CRYSTAL MEMORY STORY
第一部 青と赤の物語
最終話 闇との対峙
仲間達の力によりジタン達は記憶で作られた場所に来た。そこで新たな謎と真実を知った八人はクリスタルを守るため足を進めるのであった。
ジタン「どこにいるんだ・・・」
ダガー「クジャはどうしてクリスタルを・・・?」
フライヤ「大方自分が死ぬと知って道連れに全てを破壊するのであろう。」
ジタン「だろうな・・・」
スタイナー「クリスタルが破壊されるとどうなるのだ?」
エーコ「・・・そのクリスタルが全ての始まりのクリスタルだったら・・・」
ビビ「だったら?」
ジタン「始まりのクリスタルだったら全てが消える・・・だろ?」
エーコ「多分ね・・・ガイアもテラも・・・宇宙も全て・・・」
クイナ「アイヤッ!! そんなことになったら大変アルよ!!」
サラマンダー「さっさとあいつを倒さなきゃな・・・」
ジタン「ああ、絶対にクリスタルは破壊させない!!」
ダガー「この星のため、全てのためにね。」
「まったく・・・そんなおろかなことを考えてるとはね・・・」
八人「!?」
クジャの声が聞こえた。
ジタン「あっちだ!!」
声がした方に向かって皆走り出した。そこには。
ジタン「兄さん!!」
クジャ「ようやく来たね・・・」
トランスしたクジャがいた。そして後ろにはクリスタルがあった。
クジャ「このクリスタルの記憶から僕が造り出した四つのカオスを倒してきたとは・・・でももう遅いよ。見るんだこの空間を、この美しいクリスタルを・・・全ての始まり・・・最初のクリスタル・・・ここから全てが誕生したんだよ・・・そう、これが粉々に砕け散れば全ては無くなるんだ・・・ガイアもテラも宇宙も・・・そして君達の命も記憶もね・・・」
ジタン「そんなことはさせない!! 今ここで決着をつける!!」
クジャ「フフフ・・・僕を倒した所で、今やガーランドの手を離れた二つの星の運命は変えられないよ。イーファの樹が暴走を始めて、テラと融合を開始したガイアは滅茶苦茶になるだけさ。もちろん君も、君達の仲間たちも全てね。さあ、どっちがいい?」
ジタン「兄さんを倒しても融合した星は残るんだ!! わずかな希望がある限り、またやり直せばいい!! 自分勝手な理屈で、関係ない人間まで巻き込まないでくれ!!」
クジャ「フフフ・・・自分の存在しない世界に、一体何の価値があると言うんだい?そんなに死に急ぐのなら、最高の遊び相手を紹介してあげるよ!!」
するとクジャの前に巨大な魔物が現れた。
クジャ「デスゲイズよ!! こいつらの相手をしてやれ!!」
デスゲイズ「ガァーーー!!」
ジタン「くそぅ・・・こんなとこで・・・」
ダガー「・・・みんな。」
ビビ「分かってるよ。」
ジタン「!?」
ジタン以外の七人が前に出た。
ダガー「このモンスターは私達が相手になるから、あなたはクジャを!!」
ジタン「ええっ!?」
ビビ「こんな奴七人で十分だからクジャを!!」
エーコ「ジタンなら一人でもクジャと戦えるでしょ!?」
ジタン「で、でも・・・」
フライヤ「心配無用じゃ!!」
スタイナー「ここは任せよ!!」
クイナ「クジャを倒すアル!!」
サラマンダー「それとも怖気づいたか?」
ジタン「みんな・・・死ぬなよ!!」
そう言ってジタンはクジャに向かい走り出した。
ジタン「うおぉーーー!!」
クジャ「まったくしょうがないな。じゃあ相手をしてあげるよ!!」
クジャもジタンに向かって行った。
デスゲイズ「ガァーーー!!」
ビビ「またメテオが来るよ!!」
ダガー「エーコ!みんなにシェルを!!」
エーコ「うん!!」
ダエ「シェル!!」
二人はみんなにシェルをかけた。
バガーーーーン!!
スタイナー「ぐおぉーーー!!」
ビビ「はぁはぁ・・・こ、こいつメテオがとても強力だ・・・」
エーコ「それでもやらなきゃ・・・ジタンの援護もしなきゃいけないし・・・」
サラマンダー「その通りだ・・・うおぉーーー!!」
サラマンダーがデスゲイズに向かって走り出した。
サラマンダー「喰らえ化物!! 雑魚ちらし!!」
サラマンダーはデスゲイズに雑魚ちらしを放った。
ドガーーン!!
デスゲイズ「ガァッ!?」
サラマンダー「くそ・・・全然効かねぇ・・・」
エーコ「まだまだ!! カーちゃんやっちゃって!!」
カーバンクル「えいっ!!」
パシューー!!
カーバンクルがデスゲイズにルビーレイを放った。
デスゲイズ「ガァ!!」
しかしデスゲイズはルビーレイをかわした。
エーコ「む〜!!」
ダガー「でも隙が出来た!! 裁きの雷!!」
ズドーーン!!
デスゲイズ「ガァッ!!」
ダガー「当たった!!」
デスゲイズ「グガァーーー!!」
ビビ「危ない!!」
ダガー「え・・・?」
ザグッ!!
ダガー「!!」
ビビ「お姉ちゃん!!」
スタイナー「姫様!!」
ダガー「ゴホッ・・・」
デスゲイズがシッポでダガーの体を突き刺したのだ。ダガーは大量に血が流れ、口からも血を吐いていた。
エーコ「ダガー!! 待ってて今ケアルを・・・!?」
フライヤ「しまった!!」
デスゲイズがダガーを突き刺したまま宙に上がった。
ビビ「あのままじゃお姉ちゃんが!!」
フライヤ「はぁっ!!」
フライヤは大ジャンプしてデスゲイズと同じ高さまで来た。
デスゲイズ「ガァーーー!!」
フライヤ「ダガー!! 今助ける!!」
ダガー「フ・・・フライヤ・・・」
フライヤ「はあーーー!!」
フライヤは槍に力を込めて魂気の槍をデスゲイズに放った。(トランス状態と同じ奴)
ザグジュッ!!
槍はデスゲイズの腹部に刺さったが、ダガーはまだ刺さったままであった。
フライヤ「くそっ!!」
するとデスゲイズがシッポでフライヤに攻撃してきた。
バシッ!!
フライヤ「ぐぁっ!!」
ダガー「ああっ!!」
フライヤは地面に叩き落され、ダガーにもダメージが渡った。
フライヤ「ぐはっ!!」
スタイナー「おのれぇ!! サラマンダー、自分を奴のとこまで投げてくれ!!」
サラマンダー「お安いごようだ!! おらっ!!」
サラマンダーはスタイナーをデスゲイズのとこまで投げた。
スタイナー「チェストォーーー!!」
ザシュッ!!
