CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第十九話 母なる大樹



エーコの手を借りて聖地、イーファの樹に向かうことにしたジタン達。イーファの樹にはどのような秘密があるのか。


イーファの樹


ジタン「ここがイーファの樹か・・・」

ダガー「”霧”があるわ!!」

ジタン「ここが”霧”の源ってのは本当らしいな。」

ビビ「・・・」

エーコ「どうしたの?」

ビビ「平気・・・」

と、ジタンが先に進んだ。が。

ボウン!!

ジタン「どわっ!!」

何かにぶつかったようだ。

コウ「なんだ今のは?」

エーコ「今のが封印なの。ケガはないと思うんだけど・・・大丈夫?」

ジタン「そうだな、痛みはなかったよ。」

ネリク「確かに神聖な場所だド。」

マックス「で、どうやって封印を解くんだ?」

エーコ「召喚獣に『戻ってきて』ってお願いするの。召喚士は額の角で、召喚獣や動物達と気持ちを交わすことが出来るのよ。これで呼びかけるってわけ。見てて!!」

と、エーコが前に立った。そして。

エーコ「”どどんがどん!!”どんががどん!!””我らの心の光をうけて!!””星の真からいづる魂!!””想いに応える汝らの!!””心はいずこ、地や人や!?”」

おまじないのようなものを唱えた。と。

?「封印を解こうとするのは君かい?」

額に宝石のついた獣が現れた。

エーコ「そうよ。あなたはカーバンクルね。」

カーバンクル「分かっているのかい?ここに僕とは違う召喚獣が封印されているのを。」

エーコ「分かった上で行くのよ。」

カーバンクル「分かった。それじゃあここの封印を解こう。そして僕も君と付いて行こう。」

エーコ「ありがとう。」

と、カーバンクルがルビーに変化した。

エーコ「終わり!!これで先に進めるわよ。」

ジタン「サンキュ!!」

ビビ「さっきの言葉が封印を解く呪文なの?」

エーコ「ううん、違うわ。召喚獣に呼びかける時は、この角に気持ちを込めるだけで出来るから。」

ビビ「じゃあ、さっきのは?」

エーコ「ちょっとかっこつけてみたかったの!!ホントはもっと長かったんだけどね。ま、封印していた召喚獣も力になってくれるって言ってくれたし。」

ダガー(私・・・何も聞こえなかった。)

