CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第十五話 雷帝の試練、新たな世界



オーディンによりクレイラは消され、ブラネはダガーを殺そうとした。スタイナー、フライヤらの助けで脱出したジタン達。彼らに何が待ち受けているのか。

ブラネは城にいた。そこに。

ゾソ「ブラネ様〜!!」

ゾーンとソーンが来た。が。

アレクサンドリア(以下A)兵「ブラネ女王様からお前たち二人を取り次ぐなとの命を受けています。用件だけ言うのです。」

ゾーン「どうするでおじゃる?」

ソーン「しかたないでごじゃる。」

ゾーン「手配していた者達が着いたでおじゃる。」

ソーン「通してもよいでごじゃるか?」

A兵「お伺いしてきます。そこから動かないように。」

A兵はブラネに伺いに行った。

A兵「ブラネ様・・・承知しました。」

二人の所に戻ってきた。

A兵「今すぐここへ来るように伝えなさい。ただし、お前達は戻って来なくてもよろしい。」

ゾソ「へ?」

A兵「ブラネ女王様は国宝のペンダントを持ち出されたことにご立腹です。顔も見たくないと申されております。早く呼んでくるのですね。」

ソーン「どうするでおじゃる?」

ゾーン「我らは後ろ盾なくては生きていけないでおじゃる、とにかく今は一刻も早く呼んでくるでおじゃる。」

悲しい奴ら・・・と、そこにかつて狩猟祭にいたラニと、焔色の髪の男が来た。

ラニ「いい眺めね。」

A兵「『美の狩人ラニ』・・・くれぐれもそそうの無いように。」

ラニ「はいはい。」

そして二人はブラネの側に来た。

ブラネ「来たか。お前達がすべきことは二つ、王女ガーネットが持ち出した国宝のペンダントを持ち帰ること。王女と行動する者の中にあのような格好をした黒魔道士兵がいる。それを始末することじゃ。」

焔色の髪の男「・・・何だあれは?」

ブラネ「心を持たぬゴーレムじゃ。不良品がフラフラ動き回っていてな、他国の手に入る前に片付けるのじゃ。」

ラニ「何があったかは存じませんが、ガーネット様の抵抗があったらどのように振る舞えばよいのかしら?」

ブラネ「ふん、あの小娘からはペンダント取り戻せばよいのじゃ!!」

ラニ「ならばこの武器が存分に使えるということで、手早く解決して見せますわ。」

焔色の髪の男「・・・シッポを持つ男がいると聞いたが?」

ブラネ「あのサルか。そうじゃな、あれを始末すればほうびをとらそう。」

焔色の髪の男「・・・当たりだな。そいつを片付けるついでにあんたの依頼を片づけてやろう。行くぞラニ。」

ラニ「ダンナも相変わらずだね。今行くよ!!」

そして二人はどこかに行った。と、ブラネの元にA兵が来た。

A兵「ご報告します。ブラネ艦隊が近海に入る時刻です。レッドローズへ出陣のご用意を。」

ブラネ「遂にこの時がきたか!!直ちに出陣する!!ふははははは!!」

ブラネは何をたくらんでいるのか?その頃ダガー達は。



ダガー「(お・・・母様・・・)う、・・・うん・・・私は・・・」

ビビ「気がついた?」

ダガー「ビビ・・・私は・・・」

ビビ「気を失ってたんだから休んでなよ。」

ダガー「気を?・・・そっか・・・あの時・・・」



ダガーの回想、城から脱出する時



ダガー「ガルガンステーションはあそこです!!」

ジタン「分かった!!」

一行はステーションの前まで来ていた。が、ガシャン!!

