CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第十六話 いつか帰るところ



無事外側の大陸についたジタン達。”霧”無き世界で待ち受けるものとは。

ジタン「”霧”がホントに見当たんないな。」

ビビ「そうだね。」

外側の大陸は”霧”が無かった。と、ダガーが何かを見つけた。

ダガー「何あれ?」

ダガーが指差した先には上に建物らしいものが木の根らしき物の上に架かっていた。

ジタン「行ってみるか。」

四人は建物らしき所に向かった。

ビビ「なんだろういったい?」

ジタン「入って見るか・・・」

四人は中に入った。そこには。

?×2「ラリホッ!!」

ジタン「な、何だ!?」

ダガー「ど、ドワーフ!?」

そこにいたのはドワーフと呼ばれる種族だった。ドワーフとは手先が器用で穴掘りや工作に巧みな種族の事だ。

ドワーフ×2「ラリホッ!!」

ジタン「な、何だよ・・・」

クイナ「ラリホ?」

ドワーフ「ラリホッ!!お前は通ってもいいだド!!」

ビビ「こう言う事?」

ジタン「多分な・・・」

ダガー「じゃあ・・・」

ジダビ「らりほ・・・」

ドワーフ「ラリホッ!!通っていいだド!!」

ビビ「・・・簡単なんだ・・・」

ジタン「言うな・・・」

そして四人は別行動をとった。
ここからはジタン、ビビ、ダガー、クイナの順に展開して行きます。

ジタン「しっかし何も無いな、何なんだよここは?・・・あのドワーフに聞いてみるか。」

ジタンはドワーフに話しかけた。

ジタン「なぁ、ここは何なんだ?」

ドワーフ「ここか?ここはコンデヤ・パタだホ。知らねぇってこたぁあんたこの大陸のモンじゃないラリな。」

ジタン「ま、まぁ・・・コンデヤ・パタ・・・それがこの地の名か・・・」


ビビ「・・・ドワーフって初めてだけど・・・何で僕を見ても驚かないんだ?」

と、そこにドワーフが来た。

神かつぎのカンゾー「おっ今日はめんこい奴がやって来たラリな、今日はなんだド?」

ビビ「えっ?何の事?」


ダガー「あの、聞きたいことが・・・」

ダガーはドワーフ達に話しかけていた。が。

茶ききのゼンベイ「そろそろウチのデンエモンも、ヨメをもらわねばなんねえド・・・」

かしまし娘ユウ「お前んとこのデンエモンじゃ誰もヨメには来てくんねえドも、なんならそこの客人なんてどうだホ?」

話を聞いちゃくれなかった。

ダガー「あの〜・・・」

茶ききのゼンベイ「ん〜中々の器量よしかもしんねえドもなぁ・・・」

鳥やどりのカンナ「こんなひょろっちぃヨメじゃ『聖地』に旅立つこともできねーラリよ。」

ダガー「だ、誰もヨメに来るなんて言ってません!!・・・ん?『聖地』?」


クイナ「どうしたアルか?」

番つがいのサコン「いんやぁ、ここ最近泥棒が現れてな。」

番つがいのウコン「困っているドよ。」

クイナ「そりゃあ大変アルな。頑張るアルよ。」

そう言ってクイナはその場を離れた。が、側の店に青髪の頭とモーグリらしきポンポンがいた。


ジタン「変わった街だよな・・・ん?」

ジタンはアイテム屋に何かがいるのに気付いた。

具売り娘オハツ「いつもええ売り物持ってきてくれてありがとだド。」

黒魔道士(以下クロマ)「・・・」

そう、黒魔道士がいたのだ。

ジタン「おい、お前・・・」

クロマ「!!」

そこにビビが来た。

ビビ「え!?」

クロマ「・・・」

黒魔道士は去った。

ビビ「ま、待って!!」

ビビは後を追った。

ジタン「おい!!ビビ!!

