CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第十三話 幻の砂の都



トレノから剣の国アレクサンドリアに着いたダガー達だったがゾーンとソーンによって捕まってしまった。そのころジタン達は。

ジタン「くっ・・・大丈夫かみんな・・・」

ビビ「うん・・・」

ベアトリクスにやられてしまい、そうそう動ける状態ではなかった。

フライヤ「レーゼの風をかけたからしばらく休んでからクレイらに向かうとしよう。」

レーゼの風とは竜技の一つで仲間を皆リジェネ(傷を徐々に癒す魔法)状態にする技である。

ビビ「お姉ちゃん大丈夫かな?」

ジタン「多分大丈夫だろ。」

フライヤ「王が心配じゃ、動けるようになったらすぐにクレイラへ行こう。」

クイナ「私はもう平気アル。」

ビビ「僕も。」

ジタン「俺もいいぜ。」

フライヤ「ならば行こう。」

ビビ「うん。」

フライヤ「クレイラは西の砂漠あるそうじゃ。」

そして四人は蒼の国ブルメシアを後にし、一路砂の都クレイラへ向かうことになった。

ジタン「噂じゃ砂嵐に守られているって話だけど、どうなんだ?」

フライヤ「ああ、だから当分は大丈夫じゃ。」

ジタン「それでも急ごうぜ。」

フライヤ「ああ。」

ビビ「雨が上がってきたね。」

クイナ「雨に濡れた後に砂漠アルか・・・何か憂うつアル・・・」

ジタン「我慢しろ・・・おっ砂漠が見えてきたぞ。」

ビビ「な、何かもう砂嵐が見えるんだけど・・・」

かなり大きな砂嵐のようだ。

ビビ「あの中に入るの?」

フライヤ「すべこべ言うな。」

そして四人は砂嵐のすぐ側まで来た。

ビビ「ほっホント凄い風だよ〜」

嵐だけあって風は凄かった。

フライヤ「いや、砂のざわめきが静かじゃ・・・これはいったい?」

ビビ「これで静かなの?」

ジタン「今のうちに進もうぜ。」

フライヤ「そうじゃ、行くぞ!!」

四人は砂嵐の中に入った。

ビビ「大きな樹だなぁ。」

ジタン「これがクレイラ?」

砂嵐の中にはとても大きな一本の樹があった。

フライヤ「クレイラは樹の上に街があると聞いておる。」

クイナ「ほへ〜」

ジタン「ま、行ったら解るか。」

四人は歩き出した。


クレイラの幹


クレイラの幹は樹なのに内部は砂が多くあった。

ビビ「足がとられるよ。」

ジタン「ビビ、大丈夫か?」

クイナ「靴に砂が入ったアル・・・」

フライヤ「我慢せい。」

四人はぶつくさ言いながら歩いていると行き止まりに当たった。

ジタン「ありっ?」

フライヤ「おかしいの。道は一本じゃったが?」

ビビ「うーん・・・」

三人は頭を抱えた。が。

クイナ「お腹減ったアル・・・」

こいつはあまり危機感を感じていないようだ。

ジタン「おい、お前も考えろ・・・」

クイナ「あい、・・・ル?」

ジビフ「ん?」

クイナが何かを見つけたようだ。

クイナ「この穴何アルか?」

ジタン「穴?」

そこには腕一本入る位の小さな穴があった。

ジタン「どれ、手でも入れてみるか。」

ジタンは穴に手を突っ込んだ。中には。

ジタン「ん?これ、レバーか?」

レバーがあるようだ。

ビビ「何のレバー?」

ジタン「とりあえず動かすよ、えい!!」

ガチャン

ジタンはレバーを操作した。すると。

ザァーーー!!

