第五話

戦う理由、戦う意志





戦火の中で新たな仲間が入ったハガネ。その先に待ち受ける事とは。


ハガネブリッジ


イシカワ「まもなく大阪基地だ。」

素子「やっと到着ね。まったくなんで一々戦闘しなくちゃならないのかしらね。」

和哉「あいつらどこからか『G』に『ブレード』、『AF』の情報を入手したのか・・・」

素子「それはこれから指令にあって聞くわ。」

イシカワ「そうだな。」

素子「全乗組員に通達。そろそろ大阪基地に到着する。着艦と同時に補給が行われるから心得ておくように。」

素子はハガネのクルー全員に通達した。

イシカワ「ここでまともに補給しなかったら持たないな。」

素子「ええ。」

詠子「でも私達のような民間人は大丈夫なの?」

和哉「まぁとりあえずは大丈夫だと思うよ。あそこのハウディル・クラウド指令は温厚だし人柄もいいって話だし。」

詠子「大丈夫なのかな・・・?」

和哉「まぁいいさ。今日はこの基地で休む事になるんだし。」









「よく来てくれた。私がハウディル・クラウドだ。」

素子「第九艦隊草薙素子少佐です。」

和哉「同じく第九艦隊艦長代理、天城和哉中尉です。」

大体のクルー達が指令のハウディル・クラウドと会っていた。

ハウディル「君達の事情は聞いている。色々と災難だったようだね。」

素子「ええ。今もやむを得ず民間人に協力を依頼すると言う状態で・・・」

ハウディル「それは君達かい?」

優真「はい。サイバスターパイロット天城優真です。」

隆士「ストライクパイロット白鳥隆士。今の内に言いますがジュピトリアンです。」

浩之「元ただの学生の藤田浩之。アルブレードに乗っている。」

稟「土見稟。ウイングパイロットです。」

ハウディル「そうかそうか。君達も大変だったのであろう。」

隆士「ええ・・・」

優真「ですが自分で決めた事なので・・・」

ハウディル「そうか。今は戦闘の疲れを癒したまえ。」

浩之「そうさせてもらいます。」

稟「機体の整備の時に呼んでくれればいいので。」

そう言って優真達はハガネに戻った。

ハウディル「彼らも大変であろうな・・・」

ジョニー「そうだけどハガネには女子供がわんさと乗っている。そこそこ大人なあいつらは自分で何とかするだろうさ。」

素子「そうね。」

ハウディル「そうだ、今の内に言っておこう。天城中尉と灰原大尉両名は本日付で少佐へ昇進だ。」

和哉「少佐にですか?」

ハウディル「天城中尉は上位階級の者がいなくなったハガネの指揮を執る為に。灰原大尉は戦闘の功績と戦闘指揮を草薙少佐と共に執ってもらう為だ。」

和哉「分かりました。」

ジョニー「これで俺もお前と一緒だナ。」

素子「そうね。」

ハウディル「恐らく若きパイロット達にも曹長の階級がなされるであろう。」

和哉「そうですね・・・」


ハガネ格納庫


整備員「神岸機はブーステッド・ライフルをメインにした遠距離主の装備だ。保険として左腕にチャクラム・シューターを装備してあるからな。」

あかり「ありがとうございます。」

整備員「佐藤機は標準装備のフォトン・ライフルとビームソードに加えて左腕に新装備のステルス・ブーメランをつけてる。遠近共にひけはとらないぞ。」

雅史「分かりました。」

あかりと雅史は整備員から愛機になるだろう量産型ヒュッケバインMk−Uの説明を受けていた。

浩之「おう。何してるんだ?」

そこに戻ってきた優真達が来た。

あかり「浩之ちゃん。私達が乗るMk−Uの説明を聞いてたの。」

浩之「そうか。」

雅史「これで僕らも戦える。浩之達の力になれるよ。」

優真「ありがとうございます。」

浩之「俺らも自分らの機体の整備でもするか?」

稟「いや、今は休もう。色々あったからな。」

隆士「とりあえず近くにいた方がいいよね。」

優真「そうですね。」

話し合いの結果、それぞれの機体の近くで休む事になった。

稟「ウイング・・・」

稟は愛機のウイングを下から見上げていた。

稟「俺に力を貸してくれ・・・」

隆士「稟君・・・」

隆士はその稟の姿をストライクの近くで見ていた。
そこに。

梢「白鳥さん・・・」