ジタンも後を追った。

ビビ「待って!!」

ビビは後を追ったが見失ってしまった。と、入口に皆が集まった。

ダガー「どうしたの?」

ジタン「さっき黒魔道士がいたんだ。」

ダガー「えっ!?」

ジタン「まさかブラネの軍が・・・」

不安がよぎる一同。が。

道知りのカンスケ「お前たちクロマ族達と知り合いか?」

ジダビ「ク、クロマ族!?」

道知りのカンスケ「そうだド、クロマ族は達はよく南東の森から、物を交換しに来るド。」

ジタン「近くに住んでいるってのか!?しかも族ってことは何人も?」

道知りのカンスケ「そうだドも、南東の森は、崖をぐる〜っと回り道して、東の方に行ってから入らねばなんねド。確か『ふくろうの住む森のふくろうも住まぬほど奥深く』らしいド。」

ジタン「どう言うことだ?」

ダガー「行って見るしかないわね。」

道知りのカンスケ「お前たちクロマ族の村に行くドか?なんならいい道案内がいるド。お〜い!!ネリク〜!!」

名を呼ぶと一人のドワーフが来た。

ドワーフ「呼んだホ?」

ジタン「あ、さっきのドワーフ。」

道知りのカンスケ「こいつはネリク=バロンド、ドワーフの戦士だド。」

ネリク「クロマ族の村ならオレが案内するド。」

ジタン「あ、ああ。頼むよ。」

そう言う事でネリクを含めて一行はクロマ族の村に向かった。

ネリク「所でお前らは何でまたこんなとこに来たド?」

ジタン「まぁ、協力してくれているから教えるよ。実は・・・」

ジタンは事の全てを話した。

ネリク「ははぁ。そっちじゃそんなことがあったラリか。」

ダガー「もしかしたらこの大陸にも被害が及ぶかもしれないから・・・」

ネリク「だからクロマ族に会いに行くドか。」

ビビ「うん・・・」

ネリク「大変だドなっと、ダガー避けるド!!」

ダガー「えっ?きゃあ!!」

ガギン!!

ネリクはダガーの足元に斧を叩きつけた。

ジタン「どうした!?」

ネリク「ダガーの足元にサボテンダーがいたド。」

ダガー「あ、ありがとう。」

ネリク「さ、もうすぐ森に入るド。」

一行は森の中に入った。森はとても深かった。

ビビ「すごい森だなぁ。」

クイナ「迷ったら大変アルよ。」

ネリク「ま、なれればこの森も簡単だド。」

ダガー「そうなの・・・?」

ジタン「簡単かどうか知らんが、一つだけ分かることがある・・・」

ダビクネ「ん?」

ジタン「こんな奴がいるってことさ・・・」

ダガー「あ・・・」

ジタン達の後ろにやたらでかいザグナルがいた。

ザグナル「グシュウ・・・」

ジタン「かなり、気が立っているな・・・」

ビビ「うん・・・」

ザクナル「ガアァーー!!」

ジタン「逃げろぉぉーー!!」

クイナ「またアルかーー!!」

五人は全力で逃げた。が、ザグナルは追ってきた。

ネリク「追って来たドーー!!」

ジタン「ビビ!!クイナ!!黒魔法と青魔法であいつ何とかしろ!!」

ビビ「走りながら詠唱は無理だよ!!」

クイナ「どうしようもないアル!!」

ダガー「どうするのよ!!ザグナルの方が足速いわよ!!」

ダガーの言うとおりザグナルが段々せまって来た。

ビビ「うわぁーー!!」

ジタン「くそっ・・・賭けて見るか・・・!!」

そういうとジタンは短剣を持った。

ダガー「何するの!?」

ジタン「上手く行くか分かんねぇがやるだけやる!!」

そう言ってジタンはザグナルに目を向けた。

ビビ「危ない!!」

ジタンは短剣を逆手から持ち替えザグナルに向けた。

ジタン「確率九分の一・・・刀魂放気!!」

バシューン!!

ジタンが何かを唱えると短剣から光が放たれザグナルに当たった。

ジタン(頼む・・・!!)

