CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語
第十二話 眠らぬ街、母の野望



山頂駅でマーカスと出会い、新たな仲間コウも加わったダガー達。再び襲い掛かってきた黒のワルツを倒し一路トレノへ向かうのだった。

ダガー「暗くなってきたわね。」

あたりは結構暗かった。

マーカス「少し急ぐっス。」

五人はゲートを越えてトレノへ向かっているが、夜を迎えようとしていた。

スタイナー「トレノはまだか?」

コウ「あそこは夜でも明るいから近くなったら解るんじゃないか?」

コウの言う通りトレノは眠らぬ街といわれ常に明るいのだ。と、遠くに明かりが見えた。

フラットレイ「あれではないか?」

マーカス「そうっスね。」

目的地が見えて足早になる五人。そしてトレノの中に入った。


トレノ


ダガー「わぁ〜」

ダガーは今まで見た街とは違う雰囲気に感動している。

スタイナー「ここが貴族の街トレノであります。」

ダガー「まずはどこの貴族に白金プラチナの針があるか情報収集しなきゃね。」

マーカス「貴族なんて一部だけっス。夜が長いから盗賊にはもってこいの場所っス。」

その一言にスタイナーはキレた。

スタイナー「貴様らのような者どもがこの夜の都をおとしめたのだ!!」

マーカス「そんなことどうだっていいっスから早いとこ白金プラチナの針をかっぱらうっス。」

スタイナー「かっぱらうとは何か!!このスタイナーの目が黒い内はそのようなことはさせないのである!!」

と。

コウ「あのさぁ。取り込み中すまないが・・・」

スタイナー「何だ?」

コウ「どっか行っちまったぞ。」

スタイナー「何?あーー!!」

そこにはダガーはいなかった。

スタイナー「ふ、不覚・・・」

マーカス「じゃ、バラけるっス。」

フラットレイ「ああ。」

コウ「じゃあな。」

そう言ってマーカスは入口から見て右側に、コウは左側に行き、フラットレイはその場から街に飛び降りた。(入口は高い所にある。)

