CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第二十話 二人の記憶



イーファの樹で”霧”の発生を止めたジタン達だったが、マダイン・サリで新たな事件が起こった。ジタン達はマダイン・サリへと向かった。

エーコ「た〜だ〜い〜ま〜!!」

ジタン達はマダイン・サリに戻ってきた。と、そこにモーグリたちがやって来た。

エーコ「モコに聞いたわ。どうなの!?」

モリスン「とにかく来てくださいクポ!!」

エーコとモーグリ達は現場に先に向かった。

ジタン「お、おいエーコ?俺たちも行って見よう。」

そしてジタン達も現場に向かった。

ジタン「あそこか!?」

ジタンはモーグリ達が集まっている所に来た。その部屋にはエーコがいた。

ジタン「エーコどうした!?」

エーコ「大事っ、なっ・・・村にずっと伝わる、大事な宝石が・・・なくなってるの。おじいさん達が・・・『自分達がこの地に生きる証だ』って大切にしてたのに・・・」

エーコは泣きそうだった。

ジタン「・・・こらえるくらいなら思いっきり泣いたらどうだ?」

エーコ「な、泣くわけないでしょ!!エーコはもう一人前なんだから!!泣いてどうにかなる問題じゃないんだから!!」

ジタン「・・・わかった。じゃあまず、盗んだ奴の手がかりを探そう。」

そこにダガーも来た。

ダガー「私も手伝うわ。」

エーコ「うん・・・」

ジタン「みんなも手分けして探してくれ。」

クイナ「アル。」

そして手がかりを探し始めたが、エーコの様子がおかしかった。

エーコ「・・・ヒック・・・」

ジタン「?」

エーコ「・・・エーコの・・・ヒック、エーコのせいかなぁ・・・ヒック。約束やぶってイーファの樹の封印・・・といたからかなぁ・・・ヒック。あんなに・・・あんなにみんなが大切にしてたのに・・・」

ジタン「エーコ・・・」

明らかにエーコは泣いていた。

ジタン「偶然に決まってるだろ!!エーコのせいなんかじゃない。」

エーコ「・・・ヒック・・・」

ジタン「それに、エーコに封印をとかせたのは俺たちだ・・・けど、わかってるだろ?本当に悪いのは盗んだ奴だ。今は手がかりを見つけて、盗んだ奴を追いかけよう。」

エーコ「・・・ヒック・・・うん!!べ、別に泣くつもりはなかったのよ?だってエーコ、もう大人だもの。」

ジタン「もちろんわかってるさ。一人前でも、泣くときは泣く!!」

エーコ「ちょっとおじいさんに祈ってくる!!すぐ戻るね!!」

そう言ってエーコは外へ出て行った。

ジタン「ダガーも泣きたいときはないていいんだぜ?い〜つでも俺の胸貸してやるからさ!!」

ダガー「・・・あ、ありがとう・・・ねぇジタンは?ジタンはそういう時どうするの?」

ジタン「もちろんダガーの胸を借りるわけさ!!」

ダガー「!!・・・もぉ!!」

ジタン「あれ?駄目?」

ダガー「(ボソッ)・・・別にいいけど・・・」

ジタン「何か言った?」

ダガー「な、何も言ってないわよ!!」

ほのぼのとした光景なのだがその時。

きゃーー!!

ジダ「!!」

遠くから叫び声が聞こえた。

ダガー「今叫び声がしなかった?エーコの声が・・・」

ジタン「しまった!!盗んだ奴はまだここにいたんだ!!」

と、ビビが部屋に入ってきた。

ビビ「ジタン!!エーコが、フォッシル・ルーで会ったあいつがエーコを捕まえて!!」

ジタン「フォッシル・・・ラニか!?それで今どこに!?」

ビビ「召喚壁にいるよ!!」

ジタン「行くぞ!!」

ジタン達は召喚壁に来た。そこにはモーグリ達が集まっていた。

ジタン「中はどうなってる?」

モリスン「大きな斧を持った女性がエーコ嬢を・・・」

ダガー「やっぱりラニね。」

コウ「ラニ・・・か・・・」

ジタン「モグはどうしてるんだ?」

モリスン「モグは私の後ろに。」

モグ「クポォ・・・」

ジタン「・・・この様子じゃかなり怖がっているな・・・待ってろ、必ず助け出してやるからよ。」

ダガー「どうするの?」

ジタン「あいつの目的は君のペンダントだからな・・・一ついい手がある。」

ジタンは皆に作戦を教えた。

ジタン「・・・じゃ、頼んだぜ・・・」

コウ「おう。」

作戦を教えられ、コウクイナネリクマックスは召喚壁の周りに散った。

ジタン「行くぞ。ダガーペンダント・・・」

ダガー「うん。」

ダガーはペンダントをジタンに渡し、ジタンダガービビは中に入った。

ラニ「あ〜ら、ようやくナイト様のご登場ね。」

エーコはラニにつかまれて黙っていた。

ジタン「エーコに何をした!!」

ラニ「あんまりうるさいからスリプル草で眠ってもらっただけよ。」

スリプル草はスリプル(相手を眠らせる魔法)と同じ効果をもつ草である。

ジタン「くそ・・・」

ダガー「私のペンダントが欲しいなら私を狙いなさい!!」

ラニ「あら、私は効率よく事を進めたいだけなの。ペンダントを渡せばこの子を返す、単純でしょ?・・・いつも首から下げていたペンダントはどこにやったの?」

ジタン「俺が預かっている。」

ラニ「さすがはナイト様!!じゃあ早くよこしなさい。」

ジタン「その前に教えてくれ。村の宝を盗んだのはお前なのか?」

ラニ「ブラネ女王陛下の求める王家のペンダント・・・それと同じ宝石の飾りをこの村で見つけたわ!!わざわざ追ってきた甲斐があったというものよ!!」

ジタン「宝がペンダントと同じ?」

この時ジタンはあることに気付いた。

ジタン(これで四つ目・・・何か関係があるのか?)