デスゲイズ「ギャァーーー!!」
スタイナーはデスゲイズのシッポを見事斬ったのであった。
ダガー「う・・・」
スタイナー「ぬおっ!! しまった!!」
しかし二人そろって下に落下して行った。
フライヤ「ダガーは任せろ!!」
フライヤはダガーが落下してくるポイントまで走った。そして。
フライヤ「うおっ!!」
ダガー「がはっ!!」
フライヤはダガーをキャッチしたが重症には変わりなかった。
エーコ「すぐ治すね!! ケアルガ!!」
エーコがケアルガをかけてダガーの傷は治った。
ダガー「みんなありがとう!! でもこのまま行くわ!! アーク、暗黒の運命!!」
クイナ「ワタシも行くアル!! ハリセンボン!!」
ビビ「僕も行く!! メテオ!!」
エーコ「エーコも!! ルビーレイ!!」
スタイナー「ぬおぉーーー!! ストックブレイク!!」
フライヤ「竜の紋章!!」
サラマンダー「もういっちょ雑魚ちらし!!」
七人同時にデスゲイズに攻撃を放った。
ズドドガーーン!!
デスゲイズ「ギャァーーー!!」
全て命中し、デスゲイズは爆発した。
ダガー「はぁはぁ・・・早くライフの所に!!」
ビビ「うん!!」
そして七人はジタンの元へ走った。
ジタン「はぁはぁ・・・」
クジャ「はぁはぁ・・・フフフ、やるようになったじゃないか・・・」
ジタン「俺だって何もしてなかった訳じゃないさ!!」
クジャ「ああ、そうかい!!」
ジタン「はぁーーー!!」
クジャ「なんの!!」
二人ともかなりダメージを負っていた。
ジタン「フリーエナジー!!」
クジャ「フレア!!」
バガーーーン!!
ジタンのフリーエナジーとクジャのフレアが当たって巨大な爆発が生じた。
ジタン「うぉっ!!」
クジャ「ぐっ!!」
ジタン「くっそう・・・」
クジャ「グッ・・・まだまださ!!」
しかしクジャは若干苦しそうだった。
ジタン「兄さん・・・」
と、ダガー達が後ろにやってきた。
ダガー「大丈夫!?」
ジタン「あ、ああ。」
クジャ「どうやらデスゲイズは倒されたようだな・・・」
ジタン「つまり後は兄さんだけだ・・・」
クジャ「なんだい?僕に諦めろとでも言うのかい?でも僕はやめない・・・全てを破壊するまではね!!」
ジタン「くっ兄さん・・・!!」
クジャ「死ね!! ホーリ・・・!!」
サラマンダー「でやっ!!」
ザシュッ!!
クジャ「ぐうっ!!」
ホーリーを放とうとしたクジャであったが、サラマンダーがライジングサンを投げつけて詠唱を中断させた。
クジャ「やるじゃないか・・・」
ダガー「マダイン・サリ・・・剣の国・・・お母様・・・絶対に許さないんだから!! リヴァイアサン!!」
ダガーはリヴァイアサンを召喚した。
ダガー「大海嘯!!」
クジャ「くっ・・・!!」
クジャは防御の姿勢をとった。
ザッバーーーン!!
大海嘯は見事クジャに命中した。
クジャ「こしゃくなまねを!!」
クジャはダガーに向けてフレアとホーリーを放った。
ビビ「危ない!!」
ジタン「ちぃっ!!」
ジタンがダガーの前に立った。
バガーーーン!!
エーコ「ジタン!!」
ジタンがモロにフレアとホーリーを喰らった。かに思えたが、実は。
ジタン「ぐうぅ・・・!!」
ジタンが腕を前に出して二つの魔法を受け止めていたのだ。
エーコ「う、嘘ぉーーー!?」
ジタン「く、喰らえーーー!!」
そしてそのままクジャに返した。
バガーーーン!!
クジャ「ぐぁーーー!!」
ジタン「はぁはぁ・・・」
ジタンの腕から血が流れ出した。
ダガー「待ってて、今ケアルを・・・」
ジタン「いや、いい・・・」
ダガー「!?」
ジタンがクジャの近くまで歩き出した。
ジタン「兄さん・・・」
クジャ「くっ・・・」
ジタン「何でこんなことを・・・」
クジャ「今さら何を・・・君は僕が憎いんだろ?」
ジタン「当たり前さ・・・でも、あんたは俺やミコトの兄なんだ・・・」
クジャ「だから僕を殺せないってかい?フフ・・・甘いね・・・」
ジタン「・・・」
クジャ「でも僕はやれる・・・たとえ弟でも僕は殺せるさ!!」
クジャが魔力を集中させた。
クジャ「喰らえ!! フレアスター!!」
ジタン「くそっ!!」
ジタンも力を集中させ、右手に光を集めだした。
ジタン「ソリューション9!!」
ジタンはクジャに向けて大きな光一つと小さな光八つを放った。
クジャ「・・・ふっ・・・」
ジタン「!!」
ジタンはクジャが何も放ってないことに気付いた。
ドガーーーン!!
ソリューション9はクジャに命中したが、クジャの両腕には白い光と黒い光が集まっていた。
クジャ「このまま・・・消え去れ!!アルテマ!!」
ジタン「まずい!! 逃げろ!!」
しかしクジャは二つを合わせ辺り一面にアルテマを放った。
バガガガーーーン!!
