CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第二十一話 悲しみの真実



記憶が戻り、新たな仲間を加えたジタン達。クジャを倒すため再びイーファの樹へと向かうのであった。

ジタン「まだ残ってるみたいだけど、新たな”霧”は発生していないな・・・ってことはクジャもまだ来てないって事か。」

サラマンダー「・・・”霧”をどうした?」

エーコ「ジタンとみんなで”霧”を作ってたモンスターを倒したのよ!!霧の大陸ってとこも晴れるんだって!!」

ラニ「嘘!?」

サラマンダー「・・・”霧”を晴らしただと?(本当だとしたら、こいつらのどこにそんな力が・・・)」

と、ダガーが空を見上げた。

ダガー「・・・ジタン!!銀色の竜だわ!!

ジタンも見上げた。

ジタン「・・・ああ、間違いない!!あの廃墟の蒼の国ブルメシアの雨の中、あいつは銀の竜に乗って飛び去った!!クジャだ、竜に乗ってきやがった!!」



クジャ「・・・遂に今日と言う日が来た。この僕が、望む僕を手に入れるべく、今までの仮面をぬぎ棄てる日・・・イーファの樹が解放されようが、これからの僕には関係のないこと!!もはや、とるにたらない小さな出来事・・・フフフ・・・なぜかな?イーファが今日は綺麗に見えるよ・・・星と共に生きる、母なる大樹にふさわしい麗しさだ。・・・決めたよ、銀竜。イーファの幹を観劇の席としよう。あそこなら、わき役の邪魔も入らないだろうからね。」

そう言ってクジャはイーファの幹に降りた。



ジタン「来やがったな・・・行こう!!」

ダガー「ええ!!」

ビビ「うん!!」

コウ「ああ!!」

そして一行は再び根の上へと足を踏み入れた。

コウ「あ、そうだ。エーコちょっといいか?」

エーコ「ん?」

コウ「昨日宝石を拾ったんだけど、もしかしたらって思ってな。」

エーコ「ほんと!?ってどこで拾ったの?」

コウ「マダイン・サリの壊れた家の中にあったんだ。昨日なんか気まずかったから散歩してて見つけたんだ。」

エーコ「気まずかったって?」

コウ「だってジタンとティルはどこにいたか知らんし、お前らは寄り添って寝てたしな・・・」

エーコ「ばっ!?見てたの!?」

コウ「見てたっつうか一緒の部屋だったじゃないか。ま、宝石を渡すよ。」

そう言ってエーコに宝石を渡した。

エーコ「うぅ〜・・・でも、もらっとくわ。ラピスラズリねこれ。」

ジタン「何か召喚獣でもいるか?」

エーコ「うんとね・・・ケルベロスだわ。毒の力を持つ召喚獣。」

ジタン「毒って危ないな・・・」

コウ「まぁ、ケルベロスって言ったら俺が知ってる限りじゃ地獄の番犬で唾液がトリカブトっつう化けモンだったような。」

エーコ「う〜ん、近からず遠からず・・・」

本当は地上に出たときに太陽の光を見て驚いて時に出た唾液がトリカブトになったのである。

ラニ「しっかし細い道ね。」

コウ「うだうだ言うなよ。木の根なんだからよ。」

ジタン「足元に気をつけろよ、落ちたらひとたまりもないからな。」

ビビ「・・・」

ジタン「あ・・・ビビ悪ぃ・・・」

ビビ「ううん・・・大丈夫だよ。」

エーコ「危なくなったらエーコの側にいるんだよ。」

ビビ「うん。じゃあエーコが危なくなったら僕の側にいなよ。」

エーコ「えっ?」

コウ「言い返されてるやん。」

エーコ「・・・もう!!」

ダガー「ふふふ・・・ねぇ、これ以上いくと幹を通り過ぎるんじゃない?」

ジタン「・・・確かにな。じゃあここから行くしかないのか?」

そこは明らかに道の途中で幹からも少し離れている。

ジタン「クジャはあの幹に降りた。つまりここが一番のポイントなんだな。」

エーコ「ねぇ〜どうやって行くの?」

ジタン「こっからあっちまで飛び降りて登ってくしかないな。」

ダガー「えっ?」

ジタン「自信ないか?」

皆その場を見た。

ラニ「・・・ギリ行けそうね。」

ネリク「ドワーフはこういうの苦手だド・・・」

エーコ「・・・エーコは無理・・・」

コウ「いざとなったらウィップを使えば何とかなるな。」

マックス「私は問題ない。」

ビビ「僕はちょっと・・・」

ダガー「私も・・・」

ジタン「う〜ん・・・それじゃ俺とコウにラニマックスと、サラマンダーは行けるだろうけど・・・どうするか・・・」

予想もしなかった事態に困惑する一同。と。

サラマンダー「何を迷う・・・」

ジタン「ん?」

サラマンダー「行ける奴だけで行って行けない奴はここにおいていけばいいじゃないか?」

ジタン「みんなで行かなきゃ意味がないんだ。」

サラマンダー「何でこんな甘い奴に・・・」

ジタン「そうだ!!サラマンダーちょっといいか?」

サラマンダー「・・・なんだ?」

ジタン「この辺りガルガン草が生えてるからガルガントがいると思うんだ。一匹捕まえてきてくれないか?あんたならできるだろ。」

サラマンダー「そんな力使うんだったらかついでいけばいいじゃないか?」

ジタン「お、なるほど。」

サラマンダー(何でこんな奴に・・・)