エーコ「さっ行こ行こ!!」

一行は樹の根をつたって先に進んだ。

コウ「いやぁ〜たっけぇたっけぇ。」

マックス「落ちたらひとたまりも無いな・・・」

ビビ「そんなこと・・・言わないで・・・くれる?」

ジタン「大丈夫か?お前確か高いとこ苦手だったろ。」

ビビ「うん・・・」

コウ「引き返すんなら今のうちだぜ・・・って言いたいけど、退路も断たれたな。」

ジタン「はっ?・・・て何!?」

ジタン達の後ろにストローパーが大量にいた。

ジタン「あんなに相手できるかっての!!逃げるぞ!!」

ビビ「えぇ〜!!」

コウ「しょうがないだろ!!走れ!!」

一行は全速力でストローパーの群れから逃げた。

ダガー「最近逃げてばっかりのような気が・・・」

コウ「ぶつくさ言うなよ。ってまたか!?」

今度は前方に一体だけストローパーがいた。

ネリク「厄介だド!!こんな細い道じゃ!!」

コウ「あいつはパッと見、石の種族だな?だったら・・・ていっ!!」

コウは何かをストローパーに投げつけた。と、ストローパーに異変が。

ストローパー「ガァ・・・」

ストローパーは石となり、砂となって消えた。

ダガー「何をしたの?」

コウ「金の針を使ったのさ。石の種族のモンスターは金の針が刺さると石となって生きられなくなるんだ。」

ダガー「だったらさっき使えばよかったじゃない。」

コウ「俺は今六本しかないんだぞ。闇雲に使ったってすぐ切れるだけさ。」

ジタン「金の針か・・・あったって使ってないから売り払っていたしな・・・」

ジタンはアイテムの入った袋を見た。

ジタン「ひぃふぅみぃ・・・十四本か・・・」

エーコ「全部で二十本?」

マックス「無駄撃ちは死につながる・・・か。」

ネリク「縁起でもないこと言うなホ!!」

クイナ「とりあえず進むアルよ。」

ジタン「でもなぁ・・・ありゃ通るのに一苦労だぜ。」

前方にストローパーがまた大量にいた。

エーコ「もう!!来たら倒す!!でしょ!!」

ジタン「ははっそりゃそうだ。じゃ、行くぜ!!」

一同一丸となってストローパーの群れに突っ込んだ。そして人工物らしき所に着いた。

コウ「ここら辺なら大丈夫だろ・・・」

ジタン「何だろうなここ?」

ダガー「人工物・・・見たいね・・・」

エーコ「エーコも初めてだから良く分かんない・・・って大丈夫?」

ビビ「うぅ〜・・・」

エーコ「戻ったら?」

ビビ「大丈夫・・・それに、僕は行かなくちゃならないんだ。」

エーコ「ふ〜ん、じゃあエーコから離れないように。」

ビビ「うん。」

マックス「しかし、これから何処に行くんだ?」

ネリク「後ろは大量のストローパーがいるラリ。」

ジタン「どこかに道があるかもしれないから、探すか。」

ダガー「うん。」

ジタン達はあたりを調べ始めた。

ジタン「何かあった?」

クイナ「なんもないアル。」

コウ「こっちもだ。」

マックス「同じく・・・」

ダガー「こっちもゼロよ。」

ジタン「う〜ん・・・」

エーコ「ねぇ。」

ジタン「ん?」

エーコ「これなんだろう。」

エーコが見つけた何かに皆近づいた。それは円盤のようなものだった。

ジタン「どれどれ・・・」

ジタンは円盤に触れた。と。円盤が一瞬光った。

ジタン「・・・どうする?」

エーコ「エーコなら乗る。」

コウ「俺もだ。」

ダガー「私も。」

ジタン「じゃ、乗ってみるか。」

ジタンは円盤に乗った。と。

シュウン

ジタン「わっ!!」

突然円盤が下におりていった。ジタンは寸前で円盤からおりた。

コウ「リフトか?」

少したってリフトが戻ってきた。

ジタン「・・・大丈夫だと思うぜ。次は下まで行って来るぜ。」

ビビ「僕も行くよ。」

ダガー「私も。」

エーコ「エーコも!!」

クイナ「ワタシもアル。」

ジタン「じゃ、みんな行くってことでいいかい?」

コウ「いいぜ。」

ネリク「でもこの人数じゃ、一回じゃ無理ホ。」

マックス「二回に分けるか。」

ジタン「じゃ、最初は俺にダガー、ビビエーコな。」

コウ「ああ。お先に。」

ジタン達四人はリフトに乗って下におりた。



ジタン「何だぁ?ここは?」

そこは暗闇にポツポツと光が現れる暗い場所だった。

ダガー「いい感じは・・・しないわね。」

と、コウ達もおりてきた。

コウ「まったうさんくさいとこだな。」

クイナ「100%食べ物は無いアルな・・・」

ジタン「お前らな・・・こんなとこに食い物ある訳ねぇし、うさんくさいって使い方間違ってるだろ。」

エーコ「とりあえず進もうよ。」

ビビ「そうだよ。」

ジタン「へいへい・・・」

一行は歩き始めた。

ダガー「この道・・・下に向かってない?」

ジタン「そう言えばそうだな。」

コウ「いわゆる最深部に向かっているって訳かな?」

クイナ「下の方は何か明るいアル。」

ビビ「行けば分かるんじゃない?」

コウ「行ければな・・・」

ジタン「またかよ!?」

前方にまたストローパーの群れがいた。

クイナ「金の針は何本あるアルか?」

ジタン「さっきの群れでかなり使っちまったからな・・・」

コウ「残ってんのはこの一本だけだ。」

ダガー「どうするの!?」

マックス「ここまで来て逃げるのもな・・・」

ネリク「だからってあんな数、一斉に相手に出来ないホ!!」

コウ「さぁ・・・どうする?」

ジタン「金の針があればな・・・」

と、ビビがあることに気付いた。

ビビ「ねぇ・・・あのモンスター・・・もしかしたら金の針持っているんじゃ?」

ダガー「あ!!なるほど!!」

ジタン「確信はねぇが・・・やってみる価値はあるな・・・」

コウ「じゃあ、ジタンがあいつ等からあったら金の針を盗みつつ強行突破・・・でいいか?」

エーコ「意見は無しね!!」

ジタン「じゃ、行くぜ!!」

一同走り出した。

ダガー「ジタン!!上手くやってね!!」

ジタン「ああ!!でも出来るだけ倒さず突破するぜ!!」

ビビ「来たよ!!」

一番近いストローパーが触手を振り上げていた。

ジタン「くっ!!間に合わなねぇ!!コウ!!」

コウ「おう!!」

コウは金の針を持ち、走りながら構えた。

コウ「南無三ユニヴァース!!

