳境へと入っていく。



続く










あ と が き
ここら辺から段々とビビエーが多くなってきます。
特に今回の二人きりの混浴なんていいじゃありませんか。
ビビは誰が好きなんでしょうね〜?
ってもう分かってる方多いか。
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