再び閉じ込められた。

ジタン「しまった!!」

ゾーン「引っかかったでおじゃる!!」

ソーン「何度見てもいい気味でごじゃる!!」

ビビ「後少しなのに・・・」

と、

ゾーン「みゃあ!!」

ソーン「ぶえっ!!」

クイナ「ル!?」

上から二人が落ちてきた。そして鉄格子も開いたのであった。

ジタン「な、何だ!?」

と、そこに。

マーカス「間にあったっス。」

ブランク「久しぶりだなジタン。」

ジタン「ブランク!!」

ブランク「事情はマーカスから聞いている、行くぞ!!」

ジタン「おう!!」

一行はステーションに着いた。ちょうどガルガントもきた。

ジタン「こいつがガルガントか・・・ダガー早く乗ろう。」

ダガー「えっあ、うん。」

全員乗った所でガルガントは動き出した。

ビビ「で、これからどうするの?」

ダガー「トレノに向かいましょう。」

と、ブランクがあることに気付いた。

ブランク「なぁ、速くなってないか?」

ジタン「そういえば・・・」

ガルガントのスピードが明らかに速くなっていた。

マーカス「いったい何で・・・どわぁーー!!」

ダガー「嘘ぉーー!!」

ガルガントの後ろにラルヴァラーヴァがいて、ガルガントを追っていたのであった。

マーカス「やばいっス!!これじゃトレノを過ぎるっス!!」

と、言っている内にトレノは過ぎてしまった。

クイナ「・・・通り過ぎたアル・・・」

ジタン「どうするよ・・・ってやばっ!!」

ビビ「え?・・・!!道が!!」

ここからは道が悪かった。

ジタン「何かにつかまってろ!!」

ダガー「つかまってろって言われても・・・っ!!出口!?」

ビビ「うわぁーー!!」

ドガーーン!!



ダガー「・・・でここは?」

ビビ「リンドブルム城近くのピナックルロックスってとこらしいよ。」

ダガー「リンド・・・ブルム?ガルガントはそこまで・・・!!みんなは!!」

ビビ「大丈夫、辺りを見てくるって言ってたから。」

ジタン「目覚めたかダガー!!」

ちょうど皆帰ってきた。

ジタン「体の具合はどうだ?」

ダガー「大丈夫、でもみんなは?」

ジタン「遠くに来たからな、何にも・・・」

ビビ「これからどうするの?」

ジタン「シドに頼んで飛空挺を借りてトレノに向かうとするか。」

ブランク「あのオヤジはまだブリ虫か?」

ジタン「ああ。」

と、そこに。

?「このようなとこに人が来るとわな・・・」

ジタン「誰だ!?」

と、ジタン達の近くに宙に浮いた老人が現れた。

ジタン「敵か!?」

老人「それはお前達しだい・・・我が名はラムウ・・・」

ダガー「ラムウ・・・どこかで・・・!!あなたは雷帝ラムウ!?」

ジタン「知っているのか?」

ダガー「ラムウ、雷の召喚獣よ。」

ラムウ「クレイラがそなたの召喚魔法によって消滅したことは知っているか?召喚魔法は詠唱者の意思に呼応する・・・欲にまみれた者が唱えたことで、恐るべき惨事が引き起こされた・・・」

ダガー「そんな・・・まさか、お母様がそんなことを・・・」

ジタン「ダガーは何も悪くない。」

ラムウ「確かにそなたが引き起こしたことではない。だが、我が問いは一つ、そなたはどうするのだ・・・」

ダガー「私にもっと力があれば・・・召喚魔法さえ使いこなせたら・・・お願いします!!私に力を貸して下さい!!」

ラムウ「再びあやまちを起こすつもりか?」

ダガー「私、召喚魔法が恐かった・・・でも、もう逃げません!!」

ダガーの決意にラムウが光だし真の姿をあらわにした。

ラムウ「そなたが、我が主にふさわしいかどうか、試させてもらう。我が分身を五人、この水と岩の森にしのばせる。その五人がそれぞれ、『勇者の物語』の断片を持っている。五つの断片を集め、一つの物語にまとめるのだ。満足のゆく物語を語ったあかつきにはそなたの願いに応えよう。」

そう言い残し、ラムウは消えた。

ダガー「ごめんね、急いでいるのに・・・」

ジタン「別にいいって。それより爺さんの分身とやらを探そう。」

ダガー「うん。」

そして一行はラムウの分身を探し始めた。

ブランク「しっかし、ドコにいるんだ?」

マーカス「簡単に見つかるようなとこにはいないと思うっスが・・・」

ダガー「でもこの辺にいることには変わりないわ。」

ビビ「でもどこだろう・・・あっ!!」

一行は少し狭い水場に分身がいるのを見つけた。

ダガー「私が聞きに行くわ。」

ダガーは分身に寄った。

ラムウ「後世の歴史家は分析する。落石を、裏切り者の罠とした彼らの報告は、あやまちを隠す偽り。娘に黙って去った行動が、彼らの後ろめたい立場を示す。英雄もまた、人であったことを表す話、と。『人間』の話じゃ、後四つじゃな。」