コウはストローパーに金の針を投げつけた。金の針が当たりストローパーは石となった。

コウ「これでゼロだ!!頼むぜ!!」

ジタン「ああ!!そらっ!!」

ジタンはストローパーに取り付いた。そしてすぐに離れた。

ジタン「あったぜ!!」

エーコ「やったぁ!!」

クイナ「喜ぶのは早いアル!!」

コウ「そう!!この状況を突破してこそ喜ぶもんだぜ!!」

ジタン「それじゃあ一気に突破だ!!」

そしてジタンが隙を見て盗み、一気に突破した。そして先程とは明らかに違う場所に来た。

ジタン「・・・さっきまでは枯れきった場所だったのに。また随分と様子が変わって来たもんだ。」

目の前には巨大な木の根らしきものがあり、下深くへと続いていた。

ジタン「下の方はまぶしくて見えないな・・・あの底に降りればいいのか・・・?」

コウ「でもどうやって?」

ダガー「う〜ん・・・」

と、さっきからエーコは近くにある巨大な葉らしきものに乗っては飛んだり跳ねたり降りては乗ったりを繰り返していた。

ビビ「何してるの?」

エーコ「うん、なぁんかありそうだから調べてたんだけど・・・なんも反応しないの。」

ジタン「もしかして・・・これで下に降りるんじゃねぇか?」

エーコ「そうだと思うけど、反応無いよ。」

コウ「じゃ、みんなで乗れば?」

ジタン「そうするか。」

一同は葉の上に乗った。と、ジタンが乗った時葉に反応があった。

ジタン「今俺が乗ったら反応しなかったか?日頃の行いがいいからかな?」

と、葉が動き出した。そして。

ビュン!!

一同「うわっ!!」

もの凄い速さで下におり始めた。途中から光の粉が現れて風の抵抗が無くなった。

ジタン「とととっ・・・動いた瞬間は驚いたけど、風の抵抗とかまったく無いんだな。この光の粉でさえぎられているのか?・・・大丈夫かダガー?」

ダガー「ええ・・・この下には何があるのかしら?」

ジタン「そうだな・・・」

エーコ「そうだ!!モグなら何か分かるかも!!」

コウ「モグ?・・・どこにいる?」

エーコ「ここよ、モグ!!」

と、エーコの服の中からモグが現れた。

モグ「クポ〜」

コウ「あ・・・明らかに小さくなっていたよな・・・」

エーコ「気にしない気にしない。で、モグは何か感じる?」

モグ「クポ・・・クポォ?ク〜ッポ、プップ!!」

エーコ「そう思うの?」

モグ「クポ!!」

エーコ「ふ〜ん・・・ありがと!!」

モグ「クッポポ!!」

モグは小さくなってエーコの服の中に入った。

ジタン「で、モグはなんて言ったんだ?」

エーコ「んとね、下の方に沢山の生物の存在を感じるって。モグ達って妖精でしょ?そういうの、肌で感じるんだけどここは特別ではっきり分かるって。」

ダガー「クジャの仲間がいるのかしら?」

ジタン「でも・・・いったいクジャと”霧”にどんなつながりがあるんだ?」

ネリク「分からんド・・・!!ビビ伏せるホ!!」

ビビ「えっ!!」

ボガーーン!!

