CRYSTAL MEMORY STORY

第一部 青と赤の物語番外編
彼が進んだ道、進んでいく道前編 古の十七の武器



イーファの戦乱・・・あの戦いで一人の少年は行方不明となった。少年の名はジタン、八英雄の一人である。彼が仲間と合流するまでの道のりを、彼の視点で見ていこう。







ジタン「ミコト!!兄さんを頼む!!」

クジャ「ま、待つんだ!!」

ジタン「生きてくれよ・・・」

クジャ「ライフ!!待て・・・!!」

ジタン「・・・さよなら・・・」

ドガガガガーーーン!!

ジタン「ぐあーーー!!」

樹の根がジタンの体に次々と刺さっていった。

ジタン「こ、ここまで・・・だな・・・」

段々ジタンの意識が薄れていった。

ジタン(ごめんよセーラ・・・約束守れそうに無い・・・)

そして完全に意識が無くなった。







ジタン「・・・うっ・・・」

だいぶ時間が経ってジタンは意識を取り戻した。

ジタン「まだ・・・生きてたのか・・・でもこれじゃ、長くないな・・・」

ジタンの体にはまだ樹の根が刺さっていた。

ジタン「最期にもう一度・・・あいつらに会いたかったな・・・」

ジタンの脳裏に仲間達がよぎって行った。

ジタン「走馬灯って奴か・・・せめてセーラにだけ、さよなら言いたいけど・・・もう、無理だな・・・」

傷口からは血が流れ出ていた。

ジタン「でも、生きていたい・・・このままじゃ、あいつらが悲しんじまうしな・・・」

ジタンは少し動こうとしたが、根が刺さってて動けなかった。

ジタン「はぁ・・・どうしたもんかね・・・」

その時ジタンの耳にあの歌が聞こえて来た。


宛てもなく、彷徨っていた、手がかりもなく探しつづけた、あなたがくれた想い出を、ここを癒す詩にして〜


ジタン「あの歌だ・・・セーラが歌っているんだな・・・宛て〜もなく彷徨っていた・・・手がかりもなく探しつづけた、あな〜たがく〜れた想い出を〜心を、癒す、詩に〜して〜・・・」

ジタンもあの歌を歌いだした。

ジタン「やく〜そくも、することもなく、交わす言葉も決めたりもせず、抱き〜しめ、そして確かめた、日々は、二度と、帰らぬ〜・・・記憶の中の〜、手を振るあなたは〜、わたし〜の、名を呼ぶことがで〜きるの・・・」

歌ってるとジタンの目に涙が溢れてきた。

ジタン「あ〜ふれる〜その涙を〜輝く勇気にかえて〜・・・い〜のちはつづく・・・夜を越え、疑うこと〜のない〜・・・明日へと続く〜・・・セーラ・・・」

歌い終わる頃にはジタンは泣いていた。

ジタン「会いたいよ・・・セーラ・・・死にたくない・・・会いたい・・・!!」

ジタンはダガーに会いたい気持ちでいっぱいになった。と、その時。

(その想い・・・見させていただきました・・・)

ジタンに誰かが呼びかけた。

ジタン「だ、誰だ・・・!?」

するとジタンの周りが消えて、気付いた時にはジタンは何も無い空間に浮いていた。

ジタン「な、何だここは・・・」

(恐れることはありません・・・)

ジタン「誰なんだ・・・?声からして綺麗な女性だって分かるけどよ・・・」

(あっと、これは失礼・・・)