梢がお茶を持ってやってきた。

隆士「梢ちゃん?」

梢「その、お茶です。」

隆士「ありがとう。」

梢「・・・大丈夫ですか?」

隆士「何が?」

梢「土見さん達・・・」

隆士「多分、僕の事を憎んでるかもね。」

梢「白鳥さんは何も悪くないのに・・・」

隆士「『ジュピトリアンだから』。理由はそれで十分だろうさ。」

梢「そんなの・・・」

整備員「お〜いジュピトリアンの青年君よ。ちょっといいかい?」

隆士「はい?」

整備員に呼ばれて隆士は向かおうとした。
その時だった。

梢「何ですか今の言い方・・・!!」

隆士「梢ちゃん?」

梢「何ですか今の言い方は!!白鳥さんには白鳥隆士って言う名前があるんですよ!!どうしてそんな差別的な言い方を!!」

普段滅多に、と言うよりも怒った事が無い梢が本気で怒り出した。

隆士「こ、梢ちゃん落ち着いて!!」

整備員「そいつは悪かったよ。だけど俺らの敵はJフリート、ジュピトリアンなんだ。そこの彼は軍人じゃないとは言え、本当なら俺らの敵なんだぞ。」

隆士「その通りさ。だから別にいいんだ。」

梢「そんなの・・・そんなのおかしいです!!」

梢はどこかに走り去ってしまった。

隆士「梢ちゃん!!」

整備員「・・・何だか悪かったな・・・だけどお前も覚えておけよ。俺達はアーシアン、お前はジュピトリアンである事をな。」

隆士「ええ・・・ただ。」

整備員「ただ?」

隆士「彼女の前では・・・そんな事二度と言わないでくださいね・・・」

整備員「あ、あぁ・・・」

「その前に私がその口を潰すですぅ・・・!!」

整備員「あ?」

その整備員のすぐ後ろにどう行ったのか不明だが珠実がいた。

隆士「・・・殺さないようにほどほどにね。」

珠実「言われるまでも無いですぅ〜!!」

整備員「う、うわぁーーーーーー!!」



その後、整備員一人がハガネの艦首に吊るされていたそうな・・・



梢「酷すぎますこんなの・・・!!」

その頃梢はハガネの通路で泣いていた。

梢「どうしてこんな・・・!!」

「本当・・・酷いですよね・・・」

梢「え・・・?」

梢の近くにのび太が来ていた。

のび太「僕もさっき近くにいたから・・・聞いてました。」

梢「・・・」

のび太「・・・僕達は・・・」

梢「?」

のび太「僕達はドラえもんの持ってる科学力で色んな人達と出会った・・・人間とは違う種族、ロボットやこことは別の星の人達・・・」

梢「・・・」

のび太「だから僕は思うんだ・・・アーシアンもジュピトリアンも『心』を持った『ヒト』である事には変わりないって・・・」

梢「のび太君・・・」

「まぁ、それはそうなんだけどな・・・」

のび太「稟さん?」

二人の所に稟がやってきた。

稟「のび太の言ってる事は正しいさ・・・だけどそれを認めれる事が出来ない奴らだっている・・・恐らくかなりの数がな。」

のび太「そうですよね・・・だけどもしかしたら分かり合えるかもしれないじゃないですか。」

稟「まぁな。問題は、両軍の上がそれを考えてるかどうか・・・」

梢「そうですよね・・・」

稟「それに、二人は神族と魔族はかつて受け入れられない時期があった事を知ってるか?」

梢「いえ・・・」

のび太「そんな事が?」

稟「おじさん達が言ってたんだ。ずっと昔は中々受け入れてくれなかったって。だけど今はどうだ?」

梢「普通にいますよね。神族も魔族も。」

稟「そう。受け入れられたんだ。だからのび太が言ったようにアーシアンとジュピトリアンも、上手くいけばな。」

のび太「そうですよね。」

稟「ただ、少なくとも今は難しいだろうな。」

のび太「ですよね・・・」

稟「だから忠告に来た。梢。」

梢「はい?」

稟「楓には、気をつけろよ。」

梢「楓ちゃんですか?どうして・・・」

稟「あいつはあぁ見えて恨みとかを溜め込み安いから、いつ隆士さんを殺しかねないかも知れない。」

梢「そんな・・・」

稟「二人きりにさせないようにな・・・」

梢「はい。」

稟「この事は誰にも言うなよ。楓の為に・・・」

梢「はい。」

のび太「うん。」