ジタン「うわぁーーー!!」
ミコト「!?」
マーカス「どうしたッス?」
ミコト「今とてつもない魔力があそこで・・・」
マーカス「もしかしてジタンさん達に何かあったッスか!?」
ミコト「大丈夫だと思うけど・・・(兄さん・・・)」
ジタン「・・・」
ジタン達八人は先程とは違う、明らかに普通ではない丘に倒れていた。
ジタン「・・・う、うう・・・」
ジタンが目を覚ましてフラフラになりながら立ち上がった。
ジタン「クリスタルは・・・みんなは・・・兄さんは・・・? ここは・・・どこなんだ・・・」
(ここはお前達の世界とは別の次元、そして私は永遠の闇・・・)
ジタン「だ、誰だ!?」
どこからか声がした。
永遠の闇(恐怖は、生きる者がこの世に生を授かった時から、それら全ての心の中に、例外なく存在している。生きると言うことは残酷な行為・・・互いを排除し、自らの生のために生命を奪い合う。そして生きることは、不安、苦悩、いつかは死ぬと言う恐怖を常に抱えていること・・・逃れることの出来ない死に気付きそれにうち勝つことができなかった時。恐怖は目覚める・・・死への恐怖は恐れるほどに増大していき、やがて死を認めたくないと言う苦痛を与え、生命への憎悪、生きる者への嫉妬へと変化していく。増大した死の恐怖を止めることは出来ない。救うことが出来るのは、全ての破壊しかない。自ら生み出した恐怖に負けたクジャは全ての源たるクリスタルを破壊することで、自分も救われると言う結論に至った。)
ジタン「何寝ぼけたことを言ってんだ!! そんなことは言い訳じゃねえか!! お前こそ、自分の存在理由が欲しかっただけじゃないのか!?」
永遠の闇(・・・その瞬間、答えは出た。この宇宙に存在する全ての者の目的は、滅びるためだけにあるということが・・・私は、誰かがその答えを導き出すのを待っていた。答えが出た以上この世界をこのままにしてはおけない。)
ジタン「おい!! 俺の質問に答えろ!!」
永遠の闇(・・・私の目的は一つ。何も生むことのない、何も進化することのないクリスタルすら生まれることのない、無の世界に全てを還すこと・・・何も無ければ、恐怖する必要すらなくなる・・・それはお前達が真に望む世界・・・)
ジタン「・・・勝手なことばかり言いやがって!! 生きる希望がある限り、全てを無くすなんてことはさせないぜ!! それがほんのわずかな希望だったとしてもな!!」
永遠の闇(苦しみながらも生きていこうとするのは、生きる希望と言う不治の病に冒されている証・・・そしていつかは恐怖に屈し、クジャのように破壊の道を選ぶ・・・つまり、全てを破壊するために進化しているに過ぎない。破壊のために生まれてくるのなら、初めから存在しなくても同じ事・・・全ては矛盾でしかない・・・自ら出した答えを否定する必要はない。全ては真理であり、無こそが全て。無に還れ・・・逆らうことはない。それが生きる全ての者の願い・・・)
ジタン「そうはさせないぜ!! 俺達がお前を倒して、それが間違いだってことを証明してやる!! そして、恐怖に打ち勝ったことが記憶になり、次の世代へと受け継がれていくんだ!! だから・・・ここで倒れるわけには・・・お前なんかに負ける訳にはいかないんだ!! だから・・・みんなの力を・・・今こそみんなの力を合わせるんだ!! もし、俺達が力尽きたとしても終わってしまう訳じゃない・・・俺達のことを記憶している誰かがいる限り、その記憶と生命は永遠につながっていく・・・それが生きるってことだ!!」
ミコト「兄さん・・・分かったわ!!」
マーカス「ど、どうしたッスいきなり!?」
ミコト「今兄さん達がクジャ兄さん以上の敵と戦おうとしている・・・だから私達の力を兄さん達に!!」
マーカス「で、でもどうやって!?」
ミコト「祈るのよ!! 兄さん達に届くように祈れば!!」
コウ「よっしゃ任せろ!! いいなみんな!!」
ブランク「おう!!」
ラニ「分かった!!」
ベアトリクス「ちゃんと八人別々に祈るのです!! 私はスタイナーを!! コウは姫様を!!」
コウ「ああ!!」
ネリク「オレらはクイナだホ!!」
マックス「心得た!!」
ラニ「あたしはもちダンナ!!」
フラットレイ「フライヤには私が!!」
シナ「ビビとエーコはどうするズラ!?」
ブランク「俺らが祈ろう!! ルビィ!!」
ルビィ「分かったで!! うちらはエーコに祈る!! マーカスとシナはビビを!!」
マーカス「OKッス!!」
ミコト「兄さんには私が!! みんな祈って!!」
サラマンダー「・・・」
ラニ(ダンナ、絶対戻ってよね!! あたしは待ってるから!!)
ラニの力が光となってサラマンダーの力となった。
サラマンダー「あいつ・・・」
エーコ「・・・」
ブランク(聞こえるか!? 今から俺らの力を渡す!!)
ルビィ(こんなことしか出来へんけど頑張ってや!!)
ブランクとルビィの力が光となってエーコの力となった。
エーコ「・・・ありがとう・・・」
クイナ「・・・」
ネリク(クイナ!! オレらの力を上げるド!!)
マックス(これで敵をやっつけて来い!!)
ネリクとマックスの力が光となってクイナの力となった。
クイナ「すまぬアル、二人共・・・」
フライヤ「・・・」
フラットレイ(フライヤ!! 我が力の全てお前に託す!! 必ず戻ってきてくれ!!)
フラットレイの力が光となってフライヤの力となった。
フライヤ「フラットレイ様・・・」
スタイナー「・・・」
ベアトリクス(しっかりするのですスタイナー!! この世界のために!!)
ベアトリクスの力が光となってスタイナーの力となった。
スタイナー「・・・分かったであります!!」
ダガー「・・・」
コウ(聞こえてるかティル!! 俺の力、頼りないかも知れないけど全部お前に!!)
コウの力が光となってダガーの力となった。
ダガー「十分よコウ・・・あなたの力は・・・」
ビビ「・・・」
シナ(しっかりするズラ!! ビビ!!)
マーカス(俺らの力でよかったら!!)
シナとマーカスの力が光となってビビの力となった。
ビビ「うん・・・これで行けるよ・・・!!」
ジタン「・・・」
ミコト(兄さん!! 私の力全部あげるから立ち上がって!! 私は兄さんが好きだし・・・兄さんがいるこの世界も好きだから!!)
ミコトの力が光となってジタンの力となった。
ジタン「ミコト・・・サンキュウ・・・」
仲間達の力を得て八人は立ち上がった。
ジタン「恐怖だか何だか知らねぇが、負ける訳には行かないんだ!! みんな行くぜ!!」
ダガー「ええ!!」
ビビ「うん!!」
スタイナー「おう!!」
フライヤ「ああ!!」
クイナ「アル!!」
エーコ「おっけい!!」
サラマンダー「おうよ!!」
八人は同時にトランスし、空に飛んだ。
ジタン「あいつが永遠の闇か!!」
空に飛んだ八人の前に巨人が現れた。
永遠の闇「私を倒すなど無謀なことを・・・」
ジタン「無謀かどうかはやってみりゃ分かる!!」
そう言って先にジタンが斬りかかった。
永遠の闇「無力な・・・」
永遠の闇は羽のような盾のような物体を前に出して防御の姿勢をとった。
ガギン!!
ジタン「くっ・・・防御しやがったか・・・」
スタイナー「ジタン下がれ!!」
ジタンの後ろにスタイナーとフライヤがいた。
ジタン「おう!!」
ジタンは永遠の闇から離れた。と、同時に。
スタイナー「ストックブレイク!!」
フライヤ「桜花狂咲!!」
ストックブレイクと桜花狂咲を同時に放った。
永遠の闇「この程度の攻撃、シェル、プロテス!!」
永遠の闇は自分にシェルとプロテスをかけて防御の構えをとった。
バーーーン!!