ぶつくさいいながらサラマンダーはビビとエーコをかついだ。

ビビ「わわっ!!」

エーコ「な、なによ!!」

サラマンダー「黙ってな。舌かむぜ。」

そう言ってサラマンダーは先に飛び降りた。

ビビ「わぁ〜!!」

エーコ「きゃぁ〜!!」

ジタン「行動の早い奴・・・」

コウ「俺もいくか。ネリクつかまりな。」

ネリク「すまんホ・・・」

ネリクはコウにしがみついた。

コウ「じゃ、行くぜ!!」

そしてコウも飛び降りた。

マックス「次は私が行く。」

ラニ「おさきに!!」

ラニとマックスも飛び降りた。

ジタン「最後は俺らだ。しっかりつかまっててな。」

ダガー「うん。」

そう言ってダガーはジタンにしがみついた・・・と言うか抱きついた。

ジタン「・・・これじゃ動くことが出来ないんですけど・・・」

ダガー「あ、ごめん。」

ジタン「じゃ、おんぶしてくか?」

ダガー「そうね。」

つうことでジタンはダガーをおんぶした。

ジタン(む、胸の感触が背中に・・・)

ダガー「?どうしたの?」

ジタン「い、いや・・・行くぜ!!」

そしてジタンも飛び降りた。その頃。



スタイナー「ぬぬぬ・・・」

フラットレイ「どうしたのだスタイナー?」

スタイナー「いや、何ゆえ”霧”が消えたかが気になってな・・・」

ブランク「そりゃ気になるわな。おかげで飛空挺は使えなくなっちまったし。」

ベアトリクス「いったい何があったのでしょうか?」

マーカス「分かったら苦労しないっス・・・」

シナ「ズラ。」

ベアトリクス「・・・斬りますよ。」

フライヤ「だから止さぬか・・・ん?」

フラットレイ「どうした?」

フライヤ「や、何かがこちらに向かって飛んできてるような・・・」

ブランク「はぁ!?」

スタイナー「敵か!?」

トット「ここでの争いは避けてもらえませんかね。」

ベアトリクス「申し訳ありませんがそれは相手次第です。」

と、フライヤが気付いた。

フライヤ「あれは・・・チョコじゃ!!」

シナ「チョコ?」

スタイナー「あのチョコボが何故こちらに・・・というかあの速度ではぶつかるぞ!!」

トット「これはいけません!!サクラ君逃げなさい!!」

サクラ「はい!!」

そんなことしているうちにチョコはトット家に近づいてきた。そして。

ドッゴーーーン!!