翼「ジェリド中尉の部隊が失敗した?」

J兵士A「あぁ。何でもハガネの部隊が来て撤退を余儀なくされたとか。」

隆士の友人でイージスを奪っていった翼は日本沿岸のJフリートの部隊の中にいた。

翼「ハガネか・・・あいつどうしただろうか・・・」

J兵士A「どうした?」

翼「いや、何でも無い。」

J兵士A「そうか?」

翼「・・・」

J兵士B「お〜い山吹。クルーゼ隊長から連絡だ。」

翼「隊長が?」

クルーゼとは翼がいる部隊の指揮を執ってる男だが、今は宇宙にいる。

翼「一体なんだ?」

翼は通信室に入り、通信を始めた。

「翼。ご苦労だったな。」

通信のモニターに銀色の仮面をつけた男が映った。
この男がラウ・ル・クルーゼだ。

翼「隊長。一体今日はどうして?」

クルーゼ「この後君にはある作戦に参加してもらおうと思ってね。」

翼「作戦ですか?」

クルーゼ「明日。大阪基地を襲撃する。」

翼「大阪基地?ですがあそこは・・・」

クルーゼ「そう。連合の中でも指折りの基地だ。その分叩けば奴らの力は落ちるだろう。」

翼「はぁ・・・しかし今ハガネも大阪にいるのでは?」

クルーゼ「ならばなおさら撃たねばならないだろう。一隻であの力を持つ部隊だ。捨て置くわけにはいかないだろう。」

翼「そう・・・ですね・・・」

クルーゼ「何か心残りでもあるのかね?」

翼「・・・自分が『G』。イージスを奪った時、近くに友人がいました・・・」

クルーゼ「友人か。」

翼「宇宙怪獣もいたので詳しくは分からなかったのですが、もう一機の『G』が起動した所を見るとあいつは・・・」

クルーゼ「ふむ、連合に協力しているだろうな。」

翼「どうしてあいつが・・・」

クルーゼ「例え友人だろうが、戦場で出てくれば敵だ。迷えば君が殺されるのだぞ。」

翼「はい・・・それと。」

クルーゼ「ん?」

翼「四季園は・・・大丈夫ですよね・・・」

クルーゼ「勿論だとも。信用したまえ。」

翼「分かりました・・・」

クルーゼ「私もその作戦には参加するが、終わったと同時に宇宙へとんぼ返りになる。」

翼「どうしてです?」

クルーゼ「『姫』がくるそうだ。」

翼「『姫』が!?」

クルーゼ「ああ。ちょうどこちらに到着するのは明後日だそうだ。」

翼「どうして『姫』が・・・?」

クルーゼ「それを聞く為に私が出向く。君は地上で戦っていてくれたまえ。」

翼「了解です隊長。」

クルーゼ「武運を祈る。」

翼「はっ」

そう言って通信は終わった。

翼「白鳥が・・・出てくるのか・・・だけどどうして『姫』が・・・」









ハガネ個室


隆士「・・・よし、まだまだ絵は描けるな。」

夜を迎えたハガネの個室、隆士は部屋の中で絵を描いていた。

隆士「こんな状況だからおちおち絵を描く事なんか出来そうに無いから、腕が鈍っちゃいそうだ。」

隆士は元々絵本作家志望だったのでよく絵を描いていたのだった。

隆士「よし、今日はもう寝よう。」

簡単に絵と道具を片付けて隆士は床につこうとした。
その時。

シュッ

隆士「ん?」

一瞬その部屋の戸が開き、何かが置かれてあった。

隆士「何だ?手紙?」

隆士は落ちてあった手紙を拾い、内容を読んだ。

隆士「『今すぐストライクの足元に来てください』か。多分差出人はあの子だろうな・・・」

心当たりがあるのか、隆士は格納庫へ向かった。


ハガネ格納庫


のび太「ちょっとは反応あるんだけどなぁ・・・」

その時格納庫の一角にのび太がいた。

のび太「この『騎士』も戦いに参加できればなぁ・・・」

のび太の前にはMSと同じくらいの大きさの機体があった。

のび太「ふあぁ〜・・・僕もそろそろ寝よ・・・ん?」

部屋に戻ろうとしたのび太はストライクの所に誰かがいるのが見えた。

のび太「誰だろう・・・」

のび太はこっそりとストライクの近くに向かった。



隆士「・・・ちゃんと来たよ。」

「・・・」

ストライクの所に来た隆士の前に楓が出てきた。

隆士「やっぱり君か。楓ちゃん。」

楓「隆士さん・・・」

隆士「言わなくても分かるよ・・・僕を殺したいんでしょ?」

楓「はい・・・」