と、ザグナルは追ってこなくなった。

ビビ「あ、あれ?」

ダガー「ザグナルは?」

ジタン「ふう、上手くいった・・・」

ダガー「上手くいったって何が・・・えっ!?」

ダガーが見た先に会ったのは石化したザグナルだった。

ダガー「ねぇ何をしたの?」

ジタン「刀魂放気っていってな、九つある状態以上をどれか確実に発生させる技なんだ。石化で助かった・・・」

ビビ「九つって後は?」

ジタン「沈黙暗闇、迷惑に毒混乱、ミニマム睡眠死の宣告だ。」

ビビ「何がでるか分からないんだ・・・」

ジタン「ま、なんとかなったんだ。先進もうぜ。」

そしてまた五人は歩き出した。と、道が二つに分かれているところに着いた。

ジタン「ここは?」

ネリク「この先がクロマ族の村だド。ちょっとした細工があって簡単には行けないド。」

ジタン「もしかして『ふくろうの住む森のふくろうも住まぬほど奥深く』か・・・?」

ネリク「じゃあオレはこの辺でコンデヤ・パタに戻るド。」

ジタン「あ、サンキュウなネリク。」

ネリク「じゃあな。」

ネリクは帰っていった。

ジタン「じゃ、行ってみるか。」

四人は分かれ道の中心にある看板を見た。

ジタン「何々、『←ふくろうのいる方』『ふくろうのいない方→』・・・こっちだな。」

四人は右側に進んだ。するとふくろうが一羽飛んで行きまた、分かれ道の前に来た。

ダガー「あれ?」

ジタン「またか?」

四人はまた看板を見た。

ビビ「『←ふくろうのいる方』『ふくろうのいない方→』・・・またこっちだね。」

四人はまた右側に向かった。するとまたふくろうが飛んで行きまた戻った。

ジタン「後何回繰り返すんだ?」

クイナ「ぶつくさ言わんアル。」

また看板を見た。

ダガー「『←ふくろうのいない方』『ふくろうのいる方→』・・・今度はこっちね。」

四人は左に歩いた。するとふくろうが飛んで行きまた最初に戻った。

ジタン「なぁ、キレていいか・・・?」

ビビ「駄目。」

また看板を見た。

クイナ「『←ふくろうのいる方』『ふくろうのいない方→』・・・またこっちアル。」

四人は右に歩いた。と、最後のふくろうが飛び去った。と、枯れた森の前にさっきの黒魔道士がいた。

ビビ「あっ!!」

黒魔道士が手を上げると枯れた森が生い茂った森となって黒魔道士は中に入った。

ジタン「行こう。」

四人もその中に入った。


黒魔道士の村


そこには黒魔道士が沢山いた。そこにジタン達が来た。

クロマA「!!」

クロマB「ひゃっ!!に、に、に・・・」

クロマC「??どうしたの?・・・!!」

クロマB「人間だーー!!」

クロマC「わぁーー!!」

黒魔道士たちは一斉に逃げ出した。

ビビ「待って!!・・・今の人達見たよね!!」

ジタン「あ、ああ・・・」

ビビ「喋ってた!!喋ってたよね!!僕と同じような人たちがいるんだよ!!」

ビビはどこかに行ってしまった。

ダガー「どうして枯れた森の中にこんな村が?」

ジタン「さあ・・・」

ダガー「ビビは?」

ジタン「向こうに行ったけど・・・ってお〜い。」

ダガーもどこかに行ってしまった。

クイナ「村があるのコト、おいしいものがあるのコト、これすなわち同じアルね。」

クイナもどこかに行ってしまった。

ジタン「まったくどいつもこいつも・・・ん?」

ジタンが何かに気付いた。と、その時。

ビシュッ!!

