Another United World
〜一つに集まった十四の世界〜


第七話 悪魔再臨



隆山に来た健達。その中でカイルは少女リアラと英雄フィリアと出会った。そして謎の大男が襲撃してきた。






大男「死ねいっ!!」

カイル「来る!!散って!!」

大男が振り下ろした斧が水門をえぐった。カイルとリアラは寸前で避けていた。

カイル「今度はこっちだ!!」

カイルは剣を構え、大男に向かった。

カイル「散葉塵!!」

カイルは高速の斬撃を三回大男に繰り出した。

大男「その程度でやられはせん!!」

大男は斬撃をすべてかわし、カイルに向けて斧を振り下ろそうとした。

カイル「喰らえっ!!」

大男「ぬおっ!?」

カイルは剣を突き出し、引き戻しながその場から後退した。

カイル「外したか・・・!!」

大男「その程度では・・・俺はやれんぞ!!」

大男は再び斧を振り上げた。

リアラ「貫け!!アクアスパイク!!」

大男「うおっ!?」

リアラが水弾を放つ晶術を大男の背中に当てた。

大男「術使いか・・・こしゃくなまねを・・・!!」

大男はリアラの方を向き、何かを詠唱した。

大男「燃え尽きろ!!灼熱のバーンストライク!!」

大男はリアラに向けてバーンストライクを放った。

リアラ「させない!!」

リアラも瞬時に詠唱を始めた。

リアラ「行きます!!スプラッシュ!!」

リアラは自分の前に上から水流を落とす晶術を放ち、バーンストライクを防御した。

大男「やるではないか・・・!!」

カイル「隙あり!!空翔斬!!」

カイルは隙を付いて空翔斬で仕掛けた。

大男「うおっ!!」

空翔斬で大男の左腕に傷を付けた。

大男「この程度・・・かすり傷にもならぬ!!」

カイル「うわっ!!」

カイルは剣で大男の斧を受け止めた。

カイル「ぐぐっ・・・まずい・・・このままじゃ・・・!!」

リアラ「カイル!!今助ける!!」

リアラは晶術で援護しようと詠唱を始めた。

大男「晶術などやらせん!!絶望のシリングフォール!!」

リアラ「きゃっ!!」

リアラの頭上に巨大な鉱石が落下してきた。

カイル「リ、リアラ・・・!!」

大男「このまま貴様も死んでしまえ!!」

カイル「うぐぐっ!!」

カイルは限界が近く、今にも押し潰されそうだった。と。

「レイトラスト!!」

大男「ぬごっ!?」

カイル「!?」

チャクラムが飛んできて大男の右腕を斬り付けた。

「大丈夫カイル!?」

カイル「え!?」

美琴「何でこんな所に来てるのさ!!」

コレット「そんな事よりカイルとあの子を!!」

ナミ「あいよっ!!」

卑弥呼「りょ〜かい!!」

偶然そこに美琴達が合流してきた。

カイル「みんな無事だったんだ!!」

卑弥呼「ま、何とかね!!よ〜しここで私もいい所見せたるよ!!」

どう言う訳か卑弥呼は活きこんで力を溜めだした。

大男「雑魚が集まった所で・・・邪魔になるだけだ!!」

大男は瞬時に強力な晶術を詠唱した。

大男「砕けろ!!断罪のエクセキューション!!」

大男はコレット達の近くの足元と真上から闇のエネルギーを放つ晶術を放った。

ナミ「あぁーーーー!!」

コレット「きゃぁーーー!!」

カイル「みんな!!」

大男「さぁ・・・これで残るは俺と貴様・・・そしてあの術使いだけだ・・・」

カイル「くそっ・・・リアラ!!」

リアラ「えっ!?」

カイル「みんなとフィリアさんを連れてここから逃げて!!」

リアラ「そ、そんな事出来る訳無いじゃない!!」

カイル「でもこのままじゃ全滅だ!!」