ゾンビ「ギャァ!!」

ビビの後ろにゾンビがいたのだ。ネリクは何かを投げつけてゾンビを倒した。

ネリク「危なかっラリ。」

ビビ「ありがとう。」

ジタン「何投げたんだ?」

ネリク「余っていたアイテムを合成して作った爆弾だド。」

コウ「そんなことできるのか?」

マックス「こいつはドワーフの中でも凄い能力持ちだからな・・・あえて言うならアイテムシューターだな。」

ジタン「凄い奴だな・・・そう言えばさっきのモンスター・・・」

エーコ「このイーファの樹の中って外ではあんまり見かけないモンスターが多いみたい・・・」

ダガー「もしかして・・・これも”霧”の影響?」

ジタン「分からない・・・けど、魔の森やガルガン・ルーも同じように”霧”特有のモンスターがいた・・・」

エーコ「でも”霧”が生まれるのがイーファの樹なら、どうしてジタン達の大陸の方にだけ出てくるの?」

コウ「そうだよな・・・」

ジタン「”霧”を運ぶ何らかの方法が必要だよな・・・」

ダガー「でもやっぱり何のために・・・?」

ビビ「・・・」

ダガー「!、ねぇジタン・・・」

ジタン「どうした?・・・ビビ?」

ジタンもビビの異変に気付いた。

ジタン「どうしたビビ?ずっと考え込んでいるようだけど・・・」

ビビ「ジタン・・・実は・・・”霧”について僕も考えていたんだ・・・ダリ村にあった工場・・・覚えている?」

ジタン「ダリの工場・・・」

ダガー「あの、黒魔道士の作られていた?」

エーコ「え?なになに?黒魔道士って?」

ダガー「ビビのような姿をしていて・・・」

ジタン「ダガー!!」

ダガー「あ・・・ご、ごめんなさい!!そんなつもりは無いの、ただ・・・」

ビビ「いいよお姉ちゃん・・・僕、自分も作られたってことはもう・・・気にしてないから・・・」

ジタン「ビビ、お前・・・」

ビビ「それより、あの工場にも”霧”がいっぱいあったよね・・・」

ジタン「ああ。しかも”霧”を何か大きな機械に閉じ込めて・・・」

ダガー「そしてタマゴのようなものが運ばれて・・・」

ビビ「きっとなんか関係があると思うんだ、”霧”とクジャ・・・黒魔道士には・・・」

ジダ「・・・」

エーコ「な、なんだかフクザツなのねえ・・・!?また来たわ!!」

クイナ「今度はドラゴンゾンビアル!!」

コウ「またか!!マックス!!」

マックス「心得た!!」

コウとマックスは銃と弓矢で攻撃を仕掛けた。

コウ「くらえ!!」

マックス「はあっ!!」

ドラゴンゾンビ「ギャアーー!!」

同時にくらってドラゴンゾンビも倒れた。

コウ「おっし。」

ジタン「ちょうど底も見えてきたな・・・」

エーコ「ずいぶんと深かったわねぇ〜」

ジタン「この先何が待っているか分からないが、自分達の目で確かめるしかないな・・・」

そして葉は最深部に到着し、着いて早々エーコは先に歩き出した。と。

エーコ「ちゃんとついて来るの!!かよわい女の子をひとりで行かせるつもり!?」

ビビ「あ、うん。」

エーコに言われてビビはエーコの後を追った。

ジタン「おい!!何がひそんでいるか分かんないんだぞ!!」

が、二人は先に進んでいった。

ジタン「まったく・・・」

コウ「何なんだここは・・・?」

ダガー「モグが言っていた『沢山の生物』なんて何処にも見えないわ。」

ジタン「・・・でもダガーやみんなも感じているんじゃないか?ここまでくりゃ、モグでなくとも分かる気配がある。」

ダガー「・・・そうね。確かにここには何かあるんだわ。」

と、ダガーは近くにあった大きな樹のような物を見た。

ダガー「何かしらこれ・・・植物の一部にも見えるし、機械・・・のような印象も受けるわ。」

ジタン「機械?これのどこが機械に見えるんだ?」

ダガー「でも自然の樹をは明らかに違う・・・」

ジタン「まあ、そもそも機の中がこんな風になっているとこからして変だからな。」

コウ「下にも行ってみるか。」

ジタン「だな。」

ジタンとコウは下に降りた。そこにはビビとエーコがいた。

ジタン「どうした?」

ビビ「下の方に光る水が見えるんだけど、その光がとてもきれいなんだ。”霧”ってあの水からできているのかなぁ?」

コウ「さぁ・・・」

ビビ「イーファの樹が”霧”の発生源なら、もしかして・・・」

コウ「深く考えない方がいいぜ。」

ビビ「うん・・・」

と、ジタンがエーコに聞いてみた。

ジタン「なぁ、モグが言っていた『沢山の生物』ってどこにいるんだ?」

エーコ「それなんだけどね、モグがあの光る水が生物だって言って怖がっているの。こんなにキレイなのにねぇ。」

ジタン「あの水が・・・?」

エーコ「そうだ!!一緒に見よ!!」

ジタン「ああいいぜ。」

エーコ「じゃあもっと近くによって!!」

ジタン「別にここからでも見えるけど・・・」

エーコ「駄目!!エーコの隣で見るの!!」

ジタン「はいはい・・・」

ジタンはエーコの隣に来て下の水を見下ろした。

エーコ「・・・」

エーコは下を見ずにジタンの横顔を見ていた。

ジタン「・・・エーコ、下見てないんじゃないか?」

エーコ「光に照らされたジタンの横顔に見惚れていたの。」

ジタン「はぁ・・・ん?」

ビビ「・・・」

ジタンはビビがエーコを見て寂しそうな顔をしていることに気付いた。

ジタン(はっは〜こりゃおもしろそうだな。)