するとジタンの前に透き通るような綺麗な肌に、水のように流れる長い髪をした女性が現れた。

女性「これでよいかしら?ジタン=トライバルさん?」

ジタン「まった美しい方だね・・・こんな状況じゃなくて昔の俺だったらお茶に誘いたい所だな・・・」

女性「私を口説いたらガーネット=ティル=アレクサンドロスさんに怒られますしね。」

ジタン「よく・・・知ってるな・・・あんたは一体?」

女性「また失礼、私はクリスタルです。」

ジタン「ク、クリスタル!?」

クリスタル「ああ、私はガイアのクリスタルです。この姿は人の前に現れる時にいいかなと思いましてね。」

ジタン「ガイアの・・・クリスタル? でも確かテラのクリスタルに変わってたんじゃ・・・?」

クリスタル「ガイアでもテラでもクリスタルはクリスタルよ。」

ジタン「そ、そう言うもんなのか?」

クリスタル「そう言うものよ。」

ジタン「で、一体何のよう何だ俺に?」

クリスタル「またまた失礼。あなたに頼みたいことがあるのです。」

ジタン「頼み?」

クリスタル「信じる信じないはあなた次第ですが、十年後、再びガイアとテラは戦乱に陥ります。」

ジタン「じゅ、十年後!?」

クリスタル「はい。」

ジタン「何でそんな先のことを・・・」

クリスタル「余り気にしないでくださいねって言っても無理ですか。その戦いで永遠の闇が今度こそ全てを無に返そうとするでしょう。」

ジタン「またあいつが!?」

クリスタル「ええ。でもその時になったらあいつは何者にも敵わない強大な敵と化すでしょう。」

ジタン「何でそんなことまで・・・」

クリスタル「あいつは恐怖や絶望の類を自分の力にしていくのです。その頃になったら間違いなく・・・」

ジタン「で、俺に何をしてもらいたいんだ?」

クリスタル「あなたにはこれから、十年後の戦いに備えてある武器を奪って欲しいのです。」

ジタン「武器?」

クリスタル「その武器は古の十七の武器と言うものです。」

ジタン「古の・・・十七の武器?」

クリスタル「そう、かつて別の星が危機に陥った時も、この武器の力で危機から救ったと聞きます。」

ジタン「まさか今から全部とって来いってか?」

クリスタル「あ、いえいえ、あなたにはその内九つの武器を奪っていただきたいのです。」

ジタン「九つだけ?何で?」

クリスタル「他の武器には既に使い手、マスターがいたり、私の力が及ばない場所にあるらしいのです。」

ジタン「今はその九つでいいのか?」

クリスタル「はい。その時がくれば武器の運命で集結する出ようから。」

ジタン「分かった。でも俺はかなり重症なんだぜ。」

クリスタル「それならご安心を。」

そう言ってクリスタルはジタンに光を放った。と、ジタンの傷が完全に消えた。

ジタン「傷が・・・?」

クリスタル「傷が塞がってるのは三時間だけです。その内に武器を。」

ジタン「三時間か・・・所で奪ってって?」

クリスタル「九つはどこかの組織が奪ってその力を悪用としているようなのです。」

ジタン「盗みってことかじゃあ・・・俺の専門分野だな。」

クリスタル「お願いします。古の武器をどうか。」

ジタン「分かったよ。だから俺をその組織とやらの場所まで連れてってくれ。」

クリスタル「はい。その前に武器の意思が分かるようにしてあげます。」

そう言ってクリスタルはジタンに光を放った。

ジタン「これで分かるのか。」

クリスタル「そうです。では、行きますよ!!」

ジタン「いい!?」

ジタンは空にいた。

ジタン「わぁーーー!!」

そのまま下に落下してった。が。

ガシャシャシャッ!!

木に引っ掛かって助かった。

ジタン「危なかった・・・お?」

ジタンの目の前には大きな工場があった。

ジタン「あの中か・・・」

ジタンはこっそり工場に近づいて行った。

ジタン「でけぇな・・・それじゃ、行きますか。」

ジタンは工場の中に入って行った。



ジタン「明らかにガイアより文明が発達してる世界なんだな。」

工場の中は近代的な構造でジタンがいるのはどこかの一本道であった。

ジタン「さってと・・・どこにあるのやら・・・」

ジタンが普通に歩いていると。

ヴィーーー!!