大男「逃がすと思ったか・・・?」

カイル「はっ!!」

大男はカイルのすぐ後ろに周っており、今にもカイルに斧を振り下ろそうとした。

リアラ「カイル!!」

カイル「間に合わない!!」

大男「死ねっ!!」

カイル「!!」

大男はそのまま斧を振り下ろした。

「カイル!!」

カイル「!?」

「うぐっ!!」

大男「な、何ぃ!?」

何者かがカイルと大男の間に入り、斧を右腕で受け止めていた。

カイル「エ、エド!?」

エド「間に合ったな・・・!!」

カイルを助けたのはエドだった。

エド「今だ!!」

大男「何!?」

「空破特攻弾!!」

大男「ぬごっ!!」

何者かが大男の背中に特攻した。

カイル「ロニ!!」

ロニ「間に合ったな。」

特攻したのは柄の長い斧を持ったロニだった。

ロニ「大丈夫だったか?」

カイル「あ、ああ・・・エドは?」

エド「大丈夫だ。その内みんなも来るさ。」

大男「何故俺の斧を喰らって腕が・・・」

エド「そりゃな・・・」

エドは斧でボロボロになった右の袖を破り取った。

大男「ほう・・・」

そこには機械鎧オートメイル化されたエドの右腕があった。

エド「こう言う事さ・・・」

ロニ「エド・・・分かってるな?」

エド「ああ・・・!!」

エドは錬金術で機械鎧オートメイルを錬成して甲剣を作った。

エド「十年前の痛みを・・・!!」

ロニ「今ここで・・・!!」

エドとロニはどう言う訳か苛立っていた。

大男「十年前か・・・一体何の事か・・・」

ロニ「ふざけんな!!霧氷翔!!」

ロニは飛び上がり斧の先から大男に冷気を放った。

大男「甘いわっ!!」

大男は飛び、冷気をかわした。

エド「そこだっ!!」

続いてエドが甲剣で斬りかかった。

大男「うぉっ!!」

エドは大男の腹部に多少斬り付けた。

大男「雑魚がぞろぞろと・・・!!」

「雑魚はまだいるぜ!!」

大男「何!?」

「ていっ!!」

「そこ!!」

大男「ぐぉっ!!」

何者かがまた大男の背中を斬り、同時に銃弾が三発肩に当たった。

美琴「あ、兄貴・・・!!」

健「美琴、助けに来たぜ。」

アヤ「いいお兄ちゃんね。」

大男を攻撃したのは健とアヤだった。

健「浩之達はちょっと遅れる。あいつ傷が開きやがった。」

カイル「あ、ああ・・・」

大男「おのれ・・・!!貴様ら皆殺しだ!!」

ロニ「カイル!!トドメは任せたぜ!!」

そう言ってロニは大男に向かった。

ロニ「爆灰鐘!!」

ロニが斧を振り下ろすと衝撃で地面が蜂起し、大男を襲った。

リアラ「私も行く!!」

そしてリアラも晶術を放とうとした。

大男「おのれ・・・クズがぁ!!」

リアラ「ああっ!!」

大男はリアラに地面から刃を突き出す晶術を放った。

ロニ「シャドウエッジ!?」

大男「微塵に砕けろ!!」

リアラ「ああぁーーー!!」

闇の刃から生じた血塗られた波動が十文字になりリアラを引き裂いた。

カイル「リ、リアラ・・・!!うぉーーーー!!」

カイルは大男に向かい走り出した。

カイル「牙連蒼破刃!!」

カイルは斬撃を三回仕掛け、トドメに蒼破刃を放った。

大男「ぐぐっ・・・」

牙連蒼破刃により、大男にダメージを与える事が出来た。

大男「やるではないか・・・この痛み・・・俺の渇きを潤す事が出来そうだな・・・」

カイル「はぁはぁ・・・!!」

大男「カイル=デュナミスと言ったな・・・我が名はバルバトス・・・バルバトス=ゲーティア・・・」

カイル「バルバトス・・・」

バルバトス「お前の名・・・覚えておこう・・・」