一体何がおもしろそうなのか良く分からないが、ジタンは近くの壁を見だした。

ジタン「動いてる・・・?・・・気のせいか?クジャどころかクジャの一味もいない・・・」

ジタンは下を見下ろした。

ジタン「それとも、あそこまで降りなきゃならないのか?あれが、この気配の・・・源なのか?」

ジタンがあれこれ考えていると。

エーコ「ジタン!!」

エーコがジタンを呼んだ。

ジタン「どうした?」

エーコ「モグが、モグが上から何か来るって!!」

ジタン「上から!?ダガー!!みんな!!こっちに来るんだ!!」

ダガー「何ジタン?」

と、その時

ゴゴゴゴゴ!!

ダガー「きゃあ!!」

足場が突然揺れ出し、ダガーは倒れた。

ジタン「ダガー!!」

ジタンはすぐさまダガーの元に寄った。

ジタン「大丈夫か!?」

ダガー「ごめんなさい。ちょっとびっくりして・・・何があったの?」

ジタン「俺にも良くわかんないんだ。」

と、下のほうでは。

エーコ「あっちよ!!」

ビビ「うん!!」

コウ「おいちょっと待て!!」

ビビとエーコがどこかに走っていった。

ジタン「あいつら!!俺達も行こう!!」

ダガー「ええ!!」

そしてジタン達も下に降り、ビビ達の後を追った。

エーコ「見て!!壁が動いてるわ!!」

ビビ「本当だ・・・生きているみたいだ・・・」

ジタン「エーコ!!ビビ!!」

ジタン達がやってきた。

エーコ「ジタン!!壁の鼓動が段々早くなってきてるの!!」

ジタン「来たぞ!!」

と、上から何かが降ってきた。

ダガー「今のは!?」

モンスター「クジャではなかったか・・・」

ビビ「な、何これ?頭の中で声がするよ!!」

コウ「つうかてめぇ何者だ!?」

モンスター「我が名はザ・ソウルケージ・・・」

ジタン「クジャって言ったな?奴は今どこにいるんだ!?」

ザ・ソウルケージ「我の預かり知らぬこと。」

ダガー「ここでいったい何をしているの!?」

ジタン「”霧”を作っているのはお前なのか!?」

ザ・ソウルケージ「生産ではない・・・”霧”は精製における余物。根を通し廃棄するチリに等しき物。」

ビビ「・・・チリ?」

ダガー「大陸を越える根を通じて送り込んでいたのね!?」

ジタン「いったい、何のためだ!?何故そんな手のかかることをしてまで・・・」

ザ・ソウルケージ「闘争本能を刺激する”霧”によって彼の大陸を廃棄物で包み・・・彼の大陸の支配者を争わせ、彼の大陸の文明を滅ぼすため。クジャは廃棄物を別の手段で利用したに過ぎない。」

ビビ「別の手段って!?クジャは一体何を!?」

ザ・ソウルケージ「クジャはチリを利用して兵器を造った。そう、お前のような・・・」

ビビ「!?」

エーコ「!?ジタン!!なんかこいつ、むかつくわっ!!やっつけちゃっていい?」

ジタン「待てエーコ!!クジャが造った兵器というのは・・・」

ザ・ソウルケージ「クジャはそれを『黒魔道士』と名付けた。”霧”で造られた暗黒の生命体。」

ジタン「!?」

ダガー「じゃあダリ村の工場はやっぱり・・・」

ザ・ソウルケージ「我を倒さば”霧”が止まる。それはすなわち、そこの人形のごとき兵器が生まれぬことを意味する。答えよ人形よ。お前は自らの出生を否定するのか?」

ジタン「て、てめえ!!よくもそんなことを・・・」

ビビ「・・・造らせないよ。」

ダガー「・・・ビビ」

ビビ「これ以上人殺しの道具なんて造らせない!!造らせちゃいけないんだ!!」

エーコ「よっくぞ言ったわビビ!!なんだか難しい話だけど、こいつをやっつけちゃっていいのね!?」

ジタン「ようし!!思う存分暴れてやろうぜ!!クジャが慌ててやって来るぐらいにな!!」

ザ・ソウルケージ「我の預かる一千年。終わりは見えど、今ではない。止めること、許されぬ。倒すこと、無意味なり。」

コウ「へっ!!こっちは八人だ!!お前なんかさっさと倒してやるぜ!!」

ザ・ソウルケージ「確かにこれでは我が不利だな・・・だがこれで・・・」

と、ザ・ソウルケージはジタン達に向かい衝撃波を放った。

ジタン「くっ!!」

エーコ「きゃーー!!」

ビビ「エーコ!!」

クイナ「アイヤーー!!」

衝撃波により、エーコクイナネリクマックスが後ろに飛ばされた。

ダガー「みんな大丈夫!?」

エーコ「大丈夫大丈夫!!今そっちに行くね!!」

エーコはジタン達の元に向かった。が。

ボウン!!