見事激突した。

ブランク「あたた・・・なんなんだよ・・・」

フライヤ「いったい誰じゃ・・・って!?」

クイナ「つぅ〜・・・今のはきつかったアル・・・」

メネ「チョコはボロボロクポ・・・」

フライヤ「クイナ!!何故ここに!!」

クイナ「オホ〜フライヤ!!ドンピシャだったアル。」

メネ「帰っていいクポ?」

クイナ「いいアルよ。」

そう言ってメネとチョコは帰っていった。

ブランク「お前外側の大陸に行ってたんじゃなかったのか?」

クイナ「いってたアルよ。」

ベアトリクス「何かあったのですか?」

クイナ「それは追々話すアル。それとトット先生っているアルか?」

トット「私ですが?」

クイナ「ダガーのことについて聞きたい事があるアルよ。」

トット「姫様についてですか?」

クイナ「アル。」

と、クイナの後ろの方で。

サクラ「ねずみのおねえちゃん・・・このぴえろさん・・・こわくない?」

フライヤ「大丈夫じゃ。何の害はない。」

サクラにとってクイナは怖いピエロに見えるようだ。

ブランク「つうか何かあったか話せよ。」

クイナ「分かったアル。」

マーカス「ジタンさんは無事なんスか?」

クイナ「無事アルよ。」

シナ「外側の大陸ってどんなとこズラ?」

クイナ「順序良く話すから待つアル!!・・・あっちは本当に”霧”がなかったアル。それにこっちとは違う種族が住んでたアル。」

フライヤ「違う種族?」

クイナ「ドワーフとエルフアル。」

ベアトリクス「ドワーフにエルフ!?」

クイナ「それと意識を持った黒魔道士が村を作ってたアルよ。」

マーカス「黒魔道士ってあの?」

クイナ「アル。」

スタイナー「意識を持ったとは?」

クイナ「・・・ビビのようなものアル・・・」

スタイナー「ビビ殿?何故?」

クイナ「ビビは村に来て自分が黒魔道士だって自覚したアルよ・・・」

ブランク「ビビが黒魔道士!?ほんとなのか!?」

クイナ「事実アル・・・」

スタイナー「ビビ殿が・・・」

クイナ「その後ドワーフとエルフから一人ずつ仲間が増えたアルよ。そしてある女の子にあったアル。」

マーカス「女の子?」

クイナ「エーコって名前で額に角が生えてるアル。」

トット「!!」

ブランク「つのぉ!?嘘だろ?」

トット「もしやその子は召喚術を使えますか?」

クイナ「使えるアル。」

トット「やはり・・・」

シナ「何か知ってるズラ?」

トット「いえ、今はクイナ殿の話を聞きましょう。」

クイナ「その後、エーコの住むマダイン・サリに来てイーファの樹に向かったアル。」

トット「マダイン・サリ・・・」

サクラ「せんせい?」

トット「いえ・・・何でも・・・」

フラットレイ「イーファの樹とは?」

クイナ「よくは分からないアルけど、”霧”の源アルよ。」

フライヤ「”霧”の源?では”霧”が晴れたのは?」

クイナ「ワタシ達がイーファの樹にいたモンスターを倒したら晴れたアル。」

ブランク「はぁ〜・・・」

クイナ「そして四つ目の宝珠もあったアル。」

フライヤ「それは飛竜の爪や砂漠の星と同じようなか?」

クイナ「アル。そして色々あった後にジタンとダガーが少しだけ記憶を取り戻したアルよ。」

スタイナー「そ、それは真か!?」

クイナ「そして話してくれたアル。ダガーはマダイン・サリで生まれたって・・・」

ほぼ一同「!!」

やはり驚くであろう。

ベアトリクス「ほんとなのですか!?」

ブランク「ちょっと待てちょっと待て!!じゃあダガーがそのなんとかサルってとこで生まれた人間だとしたら王女はほんとはいないってことになるんじゃないか!?」

クイナ「それと、ダガーとエーコは同じ召喚士一族って言ってたアル。」

トット「思い出しましたか・・・とうとう・・・」

スタイナー「何か知っておられるのですか!?」

トット「こうなったらすべて話します・・・確かに姫様は本当のガーネット姫ではありません・・・」

スタイナー「なっ!?」

トット「本当の姫様は十年前に・・・死んでしまいました・・・」

フラットレイ「そうなのか・・・」

マーカス「十年前・・・確かジタンさんがタンタラスに来た年じゃ?」

トット「そしてある嵐のあった次の日・・・船が漂着していて・・・そこに今の姫様がいたのです。額に角がありましたが・・・」

マーカス「じゃあほんとに姫さんは本当の王女じゃない?」

フラットレイ「しかしこれで召喚術が使えるわけも分かる。」

トット「そしてその後にシッポの生えた少年・・・おそらくあなた達の言うジタン殿が流れ着きました。」

スタイナー「あやつが!?」

ブランク「そういえばあいつ剣の国アレクサンドリアで拾われたって・・・」

トット「・・・私の知ってるのはこのくらいです。」

クイナ「そうそう、その二人だけど何か剣の国アレクサンドリアに着く前にマダイン・サリで会った事があるって言ってたアル。」

スタイナー「なにぃ!?」

フラットレイ「お前さっきから驚きっぱなしだぞ。」

クイナ「まぁ、こんなもんアルよ。」

フライヤ「・・・しかし、いろいろなことを知ることが出来たな。」

フラットレイ「しかし我らはここで待つしか出来ない・・・」

ブランク「ああ、何かできること無いのか?」

と、そこに。

ルビィ「大変やで〜!!」

ブランク「ルビィ、何かあったのか?」

ルビィ「ブラネが艦隊を引き連れてどこかに出航したで!!」

スタイナー「出航?いったいどこへ・・・」

フライヤ「それより、これはチャンスだ。」

マーカス「へ?」

フライヤ「おそらく今、城の警備は手薄・・・つまり・・・」

ベアトリクス「我らで奪取する?」

ブランク「おもしれぇじゃねぇか!!」

スタイナー「ブラネ様に反するが、自分も賛成である!!」

フラットレイ「よし、今すぐ城へ向かおう!!」

トット「ガルガン・ルーは使えます。頑張ってください。」

スタイナー「かたじけない!!では!!」

そしてスタイナー達九人はガルガン・ルーへと向かった。そしてその頃。



ジタン「ふぅ〜・・・」

ダガー「お疲れ。」

エーコ「ちょっとだらしなくない?」

コウ「・・・そりゃサラマンダーに運ばれてたからこのつらさは分からんだろうな・・・」

ラニ「言っとくけど・・・ジタンとコウは二人分の重さの中でここまで来たんだよ・・・私だってつらいも・・・」

ジタン「でも疲れてる場合じゃないからな・・・」

ダガー「ええ・・・」

ジタンとダガーは遠くを見た。そこにはクジャがいた。

ジタン「みんな、準備はいいか?」

ダガー「ええ!!」

ビビ「うん!!」

エーコ「いいよ!!」

コウ「いつでも!!」

ラニ「OKさ!!」

ネリク「いいだド!!」

マックス「問題ない!!」

サラマンダー「別にいいぜ。」

ジタン「行くぜ!!」

そして一行はクジャの元に走っていった。



クジャ「・・・力の無い者は、力ある者によって、自由を奪われる。それは強者の論理。そして生き残るものが強者であることは自然の摂理。だから僕には力が必要だった。そして奴ですら恐れる力の存在を知った・・・そう十年も昔のことだったね・・・決して短い時間ではなかった・・・だが、その力を手に入れる布陣が整った今・・・あぁ、魂の奮えを感じるよ・・・!!」