分身は消えた。

ジタン「後四つか。」

クイナ「少し気が遠くなるアル・・・」

ジタン「手分けして探すか。」

ダガー「そうね。」

そして一行は一組二人の三組に分かれた。

ジタン「いねぇな〜」

ダガー「簡単に見つかるんじゃ試練じゃないわよ。」

ジタン「だけどよぉ〜」

ダガー「・・・ねぇライフ・・・」

ジタン「ん?」

ダガー「ありがとね。」

ジタン「な、何だよいきなり?」

ダガー「私が目覚めた時、抱きしめて泣いていたよね。」

ジタン「いっ?え、えっとあれは・・・」

ダガー「・・・嬉しかったよ・・・」

ジタン「えっ?」

ダガー「私、嬉しかったよ・・・私のとこをそんなに想ってくれている人がいるって分かって・・・」

ジタン「セーラ・・・」

と、ジタンはダガーを抱きしめた。

ダガー「えっ?」

ジタン「俺決めたよ・・・ずっと、ずっと君の側にいる・・・そしてずっと君を守り続ける・・・」

ダガー「ライフ・・・」

ダガーも腕をジタンの背中にまわした。が。

ブランク「お〜い、そんな事はどっか別の場所でやっとくれ。」

ジダ「はっ!!」

すぐそこに四人全員そろっていた。が、マーカスは鼻の穴に指を突っ込み、ブランクはビビの目を塞いでいた。

ビビ「ねぇ、何で見ちゃいけないの?」

ブランク「お前にはまだ早いからだよ。」

マーカス「は、鼻血が・・・」

ジダ「わあ〜〜!!」

二人はすぐに離れた。ついでに二人とも赤面状態だった。

ブランク「ま、いいさ。それより爺さんの分身、残り見つけたぞ。」

ダガー「えっ!?あ、ああありがとう!!はは、早くいいいい行きましょうよ!!」

ジタン「そそそそそうだなは、早くしなくちゃな!!あはははは!!」

そして二人は素早くその場から離れた。

ブランク「まったく・・・」

ということでブランク達が見つけた分身の元に向かった。

ダガー「ここ、さっき私たちがいたとこじゃない・・・」

ジタン「『灯台下暗し』だな・・・」

ビビ「しょうがないよ・・・」

とりあえず分身に物語を聞くことにした。

ラムウ「後世の歴史家は分析する。落石が裏切り者の罠だたとしても、娘が親を失ったことに変わりは無い。故に言葉でなく死にむくいる行動で語ろうとした、後の英雄をうかがわせる話、と。『英雄』の話じゃ、後三つじゃな。」

ビビ「後三つ、『勇者の物語』ってどんな話なんだろ?」

ジタン「完成してからの楽しみって奴だろ。次行こうぜ次。」

次の場所は最初に分身を見つけた所の上にいた。

ラムウ「昔、三十三の小国が帝国と争った頃、町で娘と二人暮しをしていたヨーゼフという男に、反乱軍の小隊が助けを求めた。小隊に恩のあったヨーゼフは快く引き受け一同は雪原の洞窟を目指した。『発端』の話じゃ。後二つじゃな。」

マーカス「後少しっスね。」

クイナ「アル。」

次の分身は川の途中にいた。

ラムウ「帝国の城に潜入するため”女神のベル”を探していた小隊は、ヨーゼフの助けのおかげで、雪山の洞窟の奥でアダマンタイマイを倒し、ベルの入手に成功する。『協力』の話じゃ。後一つじゃな。」

ビビ「もう少しだね。」

ジタン「よし、さっさと行こう。」

最後の分身は川の奥にいた。

ラムウ「その帰り、一同は裏切り者のボーゲンの罠にはまるが、ヨーゼフの犠牲より脱する。だが、町に戻った小隊は、父の帰りを信じて待つヨーゼフの娘ネリーに、何も語らず黙って去っていったという。『沈黙』の話じゃ。これで全部じゃな。」