砂が流れ出した。

フライヤ「なるほどな。もしかしたらさっきの道に変化があるやもしれん。」

ジタン「戻るか。」

四人は来た道を戻った。が。

ビビ「あ、あれ?」

クイナ「砂が・・・」

来た道は砂が流れていて戻ることが出来なかった。

フライヤ「参ったの・・・」

と。

ジタン「こっち登れるんじゃねぇか?」

ビビ「うん?」

ジタンが指差した先には登れそうなつるがあった。

フライヤ「これで進むしかないのう。」

そう言って四人はつるを登った。

ジタン「なるほどな、砂が来て地面が上がったんだ。」

ビビ「あそこ行けるんじゃない?」

ビビが指差した方向には上に行けるような穴があった。

クイナ「行くアル。」

四人は穴に向かい歩く出した。が。

ズザァーー!!

フライヤ「な、何事じゃ!?」

ビビ「後ろ!!」

ジタン「何!?」

ジタン達の後ろにはサンドゴーレムがいた。

サンドゴーレム「ゴオォーー!!」

ジタン「雑魚を相手にしてるほど暇じゃねぇんだ!!ていっ!!」

ジタンはサンドゴーレムに斬りつけた。が。

サンドゴーレム「ゴァーー」

砂なのであまり効いていなかった。

ジタン「やっかいだな〜ビビ頼む。」

ビビ「うん。ウォータ!!」

ザブン!!

サンドゴーレム「ゴガァーー!!」

ウォータを喰らいサンドゴーレムは崩れた。

ジタン「おっし、じゃ行くか。」

フライヤ「お主は何もしてないじゃろ。」

ジタン「まぁまぁ。」

四人はまた歩き出した。が。

ジタン「!!っ避けろ!!」

ビビ「えっ!?わぁ!!」

ズドン!!

クイナ「アイヤーー!!」

四人は何とか不意打ちを避ける事が出来た。

ジタン「あっぶねぇな!!」

フライヤ「いったいどう言う事じゃ!?」

そこには先ほど倒したはずのサンドゴーレムがいた。

ジタン「解んねぇよ!!」

クイナ「どうだっていいからやるアル!!マスタードボム!!」

ボバーン!!

クイナは左手を受けるとサンドゴーレムが爆発した。

サンドゴーレム「ゴガァーー!!」

サンドゴーレムは再び崩れた。

ジタン「今度は大丈夫だよな・・・」

ビビ「どうだろう・・・」

四人は黙ってサンドゴーレムが崩れた場所をじっと見つめていた。すると。

ザザザザザ

ジタン「いっ!?」

なんとサンドゴーレムは起き上がったのだ。

サンドゴーレム「ゴォーー」

ジタン「なんだよこいつ!!」

フライヤ「知るか!!」

ビビ「倒しても倒しても、きりが無いよ・・・」

ジタン「なんか弱点ねぇのか・・・」

クイナ「ん?」

クイナが何かを見つけた。

クイナ「なんアル?あの?」

ジビフ「玉?」

よく見るとサンドゴーレムの胴体には赤い玉があった。

ジタン「もしかして・・・まっ、物は試しだ。フライヤ、槍を貸してくれ。」

フライヤ「私のは貸さぬが蒼の国ブルメシアで手に入れたこっちは貸そう。」

そう言ってフライヤはジタンに右手に持っていた槍を渡した。

ジタン「狙いは一点!!うおぉーー!!」

ジタンはサンドゴーレムに向かい走り出した。

サンドゴーレム「ゴガァ!!」

サンドゴーレムはジタンに殴りかかった。

ジタン「甘い!!」

ドゴン!!

ジタンはジャンプし、攻撃を避けた。そしてそのままサンドゴーレムの玉に向かい構えた。

ジタン「はぁーー!!」

ザシュ!!