突然警報が鳴り響いた。

ジタン「な、なんだ!?」

「警報、警報、Bブロックの通路に不審者発見、直ちに排除せよ。」

ジタン「見つかった!?」

と、ジタンのいる所に向かって足音が大量に近づいてきた。

ジタン「や、やばい!!このままじゃ見つか・・・お。」

ジタンの目の前に大きめのダンボールがあった。

ジタン「これだ!!」

ジタンはダンボールの中に入って隠れた。と同時に変な格好をした兵士が大量に来た。

兵士A「あれ?いねぇ。」

兵士B「でも警報は鳴ったよな。」

兵士C「監視カメラが捉えてるだろうかそれを見に行こうぜ。」

そう言って兵士達はその場を去った。

ジタン「危な〜・・・あれがカンシカメラって奴か・・・」

天井にカメラがあった。

ジタン「あれに気をつけていかなきゃな・・・」

そう言ってジタンはダンボールから出て探索を開始した。

ジタン「さっきの奴らからしてここに亜人はいないんだな。」

ジタンが歩いていると前から人がやってきた。

ジタン「やばっ!!」

ジタンはとっさにすぐ近くの柱の影に身を潜めた。

兵士D「?誰かいたような・・・」

ジタン「・・・」

兵士D「・・・気のせいか。Ah、Ah〜なんかいいかんじ〜・・・」

ジタンには気付かず、兵士は歩いていった。

ジタン「・・・このカッコじゃまずばれちまうな・・・誰かの服でも奪うとするか。」

と言うことでジタンは兵士の服を奪おうと再び歩き出した。と、目の前から兵士が歩いてきた。

兵士E「ひ〜とみ〜をとぉ〜じてぇ〜き〜みをぉ〜えがぁくよ〜・・・」

そして兵士は近くの扉を開けて中に入っていった。

ジタン「あいつにしようかなぁ〜・・・」

そう思ってジタンは兵士の後を追った。

ジタン「ここトイレか・・・」

中トイレだったが兵士の姿は無かった。と。

兵士E「はぁ〜・・・辛いな〜・・・」

個室から声がした。

兵士E「給料が良かったからここにしたんだけど・・・きびしぃ〜なぁ〜・・・」

ジタン「愚痴かよ・・・ん?」

ジタンの足元にビンのような物が転がっていた。

ジタン「なんだろうこれ?」

ジタンはそれを拾った。

ジタン「何々?『スタングレネード』?何だこれ?」

と。

兵士E「ん?そこに誰かいるのか?」

ジタン「(まずっ!!)あ、あのう・・・道に迷っちゃってぇ・・・(女の子風)」

兵士E「女か?ここは見ての通り男子トイレだぜ。」

ジタン「あ、はい・・・所でスタングレネードってのが落ちてますよ〜」

兵士E「えっ!?あ、本当だ・・・すまないけどこっちに投げてくれないかい?」

ジタン「あのぅ〜・・・私ここに来て日が浅いので・・・これってどう物なのですぅ〜?」

兵士E「そっか、だったら教えてあげよう。それはな上の方にあるピンを抜くと爆発してな、閃光と音で敵をひるませる物なんだ。」

ジタン「へぇ〜・・・勉強になりましたぁ〜・・・(フッフッフッ・・・)」

兵士E「いやどうってことも無いさ。じゃ、スタンをこっちに。」

ジタン「はぁ〜い・・・」

ジタンはスタングレネードのピンを抜いた。

ジタン「いっきま〜す!!」

そして個室に投げ込んだ。

兵士E「どうもな、じゃあこの後俺とデートで・・・」

ボーーーン!!

兵士E「みゃーーーーー!!」

ジタン「フフフフフ・・・」

トイレの個室の中でスタングレネードが爆発した。ちなみに爆発の際、ジタンは目を瞑って耳を押さえていた。

「どうした!?」

トイレの外に兵士が集まって来た。

ジタン「スタンのピンが誤って抜けちまったんだ!!大丈夫です!!」

「そうか!!気をつけろよ!!」

そしてトイレの前に人の気配が無くなった。

ジタン「さてと・・・」

ジタンは短剣を使って個室の鍵を開けた。

兵士E「・・・」

見事に兵士は気絶していた。

ジタン「お借りしま〜す・・・」

ジタンは兵士の服をひん剥いた。

ジタン「おやすみ。」

そして兵士を窓から投げ捨てた。(ここは一階)

ジタン「さてと、着替えますか。」

そしてジタンは兵士の服に着替えた。

ジタン「これでよしっと。」

ちなみに兵士の服は動きやすいズボンにジャケット、ヘルメットにコウが使っていたような銃であった。

ジタン「じゃ、行くとしますか。」

兵士に変装したジタンは工場の中を普通に歩き出した。

ジタン「でもな〜・・・どこに行けばいんだろうか・・・」

ジタンは工場の中を彷徨っていた。

兵士F「おい、そこのお前。」

ジタン「ん?俺?」

兵士F「何うろちょろしてるんだ。」

ジタン「あ〜えっと・・・道に迷っちゃって・・・」

兵士F「何やってんだよ・・・」

ジタン「すいません・・・俺最近来たばっかで・・・」

兵士F「最近来たばっか?」

ジタン(やばいっ!!さすがにばれるか!?)