ラニ「さぁ、渡しなさい!!」

ジタン「ちっ・・・」

ジタンは召喚壁の上を見た。そこにはクイナ達が今にも飛び出しそうな構えを取っていた。先程の作戦はどうやらジタンがエーコを助けた後にクイナ達が一斉に不意打ちを仕掛けるというものらしい。

ジタン(エーコの意識がないのは厄介だな・・・)

ジタンはペンダントを渡そうとラニに近づいた。が。

ラニ「ちょっと待って!!あなた何かたくらんでない?・・・そこを動かないで!!」

ジタン「くっ・・・」

ラニ「あの化け物が見当たらないから薄々思ってたけど、私に近づいたときにこの子を奪い返して宝を取り返すつもりだったんでしょ?」

ダガー「!!」

作戦がばれてしまった。

ラニ「そこの黒魔道士!!」

ビビ「えっ?僕?」

ラニ「ペンダントを受け取ってお前がこっちに持ってきなさい!!さぁ、このガキの命がおしかったら言った通りにするんだよ!!」

ビビ「ジタン・・・」

ジタン「・・・ビビ、頼む。」

ビビ「・・・う、うん。」

ジタンはビビにペンダントを渡した。そしてビビはペンダントをラニに渡した。

ラニ「うふふふふふ・・・これで私も大金持ちよ!!」

ジタン「くそう・・・」



コウ「ばれていたようだな・・・ちっ!!」

マックス「どうするのだ?これでは何も出来ないぞ。」

ネリク「無理矢理行ったらエーコが危ないラリ・・・」

クイナ「でもこのままじゃペンダントは・・・」

打つ手が無くどうしようもない四人。と、そこに。

?「クイナ、どけ。」

クイナ「ル?」

?「はあ!!」

クイナ「アルっ!!」

何者かがクイナを飛び越えラニに飛び掛った。

ラニ「きゃっ!!」

ジタン「よっ!!」

何者かがラニの手からエーコを落とし、ジタンがキャッチした。

ジタン「誰だか知らないけど助かったぜ!!」

ラニ「ちょ、ちょっとダンナ!!」

何者かはラニと共に雇われた焔色の髪の男だった。

ラニ「何の冗談よ!!」

焔色の髪の男「人質なんて卑劣な手段は嫌いなんでね・・・」

と、クイナ達が降りてきた。ちなみにネリクは着地の際にこけている。

クイナ「助かったアル、サラ。」

ジタン「サラ?」

コウ「サラ・・・!!お前焔色のサラマンダーじゃねぇか!?」

ジタン「何!?こいつが!?」

男の名はサラマンダーと言うらしい。

ビビ「誰なの?」

コウ「焔色のサラマンダー、本名サラマンダー=コーラル。裏稼業世界bPの男だ。」

ダガー「知ってるわ。トレノに十万ギルで手配がかかってたわ。」

ジタン「知り合いだったのか?」

クイナ「ジタン達との旅の後に少し一緒に旅してたアルよ。」

エーコ「ふぁあぁぁ〜」

エーコが目を覚ました。

ジタン「よぉ!!立てるか?」

エーコ「あれぇジタン?なぁに?レディの寝顔を・・・!!あのオバサンは!?」

ラニ「誰がオバサンよ!!私はまだ19よ!!」

コウ「ラニ、この状況じゃお前に勝ち目はない・・・宝は返してくれ。」

ラニ「あ、あんたは!!」

ラニはコウのことを知ってるらしい。

サラマンダー「宝珠のかけらを置いて失せるんだな・・・」

ジタン「やっぱり宝珠だったのか。」

ラニ「くっ!!覚えてなさい!!」

サラマンダーに宝を渡してラニは去った。

コウ「ラニ・・・」

クイナ「久しぶりアルなサラ。」

サラマンダー「・・・そうだがお前には用はない。用があるのは、お前だ。」

サラマンダーはジタンを指差した。

ジタン「は?」

サラマンダー「さあ、戦え!!」

ジタン「ちょ、待ってくれよ。どう言うことだ?」

サラマンダー「さっきのは助けたわけじゃない・・・純粋な戦いをするためにしたことだ。」

クイナ「サラ!!」

サラマンダー「悪いなクイナ、こいつがお前の仲間だろうが俺には関係ねぇ。」

ジタン「わかった、受けて立つぜ。」

ダガー「ジタン!!」

ジタン「大丈夫。たまにはいとこ見せなきゃって思ってた所さ!!」

サラマンダー「たいした自信だな。」

そう言ってジタンは短剣を握り、サラマンダーは右手に大きな爪を装着した。

ジタン「行くぜ!!」

先に仕掛けたのはジタン。短剣でサラマンダーに斬りかかった。

サラマンダー「甘い!!」

サラマンダーはジャンプしてかわした。

ジタン「ちっ!!」

サラマンダーは着地したと同時にジタンに爪を向けた。

サラマンダー「はぁ!!」

ジタン「くっ!!」

ジタンは寸前で避けたが左ほほにかすり、三筋の傷が出来てそこから赤い血が流れ出た。

ジタン「うらっ!!」

ジタンは右フックでしかけた。

サラマンダー「ちいっ!!」

サラマンダーはギリギリ避けることが出来たが一瞬隙が出来てしまった。そこを狙いジタンが。

ジタン「たあ!!」

サラマンダーの頭部へ蹴りをしかけた。

バシッ!!