そう言い残しバルバトスは消えた。

カイル「バルバトス・・・あいつは・・・!!そうだリアラ!!」

カイルはすぐにリアラの元に駆け寄った。

カイル「大丈夫!?」

リアラ「え、ええ・・・」

カイル「ロニ!!」

ロニ「ちょっと待ってろ!!コレット達もいるんだ!!」

ロニは回復晶術でコレット達を治していた。

カイル「ごめんよ・・・」

リアラ「ううん・・・いいわよ・・・」

フィリア「あの・・・」

カイル「?」

フィリア「応急処置出来るくらいの薬ならあります。」

カイル「ほ、本当ですか!?」

フィリア「はい。」

カイル「リアラ、ちょっと待ってて。」

カイルはリアラから離れフィリアに薬をもらいに向かった。

リアラ「・・・何だろう・・・カイルといると・・・不思議な感じ・・・」

「そうですか・・・でしたらもう・・・お別れですね。」

リアラ「え・・・?」

リアラのすぐ後ろに薄紫色のウェーブがかかったロングヘアーで瞳が赤い少女かいた。

少女「さようなら・・・」

リアラ「え?きゃあっ!!」

カイル「!?」

健「なっ!?」

少女は何かを放ち、リアラは水門から流れる川に落ちた。

カイル「リアラ!!」

カイルはすぐにリアラが落ちた地点に向かった。

カイル「今俺が助け・・・!!」

浩之「あ・・・やっとつ・・・!!」

祐介「なっ!?」

遅れてきた浩之達がやっと合流したがそこで見た光景は意外な物だった。

カイル「え・・・」

エド「カ・・・カイル!!」

カイルの体に大量の矢が刺さっていた。

カイル「な、何だよこれ・・・」

少女「何でも無いわ。ただあなたは死ぬだけ・・・さよなら・・・」

カイル「!!」

カイルもリアラ同様少女により川に飛ばされた。

ロニ「カ、カイルーーーー!!」

祐介「みんなっ!!」

健「お、遅いっての!!」

ティリア「そ、それより!!」

浩之「・・・琴音ちゃん・・・!!」

そう、少女は姫川琴音。カイルの同級生でサイコキネシスや予知などの超能力を持つ少女なのだ。

浩之「レミィもいるんだろ!?」

浩之が叫ぶと近くから弓矢を持った金髪ポニーテールの外国人の少女が来た。

レミィ「ハァイ。」

浩之「くそ・・・この二人か・・・!!」

次に現れたのは宮内レミィ。志保と同じクラスで浩之になついてるハーフの少女。狩りが得意で弓道に多少優れているのだ。

琴音「宮内さん・・・後は任せてください・・・」

レミィ「OK・・・じゃ、あたしは戻ってるね・・・」

浩之「ま、待て!!」

レミィ「ヒロユキ・・・Good Bye・・・」

レミィはそのまま森の奥に消えた。

琴音「藤田さん・・・ここは私が相手しますよ・・・」

健「おいおい・・・後輩が相手なんて厳しいぜ・・・」

浩之「だけど・・・俺は二度目だ・・・」

琴音「ふふっ・・・あの時が懐かしいですね・・・」

浩之「ああ・・・そうだな・・・」

ティリア「浩之・・・」

浩之「みんな、ここは俺に任せてくれ。」

ロニ「大丈夫なのか?」

浩之「ああ・・・コレットやフィリアさん達をここから離した方がいい。それにカイルを。」

エド「任せるぞ・・・!!」

浩之と祐介とティリア、そして琴音を残して他の者は水門から離れた。

琴音「三人だけでいいんですか・・・?」

浩之「三人で十分だ。それに琴音ちゃんの超能力に抵抗出来るのも俺らくらいだ。」

琴音「そうですか・・・では、行きます!!」

琴音は三人にサイコキネシスと思われる超能力の衝撃波を放った。

ティリア「来る!!祐介!!」

祐介「分かってる!!はぁっ!!」

バァン!!