ジタン「わっ!!」

ジタンに向けて何かが飛んできたが、上手いことそれをつかんだ。

ジタン「これは、矢か?」

と、今来た所から、何者かが来た。

?「来訪者よ、この村に何しに来た?」

ジタン「誰だ!?」

そこには人間のような者たちがいた。

ジタン「なっ!?エルフ!?」

エルフとは耳がとんがっていて身のこなしが軽く不老不死と呼ばれるほど長く生きれる種族である。

エルフA「我らを知っているのか?」

ジタン「一応な。」

エルフB「この村に何しに来た?」

ジタン「まぁ色々あってな。」

ここからビビ、ダガー、クイナ、ジタンの順に展開して行きます。

ビビ「あの・・・」

56号「わっ!!」

288号「彼が人間と一緒に来たっていう?もしかして君は・・・?」

ビビ「ん?」

288号「いや、なんでもないよ。君も目覚めた仲間なんだね。」

ビビ「あ、ありがとう。あの・・・ここにいるみんなはいったい?」

288号「みんな逃げて来たんだよ。剣の国アレクサンドリアや輸送船からね。」

ビビ「こんな遠くまで?」

288号「そうだよ、人間達に見つからないように、海を渡ってこんな遠くまで、自分達だけで暮らせる場所を探して・・・」

ビビ「そうなんですか・・・あの、それでここは?」

56号「えっと、ここはね・・・なんだっけ?」

288号「『お墓』だよ。」

56号「あ、そうだったよ、ここは『おはか』だよ。」

ビビ「『おはか』・・・?じゃあ、も、もしかしてこの下には!?」

288号「そうだよ、僕らの仲間が動かなくなったまま・・・」

ビビ「そんな・・・どうして?」

288号「それは・・・」

56号「一緒に、一緒にね、僕、36号君とここまで逃げて来たんだ。みんなでここに村を作って、分からないコトだらけだったけどみんなでくらして・・・でもある日、36号君、動かなくなっちゃったんだ。ぴくりとも、何も、喋らなくなって・・・物知りの友達が言ったんだ、これが『死ぬ』ってことだって、死んだら土の中に隠れなきゃいけないって。36号君は今この下にいるよ、どうして土の中に隠れなきゃいけないのかな?僕にはよく分かんないけど。でもまた土から出てきて、一緒に遊ぼって言ってくれるんだよね?そしたらそこの池で体、洗ってあげなきゃ。」