エーコ「きゃっ!!」

エーコが何かにはじかれた。

コウ「何っ!?」

よく見るとジタン達とエーコ達の間にバリアが張ってあった。

ザ・ソウルケージ「これで四人・・・」

ジタン「こうなったら俺らだけでやるぞ!!」

こうして戦闘はジタンダガービビコウの四人で戦うことになった。

コウ「あいつは固定しているから攻撃は当てやすい!!ヒットアンドアウェイで行くぞ!!」

ジタン「言われなくても!!」

ジタンは斬りかかり、コウは銃を構えた。

ザ・ソウルケージ「甘い!!」

ザ・ソウルケージは両肩部から木の葉を出して、二人に向けて飛ばした。

ジタン「この程度!!」

二人は木の葉を難なく避けた。その隙にビビが。

ビビ「今だ!!ファイラ!!」

ヴォーー!!

ザ・ソウルケージ「ぐっ!!」

ザ・ソウルケージに火がついた。

ジタン「よっしゃ!!そのまま燃えちまえ!!」

ザ・ソウルケージ「くくく・・・甘いぞ!!」

と、ザ・ソウルケージは火のついた木の葉をジタン達に飛ばした。

ジタン「あちちちちち!!」

ダガー「あつ〜い!!」

コウ「だちゃちゃちゃ!!ビビ!!消してくれ!!」

ビビ「うん!!ウォタラ!!」

ザボン!!

ビビのウォタラで火は消えた。

ジタン「ふぅ〜」

エーコ「大丈夫!?」

ジタン「なんとかな・・・」

ダガー「こうなったらラムウで・・・」

ダガーはラムウを召喚しようとした。が。

ザ・ソウルケージ「そうはさせん!!」

ザ・ソウルケージはダガーに衝撃波を放った。

ダガー「きゃっ!!」

ダガーは衝撃波で飛ばされた。しかも飛ばされた先は下に足場の無い場所だった。

ジタン「ダガー!!」

ダガー「きゃあーー!!」

コウ「ティル!!ちぃ!!」

コウはガントレットを開いた。

コウ「はあ!!」

ビシュシュッ!!

コウはウィップをダガーの右腕に向けて発しダガーを落下から防いだ。

コウ「ぐっ!!」

ジタン「コウ!!大丈夫か!?」

コウ「くっ・・・なんとかな・・・」

ダガー「コウ・・・ごめん・・・」

コウ「なぁに大丈夫さ・・・でもこれじゃ戦闘は出来ないぜ・・・頼む・・・」

ジタン「分かった。ダガーを頼むぜ!!」

コウ「じゃ、引き上げるぜ!!」

コウはダガーを引き上げ、戦闘はジタンとビビの二人で行うことになった。

マックス「くそ・・・このバリアさえなければ・・・」

ネリク「バリアを一時的に消すことが出来る合成アイテムもあるが、今あるのじゃ作れないド。」

エーコ「バリアを一時的に・・・そうだ!!」

エーコはルビーを取り出した。

クイナ「何をするアル?」

エーコ「まぁ見ていなさい!!・・・すべてを守りし光の力よ、我が命によりここに来たれ!!カーバンクル!!

エーコが詠唱するとルビーからカーバンクルが現れた。

エーコ「カーバンクル!!あなたの力ならこのバリアを消すことできるよね?」

カーバンクル「このバリアなら一瞬だけ消せるよ。」

エーコ「じゃあお願い!!」

カーバンクル「じゃあ行くよ!!」

と、カーバンクルの額の宝石が光りだした。そして。

パシューー!!

宝石から光線をだし、バリアに放った。と、光線が当たった所から回りに段々とバリアが消えていった。

カーバンクル「これで大丈夫だよ。」

エーコ「ありがとう!!」

バリアを消し、カーバンクルはルビーに消えていった。

エーコ「ジタ〜ン!!今行くね!!」

エーコは消えた所からジタン達の元に向かった。

マックス「我らも行くぞ!!」

ネリク「ラリホ!!」

人間離れ三人組(?)もエーコの後を追った。が。

ボウン!!