ダガー「全員見つけたけどドコに行けばよいのかしら?」

ジタン「とりあえず出口に行って見るか。」

一行は出口に来てみた。と、ラムウが待っていた。

ラムウ「物語の断片を集めたようだな。では作ってもらおう。ただし物語は四つで成り立つ。」

ダガー「四つ?」

ラムウ「さあ作るのだ・・・」

ダガーは考え始めた。

ブランク「なぁ、物語作れたか?」

ジタン「最後のとこが思いつかん・・・」

ビビ「うん、『英雄』か『人間』か・・・」

と、ダガーがラムウに物語を話した。

ラムウ「・・・そなたは『発端』『協力』『沈黙』そして『人間』・・・一つ聞きたい。何ゆえしめくくりを『人間』とした?」

ダガー「人や民が語り続ける人物の備える要素の一つは、親近感だと思います。人として悩む振る舞いを残したからこそ、遠き時代からの伝承に残るほどの勇者になったのだと思いました。」

ラムウ「そなた自身がどう考えたかを聞きたいのだ。」

ダガー「私ですか?今は国を離れていますが、城の者、民のことを忘れたことは・・・」

ラムウ「・・・そなたの魂は張り裂けんばかりに緊張しているな、召喚魔法になることで少しでもやわらげる事が出来るなら、我が魂をそなたに預けよう。」

ダガー「ありがとうございます!!」

ラムウ「道は一つではなく、どの道を行くかはそなた自身が選ぶこと、忘れぬようにな。」

するとラムウは消え、ぺリドットが現れた。

ダガー「(これできっと)さぁ船の国リンドブルムへ行きましょう!!」

ダガーとブランクマーカスクイナは先にここを出たが、ジタンとビビは残っていた。

ジタン「ビビ、お前はどう思う?」

ビビ「何が?」

ジタン「物語の最後さ。人間だろうが英雄だろうが、そんなの後の奴らが勝手に言ってるだけじゃないか。」

ビビ「僕はどっちを選んでも力になってくれたと思うけど。」

ジタン「でも分かることはある、ダガーの考えは正しいってな。」

ビビ「そうだね。じゃ行こう。」

そして二人もここを離れた。と、遠くにリンドブルム城が見えた。

ダガー「ジタン。私召喚術をみんなのために使いたい。」

ジタン「ダガーならできるさ。」

ダガー「ありがとう。」

と、その時。

ドーーン!!

ジタン「な、何だ!!」

突然船の国リンドブルムで爆発が起こった。

ビビ「リ、船の国リンドブルムが!!」

ジタン「まさか・・・ブラネがここにも!?」

クイナ「テレポットの光も見えるアル!!」

ジタン「黒魔道士を直接街中に送っているんだ!!その後クレイラはオーディンに・・・」

ダガー「そんな・・・お母様・・・お母様!!」

ダガーは船の国リンドブルムに向かい走り出した。

ジタン「ダガー!!」

ジタン達も後を追った。

ダガー(お母様!!召喚魔法は使わないで!!)

ダガーは心の中で叫んでいる。と、ジタンが追いついた瞬間。

バァーーン!!