スタイナー「なっお前ら!!」

スタイナーは取り残された。

スタイナー「とほほ・・・」

そのころ他の人は。
ここからはダガー、マーカス、コウ、フラットレイ、スタイナーの順に話が展開して行きます。
街の人「ドロボー!!」

ダガーの近くを街の人が過ぎていく。

ダガー「物騒ね、私も気をつけなきゃ。」

と、男がダガーに近づいてすぐ離れた。

ダガー「?あれ・・・1000ギルない・・・!!ドロボー!!」

ダガーは1000ギル盗まれた。


マーカス「やっぱ盗賊多いっス、この街・・・」

マーカスは今聞こえた悲鳴を聞いてしみじみ思っている。

マーカス「さっさと物を探すっス。」

そう言ってマーカスは酒場に入った。


コウ「トレノも久しぶりだな。元気にしているかな?」

どうやらコウはトレノに知り合いがいるようだ。

コウ「でも会うのはまだいいか。先にこいつを何とかしよ。」

詐欺男「・・・」

コウは前回捕まえた男を引きずって歩いている。


フラットレイ「まったく、何処にあるんだ・・・」

フラットレイは始めてきたトレノに迷っている。と、さっきの男が近づいてきた。

フラットレイ「ふう、ん?」

フラットレイは男に気がついた。

フラットレイ「金なら無いぞ、うせるんだな。」

男「げ!!」

さすが最強の竜騎士。泥棒に気づいていた。


スタイナー「姫様はどちらに・・・」

スタイナーはダガーを探していた。と、そこにさっきフラットレイにおどされて逃げてきた男が来た。

スタイナー「そこの者、すまぬがたずねたい。」
男「な、なんだい?」

スタイナー「この辺で美し・・・いや、16歳の髪の長い少女を見なかったか?」

男「16の髪の長い少女?・・・ああ、さっき1000ギル盗ませてもらった子か・・・あっ!!」

スタイナー「なんだと!!貴様そこに直れ!!」

男「ひぇ〜!!」

スタイナー「待たんかいゴルァ〜!!」

男は逃げ、スタイナーは後を追った。


ダガー「ここは・・・オークション会場ね。」

ダガーはトレノのキング家の中にあるオークション会場に来ていた。

ダガー「ここなら白金プラチナの針の手がかりが得られそうね・・・ん?」

ダガーは上を見上げた。そこには。

クジャ「・・・」

あのクジャがいた。が、ダガーはクジャのことなど知らない。が。

ダガー「あの人・・・どこかで・・・」

何やら知っているようだ。


マーカス「親父さん。例の件どうなってるっス?」

親父「おっマーカス。相変わらずしけたツラしてんな。」

マーカス「親父さんも相変わらずっスね。」

親父「例のことならお待ちかねだぜ。」

親父に言われてマーカスは奥に入った。そこにはバクーがいた。」

バクー「ヘブション!!遅かったじゃねぇか。」

マーカス「色々あって疲れたっス。」

バクー「らしくねぇな、言い訳なんか。所でジタンは何処だ?」

マーカス「あの、そこについてちょっと話が・・・」

バクー「ん?なんだよ。」


コウ「なんでよ!!ここでも別にいいじゃないか!!」

コウはナイト家のショップにいた。

ばあさん「悪いね、そいつは特に賞金首って訳じゃないだろ。とっちめるんなら剣の国アレクサンドリアにでも行っとくれ。」

コウ「そんな・・・これじゃあいつらの手助けが出来ないじゃんか・・・」


フラットレイ「ふう、何も情報が得られん。ん?」

フラットレイの前方にさっきの男が来た。

フラットレイ「またお前か・・・ん?」

と、今度はスタイナーが来た。

スタイナー「おっフラットレイ。」

フラットレイ「どうした?」

スタイナー「その男は姫さ・・・ダガー殿のギルを盗んだ賊である。捕まえるである!!」

フラットレイ「心得た。」

追い詰められた男。と。

男「捕まるか!!」

スフ「あっ!!」

男は隙を着いて尋常じゃない速さで逃げた。

スタイナー「ふ、不覚・・・」


ダガー「ふう、ここでもいい情報が無かったわ・・・あら?」

ダガーの目の前に落ち込んだコウがいた。

ダガー「どうしたの?」

コウ「ああ、この詐欺男、ここじゃとっちめることが出来なくて剣の国アレクサンドリアに行かなくちゃ出来ないんだ・・・」

