Another United World
〜一つに集まった十四の世界〜


第六話 十年前の悪魔



学校から消えた者達を探す為、健を初めとした一向は隆山に向かった。






浩之「またここに来るなんてな。」

祐介「そうだね。」

健達八人は隆山に到着していた。

浩之「さてと・・・ティリアどうだ?」

ティリア「・・・確かにここの何処かにいるわ。ソードが反応してる。」

健「その剣、あの悪魔に反応するのか?」

ティリア「ええ。」

アヤ「いると分かっただけで十分よ。だけど次の問題は何処にいるかね・・・」

カイル「そうだよな〜・・・そう言えばあの子も・・・」



少女(あなたは・・・英雄じゃないわ・・・)



カイル「あの子・・・どうしてるかな・・・」

エド「あの子?」

カイル「え?あ、何でもないさ。」

ロニ「ああ、こいつが一目惚れした子だ。どんな子かは知らないがな。」

エド「ほぉ〜カイルが惚れた・・・」

カイル「んな!?そんなんじゃねぇよ!!」

ロニ「ま〜たそんな事言って。ここに来たついでにその子を捜そうとしてるんだろ?」

カイル「だって・・・あの子何か分かれば英雄への道に繋がってる気がして・・・」

エド「十分惚れてるんじゃないのか?」

カイル「そ、そう言うエドはウィンリィとはどうなのさ!!」

ウィンリィとはエルリック兄弟、デュナミス兄弟の幼馴染の少女で機械扱いが得意な少女である。

エド「ウィンリィは関係ないだろ!!」

浩之「そんな事してないで、捜すぜ。」

エド&カイル「そんな事ってなんだよ!!」

健「あ〜うるせぇ・・・アヤさん、ロニ・・・何とかまとめてくれよ・・・」

アヤ「やれやれ・・・若いっていいわね・・・」

ロニ「若いって・・・アヤさんだって十分若いじゃないッスか。」

アヤ「あら嬉しい。でももう二十七なのよ?」

健「へぇ〜・・・まだ二十歳だと思いましたよ。」

アヤ「ええ。ま、嬉しいけどね・・・」

ロニ「さぁ〜てと、固まってるのもなんだし・・・」

健「分かれて捜します?」

アヤ「賛成ね。じゃあ二人一組で。」

ティリア「私達はこの前ので大体は分かってるから分かれた方がいいよね。」

祐介「そうだね。」

健「それじゃ分け方は・・・」

ロニ「「あ、そうだ。」

カイル「どしたの?」

ロニ「明日確かフィリアさんがここに来るはずだ。」

カイル「フィリアさんが!?」

フィリアとはルーティと同じ四英雄の一人でアタモニ神団の司祭兼研究員のおっとりした眼鏡キャラの女性である。

ロニ「何でも『ウヅキヤマノオニ』ってのに興味を示してここに来るらしいんだ。」

浩之&祐介&ティリア「雨月山の鬼か・・・」

雨月山の鬼とはこの地に伝わる鬼の伝説の事である。

健「今時鬼って・・・」

浩之&祐介&ティリア「いや・・・」

健「どした?」

浩之「何でもねぇよ。で、どうする?」

健「そだな・・・ここを知ってる三人は別々にして・・・俺とアヤさん、カイルと浩之、エドと祐介、ロニとティリアでどう?」

アヤ「いいわよ。」

カイル「ああ。」

祐介「じゃ、集合場所は鶴来屋前でいいかな?」

健「鶴来屋ってあの旅館?」

鶴来屋とはここ隆山温泉の中で一番大きい旅館である。

浩之「あそこならでかいし案内にも載ってるから分かるな。」

アヤ「じゃあ三十分後にツルギヤに集まりましょう。けどあまり遠くに行かないように。もう暗いから。」

そう、もう七時を回ってるのだ。

健「まだ夏季でよかったな。んじゃ、また後でな。」

そして八人は二人一組で行動を開始した。





健、アヤ組





アヤ「温泉地なだけあって賑やかね。」

健とアヤは駅前の商店街に来ていた。

健「そりゃ有名な場所ですからね・・・」

アヤ「やっぱり日本はいいわね。」

健「アヤさんって日本好きなの?」

アヤ「いいえ、私母親が日本人なの。」

健「へ〜・・・って、良く考えれば『アヤ』って日本の名前ッスよね。」

アヤ「そうよ。」

健「ほ〜・・・にしても本当に二十七なんすか?」

アヤ「そうよ?」

健「信じられないな〜・・・絶対男が寄り付いてくるんじゃないッスか?」

アヤ「まぁ女として嬉しいけど・・・」

健「アヤさん?」

アヤ「何でもないわ。」

健「?」





ロニ、ティリア組





ロニ「この辺にもいないな・・・」

ティリア「そのようね。」

ロニとティリアは鶴来屋近くの児童公園に来ていた。

ロニ「所で・・・ティリアさん?」

ティリア「ティリアでいいよ。」

ロニ「今夜俺とどうだい?」

ティリア「え?」

ロニ「こんな世界を超えた出会いなどまさに運命・・・今宵は俺と・・・」

ティリア「ナンパならお断りよ。カイルから聞かされてるから。」

ロニ「んがっ!!」

ティリア「そう言う所さえなければいい男なのにな〜・・・」





エド&祐介組





祐介「もしかしたらと思ったけど・・・いないな・・・」

エドと祐介は中学校に来ていた。

エド「どうしてこんな所に来たんだ?」

エド「あの戦いで僕と沙織ちゃん達はここから始まったんだ。知り合いが操られてここに呼び出されたんだ。」

エド「ふ〜ん。」

祐介(瑠璃子さんに瑞穂ちゃんも大丈夫だろうかな・・・)