ジタン「くっ!!」

ダガー「ああ!!」

二人の目の前に召喚獣が現れた。

ダガー「アトモス・・・」

アトモスは、船の国リンドブルムから無差別に吸い込みだした。その中にはリンドブルム(以下L)兵や黒魔道士がいた。

ダガー「ああ・・・」

ショックのあまり、ダガーはひざをついてしまった。そしてあらかた吸い込むとアトモスは消えた。

ジタン「・・・行こう・・・」

ダガー「・・・うん・・・」


崩壊したリンドブルム


襲撃を喰らったばかりなのに街はやけに静かだった。

ジタン「静かだな・・・」

ダガー「なんてひどい事を・・・船の国リンドブルムにも手を出すなんて・・・」

ブランク「気を抜くなよ。奴らまだいるかもしれないからな。」

ジタン「ああ。それとビビ、お前はここに残っていろ。」

ビビ「えっ!!怖いよ、僕イヤだよ!!」

ジタン「A兵がいるんだ。お前がうろちょろしてたらまずいだろ。」

ビビ「・・・うん・・・」

クイナ「ワタシも残るアル。」

ジタン「すぐ戻ってくるからよ。」

そう言い残してジタン達は街中に入った。

ジタン「ひどい有様だな・・・」

ブランク「くそっ!!ブラネめ!!」

マーカス「悔しいけど、今は逆らえないっス。」

ダガー「そうね・・・あっ!!」

ダガーは何かを見つけた。

ダガー「オルベルタ様!!」

街の広場にオルベルタがいたのだ。

オルベルタ「おお、ガーネット姫、ジタン殿、それに皆様。ご無事でしたか。」

ダガー「シドおじ様は・・・大公殿下は無事なの!?」

オルベルタ「ご安心くださいませ、城は攻撃をまぬがれました。殿下は怪我一つ負っておりませんそ。」

ダガー「よかった・・・」

オルベルタ「さあ、殿下のもとへご案内しましょう。」

そして一行はシドのところに向かった。

オルベルタ「ガーネット姫がお戻りになりましたぞ。」

ダガー「シドおじ様!!」

シド「おお、ガーネット姫、無事であったか!!ブラネにつかまったかと心配してたブリ!!」

ダガー「ジタン達が助けてくれました。」

シド「例を言うぞお主ら。」

ダガー「でも、私たちを逃がすためにフライヤさんにフラットレイ、スタイナーにベアトリクスが城に残ることになって・・・」

シド「ほう、あのベアトリクスが・・・あの者達なら無事だろうブリ。」

ジタン「俺もそう思うぜ。でも降伏したのは正解だったな。クレイラは消されちまったし・・・」

と、

L兵「やけに小さい黒魔道士とク族を捕まえました!!」

ジダブマ「ま、まさか・・・」

兵士がつれて来たのはビビとクイナだった。

L兵「ク族の方は黒魔道士を連行しようとした際に抵抗したのでつれて来ました。」

シド「ああ・・・その二人は仲間じゃブリ・・・」

L兵「はっ!?し、失礼した!!」

シド「ブラネ女王に関する情報は召喚獣だけじゃないブリ。この一連の戦争の裏にクジャと名乗る謎の武器商人が絡んでいるブリ。」

ジタン「クジャ・・・どこかで聞いたような・・・」

シド「クジャは高度な魔法技術を用いた装置や兵器をブラネに供給しているブリ。」

ダガー「お母様に・・・」

シド「うむ、黒魔道士兵もその一つブリ。」

オルベルタ「トレノでクジャを見かけたという者の話であれば、クジャは北の空より銀色の竜に乗って現れるようです。」

クイナ「ジタン!!」

ジタン「ああ、蒼の国ブルメシアで見たあいつだ!!でも、北って事は・・・まさか外側の大陸か・・・?」

ダガー「外側の大陸?」

ジタン「霧の大陸の北にある大陸さ、後、忘れられた大陸閉ざされた大陸があるんだ。」

シド「外側の大陸には我らとは違う種族がいるらしいが、武器供給をしているのはクジャだけらしいブリ。」

ダガー「私が城で見た人物も、多分そのクジャと名乗る者。その人がお母様をたぶらかしているのかも知れません。」

ビビ「つまりクジャを倒せば・・・」

シド「武器供給がなくなりブラネの力は弱まる、その時が反撃の好機ブリ。」

ブランク「諸悪の根源を断つって訳か。」

ジタン「だったら俺達が行くぜ!!あいつにはちょっくらはらしてやりたいことがあってな!!」

ダガー「私ももちろん行きます!!」

ビビ「僕も行く、この大陸にはいられないから・・・」