琴音「くっ!!」

祐介「くあっ!!」

衝撃波と祐介の見えない何かがぶつかりもの凄い衝撃が走った。

ティリア「隙ありぃ!!」

その隙をついてティリアが琴音に斬りかかった。

琴音「させません!!」

ティリア「うわっ!!」

琴音のサイコキネシスでティリアの体が宙を舞った。

浩之「そこだっ!!」

琴音「はっ!!」

ティリアの相手をしていた琴音の隙をついて浩之が蹴りかかった。

琴音「くっ!!」

浩之「ちぃっ!!」

琴音は身軽な動きで浩之の蹴りをかわした。

ティリア「きゃっ!!」

そして同時にティリアが落下した。

祐介「もう一度電波を喰らえ!!」

続けて祐介も連続して何かを放った。

琴音「くぅ・・・!!」

祐介の何かで琴音は苦しみだした。

琴音「まだまだ・・・ここからです!!」

祐介「弾かれたか・・・一筋縄じゃ行かないね・・・」

浩之「そんなの分かりきってた事だろ・・・とにかく今はやるだけやるんだよ・・・!!」

ティリア「ちょ、浩之・・・苦しそうだけど大丈夫・・・?」

浩之「だ、大丈夫だって・・・」

琴音「ふふ・・・傷が開いたようですね・・・」

浩之「そんなのさっきからだよ・・・」

琴音「そうですか・・・でしたらすぐに楽にさせてあげます。」

浩之「!?おわっ!!」

浩之は見えないはずの衝撃波をかわした。

琴音「よ、避けた・・・?」

浩之「っぶねぇ・・・」

琴音「そんなはずは・・・くっ!!」

琴音は連続して衝撃波を放った。

浩之「うおっ!!だぁっ!!」

ティリア「避けてる・・・どうなってんの!?」

祐介「さぁ・・・」

琴音「はぁはぁ・・・そんな・・・」

浩之「はぁ・・・長期戦はやばいな・・・後でロニに回復晶術をかけてもらおう・・・」

琴音「どうして・・・どうして超能力が・・・」

浩之「んなの知らねぇよ。ただ見えるんだ。」

琴音「私は・・・負ける訳にはいかないんです!!」

ティリア「うわっ・・・ソードが凄い反応してる・・・かなりでかいの来るんじゃない?」

浩之「多分暴走した時のアレだろ・・・喰らっちまったら・・・体原型留めてるだろうか・・・?」

ティリア「ちょっと!!もの凄く本当になりそうで怖い事言わないでよね!!」

祐介「本当になりそうなんだ・・・」

浩之「確か前に暴走しそうで抑えるのが大変だったな・・・あん時は葵ちゃんに手伝ってもらったっけ・・・」

葵とはエドと同じクラスの一年で格闘技同好会を開いてる少女である。ちなみにカイル達はB組、エド達はA組である。

浩之「だけど今いるのは失敗だらけの勇者と根暗だしな。」

祐介&ティリア「悪かったですね!!」

浩之「根性出して・・・受け止めるか!!」

浩之は気合を入れた。

琴音「いやぁーーーーー!!」

琴音を中心にとてつもない威力の衝撃波が辺りに放たれた。

祐介「わぁっ!!」

ティリア「きゃっ!!もの凄い力!!」

浩之「こ、こりゃ厳しいな・・・だけど・・・!!」

琴音「!?」

浩之「やるからにはやるしかない!!どりゃぁっ!!」

祐介「なっ!?」

ティリア「ええ!?」

浩之は人間業とは思えないような跳躍とスピードで琴音の後ろに周った。

浩之「もう止めるんだ!!琴音ちゃん!!」

琴音「い、今の・・・」

浩之「はぁっ!!」

琴音「きゃぁっ!!」

浩之は琴音を背中から思い切り突き飛ばした。

琴音「こ、この程度で終わらせる訳には・・・うくっ!?」

琴音は突然力が抜けたかのようにその場にしゃがみこんだ。

浩之「あんだけ力使ったんだ。もう限界だろ。」

琴音「おのれ・・・こうなったらこの体を捨てるのみ・・・!!」

ティリア「来るわね!!」

琴音「うっ・・・」

琴音の中から黒い悪魔のような者が現れ琴音は気を失った。

祐介「ラルヴァか・・・後はこいつを倒しさえすれば!!」

ラルヴァ「キサマラ・・・コロス・・・!!がでぃむノジャマトナルモノヲ!!」

ラルヴァと呼ばれた悪魔のような者は辺りに風を集めだした。

ティリア「風のラルヴァね・・・その前に倒してあげる!!」

ティリアは剣を構えた。

浩之「待ってくれ!!こいつは俺がやる!!」