エド「人を操る化物か・・・俺の錬金術で対抗出来るかどうか・・・」

祐介「まぁ問題は無いと思うよ。ただ・・・」

エド「ただ?」

祐介「人に取り付いた場合はその人を倒すつもりでやらないと無理だよ。」

エド「・・・厳しいな・・・」

祐介「助ける為さ・・・それが唯一の・・・」

エド「・・・」





カイル&浩之組





浩之「っかしいな・・・」

カイル「どうしたんだよ?」

カイルと浩之は白塗りの塀と門構えが特に目立つ金持ちの家って雰囲気がある屋敷の前にいた。

カイル「ここの屋敷がどうかしたのか?」

浩之「・・・楓ちゃんの家なんだここ・・・」

カイル「お前を切り裂いたあの子?」

浩之「ああ。あの子には姉が二人、妹が一人いるんだ。だから何か知ってるかと思うんだけど・・・」

カイル「何の反応も無い、か。出かけてるんじゃない?」

浩之「だといいけどな・・・じゃ、そろそろ行くか。」

カイル「ああ。」

二人は鶴来屋に向かおうとした。と。

「あれ?藤田君?」

浩之「あ?」

誰かが後ろから声をかけてきて、二人は振り返った。そこには一人の女子高生がいた。

浩之「日吉じゃないか?久しぶりだな。」

カイル「知り合い?」

浩之「祐介達と同じさ。日吉かおりって言ってあの時一緒に戦ったんだ。」

かおり「どうしたのこんな時間にこんな所で?」

浩之「実は色々とあってよ・・・千鶴さんや梓さん知らないか?」

かおり「それは私が知りたいですよ〜・・・愛しの梓先輩が行方知れずで・・・」

浩之「行方知れず?」

かおり「ええ・・・」

浩之「やっぱ楓ちゃんと関わりが・・・」

かおり「何か知ってるの!?」

浩之「いや・・・ただ俺らも捜してるんだ。」

かおり「一体何が起こってるんですか〜?」

浩之「・・・カイル、全部話していいか?」

カイル「俺に言われても・・・」

かおり「で、そっちの子誰?」

浩之「俺の後輩さ。日吉。」

かおり「?」

浩之「今起こってる事をお前に話す。情報面で強力してくれないか?」

かおり「え?どう言う事?」

浩之「・・・」

浩之は事の全てをかおりに話した。

かおり「それじゃ梓先輩は・・・」

浩之「可能性はある。少しの間、ここら辺にいるから何か掴んだら俺らに・・・」

かおり「はい!!梓先輩の為になるならなんでも!!」

浩之「・・・じゃ、頑張ってくれ・・・それと気を付けろよ。」

かおり「はい!!」

そう言ってかおりは全力でその場を去った。

カイル「・・・何だか変わった人だね・・・」

浩之「そりゃあいつは・・・」

カイル「?」

浩之「いや、そろそろ合流するぞ。」

カイル「ああ。」





集合の時間





アヤ「みんないるわね。」

健「ああ。」

集合の時間、八人は鶴来屋の前に集合していた。

カイル「このようだと成果無し・・・かな?」

エド「ああ・・・」

ティリア「一体どうすればいいのかしらね〜・・・」

祐介「そう言えば今回サラさんとエリアちゃんは?」

ティリア「二人は今回来てないよ。私だけ。」

健「その二人もそうなのか?」

浩之「ああ。」

ロニ「ふ〜ん・・・一度あって見たいものだな。」

ティリア「ナンパお断りね。」

ロニ「あぐっ・・・」

アヤ「だったら私も先に言っておくわ。」

ロニ「つ、つれない・・・」

浩之「そう言えば日吉にあったぜ。」

祐介「日吉って・・・日吉さんの事?」

ティリア「あ〜あのレズっ子・・・」

カイル「え!?あの子レズだったの!?」

浩之&祐介&ティリア「・・・」

三人は無言で頷いた。

エド「カイル会ったのか・・・?」