ダガー「気にしないで、今回は大丈夫だからコウはコウのやりたいとこやって。」

コウ「ごめんね。あ、それとさ。」

ダガー「?」

ダガー「俺的に『ダガー』ってなんか違和感あるから『ティル』って読んでいいかい?」

ダガー「ティル?」

コウ「ガーネット=ティル=アレクサンドロスのティルさ。」

ダガー「うん、いいわよ。」

コウ「じゃあティル、今回はホントごめんね。」

ダガー「別にいいわよ。頑張ってね。」

コウ「ああ。」

そう言って二人は別れた。


スタイナー「いったい姫様は何処に・・・」

スタイナーとフラットレイはまだうろついていた。と、そこに。

ダガー「あ、いたいた。」

ダガーが来た。

スタイナー「姫様!!良くぞご無事で!!」

ダガー「そんな心配しなくてもいいじゃない。」

フラットレイ「それより何処に行けばいいのだ?」

ダス「うーん。」

そこにマーカスが来た。

マーカス「皆さんこっちっス。」

ダガー「あ、ありがとう。」

フラットレイ「所でコウはどうした?」

ダガー「コウは来れなくなったの。」

スタイナー「そうか・・・」

そして三人はマーカスに連れられ酒場に来た。

バクー「話は聞いている。姫様が泥棒する事になるがそれでもいいのか?」

ダガー「いいわ。今の私は姫じゃなくただの娘よ。」

バクー「おっし、その心意気気に入った。参加することを認めるぜ。」

ダガー「で、どうするの?」

バクー「ここから船に乗って目的の物があるとこに行く。俺はここで待っているからよ。」

マーカス「じゃあ行くっス。」

そしてダガー、スタイナー、フラットレイ、マーカスは少し小さい船に乗った。

ダガー「ブランク・・・大丈夫かしら?」

フラットレイ「確か魔の森と一緒に石になったのだろ?」

ダガー「うん。」

フラットレイ「石化は厄介だがだれもちょっかい出さなければ大丈夫だろ。」

ダガー「うん・・・」

少し暗い話の中、船はとある貴族の家に着いた。

ダガー「ここ?」

スタイナー「ホントにここにあるのか?」

マーカス「すべこべ言わずに探すっス。」

そして四人は白金プラチナの針を探し始めた。

フラットレイ「ないな・・・」

ダガー「うん。ん?」

コツコツ・・・

ダガー「足音?」

マーカス「誰か来た?」

フラットレイ「隠れろ。」

四人は物陰に隠れた。と、そこに。学者風の男が来た。

学者風の男「やれやれ、今日のような赤い月の夜こそ良い観測の時だというのに・・・まさかインクが切れてしまうとは。はてさて、いったい何処にあったやら・・・」

学者風の男はインクを探し始めた。

マーカス「どうするっス?

ダガー「うーん・・・っ!!ちょっと待って。

ダガーが男の前に出た。

スタイナー「姫様!!いけませぬ!!

と、男がダガーに気づいた。

学者風の男「んんん?」

ダガー「・・・」

学者風の男「・・・ま、まさか!!」

男はダガーのことを知っているようだ。

ダガー「お久しぶりです。トット先生。」

男はトットと言うらしい。

トット「ひ、姫様!!ガーネット姫様ではありませぬか!?」

スタイナー「まさかトット殿とは!!」

他の三人も前に出た。

マーカス「誰っスか?」

スタイナー「トット殿は、姫様の家庭教師をなさっていた、それはそれは高名な学者殿なのである。」

トット「そのむやみにかた苦しい口調はスタイナー殿ですな?お静かに、店の者が目を覚ましてしまいます。しかし姫様、どうしてこのような場所へ・・・」

ダガー話せば長くなるけれど、色々あって白金プラチナの針を探してるの。」

トット「白金プラチナの針ですか。それなら私の家にありますよ。」

ダガー「本当ですか!?」

と、その時。

?「誰かいるのかい?」

上から声が聞こえた。

フラットレイ「まずい!!」

トット「ここはひとまずお逃げなさい!!白金プラチナの針は後でお渡しします。トレノ入口より左に進むと回廊が続き、突き当りまで行くと大きな塔があります。そちらが私の住む家です。鍵を開けてお待ち申し上げておりますので後ほど!!」