サンドゴーレム「ガァーー!!」

今度こそサンドゴーレムは砂となって崩れた。

ジタン「なるほどな。あいつはコアをやれば倒せるんだな。」

フライヤ「ジタン、槍。」

ジタン「ああ。」

ジタンは槍を返した。そして四人はまた歩き出した。

ジタン「まだ上があんのか?」

フライヤ「情けないぞ。」

ジタン「んな事言われた・・・って!!」

ビビ「ジタン!!」

ジタンは流砂に落ちてしまった。

ジタン「わわわわわ!!」

フライヤ「足元を見ぬからじゃ!!ほれ!!」

フライヤはジタンに槍を差し出した。

ジタン「お、おう。」

ジタンは槍をつかみ流砂から脱出した。

ジタン「ふい〜危ねぇ危ねぇ。」

クイナ「しっかりするアル。」

ジタン「おう。」

そんな事もあったが四人は上へ行くために出来ているようなハシゴを見つけた。

フライヤ「街はこの上じゃろう。」

ジタン「やっと着いたか・・・」

ビビ「とりあえず登ろうよ。」

ジタン「だな。」

そして四人は登っていった。と、街らしき所に着いた。そこで。

クレイラ(以下C)の民1「フライヤ様ですね?」

Cの民が二人来た。

フライヤ「いかにもそうじゃが。」

Cの民2「お待ちしておりました。」

フライヤ「お主ら、どうして私のことを知っておるのじゃ?」

Cの民1「ブルメシア(以下B)王からフライヤ様が来られるので丁重にご案内するよう、うけたまわっております。」

フライヤ「そうか王は健在か!!」

Cの民2「はい。申し遅れました。私はサトレア、砂の神官です。」

Cの民1「私はキルデア、社の神官です。」

フライヤ「ああ、それでは王のとこまで案内してくれないか。」

砂の神官サトレア「かしこまりました。」

フライヤ「ジタンよ、私は王に謁見して来る。お主達はしばらく休んでおいてくれぬか?」

ジタン「ああ、分かったよ。」

砂の神官サトレア「あ、こちらです。」

そしてフライヤとサトレアはその場を離れた。

社の神官キルデア「お連れの方々は私がご案内しましょうか?」

ジタン「ああ、お願いしようかな。」

ビビ「僕も。」

クイナ「私もアル。」

社の神官キルデア「ではこちらです。」

案内が始まった。まずはクレイラの水源。

社の神官キルデア「ここは、私達の水源です。なぜ、このような高い所に水があるかについては、後ほどお答えすることにいたしましょう。」

と、クイナが。

クイナ「きのこアル!!」

近くに生えていたきのこを食べようとしたが。

ジタン「かってに食うなよ!!」

ジタンに止められた。

クイナ「アルー・・・」

社の神官キルデア「さ、お次はこちらです。」

次は市街地にきた。

社の神官キルデア「ここは私達の町の中で一番にぎやかな所です。っといっても、今日は市がたっていないのであまり人はいませんが・・・」

ジタン「ほぉ〜」

社の神官キルデア「それでは次の場所へ移りましょう。」

次に風車があるとこに来た。

社の神官キルデア「この風車が、私達の街に水の恵みをもたらしてくれるのです。」

ジタン「なるほど、砂嵐を利用して風車を回し地上から水を汲み上げているのか。」

社の神官キルデア「その通りです。次は展望台へご案内しましょう。」

そう言って一行は展望台に来た。

社の神官キルデア「この展望台は私達の憩いの場です。」

ビビ「わぁ〜」

社の神官キルデア「私達を守ってくれる砂嵐を一望でき、私達を守ってくれる砂嵐に祈りを捧げる場でもあります。」

クイナ「こら絶景アル。」

社の神官キルデア「それでは最後に大聖堂へとご案内いたしましょう。」

そして一番上にある大聖堂に来た。

社の神官キルデア「この大聖堂には私達に安らぎを与えてくださる大祭司様が住んでおられます。今B王とフライヤ様がお話をされているのは、この建物の中です。」

ジタン「ふんふん。」

社の神官「また、大聖堂の中には魔力を持った石を取り付けたハープがあり、その魔力によって砂嵐を発生させています。」

ジタン「なぁ、その石って何て言う名なんだい?」

社の神官「砂漠の星ですが、何か?」

ジタン「いや、剣の国アレクサンドリアの銀のペンダントと船の国リンドブルムの天竜の爪に似てるって聞いたから。」

社の神官キルデア「さぁ、私はよく解りませんが、案内は以上です。」

ジタン「サンキュ。っとそうだ。」

社の神官キルデア「はい?」

ジタン「この街にBの人達がいるだろ、その人達に『ビビは黒魔道士兵とは違う』って言っといてくれないか?」

社の神官キルデア「かしこまりました。」

ジタン「これで安心だろ。」

ビビ「ありがとう。」

ジタン「それとここの人達の名前、後で教えてくれないか?」

社の神官キルデア「かしこまりました。」

ジタン「じゃ、俺はそこら辺歩いているから、何かあったら呼んでくれよ。」

ビビ「うん。」

クイナ「私もちょっと散歩するアル。」

そう言ってジタンとクイナはどこかに散った。

ビビ「僕は宿屋にでも行って休んでいよう。」

ビビは宿屋に向かって歩き出した。

ここからはジタン、クイナ、フライヤ、ビビの順に話が展開します。

ジタン「えっと・・・」

ジタンは展望台でCの民二人と話しをしていた。

ジタン「えっと、君は花の巫女シャロンで、君は水の巫女シャノン・・・だっけ?」

花の巫女シャロン「はい。」

ジタン「さっきキルデアさんに教えてもらったんだけど、まだ名前と顔が一致しないな・・・」

水の巫女シャノン「まぁ、皆似ていますから。」

ジタン(こりゃナンパするにも一苦労だな・・・)

