CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第十七話 少女との出会い



ドワーフの言う『聖地』へ向かうことにしたジタン達。果たして『聖地』とは。

一行はまたコンデヤ・パタに来ていた。

ジタン「で、どうやって『聖地』に行くかだな。」

ビビ「二階の向こう側への道はドワーフの人が通してくれないみたいだったよ。」

クイナ「右手の露店の方の道も、双子のドワーフが見張ってて通れないアル。」

ジタン「マックス、お前は知ってんだろ、いく方法。」

マックス「知ってはいるが自分達の力で行くんだな。」

ジタン「へいへい。ま、行くか。」

一行は中に入った。

ジタン「そう言やぁネリクはどうしてんだろな?」

ダガー「そうだね。」

と。

ネリク「おお、また来たドか。」

ネリクが来た。

ネリク「おっマックス。久しぶりラリよ。」

マックス「ふっまた会うとはな。」

ネリク「そうだド、さっきまた南から人が来たホ。」

ジタン「はっ!?霧の大陸から?」

ネリク「だド。あっちにいるホ。」

ダガー「物好きね、誰なのかしら?」

一行はその人がいることに向かった。

ネリク「あいつホ。」

ダガー「あれ?もしかして・・・」

ダガーは見覚えがあるようだ。

ジタン「知ってるの?」

ダガー「もしかしてだけど・・・コウーー!!」

コウ「ん?」

そこにいたのはコウだった。

コウ「はぁ?ティル!?なんでここに?」

ダガー「それはこっちのセリフよ。」

ジタン「誰?」

ダガー「コウ=エルフレイ、ぱっと見分からないけど学者よ。」

コウ「分かんないなかぁ?」

ダガー「紹介するわ、ジタンにビビ、クイナにマックスよ。」

ビビ「あの。お久しぶりです・・・」

コウ「お、坊主。お前もティルの仲間なのか。」

ジタン「なぁ、ティルって?」

ダガー「うんとね・・・ってことなの。」

ジタン「はぁ〜。ま、これからよろしくな。」

コウ「ああ、しかし気まぐれに沼を探索してたらこんなとこについて伝説とされていたドワーフに会っちまうし、しかもエルフにティル達とも会うなんてな。」

ダガー「南東の森には黒魔道士が村を作ってるわ。」

コウ「何!?本当か!?・・・と言うか何でここに?」

ダガー「えっとね・・・てことなの・・・」

コウ「『聖地』ね・・・ネリク、何か知らない?」

ネリク「『聖地』に行くには神前の儀を交わさないと行けないド。」

ジタン「なんだそれ?」

ネリク「一人の男と一人の女が神に祝福され、夫婦になり聖地をのぞむ巡礼の旅に出るためにとりおこなう、聖なる儀式だド。」

ジタン「つまり、新婚旅行と結婚式って訳?」

ネリク「そんなもんだド。」

コウ「男と女って言われても女はティルしかいないし・・・」

クイナ「ワタシは遠慮するアル。」

ビビ「僕も・・・」

コウ「俺も別にいいし、となると・・・」

ジタン「・・・俺?」

ビクコ「うん。」

ジタン「・・・どうする?」

ダガー「・・・私は別にいいけど・・・」

コウ「じゃ、決まりだな。ネリク、神前の儀を行うって言ってくれないか?」

ネリク「ラリホ!!」

数分後儀式が始まった。

天守りのカツミ「山樹におわします、やおろずの神々と・・・」

ビビ「ほんとに夫婦になるのかな二人・・・」

コウ「さぁな。」

天守りのカツミ「陽のもと光と共にこの者ドも二人の旅立つこの地に・・・」

ビビ「僕散歩してくるね。」

コウ「ああ。」

天守りのカツミ「希望の糧となり・・・」

コウ「やっぱ少し違うけど文化は似ているな。」

天守りのカツミ「力によりて難をしりぞく・・・」

クイナ「・・・さっきからずっと黙ってるアルな・・・」

コウ「こんな時に何を話すんだよ。」

天守りのカツミ「智によりて道を開く・・・」

クイナ「幸せなのアルか?」

コウ「さぁな。」

天守りのカツミ「この者ドもに、天降る祝福あれ!!」

と、ジタンとダガーに光が降り注いだ。

ジタン「これで俺達も夫婦だ!!さあ、アツいくちづけを・・・」

ジタンはダガーに向かって飛んだ。が。

ダガー「ごめん!!」

ドーーン!!