楓の手には一本のナイフが握られていた。

隆士「ハガネの中でジュピトリアンは僕一人。覚悟はしていたよ。」

楓「ジュピトリアンなんかいなかったら・・・みんな幸せに暮らせていたのに・・・」

隆士「そうだね・・・確かに光陽町の事はジュピトリアンが悪い・・・」

楓「ジュピトリアンなんか・・・いなくなってしまえばいいのよ・・・!!」

隆士「・・・君の気が晴れるなら・・・いいよ・・・」

楓「アンタなんか死んじゃえばいいのよ!!」

楓はナイフを強く握り、隆士を突き刺そうとした。

隆士「梢ちゃん・・・ごめんね・・・」

隆士は死を覚悟して目を閉じた。
だがその時。

「ぐっ!!」

隆士「?」

楓「え・・・」

「やっぱり・・・こうなったか・・・!!」

二人の間に稟が立ち、楓のナイフを左手で握りしめて止めていた。

楓「り、稟くんどうして・・・!!」

稟「隆士さん一人を殺した所で・・・何も変わらないだろうが・・・!!」

楓「だけど!!」

「楓ちゃん・・・」

隆士「梢ちゃん・・・」

その場所に梢もやってきた。

楓「梢ちゃん・・・梢ちゃんは何とも思わないの・・・?風守町もジュピトリアンにあんなにされたのに・・・!!」

梢「何とも思わないなんて言ったら・・・嘘になりますけど・・・」

隆士「・・・」

梢「同じ『ヒト』なのに憎みあうのも・・・悲しいと思いまして・・・」

楓「・・・」

稟「もしここで隆士さんを殺したとしたら・・・残された誰かがお前を憎む・・・そんな連鎖をお前は作る気なのか?」

楓「・・・」

稟「お前の気持ちだって分かるさ。だけど辛いのはみんなそうなんだ。俺も、ジュピトリアンの隆士さんもな・・・」

楓「う・・・」

楓はナイフを落とし、全ての力が抜けたかのように床に崩れた。

楓「うあぁーーーーーーーー!!」

そして楓は稟の胸の中で大きな声で泣き出した。

稟「まったく・・・世話の焼ける奴だよ・・・あの時も今も・・・」

のび太「大丈夫ですか?」

そこにのび太もやってきた。

稟「のび太もいたのか。」

のび太「僕は偶然に。」

稟「そうか。梢、楓を頼むな。」

梢「はい。行こう、楓ちゃん。」

楓「・・・」

梢は楓を連れて格納庫を離れた。

隆士「稟君・・・大丈夫かい?」

稟「まぁな・・・それと。」

隆士「え?」

バシィッ!!

隆士「つっ!?」

のび太「り、稟さん!?」

突然稟が右腕で隆士を殴りつけた。

稟「俺がアンタを殴った理由は二つ。一つは『ジュピトリアンだから』何て理由だけで自分は殺されてもおかしく無いって思った事。」

隆士「・・・」

稟「もう一つはアンタが死んだ場合、梢はどうなるんだ?」

隆士「・・・」

稟「恋人なんだろ・・・アンタが傍にいなくちゃ、梢はどうするんだよ。」

隆士「・・・そうだね・・・ごめん稟君・・・」

稟「謝る相手が違うだろ。」

隆士「・・・そうかもね。」

稟「もう二度と、あんな真似するなよ。」

隆士「うん・・・」

のび太「・・・」









ハウディル「補給は既に完了しておる。出発はいつでも出来るぞ。」

和哉「ありがとうございますハウディル指令。」

翌日、ハガネは補給を終えていた。

和哉「で、我々は次に何処へ向かえば?」

ハウディル「オーストラリア、シドニー基地に向かってくれ。そこでアフリカを奪還する為の舞台と合流してもらいたい。」

和哉「シドニーに、アフリカですか・・・」

現在の地球はアフリカ、ヨーロッパ、南アメリカがJフリートに占拠され。
残るオーストラリア、ユーラシア全域、北アメリカは連合の領域であるのだ。

ハウディル「出来れば戦いなどあって欲しくないのだがね・・・」

和哉「軍人とは思えない言葉ですね。」

ハウディル「悲しみと憎しみしか生まぬ戦いなどしたくは無いだけなのだよ・・・」

和哉「そうですよね。」

ハウディル「確か君の弟の優真君は戦争嫌いだったな?」

和哉「は、はぁ・・・」

ハウディル「私も本当は戦争嫌いだ。だから時間が出来たら彼と話がしたいのだよ。戦争の虚しさについての・・・」

和哉「・・・分かりました。優真に言って・・・」

ヴィーーー!!ヴィーーー!!