相変わらず謎めいた発言をするクジャ。と。

銀竜「ガァ・・・」

銀竜が何かに気付いた。

クジャ「・・・ここまで来たのかい。まぁいい・・・あの象女が現れるまでの間、前座の相手をするのも、よい余興だ。」

そしてジタン達がクジャの前に来た。

ダガー「あなたがクジャですね?私は・・・ガーネット=ティル=アレクサンドロス。あなたに問いだしたいことがあります。アレクサンドリア(以下A)女王をたぶらかし、霧の大陸全土に戦争を・・・」

クジャ「・・・戦争を起こした影の存在はこの僕ではないか、と問いたいんだね?」

ビビ「みんなを・・・黒魔道士を作って戦争の道具にしたのも!?」

クジャ「おやおや・・・お姫様は血気盛んなお人形をお持ちのようだ。」

エーコ「に、人形・・・?」

クジャ「言っておくけど僕にはそんな力は無いよ。ちょっとしたレシピを渡してあげただけさ。魂を寝かせた”霧”と言う名のスープをコトコト煮込むんだ・・・そしてまごころ込めて作った黒魔法のボウルに入れてあたためて・・・」

ビビ「やめて!!」

クジャはおそらく黒魔道士の作り方を言ってるようだが、どこか残酷さが漂っていた。

クジャ「最後まで聞かないのかい?魂の残りカスから出来た魂の無い人形の作り方をさ!!」

ジタン「・・・魂の残りカス?”霧”のことか!?」

クジャ「聞きたくないと言ったかと思えば今度は教えろというのかい?やれやれ・・・でも、君達が知るには早すぎることだよ。」

コウ「てめぇの説明の仕方が悪いだけだろうが!!」

ダガー「あなたは!!あなたは何も感じないの!?多くの人々の生命を奪って・・・」

クジャ「つまらない言い分だ・・・生きるために他の生命を奪うなんてこと、多かれ少なかれ、誰だってすることだろう。」

コウ「・・・認めたくねぇがあんたの言ってることは正しい・・・」

ダガー「コウ!?」

サラマンダー「俺達は生きるために沢山の命を奪って生きているんだ・・・否定することでもないだろう・・・」

ダガー「サラマンダーまで・・・」

クジャ「ふふふ・・・物分りがいいじゃないか。」

コウ「勘違いするな。あんたみたいに命ある者に関心を持たないほど腐っちゃいない。」

サラマンダー「てめぇの様な奴はむしずが走るんだよ・・・」

クジャ「おやおや・・・でも、多いといえばガーネット姫。それは君のママだね。全てを手に入れなければ生きた気がしないという、限りなく渇いた心を持つ君のママの事!!」

ダガー「!?」

クジャ「戦争が僕のせい?いいや違う違う!!あれは、君のママ自身が望んだ行為!!僕は背中を軽く押しただけなのさ!!」

ダガー「・・・ウソよ!!お母様は優しい人だった!!あなたが惑わしたのよ!!」

クジャの話が信じられないダガー。と。クジャと銀竜が何かに気付いた。

クジャ「フフッ・・・舞台の幕が上がる時が来たよ!!ちょうどいい、僕の小鳥、君の信じるママの本性を、見せてあげよう!!第一幕『醜い欲望の終わり』開演だ!!」

ジタン「開演?どういうことだ!?」

サラマンダー「・・・おそらくアレだろう・・・」

コウ「・・・だな。」

ジタン「お前ら何の事を言って・・・!!」

ダガー「ウソ・・・!?」

ジタン達が見たのはイーファの樹に近づくブラネの艦隊だった。



ブラネ「がはははは!!クジャめクジャめ!!遂にイーファの樹に現れよったな!!残すはお前だけ!!お前さえ倒せば世界は我が手に!!ぐふふふ・・・!!だが、お前の貢献を忘れたわけではないぞ!!褒美として最大の力をもって報いよう!!全艦に伝達!!黒魔道士兵は持てる全ての魔力を使い詠唱に入るのじゃ!!詠唱完了までは砲撃で威嚇しクジャを躍らせるのじゃ!!惜しみなく撃って撃って撃ちまくれ!!」


A上級兵「女王陛下の命令である!!黒魔道士兵は持てる全ての魔力を使い詠唱に入りなさい!!」

命令を受け、黒魔道士達は詠唱を始めた。



ダガー「そんな・・・どうして・・・」

クジャ「君のママは大陸一つじゃ物足りないそうだよ!!感動的なまでに醜く、愚かだと思わないかい?だが・・・僕の期待通りの行動だ。」

ジタン「どう言うことだ!?」

クジャ「前座は所詮前座。部隊のそでで、指をくわえて見てるがいい。」

ジタン「行かせはしないぜ!!」

クジャ「”霧”の発生は止まったが、洞窟や森などにはまだ残っているだろう?」

ジタン「なんだ!?」

クジャ「だから魔力でモンスターを作ることが出来るのさ!!出でよ、霧の魔獣!!」

霧の魔獣「ギシャーーッ!!」

ジタン「何だ!?」

ジタン達の目の前に見たこともないモンスターが現れた。

コウ「こいつが霧の魔獣か!!」

ラニ「邪魔しないでよ!!」

サラマンダー「失せろ!!化け物!!」

ザグシュッ!!