二人の技は当たったが、ストックブレイクは物理、桜花狂咲は魔法タイプなのでシェルとプロテスで半減されてしまった。
フライヤ「おのれっ!!」
エーコ「だったら消せばいいのよ!! エスナ!!」
エーコはエスナを永遠の闇にかけた。エスナはステータス異常を治す魔法だが、プロテスやシェルの類、リジェネなども消すことが出来るのだ。
永遠の闇「消えたか・・・」
サラマンダー「そこだ!! ていっ!!」
クイナ「マトラマジック!!」
永遠の闇の後ろからサラマンダーが円月輪、ライジングサン、ウイングエッジを大量に投げ、クイナがマトラマジックを放った。
永遠の闇「そこにもいたか・・・」
バシュウーーー!!
永遠の闇がクイナとサラマンダーへ目掛けて青い光を放った。
クイナ「ルルッ!?」
青い光はウイングエッジやマトラマジックを飲み込んで二人に襲い掛かってきた。
サラマンダー「どけっ!!」
バシューーーン!!
サラマンダー「ぐおっ!!」
ビビ「サラマンダー!!」
ダガー「私に任せて!! ケアルガ!!」
ダガーがすぐにケアルガをかけてサラマンダーの怪我は癒えた。
サラマンダー「ありがとよ!!」
ビビ「次は僕が!! メテオ!!」
永遠の闇「魔法か・・・メテオ!!」
ビビと永遠の闇が同時にメテオを放った。
ボゴーーーン!!
二つのメテオは命中し、隕石の破片と爆風が辺りに広がった。
エーコ「きゃぁーーー!!」
ビビ「あっ!!」
ビビはエーコの元に寄り、抱き寄せた。
エーコ「ビビ!!」
ビビ「大丈夫!! 僕がいる!!」
ジタン「言うようになったじゃないか。じゃあ次は俺が!! フリーエナジー!!」
ダガー「私も行く!! イフリート、地獄の火炎!!」
フリーエナジーと地獄の火炎が永遠の闇に向けて放たれた。
永遠の闇「ぬっ・・・」
バーーーン!!
二つの技は命中し、初めて永遠の闇にダメージを与えられた。
エーコ「あたしだってやるよ!! 一斉召喚、みんなやっちゃって!!」
エーコも召喚獣を一斉に召喚した。
エーコ「いっけぇーーー!!」
エーコの命令で全員一斉に攻撃を仕掛けた。
ドドドドーーーン!!
永遠の闇「うおっ!!」
全て辺りいいダメージとなった。
エーコ「やった!!」
永遠の闇「やるようだな・・・ケアルガ!!」
エーコ「ああーーー!! ずるい!!」
永遠の闇は自分にケアルガをかけて傷を癒した。
永遠の闇「今度はこちらから行くぞ!! グランドクロス!!」
永遠の闇が何かを唱えると盾のような物体が左右に広がり、体の数箇所にあるリングが回転しだした。
ジタン「まずいっ!! 避けるんだ!!」
永遠の闇「遅い!!」
ヴァーーーー!!
永遠の闇からとてつもない光が発せられた。
ダガー「きゃぁーーー!!」
フライヤ「くぅーーー!!」
光にはダメージ判定があり、八人は大ダメージを喰らった。
ジタン「うぅ〜・・・大丈夫かみんな・・・?」
ダガー「な、何とかね・・・」
永遠の闇「その光でダメージだけですんだか・・・」
ジタン「今の技、かなりのステータス異常を起こすようだな・・・トランスしてて正解だったな。」
ダガー「でも私達がトランスしてられる時間はもう残り少ないわ・・・」
ジタン「思いっきり力を込めたあれが決まれば一撃でいけるだろうけど・・・今の俺じゃ倒せれるほどの力をためるには時間がかかるしな・・・」
ダガー「あいつを倒せそうな技があるの!?」
ジタン「俺のとっておきな。」
ビビ「じゃあみんなでジタンがそれを放つまで時間を稼ごうよ!!」
エーコ「うん!!」
スタイナー「心得た!!」
フライヤ「いいぞ!!」
クイナ「分かったアル!!」
サラマンダー「おう!!」
ジタン「みんな・・・」
ダガー「ライフ!! 早くしてね!!」
そう言って七人は永遠の闇に向かって行った。
ジタン「はぁー・・・」
ジタンは力をため出した。
ダガー「少しは私達もダメージを与えなくちゃね!!」
ビビ「エーコ、あの魔法を!!」
エーコ「あの魔法?」
ビビ「光と闇の!!」
エーコ「なるほど!!」
フライヤ「何かあるのか?」
ビビ「僕らも詠唱に入るからお願い!!」
クイナ「OKアルよ!!」
ダガー「待っててね!! 私も!!」
ビビとエーコは詠唱に入り、ダガーもガーネットを手に取った。
永遠の闇「くだらん小細工を!! もう一度グランドクロスを喰らうが良い!!」
そう言って再びグランドクロスを放とうとした。が。
フライヤ「そうは・・・!!」
スタイナー「させないである!!」
クイナ「アチョーーー!!」
サラマンダー「おぅらーーー!!」
ズバッ!!ザスッ!!ドスッ!!ザグシュッ!!
永遠の闇「うぉおっ!?」
四人同時に永遠の闇に攻撃をした。
永遠の闇「こしゃくなまねを!!」
バシュゥーーー!!
フライヤ「青い光じゃ!!かわせ!!」
永遠の闇が青い光を大量に放ってきた。
スタイナー「うおっ!!」
クイナ「ととっ!!」
と、何発かがジタンやダガー達の方へ向かって行った。
フライヤ「まずい!!」
サラマンダー「させねぇ!!」
サラマンダーが青い光を追った。
クイナ「サラだけにかっこつけさせないアル!!」
スタイナー「姫様は自分が!!」
クイナとスタイナーも後を追った。
フライヤ「あ奴ら・・・ふっ・・・」
フライヤも後を追った。そして。
バシュシューーー!!
サラマンダー「おぐっ!!」
スタイナー「ぬおっ!!」
クイナ「アルゥーー!!」
フライヤ「ぐぁーーー!!」
ダガー「!! みんな!!」
後ろの四人を庇ってこちらの四人は重傷を負った。
ダガー(ごめん・・・今はこいつを・・・)
ダガーの周りにもの凄い魔力が集中しだし、ビビとエーコの詠唱も完了間近だった。
ビビ「全ての光を飲み込みし闇よ・・・」
エーコ「全ての闇を照らし光よ・・・」
永遠の闇「させん!! フレア、ホーリー!!」
永遠の闇はフレアとホーリーを放った。
ビエ「我が敵を倒せし力となれ!!」
ビビ「ダークネス!!」
エーコ「シャイニング!!」
ドシューーー!!
二人はそれぞれ闇の力を込めた黒い魔力の塊と光の力を込めた白い魔力の塊を放った。
ヴァガーーン!!
永遠の闇「な、何!?」
二つの魔法はフレアとホーリーを打ち消し、そのまま永遠の闇に向かって行った。
ビエ「いけぇーーー!!」
ヴァーーーーン!!