突然警報が鳴り響いた。

ハウディル「何事だ!?」

兵士「Jフリートです!!それもかなりの数が!!」

ハウディル「ここを落とす気か・・・和哉君!!」

和哉「分かりました!!」

和哉はハガネに向かった。

ハウディル「出撃だ!!」


ハガネブリッジ


詠子「こんな時に襲撃なんて・・・和哉兄さんは!?」

イシカワ「今戻ってくる。」

詠子「仕方ないわね・・・少佐さん、優真。準備はいい?」

素子「すぐに行けるわ。」

優真「僕も行ける。」

詠子「それじゃあお願いしますね。」

素子「勿論!!」

優真「分かってるよ姉さん!!」

先にハガネから優真と素子が出撃した。


ハガネ格納庫


稟「Jフリートか・・・行くか。」

隆士「稟君。」

稟「ん?」

隆士「無理はしないでね。」

稟の左手には昨夜の怪我がまだ残っていた。

稟「分かってる。隆士さんも気をつけてな。」

隆士「うん。海からの陸上部隊が来るかもしれないから僕は地上で戦う。」

稟「俺達は上で戦う。頼むな。」

隆士「そっちもね。」

そう言って二人はストライクとウイングに搭乗した。

浩之「無理はするなよ。二人とも。」

あかり「うん。」

雅史「分かってるよ。」

アルブレードの近くにあかり用の赤いヒュッケバインMk−Uと雅史用の緑のヒュッケバインMk−Uがあった。

浩之「あかりは後ろから援護射撃を。雅史は俺と一緒に行動してくれ。」

雅史「分かった。」

浩之「それと、死ぬなよ。」

あかり「うん。」

雅史「勿論。」

「ヒロ、あかり、雅史。」

浩之「ん?」

三機に通信が入った。

あかり「志保?」

志保「そうよ。」

通信相手は志保だった。

志保「人手の関係で私も手伝ってるのよ。」

雅史「そうなんだ。」

浩之「まぁしっかりやれよ。」

志保「勿論よ。そっちもしっかりしなさいね。」

浩之「あぁ。行くぞ二人とも!!」

あかり「うん!!」

雅史「分かった!!」

浩之のアルブレードを先頭に、あかりと雅史も出撃した。

隆士「翼君が出てこなければいいけど・・・ソードをお願いします。」

背部、左肩、左腕にソードパックが装備された。

稟「下は任せたからな。」

隆士「うん。行くよ!!」

稟「あぁ!!」

そして隆士と稟も出撃した。

ジョニー「遅れちまったな、俺も出る!!」

そして最後にジョニーも出撃した。

素子「この基地の部隊も出るわ。彼らの力も借りるのよ。」

優真「はい。」

ジョニー「それと無茶はするなよ。」

雅史「はい。」

基地からバルキリー部隊と量産型ヒュッケバインMk−Uの部隊が出撃した。

和哉「遅くなってすまない!!」

その頃ハガネのブリッジに和哉が到着した。

詠子「しっかりしてよ艦長・・・」

和哉「あぁ。数は?」

イシカワ「ボズゴロフ級四隻。ガルダタイプ四隻。まだ来る可能性があるぞ。」

和哉「何て数だ・・・ハガネ、発進だ!!」

詠子「了解!!」

そしてハガネも発進した。

イシカワ「奴らの部隊が展開したぞ!!ジン十六、ディン八、グーン八、バクゥ十ニ、アッシマー八だ!!」

和哉「バクゥって事は地上部隊か。」

詠子「既にストライクが対地上戦にソードを装備して出撃してます。」

和哉「そうか。ハガネは敵艦を叩く。総員戦闘配備!!」

素子「行くわよ!!散開!!」

素子の命令でほぼ全員が散開した。

浩之「あかりと雅史はさっき言ったように頼むな。」

雅史「うん。」

あかり「分かったよ。」

隆士「地上は任せて。みんなは上を。」

ジョニー「頼むナ。」

隆士「来た、バクゥか。」

地上にいる隆士のストライクに向かって地上戦用四足歩行MS、バクゥの部隊が迫っていた。

隆士「来い!!僕は負けるわけにはいかないんだ!!」

隆士は背部についていた対艦刀、シュヴェルトゲベールを取り、構えた。

素子「地上は厳しそうね・・・藤田!!」

浩之「ん?」

素子「神岸と佐藤を連れて地上の援護に向かいなさい。」

浩之「分かった。行くぞ!!」

素子の命令で三人は地上に降りた。

素子「さぁこっちも行くわよ!!」

稟「あぁ!!先駆けに一発!!」

ウィィ・・・ゴォォォ!!