サラマンダー「ぐっ!!」

ジタンの蹴りはサラマンダーの左ほほにクリーンヒットした。

サラマンダー「くそっ!!」

サラマンダーは一度ジタンか離れ、再び爪でしかけてきた。

ジタン「二度も喰らうか!!」

ガチャン!!

ジタンは爪を短剣で受け止めた。サラマンダー「何!?」

ジタン「こいつで!!」

ジタンは短剣を振り上げサラマンダーの右腕ごと爪を弾き、サラマンダーのボディががら空きになった。

ジタン「とどめだ!!」

ジタンはサラマンダーのボディに回し蹴りをしかけた。

ドスン!!

サラマンダー「がっ!!」

ジタンの回し蹴りは見事に当たり、サラマンダーは少し飛ばされた。

ジタン「もいっちょ!!」

ジタンはサラマンダーに向けてジャンプした。

ジタン「はぁー!!」

どうやら落下の速度を加えて威力を高めるらしい。

サラマンダー「これで終わるか!!」

サラマンダーはその場から離れた。

ジタン「なっ!?」

ジタンはジャンプしてるため方向転換がきかず、サラマンダーがいた場所に着地するしかなかった。

サラマンダー「さっきのお返しだ!!」

サラマンダーは左フックでしかけてきた。

ジタン「しまっ!!」

バシッ!!

ジタン「がっ!!」

着地したと同時にジタンはサラマンダーのフックを顔の右側に喰らい、少し飛ばされた。

ジタン「くっ・・・」

サラマンダー「どうした?終わりか?」

ジタン「ぺっ!!・・・まだまださ・・・」

ジタンは殴られたときに口の端が切れてそこから血が少し出て、口の中にたまった血を吐いた。

ジタン「ちょっと手加減してみたけど・・・こりゃ手ぇ抜いたら危ないな。」

サラマンダー「俺を倒すんだったら本気で来るんだな。」

ジタン「じゃ、前にフラットレイと手合わせしたときにやったアレを、お前にも喰らわせてやるか・・・」

サラマンダー「ほう・・・そいつは楽しみだな・・・」

と、ジタンは右手の短剣を改めて握り締めた。

サラマンダー(この感じ・・・しかけてくるな・・・)

ジタン「・・・」

ジタンはかなり集中している。そして。

ジタン「・・・行くぜ・・・!!」

シュッ!!

サラマンダー「なっ!?」

突然ジタンが消えた。

エーコ「ちょ、どう言うこと!?」

コウ「早さだ・・・今あいつは普通の視力じゃ追いつけられないほど早く移動してるんだ。」

サラマンダー「姿は見えてなくても気は分かる・・・そこだ!!」

サラマンダーは気を感じた場所を拳を振った。が。そこにはジタンはいなかった。

サラマンダー「なんだと!?ならばそこか!!」

サラマンダーはまた気を感じた場所に今度は蹴りをしたが、そこにもいなかった。

サラマンダー「何!?」

ジタン「こっちだ!!」

ジタンはサラマンダーの後ろにいた。

サラマンダー「い、いつの間に!?」

ジタン「遅い!!」

ドスッ!!

サラマンダー「があっ!!」

ジタンはサラマンダーの背中にとび蹴りをかました。

ジタン「まだまだ!!」

と、今度はサラマンダーの前に来た。

ジタン「今度こそとどめ!!」

バシッ!!

サラマンダー「ぐっ・・・」

ジタンはサラマンダーに溝打ちをした。先程の蹴りの衝撃とは違う方向へのパンチだったので、蹴りの衝撃と溝打ちの衝撃がサラマンダーをはさみ、大ダメージを与えることが出来た。