カイル「何だか変わった子って思ったけど・・・」

アヤ「色々いるからね。で、何か情報はあったの?」

浩之「ああ。関係あるかどうかは不明だけど、梓さんが行方知れずらしいんだ。」

祐介「それじゃもしかしたら千鶴さんも?」

浩之「ああ。もしかしたら彼女達も・・・」

ロニ「そうだとしたらやばいな。」

アヤ「でももう今夜は厳しいわよ。明日にしなくちゃ・・・」

健「だな。でもよ・・・」

アヤ「どうかした?」

健「今夜何処で泊まるかとか全然考えてなかったな。」

その場全員「あ・・・」

健「どうする?」

全員「・・・」

宿泊の事を考えておらず、皆黙った。

エド「鶴来屋には・・・泊まれないか。」

カイル「金無いよ。」

祐介「じゃあ野宿?」

ロニ「それは厳しいな・・・ちゃんとした用意無いし・・・」

ティリア「どうしようか・・・」

全員「むぅ〜・・・」

全員鶴来屋の前で座り込み悩みだした。と。

「一体どうしたんだい?」

全員「ん?」

座り込む八人に一人の男性が話し掛けてきた。

浩之「お、あん・・・いや、あなたは・・・」

祐介「足立さんですね。」

足立「そうだけど・・・おや、君達は・・・」

浩之「お久しぶりです。」

健「誰だ?」

浩之「現、鶴来屋社長の足立さんだ。」

足立「そう言う君達はあの時の。どうしたんだい?」

浩之「え?あ、その・・・」

足立「・・・こっちに来なさい。」

祐介「え?」

足立「こんな所で話すのも・・・来なさい。」

ティリア「あ・・・」









足立「ここでいいでしょう。」

健「あ・・・どうも・・・」

八人は足立に連れられ鶴来屋の会長室に来ていた。

浩之「よく俺らの事覚えてたッスね。」

足立「君ら三人はち〜ちゃんの友達だからね。」

祐介「友達ですか・・・」

足立「ここを見れば分かるだろ・・・ち〜ちゃんは三日前から来なくなった・・・いや、いなくなった。」

浩之「やっぱり千鶴さんも・・・」

足立「も?」

浩之「俺柏木家に行ったんですが、家には誰もいないらしいし、梓さんも行方が分からないらしいんだ。」

足立「一体何が起こってるのでしょうか・・・」

ティリア「ねぇ、あの時と今回の事、話そう。」

ロニ「そいつは賛成だ。」

アヤ「そうね。」

浩之「あの、足立さん。俺が今から話す事・・・誰にも言わないでくださいね・・・」

浩之は足立に浩之達の戦い、そして今回の事を話した。

足立「そんな事が・・・しかしそうなのであればち〜ちゃんの事が・・・」

浩之「千鶴さんは俺らが捜します。だから・・・」

足立「ああ。それまで鶴来屋は何とかしておく。今夜はここに泊まりたまえ。」

祐介「いいんですか?」

足立「サービスさ。」

浩之「ありがとうございます。」

足立「今客がいない部屋をいくつか用意しておくよ。少し待っていな。」

そう言って足立は会長室を出た。

健「儲けたな。」

アヤ「ええ。その分明日早く出ましょう。」

ロニ「だな。」

カイル「よ〜し!!じゃあ今夜はみんなで枕投げだ!!」

エド「アホッ!!」

エドは右腕で思いっきりカイルを殴った。

カイル「いっで〜〜〜〜!!何すんだよ!!」

エド「こんな時に枕投げなんかやってられるか!!」

カイル「だってこう言う所に来たらまずは枕投げじゃん!!」

アヤ「にぎやかね。」

健「大丈夫だろうか・・・」

ロニ「さぁ・・・?」









「・・・大丈夫だよ。」

「そう・・・」

「危なかったわね・・・」

「何がどうなっているのやら・・・」

その頃街外れの山に移動する人影が四つあった。それは・・・