稟はバスターライフルを撃った。
しかし大半が回避した。

稟「ちっ!!もう一発!!」

素子「無駄撃ちは止しなさい。」

稟「くっ!!了解!!」

優真「よく考えなきゃな・・・シロ、クロ!!」

シロ「分かったニャ!!」

クロ「あたし達に任せて!!」

優真はハイファミリアを出し、一機のジンへ攻撃をしかけた。
二つのハイファミリアから光の玉が放たれ、ジンを破壊した。

優真「よし!!戻って!!」

倒すと同時にハイファミリアはサイバスターに戻った。

稟「うおぉーーー!!」

稟はMS部隊の猛攻を回避しながら飛び込んで行った。

稟「でやぁっ!!」

ズヴァッ!!

一気に特攻し、ジンを一機斬り落とした。

素子「無茶するわね・・・まったく!!」

素子もガンポッドを連射しながら突撃していった。

J兵士「く、くそう!!」

一機のディンが全武装を乱れ撃ちしたが、一つも素子には当たらなかった。

素子「もらった!!」

J兵士「うわぁーーー!!」

素子は通り過ぎると同時にそのディンを撃墜した。

ジョニー「俺も負けてられないナ!!」

MS部隊の猛攻を避けながらジョニーもガンバレル展開によるオールレンジ攻撃を開始した。

ジョニー「喰らいやがれぇーーーーー!!」

オールレンジ攻撃でジン二機を撃墜した。

浩之「ヒュ〜やるなぁ。」

雅史「僕らも頑張らなくちゃ!!」

あかり「うん!!」

三人はそれぞれの武器でバクゥの部隊と戦っていた。

浩之「バクゥは機動性が高いからな・・・あかり、よく狙えよ。」

あかり「うん・・・」

あかりはブーステッド・ライフルの銃口を一機のバクゥに定め、よく狙った。

あかり「そこっ!!」

ドォン!!

あかりの攻撃でバクゥを一機撃墜したが数機があかりに集中して装備されたレールガンとミサイルで攻撃してきた。

浩之「あかり避けろ!!」

あかり「う、うん!!」

あかりは一度飛び、攻撃を避けた。

雅史「行けぇっ!!」

雅史はフォトン・ライフルを連射してバクゥを一機撃墜した。

浩之「しかし数が多いぞ・・・この基地の部隊もやばい・・・」

基地の部隊も苦戦を強いられ、既に二割が撃墜されていた。

浩之「だけどやるだけやるしかない!!」

浩之も地上部隊にビームキャノンを放った。
しかし一機も当たらなかった。

隆士「まずいな・・・まだ水中からグーンが来ている。」

海中からグーンが上がってきていた。

雅史「大丈夫だろうかな・・・」

隆士「だけどやるしか無い!!」

隆士は左肩のビームブーメラン、マイダスメッサーをグーンの部隊に投げつけた。
マイダスメッサーは一機を落し、そしてストライクの所に戻ってきた。

隆士「グーンはソードで何とかなるけど、バクゥは機動性が高いからな・・・エールにしておけばよかったような・・・」

浩之「ぶつぶつ言ってないでやるんだよ!!」

隆士「う、うん!!」

素子「戦況は・・・よくなさそうね!!」

J兵士「うおっ!?」

素子はバルキリーを人型のバトロイドに変形してアッシマーの上に乗った。

素子「悪いわね!!」

素子は頭部のレーザーでアッシマーを撃ち、爆発する前に戦闘機型のファイターに変形して飛び去った。

和哉「衝撃砲、撃てぇ!!」

ハガネも大量に砲撃し、近づいた敵を攻撃していた。

和哉「数が多い・・・これじゃあまずいな。」

詠子「冷静に言わないでよ兄さん!!攻撃来るわよ!!」

ディンが数機、ハガネに多目的ランチャーを放ってきた。

ドォォン!!

ランチャーが数発ハガネに命中した。

和哉「くぅ!!被害状況は!?」

イシカワ「第三ブロック、第一装甲版に当たったが大丈夫だ。」

和哉「そうか。だけどこれはまずいな・・・」

イシカワ「そうだな、各機増援が来るぞ!!」

優真「えぇ!?」

イシカワ「ボズゴロフ級二隻、二分後に来るぞ!!」

稟「まだ来るのか・・・くそぉ!!」

ウィィ・・・ゴォォォ!!