ダガー「わかったは、ここはひとまず戻りましょう。トット先生、ありがとう・・・また後で。」

ダガー達は船に戻った。そこに店番が来た。

店番「なんだ、トット先生だったのかい。」

トット「おお、すまぬな。記録用のインクを切らしてしまいましてな。」

店番「気をつけてくれよ。店の物なくしたら俺が怒られるんだから。」

そう言って店番は戻った。

トット「・・・姫様・・・」

そのころ。

バクー「それで、そのポッポってのが白金プラチナをくれるってんだな?」

マーカス「・・・トットっス。」

バクー「ヘブション!!トットだかトントンだか知らねえが、このタンタラス団がお情けをかけられるたあな。ま、いいか。」

ダガー「トット先生は信用できるお方です。」

バクー「ま、白金プラチナの針を持ってんだからな。てことだ、そのチッチのところまで頼むぜ。」

マーカス「トットっス。」

ダガー「ええ。」

バクー「ま、一休みしてから行きな。そうそう準備できねぇだろうからよ、そのピッピ・・・」

ダスフマ「トット!!」

仏の顔も三度まで。それで少し休みトットの家に向かった。

ダガー「えっと・・・ここね。」

四人はそれらしき建物に来た。

ダガー「あ、トット先生。」

ダガーは階段の上の方にトットが見えた。トットは赤い月を見て上に上がった。そしてダガー達も上がった。

トット「おお、姫様。すみませぬな。このようなむさ苦しい所まで御苦労いただいて。」

ダガー「トット先生はここにお住まいなのですか?」

トット「ええ、剣の国アレクサンドリアを離れてから色々ありましたから。それと白金プラチナの針はそこの箱の中にありますよ。」

マーカス「じゃ、ありがたく貰うっス。」

そう言ってマーカスは白金プラチナの針を手に入れた。

スタイナー「無礼者!!礼ぐらいまともに言えんのか!?」

トット「まぁまぁ。」

と、そこに。

?「せんせぇ〜おかえりなさ〜い。」

ダガー「?」

奥のほうから女の子が来た。

ダガー「トット先生、この子は?」

トット「おお、紹介しましょう。私の知り合いの子供でサクラ君です。さあサクラ君、自己紹介を。」

女の子はサクラと言う名前らしい。

サクラ「はじめまして、さくらです!!おねえちゃんは?」

ダガー「私はガーネット、よろしくねサクラちゃん。」

マーカス「サクラって変わった名前っスね。」

サクラ「わぁ〜ごぶりんだぁ〜!!」

マーカス「ごっゴブリン・・・」

スタイナー「はっはっは、いい気味だ。」

サクラ「わぁ〜ねずみさんにぶりきのおにんぎょうさんだぁ〜!!」

スタイナー「ぶ、ぶりき・・・」

トット「ほっほっ、まだ4歳ですからな。」

フラットレイ「ま、まあ私は仕方ないか。」

ダガー「ふふふ。あら?」

ダガーは何かに気づいた。それは大きな球体であった。

ダガー「トット先生、これは・・・ガイア儀?」

トット「そう、私達の暮らすこの星を模したもの・・・ガイア儀ですな。」

ダガー「トット先生に教えてもらったものね。」

トット「覚えておいででしたか、私のつたない話など・・・」

ダガー「覚えているわ・・・もう8年になるのね・・・」


8年前アレクサンドリア城内


トット「500年以上昔の古文書を解読するに、二つの単語をしばしば見つけることが出来る。一つは『宝珠』、もう一つが『召喚士一族』・・・それが、500年前を境に、ぴたりと古文書から姿を消す・・・考古学者フレデリック・アーシュの研究において『宝珠とは、代々アレクサンドリア王位継承者に与えられるペンダントのことであろうとされている・・・しかしあのペンダントの形状は『殊』と呼ぶべきだろうか・・・また『召喚獣』と『石』の関係性に関しても奥深い研究が」なされており・・・」

トット先生は何やら難しい独り言を延々を話している。と、そこに。

ガーネット「トット先生!!」

8年前のダガー、ガーネットが来た。

トット「おお、姫様。」

ガーネット「また難しいご本を読んでいたの?」

トット「ほっほっ。ここにある本はほとんど読み尽くしてしまいました。ただこういう古い本に囲まれますと、考えもまとまりますのでな。」

トット「ふうん・・・あたしは難しいご本は苦手だけど・・・」

トット「姫様、御自分のことは『わたくし』ですぞ、高貴な御身分でいらっしゃるのですから。」

ガーネット「はいはい・・・」

この様子からするとガーネットは昔オテンバだったようだ。

ガーネット「でも『わたくし』あのご本は興味深く読ませていただきましたわ。なんともうしましたかしら?え〜と・・・」

トット「『君の小鳥になりたい』・・・エイヴォン卿の作ですな?」

ガーネット「そうそう、それでございますことよ・・・ってこんな感じでいいのかしら?その、高貴な御身分のしゃべり方って。」

トット「やれやれ・・・」

と、ガーネットが机の上にあるガイア儀を見つけた。

ガーネット「ねえトット先生、これは?」

トット「これはガイア儀・・・我らの暮らす星を模したものです。」

ガーネット「がいあ・・・ぎ?あた・・・じゃなくてわたくしたち、こんな丸っこいお城の中に住んでるの?」

トット「ほっほっ・・・中ではございません、外に住んでいるのですよ。」

ガーネット「?」

8歳のガーネットには解らないことだ。

トット「そうか、星には力があり、生命がある、という学説が『石』と『召喚』を結び付けるイメージとの起源となり・・・」

また難しい話を喋りだした。

トット「・・・であるからして・・・おお!!姫様、もうしわけありません!!どうもまた悪いくせが・・・」

ガーネット「ううん、いいの。ね、それじゃあ、これのどこにあたしのお部屋はあるの?」

トット「むむ、そのような細かい場所はこれでは・・・」

ガーネット「じゃあこのお城は?」

トット「それでしたら・・・」

ガーネット「それとそれと、シドおじさまのお城は?」



ダガー「時が経つのも早いのね。」

トット「そうでございます。私は相も変わらずこのようなものを集めたり、研究したりしておるのですが。」

ダガー「このガイア儀は?」

トット「古い品でしてな・・・このように壊れておるのですが、これもまた粋かと思い、改造して天体観測のための施設として使っております。ガイアの中から空を見る・・・なかなか悪くないものですぞ。」