兵士F「そっか。だったらしょうがないな。」

ジタン「へっ?」

兵士F「ここの組織は新入りが来ても紹介しねぇからな。」

ジタン「そ、そうなのですか・・・(なんつ〜組織だ・・・)」

兵士F「で、お前はどこに行こうとしてたんだ?」

ジタン「あ〜え〜っと・・・ここ何か凄い力がある武器があるって聞いたんですけど・・・」

兵士F「お前もその話を聞いてきたのか?」

ジタン「お前もって?」

兵士F「ここだけの話な、ここの工場に来ている奴のほとんどがその武器の話を聞いてやって来たらしんだ。俺もだがな。」

ジタン「それじゃあどこにあるのか分かるんですか?」

兵士F「いやな、その在り処が分かってるのはかなり上の人間だけらしいんだ。」

ジタン「それじゃあここのほとんどの人が・・・」

兵士F「知らないって訳さ。まあ噂だからあるのか自体分かんないけどな。」

ジタン「へぇ〜・・・」

兵士F「ま、こんなに人を配備するってことはここに重要な何かがあるって証拠だがな。ただでさえここの組織はとんでもない目にあっているんだからな。」

ジタン「とんでもない目?」

兵士F「俺の先輩が言ってたんだけどな、五、六年前に幹部の一人が裏切ってこの組織が一時崩壊寸前にまで追い込まれたらしいんだ。」

ジタン「一人で崩壊寸前に!?」

兵士F「そうなんだよ。しかもその幹部ってのが十四、五のガキだったらしいんだ。」

ジタン「十四、五って俺より年下じゃないか。」

兵士F「だからよ。だからもしかしたらここにあるかもしれない武器は死守したいらしいぜ。」

ジタン「へぇ〜・・・ありがとうございました。」

兵士F「じゃあな。」

ジタンと兵士は別れた。

ジタン「でもクリスタルがここに俺を送り込んだんだからここにあるに違いないんだな。」

そしてジタンは武器を探し始めた。

ジタン「えっと・・・どこかなぁ〜・・・」

兵士G「何してんだあいつ?」

兵士H「さぁ?」

ジタン「・・・さすがに怪しまれるか・・・」

ジタンは人気の無い所で武器を探すことにした。

ジタン「えっと・・・ここは物置だな。」

どうやら物置の前に来たらしく、ジタンは中に入って武器を探し出した。

ジタン「無いな・・・」

しかしここにも武器は無かった。

ジタン「ふぅ〜・・・ちょっと休憩だ。」

ジタンは物置で休憩した。

ジタン「みんなどうしてるだろうな・・・あれ?」

ジタンはあることに気付いた。

ジタン「ミコトのバンダナが・・・あの時に落としたのか・・・ミコト・・・」

ミコトから貰ったバンダナが無くなっていた。

ジタン「あのバンダナがまだイーファの樹にあったら俺は死んだことになるのかな・・・」

そんなことを思いながらジタンは銀のペンダントを手に取った。

ジタン「セーラにこれを返さなきゃいけないしな・・・絶対生きて帰らなきゃな。」

そう言ってジタンは探索を開始した。が。

兵士I「何者だ貴様!!」

兵士が一人物置にいた。

ジタン「げっ!!」

兵士I「おとなしくしろ!!抵抗すると撃つぞ!!」

ジタン「はいそうですかって言うと思うか!!」

ジタンは近くにあった荷物を兵士に投げつけた。

兵士I「この程度!!甘いわ!!」

兵士は荷物を避けた。が、すぐにジタンが攻撃を仕掛けた。

ジタン「眠ってな!!」

ガイ〜〜〜ン!!

兵士I「ごわっ!!」

ジタンは近くにあった鉄パイプらしきもので兵士を思いっきり打った。その為。

ドゴドゴドーーーン!!