永遠の闇「うぉーーー!! そ、そんな馬鹿な・・・!!」
そして今度は。
ダガー「最強の名を持ちし竜よ・・・王たるその力を今ここに!! ドラゴニック・シードリング!!竜王バハムート!!」
宝石のガーネットからバハムートを召喚した。
ダガー「一番効く奴をいくわよ!!テラフレア!!」
バハムートは一番強力なテラフレアを永遠の闇に向けてはなった。
ヴァガガーーーーーン!!
永遠の闇「ぬぐぅ!! こ、こんな奴らに・・・!!」
ビビ「ジタン!!」
ダガー「今よ!!」
ジタン「ああ!!」
ジタンは周りに集まっていたピンクの光を短剣に集中させた。
ダガー「あれは・・・バハムートをやった時のあの技?」
ジタン「お前の言ってることは100%間違ってる訳じゃない・・・確かに兄さんのような奴だっている・・・それでも・・・それでも何も無いよりはマシだ!!」
ジタンの短剣が強く光りだした。
ジタン「永遠の闇よ、消え去れ!!グランドリーサル!!」
バシュゥーーーーー!!
永遠の闇「おのれぇ!!」
バシュウーーー!!
永遠の闇もジタンに向けて青い光を放った。
ダガー「避けて!!」
二つの光は交わらず、そのまま一直線に互いに向かって行った。そして。
バジューーーーー!!
ジタン「うわぁーーー!!」
永遠の闇「ガァーーーーー!!」
ジタンに青い光が当り、グランドリーサルが永遠の闇を貫いた。
ジタン「くっ・・・」
ダガー「ああ・・・」
全員のトランスが解除された。そして。
シュゥーーー
八人がこの空間から消えたのだ。
永遠の闇「なぜ、自らの答えを認めようとしない・・・」
永遠の闇が消えてきた。
永遠の闇「生きる意志とは、かくも強大なものか・・・だが、これが終わりではない。私はいつでも復活する。この世に生あるものと。そして死が存在する限り・・・」
そう言って永遠の闇は完全に消えた。
ブァーーーーー!!
コウ「な、なんだ!?」
イーファの樹が暴走を初め、辺りに強い爆発が生じた。
フラットレイ「何が起こったんだ!!」
ミコト「イーファの樹が・・・暴走を始めたわ・・・」
マーカス「ぼ、暴走!? それじゃあジタンさん達は!?」
ミコト「まだ分かんない・・・」
マーカス「そ、そんな・・・」
ミコト「兄さん・・・!?」
マーカス「どうしたッス?」
ミコト「待って・・・兄さん達は生きてる!!」
マーカス「ほ、本当ッスか!?」
ブランク「どこにいるんだ!?」
ミコト「あそこら変に!!」
ミコトはジタン達がいるらしい場所に指を刺した。
コウ「行こうぜ!!」
ブランク「でも”霧”がほとんどねえから俺らだけ行ってもな・・・」
コウ「まだ少しは飛べるんだろ?レッドローズやヒルダガルデに連絡してみんなで行こう!!」
フラットレイ「そうだな。」
ベアトリクス「・・・分かりました。」
ルビィ「ジタン達がいたの?」
ベアトリクス「今から向かいます!!」
ラニ「早くしてよね!!」
シド「よし、本艦も向かうぞ!!」
エリン「了解!!」
ジタン「みんな・・・大丈夫か?」
ダガー「ええ、でもどうしてここに?」
ジタン達は前にカーバンクルと会った場所にいた。
ジタン「それは分かんないけど・・・ここにいたらやばいってことは分かるぜ・・・」
ダガー「ええ・・・」
イーファの樹の根が暴れていた。
エーコ「だったら早くここから離れなくちゃ!!」
ビビ「でも逃げ切れるかな・・・」
ダガー「弱気になっちゃ駄目よ!!必ず戻らなきゃ!!」
フライヤ「・・・その通りじゃ。皆、早く行こう!!」
サラマンダー「・・・その必要はないみたいだぜ。」
スタイナー「どう言うことだ?」
クイナ「ヌッ!? あれはヒルダガルデアル!!」
ダガー「レッドローズにみんなも!!」
そしてヒルダガルデとレッドローズは近くに着陸し、フェンリルに乗ってた仲間達もやってきた。
ミコト「兄さん!!」
ジタン「ミコト!! それにみんなも・・・どうしてここが?」
マーカス「ミコトさんがここにいるって言ったんスよ。」
コウ「話は後だ、早くしないとえらい目にあうぜ。」
ブランク「俺らのフェンリルもつんでくれな。」
シド「分かっておる、早く行こうぞ。」
ダガー「ええ。」
そして全員ヒルダガルデとレッドローズへ向かった。と。
(生き残れよ・・・)
ジタン「!!」
ミコト「兄さん・・・」
ジタン「やっぱそう言う事か・・・」
ミコト「うん・・・」
ダガー「どうしたの?」
ジタン「・・・先に行っててくれ。」
ダガー「ええ!?」
エーコ「ちょっどうしたのいったい!?」
ビビ「早くしないとここだって危ないよ!!」
ジタン「分かってる・・・だからみんなは先に行っててくれ・・・」
ブランク「何言ってんだよ!! 死ぬ気か!!」
ミコト「・・・行く気なのね・・・」
ジタン「このまま逃げたら恩知らずになっちまうからな・・・」
ダガー「何を言ってるの!?」
ジタン「兄さんを助けに行く・・・」
ダガー「ええ!?」
ビビ「どうしてあんな奴を!!」
ジタン「どんな奴でも・・・助けられる命をこのまま法とっておいていいって言うのか? 誰だっていつかは死ぬとはいえ、自分から死を選ぶ必要はないだろ?」
クイナ「ジタンが言ってることは分かるけど・・・今はとても危険アルよ!!」
ジタン「それでも俺は行くぜ。」
ルビィ「何でよ!? あいつがアンタの兄やからか!?」
ジタン「どうだろうな・・・理由は考えれば沢山あるだろうけど、今は無いだろうな。」
フラットレイ「しかし自分が死ぬようなマネをするのは・・・」
ジタン「何も俺は死にに行く何て言ってないぜ。」
ネリク「ほとんど同じだホ!!」
マックス「無地に帰れる保証は無いのだぞ。」
ジタン「だけど俺は行くぜ。悪いけど俺はな・・・」
サラマンダー「『都合よく変えられない性分なんでね』・・・だろ?」
ジタン「サラマンダー・・・」
サラマンダー「こいつがこう言ってるんだ。誰にも止める事は出来ないぜ。」
ジタン「その通りだ。だからみんなは早く逃げてくれ。」
コウ「・・・ああ。」
ダガー「コウ!!」
エーコ「あんた何言ってるのよ!?」
コウ「みんなの気持ちは分かるけど・・・これはジタンが決めたことだ。こいつの考えはこいつでしか変えられない。俺らには無理さ・・・」
ジタン「ま、そう言うこった。」
コウ「誰だってこんな時があるものさ。ジタンはそれが今なだけなんだよ。」