何考えているんだお前は・・・

花の巫女シャロン「後、大聖堂でハープを弾いている月の巫女クレアと風車広場で薬を売っている星の巫女ニーナもいますし。」

水の巫女シャノン「風の巫女アイリーンもいますよ。」

ジタン「はは、大変だこりゃ・・・」


クイナ「Bの民があまりいないアルな。」

クイナは水源に来ていた。そこにはB兵が二人いた。

クイナ「ギドとディンはよく逃げて来れたアルな。」

二人の名はギドとディンと言うらしい。

ギド「俺らだって必死だったんだよ。」

ディン「何人かは船の国リンドブルムに逃げたみたいだが詳しくは分からない・・・」

クイナ「大変だったアルね・・・所で。」

ギデ「あん?」

クイナ「このきのこ食べていいアルか?」

ギデ「・・・」


B王「そうか、国はそこまで・・・」

フライヤ「はい・・・」

フライヤは大聖堂の中にいた。

フライヤ「すみませぬ、五年前私とフラットレイ様が蒼の国ブルメシアを出ていなければこんなことには・・・」

B王「そのことはもういい。所でフラットレイはいずこへ?」

フライヤ「・・・フラットレイ様は三年前から目にしておりませぬ・・・」

B王「そうか・・・」

心なしか暗い話題となっている。


ビビ「ふ〜」

ビビは宿屋で休んでいる。

ビビ「クレイラか・・・ここは大丈夫かな?」

ビビは何か不安を感じている。

ビビ「パック、元気にしてるかな?」



ビビの回想



ビビ「『ガーネット姫十六歳の誕生記念』か〜。何をやるんだろう?」

その時ビビはトレノにいた。

ビビ「えっと、『君の小鳥になりたい』、演劇かな?見たいけどチケットを買えるほどお金ないし・・・」

と、その時。

?「ドロボー!!」

ビビ「ん?」

ビビの後ろのほうからBの子供と男が来た。

Bの子供「誰か捕まえてくれー!!」

男「へっガキに捕まる訳ねぇだろ!!」

ビビ「困っているんだ、ブリザド!!」

男「んがっ!?」

カチーン

ビビ「弱めにしておいたから。」

ビビはブリザドで男の足を固めた。と、Bの子供が追いついた。

Bの子供「はぁはぁ、ありがとな!!俺パックって言うんだ、お前は?」

ビビ「僕?ビビだよ。」

パック「どうもな、こいつ俺のギルを盗んでよ。」

ビビ「ふうん。ん?」

ビビが何かを見つけた。

ビビ「なんだろこれ?」

パック「おっ『君の小鳥になりたい』のチケットじゃねぇか、しかも二枚。ちょうどいいや、見に行こうぜ。」

ビビ「えっでもこれって盗みじゃ・・・」

パック「泥棒からだからいいんだよ、いこうぜ!!」

ビビ「あ、うん。」

男「おーーい!!」



ビビ「大丈夫かな?」

と、そこにダン一家が来た。

ダン「あ、あのよ・・・」

ビビ「うん?」

ダン「お前はあいつらとは本当に違うのか?」

ビビ「うん・・・」

カブ「ほんとうなんだな!!」

コブ「うそじゃないんだな!!」

レアリー「およしなさい!!ごめんね、国が襲われて気が立っているのよ。」

ビビ「気にしていませんから、それに僕はここを絶対に守ってあげたいですし。」