ジタン「がっ!!」

寸前でダガーは回避し、ジタンは床に落下した。

ジタン「そう言うオチなのね・・・」

その頃。


ビビ「さっきの音、なんだろ・・・」

ビビは雑貨屋にいた。

ビビ「儀式が終わったのかな・・・ん?」

?「・・・後はこれを・・・」

ビビ「女の子・・・泥棒かな?」

そこには女の子とモーグリが食べ物を盗んでいた。

ビビ「あれじゃばれるな・・・すいませ〜ん。」

具売り娘オハツ「はいよ。」

女の子「!!」

ビビ「えっと、この木の実ください。・・・」

ビビは女の子に多分目で『今のうち』と言ってるらしい。

具売り娘オハツ「100ギルホ。」

ビビ「はい。」

具売り娘オハツ「マイド。」

この隙に女の子はどこかに逃げていた。

ビビ「これでよかったのかな?とりあえずジタン達の所に行こう。」

ビビはジタン達の所に向かった。

ビビ「どうしたの?」

ジタン「ああ、俺とダガーは行けるんだけど・・・」

ビビ「けど?」

ネリク「すまんド、他の者は行けないラリ。」

ビビ「どうするの?」

コウ「とりあえずお前らだけで双子のドワーフのとこに行って来れば?」

ジタン「そうするか・・・」

とりあえず二人は双子のドワーフの所に向かった。

ジタン「よおっ!!今度夫婦になったジタンとダガーだ。」

番つがいのウコン「ラリホッ!!それじゃあ『聖地』に旅立つドか?」

ダガー「そうなの、だからそこを通してもらえる?」

番つがいのサコン「ラリホッ!!もちろんだド!!気をつけて行って来いだド。」

ドワーフはその場を離れた。

ジタン「さ、行くとしますか。」

と、その時。

ウサ「どろぼーー!!」

ダガー「え?」

そこにさっきの女の子とモーグリが来た。

女の子「モグ、早く!!」

モーグリ「クポ〜〜!!」

ウサ「待つだド〜!!」

ドワーフも後を追った。

ジタン「行ってみよう!!」

二人も後を追った。

番つがいのウコン「逃げられてしまったド・・・」

番つがいのサコン「この先にはいけねぇオキテだド・・・」

ジタン「この先って人が住んでんのか?」

番つがいのウコン「そんなハズはねえだドも・・・」

番つがいのサコン「あのちっこい二人組は、何回か食べ物盗みに来てるだド。」

ジタン「へぇ〜」

ドワーフは帰っていった。と、ビビ達がやってきた。

ダガー「みんな。」

コウ「へへ、来ちまったぜ。」

ネリク「ばれたら厄介ド。秘密にしとくから早く行くド。」

ダガー「ネリクも来るの?」

ネリク「面白そうだからオレもついてくラリ。」

ジタン「ああ。じゃ、行くか。」

一行は先に進んだ。と。

ビビ「あれ?」

一行は何かを見つけた。それは・・・

女の子「うぅ〜・・・」

モーグリ「クポ〜」

女の子の服が木の枝に引っ掛かって身動きが取れないらしい。

女の子「モグ、早く早く!!急がないとつかまっちゃうよぉ。」

モーグリはモグと言うらしく、ポンポンが黄色だった。と。

モグ「クポッ!!」

モグが一行に気付いた。

女の子「ど、どしたのモグ?」

モグ「ク、クポ〜〜〜!!」

女の子「こ、こら待てぇ〜!!逃げるなぁモグ〜〜!!」

女の子の声むなしくモグは逃げた。

女の子「はあ・・・こんな所に引っ掛かって・・・信じていたモグにも裏切られ、ここで寂しく死んでいくのだわ・・・モグめ〜・・・しんだら絶対化けて出てやるんだから!!」

ジタン「なんなんだ?」

一行は女の子の元に寄った。

女の子「ああ、幻かしら?角の無い人が見える・・・しかもシッポまで生えてるし・・・?へ!?」

この場にいる全員「・・・」

女の子「きゃ〜〜〜っ!!たぁすけてぇ〜〜〜!!だ、駄目よあたしを食べるなんて!!それにおいしくないわ、きっと!!きっとそうよ!!うん、おいしくないわ!!