サラマンダー「くっ・・・俺の負けだ・・・」

エーコ「さっきのは?」

クイナ「ジタンの素早さを最大に引き出したかく乱技アルよ。あれを見たのはフラットレイ以来アル。」

ダガー「じゃあ初めからやってたら?」

クイナ「でもアレは早すぎて息が出来ないアル。だから長くは出来ないアルよ。」

ダガー「そうなんだ。」

ジタン「はぁ・・・はぁ・・・」

確かに苦しそうだった。

サラマンダー「どうした?とどめをさせ!!」

ジタン「立てるか?」

サラマンダー「・・・」

ジタン「盗んだ奴返してくれないか?」

サラマンダー「・・・」

サラマンダーはジタンに宝を渡した。

ジタン「エーコ、取り返したぜ!!」

サラマンダー「・・・さあ殺せ!!」

ジタン「なんだよ、死にたいのか?せっかく拾った命を粗末にするもんだ。」

サラマンダー「行け、というのか?」

ジタン「ああ。」

サラマンダー「何故だ?」

ジタン「何故っていわれてもなぁ・・・勝負して命があったんだからそれで充分だろ?」」

サラマンダー「殺しが怖いのか?」

ジタン「お前を殺しても俺には何の得もないからな。だから行けよ。」

サラマンダー「・・・」

クイナ「サラ、行くアルよ。ジタンの言ってることは正しいアル。」

サラマンダー「・・・」

サラマンダーは立ち去った。

ジタン「ちゃんとしまっとくんだぜ。」

ジタンはエーコに宝を渡した。

エーコ「うん、しまってくる!!ありがと!!」

ビビ「僕も行くよ。一人じゃ危ないからね。」

エーコ「ビビ・・・うん、そうよね!!」

そして二人もその場を去った。

ジタン「久々に痛い思いしたな。」

ダガー「ジタン。血が・・・」

ダガーはジタンからもらったバンダナでジタンの口を拭いた。

ジタン「あ、ありがとう。」

ダガー「ほほはケアルをかければ大丈夫ね。ケアル!!」

ケアルでジタンのほほの傷は消えた。

コウ「・・・なぁんか俺ら邪魔だな。」

クイナ「アル。」

そう言ってコウ達もその場を去った。

ジダ「・・・」

突然二人っきりになって黙ってしまう二人。

ジタン「・・・行こうか・・・」

ダガー「うん・・・」

そして二人は宝があった部屋に行った。そこにはエーコとビビがいた。

ビビ「あ、ジタン・・・エーコ、さっきから黙ってるんだ。」

ジタン「どうしたんだ?」

エーコ「ジタン、聞いて欲しいの。おじいさん達は、エーコが16歳の大人になるまで村を離れないように、って・・・でも、エーコは、ジタン達が行く所に行きたいの!!真剣に考えたの!!村を出ることに賛成してくれる?」

ジタン「そういうことか・・・賛成して欲しいならおいくらでもするぜ?『エーコ、俺達と一緒に来いよ』、『おじいさんの言葉なんて気にするな』。俺が何を言ってもエーコの気持ちはもう決まってるだろ?」

エーコ「・・・」

ジタン「そうだな、ビビからエーコに言えることがあるんじゃないか?」

ビビ「えっ?」

エーコ「・・・」

ビビ「イーファの樹で、エーコが僕に言ってくれたよね。『自分の気持ちにウソついちゃ駄目』って。僕、自分の気持ちにウソつかないように頑張るから・・・エーコも・・・」

エーコ「ビビ・・・〜〜〜〜〜ん!!自分で言ったことなのに忘れてたわ!!・・・ありがと!!宝珠、耳につけて持ち歩く!!これなら大丈夫ね!!」

ジタン「そう言えばその宝珠には名前があんのか?」

エーコ「う〜ん・・・追憶のイヤリングってのはどう?」

ジタン「じゃ、そうするか。」

ダガー「ねぇ。」

ジエ「ん?」

ダガー「モグが話をしたいそうだけど。」

四人の所にモグが来た。

モグ「ク、クポォ。」

エーコ「・・・」

モグ「クゥポォォ。」

エーコ「ううん、怒ってないわ・・・なんて言う訳ないでしょ!!またエーコを残してひとりで行って!!約束したじゃない!!もしエーコの目の届かない所で危ない目にあったらどうするのっ!?」

モグにエーコの雷が落ちた。

モグ「クポォ・・・」

エーコ「でも、まぁお互い無事だったんだからよかったわ!!」

ビビ「・・・エーコってモグに優しいんだね。」

エーコ「だってエーコ達親友だもの!!同じ日に生まれてず〜っといっしょだったのよ!!このリボンは親友の証!!モグがプレゼントしてくれたの!!モグ、エーコのリボンはちゃんと持ってる!?」

モグ「クポッ!!」

モグはピンク色のリボンを出した。

エーコ「これはエーコがあげたの!!モグにはまだ大きいけど、二人がステキなレディになったときにいっしょにつけるのよね〜!!」

モグ「クポ〜ッ!!」

エーコ「そのときはジタン、ダンスとかしてくれるかなぁ・・・ジタン?」

ジタン「・・・モグって女の子だったのか・・・」

色々あったがマダイン・サリでの事件は何事もなく終わった。そして小一時間後・・・

ジタン「ふぁ〜・・・イーファの樹には明日向かうか。」

ジタンは家の前にいた。

ジタン「こっちでも色々あったからな・・・あっちの奴らにこの事を伝えときたいんだがなぁ・・・」

ジタンは何かを考えていた。

ジタン「手紙じゃ届くのは遅いし・・・チョコならすぐにいけるんだけど、そうなると誰か一人欠ける事になるし・・・う〜ん・・・」

どうやらトレノにいる仲間に外側の大陸であったことを伝えたいらしい。

ジタン「どうしたもんかなぁ・・・ん?」

ジタンは何かに気付いた。

ジタン「歌が聞こえる・・・セーラが近くにいるのか?」

ジタンはダリと船の国リンドブルムで聞いたあの歌を耳にした。

ジタン「下からか・・・」

ジタンは下に向かった。そこは船着場で、小さな船があった。その船にダガーが乗っていた。

ジタン「ここにいたんだ。」

ダガー「ライフ・・・」

ジタン「歌ってていいんだぜ。俺らだけの歌なんだから。それにしてもよくこんなとこ見つけたな。盗賊の素質があるんじゃないか?そうだ!!俺と一緒にチーム組まないか?名付けて『めおと団』!!」