コレット「近くに気配は無いし、休もう。」

美琴「賛成。」

卑弥呼「疲れた〜・・・」

ナミ「やっと休める・・・」

ガディムに連れ去られたはずの美琴達だった。

美琴「私らだけか・・・他の人はどうしたのかしら・・・」

コレット「逃げれたの、私達だけかもね・・・」

ナミ「突然変な場所に送られて・・・したらへんな化物に取り付かれそうになるし・・・」

卑弥呼「でもさ、私達以外の子らさ、知ってたっぽかったよね?」

コレット「大丈夫かな・・・?」

美琴「無事を祈るしかないよ・・・」









「結局今日もいなかったな〜・・・」

その頃浩之が来ていた屋敷、柏木家に下手すれば小学生とも見える少女が帰ってきていた。

少女「お姉ちゃん達・・・みんな大丈夫かな・・・」

そんな事を思いながら少女は屋敷に入ろうとした。と。

少女「?何だろう・・・今なんか変な感じが・・・」

少女は何かを感じ、歩き出した。

少女「おそらくこの辺・・・!?あっ!!」

「ぐっ・・・」

「・・・」

近くの川に青髪と緑髪の少女が二人倒れていた。

少女「あの人達は・・・どうして!?」









アヤ「そろそろ行くわよ。」

カイル「マ"〜・・・」

早朝五時、健達は鶴来屋の前にいた。

浩之「おりゃ?カイル早いな。」

カイル「ぞりゃぞ〜ざ〜・・・ぼれだっでやるどぎマ"・・・」

ティリア「明らかに怪しくない?」

ロニ「そりゃそうさ。こいつ今起きてる夢を見てるからな。」

アヤ「き、器用ね・・・」

エド「しょうがないな・・・そらっ!!」

エドはまた右腕でカイルを殴った。

カイル「あでっ!!・・・あ、おはようみんな・・・」

ロニ「な?」

祐介「・・・」

ティリア「・・・ま、いいんじゃない。で、今日はどうするの?」

エド「昨日みたいにしらみつぶしに捜すか?」

ロニ「それしかないか・・・」

カイル「あ、そうだロニ。」

ロニ「あん?」

カイル「確か今日フィリアさんがここに来るんだよな?」

ロニ「ああ。それがどうした?」

カイル「あのさ・・・俺フィリアさんに会いたいんだ・・・」

健「そりゃまたどうして?」

カイル「・・・父さんの事・・・何か知ってるかもって思って・・・」

ロニ「あ・・・」

エド「カイル・・・」

カイル「勿論みんなの事だって心配さ。だけど・・・」

アヤ「いいわよ。」

カイル「アヤさん・・・!!」

アヤ「ただし何かあったらみんなに知らせるように。いいわね?」

カイル「はい!!」

ロニ「今からだと・・・八時過ぎにフィリアさんは街外れの水門の方に向かうはずだ。」

健「よく知ってるな。」

ロニ「一応情報は仕入れてるんでな。」

カイル「ありがとうロニ!!」

エド「気を付けろよ。後馬鹿な事するなよ?」

カイル「分かってるって!!」

そう言ってカイルは走り出した。

祐介「見つかるといいね・・・」

ティリア「ええ。」

エド&ロニ「・・・」

浩之「?浮かない顔してどうしたんだ?」

エド「ん?いや・・・」

健「とりあえず今度は全員バラバラに捜そう。その方がいい。」

アヤ「ええ。十二時になったら一度ここに。途中何かあったら何とかしてみんなに連絡、一人で勝手な行動しないように。」

浩之「ああ。」

健「んじゃ、行くとするか。」

そして七人は解散し、捜索を始めた。









かおり「ん〜・・・やっぱり先輩いないな〜・・・」

健達が探索を始めてから時間が経過した午前八時、かおりは学校に行く前に梓を捜していた。

かおり「あ〜あ・・・愛しの梓先輩がいなきゃ学校なんてつまんないわよ〜・・・」

