生きとし生ける物の心には必ず闇がある。
その闇があるからこそ互いを憎み、恨み、そしてその命を殺めてしまう。
しかし、心に闇があるからこそ光もある。
その光があるからこそ、互いを思いやり、助け合い、そしてその命を育む。
この物語は光と闇の戦いの中で光として戦った者達の物語である。


FINAL FANTASY \
CRYSTAL MEMORY STORY
第一部 青と赤の物語
第一話 全ての始まり





ガイアと呼ばれるこの星のアレクサンドリアと言う国では、今ある人の16回目の誕生日を祝おうと多くの人で賑っていた。その人の名はガーネット・ティル・アレクサンドロス17世。アレクサンドリアの17代目王女であり、国一の美姫と呼ばれるほど美しい少女である。彼女を祝うためにアレクサンドリアと並ぶ霧の大陸三大国の一つ、リンドブルムからとある劇団がアレクサンドリアに向かっていた。その名はタンタラス、霧の大陸では有名な劇団である。そのタンタラスの中に”彼”はいた 。


劇場艇プリマビスタ内部


劇場艇の明かりがない暗い部屋、そこに一人の少年が眠っている。

少年「セーラ・・・今、行くから・・・」

どうやら少年は夢を見ているらしい。と、その時。

ガチャ

部屋の扉が開いて中に人が入ってきた。

?「なんだよ、まだ寝てんのか?」

声からして男だ。そしてその男が部屋の中央にあるロウソクに火を灯した。部屋が明るくなり、ロウソクの近くに体中傷だらけの男、いや外見からして少年と、部屋の隅に金色の髪をして腰に水色のバンダナをした少年がいた。

傷の少年「ジタン!! もうすぐアレクサンドリアだぞ!!」

金髪の少年「う・・・あ・・・ブランク?」

金髪の少年はジタン、傷だらけの少年はブランクと言うらしい。

ブランク「寝ボケてんじゃねぇ!!しっかりしろ!!」

ブランクに怒鳴られながらジタンは立ち上がった。その瞳は不思議なことに、紫色に輝いていた。

ジタン「分かってるよ。 所でみんなは?」

ジタンが言ったと同時に部屋に頭にバンダナを巻いた少年とトンカチを持った少年に、少し派手な少女が入ってきた。

バンダナの少年「ジタンさん、もうすぐアレクサンドリアッスよ。」

派手な少女「いつまで寝とるんや!!」

ジタン「うっせーな!! 今ブランクに言われたばっかだよ!!マーカス、ルビィ、それとシナ!!」

どうやらバンダナの少年がマーカス、少女がルビィ、トンカチの少年がシナと言うらしい。

シナ「なっオイラは何も言ってないズラ!!」

ジタン「あれ、そう? 所でボスは?」

ブマルシ「さぁ?」

四人の声がそろった。と、その時。

バタン!!

その場の五人「!!」

別の扉から竜の仮面をかぶった男が出てきた。

ジタン「な、なんだぁ!?」

よく見ると男の手には剣が握られていた。

ブランク「こいつ!! やんのか!!」

ブランクが叫んだと同時にジタンが左腰の短剣を、ブランクとマーカスが剣を、ルビィがナイフを持ち、シナがトンカチを握り締め、今にも戦闘開始可能であった。

仮面の男「とう!!」

男がマーカスに剣を振りかざした。

マーカス「なんの!!」

ガチャン!!

男の剣とマーカスの剣が火花を散らした。と、同時にシナが後ろからトンカチを振りかざして。

シナ「喰らうズラ!!」

男にトンカチを叩き付けた。が、男は上手くよけた。

仮面の男「甘いわっと!? どわ!!」

男が何かにつまずいてこけた。よく見ると足元にナイフが刺さっていた。

ルビィ「今や!!」

どうやらナイフはルビィが投げたものらしい。そして他の四人が一斉に仕掛けて来た。

ジブ「このやろ!!」

仮面の男「あぶな!!」

男は上手く避けたが避けた方向にマーカスがいた。

マーカス「はっ!!」

マーカスは斬りかかったが男は剣で防御をとった。しかしマーカスの後ろにシナがいた。

シナ「ぬおーーー!!」

男はとっさに後ろに避けようとした。が。

仮面の男「どりゃーーー!!」

マシ「うわーーー!!」

男は二人を突き飛ばして前に飛んだ。よく見ると男の避けようとした方向にはルビィがナイフを構えていた。

ルビィ「う、嘘ぉ!!」

ルビィが驚いてると男がシナをつかんで。

仮面の男「うらーーー!!」

シナをルビィに投げつけた。

ルビィ「あうっ!!」

シナ「ズラ!!」

思いっきり命中した。

ジタン「喰らえ!!」

ジタンが蹴りにかかった。が。

ブランク「おわぁーーー!?」

ドゴン!!

避けられてブランクにぶつかった。

ブランク「何やってんだ!!」

ジタン「悪ぃ悪ぃ、でもその代わり。」

ジタン以外「?」

ジタンの手にはロープが握っていた。そのロ−プは天井へ伸びていた。

仮面の男「ま、まさか!!」

ジタン「そのまさか、てい!!」

ジタンがロープを引っ張ると天井からやたら物が落ちてきた。

ドゴドゴ!! ガイ〜〜〜ン!!