そう言って浩之はラルヴァに向かって行った。

ティリア「え!?無茶よ浩之!!」

浩之「一度ならず二度もこんなことをしやがって!!」

ラルヴァ「シネ!!」

ラルヴァは集めた風を浩之に向けて放った。

祐介「危ない!!」

浩之「なめるなって!!はっ!!」

ティリア「ま、また!?」

再び浩之は常人離れしたスピードでラルヴァの後ろに周った。

浩之「もいっちょ!!喰らいやがれ!!」

ラルヴァ「ギャァーーーーーー!!」

浩之は琴音の超能力に似た衝撃波を放ちラルヴァを消滅させた。

浩之「ふぅ・・・」

ティリア「ね、ねぇ浩之。」

浩之「ん?」

祐介「さっきの動きといい今のといい・・・どうしたんだ?」

浩之「さぁ・・・ただ何となく出来たって感じなんだよな。」

ティリア「何となくであんな事出来る普通!?」

祐介「いくら浩之が器用だからってあんな事は無理だと思うけど・・・」

浩之「ま、いいんじゃねぇの?それより戻ろうぜ。」

ティリア「ま、そうね。カイルとあのピンクの女の子の事も気になるしね。」

祐介「じゃ、行こう。浩之は・・・」

浩之「分かってる。琴音ちゃんは俺が運ぶよ。」

ティリア「でも怪我は?」

浩之「ん?そう言えば痛みが無いな・・・」

ティリア「気になるわね・・・ま、治ったんならそれでいいけど。」

浩之「んじゃ行くか。」

そして浩之は琴音を背負い、三人は水門から去った。









健「まいったな・・・マジであの二人が見つかんねぇ・・・」

その頃健達はやけに目立つ別荘のような建物の前にいた。

ロニ「俺がいながら・・・くそっ!!」

フィリア「ロニさんのせいではありません。しかし・・・一体何が起こってるのでしょうか・・・」

コレット「それは私も・・・何が起こってるの?それにロイドは?」

健「ロイド達は今アメストリスにいるよ。」

ナミ「アメストリスぅ!?何でそんな所に?」

エド「ジューダスって言う仮面野郎が学校ごと消えた生徒達の行き先として人間牧場があげられたんだ。それで今アメストリスの牧場に。」

美琴「え?学校ごとってどゆ事?」

健「そっか・・・お前らが消えた後すぐに学校が丸ごと消えたんだ。」

卑弥呼「いぃ〜!?」

健「だからその時外にいたここにいる俺らとロニ、そしてこの事について何か知ってる浩之とその仲間って奴二人でここに来たんだ。」

エド「残るロイドとリフィル先生、承太郎とルフィと他二人であっちに向かったんだ。」

ナミ「何だかとんでもない事になってるようね・・・」

フィリア「そのようですね・・・それにこの記憶の混乱も・・・」

健「どうしたんですフィリアさん?」

フィリア「いえ・・・何でもありません・・・」

健「そうですか?」

エド「しかしまずいな・・・あの野郎が動き出して・・・カイルは行方不明・・・このまま帰るって訳に行かないし・・・」

健「だけどここに残り続ける事は無理だろうし・・・」

フィリア以外全員「む〜・・・」

フィリア以外の者全員(護衛兵は気を失ったまま)が頭を抱えた。

フィリア「所で・・・あの水門に残った方達は・・・」

健「浩之達か。あいつらなら大丈夫だと思いますよ。」

卑弥呼「だけど私達がここにいるって事知らないしょ。」

健「あ。あ〜・・・」

美琴「兄貴・・・」

健「んじゃまた鶴来屋前に行くか。」

アヤ「そうね。フィリアさんもそれで?」

フィリア「ええ。」

健「んじゃ行くか。どうせ適当にうろつき回って出て来た場所だからな。」

ロニ「ああ。」

そう言う事で護衛兵の二人はロニと健、エドの三人が交代して運ぶ事になり一行は鶴来屋に向かう事にした。

健「さて・・・ん?」

美琴「兄貴どうかした?」

健「誰か見てる?」

卑弥呼「へ?」

卑弥呼は辺りを見渡したが特に誰もいなかった。

卑弥呼「いないよ?」

健「っかしいな・・・今妙な視線を感じたんだが・・・っておい。」

卑弥呼「ん?」

健「あそこにいるのは誰だ。」

卑弥呼「え?」

何かの別荘と思われる建物の上に一人の少女が立っていた。

卑弥呼「あら〜いたんだ。」

美琴「それよりもあの人芹香先輩じゃない。」

芹香「・・・」