クイナ「アイヤ!!」

バリアが元に戻っていた。

エーコ「ジタン!!今助けるね!!」

ジタン「エーコ!?」

ザ・ソウルケージ「あいつがいいな・・・」

ジタン「何!?」

ザ・ソウルケージ「マスタードボム!!」

エーコ「えっ・・・?」

ザ・ソウルケージはエーコにマスタードボムを放った。が。

ビビ「エーコ!!」

エーコ「きゃっ!!」

ビビがエーコを突き飛ばした。いや、エーコをかばった。その結果。

ボバーン!!

ビビ「ああ!!」

エーコ「ビ、ビビ!!」

エーコはビビの元によった。

エーコ「ビビ!!しっかりしてビビ!!」

ビビ「う・・・」

マスタードボムを喰らってビビは火傷を負い戦闘不能状態となった。

ザ・ソウルケージ「おろかな・・・小娘をかばわなければそんな目にあわずに住んだものを・・・」

エーコ「!!」

エーコはビビが自分のせいで傷ついてしまったことに気付いた。

エーコ「嘘・・・あたしのせい?・・・あたしのせいでビビが・・・?」

ザ・ソウルケージ「おろかな人形だな・・・」

ジタン「てめぇよくもビビを・・・!?」

ジタンは何かに気付いた。

ジタン「この感じ・・・まさか・・・エーコ?」

エーコ「いや・・・いやよ・・・そんなのいやよ・・・」

ジタン「まさか・・・」

エーコ「もう・・・誰も失いたくないのに・・・」

コウ「何だいったい!?」

エーコ「いやーー!!

と、エーコからとてつもない光が発せられた。

コウ「何だこの光!?」

ダガー「光?・・・ジタン!!」

ちょうどコウはダガーを引き上げた。

ジタン「ああ・・・トランスだ。」

と、光が消えてそこにいたエーコの姿は、額の角が伸び、背中の羽が大きくなってどこか幻想的な姿をしていた。

コウ「これがトランス・・・」

ダガー「・・・天使みたい・・・」

羽が大きくなったエーコは天使を思い出すような美しさと綺麗さがあった。

ザ・ソウルケージ「な、何だ!?」

エーコ「許さない・・・ぜったいに許さない!!」

エーコは三つの宝石を持った。

エーコ「我に従いし者達よ、今ここに来たりて我が敵を葬れ!!一斉召喚!!

と、通常の召喚とは明らかに違うほどの光が発せられ、ガルーダタイタンカーバンクルが現れた。

ジタン「い、一斉に召喚!?」

エーコ「同時に攻撃よ!!ゴットブレス!!大地の怒り!!ルビーレイ!!

エーコが命令すると、ガルーダは強風を放ち、タイタンは地面を持ち上げ、カーバンクルは額の宝石からレーザーを照射した。

ドドドゴーーン!!

ザ・ソウルケージ「がぁーー!!」

三つの技を同時に喰らい、ザ・ソウルケージは倒れた。

エーコ「う・・・」

ジタン「エーコ?」

と、召喚獣達は宝石に戻り、エーコも元の姿に戻りその場に倒れた。

ジタン「エーコ!!」

ジタン達ははエーコに駆け寄った。

ダガー「エーコは大丈夫なの!?」

ジタン「大丈夫だ・・・でも怒り任せのトランスは命にかかわる・・・エリクサーを飲ませよう。」

ジタンはエーコにエリクサーを飲ませた。

コウ「ビビもエリクサーを飲ませたから大丈夫だ。」

ジタン「バリアも消えたみたいだな。」

と、ビビが意識を取り戻した。

コウ「大丈夫か?」

ビビ「うん。エーコは?」

ジタン「心配ねぇよ。トランスして意識が失っちまっているけどな。」

ビビ「トランス!?エーコにも!?」

ダガー「そうよ。」

と。

ゴゴゴゴゴ!!