ブランク「そうと決まったら飛空挺を用意してくれや!!」

ジタン「待った、飛空挺の動力の霧はこの大陸しかないらしいんだ。」

マーカス「じゃあ新型飛空挺は?」

シド「出来とらんし、ブラネに取り押さえられてるブリ。降伏条件に飛空挺の接収と天竜の爪を引渡して手が出せないブリ。」

ブランク「なんであの石ころを?」

シド「知らんブリ。」

ジタン「まさか・・・『宝珠』?」

ブランク「どっちにしたって後は船しかねぇか。」

シド「港は押さえられて船は出せんブリ・・・」

ブランク「はぁーー!?じゃ泳いで行けってか!?」

シド「いや、もう一つ手段があるブリ、この城の北の沼にかつての採掘場があるブリ。そこから外側の大陸に行けると言う噂があるブリ。」

クイナ「北の沼って・・・ワタシ達の沼アルよ。」

シド「確証は無いが今はそれしかないブリ。」

ジタン「行くしかないか。」

ダガー「ええ。」

ジタン「それとブランクとマーカスは残ってくれよ。」

ブランク「何でだよ!!」

ジタン「フライヤ達・・・やっぱ気になるから念のために頼むよ。」

ブランク「・・・っち、しゃあねえ。」

ジタン「悪いな。」

マーカス「でも準備は手伝うっス。」

ビビ「僕は待ってるよ。僕の分もお願い・・・」

ジタン「ああ。」

ビビを残し、一行は準備を始め、まず劇場街に来た。

ジタン「バンスとルシェラは無事かな?」

ブランク「心配すんな、あいつらもタンタラスなんだ・・・」

と、ある人物が前にいた。

ジタン「あれ?お前自称スーパー二枚目のロウェル=ブリッジスじゃないか?」

ロウェル「君達はタンタラスじゃないか!!見てくれよ!!劇場がなくなってしまった!!これから僕はどうしたらいいんだ!!」

ブランク「相変わらずうっせー・・・」

マーカス「剣の国アレクサンドリアの城下町にルビィが劇場開いたって言っていたから行ってみれば?」

ロウェル「本当かい!?センキュー!!」

そう言い残しロウェルは走っていった。

ジタン「ルビィか・・・そうなのか?」

マーカス「前に手紙が来たっス。」

と、そこに。

バンス「あっ来てたんだ!!」

バンスとルシェラが来た。

ブランク「無事だったか?」

ルシェラ「怖かったよ〜」

マーカス「俺らとはここでさよならっス。」

ダガー「後でトット先生のとこに行ってくれない?多分みんなそこに行っていると思うから。

マーカス「うっス。」

ジタン「じゃあな!!」

そしてジタン達は劇場外を後にし、リンドブルム城最下層に来た。そこにはビビとシドがいた。

ビビ「あ、みんな。」

シド「トロッコを止めたが長くは持たん。早くこれを持って行くブリ。」

ジタン「これは、地図?」

シド「世界地図ブリ。早く行くブリ!!」

ダガー「おじ様・・・」

シド「大丈夫じゃ、しばらくさよならブリ。」

ジタン「行こう。」

そして四人は船の国リンドブルムを後にし、クイナの沼に向かった。


ク族の沼


ジタン「で。ここのどこにあるんだ?」

クイナ「師匠に聞くアル。」

四人は奥にあった家に入った。そこにはク族が一人いた。

クイナ「クエール師匠お久しぶりアル。」

クエール「どうしたクイナ?」

クイナ「実は・・・って事アル。」

クエール「採掘場アルか・・・多分茂みの中にあるアル。」

クイナ「ありがとうアルよ!!」

ジタン「茂みの中か・・・いっちょ探すか。」

四人は家を出て茂みの中を探し始めた。

と、探しているとそれらしい場所を見つけた。

ジタン「ここだな。入ってみるか。」

ダガー「ええ。」

四人は中に入って奥に分け入った。

ビビ「何も無いね・・・」

と。

ドゴン!!

ジタン「な、何だ!?」

ジタン達の後ろに巨大なモンスターがいた。

ジタン「冗談じゃねぇぞ!!逃げろ〜!!」

ダビク「わぁーー!!」

四人は逃げた。が、モンスターは追ってきた。

ジタン「くっそー追ってきやがった!!」

ビビ「どうしよう!!」

ジタン「とにかく逃げるぞ!!」

四人は我武者羅に走っていた。と、前方の道が崩れているのと、人が入れるくらいの穴が見えた。

ジタン「あそこだ!!みんな走れ!!」

四人はスピードアップした。そして崩れたとこを飛び越え、モンスターは落ちた。が。

ズッシーーン!!