ビビ「ど、どういうこと?」

288号「・・・」

ビビ「何かの病気?それとも怪我?」

288号「・・・」

ビビ「ねえ!!どうして!?」

288号「それは・・・」


ダガー「そうだったの・・・」

32号「そうだよ、大変だったんだから。」

ダガー「辛かったでしょ?」

192号「うん。でも、ここは楽しいからもういいんだ。君は悪い人間じゃないんだね。」

ダガー「どうなのかな?もしかしたら私も悪い人間かも知れないわ・・・」


クイナ「オホ〜!!これは!!」

111号「何だお前!?」

33号「この卵は渡さないぞ!!」

クイナ「何いってるアルか?最高の珍味チョコボの卵はとってもおいしいアル、どうせ食べるアルよ。」

111号「駄目だ!!この卵は動かなくなったお母さんチョコボが残した卵だぞ!!」

33号「僕らで温めて孵すんだ!!」


ジタン「って訳さ。」

エルフA「そうか、南の大陸からか。」

ジタン「で、あんたらはなんでこんなとこに?」

エルフC「我らは時おりこの村に訪れて物を交換しているのだ。」

ジタン「でもここの奴らドワーフと。」

エルフD「我らも交友を行っているのだ、もちろんドワーフともな。」

ジタン「へぇ〜・・・そろそろ宿で休むか。」

ジタンは宿に入った。中にビビがいた。

ジタン「ビビ、どうした?」

ビビ「ジタン・・・なんでもないよ・・・」

ジタン「何かあったのか?」

ビビ「なんでもないってば。」

と、宿にクイナとダガーが来た。

ダガー「二人とも来てたんだ。」

クイナ「おなか減ったアルよ。」

ダガー「ビビ、何かあったの?」

ジタン「つかれちまったんだよな、ビビ。」

ビビ「う、うん・・・」

ダガー「そうね、新しい所に来て、歩き通しだったものね。今日は休んだほうがいわ。」

クイナ「ワタシ食べ物探しに森に行ってるアル。」

クイナは宿を出た。

ジタン「じゃあ寝るか。」

三人は宿に止まった。その夜。

ダガー「ビビ?」

ダガーはビビが宿を出るとこを見た。そしてジタンに聞いてみた。

ダガー「ライフ・・・ビビが・・・」

ジタン「心配しなくていいだろ。あいつのことだから。」

ダガー「でも・・・」

ジタン「考えて見れよ、初めて自分と同じような仲間に会えたんだぞ。」

ダガー「でも、その仲間にひどいこと言われたりいじめられたりしたら?」

ジタン「そんなことを気にして仲間をつくる奴があるか?そんなことを気にしてる奴を仲間と呼べるか?」

ダガー「・・・」

ジタン「それに、もしかしたら・・・あいつも見つけられるかもしれないし・・・」

ダガー「見つける?何を?」

ジタン「・・・いつか帰るところだよ。」

ダガー「いつか・・・帰るところ?」

ジタン「そう、いつか帰るところ・・・」

ダガー「ねぇ、そのいつか帰るところって・・・」

ジタン「どうした?眠れないのか?何か昔話でもしてやろうか?そうだな・・・昔々・・・」

ダガー「またそうやってすぐ・・・」

ジタン「昔々、自分がどこで生まれたのか・・・そう、自分の故郷がどこなのか知らない男がいました・・・」

ダガー「ライフ?」

ジタン「その男は子供の頃から、自分の故郷を探したい、と思っていました。自分の生まれた場所、自分の記憶の中だけの・・・」

ダガー「どうして?」

ジタン「ただ知りたかったんじゃないかな?親の顔、生まれた家、自分について・・・そしてある日、その男は、育ての親の下を離れ、故郷を探す旅に出ることにしました。自分の記憶の中にかすかに残る・・・青い光を探して・・・」

ダガー「青い光?」

ジタン「そう。それだけがその男の故郷の思い出だったんだよ。多分・・・海じゃないかと・・・」

ダガー「その故郷は・・・見つかったの?」

ジタン「おいおい、せっかちだな・・・こういうものは色々あって・・・まあいっか・・・結局さ、見つからなかったんだよ。そりゃそうさ、手がかりなんて光の色だけなんだから。それで男は戻ったのさ、、育ての親の元へ・・・そうしたら、その育ての親、どうしたと思う?」

ダガー「やさしく・・・迎えてくれた?」

ジタン「まさか!!その男の育ての親は、拳ふりあげて殴ったんだ、その男のことを・・・」

ダガー「どうして?」

ジタン「さあな・・・でももっとビックリしたのはその後さ。その育ての親は、殴り終わった後、・・・ニカッと笑ったんだ。信じられるか?その男を殴った後にだぞ?・・・でもな、その男はなぜか、その笑顔を見て思ったんだよ。ああここが、俺の『いつか帰るところ』だ・・・って。今でもその男は故郷を探している。でもその男には、『いつか帰るところ』がある。だから・・・ビビも同じさ・・・『いつか帰るところ』を見つけようとしている。」

ダガー「ビビは・・・この村に残るのかしら?」

ジタン「さあな・・・それはビビが決めることさ。」

その頃ビビは墓に来ていた。

288号「やあ、また来たんだね?」

ビビ「あの・・・聞きたいことがあって・・・」

288号「なんだい?」

ビビ「えと・・・その・・・動かなく・・・なっちゃった人は、何人になったのか・・・」

288号「無理して、僕らに合わせた言葉を選んでくれてるんだね?君は、分かっているようだ・・・生きるって言葉、そして、死ぬって言葉。そう、『止まってしまった』んじゃなくて『死んでしまった』仲間たちのこと・・・」

ビビ「いや・・・その・・・」

288号「もう、七人になるよ・・・止まってしまった仲間は・・・多分僕らには限られた時間しか与えられていない。初めて仲間が一人動かなくなったときに僕はもしかしたら、と思ったんだ。どれくらいかは分からないけど、人間よりも早く、止まってしまうんだ・・・」