ダガー「・・・素質はともかくその名前はどうかと思う・・・」

ジタン「なんていうか、最近のダガーはイイ感じだよな。」

ダガー「・・・だとしたらあなたのおかげね。」

ジタン「そうじゃないさ・・・君がなろうとしたからさ。」

ダガー「ううん・・・ライフがいてくれたからよ。私だけじゃ城を出ることなんて出来なかった・・・いつも空回りしていた・・・くじけそうな時もあった・・・でも、ライフがいたから・・・ううん、ライフだけじゃない。」

ジタン「ああ、ブランクにマーカス、フライヤにフラットレイ、スタイナーのおっさんにベアトリクス。」

ダガー「ビビにエーコ、クイナにコウ、ネリクにマックス・・・みんなのおかげよね。」

ジタン「そうだな。」

ダガー「あっちのみんなは無事だって信じてる。でも、時々不安になるの・・・私、助けてくれたみんなの期待にちゃんとこたえてるのかな・・・」

ジタン「・・・そんな重く考えなくていいと思うけど。」

ダガー「だって!!」

ジタン「よっと。」

ジタンも船に乗った。

ジタン「みんな、ダガーに責任感じて欲しいなんて思ってない・・・ダガーのためだけじゃない。みんな自分で道を選んでやったことさ。」

ダガー「自分・・・で・・・ライフは?」

ジタン「ん?」

ダガー「どうして一緒に来てくれたの?まだはっきりとした理由を聞いてないわ。」

ジタン「そいつは・・・イプセンの言ったセリフだ。」

ダガー「イプセン・・・?」

ジタン「イプセンってのは本当にいた冒険家でさ、その冒険を話を元に書いた芝居だったと思うんだけど・・・こんな話なんだ・・・」

ジタンは話し出した。



イプセンとコリンと言う二人の友人がいた。二人はトレノの館で働いていた。ある日、イプセンの元に手紙が届く。けれどその手紙は雨に濡れたかにかでほとんど読めなかった。かろうじて読めたのは”家に帰れ”ということ。今でこそ、飛空挺があるから移動は楽だけどそんなの、なかったことの話さ。何故だか分からないままイプセンは暇をもらい旅のしたくをして、旅立った。川を越え山を越え、”霧”を超える旅。モンスターに襲われることがあってもコリンと二人なら、何とかなった。こうして幾日か過ぎたある日、ふとイプセンが気付いてコリンに聞いたんだ。『お前、どうして来たんだ?』



ダガー「・・・コリンはなって答えたの?」

ジタン「『お前が行くって言ったからさ。」

その時風が吹いて二人の乗った船が外に流れ出た。

ダガー「ライフ・・・私・・・」

ジタン「セーラ?」

と、二人の耳に何かが聞こえた。

ダガー「歌が聞こえない!?」

ジタン「ああ、これはあの歌じゃないか?」

ダガー「どうして・・・!!ねぇこの景色!!

ジタン「景色・・・!!なあ!!」

二人が見た景色とは夕日を浴びて燃えるように見える召喚壁だった。

ダガー「ええ・・・見覚えがあるわ・・・多分・・・あたなも・・・」

ジタン「どういうことだ・・・俺はこの前初めてきたはずなのに・・・?初めて?」

ダガー「・・・初めてじゃない・・・私は・・・ここで・・・?」

その時。

ジダ「!!」

二人の脳裏に何かがよぎった。

少年と少女・・・巨大な竜巻・・・燃え行くマダイン・サリ・・・さまざまな光景が二人の脳裏によぎる。

ジタン「いったい・・・!!」

その時ジタンの脳裏によぎったのは長身の男と先程の子供だった。

ジタン(何者だ・・・いや、俺は知ってる・・・?俺の中でとても近い存在・・・)

その光景はダガーの脳裏にもあった。

ダガー(誰なの!?この人達は!?・・・私?)

そして男は少年に向けて魔法を放ち、少年は海に落ちた。

ジタン(なんなんだよこれは!?なんで小さい頃の俺が・・・小さい頃の・・・俺!?)

そして少女は母親らしき人物と小船に乗り荒れ狂う海に逃げた。ダガー(これって私がよく見るあの夢じゃ・・・)

二人の脳裏には途切れ途切れに何かの光景がよぎっていた。そしてそれが終わった時、二人に異変が。

ダガー「あ・・・」

ジタン「く・・・」

突然二人は倒れた。その頃。



エーコ「ふんふふ〜ん♪」

エーコは鼻歌交じりで旅のしたくをしていた。

ビビ「ねぇ・・・まだ持ってくの?」

エーコ「まだまだよ。」

まだまだと言うが、その荷物の量はジタン達の荷物とコウの一人旅の荷物を足して2倍にしても、明らかにエーコの方が多かった。

ビビ「そんなに持って行かなくても・・・」

エーコ「いいでしょ!!備えあればなんとかよ!!」

ビビ「でも僕らは戦いもするんだし、荷物が沢山あったら上手く動けないでしょ。」

エーコ「う・・・それもそうよね・・・」

と、そこにコウがやってきた。

コウ「なぁ、ジタンとティル見なかったか・・・って何だこの荷物!!」

エーコ「やっぱり厳選するかな・・・」

コウ「これはないぜ・・・」

ビビ「うん・・・それと二人はさっきから見てないけど。」

コウ「駆け落ちでもしたか?」

エーコ「ぶっ!!か、駆け落ちって!!そんな縁起でもない!!」

コウ「いや、あの二人は若いし年頃だし、何かやらかしてもおかしくないぜ。」

エーコ「そ、そんな言うもんじゃないわよ!!エーコが許さないわ!!」

コウ「なんで?別に二人のことだからいいだろ。」

エーコ「なんでも!!」

ビビ「(ボソッ)エーコ・・・やっぱりジタンのことが・・・」

コウ(ジタンから聞いたけども・・・こりゃ複雑だな・・・ジタンにティル、ビビにエーコ。いったいどう動くかな?)