コウ「一人除いてそんなこと考えちゃいねぇよ。」

クイナ「じゃ、さっきのモーグリは?」

クイナ以外全員「駄目!!」

ビビ「とりあえずおろそうよ。」

コウ「まかせな。てやっ!!」

ドーーン!!

女の子「きゃっ!!」

コウは枝が生えている崖を蹴った。で女の子は宙に浮いた。と。

ジタン「よいしょっと。」

ジタンは女の子をキャッチした。

女の子「・・・あ、ありがと。」

女の子は地面に降りた。

ダガー「大丈夫?」

女の子「・・・大丈夫。」

ダガー「怪我はない?」

女の子「大丈夫って言ったら大丈夫なの!!そこの青い服着た子みたいな子供じゃないんだから!!」

ビビ「でも君・・・僕とあんま変わんないような・・・」

女の子「し、失礼しちゃうわっ!!それに君だなんてっ!!ちゃんと名前くらいエーコってリッパな名前があるんだから!!それにレディーに名前を聞くときには、自分から名乗るのが礼儀ってものだわっ!!」

女の子はエーコと言う名らしい。

ビビ「自分から名乗ったんじゃ・・・」

エーコ「なあに!?」

ビビ「うっ・・・」

エーコ「ま、さっきの事もあるから今回はいいわ。」

ジタン「さっき?」

ビビ「この子・・・エーコはさっき盗みをしててね、見つかりそうだったから僕がごまかしたんだ。」

ネリク「・・・ほんとなら捕まえるとこド・・・」

コウ「まぁまぁ。っと、俺はコウ、よろしくな。」

ダガー「私はダガー、そっちの子はビビであっちのはクイナよ。」

ネリク「ドワーフのネリクラリ。」

マックス「エルフのマックス。」

エーコ「ふうん、で、あなたは?」

ジタン「俺?俺はジタンだ。」

エーコ「ジタンね、うんうん。」

ジタン「で、そのエーコさんは何でまた盗みを働いたんだ?」

エーコはちょっとモジモジした。

エーコ「・・・おなか・・・すいたの・・・」

コウ「ま、十分な理由じゃないか。で、どうすんだい?」

エーコ「多分モグは家に帰ったと思うから、家に戻る。」

ネリク「この先に住んでるホ?信じられんホ・・・」

ジタン「ま、送ってやるか。」

エーコ「え?・・・あ、ありがとね・・・」

ジタン「いいっていいって。」

コウ「しかしスットンキョなメンバー構成となったな。」

ダガー「ス、スットンキョ?」

ビビ「どうして?」

コウ「ただの人間が俺とティルしかいないからな。」

ダガー「ん?エーコは?」

ジタン「ダガー、エーコの額を見な。」

ダガー「額って・・・えっ!?」

ダガーはエーコの額に何かを見つけた。

ダガー「つ、っ!?」

エーコの額には角か生えていた。

エーコ「何?おかしい?」

コウ「別に。」

ビビ「確かにね・・・ジタンはシッポ、クイナはク族、ネリクはドワーフマックスはエルフ、エーコは角付き、僕は黒魔道士・・・」

エーコ「何かしゃくにさわる言い方ね。」

ダガー「まぁまぁ、行きましょうよ。」

ジタン「だな。」

一行はエーコを仲間にし、山道を歩き始めた。

ジタン「・・・いつにも増して・・・すごいメンバー・・・」

ビビ「ははっ・・・そうだね・・・」

ダガー「ふふっ・・・あら?」

ダガーは何かを見つけた。

ダガー「あれは?」

遠くに巨大な樹があった。

ネリク「あれが聖地ラリ。」

ジタン「あれが・・・」

と、その時。

ゴゴゴゴゴ!!

ジタン「な、何だ!?」

ビビ「あれ!!」

コウ「何だあいつ!?」

ジタン達にヒルギガースが近づいてきた。

ヒルギガース「ガァー!!」

ジタン「やるぞ!!」

コウ「ああ!!」

ビビ「エーコは下がってて!!」

エーコ「えっ!?ちょっと!!」

エーコを置いて戦いが始まった。

ジタン「はっ!!」

ネリク「うらぁー!!」

クイナ「アチョー!!」

三人はそれぞれ攻撃を開始したが。

ヒルギガース「ガァ!!」

バシン!!