四人は足が止まらず、ダンゴ状態で壁にぶつかった。

ビビ「重い・・・」

ジタン「ん?何だこの柔らかいの?」

ダガー「ちょっとジタン!!どこ触ってんの!!」

クイナ「暴れないアル!!」

数分後

ジタン「またごめん、偶然だったんだよ。」

ダガー(お尻の次は胸まで・・・お嫁に行けない・・・)

と、そこに、

?「役にたたないわね。」

ラニが現れた。

ラニ「あら、久しぶり。」

ジタン「あんたラニ?」

ラニ「ブラネ女王の命令であんたのペンダントを貰いに来たわ。」

ダガー「お母様が!?」

ラニ「抵抗すれば何してもいいって言われている。早く渡しなさい。」

ジタン「(クイナ、ごにょごにょ・・・)ペンダントは渡さない!!俺が相手だ!!」

ラニ「勇敢ね。相手になるわ!!」

そう言うとラニは背中の斧を手に取った。

ジタン「うぉらーー!!」

二人は戦い始めた。と、ビビがクイナに訪ねた。

ビビ「さっきなんて言われたの?」

クイナ「秘密アル。」

ラニ「つぇーーい!!」

ジタン「だぁーー!!」

ガチャン!!

二人の武器が火花を散らしたが、大きさゆえ、ジタンの短剣がはじかれた。

ラニ「これでお終いよ!!」

ジタン「今だ!!」

クイナ「カエルおとし!!」

クイナが唱えると、ラニにカエルが降り注いだ。

ラニ「みゃーー!!カエルーー!!」

カエルが苦手のようだ。と、その隙にジタンが。

ジタン「隙あり!!てやっ!!」

ラニ「ぐっ!!」

ラニに溝撃ちをかました。

ラニ「く・・・ひとまずお預けよ!!」

そう言い残してラニは去って行った。

ジタン「ブラネの追ってか・・・とりあえず先に進もう。」

ダガー「ええ・・・」

四人はさきに進んだ。と、そこには。

ビビ「あれ?ガルガント?」

ガルガントがいた。

ジタン「野生のガルガントか・・・こいつは使えるな。」

クイナ「どう言うことアル?」

ジタン「ガルガントの好物のガルガン草を食べさせて乗せてもらうのさ。」

ビビ「なるほど。」

ジタン「じゃ、行くか。」

そう言うとジタンはガルガン草を取って来てガルガントに食べさせた。そしてガルガントにしがみつき、ガルガントは動き出した。

ビビ「・・・ただ乗っているだけって暇だね・・・」

ダガー「確かに・・・」

ジタン「しゃあね、俺が歌ってやるか。ぼっくらのう〜まれ来る〜ずっとずっとま〜えにはもう♪」

ダビク(な、なんの歌!?)

その頃。



ブランク「ふう、ここか?そのドットって奴の家は?」

マーカス「トットっス・・・」

二人はトットの家に来ていた。

トット「おお、マーカス殿。お久しぶりですね。そちらの方は?」

マーカス「石になっていたブランクの兄貴っス。」

トット「おおそうでしたか。私はトットと言います。」

ブランク「・・・石になってたってのは余計だ・・・」

その頃



ジタン「・・・なるほど。上手いことガルガントを行きたい方向に行かせれば外側の大陸に行けるのか、サンキュ。」

ビビ「で次はどこに行くの?」

ジタン「ガルガントを行きたい方向に行かせるためにスイッチを利用して先に進むのさ、だから・・・多分あっちだ。」

ダガー「じゃ、行きましょう。」

またガルガン草を与えてしがみついた。と、今度は。

ジタン「次ビビな。」

ビビ「えっ!?え〜と・・・イッショウケンメイ君が好きぃだ、だから僕〜はこのままでいい〜♪」

ジダク(なんか切ない・・・)