ダガー「そうね。」

トット「姫様、何があったかあれこれお聞きするつもりはないのですが・・・今でもこの老いぼれは、姫様の味方でございます。もし何かお困りなら、微力ながら姫様の手助けをしたいと思っております。」

ダガー「トット先生・・・」

ダガーは事の全てを話した。

トット「なるほど・・・そういうことでしたか・・・女王はそこまで・・・解りました。危険かと思いますが姫様を剣の国アレクサンドリアまでお送りすることにいたしましょう。」

ダガー「どうやって?」

トット「こういう日も来るかと思い、古い機関を改良、保存しておきました。その前に・・・サクラくん。」

サクラ「はい。」

トット「皆様にあれをいくつか差し上げてください。」

サクラ「は〜い。」

そう言ってサクラはどこか行った。

トット「剣の国アレクサンドリアから魔の森は近いです。その仲間を助けてあげなさい。」

マーカス「うっス。」

と、サクラが来た。

サクラ「おねえちゃん、はい。」

サクラはダガーに何かを大量に渡した。

ダガー「これってエリクサー!?」

エリクサーとはHPMPを完全に回復させる最高の回復アイテムなのだ。

ダガー「こんな沢山・・・いいんですか?」

トット「まだまだありますから。」

ダガー「ありがとう。貰っとくわ。(でもエリクサーってとても貴重であまり手に入らないんじゃ?)」

トット「こちらから剣の国アレクサンドリアへ通ずる道があります。しかしモンスターが出ますので気をつけてくださいね。」

ダガー「あっ待って。」

スタイナー「どうなされた?」

ダガー「さっき街中でお金を少し盗まれたの。盗った人を探してから行くわ。」

スタイナー「でしたら自分も着いていくである。」

ダガー「ううん、自分一人でやりたいの。」

スタイナー「しかし・・・」

フラットレイ「やらしてやれ。彼女が決めたことだ。」

マーカス「俺らはこっちを片付けてるっス。」

ダガー「うん、じゃ行って来る。」

そう言ってダガーは街に出た。

トット「ほっほっ、お強くなられた。」

スタイナー「・・・喜ばしいことなのか?」

そのころダガーは街をさまよっていた。

ダガー「どっこ行ったかな?」

やはりそう見つかるもんじゃない。

ダガー「まったく・・・あら?」

ダガーは何かを見つけた。それは。

ダガー「コウ?」

偶然近くをコウが歩いていた。

ダガー「コウ〜」

コウ「ん?ティル?」

コウも気づいた。

コウ「どうしたんだい?」

ダガー「実は・・・って事なの。」

コウ「はぁ〜。なるほどね、急がないし手伝おうか?」

ダガー「いいわよ、自分の事だから自分でやらなくちゃ。」

コウ「・・・」

ダガーの一言に何故か黙ってしまった。

ダガー「どうしたの?」

コウ「あ、いや・・・やっぱ俺も手伝うよ。」

ダガー「いいってば。」

コウ「いや、手伝う。一人で出来ることにも限界はあるだろ。」

ダガー「でも・・・」

コウ「なんと言われようとも俺は手伝うぜ。」

ダガー「コウ・・・うん、ありがとう。」

こうして『奪われた1000ギル奪還作戦』が開始された。

コウ「で、盗んだ奴の顔解ってんの?」

ダガー「えっと・・・」

ダガーは何処からか紙を取り出し絵を描いた。

ダガー「こんな感じの人。」

コウ「どれどれ・・・」

コウはその紙を見た。

コウ「なるほど・・・じゃ、こいつを見つけたら上手くここに逃げてくるように誘おう。」

コウはトレノの地図を出しとある場所をさした。

ダガー「解ったわ。で、どうするの?」

コウ「後は任せな。」

そしてミッションスタート。と、ここである疑問が頭を過ぎった。なぜダガーは一瞬の内に盗まれたのに盗んだ奴の顔を覚えてたのか?