山積みされてあった荷物が全部崩れ落ちた。

「なんだ!?」

「物置からだ!!」

物置に向かって兵士達が集まって来た。

ジタン「うっわやべぇ!!」



兵士J「何だ。荷物が崩れただけか。」

兵士K「脅かすなよな・・・」

物置に来た兵士達は荷物を片づけて出て行った。

ジタン「・・・ばれないもんだなこれ・・・」

ジタンとさっき打たれた兵士はダンボールになりすましていた。

ジタン「でもこのままじゃこいつが起きちまうし・・・おっとこれは。」

ジタンの足元にスリプル草があった。

ジタン「ラッキ〜これさえあれば・・・」

ジタンは無理矢理スリプル草を草のまま兵士に飲ませた。

ジタン「じゃ、行くか。」

ジタンは物置から出て探索を開始した。

ジタン「でもこれだけ探しても見つからないってどう言うことなんだろう・・・もう二時間近く探してるぜ・・・!?」

ジタンは自分の体にある異変が生じていることに気付いた。

ジタン「傷口が・・・開いてきた・・・!?」

クリスタルが治した傷がドンドン現れて、血が出てきた。

ジタン「まずいな・・・とりあえず応急処置ぐらいは・・・」

ジタンはフラフラになりながら歩き出した。

ジタン「まずっ・・・まじでやばいか・・・お・・・?」

ジタンの前に治療室が見えてきた。

ジタン「・・・まだ、ついてるな・・・」

ジタンは治療室に入った。

ジタン「すんませ〜ん・・・」

中には女性が一人いた。

女性「は〜い、どうかしま・・・大丈夫ですか!?」

ジタン「そう・・・思うんなら手当てして・・・」

女性「はい!!では服を脱いでください。」

ジタン「・・・しょうがないか・・・」

ジタンは上半身に着ていた服を全部脱いだ。

女性「凄い怪我・・・すぐに治すから待っててね。」

女性はジタンの傷を治し始めた。

ジタン「つつ・・・」

女性「ちょっと我慢しててね・・・あなたこの星の人間じゃないでしょ?」

ジタン「えっ!?」

女性「正直に言っていいのよ、私もそうだから。」

ジタン「・・・なんで分かるんだ?」

女性「言ったでしょ?私もそうだからよ。」

ジタン「何でアンタはこの組織に?」

女性「・・・人を探してるの。」

ジタン「人?」

女性「私の幼なじみの男の子、今はもう立派な成人かな?」

ジタン「・・・彼氏?」

女性「・・・私はそうであって欲しいけど・・・彼は興味無いのよ。」

ジタン「興味が無い?」

女性「彼はね、自分が興味を持ったことにしか感心しなくて、他の何かを一切受け入れないの。」

ジタン「何でそんな奴を?」

女性「いつもは無口で暗い感じがするけど、私と二人っきりで星を見ている時だけ、優しい笑顔を見せてくれるの。」

ジタン「星?」

女性「彼が始めに興味を持ったのが星でね、時々二人でよく見上げていたわ・・・」

ジタン「何でそいつはいなくなったんだ?」

女性「・・・私の星で八年前、世界規模で大きな崩壊が起こって・・・その際行方不明に・・・周りのみんなは死んだって言ってるけど・・・私は信じない。彼は絶対にどこかで生きてるって。」

ジタン「・・・俺そっくりだな。」

女性「そうなの?」

ジタン「俺な、ここに来る前、ガイアって星に住んでたんだ。そこで俺は兄さんを助けるためにみんなと別れたんだ。兄さんは助けたけど、その際俺はこの怪我を負って・・・そしてあることを頼まれてここに来てるんだ。」