ジタン「ぐっ!!」

クイナ「アイヤー!!」

ネリク「ラリホー!!」

ヒルギガースの一撃でジタンは近くの岩に飛ばされ、ネリクとクイナは吹っ飛ばされた。と、その隙にマックスが。

マックス「喰らえ!!」

ヒルギガースに矢を放った。

ヒルギガース「ガ!!」

矢は肩口に命中したがあまり効いていない様だ。

マックス「くっ!!」

ビビ「まかせて!!サンダラ!!」

ズドーン!

ヒルギガース「ガァ!!」

サンダラが当たり少しひるんだ。と、今度はコウが。

コウ「いっけぇーー!!」

銃を構え今にも撃とうとしていた。が。

ヒルギガース「ガァー!!」

バシン!!

コウ「うわぁ!!」

ダガー「コウ!!」

コウも殴られ岩に打ちつけられた。

ジタン「ダガー・・・ラムウだ・・・ラムウを・・・」

ダガー「えっ!?あ、分かった!!」

ダガーはペリドットをかざした。

ダガー「裁きを下す雷よ・・・我の敵に裁きを!!ラムウ!!

詠唱するとペりドットが光り、ラムウが現れた。

エーコ「しょ、召喚獣!?」

ダガー「ラムウお願い!!裁きの雷!!

と、ラムウの杖から凄まじい雷が発生し、ヒルギガースに向け放たれた。

スドーーン!!

ヒルギガース「ガァーー!!」

雷が当たり、先程よりもひるんだ。

ジタン「やったか?」

が、ヒルギガースはまた襲ってきた。

ダガー「くっ!!」

と、ヒルギガースはジャンプし、ネリクが戻って来た。

ネリク「まずい!!飛ぶラリ!!」

が、遅くヒルギガースは地面に着地した。その瞬間地震が発生した。

ダガー「きゃぁーー!!」

ビビ「うわぁーー!!」

マックス「ぐう!!」

地震を喰らい、三人は大ダメージを負った。

エーコ「みんな!!」

と、ヒルギガースはエーコに目を向けた。

ビビ「逃げるんだ!!」

エーコ「そんなことできる訳無いじゃない!!」

と、エーコは何かを手に取り唱え始めた。

ビビ「エーコ!!」

ビビ「全てを吹き飛ばす神の風よ・・・我が敵を無にきっせよ!!」

ジタン「な、何だ!?」

ダガー「まさか・・・」

エーコ「いでよ!!ガルーダ!!

エーコが唱えると、持っていた何からか光が発せられ巨大な怪鳥が現れた。

エーコ「いっけー!!ゴットブレス!!

と、ガルーダから風が発せられ、ヒルギガースに放たれた。

ヒルギガース「ガァーー!!」

ゴットブレスを喰らって一度宙に浮き上がり、ヒルギガースは地面に顔を埋めた。

エーコ「やったやった!!」

ジタン「やっぱ召喚術?」

ダガー「エーコもできるなんて・・・」

エーコ「もうみんな!!だらしないわよ!!」

確かにエーコ以外ボロボロだった。

エーコ「さ、行くわよ!!」

エーコは歩き出した。が。

ヒルギガース「ガアーー!!」

ヒルギガースが立ち上がった。

エーコ「嘘っ!?」

ダガー「ジタン!!刀魂放気でなんとかして!!」

ジタン「ああ!!何がでてもうらむなよ!!刀魂放気!!」

バシューン!!