「・・・おい・・・」

そんなかおりに何者かが話しかけてきた。

かおり「はい?なんで・・・!?」

かおりはその者を見て言葉を失った。

「この近くに四英雄のフィリア=フィリスが来てると聞いたが・・・」

かおり「あ・・・あ・・・」

「どうなんだ・・・?」

かおり「あ、あの・・・す、すす水門・・・」

「そうか・・・」

場所を聞くとその者はその場を去った。

かおり「あ・・・あ・・・」

かおりは腰を抜かしその場に座り込んだ。

かおり「な、なんだったの・・・?」

浩之「お?日吉。」

そこに偶然浩之が通りかかった。

浩之「どうした?」

かおり「あ・・・」

浩之「お、おい大丈夫か?」

かおり「あ・・・」

浩之「何が・・・あったんだ・・・?」









カイル「水門ってこの方向だったよな・・・」

カイルはフィリアが向かっていると言う水門に向かっていた。

カイル「しかし・・・あちぃ〜・・・」

何度も言うが今は八月。まだ暑さが残る時期である。

カイル「制服ってのも辛いや・・・やっぱ私服にしておけば・・・お?」

カイルの前の方に人が何人かいた。

カイル「あれそうかな?よ〜し・・・」

カイルはわき道に入り、前の人を追い越し、先に水門の近くに来た。

カイル「どれどれ・・・あ。」



水門にフィリアと護衛の兵二人が来た。

フィリア「いい所ですねここは・・・」

護衛兵A「フィリア様も物好きですね。」

護衛兵B「この地の伝説など、そんなに重要なのでしょうか?」

フィリア「ええ。一つの世界に点在する多数の文明。その謎を解き明かすのに・・・」



カイル「やっぱりフィリアさんだ。でもどうやって会おうか・・・」

珍しくカイルも頭を抱えた。と。

フィリア「な、何ですあなた達!!」

カイル「ん?」



護衛兵A「無礼者め!!フィリア様に何をするつもりだ!!」

盗賊チックなヤローA「何をするかだって?決まってるだろ?」

盗賊チックなヤローB「金目の物奪うだけ奪う。そしてフィリア様は俺らが頂戴すんのよ。」

盗賊チックなヤローC「分かりやすいだろ?」

フィリアが盗賊っぽい輩に絡まれてた。

カイル「何て事をっ!!」

カイルはすぐに飛び出した。と。

盗賊チックなヤローA「どあっ!?」

カイル「!?」

カイルが向かおうとした直後に一人が何者かに攻撃された。

盗賊チックなヤローB「な、何だぁ!?」

少女「やめなさい!!」

カイル「アレは!!」

盗賊を攻撃したのはカイルが出会った少女だった。

盗賊チックなヤローB「このガキが・・・邪魔すんじゃねぇ!!」

盗賊の一人が少女に斬りかかった。

少女「あなたは・・・許しません!!」

少女は持っていた杖を構えた。

少女「護法蓮!!」

盗賊チックなヤローB「ごあっ!!」

少女の前に障壁が発生し、それに触れた盗賊が弾かれた。

盗賊チックなヤローC「このっ!!」

変わりに別の盗賊が斬りかかろうとした。

少女「それっ!!」

盗賊チックなヤローC「なぶっ!?」

少女が杖を振ると障壁が前へ進み、盗賊はさらに弾かれた。

盗賊チックなヤローB&C「お、おぐっ・・・」

少女「ふう・・・」

フィリア「あ、あの・・・」

少女「大丈夫ですか?」

フィリア「あ、ありがとうございます。あなたは?」

少女「あの・・・私は・・・」

カイル「強いな・・・あっ!!」

盗賊チックなヤローA「こ、このやろ・・・!!」

カイルは盗賊が少女に斬りかかろうとしてるのに気付いた。

少女「英雄を・・・」

盗賊チックなヤローA「死ねっ!!」

少女「えっ!?」