心なしかこの四人は複雑な関係になっていた。

コウ「ま、それはいいとしてほんとに二人はどこ行ったんだ。」

ビビ「さぁ・・・」

エーコ「多分・・・!!どっか・・・!!散歩にでも・・・!!行ってるんでしょ!!」

エーコはまた大量の荷物を袋に無理矢理詰め込んでる。

コウ「二人っきりでか?」

エーコ「ばっ!!そんなわけないでしょ!!別々に決まってるわよ!!」

コウ「はいはい・・・」

と、クイナが慌ててやってきた。

クイナ「たたた大変アル!!」

コウ「どうした?あの二人が恋の逃亡でもしたか?」

エーコ「んなわけないでしょ!!」

クイナ「ジタンとダガーが小船の上で倒れてるアル!!」

コウ「何!?やばいんじゃないか!?」

クイナ「おまけに普通じゃ届かないとこまで流れ出てどうしようもないアル!!」

ビビ「大変だ!!」

コウ「俺のウィップでなんとかする!!エーコ船着場ってあるのか!?」

エーコ「下にあるわ!!」

コウ「行くぞ!!」

その後、コウの力で二人は救助されたが、意識は無かった。そのまま夜を迎えた。



ビビ「まだ目覚めないの?」

コウ「こいつは時間との対決だ。もう少し待ってなよ。」

ビビ「うん・・・」

そしてビビは召喚壁の前に来ていた。

ビビ「あの時・・・僕が一緒に行ってれば・・・エーコを守れたかもしれない・・・それに・・・捕まってた時も何も出来なかった・・・僕に・・・エーコを守る資格は無いんだ・・・はぁ、嫌われてるだろうな・・・」

ビビは悩んでいた。と。

ビビ「ん?」

ビビは何かに気付いた。

ビビ「笛の音?この上から?」

ビビは召喚壁の上に登った。そこには。

ビビ「・・・エーコ・・・?」

エーコが横笛を吹いていた。

エーコ「・・・」

笛の音色は美しく、月明かりに照らされたエーコの姿はどこか幻想的で綺麗だった。

ビビ「・・・」

ビビはそんなエーコの姿に見とれていた。と。

エーコ「・・・ビビ?」

エーコがビビに気付いた。

ビビ「あ・・・吹いてていいよ・・・隣いい?」

エーコ「・・・うん・・・」

ビビはエーコの隣に座った。

ビビ「綺麗な音色だったね。」

エーコ「エーコね、前から何かあったら景色がいい所で笛を吹くのよ。」

ビビ「何かあったらって、何かあったの?」

エーコ「・・・ちょっとね・・・」

ビビ「ジタンとお姉ちゃんの事?」

エーコ「・・・あたり・・・」

ビビ「・・・」

ビビは複雑な気持ちになった。

エーコ「あの二人に・・・エーコが入り込む隙なんか・・・無いのかなぁ・・・」

ビビ「エーコ・・・」

エーコ「・・・えへっ何か暗くなっちゃったね。ごめんね。」

ビビ「いいよ。だったらさ・・・」

エーコ「?」

ビビ「さっきのさ・・・聞かせてくれない?」

エーコ「さっきの・・・うん、いいよ。」

そう言ってエーコは笛を持ち、さっき奏でていた音楽を吹き始めた。

ビビ「・・・」

ビビはまたエーコの姿に見とれていた。

ちなみに吹いている曲はゲームを起動したとき、(ロードかニューゲームかを選ぶ場所)で流れるアレ。(タイトル知らんので・・・)