作者「気にすんな。」

ダガー「でも何処にいるのかしら?」

そんな簡単に見つかるわけな・・・

ダガー「いた!!」

・・・あったね。

ダガー「待て〜!!」

泥棒「げっ!!さっきの!!」

ダガー「お金返せ〜!!」

泥棒「へへっ捕まっかよ!!」

さすが泥棒足が早い。と。

コウ「逃がさねぇ!!」

コウが前に出た。

泥棒「んが!!やべっ!!」

泥棒はまた逃げ出した。

ダガー「予定通りね。」

コウ「しっかりやろうぜ。」

そして二人は分かれた。

泥棒「しつこいな!!」

ダガー「待て〜!!」

泥棒「まったく!!ってお!!」

前にコウがいた。

泥棒「ちっ!!」

泥棒は横(どっちかは気にしないで。)に逃げた。と。

コウ「かかった!!ていっ!!」

コウは泥棒が曲がった先に右手を向けた。その時。

ビシュシュッ!!

泥棒「わっな、何だ!?」

ダガー「えっ!?」

一瞬のうちに泥棒はす巻き状態になった。

コウ「見事に結界に引っかかったな。」

ダガー「け、結界!?」

コウ「ま、気にしない。それより盗まれた分取ったら?」

ダガー「あ、そうね。」

そう言ってダガーは泥棒から1000ギル取った。と。

泥棒「あのう、ほどいてくれないですか?」

敬語で頼んでいるが、二人はすでにその場からいなかった。

泥棒「助けてーーー!!」



ダガー「ありがとうコウ。」

コウ「別にいいって。後、あいつらに俺が手伝ったって言うなよ。」

ダガー「何で?」

コウ「いいから。」

ダガー「解った。」

その時。

ズラ〜〜

ダガー「ん?」

コウ「いっ?」

二人は何か聞こえたようだ。

ダガー「ねぇ、今『ズラー』って・・・」

コウ「あ、ああ・・・」

ダガー「まさか・・・」

コウ「き、きっと気のせいだよ・・・」

ダガー「そ、そうよね!!」

コウ「じゃ俺はこの辺でさよならだ。またいつか会えたなら。」

ダガー「うん、じゃあね。」

そう言って二人は分かれた。しかしさっき何があったのか?


数分前 南ゲート山頂の駅


シナ「また乗り遅れたズラ・・・」

シナはまだここにいた。

シナ「何回目ズラか?もう朝になったズラ・・・」

どうやらずっとまんまるカステラを食べてたようだ。と、そこに。

?「なにやっとんじゃ〜〜〜!!

どでかい声が響いた。

シナ「ここで待ってるズラ。」

?「ここで道草くっとったんか〜〜〜!!

シナ「道草じゃないズラ、まんまるカステラズラ。」

?「そんなのどうだっていいわゴルァ!!

シナ「うっさいズラ!!いったい誰ズ・・・ズラ!!」

そこにいたのはバクーだった。

バクー「ボスの命令を無視して道草とは・・・いい度胸してんじゃねえか?」

シナ「あの、その・・・」

バクー「ボスの命令が聞けない奴は、スーパートルネードタンタラスデコピンの刑だ。」

ださ〜

シナ「それだけは、それだけは、かんべんズラ〜〜!!

バクー「待たんかいこら〜

ここからは音声のみでお楽しみください。

シナ「うわーーー!!」

バクー「待てーーー!!」

シナ「ズラ!!」

バクー「でりゃーー!!」

ドコーーン!!

シナ「ズラ〜〜!!