ダン「すまねぇな、あの時は。」

ビビ「いいですよ、似たことを蒼の国ブルメシアで言われましたから。」

ダン「生存者がいたのか!?」

ビビ「うん、確か妊娠していた女性もいましたよ。多分船の国リンドブルムにいると思います。」

レアリー「多分ガルだわ。」

ダン「教えてくれてありがとな。」

ビビ「礼なんて。」

それぞれが色々なことを思いながら時は過ぎていった。と。宿屋にB兵のジルとBの民のロレーラが来た。

ジル「大変だ!!」

夜の神官ドネガン「どうしました?」

ロレーラ「子供がアントリオンに襲われているのよ!!」

夜の神官ドネガン「アントリオンが!?いつもはおとなしいのに・・・なぜ?」

ビビ「何処でですか?」

ジル「街の入口の近くだ!!」

ビビ「僕が行きます!!」

そしてビビは現場に向かった。と、途中でジタンと合流した。

ジタン「おうビビ。」

ビビ「ジタン、急ごうよ!!」

ジタン「ああ!!」

二人は現場に来た。そこにはフライヤとクイナもいた。そしてアントリオンが子供を捕まえていた。

ジタン「大丈夫か!!」

子供「大丈夫じゃないぞ〜!!」

ビビ「ん?この声・・・」

フライヤ「早く何とかするぞ!!彼はパック王子だ!!」

ジビ「パック!?」

そう、子供はパックだった。

パック「ん?その声、ビビか!?」

ビビ「パック〜!!大丈夫〜!?」

パック「同じこと言わすんじゃ、どあぁ〜!!」

アントリオンはパックを投げた。

パック「痛で!!」

フライヤ「王子!!」

ジタン「今の内にやるぞ!!」

ビビ「パックは下がってて!!」

パック「おう。」

アントリオン「グガァーー!!」

フライヤ「先手必勝!!竜剣!!」

バシューン!!

アントリオン「ゴガァー!!」

と、アントリオンはフライヤに向けて反撃の角を放った。

フライヤ「うぐ!!」

ジタン「フライヤ!!」

フライヤ「大丈夫じゃ・・・しかし物理攻撃は危険じゃ。」

ジタン「てことはビビとクイナに任せるしかないか。」

ビビ「分かったよ、ブリザラ!!」

クイナ「ブレイズ!!」

ガチーーン!!

アントリオン「ガァーー!!」

ジタン「効いてる効いてる!!」

フライヤ「私達で時間を稼ぐ!!その内に魔力をためておれ!!」

ビビ「うん。」

クイナ「アル。」

そう言って二人は魔力をため始めた。そしてジタンとフライヤはアントリオンをかく乱しだした。

ジタン「ホレホレこっちこっち!!」

アントリオン「ガァーー!!」

フライヤ「こっちじゃ!!」

アントリオン「グゴーー!!」

ジタン「こっちだよこっち!!」

アントリオン「グガ!!」

さすがに身のこなしが軽く素早い者だけあってアントリオンは見事に混乱している。と。

ビビ「もういいよ!!離れて!!」

ジタン「待ってました!!」

フライヤ「ビビ!!クイナ!!行け!!」

ジタンとフライヤはアントリオンから離れた。

ビビ「いっけぇーー!!ブリザラ!!」

クイナ「ブレイズ!!」

ガチーーン!!