サラマンダーとラニの同時攻撃で霧の魔獣は霧となり消えた。

ラニ「クジャは!?」

コウ「・・・逃げたようだな・・・」

エーコ「コウの銃で何とかならない!?」

コウ「あいつの力じゃ銃弾が曲げられちまうだろう・・・」

ジタン「だろうな・・・それよりも・・・」

ビビ「うん・・・」

遠くでは霧の魔獣とブラネの艦隊が戦闘していた。

サラマンダー「敵さんの潰し合いか・・・だったら放っておいて、生き残った方と戦えばいい。だが、残るのはクジャだな。」



クジャ「ハハハッ!!ブラネめ、自慢の艦砲も”霧”の魔獣の素早さには役立つまい!!フフッ・・・いかに愚かなお前でも、とるべき道が一つということ、わかるだろう?愚鈍な像女め、何をためらう?それとも時間がかかっているだけなのか?・・・しかたないね、この僕も動こう。見晴らしのいい所に立ってこの身をさらしてあげるよ!!本気を出せるよう僕の姿を見せ付けてあげる・・・降りろ銀竜。」

そして銀竜はブラネからとても見やすい所にクジャを降ろした。



コウ「・・・これからどうする?」

ネリク「このままじゃここも巻き込まれるド。」

マックス「退くか・・・」

エーコ「それしかないわ。早く行こうよ。」

一行はその場を離れようとした。が。

ダガー「駄目よ・・・このままじゃ・・・」

ビビ「お姉ちゃん?」

ダガー「エーコ!!封印された召喚獣ってどこにいるの!!」

エーコ「ど、どうしたの!?」

ダガー「お母様を・・・助ける!!」

ラニ「ちょ、正気!?あんな状況でどう助けるのよ!?」

ダガー「この地に封印されてる召喚獣・・・その力を借りればもしかしたら・・・!!」

コウ「そいつは危険じゃないか?確かにブラネ女王は君の母親だろうけど・・・」

ダガー「本当の母親じゃないって言いたいの!?でも私にとっての母はあの人だけなの!!エーコ早く教えて!!」

エーコ「う、うん。ずいぶん下の根っこが集まってる所・・・あそこよ!!」

エーコはその場所を指差した。

ダガー「あそこね!!」

コウ「おいジタン。お前もなんか言えよ。」

ジタン「・・・行かせよう・・・」

コウ「はぁ!?」

ジタン「彼女の出した答えだ行かせよう・・・」

ダガー「ジタン・・・」

ジタン「ダガーは自分がどうなっても助けるって言ったんだ・・・だったら行かせればいいじゃないか・・・」

コウ「でもよ!!」

エーコ「そうよ!!危険すぎよ!!」

と口論してるうちにダガーは走り出した。

ビビ「お姉ちゃん!!危ないよ!!」

ビビは後を追おうとしたが霧の魔獣が襲ってきた。

ビビ「うわぁ!!」

コウ「ちぃ!!伏せろ!!」

ガーーン!!

ビビを襲う寸前で魔獣は倒された。

コウ「俺達も行くぞ!!」

ビビ「うん!!」

しかしジタンは動こうとしなかった。

エーコ「どうしたの!?行くよ!!」

ジタン「・・・」

エーコ「ジタン!!」

ジタン「・・・行ってくれ・・・」

ビビ「えっ!?」

ジタン「・・・今の俺にはダガーの手助けは出来ない・・・だから・・・」

エーコ「何言ってんのよ!!ダガーも危ないんだよ!!」

コウ「・・・行くぞエーコ!!」

エーコ「でも!!」

コウ「サラマンダー!!エーコを連れてけ!!」

サラマンダー「・・・しゃぁねぇ・・・」

サラマンダーはエーコを抱えた。

エーコ「ちょっと!!」

コウ「・・・信じてるからな・・・お前が来るの・・・」

ジタン「・・・」

コウ「行こう!!」

そしてジタン以外はダガーの後を追った。

ジタン「・・・おそらく俺はこの後に起こることを分かっている・・・そんな俺が・・・彼女の側にはいられない・・・」

ジタンが何かについて悩んでいる頃。



コウ「ティルの奴!!意外に足が早いな!!」

ビビ「急がなきゃ!!」

ネリク「まだド!?」

エーコ「まだまだよ!!」

マックス「ドワーフは長距離が苦手だからな。」

ラニ「しっかしジタンはどうしたんだい!?」

コウ「何かあったんじゃないか!?」

ビビ「何かって!?」

コウ「知るか!!って来たぞ!!」

一行の前から霧の魔獣が来た。

ラニ「早いよ!!」

エーコ「カーバンクル!!お願い!!」

とっさにカーバンクルを召喚した。

カーバンクル「任せて!!」

パシューー!!