と、エーコは吹き終わった。

エーコ「どう?綺麗な音色でしょ。」

ビビ「うん。それに・・・」

エーコ「ん?」

ビビ「いや、いいよ。」

ジタンとダガーではないがこちらのなんだかいいムードになってる。・・・が。

コウ「お〜い!!お二人さ〜ん!!」

ビビ「?」

コウ「ジタン達が目覚めたぞ〜!!」

エーコ「ほんと!?」

コウ「いい所で悪いけどこっちに来てくれないか〜!?二人が話したいことがあるってよ〜!!」

ビビ「分かった〜!!エーコ行こ。」

エーコ「うん。でもいい所って・・・?」

ビエ「・・・はっ!!」

二人同時に何かに気付いた。その際一気に顔が真っ赤になった。

ビビ「い、行こうよ!!」

エーコ「そ、そうね!!」

そして二人は憩いの場に来た。そこにはみんな集まっていた。

コウ「来たな。じゃ、何を話すんだ?」

ダガー「私たちの記憶を・・・」

ビビ「記憶?」

ダガー「私は六歳以前の記憶が無いの。それはジタンも一緒。」

ジタン「ああ。」

コウ「それが?」

ダガー「私は・・・六歳まで・・・」

クイナ「ル?」

ダガー「・・・ここで育ったの・・・」

ジダ以外の皆「!!」

皆に衝撃が走った。

コウ「ほ、ほんとなのか!?」

ダガー「ええ、だから召喚術が使えるのよ・・・」

ビビ「ってことはお姉ちゃんも召喚士一族?」

ダガー「うん。でも完全に思い出したわけじゃないんだ・・・エーコ?十年前に天変地異があったって言ったよね。」

エーコ「うん。」

ダガー「そのときに私はここを離れて剣の国アレクサンドリアに流れ着いたんだと思うの。」

コウ「はぁ〜・・・っとチョイ待ち。さっきからティルばっかだけどジタンはどうなんだ?」

ジタン「俺か?俺は少ししか思い出せなかったんだ。俺は十年前にどうしてかここに来たんだ。」

コウ「ちょうど天変地異の時か?」

ジタン「ああ、でもついたのは襲われる少し前なんだ。そこで俺は一人の女の子に出会った。」

ビビ「女の子?」

ダガー「私よ。」

エーコ「そうなの!?」

ジタン「ああ、しばらくずっと一緒にいた。でも・・・天変地異が襲ってきた・・・俺はダガーと一緒にダガーの本当の母さんが待ってる船着場に強風と雨の中走った。でも・・・」

クイナ「でも?」

ジタン「俺は船着場には行けなかった・・・」

エーコ「どうして?」

ジタン「あと少しの所で謎の男が俺達の前に現れてな。」

ビビ「誰?」

ダガー「はっきりとは分からないのよ。でもあの時・・・」


回想


謎の男「悪いけど君らには死んでもらわなきゃ困るんでね。死んでもらうよ。」

謎の男は右手を小さい頃のダガーに向けて、魔法を放った。

幼ダガー「きゃあーー!!」

と、小さい頃のジタンがダガーの前に立った。

幼ジタン「逃げて!!」

ボーーン!!


ジタン「そして俺は重傷を負って海に落ちた。」

ダガー「私はジタンのおかげで出来た隙を見計らって船着場に全力で走った。」

マックス「そして脱出した。」

ダガー「うん。」

ネリク「ジタンはどうしたホ?」

ジタン「俺はダガーより後に剣の国アレクサンドリアに流れ着いたんだ。その時俺は男の魔法を喰らった際に記憶を失っててな。」

コウ「なるほど。アレクサンドリア王がジタンとティルをあわせなかったのはそんなことがあったからか。・・・んあ?ちょっと待てよ?それじゃ本当のガーネット姫はどうしたんだ?」

クイナ「確かにアル。」

ダガー「分かんないの。何があったかなんて。でも私がこのようにガーネットとしているって事はガーネット姫に何かがあったとしか・・・」

エーコ「それに角が無いのも気になるし・・・」

コウ「それはティルがガーネット姫として角があったら変だからじゃないか?」

ビビ「なるほど・・・そう言えば本当のお母さんはどうしたの?」

ダガー「・・・船で私をかばって・・・」

ビビ「あ・・・ごめん・・・」

コウ「悲しい話だな・・・母と思ってた人は本当の母じゃなく、本当の母はもういない・・・」

ダガー「でも、私のお母様は一人だけよ。」

コウ「・・・なぁ、さっきの話を聞くと、ティルが本当のガーネット姫じゃないって知ってる人が何人かいるんじゃないか?」

ダガー「ええ、だから帰ったらそのことを一番知ってそうな人にに聞いてみるわ。」

ジタン「多分ボスとシドも知ってるだろうな。」

ダガー「そうそう、私も召喚壁にいつも祈りを捧げてたわ。」

エーコ「ダガーも!?」

ダガー「エーコもよね。それとジタンも祈ってたわ。」

ジタン「そうだな。俺は付き添いで祈ってたけど。」

エーコ「ダガー!!お帰りなさい!!」

ダガー「エーコ、ただいま。」

エーコ「えへへ〜」

ダガー「なぁに?」

エーコ「一人じゃ無かった!!って思ったの。もう迷わないわ、エーコは二人についてく!!おじいさんとの約束を破ることになるけどおじいさんは『いつも素直な気持ちでいなさい』って言ってたから!!」