稟はバスターライフルを撃ち、ガルダを一隻轟沈させた。

稟「後どのくらい来るんだよ!!」

ジョニー「無駄口叩いてないでやるんだよ!!」

稟「分かってる!!」

優真「こんなに来るなんて・・・サイフラッシュはいける?」

クロ「大丈夫だけど・・・無闇に使うと戦えなくニャるわよ。」

優真「そうか・・・もうやるだけやるしかない!!」

優真はジンとアッシマーを一機ずつ切り落とした。
その時だった。

ドォン!!

優真「うわぁっ!!」

サイバスターに何かが突撃してきた。

優真「今の・・・まさか!?」

優真が辺りを見ると宇宙怪獣が大量に現れていた。

優真「宇宙怪獣!?」

和哉「何でこんな時に宇宙怪獣まで・・・!!」

イシカワ「あいつらは突然現れるからな・・・」

優真「何て数だ・・・このままじゃ。」

イシカワ「Jフリートも来たぞ!!」

先頭空域にボズゴロフ級の戦艦二隻が現れ、MS部隊を展開してきた。

イシカワ「ディン六、グーン四、ゾノ四だ。それに・・・イージス!?」

隆士「!?」

MS部隊の中にイージスがいた。

隆士「まさか・・・浩之君!!」

浩之「あん?」

隆士「僕は増援の部隊の相手をする!!ここはお願い!!」

隆士はそう言うとイージスのいる部隊に向かった。

浩之「お、おいおい!!ったくしょうがねぇ!!」

隆士「もしかしたらあの機体には・・・!!」

隆士の前方にグーン三機、後方にバクゥ五機が迫っていた。

隆士「邪魔をするなぁ!!」

隆士は前方のグーン一機にシュベルトゲベールを投げつけた。

ガシィン!!

シュベルトゲベールはグーンに刺さり、すぐに隆士は左腕のロケットアンカー、パンツァーアイゼンを発射した。
パンツァーアイゼンの先端のクローがシュベルトゲベールの柄を捕らえた。

隆士「うおぉーーーー!!」

隆士はパンツァーアイゼンのロープ部を掴み、シュベルトゲベールを振り回した。

隆士「やぁーーー!!」

隆士はそれで迫っていたグーンとバクゥを全て倒した。

浩之「い、意外と無茶するんだな・・・」

あかり「そうだね・・・」

浩之「だけどこれで何とかなったな。ここは大丈夫だからあかりと雅史は宇宙怪獣を。」

雅史「分かった。」

あかりと雅史は宇宙怪獣の群れに向かっていった。

隆士「イージスは!?」

隆士は辺りを見るとグゥルに乗っていたイージスが迫っているのに気づいた。

翼「あの機体には恐らく・・・!!」

イージスにはやはり翼が乗っていた。

翼「だけどやるしかない!!」

翼はグゥルから飛び降りてイージスを変形させた。

翼「喰らえぇ!!」

ゴォォォ!!