霧の魔獣「グジャーー!!」

カーバンクルの光線で魔獣は霧となって消えた。

ラニ「見えた!!」

コウ「あそこか!!」

一行は召喚獣が封印されている場所を見つけた。そこにはダガーもいた。



ダガー「・・・間違いない。召喚獣がいる。」

召喚獣は石像に封印されてるらしい。その石像は蛇のような形をしていた。

ダガー(私の力になって!!)

ダガーは石像に力を込めた。と、石像に光の羽が現れ、アクアマリンが現れた。

ダガー「そんな・・・」

ちょうどビビ達も来た。

エーコ「ダガー!!召喚獣は!?」

ダガー「うん・・・力になってくれたわ・・・でも・・・」

ビビ「でも?」

と、エーコとカーバンクルが石像を見た。

エーコ「これって!!」

カーバンクル「・・・リヴァイアサンだね・・・」

ビビ「リヴァイアサン?」

コウ「確か海の王といわれる伝説の海蛇だっけ?」

ダガー「そうよ・・・でも、召喚したら・・・」

エーコ「海に大津波が起こる・・・」

コウ「じゃあ駄目じゃないか!!」

ビビ「どうするの!?」

ラニ「ねぇ、艦隊の様子がおかしいよ!!」

サラマンダー「弾切れを起こしたか?」

ブラネの艦隊は砲撃を止めていた。



ブラネ「そろそろいいか・・・あのなめくさった若造に思い知らせてやる時が来たか。来い!!ドラゴニック・シードリング!!竜王バハムート!!

ブラネが唱えると海に大きな円状の炎が広がり、中心から一匹の竜が現れた。

コウ「バ、バハムート!!あんなのまで持っていやがったのか!?」

ラニ「なんなの?」

ダガー「竜王バハムート・・・最強の召喚獣よ。これならお母様も勝てるわ!!」



クジャ「遂にバハムートを出したか・・・フフフ、予定通りだ。」

と、クジャの前にバハムートが来た。そして。

バハムート「ガァーー!!」

口から青白い炎弾、メガフレアを大量にクジャに向けて放った。

バーーン!!

クジャのいた所がメガフレアで大爆発を起こした。クジャは銀竜でその場を離れたが額から血が流れていた。

コウ「どわぁーー!!」

メガフレアの爆風がダガー達のところまで来た。

サラマンダー「噂には聞いていたがこれほどまで・・・」

ダガー「すごい・・・お母様も死なすにすむ!!ね、エーコ、すごい・・・どうしたの?」

エーコ「モグが怯えているの・・・」

ダガー「どうして?最強の召喚獣相手じゃクジャでも勝てないわ!!」



クジャ「血だ・・・ククク・・・素晴しいよバハムート!!機動力、破壊力、どれをとっても最強の名にふさわしい!!わずかとはいえ、この僕を傷つけるなんて!!そしてブラネ、生の執着者タルお前の役目も終わりだ。魂の牢獄で指をくわえて第二幕を観劇するといい。なにしろ、舞台はお前の故郷だからね・・・そして終幕、舞台はガイアを離れ・・・この手で奴を・・・!!フフフ・・・すべては僕の予定通り。」

また怪しい発言をするとクジャは空に手をかざした。と、突然黒雲が発生し、そこに巨大な目が現れた。

ラニ「な、なによあれ!?」

コウ「あれって剣の国アレクサンドリアの嵐の時に!!」

ビビ「現れた目・・・」

ダガー「あの目・・・!!」

その時またダガーの脳裏にあの光景が過ぎった。それは。



ジタン「くっ・・・!!」

ジタンの脳裏にも過ぎっていた。そして。

ジタン「・・・そうか・・・俺は・・・」



ダガー「そんな・・・こんなことって・・・」

二人同時に何かを思い出したようだ。そして空の目はブラネの艦隊とバハムートに怪しい光を放った。

ブラネ「がっ!!な、なんじゃこの光は!?あ、頭が!!」

バハムート「ギャァーー!!」

光によりブラネ達やバハムートは苦しんでいる。と、光が消えた。

ブラネ「ふぅ・・・やんだか・・・なんなんじゃあの光は・・・」

A兵「ブ、ブラネ様!!」

ブラネ「なんじゃいった・・・!!」

ブラネの目の前にバハムートが来て、今にも船を攻撃しそうだった。

ブラネ「な・・・」



ダガー「やめてぇーーー!!」

ドバガーーーン!!