卑弥呼「ありゃま本当。じゃここ来栖川家の別荘だったんだ。」

健「のようだな。」

この少女芹香は綾香の姉で健達の先輩に当たる人物だ。妹とは対照的に無口で声は小さくおっとりした性格でオカルト研究会部員。いわゆる魔女ッ子。

健「せんぱ〜〜〜〜〜い!!どうしてそんな所にいるんです〜〜〜!?」

健は芹香に呼びかけた。

芹香「・・・」

エド「・・・何か言った?」

ロニ「さぁ・・・」

アヤ「何も聞こえなかったけど・・・」

健「あ〜・・・あの人と話す事が出来るのは浩之くらいだからな・・・」

美琴「その人間翻訳機はいないし・・・」

健「参ったな・・・」

通話手段が無く一同は困り果てた。と。

「なんや困ってるようやな。」

健「い?」

何処からか関西弁の声が聞こえ、健は声がした方を見た。

健「ほ、保科委員長?」

美琴「何で智子さんいるの?」

智子「ええやないのそんなん。」

声の主は健のクラスの眼鏡委員長保科智子だった。

智子「それにいるのは私だけや無い。」

卑弥呼「え?」

智子の一言で別荘の敷地内からワラワラと人が出て来た。

健「な、何だ?あかりに雅史に志保・・・それに・・・」

美琴「理緒ちゃんも・・・」

卑弥呼「その他見た事無いような人もぞろぞろと・・・」

エド「一体どう言う事だこりゃ?」

志保「どう言う事って?簡単よ。」

あかり「ガディム様が降臨したのよ。もう一度この世界にね。」

健「ガディム・・・様だと?」

ティリア「みんな!!」

あかり達が現れてすぐに浩之達が到着した。

アヤ「あなた達どうしてここが?」

浩之「そ、そりゃティリアのフィルスソードがとんでもない反応をしだしたから・・・てかあかり!?それに雅史に志保に委員長に理緒ちゃん!?」

祐介「それだけじゃない・・・瑠璃子さんに瑞穂ちゃんに大田さんに月島さん・・・梓さんに千鶴さんも・・・」

ティリア「それにレミィや綾香、楓ちゃんも・・・みんなもうガディムに・・・」

あかり「そうよ。そしてもうガディム様は来ているの。」

浩之「な、ティリア!!」

ティリア「間違いないわ・・・このソードの反応は奴自身が・・・そして奴は今・・・」

浩之「先輩か!!」

祐介「くっ!!」

三人は同時に芹香を見た。

芹香「・・・」

あかり「姫川さんは敗れたようね・・・さすがこの世界の三勇者・・・その中でもフィルスの力が強い浩之ちゃん・・・」

浩之「な、何を・・・?」

志保「どうしますガディム様?ここでやっちゃいます?」

芹香「・・・」

智子「今は駄目やと。もっとこの世界の力のある者を引き入れるやて。」

志保「だって。よかったねヒロ。」

浩之「確かに今の俺らじゃ勝ち目は無いだろうな・・・」

エド「いきなり敗北宣言してどうする。」

浩之「考えても見ろよ・・・カイルもいない。先生やルフィ達もここにはいないしあの学校内で戦えてた面子の半分もここにはいないんだぜ。」

健「そっか・・・ジタン、ルフィ、ロイド、承太郎、カイル・・・半数以上がここにはいない。」

浩之「今は引くしかない・・・だけど覚えておけ。」

あかり「・・・」

浩之「必ずみんなを助け出す。それまで待っていやがれ!!」

あかり「そう。じゃあね。」

そう言うとあかりを初めガディムに操られてる者全てが消えた。

浩之「・・・」

祐介「夏休みの戦いが再び始まったんだ・・・」

健「鎌鼬もこの事を知っていたのか・・・」

美琴「この調子じゃしばらくはゆっくり出来ないかもね・・・」

エド「それにカイルの事もバルバトスの事もある・・・」

健「終わりじゃない・・・ここから始まったんだな・・・」

そう言って健は空を見上げた。




突然の襲撃に行方不明となったカイルとリアラ。バルバトスの目的、そして復活したガディムの目的は。




続く










あ と が き
D2の激闘シリーズカイルVSバルバトス。
トドメはカイルの必殺技牙連蒼破刃でやっぱし。
そして後半はリーフファイト。
原作は結構ほのぼのだったんですがね。
この時点の相違点
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