アントリオン「ゴガーーー!!」

ブリザラとブレイズと同時に喰らった。そして。

フライヤ「ついでじゃ!!」

フライヤは右手の槍を投げつけた。そしてアントリオンの頭に命中した。

アントリオン「ゴガー!!」

そしてアントリオンは砂の中に消えた。

フライヤ「王子、ご無事ですか?」

パック「おう、フライヤ久しぶりだな。それにビビに、ジタン・・・だっけ?」

ジタン「忘れてたんかい・・・」

ビビ「でもパックが王子だったなんて。」

パック「へへ、悪ぃ悪ぃ。」

フライヤ「大聖堂にはB王がいます。行きましょう。」

パック「オヤジか・・・ま、会っといてやるか。」

そして一行は大聖堂に来た。

B王「パック!!」

パック「おう、オヤジ。」

B王「五年ぶりか、たくましくなったな。」

パック「へへ。」

B王「しかし何故ここに?」

パック「蒼の国ブルメシアが襲われたって聞いてな、心配になったんでよ。」

B王「そうか・・・よく来てくれた。」

ジタン「で、これからどうするんだ?」

C大祭司「砂嵐を強めます。そのためにフライヤ様のお力を借りたいのです。」

フライヤ「古より伝わっているあの儀式か、わかりました。」

そして大聖堂に巫女達が集まった。

月の巫女クレア「では始めます・・・」

そう言って月の巫女クレアはハープを弾き始めた。そしてフライヤ達も踊り始めた。その踊りはどこか不思議な感じがした。と、ジタンはハープを見ていた。

ジタン(あれが砂漠の星か・・・確かに似ている・・・)

そんなこと考えている中踊りは終わった。が、その瞬間。

パキーン

ハープの弦が切れたのだ。

月の巫女クレア「弦が切れた・・・不吉な・・・」

と、砂嵐に異変が生じた。

ビビ「ねぇ、なんか弱まっていない?」

パック「ああ。」

と。砂嵐は完全に消えてしまった。

C大祭司「砂嵐が消えた・・・」

ジタン「強めるんじゃなかったのか?」

フライヤ「わからん・・・」

B王「何者かが結界を破ろうとしておるのか・・・」

C大祭司「私もそう思っていたとこです。」

B王「敵が幹から登ってこなければいいが・・・」

一同に不安がよぎる。と、その頃。



スタイナー「こらーー出さんかーー!!」

スタイナーとマーカスとフラットレイは牢屋に閉じ込められていた。

マーカス「これじゃどうしようもないっス。」

フラットレイ「・・・」

スタイナー「ん?どうした?」

フラットレイ「ん、ああ、いや・・・胸騒ぎが・・・」

マーカス「どうするっス?」

スタイナー「姫様ーーー!!」

そのころダガーは寝室にいた。

ダガー「お母様は、きちんと私の話を聞いてくださるかしら?」

色々と考えている。

ダガー「お母様は、何が不足で蒼の国ブルメシアを襲ったの?お母様は何が不満で私達を捕らえたの?ちゃんと順序を追ってお話しなければ・・・」

と、ダガーはその場に立った。

ダガー「そういえば、いつ頃からかしら?お母様の様子がおかしくなったのは・・・私の昨年の誕生日?あの時、見たことの無い背の高い男の人が来て・・・関係あるのかしら?でも、あの日から、お母様の様子がおかしくなった・・・そうして間もなくトット先生が、ここを離れてしまったんだわ。あの日から・・・どうして・・・?」

そこにゾーンとソーンが来た。

ゾーン「ブラネ様がお呼びでおじゃる!!」

ソーン「お前を連れて行くでごじゃる!!」

ダガー「あなた達!!宮廷道化師の身でありながら、私をお前呼ばわりするのですか!!」

ゾーン「うるさいでおじゃる!!」

ソーン「連れて行くといったら連れて行くでごじゃる!!」

ダガー「(んっと、こういう時は・・・)いい加減にしろよなコノヤローッ!!