突然ジタン達がいる所がゆれだした。

ジタン「なんかやべぇな・・・脱出するぞ!!」

ビビ「エーコは僕が!!」

ジタン「ああ!!」

そう言うとビビはエーコを抱きかかえ、一行はそこから脱出した。

コウ「何が起こっているんだよ!!」

ジタン「知るか!!走れ!!」

一行は我武者羅に走り根の上まで来た。

ダガー「ねぇ!!”霧”が薄くなってきてない!?」

ジタン「えっ!?」

ダガーの言うとおり”霧”が薄くなってきた。と、後ろから強風が吹き出した。

ジタン「うわぁーー!!」



アレクサンドリア(以下A)兵「ブ、ブラネ様!!」

ブラネ「なんじゃ騒々しい。」

A兵「大変です!!”霧”が・・・”霧”が!!」



ブルメシア(以下B)王「船の国リンドブルムまでも襲うとはな・・・」

シド「悔しいが、今の剣の国アレクサンドリアにはかなわないブリ・・・」

シドとB王が話をしていると。

エリン「大公様!!」

エリンが走ってきた。

シド「何事ブリ?」

エリン「たった今仕入れた情報なのですが”霧”が!!」



ルビィ「た、大変や〜!!」

ブランク「どうした!?ブラネが何かやらかしたか!?」

ルビィ「ブラネどころやないで!!」

トット「何があったのです?」

ルビィ「き、”霧”が!!」

フライヤ「”霧”がどうかしたのか?」

ルビィ「”霧”が晴れてなくなってしもうた!!」

スタイナー「な、なんだと!?」

フラットレイ「”霧”が・・・晴れた・・・!?」

ベアトリクス「そんな馬鹿な・・・」

ルビィ「嘘やと思ったら崖のとこまで行ってみい!!ほんとに”霧”がないんや!!」

この時、霧の大陸の”霧”が消え、低地に太陽の日が差し込んでいた。



コウ「”霧”が晴れちまった・・・」

クイナ「あっちの方も晴れてるアルか?」

ダガー「多分・・・」

ビビ「・・・」

と、エーコが目を覚ました。

エーコ「・・・ビビ?」

ビビ「エーコ、大丈夫?立てる?」

エーコ「う、うん・・・」

ビビはエーコを下ろした。

エーコ「そういえばどうなったの?」

ジタン「あの化け物はエーコが倒したんだよ。トランスしてな。」

エーコ「トランスって昨日言ってた?エーコにもあるの?」

ダガー「ええ。あの光はトランスよ、間違いなく。」

エーコ「エーコにも・・・って!!”霧”が晴れてるじゃない!!」

コウ「あいつを倒したらこうなったんだ。」

エーコ「ふうん・・・なんだかイーファの樹が綺麗に見える・・・」

ビビ「・・・」

ジタン「ビビ・・・どうしたんだ?」

ビビ「ジタン・・・僕・・・間違わなかった?さっき僕達黒魔道士は”霧”からつくられたって聞いたよね?あの時、こうしている間にも戦争のために仲間がつくられてるって考えたら・・・僕、何があっても、そんな事はイヤだって思ったんだ。でも、これで・・・黒魔道士の仲間は、もう増えないんだ。僕、みんなに・・・嫌われる気がする。」

エーコ「そんなことないわよ!!いい!?自分の気持ちに嘘ついちゃダメなの。だってそんな嘘ついて欲しいなんてアンタの仲間は思ってないもの!!」

ビビ「そう・・・かな?分かって・・・くれるかな?」

エーコ「仲間なんでしょ?大丈夫に決まってるじゃない!!」

ビビ「・・・うん。ありがとうエーコ。」

エーコ「べ、別に礼なんて!!・・・ん?どうしたのモグ?」

コウ「ん?あれマダイン・サリのモーグリじゃねぇか?」

エーコ「えっ!?モコどうしたの!?」

モコ「エーコ!!」

エーコ「こんな所までどうしたの!?何々?えっ?嘘!?分かったスグに戻る!!」

モコ「じゃあ先に戻ってみんなに話しとくクポ!!」

そう言ってモコは走り去った。

エーコ「ジタン達ってここでクジャを待つんでしょ?エーコ村に帰るね!!」

ジタン「待てよエーコ。どうしたんだ!?」

エーコ「村の大切な宝が盗まれたみたいなの!!」

ダガー「ジタン・・・!!」

ジタン「エーコ、俺たちも行くよ。」

エーコ「とっても嬉しいけどクジャはどうするの!?」

ジタン「マダイン・サリならそう遠くはないからな。あいつは、待たせとくさ!!」

ビビ「行こう!!」




イーファの樹で”霧”を晴らしたジタン達だったが、新たな事件が発生した。マダイン・サリの宝を盗んだのは一体誰なのか。



続く










あ と が き
エーコの初トランスです。
原作よりも可愛く綺麗な雰囲気にしてみました。
しかし一斉召喚ってひどいような・・・
ま、いいか。
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