ダガー「・・・」
ジタン「みんな・・・たのむ・・・」
バクー「・・・行こうぜ・・・」
ブランク「ボス!!」
バクー「おめぇが一番分かってるだろ。こいつがどんな奴かを・・・」
ブランク「でもよ・・・!!」
バクー「その代わり帰ってきたらスーパートルネードタンタラスデコピン百発な!!」
ジタン「心して受けるからよ、ミコトを頼むな!!」
ミコト「兄さん・・・」
ジタン「お前はタンタラスと一緒にいな。必ず戻るからよ。」
ミコト「・・・うん。」
シド「早く帰って来るのじゃぞ!!」
ネリク「・・・生きて帰って来いラリ!!」
マックス「死んだら承知しないぞ!!」
ラニ「それあたし言おうとしたのに!!」
ベアトリクス「必ず戻ってくださいね。」
フラットレイ「私達は待ってるぞ。」
コウ「最後の大仕事、頑張れよ!!」
ルビィ「絶対死ぬんやないで!! 絶対に!!」
ブランク「この・・・バカ野郎が・・・!!」
マーカス「戻ってくるッスよ!!」
シナ「おいら達全員でタンタラスなんだズラ!!」
サラマンダー「じゃあな。」
エーコ「死んだら許さないんだから!!」
クイナ「美味しい物作って待ってるアル!!」
フライヤ「ダガーを悲しませるようなことはするなよ。」
スタイナー「その時は自分が貴様をぶん殴りに行くぞ!!」
ビビ「・・・生きるってことはとても難しいってやっと分かったよ。頑張ってね。」
ダガー以外の仲間がジタンに話したが、ダガーはまだだまっていた。
ジタン「セーラ・・・いえ、王女様・・・」
ダガー「・・・」
ジタン「あなた様を誘拐すると言うお約束は残念ながらここまでです・・・私めの勝手をどうかお許し下さいませ。」
ビビ「・・・そう言えば全ては王女誘拐からだったね。」
ダガー「いいえ・・・私にはその申し出を断る理由などありませんわ。それに、私の方こそ、あなたにお礼をしなくてはなりません。あなたに誘拐していただかなければ、私は自分一人では何一つ出来ない、つまらない人間のままだったでしょう。でも、あなたと出会って、色々な世界をめぐり、色々な人と出会い、色々な事を学ばせてもらいました。時には大変なこともありましたが、本当に大切なものが一体何なのか知ることが出来たように思います。これまでの長い旅の思い出は何物にも代え難い宝物となるでしょう。本当に・・・本当にありがとうございました。でも・・・」
王女言葉で淡々と想いを語ったダガーであったが最後で言葉が詰まった。
ダガー「でも・・・お願い、必ず帰ってきて・・・」
ジタン「・・・ああ。」
ダガー「それではこれをお守りに・・・」
そう言って銀のペンダントをジタンに渡した。
ダガー「再開の時に返してね・・・」
ジタン「分かったよ・・・」
ダガー「!!」
ジタンが」ダガーに近づき、抱き寄せて優しくキスをした。
ダガー「・・・」
ダガーの目には涙が溢れていた。
ビビ「・・・行こう、みんな。」
エーコ「そうね・・・」
実は皆まだ近くにいた。しかし二人は長く口付けをしていた。
ダガー「・・・またね。」
ジタン「・・・ああ。」
そしてジタン以外皆二つの船に乗ってこの場を去った。
ダガー「・・・」
ジタン「・・・」
ヒルダガルデの甲板からダガーはずっと下にいるジタンを見ていた。そしてジタンもダガーを見ていた。
コウ「・・・悲しい物語のようだな・・・」
そして二人の距離は段々と遠ざかり、ジタンの位置から船が見えなくなり、彼はイーファの樹へ足を進めた。
ジタン「兄さん!! 今から助けに行く!!」
クジャ(僕のことはいい・・・君も早く逃げるんだ・・・)
ジタン「兄さんを助けたら逃げるさ!! そこで待っててくれよ!!」
クジャ(まったく・・・困った弟だ・・・)
ジタン「じゃ、行くとしますか!!」
そしてジタンはイーファの樹に向かって走り出した。
ジタン「うおぉーーー!!」
ジタンの所に樹の根が襲ってきた。
ジタン「来たか!!」
樹の根が襲ってきたが、ジタンは上手いこと全て避けた。と。
ジタン「おわっ!! 前から!!」
前からも根が襲ってきた。
ジタン「待てよ・・・こいつを使えば!!」
と、ジタンのとこに集中して根が突き刺さってきた。
ドガーーーン!!
ジタン「あっぶねぇ〜」
ジタンは一本んの樹の根に乗っていた。
ジタン「さぁて・・・このまま兄さんのとこまで・・・っていかねぇか!!」
ジタンの乗っている根に別の根が襲ってきた。
ジタン「はぁっ!!」
ジタンは寸前でジャンプして再び走り出した。
ジタン「ああーーー!! もう来んなよ!!」
しかしジタンの後ろには大量に根が追って来ていた。
ジタン「あそこか!?」
ジタンの遥か前方に小さい穴が見えた。と。
ドゴン!!
ジタン「おわっ!!」
ジタンの足元に根が突撃してきた。そのためジタンは走ったまま宙に浮いた。
ジタン「おわぁ〜〜〜!!」
しかし運良くジタンは穴の中に入れた。しかも根はまだ入ってこなかった。
ジタン「わぁあぁ〜〜〜!!」
そのまま落下するジタン。と。
ボスン!!
クジャ「・・・ライフ・・・君かい?」
見事クジャの近くに落下した。クジャはトランスが解除されボロボロであった。
クジャ「良くこんなとこまでこれたね。」
ジタン「伊達にアンタの弟やってねぇよ。」
クジャ「ああ、そうかい。でも僕はもう死ぬ・・・それなのになんでここに・・・」
ジタン「誰かを助けるのに理由がいるのかい?」
クジャ「・・・」
ジタンはクジャの隣に座った。
クジャ「みんなは脱出したかい?」
ジタン「ああ。やっぱ兄さんだったか。」
クジャ「やっぱり君とミコトにはばれてたか。」
ジタン「まぁな。」
そう言ってジタンは左手をクジャにあてた。
クジャ「何を・・・?」
ジタン「ちょっと黙ってて・・・」
パアァ〜
クジャ「ぐっ・・・!!」
ジタンがクジャに光を当てた。
ジタン「これで兄さんの寿命は延びたよ・・・」
クジャ「お前まさか・・・そのために・・・!?」
ジタン「ま、今のでほとんど力を使っちまったから、逃げれるか分かんないけどな・・・」
クジャ「まったくお前は・・・」
ジタン「兄さんがやって来たことは許されないけど、償うことは出来るだろ? だから行こう、俺と一緒に。」
クジャ「フフ・・・すなまいな・・・」
クジャがジタンにつかまろうとしたその時。
ガガーーーン!!