盗賊が少女に斬りかかった。と。

カイル「蒼破刃!!」

盗賊チックなヤローA「おぶっ!?」

少女「!?」

カイルが蒼破刃で盗賊を倒した。

カイル「ったく・・・二度とこんな事すんなよ。」

盗賊チックなヤロー三人「く、くそう・・・!!」

盗賊はそのまま去った。

カイル「ふう・・・大丈夫だった?」

少女「あなたは・・・」

護衛兵A「あ〜・・・取り込み中なんだが・・・」

護衛兵B「君達は一体?」

カイル「あ、俺は・・・」

フィリア「あなた・・・カイルさん?」

カイル「覚えていたんですか!?そうです!!」

護衛兵A「フィリア様。こちらの少年は?」

フィリア「こちらの方はカイルさん。スタンさんとルーティさんのご子息です。」

護衛兵B「え!?てことは英雄スタンさんの!?」

フィリア「ええ。」

カイル「お久しぶりです。十年・・・ですか?」

フィリア「ええ。大きくなりましたね。所で本日はどうしてこのような場所で?」

カイル「実は色々とありまして・・・あ、父さんの事何か知りません?」

フィリア「スタンさんの事ですか・・・私も・・・」

カイル「そうですか・・・ありがとうございます。」

少女「カイル・・・?」

カイル「あ、君に会うのも久しぶりだね。」

少女「どうしてここに・・・?」

カイル「ん〜・・・色々とあってさ・・・それで偶然ここに来たら君に会っただけさ。」

少女「・・・」

カイル「あ、やっぱり俺は英雄・・・じゃないよね・・・ははっ・・・」

少女「・・・やっぱり違う・・・」

カイル「やっぱし・・・はぁ・・・」

フィリア「あの、いいでしょうか?」

カイル&少女「?」

フィリア「あなた達に何があったかはお聞きしませんが、あなたはカイルさんにお礼を言うべきですよ。」

少女「あ・・・」

フィリア「あなたは助けられたのですから。」

少女「・・・ありがとう・・・」

カイル「いや、別にいいけど・・・あ、じゃあさ。」

少女「?」

カイル「せめて君の名前教えてくれない?」

少女「え?」

カイル「君が捜してる英雄は俺じゃないかも知れないけど、せめて名前くらい・・・」

少女「・・・私リアラ。」

カイル「リアラ、いい名前だね。もしかしてフィリアさんに会いに来たのって・・・」

リアラ「うん。私の捜してる英雄かもって・・・」

フィリア「何の事ですか?」

リアラ「実は・・・私、英雄を捜してるんです。」

フィリア「英雄・・・ですか?」

リアラ「はい。ですが・・・」

フィリア「私は・・・あなたの捜す英雄ではない。ですね。」

リアラ「はい・・・」

カイル「何か大変なんだね・・・ずっと一人で?」

リアラ「ええ・・・」

フィリア「ではカイルさん、リアラさんのお力になってください。」

カイル&リアラ「え!?」

フィリア「リアラさんもカイルさんがいれば一人じゃありませんし、カイルさんももしかしたらスタンさんに会えるかもしれませんし。」

カイル「そっか・・・でも・・・彼女が嫌がったらそれで終わりだしな〜・・・」

リアラ「・・・私はいいわよ。」

カイル「え!?」

リアラ「私を助けてくれたんだもの。断る理由なんて無いわ。だから・・・お願いします。」

カイル「あ・・・こ、こちらこそ!!」

そう言って二人は手を握った。

フィリア「さてと・・・私達はこれで。」

カイル「もう帰るんですか?」

フィリア「ええ。ルーティさんによろしくと。」

カイル「はい。」

フィリア「ではリアラさんも。」

リアラ「すいませんでした・・・」

フィリア「いえいえ・・・では。」

そしてフィリア達は水門を後にした。