女性「あること?」

ジタン「古の十七の武器って物が九つここにあるんだ。それを俺は探してるんだ。」

女性「武器って・・・あの武器のこと?」

ジタン「知ってるのか!?」

女性「ここの地下にあるわ。あとで入口まで案内するね。」

ジタン「ああ。」

女性「仲間の方も心配してるでしょうね。」

ジタン「でも俺は絶対に戻るんだ。これを返すために。」

ジタンは銀のペンダントを差し出した。

女性「綺麗なペンダントね。誰のなの?」

ジタン「・・・俺の恋人さ。」

女性「そう・・・なの。」

ジタン「あっちじゃもしかしたら死んでるって事になってるかも知れないけど、俺は絶対に戻る。」

女性「強いのね。」

ジタン「なんならこっちでもあんたの探してるって言う男探してやろうか?」

女性「いいの?」

ジタン「当たり前さ。で、何て名前なんだい?」

女性「高山新一って言うの。お願いね。」

ジタン「タカヤマ・・・シンイチ? 変わった名前だな。ま、探してみるよ。」

女性「もし見つけたら、こう伝えて、『リンは帰ってくるって信じてるから』って。」

ジタン「あんたリンって名前なのか?」

女性「あ、愛称よこれは。私は木林恵美って言うの。」

ジタン「そうなのか。ま、伝えておくよ。リン。」

恵美「で、あなたの名前は?」

ジタン「おっと失礼。俺はジタン=トライバル。」

恵美「ジタンね、じゃあ行きましょうか。」

ジタンの治療は終わっていた。

ジタン「ん?おう。」

ジタンは服を着て恵美の後について行った。

ジタン「そう言えば何でリンはこの組織に入ったんだ?」

恵美「それね・・・その彼がここの幹部だったらしいのよ・・・」

ジタン「そうなのか?」

恵美「前私の星にここの組織がやって来てね、そこの人達の所で怪我の手当てをしてたんだけど、その中の一人が彼らしい人がいたって話して、だから私はここにいるの。」

ジタン「いたって過去形?じゃあ今は?」

恵美「行方不明なの・・・前に脱走したらしくて・・・」

ジタン「そいつってこの組織を崩壊寸前にした奴のことか?」

恵美「多分ね・・・」

ジタン「そいつそんな力があるのか?」

恵美「ここの人に聞いたけど、私の星を離れた際に何か力を得たらしくてね・・・それと彼が生まれついて持ってる力で崩壊させたらしいの。」

ジタン「生まれ持った力?」

恵美「うん・・・」

ジタン「どんな力なんだ?」

恵美「・・・」

ジタン「言えないなら言わなくてもいいよ・・・」

恵美「そうさせて・・・」

ジタン「やっぱそいつのこと・・・好きなんだな。」

恵美「うん・・・」

ジタン「シンイチって奴俺も探すよ。だから待ってな。」

恵美「うん。あら?」

恵美は足を止めた。

ジタン「どうした?」

恵美「入口に見張りがいる・・・」

遠くに兵士が少しいた。

恵美「いつもはいないのに・・・」

ジタン「いないってどうして?」

恵美「武器の事を知ってるのは私を含めて少しだけなのに・・・」

ジタン「そう言えば何でリンは武器の事知ってるの?」

恵美「幹部の一人が教えてくれたのよ。」

ジタン「そっか、しかしまいったな・・・」

恵美「どうしよう・・・あそこ以外道は無いのに・・・」

ジタン「まてよ・・・確か地下にあるんだろ?」

恵美「ええ。」

ジタン「じゃあ床をこじ開ければいいな。」

恵美「なるほどね。じゃあ人が余り来ない場所に行きましょう。」

そしてジタンと恵美は人気の無い場所に来た。

恵美「ここなら大丈夫よ。」

ジタン「ああ。」

そう言ってジタンは短剣で床をこじ開けた。

ジタン「ここから行けるな。」

恵美「頑張って下さいね、ジタン。」

ジタン「ああ、何かあったら大変だからリンはここから離れたほうがいいぜ。」

恵美「ええ。じゃあね。」

ジタン「ああ、じゃあな。」

そう言ってジタンは地下に入って行った。

恵美「・・・あの人に似ているわ・・・今あなたはどこにいるの・・・コウ・・・」

何故かコウの名を呼んで恵美はその場を離れた。

ジタン「狭いな・・・」

ジタンは床下から地下へ向かっていた。

ジタン「ま、しょうがないか・・・」

そしてひたすら下へ向かって行くと薄っすらと明かりが見えてきた。

ジタン「あそこか・・・」

そして薄っすらと見てる明かり、つまり隙間から下を覗いた。

ジタン「あれが・・・十七の武器か・・・」

下には何かが入っているカプセルが八つあった。




ジタンが一人で進んでいる道。そこには新たな謎と真実があった。古の十七の武器、クリスタル、恵美とコウの関係、全ての謎がとける日はいつ来るのだろうか・・・




続く










あ と が き
ここからは完全な僕のオリジナルです。
書いているうちにメタルギアソリッドになってしまいましたね・・・
恵美とコウの関係は一体?
何が何だか分からなくなってきたぞ〜
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