ジタン「何!?」
根が二人のとこまで来た。
クジャ「くそっこんな時に・・・」
ジタン「大丈夫・・・兄さんだけはな。」
クジャ「何!?」
ジタン「ミコト!! 兄さんを頼む!!」
ミコトに伝えてジタンは最後の力を振り絞ってクジャに当てた。するとクジャの体が消えかけてきた。
クジャ「ま、待つんだ!!」
ジタン「生きてくれよ・・・」
クジャ「ライフ!! 待て・・・!!」
クジャが消えた。そして根がジタンの所に襲ってきた。
ジタン「・・・さよなら・・・」
ドガガガガーーーン!!
ミコト「兄さん!?」
ダガー「どうしたのミコト!?」
ミコト「に、兄さんが・・・」
ビビ「ジタンがどうしたの!?」
ミコト「クジャ兄さんを頼むって言って・・・そのまま何も・・・」
と、ダガー達の所にクジャが現れた。
ダガー「クジャ!?」
クジャ「こ、ここは・・・?」
ダガー「クジャ教えて!! ライフはどうしたの!?」
クジャ「・・・僕の命を延ばして・・・ここまで飛ばして・・・それからは何も・・・」
ダガー「そ、そんな・・・」
ダガーは絶望して、その場で倒れた。
ダガー(そんな・・・ライフ・・・)
それから、半年ほど経ちました・・・
パック「久しぶりだな、ビビ。」
ビビ「パックも、元気にしてた?」
パック「当たり前よ!! 所で聞いた話し何だけどよ・・・お前エーコって奴知ってるか?」
ビビ「エーコがどうしたの?」
エーコ「呼んだ〜? ビビぃ〜?」
ビビ「あ、エーコ〜」
パック「お前がエーコか。結構チビだな。」
エーコ「む〜あたしはチビじゃない!! あんたがパックね!? ビビの手紙で名前は知ってたけどあんただってガキじゃない!!」
パック「誰がガキだ!?」
ビビ「止めなよ二人とも。」
エーコ「なによぉ〜フィアンセよりこんなガキを庇うの〜!?」
ビビ「そ、そんなこと言ってないじゃないか!!」
パック「ホントにお前ら付き合ってんのか・・・」
シド「フィ、フィアンセじゃと〜!?」
エーコ「あ、お父さんお母さん。」
シド「ビビ!! お前ワシの愛娘エーコと交際してるのか!?」
ビビ「え!? は、はい。」
ヒルダ「いいじゃありませんか。」
シド「いいや!! まだワシは二人の交際を認めた訳ではないぞ!!」
エーコ「いいでしょお父さん!! エーコはビビと結婚するって決めたんだから!! 許してくれなきゃお父さん嫌い!!」
シド「そ、そんな事言わないでくれ!!」
後にイーファの戦乱と呼ばれた戦いが終わり、人々は以前の暮らしを取り戻し始めてきました・・・
フラットレイ「後一ヶ月か。皆と会うのも久しぶりだな。」
フライヤ「ええ、そうですね。」
フラットレイ「やはり人は強いのだな。少し前まで崩壊していたはずなのに。」
フライヤ「王女が王女ですもの。」
フラットレイ「そうだな、英雄だからな。そして私の妻もな。」
フライヤ「い、今なんと!?」
フラットレイ「今日こそ、お前にこれを渡そう。」
フライヤ「フラットレイ様・・・!!」
フラットレイ「・・・愛してるぞ・・・」
フライヤ「私もです・・・!!」
あの戦いで前線で戦った八人は、人々から八英雄と呼ばれるようになり、三つの国も復興へ向けて力を尽くしています・・・
スタイナー「ベアトリクス、本当に行くのか?」
ベアトリクス「はい・・・」
スタイナー「これからはガーネット女王陛下がこの国を収めることになる。我らはその支えとなるべきではないか?」
ベアトリクス「その通りです。しかしあのお方は十分強くなりました。私の使命は・・・終わったのです。」
スタイナー「まだ終わってはいない。お前の使命はこれから始まるのだ。」
ベアトリクス「スタイナー・・・」
スタイナー「安心しろ。お前は自分が守る。たとえ命の変えてもな!!」
ベアトリクス「スタイナー!!」
女兵&プルート隊全員「ヒューヒュー!! おめでとうございます!!」
ベアトリクス「あ、あなた達!!」
スタイナー「き、貴様ら見てたのか!? そこになおれい!!」
色々ありましたが、皆様各々の正しい答えを出したみたいです・・・
サラマンダー「・・・なんで俺について来る?」
ラニ「いいじゃないか。ダンナと一緒にいた方が面白そうだし。」
サラマンダー「けっ・・・」
ラニ「ダンナ待ってよ!!」
そしてこの日はあの時の仲間達が剣の国へ集まるそうで、皆楽しみにしてるようです・・・
クイナ「料理についてはワタシがみっちり教えてやるアルよ!!」
ネリク「や、別に教えてくれとは言ってねぇド。」
クイナ「甘いアル!! お前達に食の道を教えてやるアル!!」
マックス「別にそんなの教えてもらわんでもいいわ。」
クイナ「フヌーーー!! 黙ってついて来るアル!!」
この日は戦乱で中止になった姫様の女王への即位の日。共に戦った皆様にとっても、街の人にとっても、重要な日となるでしょう・・・
バクー「そろそろ剣の国に集まる日だな。」
ブランク「そうだな・・・なぁボス。」
バクー「おおっとそうだ大事な用があったんだ、ちょっとここで待ってろや!!」
ルビィ「ええ!?」
バクー「ガハハハハ!!」
ブランク「・・・な、なぁルビィ・・・」
ルビィ「な、何やの・・・!?」
ブランク「俺ら長いこと一緒にいたけど・・・結構ケンカとかしたよな・・・」
ルビィ「あ、ああ。」
ブランク「でも俺はよ・・・そんなお前が・・・」
ルビィ「ブランク・・・」
でも、この日を楽しみにしていながら、皆心の中ではあることに期待し、不安でしょうがなかったのです・・・
シナ「あ〜あ、ブランクがルビィにプロポーズズラか〜・・・」
バクー「おめぇに女は縁が無いからな。」
シナ「むっ!! タンタラスで次に結婚するのはオイラズラ!!」
バクー「そいつは無理だな。ホレ。」
ミコト「私なんか劇なんて無理よ・・・」
マーカス「初めはみんなそうッスよ。でもそうやって上手くなっていくッスよ。」
ミコト「私でも・・・上手くなれるかな?」
マーカス「俺が保障するッス!!」
ミコト「あなたに保障されてもねぇ〜」
マーカス「ンガッ!! そんな〜・・・」
ミコト「嘘よ、本気にしないで。」
マーカス「あ、そうッスか。よかったぁ〜・・・」
ミコト「フフフ、ありがとう、マーカス。」