カイル「さてと・・・これからどうするか・・・」

リアラ「あの・・・後はウッドロウ王だけなんだけど・・・」

カイル「うわぁ〜・・・一番会う事が難しそうな人が・・・」

ウッドロウとはアメリカの北、雪が多いアラスカファンダリア王国を統べる国王で四英雄の一人である。

カイル「ま、困ってる人を見過ごす訳には行かないし、何とかみんなを説得して俺だけでも君をウッドロウ王に会わせてみるよ。」

リアラ「みんな?」

カイル「ああ俺の仲間さ。今この街に七人いて・・・」

護衛兵A&B「ぐあぁーーー!!」

カイル&リアラ「!?」

突然護衛兵が二人の近くまで飛ばされて来た。

カイル「な、何だ!?」

リアラ「フィリアさん!?」

その後二人の所にフィリアが走ってきた。

フィリア「カイルさん!!リアラさん!!」

カイル「フィリアさんどうしたんです!?」

フィリア「と、突然大男が・・・」

「ほほぉ・・・こんな所にまだ人がいたのか・・・」

カイル「!?」

水門に青服の大男が現れた。

カイル「何だお前は!?」

大男「ふん・・・貴様に名乗る名などない・・・俺はそこにいる、先の大戦の英雄フィリアに会いに来たのだ。」

カイル「リアラは二人の治療を!!」

リアラ「はい!!」

そしてリアラは二人の護衛兵の治療を始めた。

カイル「お前が何者かは分からないが、フィリアさんは俺が守る!!未来の大英雄カイル=デュナミスが!!」

そう言ってカイルは剣を抜いた。

大男「英雄だと・・・く、くくく・・・くははははは!!」

カイル「・・・」

大男「笑わせるな・・・!!」

カイル「!!」

カイルは男に恐怖を感じた。

大男「お望みとあらば貴様も殺してやろう・・・」

そう言うと大男は何も無い空間から大きな斧を出した。

カイル「空間から斧を・・・!?」

リアラ「治療は済んだ・・・カイル?」

カイル「・・・!!」

斧を見た途端カイルの顔が青ざめて行った。

カイル「な、何でだ・・・初めてなのに・・・あの斧を・・・見た事が・・・!?」

リアラ「カイル!!」

カイル「はっ!!リ、リアラ・・・」

フィリア(もしやあの者・・・十年前の!?)

カイル「ご、ごめん・・・でも、二人じゃ流石に・・・くっ!!」

カイルは上空にフレイムドライブを放った。

カイル「それに!!」

続いて蒼破刃をフレイムドライブに向けて放った。

リアラ「な、何を?」

カイル「合図さ・・・」

その上空で二つが当たり、爆発が起こった。









健「あれは!?」



浩之「あっちか!!」



エド「カイルの野郎・・・!!」



ロニ「一体何があったんだよ!!」



祐介「危険な気が・・・!!」



アヤ「すぐに行かなきゃ!!」



ティリア「遠い〜〜!!」



爆発を見て七人が水門に向かい走り出した。









カイル「これでみんな・・・リアラ。」

リアラ「何?」

カイル「仲間が来るまで時間を稼ぐ・・・すまないけど手伝ってくれないか?」

リアラ「勿論!!」

カイル「じゃ、行くよ!!」

リアラ「はい!!」

そして二人は大男に向かって行った。




新たな場所で出会った多数の出会い。大男がフィリアを狙う理由とは。そして十年前の意味とは・・・




続く










あ と が き
二手に分かれた六話目A。
もし原作を知ってるならばもう男の正体分かるような・・・
つまりあの事件は十年前の設定です。
あいつには苦戦したなぁ・・・
この時点の相違点
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