ダガー「おかぁさまぁーーー!!」

バハムートはブラネ艦隊にメガフレアを放ち、艦隊を全滅させた。

ダガー「ああ・・・」

コウ「ひでぇ・・・」

ラニ「あれじゃ女王は・・・」

攻撃し終わるとバハムートは空に消えていった。

クジャ「フフフ、これで第一幕の終わりさ・・・」

ダガー達の近くにクジャが来た。

ダガー「クジャ・・・よくもお母様を!!」

クジャ「おやおや、あの像女は君の本当の母じゃないじゃないか。」

ダガー「それでも私にとっての母はあの人だけなの!!」

クジャ「まったく・・・十年前に殺しておくんだったよ。」

ダガー「え?」

クジャ「さよなら。」

そう言ってクジャは右手から魔法をダガーに向けて放った。

ダガー「あ・・・」

ビビ「お姉ちゃん!!」

放たれた魔法はもうダガーに当たりそうだった。と、その時。

フリーエナジー!!

クジャ「!?」



バーーーン!!

クジャの魔法に何かが当たりダガーに当たる前に爆発した。

クジャ「フフフ・・・よく来たね・・・」

ダガー「あ・・・」

ジタン「・・・」

ダガーの前にジタンがいた。

クジャ「まぁいい、君達は第二幕に必要だ。ここでは殺さないよ。それじゃあまた。」

そう言って銀竜に乗りどこかに飛び去った。

ダガー「ジタン・・・」

ジタン「・・・」

ジタンはずっと黙っている。

ジダ「・・・」







ビビ(その後、僕らは脱出艇で浜辺についたブラネ女王を見つけた。女王はほとんど動けない状態だった。・・・だからもうすぐ止まるんだと思う。僕はクジャもブラネ女王も大嫌いだったから・・・こうなることを望んでいたくらいだったから。嬉しいことなのに・・・泣いてるお姉ちゃんを見てると分からなくなってくる。僕もなんだか泣きたくなってくる・・・)