思いっきり叫んだ。

ゾーン「なんでおじゃる?今の言葉?」

ソーン「難しくて理解できないでごじゃる。」

ゾーン「とにかくブラネ様がお呼びでおじゃる!!」

ソーン「とにかくブラネ様がお呼びでごじゃる!!」

そして半ば無理矢理ダガーはブラネのとこに来た。

ダガー「お母様・・・」

ブラネ「おお、ガーネット!!どこへ行っておったのじゃ。母は夜も寝られん程に心配しておったぞ!さあ、もっと近う寄って顔を見せておくれ。」

ダガーはブラネの近くに来た。

ダガー「お母様、一つお聞きしたいことがあるのですけど・・・」

ブラネ「なんじゃ?可愛いお前の聞きたいことならなんでも答えてやるぞ。」

ダガー「あの・・・蒼の国ブルメシアを滅ぼしたという話は、本当の話なんでしょうか?」

ブラネ「なんだ、聞きたいというのは、そんなことか?それは違うのじゃ、ガーネット。あれは蒼の国ブルメシアのネズミ達が剣の国アレクサンドリアを滅ぼそうとたくらんでおたのじゃ。だが、この美しい剣の国アレクサンドリアを、そうやすやすと滅ぼされてはならんじゃろ?だから、そうなる前に先手を打ったのじゃ。」

ダガー「その話、信じても良いのでしょうか?」

ブラネ「当たり前ではないか。それとも母の言っていることが信じられぬのか?」

ダガー「そういうことだったのですか・・・疑って申し訳ありませんでした。」

ブラネ「おお、分かってくれたか母は良い娘を持って幸せに思うぞ。」

と、そこにクジャが入ってきた。

クジャ「ちょっと僕も、そのお芝居に混ぜてもらっていいかな?」

ダガー「お芝居?」

クジャ「そう、とても美しい物語のお芝居・・・白馬に乗った王子と・・・見目うるわしい王女の悲恋の物語・・・王女はその美しき肌に悲しみの色をたたえたまま、百年の眠りに落ちる・・・」

クジャはダガーに近づいた。

ダガー「あなたは・・・どこかで・・・?」

クジャ「どうやら僕と君とが出会うのは、運命で決められていたようだね。さあ僕の可愛い小鳥よ、僕のもとへおいで。そして、僕が夢幻の世界へといざなってあげよう。」

クジャはダガーに何かをかけた。と。

ダガー「あ、あぁ・・・」

ダガーは気を失ってしまった。

クジャ「思ったとおり、寝顔がとっても素敵だよ。」

ブラネ「ふんっ、小生意気な小娘が!!」

そこにゾーンとソーンが来た。

ブラネ「ゾーンソーン、すぐにガーネットから召喚獣を取り出す準備にかかるんだよ!!」

そしてゾーンとソーンはダガーを礼拝堂に連れて来た。

ゾーン「ガーネット姫もようやく十六歳を迎えたでおじゃるな。」

ソーン「ガーネット姫もようやく、召喚獣を取り出せる体になったでごじゃる。」

ゾーン「無限の命を持ちし召喚獣たちよ!!」

ソーン「無窮の力を持ちし召喚獣たちよ!!」

ゾーン「いま此処に十と六の眠りから解き放たん!!」

ソーン「いま此処に十と六の宿りから旅立たん!!」

ゾーン「汝に光明を!!」

ソーン「汝に開放を!!」

ゾーン「時は来れり!!」

ソーン「時は満てり!!」

ゾーン「まずは出でよ!!」

ソーン「暗黒の戦鬼オーディン!!」

その瞬間ダガーからもの凄い光があふれ出した




突如消えたクレイラの砂嵐。謎深きブラネとクジャのたくらみ。そしてダガーの身になにが起こっているのか。霧の大陸を包む黒き野望は徐々に広がっていく・・・



続く










あ と が き
今回の話はジタンいいとこ無しでしたね。
実際にプレイしてサンドゴーレムには苦戦しましたよ。
コア攻撃したらカウンター喰らったり全体攻撃喰らって全滅など・・・
クレイラは好きなのにぶっ壊れちゃいましたからね・・・ブラネめ〜・・・
第十二話へ
第十四話へ
第一部TOPへ

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