ビビ「そんな・・・」

288号「他の仲間には言ってないよ・・・言ったら、僕と同じ気持ちになる。」

ビビ「同じ気持ち?」

288号「たぶん、怖い・・・って気持ち、止まってしまうのはいやだ、って気持ち、逃げ出したいって思う・・・でもね、僕らはこの村に来て、物をつくったり、みんなで過ごしたり、・・・それが嬉しいんだ、何よりもね。怖いけど・・・そりゃ怖いけど、この村に中間達と一緒にいられる時間が、嬉しいんだ。君もそうじゃないのかい?彼らと旅をすることで、生きてる、ってことの意味が分かりかけてきた・・・」

ビビ「僕は・・・」

288号「僕はここいれて幸せなんだよ、ビビ君も自分の生きる道を探しなよ。」

ビビ「う、うん・・・ありがとう・・・」

ビビは墓を離れた。と、あることに気付いた。

ビビ(アレ?僕名乗ってないのに何で名前分かったんだろ?)

と、288号は。

288号「彼は大きくなるよロイド・・・君の意思を受け継いでいるのだから・・・彼が僕らの希望となるんだろな・・・」

ロイドとは誰なのか?謎が増えたが夜が明けた。

ダガー「ほんと!?」

144号「ああ、そうだよ。多分そのあたりじゃないかな?」

ダガー「ありがとう!!」

そこにジタンが来た。

ジタン「どうしたんだ、ダガー?」

ダガー「あ、ジタン、どうやらこの大陸の北西で、銀色の竜を見かけたらしいの。コンデヤ・パタでドワーフの人達が言ってたわ、出入りを制限されている、『聖地』があるって・・・」

144号「そういやクジャって奴、この大陸に何か秘密があるようなことを・・・」

ジタン「そう言ったのを聞いたのか?」

144号「たしか”霧”を送る源がどうとか言ってたっけかな?」

ダガー「きっとそこに行けば、手がかりが・・・そうすればお母様も・・・」

ジタン「そうだな・・・」

ダガー「あれ?そういえば、ビビは?もしビビがここに残るって言ったら・・・」

と。

ビビ「まってよぉ〜!!」

ビビが来た。

ダガー「ビビ?」

ビビ「この村のみんなにね、頼まれたんだ。もっと外を見てきて欲しい、それでまた色々教えて欲しいって。」

ダガー「ビビ・・・」

ジタン「ちぇっ二人っきりになれると思ったのに・・・」

クイナ「何言ってるアルか!!ワタシ<こんなとこ置いていかれたら飢え死にしてしまうアル!!」

クイナが来た。

ジタン「あ、お前もいたっけ・・・」

ダガー「じゃ行きましょう。コンデヤ・パタへ。そしてその先の『聖地』へ!!」

ジタン「ああ!!」

と、そこに。

?「ちょっと待った。」

ジタン「?・・・お前、昨日のエルフ。」

エルフ「お前たち『聖地』に行くのか?」

ジタン「そのつもりだが・・・」

エルフ「ふっいい度胸をしているな。あのあたりはここら辺とは違うモンスターが沢山いるのだぞ。」

ジタン「モンスターなんざ怖かないさ。それに俺たちは行かなきゃならないしな。」

エルフ「・・・」

ジタン「お前行ったことあるのか?」

エルフ「まぁな。それと・・・」

ジタン「ん?」

エルフ「私もお前たちと行こう。」

ビビ「えっ!?」

エルフ「お前たちのその生き方、気に入ったからな。私がこの弓で手伝ってやろう。」

ジタン「いいのか?そういえばお前の仲間は?」

エルフ「皆帰ったさ。誰も知らぬ我が街へな。」

ジタン「そっか、手伝ってくれるのはありがてぇ。所で名前は?」

エルフ「申し送れた。マックス=ミラルダ、エルフの狩人だ。」

ジタン「マックスか。俺はジタン。帽子のがビビで女の子がダガー。そいつはクイナってんだ。」

マックス「よろしく頼む。」

ジタン「じゃ、行くか。」




外側の大陸でドワーフとエルフ、そして意思を持つ黒魔道士と出会ったジタン達。『聖地』とは一体何なのか。



続く










あ と が き
外側の大陸につきました。
そしてまたオリキャラ登場です。
思いついたのはロードオブザリング影響です。
三部は長い・・・!!
第十五話へ
第十七話へ
第一部TOPへ

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送