ブラネ「・・・ガーネットの・・・声がする・・・」

ダガー「お母様・・・ガーネットはここにいます・・・ここです!!」

ブラネ「私は・・・お前にひどいことをした・・・こうなって当然じゃ・・・」

ダガー「お母様・・・!!」

と、ジタンが二人に近づいた。

ジタン「女王・・・」

ブラネ「お前は・・・そうか・・・あの時の・・・」

ジタン「ええ・・・」

ブラネ「私は・・・お前も・・・殺そうとした・・・許されることではない・・・」

ジタン「いえ、もう・・・いいです・・・」

ブラネ「お、お前に頼みたい・・・ガーネットを・・・我が娘を・・・頼む・・・」

ジタン「・・・承知しました・・・あなたの娘は・・・私が・・・」

ブラネ「ガーネット・・・」

ダガー「はい・・・!!」

ブラネ「私は・・・自分の思うとおりに生きた・・・お前も・・・自分の思うとおりに・・・生きろ・・・」

そう言い残し、ブラネは息を引き取った。

ダガー「うっ・・・うっ・・・」

ビビ「お姉ちゃん・・・」

コウ「ティル・・・」

コウは額のバンダナを取った。

ビビ「コウ?」

コウ「礼儀さ・・・」

ビビ「・・・」

そしてビビも帽子を取った。

エネマラ「・・・」

サラマンダー「この船はまだ使えるぞ。どうする?」

ジタン「コウ!!サラマンダー!!手伝ってくれ!!」

コウ「?」

ジタン「ブラネ女王陛下を・・・剣の国アレクサンドリアに連れて行く。」

ダガー「ジタン・・・!!」

コウ「ああ・・・」

サラマンダー「しゃぁねぇ・・・」

ジタン「ネリク、マックス。お前らはどうする?」

ネリク「オレはここに残るド。」

マックス「私も残る・・・」

ジタン「そっか・・・また会えたらな・・・」

ネリク「さよならだド。」

マックス「さらばだ・・・」

そしてネリクとマックスを残し、船は出航した。



ダガー「・・・」

脱出艇の一室にダガーは止まってしまったブラネの側にいた。そこに。

ジタン「・・・」

ジタンが入ってきた。

ダガー「ライフ・・・」

ジタン「隣いいかい?」

ダガー「ええ・・・」

ジタンはダガーの隣に座った。

ダガー「・・・」

ジタン「・・・君のことだろうから・・・もう思い出してるだろ?」

ダガー「・・・ええ・・・」

ジタン「だから・・・俺はもう君の近くに入れない・・・」

ダガー「・・・」

ジタン「でも、今はいられる・・・だから・・・」

ダガー「うっ・・・」

ダガーの目に涙が溢れてきた。

ジタン「・・・胸貸すから・・・思いっきり泣きなよ・・・」

ダガー「うっうっ・・・うわぁぁーーー!!」

ダガーはジタンの胸で泣き出した。そして。

ジタン「くっうっ・・・」

ジタンもダガーの背中に手をまわし、ダガーを抱きしめて泣いた。ダガーはジタンの胸にしがり、ジタンはダガーを強く抱きしめた。


ビエ「・・・」

ダガーの泣き声は外にも響いていた。

エーコ「ダガー・・・」

ビビ「エーコも泣きたかったら僕の胸を貸すよ・・・」

エーコ「ありがと・・・じゃあビビが泣きたくなったらエーコの胸を貸すよ・・・」

ビビ「うん・・・」

サラマンダー「・・・」

ラニ「コウ・・・」

コウ「そっとしておきな・・・あいつらには・・・まだつらいことだろうから・・・」

ラニ「うん・・・」

コウ「サラマンダー・・・運転大丈夫か?」

サラマンダー「お前らはそこで休んでろ・・・きっちり剣の国アレクサンドリアにつれてってやる。」

サラマンダーの運転で船は剣の国アレクサンドリアへと向かった。









A兵「ベアトリクス将軍!!船が見えました!!」

ベアトリクス「本当ですか!?」

この様子から察するにスタイナー達は城を奪取したようだ。

A兵「しかし、脱出艇のみなんです。」

スタイナー「何!?ブラネ様はどうしたのだ!?」

フライヤ「行けば分かるであろう。船着場へ向かおう。」

スタイナー達は船着場に来た。ちょうど船も来た。

ブランク「いったい誰がいるんだ?」

と、ダガーが降りてきた。

スタイナー「おお姫様!!お久しゅうございま・・・ひ、姫様!?」

ダガーはまだ泣いていた。

スタイナー「姫様!!いったいなにが!?」

と、ジタンも降りてきた。

スタイナー「ジタン!!いったい何があったのだ!!姫様が泣いておられるぞ!!」

ジタン「・・・今はそっとしてやれよ・・・少しの間二人っきりにさせてくれ・・・」

そう言ってジタンはダガーをつれてどこかに行った。

ブランク「なにがあったんだ?」

と、ビビとエーコが降りてきた。

クイナ「ビビエーコ、いったいどうしたアルか?」

ビビ「・・・ごめん・・・今はちょっと話す気にはなれない・・・」

エーコ「うん・・・」

そう言って二人もどこかに行った。今度はラニが降りてきた。

ラニ「フラットレイ・・・久しぶりね・・・」

フラットレイ「ラニ!?」

フライヤ「知ってるのですか?」

フラットレイ「お前たちと分かれたあと少し旅をしてた。所で何があった?」

ラニ「・・・やっぱあいつら言えなかったんだ・・・」

マーカス「言えなかったって?」

と、コウが降りてきた。

コウ「辛いんだったら俺が言うよ。」

スタイナー「コウ!!お主もいたとは!!」

コウ「色々あってな・・・」

ベアトリクス「で、何があったのですか?」

コウ「・・・ブラネ女王が・・・死んだんだ・・・」

一同「!!」

皆に衝撃が走った。

スタイナー「ば、馬鹿な!!」

コウ「ウソだと思うんならこっちにきな・・・連れて来てるからよ・・・」

と、サラマンダーがブラネをつれてきた。

サラマンダー「・・・ご覧の通りさ・・・」

スタイナー「ブ、ブラネ様・・・」

ベアトリクス「・・・」

ブランク「・・・ブラネにはムカついていたけど・・・なんだよこの感じ・・・」

フライヤ「どんな者だろうと死には変わりないからな・・・」

スタイナー達も悲しみにくれるのであった。その頃。



エーコ「・・・ビビ、何か話してよ・・・」

ビビ「・・・ごめん、今は何も・・・」

エーコ「・・・だったらさ・・・今は側にいてくれない?」

ビビ「・・・うん、ごめんね気が利かなくて・・・」

エーコ「ううん、いいよ・・・」

と、そこに。

女の子「あ!!ビビ君!!久しぶり!!」

ビビ「あ・・・」

前に縄跳びを一緒にやった女の子がいた。

女の子「その子は友達?ちょっと元気がない見たいだけど。一緒に縄跳びしない?」

エーコ「ビビ・・・」

ビビ「行こう。それに暗いエーコなんてエーコらしくないよ。」

エーコ「・・・うん。そうよね!!行こうよ!!」

女の子「じゃああっちでやるからおいで!!」

ビビ「うん!!」

エーコ「あ・・・」

ビビは無意識にエーコの手を握っていた。またその頃。



ダガー「話って・・・?」

ジタン「・・・分かってるだろ?俺のこと・・・」

ダガー「うん・・・」

ジタン「だから・・・もう側にいることは出来ないんだ・・・」

ダガー「でも・・・それでも私にはあなたがいないと・・・」

ジタン「駄目なんだ・・・俺には君の側にいる資格はないんだ・・・十年前・・・君を殺そうとした俺には・・・」

ダガー「そんなこと言わないでよ!!お願い・・・」

また泣き出しそうだった。

ジタン「・・・ごめん・・・俺のことは・・・忘れてくれ・・・だから・・・」

ダガー「言わないで!!」

ジタン「・・・さようなら・・・!!」

そう言ってジタンはその場を離れた。その瞳には涙が溢れていた。ダガーもその場に泣き崩れていた・・・




何があったのか分からないが離れつつある二人の心。二人だけにある悲しき過去。そしてジタンの言った、ダガーを殺そうとした・・・何があったのかは、二人意外誰にも分からない・・・



続く










あ と が き
ついにブラネが死にました。
ま、そんなことはどうでも言いとして新たな大陸編最後です。
ほとんどDISCと同じです。
次の終わりだけ違いますがね。
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