翼は変形したイージスの前方、手足を展開し腹部に装備された大型のビーム砲、スキュラを放った。

隆士「っ!!」

隆士は高くジャンプしてスキュラをかわし、同時にパンツァーアイゼンをイージスに向けて発射した。

翼「ちぃっ!!」

翼はイージスをMS形体に戻し、シールドでパンツァーアイゼンを弾いた。

翼「その機体のパイロット!!白鳥隆士だろ!!」

戦いながら翼は隆士に話しかけた。

隆士「やっぱり翼君か!!どうして!?」

戦いながら二人は話し続けた。

翼「お前こそどうしてそんな物に!!」

隆士「仕方なかったんだ!!」

翼「馬鹿野郎!!」

二人は互いに攻撃しては回避と防御で交戦した。

優真「どうしてこんな・・・!!」

優真もハイファミリアとディスカッターで宇宙怪獣の群れと戦った。







のび太「うわぁっ!!」

桜「きゃあっ!!」

その時のび太と桜は格納庫にいた。

のび太「だ、大丈夫なのかな・・・」

桜「分かんない・・・」

のび太「こう言う時に『騎士』が使えれば・・・」

のび太達のすぐ近くにはあの機体があった。

桜「のび太君・・・」

のび太「『騎士』も兵器だって言うのに・・・僕は・・・」

桜「・・・」

のび太「一体どうしたら・・・どうしたら・・・!!」



稟「ちっ!!キリが無い!!」

稟はバスターライフルのリロードをした。

稟「後六発か・・・」

優真「厳しいですね・・・」

和哉「何とかこの状況を巻き返さないと・・・」

イシカワ「ん?熱源・・・上か!?」

イシカワがレーダーに熱源を感知したのに気づき調べた。

イシカワ「まずいぞ!!大型のミサイルが上空から大量に来ている!!狙われてるぞ!!」

和哉「何だって!?」

ハガネの真上、遥か上空から大型のミサイルが迫ってきていた。

和哉「撃ち落すんだ!!対空!!」

イシカワ「間に合わない!!フィールドを張るしかない!!」

和哉「フィールド、ハガネに搭載されている防御用のEフィールドか。間に合うか!?」

イシカワ「難しいが・・・」

和哉「危険なのには変わりないならやるしかない!!フィールドを!!」

イシカワ「了解!!」

フィールドを張る準備をしたがミサイルは迫っていた。



のび太「ミサイルが!?」

ミサイルが迫っている事はすぐに乗組員全員に放送された。

桜「どうしようどうしよう!!」

のび太「何とかミサイルを撃ち落せれば・・・撃ち落す・・・そうだ!!」

何かを閃き、『騎士』に乗り込んだ。

桜「のび太君どうするの!?」

のび太「ミサイルを撃ち落す!!こいつの武器なら出来る!!」

桜「む、無茶だよ!!それに『騎士』は・・・ヴォルレントはまだ!!」

のび太「それでもそうしなきゃ危ないんだ!!僕は死ぬわけにはいかないんだ!!」

桜「のび太君・・・待って!!」

桜も『騎士』、ヴォルレントのコクピットに乗り込んだ。

のび太「桜ちゃん!?」

桜「私がサポートする!!のび太君は操縦を!!」

のび太「ありがとう。行くよ!!」

桜「うん!!」

のび太はヴォルレントの近くにあった大型のライフルを持ち、出撃準備を完了した。

のび太「ブリッジ!!ハッチを開けてください!!」

和哉「のび太か!?一体どうする気だ!?」

のび太「ヴォルレントでミサイルを撃ち落します!!」

和哉「何ぃ!?馬鹿言うんじゃない!!」

のび太「無茶なのは分かってます!!ですからお願いします!!駄目だったらハッチを破壊してでも出ます!!」

和哉「ったく!!気をつけろよ!!」

和哉は渋々ハッチを開けた。

のび太「桜ちゃん。」

桜「うん。」

のび太「野比のび太、ヴォルレント。出撃します!!」

のび太がヴォルレントに乗り出撃し、ハガネの上で静止した。

桜「来たよ!!ミサイルは三発!!」

のび太「分かった!!」

のび太は大型のライフルを構え、狙いを定めた。

和哉「大丈夫なのか?」

ドラえもん「和哉さん!!のび太君が出たって!?」

ブリッジにドラえもんがやって来た。

和哉「あぁ。ミサイルを撃ち落すってな。無茶にもほどがあるぞ。」

ドラえもん「のび太君なら大丈夫だろうけど・・・ヴォルレントを動かせれるなんて・・・」

のび太「・・・捕らえた!!そこだ!!」

ドシュゥゥゥ!!

のび太はライフルのビームを三発放った。

詠子「どうなの!?」

ドォォォォン!!

全てのミサイルがのび太の撃ったビームで落された。

和哉「やった・・・」

ドラえもん「のび太君は射撃は上手だったから・・・だけどどうして動かせれたんだろう・・・」

のび太「ドラえもん、いるの?」

のび太から通信が入った。

ドラえもん「のび太君!!どうやって動かしているの!?」

桜「私が一緒に乗ってサポートしてるの。」

ドラえもん「桜ちゃんも乗ってるの!?」

のび太「ヴォルレントってどこか二人乗りみたいなコクピットだったんだけど・・・まさか本当に二人乗ってやっと動かせれるって。」

詠子「説明はいいから早く戻って!!危険なのよ!!」

のび太「・・・ここで引けませんよ。僕も戦います。」

ドラえもん「のび太君!?」

のび太「ヴォルレントなら大丈夫だから、僕もやるだけやってみる!!」

桜「私も!!」

ドラえもん「・・・分かった。無茶はしないでね。」

のび太「うん!!」

そしてのび太もヴォルレントで戦場に向かった。

ドラえもん「だけどどうして上からミサイルが・・・」

和哉「まさか・・・」

志保「上から何かが来るかもしれないっての?」

和哉「上空の監視をお願いする。何かあるかも知れない。」

イシカワ「あぁ。」

詠子「何も起こらなければいいけど・・・」

詠子は戦場を見ながらそう祈った。





突如大軍で襲撃された大阪基地。この戦いの結末は果たして・・・



続く






あ と が き
楓が隆士に殺人未遂
あぁ言う楓はアニメでもちょっとありましたからね
で、マジギレ梢は完璧オリジナル
ファンは気にしないでね
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