ジタンは刀魂放気を放った。

ジタン「何がでる・・・」

緊張が走った。と。

ヒルギガース「ウガガガガ!!」

いきなり地面を叩いたりするなど暴れだした。

コウ「何だ!?」

ジタン「まずい!!『混乱』だ!!」

混乱し、あたりを壊し始めた。

クイナ「じじじ地面が揺れて詠唱できないアル!!」

マックス「駄目だ!!手元が震えて・・・」

ネリク「あ、歩けないド!!」

ジタン「くっそう・・・いったいどうすれば・・・?」

ジタンは何かに気付いた。

ジタン「エメラルドが・・・反応している・・・まさか!!」

ジタンは何かをひらめいた。

ジタン「エーコ!!これでやってみろ!!」

そういってエーコにエメラルドを投げ渡した。

エーコ「えっ!?」

ジタン「やるだけ頼む!!」

エーコ「う、うん!!」

エーコは集中し始めた。

エーコ「感じる・・・この石にも召喚獣が眠っている!!」

ジタン「出せるか!?」

エーコ「少し待って!!」

ジタン「分かった!!時間を稼ぐぞ!!」

ダガー「稼ぐって言われてもこんな状況じゃ無理よ!!」

と、ヒルギガースはエーコに向けて暴れだした。

コウ「まずい!!」

と、ヒルギガースの前にビビが立ちふさがった。

エーコ「ビビ!?」

ビビ「僕が時間を稼ぐ!!今の内に!!」

ヒルギガースはビビに殴りかかったが、ビビは何とか避けている。

エーコ(お願い・・・!!私の声を聞いて・・・!!)

ビビ「くうぅ!!」

ジタン「ビビ!!待ってろ!!」

ジタンがビビの援護に向かおうとした。が。

ヒルギガース「ガーー!!」

地面を殴りまた地震を起こした。

ジタン「だあぁ!!」

ダガー「ジタン!!これじゃあラムウを呼べない・・・!!」

と、ビビがヒルギガースに殴られ、倒れた。

ダガー「ビビ!!」

ネリク「このままじゃやられるド!!」

エーコ(お願い・・・!!)

エーコはまだ集中していた。が、ヒルギガースが近づいてきた。

コウ「くそう・・・なんとか右手を出せれば・・・!!」

コウは右腕が岩に埋まっていた。

そんな中ヒルギガースは段々近づいていた。

コウ「くそっ!!」

と、またビビがヒルギガースの前に立ちふさがった。

ダガー「ビビ駄目!!あなたはもう・・・!!」

ビビ「大丈夫・・・!!」

と、ヒルギガースがビビを持ち上げた。そして。

ヒルギガース「ガガガーー!!」

ガシン!!

ビビ「がっ・・・!!」

エーコ「!!っビビーー!!」

ビビは持ち上げられた後、一回投げられ、地面に向けて殴られた。ビビの体は地面に打たれ、宙に浮いた。そしてむなしく地面に落ちた。

コウ「ビビ・・・!!うおぉーー!!」

ガボン!!

コウは右腕を掘り起こした。

コウ「よし、これで!!」

と、コウのガントレットが手首とヒジの間あたりから縦に開いた。そんな中ヒルギガースはエーコに近づいていた。

ジタン「エーコ!!」

ヒルギガースは腕を振り上げた。

エーコ「!!」

エーコは殴られると思い、目を閉じた。が、腕はこなかった。その訳は。

コウ「今の内にエーコ!!急げ!!」

コウのガントレットから薄い包帯のようなウィップがいくつか伸び、ヒルギガースの腕を押さえていた。

エーコ「コウ!!うん!!」

エーコはまた集中した。

コウ「エーコはやらせねぇ!!」

ウィップで動きを封じたコウ、だが。

ヒルギガース「ガッ!!」

コウ「うわっ!!」

ヒルギガースは馬鹿力でコウを振り回し岩に投げつけた。

コウ「うぐっ!!」

最悪の状況となっていた。ジタンとネリクは地震で動けず、ダガーとクイナも地震で詠唱できす、マックスも手元が揺れ矢を射ることが出来ず、コウとビビは戦える状態ではなかった。

エーコ「どうしよう・・・このままじゃ・・・」

と、またヒルギガースはエーコを標的にした。

ジタン「くそ!!この地震さえなければ!!」

そしてまたエーコを殴ろうと腕を振り上げた。

エーコ(もう駄目!!)

エーコは防御の姿勢をとった。

バシン!!

何かを殴った音が響いた。が、殴られたのはエーコではなかった。殴られたのは・・・

エーコ「ビビ!!」

そう、必死の思いでエーコをかばったビビであった。

ビビ「がっ・・・がふっ!!」

先程から殴られ、ビビは血を吐いた。

エーコ「ビビ!!待ってて今白魔法で何とかするから!!」

ビビ「ま、待って・・・まずあいつを・・・あいつを倒して!!」

エーコ「ビビ・・・」

そんな中ヒルギガースが近づいて来た。

エーコ「あんたがいなければ・・・みんな傷つかなったのよ!!」

と、ヒルギガースが殴りかかった。

エーコ「お願い!!私の力になって!!」

と、その時。

ズガーーン!!