マーカス「れ、礼なんてそんな!!」
バクー「なっ?」
シナ「ぐぬ〜・・・エリンちゅぁ〜〜〜〜〜ん!!」
バクー「やかましい!!」
シナ「ズラ〜〜〜〜〜!!」
そう、まだ彼は帰ってきてないのです。あの地で探しても、手がかりはピンク色のバンダナの切れ端のみ。彼の姿はどこにも無かったのです・・・
ダガー「ん〜・・・まだ完全に戻った訳じゃないね。」
コウ「でも前並に長くなったじゃないか、その髪。」
サクラ「そうだよおねえちゃん!!」
ダガー「フフ、ありがとう。コウ、サクラちゃん。」
ヴァニィ「クァ〜」
サクラ「ヴぁにぃもそうっていってるよ!!」
ダガー「ありがとう。ヴァニィ。」
コウ「でも、あいつは来るのかな・・・」
ダガー「・・・絶対に来るわよ。あの人は・・・」
誰もが皆、彼の帰りを待っている。かく言う私もその一人でありますがね。私も信じています。彼が必ず帰ってくることを・・・
ドクトル=トット
トット「ふう・・・やっと着きました・・・やはりコウ君の言葉に甘えてヴァニィに乗せてもらえばよかったですね・・・」
トットは歩いて剣の国にやってきた。そしてそのまま直った城へと向かった。
トット「おお、皆様。私が最後のようですね。」
コウ「どうだろうな・・・」
ビビ「多分最後じゃないと思うな。」
城の前の広場に仲間達全員がそろっていた。
ダガー「トット先生も着いたことだし、行きましょうか。」
コウ「そうだな。」
ブランク「でも何でこんな時間に集まったんだ?」
ルビィ「そうやで。戴冠式まではまだ時間があるで。」
コウ「ある場所に行くからさ。」
ブル「ある場所?」
ダガー「そ、ある場所よ。」
そう言ってドレス姿のダガーはある場所へ来た。そこはブラネの墓であった。
ダガー「お母様、ガーネットは帰って参りました。この世界は平和になったのです。」
そう言って薔薇のリースを置いた。
コウ「俺達はこの平和を少しでも長くあるために頑張ろうぜ。」
ラニ「やっぱあんたが隊長になったら?」
コウ「そういう役職は嫌なんでね。所でフライヤフラットレイ、結婚したって?」
フラットレイ「ああ、この通りな。」
二人の左手薬指には銀色の指輪があった。
スタイナー「お前達もか。」
エーコ「てことはあんた達も?」
ベアトリクス「はい。」
バクー「ってことは新婚さんが三組あるって事か。」
ビビ「三組? ああ、ブランクお兄ちゃんとルビィお姉ちゃんだね?」
ルビィ「ん、まあな。」
マーカス「この半年で三組も結婚するとは・・・」
コウ「でもこのまま行けば後二、三組は数年以内に出るんじゃないか?」
ネリク「確かにラリ。」
マックス「だろうな。」
ラニ「それってあたしとダンナ?」
ミコト「わ、私達は別にそんな・・・!!」
ルビィ「隠しちゃって・・・知ってるんやであんたがマーカスにスカーフプレゼントしたんやろ。」
マーカスは首にピンクのスカーフを巻いていた。
ミコト「だ、だからってそんな・・・」
ルビィ「そう怒んなって。ま、後は分かるやろ。」
エーコ「絶対あたし達は入ってないね・・・」
ビビ「だろうね。」
コウ「後十年待ちな。」
ダガー「そうよ、待つことも大事だわ。」
エーコ「うわぁ〜〜〜・・・滅茶苦茶説得力ある・・・」
コウ「まだいないんだな。」
ダガー「ええ・・・あら?」
ダガーはブラネの墓標の影に何かが置いてあるのに気付いた。
ダガー「これって・・・!!」
ダガーは何かを拾って、すぐに走り出した。
ミコト「どうしたの!?」
コウ「何かを見つけて走り出したよな。」
ビビ「もしかして!!」
ビビも走り出した。
エーコ「どうしたのビビも!?」
ビビ「早くみんなも探して!! まだ近くにいると思うんだ!!」
エーコ「いるって・・・ああ!!」
コウ「そう言う事か!!」
シナ「な、何ズラ!?」
ミコト「行きましょうマーカス!!」
マーカス「うっす!!」
スタイナー「行くぞ!!」
ベアトリクス「はい!!」
フライヤ「私達も!!」
フラットレイ「ああ!!」
クイナ「走るアル!!」
ネリク「だから走るのは!!」
マックス「がたがた言うな!!」
ラニ「あたし達も!!」
サラマンダー「何で俺まで・・・ま、いいけどな。」
ブランク「ルビィ、シナ!! 俺らも行くぜ!!」
ルビィ「あいつがいるんやな!?」
シナ「ええ!? マジズラ!?」
トット以外全員誰かを探し始めた。
トット「どうやら彼がいるようですな、この街に・・・」
エーコ「もう!! どこにいるのよ!!」
ビビ「探せば見つかるさ!!」
コウ「ティルももう見えなくなっちまったし・・・」
コウ「ま、そうだよな。行こうぜみんな!!」
仲間達全員「ああ!!」
そして仲間達はそれぞれ散ってあてもなく探し出した。しかしダガーだけは何かの確信があるのかある場所へ向けて走っていた。
ダガー「あの人が・・・あの人がいる!!」
ダガーはかつてアレクサンダーを召喚したあの祭壇へ目指していた。
ダガー「はぁはぁ・・・」
祭壇に到着したダガーが見たのは・・・
?「い〜のちは〜つづく〜・・・永遠に、その力の限り〜・・・」
ダガー「どこまでもつ〜づく〜・・・」
ジタン「・・・良く分かったな。」
ダガー「歌が聞こえたから・・・」
傷をたくさん負っていたジタンであった。
ダガー「ライフ!!」
ダガーはジタンに抱きついた。よく見るとダガーの手には銀のペンダントがあった。
コウ「いたいた、でもあれは近づかない方がいいな。」
他の仲間達が影から二人を見守っていた。
ダガー「ねえ、どうして助かったの?」
ジタン「助かったんじゃないさ。生きようとしたんだ。いつか帰るところへ帰るために。だから歌ったんだ。あの歌を・・・」
そして二人はまた強く抱き合った。
全ては王女誘拐から始まった・・・しかし青と赤の運命が二人を結びつけ、仲間が集結した。二つの星を巡りしこの物語は、遂にここで幕を閉じるのであった。
FINAL FANTASY \
CRYSTAL MEMORY STORY
第一部 青と赤の物語
END
あ と が き
第一部が完結しました。
最後の回想がトットなのはDISC4で彼何もしてないからです。
そう言えばコウの飛流(ヴァニィ)が鳴いたのこれが始めてかな?
ま、いいか。これからもよろしくっす。