以上、南ゲートの真実でした。そのころダガーはトット宅に着いていた。

ダガー「ただいまって・・・あれ?」

トットの家には誰もいなかった。と。サクラが何処からかやってきた。

サクラ「おかえり〜!!」

ダガー「サクラちゃん、みんなは?」

サクラ「あそこだよ。」

と、サクラが指を刺したがその先には誰もいなかった。

ダガー「?」

と。

スタイナー「姫様〜戻られましたか〜」

何も無い所から声が聞こえた。

ダガー「どういうこと?」

ダガーはその場まで行った。そしてそのトリックが解った。

ダガー「こんなとこに下への穴があったんだ。」

そしてダガーとサクラは下におりた。

トット「おお。戻られましたか。」

ダガー「トット先生、ここは?」

フラットレイ「剣の国アレクサンドリアとトレノを結ぶ機関、ガルガンルーだ。」

ダガー「ガルガン・・・ルー?」

マーカス「一通りの作業は終えたっスから、もう行けるっス。」

ダガー「じゃあもう行きましょう。」

と、何かが来た。

ダガー「な、何これ?」

トット「これはガルガント。ガルガンルーはこのガルガントを利用した物です。」

マーカス「もら、行くっスよ。」

ダガー「あ、うん。」

そしてダガー達四人はガルガントの下にあるカゴに乗った。

トット「後は私が何とかします。姫様、しばしの別れです。」

サクラ「ばいばい!!」

サクラはダガーに手を振った。そしてガルガントは動き出した。

ダガー「これで城に行けるのね。」

マーカス「兄キ。そろそろっス。」

と、ガルガントがいきなり止まった。

ダガー「何?、あっ!!」

ダガーはカゴから降りた。

スタイナー「姫様!!」

他の三人も降りた。そこには蛇みたいなモンスター、ラルヴァラーヴァがいた。

ダガー「これが原因?みんな!!」

フラットレイ「解ってる!!」

すでに皆臨戦態勢をとっていた。

ラルヴァラーヴァ「シュルル・・・」

ダガー「待ってて、弱点を調べてるから、ライブラ!!」

ダガーはラルヴァラーヴァの弱点を調べだした。

マーカス「じゃ、やるっス!!オラッ!!」

フラットレイ「はっ!!」

スタイナー「でりゃ!!」

三人は切りかかったがラルヴァラーヴァが糸を吹き出した。

スタイナー「むぐっ!!」

動きの遅いスタイナーだけ引っかかりさらに動きがとろくなった。

マーカス「ありゃ〜・・・」

と。

ダガー「弱点は・・・冷気ね!!」

弱点がわかった。

スタイナー「でもビビ殿はいませんぞ!!」

ダガー「私がやるから時間を稼いで!!」

マーカス「うっス!!」

そしてダガーは唱えだした。

フラットレイ「ていっ!!」

マーカス「やっ!!」

スタイナー「ぬおおお!!」

ラルヴァラーヴァ「フシューー!!」

三人はダガーの為に時間を稼いでいると。

ダガー「凍てつく世界に住みし女神よ・・・我が命によりすべてを凍らせ!!シヴァ!!

ダガーが唱えると巨大な氷が現れそこから氷の女性が現れた。

フラットレイ「召喚術か!!」

ダガー「下がって!!ダイヤモンドダスト!!

ダガーが叫ぶとシヴァの両手から氷の風が吹き、ラルヴァラーヴァに放たれた。

ラルヴァラーヴァ「シューーー!!」

ダイヤモンドダストを喰らいラルヴァラーヴァは逃げた。

ダガー「これで行けるわ。」

そしてガルガントに乗り城の中らしき場所に着いた。

フラットレイ「ここは?」

ダガー「多分城の地下だわ。」

スタイナー「そんなことより早くここを離れましょう、体の毒ですぞ。」

ダガー「ええ。」

四人は歩き出したがその時。

ガシャン!!

前後左右、さらに上も金網が出てきて閉じ込められた。

ダガー「何!?」

と、上にゾーンとソーンがいた。

ゾーン「引っ掛かったでおじゃる!!」

ソーン「いい気味でごじゃる!!」

ダガー「ゾーン、ソーン!!開けなさい!!私はお母様に話があるの!!」

ゾーン「あってもなくてもブラネ様には会わせるでおじゃる!!」

ソーン「なんたて、ガーネット姫を捕らえろと命令したのはブラネ様でごじゃる!!」

フラットレイ「なに!!」

スタイナー「なんだと!!」

マーカス「どう言うことっス!?」

ダガー「なんですって!?」

ゾーンとソーンの言葉に驚く一同であった。




一つの事実がわかり衝撃を受けた一行、だが、これはまだ前触れでしかなかった。答えはまだ闇の中に。



続く










あ と が き
再びオリキャラでてきましたね。
個人的には気に入っているんですよサクラは。
ちなみに名前の由来はその時読んでいたゲーム雑誌のとあるゲームのキャラの名前からっす。
けっして今再放送されてる○ード○ャプ○ーさ○らじゃありません。
第十一話へ
第十三話へ
第一部TOPへ

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