またその頃。



トット「・・・そうでしたか、姫様は外側の大陸へ・・・」

ブランク「まぁ大丈夫だろう。」

と、そこにサクラが来た。

サクラ「あっ!!ごぶりんのおにいちゃん!!」

マーカス「はは、久しぶり・・・」

ブランク「くくく、ご、ゴブリンとわな・・・」

サクラ「ねぇ、このつぎはぎのおにいちゃん、おともだち?」

ブランク「だ、誰がつぎはぎだ!!」

またその頃。



ジタン「よっと・・・これで先に進めるな。」

ビビ「結構迷ったよね・・・」

ダガー「えっと、次は私?」

クイナ「アルな。」

そしてまたガルガントにしがみついた。今度はダガーのようだ。

ダガー「うんと・・・は〜るの〜木漏れ日の〜中で〜君の〜やさ〜しさに〜♪」

ジビク(な、涙が溢れる・・・)

またもその頃



トット「女王がそのようなことを・・・」

マーカス「船の国リンドブルムはひどいことになってるっス・・・」

ブランク「あいつらが言うには城に仲間が四人いるみたいなんだ。」

と、その時。

ガゴン!!

ガルガンルーの入口が開いた。

ブランク「な、何だ!?」

そこからスタイナー達がボロボロになって現れた。

ブランク「お、おいおっさん!!大丈夫か!?」

スタイナー「な、何とも・・・無い・・・」

トット「これはいけません!!サクラ君エリクサーを!!」

サクラ「はい!!」

フライヤ「ジ、ジタン達は・・・?」

マーカス「今は傷を癒すのが先決っス。」

と、サクラがエリクサーをまた大量に持ってきた。

サクラ「えりくさーだよ!!はやくのんで!!」

ベアトリクス「すまないな・・・」

マーカス「で、何でまたこんなにエリクサーがあるんス?」

フラットレイ「ありがたいことではないか・・・」

またまたその頃



ジタン「えっと・・・さっきあそこのスイッチを操作したからあっちに行ける訳で・・・」

ビビ「違うよ、あのスイッチを操作したからあっちに行けないんだよ。」

ダガー「もう一回さっきのスイッチの所に行きましょう。」

迷っていた。

クイナ「じゃあ次はワタシアルな。」

ジタン「お前には期待してないから俺が歌うよ。」

クイナ「なっ!?」

そう言ってまたガルガントにしがみついた。そして。

ジタン「っと・・・君をまも〜るた〜め、そのためにう〜まれて〜きたんだ〜♪」

ダガー(なんだか嬉しい・・・)

ビビ(なんか意味があるのかな?)

クイナ(なんでワタシは駄目アル?)

ウザイがその頃。



スタイナー「そうか・・・姫様はここを離れたか・・・」

ベアトリクス「何も出来ぬ自分が悔しい・・・」

ブランク「いや、あんたらはよくやったよ。あんたらのおかげであいつらは脱出できたんだから。」

トット「そうですよ。私たちはここでこれからについて考えましょう。」

いい加減にしろと言われそうだがその頃。



ビビ「っと、ここは?」

クイナ「行き止まりアル・・・」

ダガー「さっきのスイッチ、操作しなくてよかったみたい・・・」

ビビ「戻ろう、次は僕だね。」

またガルガントにしがみついた。

ビビ「僕が〜側にいるよ〜君を〜笑わせるから〜♪」

ジダク(優しい歌・・・)

で、その頃。



フライヤ「しかし情報を得ようにもいったいどうすれば?」

ブランク「ルビィに頼むか。あいつ今城下町にいるっぽいからな。」

フラットレイ「そういえばシナはどうした?」

ブマ「さぁ・・・」

これが最後のその頃。



ダガー「なんの〜ために、誰の〜ため〜に、生きて〜る〜のしり〜たぁ〜い〜♪・・・着いたわ!!」

ジタン「お、見るからに出口な所が。」

ビビ「やっと着いた〜・・・」

その出口からは光が射していた。

ジタン「この光は・・・”霧”が晴れているのか?」

四人は空洞から出た。そこは”霧”が無く、晴れていた。

ビビ「ここが外側の大陸・・・」




新たな世界に足を踏み入れたジタン達。まだ見ぬ世界で彼らに待ち受けるものとは。



続く










あ と が き
この話もいいムードでしたね。
初めっから地味に両想いだったりしますしね。
だってダガーも腕をジタンの背中に回してましたし。
そして次回から外側の大陸です。
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