ヒルギガースの腕を何かがつかんだ。それは。

エーコ「タイタン!!」

それは召喚獣タイタンだった。

ヒルギガース「ガッ!?」

エーコ「タイタン!!大地の怒り!!

エーコが唱えると、タイタンはヒルギガースから離れ、地面を持ち上げ投げつけた。

ドガーーン!!

ヒルギガース「ガガーー!!」

大地の怒りを喰らいヒルギガースは倒れた。そしてエーコはビビに寄った。

エーコ「ビビ!!大丈夫!?」

ビビ「う・・・うん・・・」

エーコ「待ってて、ケアルラ!!」

ケアルラでビビは回復した。

ジタン「お〜い、俺らも頼む〜」

エーコ「うん。」

エーコは皆を回復させた。

ダガー「それにしてもエーコも召喚魔法が使えるのね。」

エーコ「そんなに驚く?」

ジタン「そりゃな。さっきのはよく現れるのか?」

エーコ「うん。いつもは走って逃げるの。」

コウ「でも今はエーコの住んでいるとこに行こう。特にビビは一番重症だからよ。」

ジタン「そうしよう。」

一行はエーコの家に向かった。

ダガー「そういえばガルーダを出した時に持ったのは何?」

エーコ「サファイアよ。」

コウ「宝石が召喚獣とかかわっているのか・・・」

マックス「話は後だ。エーコ、アレか?」

遠くに街らしきものが見えた。

エーコ「そうよ、急ぎましょう!!」

一行は足早にその場所に向かった。そしてそこに到着した。

エーコ「みんな!!ここがエーコの住むマダイン・サリよ!!」

ここの名前はマダイン・サリと言うらしいが、そこは廃墟だった。

ジタン「ここは・・・?」

ダガー「ジタン・・・あなたも?」

コウ「どうした?」

ジダ「な、何でも・・・」

と、モーグリが五匹やってきた。

エーコ「モチャ!!モコ!!チモモ!!モーネル!!モリスン!!」

全員名があるらしい。

エーコ「モグは?」

と、モグも来た。

エーコ「モグ!!」

モグ「クポ・・・」

エーコ「ううん、怒ってないわ。さ、みんなこっち来てぇーー!!」

と、エーコとモーグリ達は走り出した。

ジタン「行ってみるか。」

一行は広場に来た。

エーコ「あのね、エーコ、ジタンに興味があるの。」

ジタン「俺もエーコに興味があるんだ。」

エーコ「ほんと!?」

ジタン「例えば召喚獣の・・・」

エーコ「ジタンってどこの人?歳はいくつ?何しているの?何処に行こうとしていたの?」

ジタン「ちょ、そんなことより・・・」

エーコ「どんな食べ物が好き?どんな召喚獣が好き?どんなモーグリが好き?どんな女の子が好き?」

数分後。

エーコ「ジタンみたいな人初めて・・・」

ジタン「はは。」

エーコ「そう言えばみんなの関係って?」

ダガー「関係?仲間よ。」

エーコ「仲間・・・エーコとモグやモーグリみんなとの関係みたいなの?」

ジタン「そんなとこさ。」

エーコ「へぇ〜じゃ、ここで待ってて!!お料理をするから。」

と、エーコはその場を離れた。広場にはジタンとダガーだけになった。

ダガー「・・・ねぇ。」

ジタン「ああ、分かってる、この景色・・・どこかで見たことある。」

ダガー「なんでしょう。」

その頃エーコは。

エーコ「さぁ、お料理するわよ!!」

モチャ「で、何を作る?」

エーコ「もちろん『げんこつ芋のシチュー』よ!!これを作ってジタンをエーコにメロメロにするの!!」

モーネル「だから手伝うクポか、いいけどシチューだけ?」

エーコ「じゃあチモモ!!魚を釣って!!」

チモモ「クポ〜」

エーコ「お芋はモチャ、モーネルはエーコの手伝い!!じゃあ始め!!」

三匹「クポ〜」

料理が始まった。

エーコ「おじいさん、もう一人はさみしいの、だから、見守ってて・・・」

その頃。

モリスン「ここが召喚壁クポ。」

ビビ以外の一行を召喚壁なるとこにつれてきていた。

モリスン「召喚士一族の皆様が召喚魔法を研究し、発見した召喚獣を壁に描いた、それが召喚壁です。」