ジタン「ああ、来なよエーコ。」

ダガー「先のことは分からないけど、この大陸に来た目的を果たしたい。」

ジタン「ああ、行こうよ。」

コウ「それじゃあもう遅いからそろそろ寝るか。」

ネリク「ダド。」

マックス「そうするか。」

ジタン「あ、ちょっと。」

ダガー「?」

ジタン「話しておきたいことがあるから今夜は二人っきりにしてくれないか?」

コウ「おうおう積極的だな。いいぜ。」

エーコ「え!!ちょっと!!」

コウ「出てったほうがいいか?」

ジタン「いや、俺らが別の場所に行くよ。」

ダガー「じゃあおやすみ。」

そう言って二人はどこかに行った。

エーコ「ちょっとなんで行かせたのよ!!」

コウ「俺らは入っちゃいけない状況になっちまってるからよ。さ、子供はお寝んねしな。」

クイナ「ワタシ達は別の場所で寝るアル。」

そう言って人間離れトリオは憩いの場を離れた。

エーコ「ぶぅ〜・・・」

ビビ「寝ようよ。」

ということで皆就寝。が、あのカップルはと言うと・・・

ダガー「ねぇライフ・・・」

ジタン「ん?なんだいセーラ?」

さっきの小船の上で作者もあきれるほどベタベタに引っ付いて寝転んでる。

ダガー「前からずっと一緒にいたんだね・・・ずっと、ずっと。ありがとう・・・」

ジタン「そのことか・・・でも、俺は怖いんだ・・・完全に記憶が戻ることを・・・」

ダガー「どうして?」

ジタン「よく分かんないんだけど、完全に戻ったら、君の側にいられなくなるような気がして・・・」

ダガー「記憶の事なんかいいわよ。今は一緒にいられるんだから・・・」

ジタン「そうだな・・・」

ダガー「・・・ねぇ、もし私が王族の地位を全部捨てたとしたら、どうする?」

ジタン「『君の小鳥になりたい』のコーネリアみたいだな・・・その時は一緒に暮らそうよ・・・誰も知らないところで・・・」

ダガー「めおと団として?」

ジタン「へへっそうだな。」

ダガー「私・・・あなたがいるならどこへでも行くよ。一緒なら何も怖くないもの。」

ジタン「ああ、俺も君と一緒なら何も怖くない・・・だから・・・」

ダガー「うん・・・」

そう言って二人は目をつぶり、唇を近づけた・・・二つの月が二人を照らしていた・・・その頃。



エーコ「うぅ〜・・・」

ビビ「・・・寝ないの?」

まだ起きていた。

エーコ「だって気になるでしょ!!何してるか!?」

ビビ「一緒に寝てるんじゃない?」

エーコ「だったら・・・ああもう!!あんたに言ってもわかんないわよ!!」

ビビ「だったらコウと一緒に寝たら?」

エーコ「コウ!?だからねぇ!!」

と。

コウ「んがっ!!あ、足が!!」

寝てるのにふくらはぎがつったかはったかしたようだ。ちなみに作者もよくやる。

エーコ「・・・寝る気ある?」

ビビ「ない。」

エーコ「はぁ〜」

ビビ「・・・じゃあ僕が一緒に寝るよ。」

エーコ「えっ!?」

ビビ「・・・やっぱり駄目だよね。」

エーコ「・・・いいわよ・・・」

ビビ「えっ!?」

エーコ「だから・・・側に来て・・・」

ビビ「・・・うん。」

そう言ってビビはエーコに寄り添った。その光景を見てコウは。

コウ「・・・邪魔だな俺は。」

そう言って外に出た。と。

コウ「あ・・・」

遠くに何かを見つけた。そして近くに来た。

コウ「いたのか。」

ラニ「コウ・・・」

そこにいたのはラニだった。

コウ「宝珠を奪いに来たのか?だったら俺が相手するぜ。」

ラニ「あんたに勝てるわけ無いでしょ。ただどうしようもなくてね。」

コウ「ま、大方命令は失敗してブラネにあっても何の褒美もなし、下手したら消される・・・だろ?」

ラニ「ああ、もう行くとこがないから考えてたのよ・・・」

コウ「しょうがねぇな。」

ラニ「気になってたけど、なんでアンタはそこまで変われたの?なんであいつらといるの?」

コウ「変われたのはあの時から色々あったのさ・・・あいつらといるのは、それが正しいと思ったからさ。」

ラニ「強いんだね。私はもう、どうしようもないから・・・」

コウ「だったらいい考えがあるぜ。」

ラニ「?」

色々あったが夜が明けた。

モリスン「エーコ嬢。マダイン・サリという帰る場所があることを忘れないでください。召喚壁の風がいつもあなたと共にありますように。」

エーコ「うん。おじいさん、行ってきます!!モグ行くわよ!!」

モグ「クポ!!」

ジタン「クイナ、頼むぜ。」

クイナ「アル。」

どうやらチョコにクイナを乗せてトレノに伝えるようだ。

クイナ「大丈夫アルか?」

メネ「チョコが苦しそうクポ・・・」

やっぱ重いらしい。

ジタン「何とかなるさ。」

コウ「そうそう、昨日仲間が増えたしな。」

一同「え?」

コウ「お〜い!!」

と、ラニが現れた。

ジタン「な、やるのか!?」

コウ「待った、仲間って言ったろ。昨日説得したからもう大丈夫さ。」

ダガー「ほんと?」

ラニ「前はひどいことしてごめん・・・許せとは言わないから・・・私も行かせて。」

ジタン「・・・ま、いっか。」

エーコ「えぇ〜このオバサンが?」

ラニ「一応未成年なんだけど。」

クイナ「あいつは来ないアルか?」

ジタン「あいつ?・・・ああ、あいつか?」

と。

?「呼んだか?」

サラマンダーが来た。

クイナ「サラ、お願いがあるアルよ。」

サラマンダー「予想はつく。だがちょっと待ちな。昨日のことが納得いかなくてな。」

ジタン「またか?だったら俺らと来れば?」

ダビラ「えっ!?」

サラマンダー「やっぱりか・・・」

ジタン「俺たちはもうすぐ大きな戦いをする。お前の力ならなんとかなるだろうからな。クイナのお墨付きだしな。」

サラマンダー「・・・いいだろう。お前の考え方を見させてもらうぜ。」

ジタン「おう。これなら安心だ。クイナ頼むぜ。」

クイナ「アル。頑張るアル〜!!」

そしてクイナはチョコに乗りかなり早く空を飛んでいった。

ジタン「じゃ、俺たちも行くか。」

ラニ「うん。」

ダガー「ええ。」




記憶が戻り互いに求め合うようになったジタンとダガー、中々結ばれないビビとエーコ、様々な想いと新たな仲間と共に再びイーファの樹へ向かうのだった。



続く










あ と が き
ああ〜〜〜!!むしゃくしゃするぅ〜〜〜!!
僕自身こんな体験無いんだぞお前ら!!
いいよな〜・・・(泣)
でもしょうがないかな。
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