コウ「これみんな実在の召喚獣?」

モリスン「そうです。エーコ嬢は毎日ここで祈りを捧げております。」

ダガー「・・・」

ジタン「ダガー・・・」

コウ「さ、俺らはおじゃまだな。二人っきりにしとこう。」

そう言って二人を残し、皆出て行った。

コウ「しっかし何があったんだ?マジで廃墟だぞ。」

モリスン「それは夕食時に。」

と、時間が過ぎ料理が完成した。

ジタン「こいつはごちそうだ!!」

コウ「お、うまそうだな。」

そこには美味しそうなシチューと焼き魚があった。

エーコ「さ、食べて食べて!!」

皆料理を食べだした。

ジタン「シチューも魚も最高だな。所でビビ、お前どうしてた?」

ビビ「かまどの火力が足りなくて手伝ってたんだ。」

コウ「そういやあ、聞きたくなかったけど、エーコ、召喚士一族は他にいないのか?」

エーコ「うん。もうエーコ一人よ。」

ダガー「そんな。」

エーコ「大丈夫!!みんながいるから寂しくないよ!!」

モグ「クポ〜」

エーコ「十年前に天変地異にあって、みんな死んじゃったんだ。」

ジタン「十年前の天変地異・・・」

エーコ「どうしたの?」

ジタン「な、なんでも!!美味しいぜ!!」

色々話が盛り上がり夕食は終わった。

コウ「ふい〜ごちそうさん。」

エーコ「片づけはエーコがするから、みんなは休んでて。」

ジタン「って言っても召喚壁以外何も無いしな。」

エーコ「あっ!!近くに温泉があるわ!!後で案内するね!!」

ジタン「温泉か・・・」

ダガー「ジタン。」

ジタン「わ、分かってるよ。覗かないさ。

数時間後エーコの案内により温泉の近くに来た。

エーコ「服はそこら辺で脱いで。エーコ達はこっちで脱ぐから。」

そう言って二人は壁に隠れた。

ジタン「さって、どう覗くか・・・」

ビビ「覗かないんじゃなかったの?」

ジタン「ばぁか、ここで覗かずにいて男か?」

コウ「そうか?」

数分後

ジタン「・・・」

ジタンは黙っている。

ビビ「覗くんじゃなかったの?」

ジタン「これじゃ覗く気にもなんねぇよ。」

ビビ「そう言うものなの?」

コウ「知らん。」

ビビ「ねぇ、そう言うものなの?」

エーコ「あたしに聞かないでよ。」

ビビ「ねぇ・・・」

エーコ「その前に!!そんなこと女の子に聞かないの!!」

コウ「混浴じゃ仕方ないよな。」

そう、温泉は一つだけ、つまり混浴状態となってた。

コウ「ここの残骸使っていいなら敷居作っとくけど。」

エーコ「じゃあ後でお願い。」

コウ「ああ。」

ダガー「でもその包帯・・・」

コウの右腕には包帯がすごく巻かれていた。

コウ「気にすんなよ。こいつがあるから結界を張ったり動きを止めるウィップになるんだ。」

結界については十二話参照。

ダガー「そう。でも、エーコの羽って・・・」

エーコの背中には天使のような羽が生えていた。

ビビ「飾りじゃなかったんだ。」

エーコ「あまり気にしないで。可愛いでしょ」

クイナ「不思議アル・・・」

ジタン「お前らは入らないのか?」

クイナネリクマックスは近くにいるだけだった。

マックス「別にいい。」

ジタン「そ。」

エーコ「そうだジタン!!何か話して!!」

ジタン「何だいきなり?」

エーコ「いいから!!ジタンのこともっと知りたいの!!」

ジタン「はいはい・・・そうだな・・・俺の記憶の始めからいくか・・・」

ジタンは話を始めた。

新たな仲間エーコと出会ったジタン達。ジタンの話す記憶とはいったい。



続く










あ と が き
ついにエーコが登場です!!(いぇいっ!!)
楽しみにしていた方も多いじゃありませんか。
ちなみにコウを出したのは思い付きです。
思いつき出なければやっていけませんよ。
第十六話へ
第十八話へ
第一部TOPへ

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