最後に金ダライが男の頭に当たった。そして仮面が割れて中からひげを蓄えた男の顔が出て来た。

男「ぐはーーー!! 頭が痛えーーー!! 少しは手加減しやがれ!!」

男はタンタラスのボス、バクーだった。

バクー以外「はぁはぁはぁ・・・」

バクー「おめえら、強くなったな。じゃ、会議始めっぞ。」

と言って隣の部屋に入って行った。

ジタン「じゃ、俺らも行くか。」

そう言って五人も入って行った。

部屋に入ってバクーとジタンとマーカスは椅子に座り、ブランクは壁によっかかり、ルビィとシナは箱の上に腰をかけた。

バクー「今日の作戦はアレクサンドリア王女、ガーネット姫をかっさらうことだ。後はシナ、頼んだぞ。」

そう、タンタラスは劇団であると同時に盗賊でもあったのだ。

シナ「オイラ達は大人気の芝居、『君の小鳥になりたい』を演じる。その最中に姫をさらう。頼むズラ、主役のマーカスさん。」

マーカス「分かったッス。でもさらうのはジタンさんとブランク兄キっす。」

ルビィ「しっかりしなさいよ!! 二人とも。」

ブランク「分かってるさ。」

ジタン「任せときな。」

バクー「ようし、じゃあ行くぞ!!」

バクーが言い終わったころにプリマビスタはアレクサンドリアに入港してた。


アレクサンドリア城下町


アレクサンドリアの城下町、ここに二人の少年がいた。少年はとんがり帽子をかぶった金色の瞳の少年と、ネズミの少年だった。

帽子の少年「あれが劇場艇かぁ。」

帽子の少年はプリマビスタを見て感動してるらしい。

ネズミの少年「ビビ、早くしろよ!!」

帽子の少年はビビと言うらしい。そしてネズミの少年は走っていった。

ビビ「あ、パック待ってよ。」

ネズミの少年はパックと言うらしい。そして二人は町の中央にあるチケット場に向かった。どうやら二人はタンタラスの芝居を見に来たらしい。

ビビ「うわっ!!」

ビビがつまずいてこけた。と、近くにいた女の子がビビのチケットを拾ってビビに渡した。

女の子「はい、チケット。」

ビビ「あ、ありがとう。」

女の子「じゃあね。」

そういって女の子は走っていった。そしてビビも中央部に向かって走り出した。

町の中央

町の中央の広場にパックがいた。そして遅れてビビも来た。

パック「おし、じゃあチケット見せるぞ。」

ビビ「うん。」

だが二人の前に一人の青年がいた。そしてチケットを見せていた。

チケット屋「そのチケットはニセモノだな。」

青年「なにぃ!! なけなしの一万ギル払って買った奴だぞ!!」

チケット屋「よく見な。それは『君の子猫になりたい』って書いてあるぞ。」

青年「ほ、ほんとだ・・・がく・・・」

青年は落ち込んでどこかに行ってしまった。

ビパ「ニ、ニセモノ・・・」

二人はチケットを見直した。すると。

ビパ「『君の子猫になりたい』・・・」

二人のもニセモノだった。そして顔を合わせた。

ビビ「どうしよう。」

パック「何か探してくるわ。」

そう言ってパックは走っていった。そしてビビはウロウロしていた。

ビビ「どうしてよう、あ。」

ビビの目の前に縄跳びをしている女の子達がいた。と、飛んでいる女の子から飛びながら。

女の子「君もやってみる?」

とビビに話した。

ビビ「いいの?」

女の子「いいよ!!」

そう言って縄が止まって女の子とビビが交替して、縄が回り始めた。

ビビが飛び始めて五分後、パックが来た。

パック「ビビ、いいものがあったぞ!! ・・・ってなにしてんだ?」

ビ女の子「縄跳び。」

パック「見りゃ分かるよ。」

パックはあきれた。そして縄も止まった。

ビビ「それじゃあね。」

女の子「じゃあまたね。」

二人は手を振った。そしてビビとパックはどこかに向かった。二人が来たところにはハシゴがあった。

ビビ「パック、まさか・・・」

パック「そう。だからそっち見張ってろ。」

ビビは今来た方向を、パックは反対側を見張った。

パック「どうだ、来る気配あるか?」

ビビ「無いと思う。」

パック「じゃ、やるぞ。」

そう言うとパックはハシゴを持った。

パック「行くぞ。」

ビビ「うん。」

二人は足早にその場を去った。が

?「待った。」

ビパ「!!」

?「お前ら城に忍び込むつもりだろ。」

後ろから男の声が聞こえる。

ビビ「どうしよう。」

パック「どうしようって。」

二人は顔を合わせていた。が。

?「俺も連れてけ。」

ビパ「?」

意外な言葉に顔を合わせる二人。振り向くとさっきの青年がいた。

青年「頼む、俺も見たいんだ。」

青年の一言にまた顔を合わせる二人。そして。

ビパ「いいけど・・・」

青年「よし、行こう。」

そう言って二人より先に歩き出した。

ビパ「あ、ちょっと!!」

二人も走り出した。そして三人は屋根の上に向かった。で、ビビは震えていた。

パック「ビビ、大丈夫か?」

ビビ「う、うん。」

青年「で、どうする。」

と言うとパックが。

パック「向こうに屋根と城壁が近いとこがあるんだ。そこにこれを渡す。」

ビビ「で中に入る?」

パック「そ、じゃ行くぞ。」

そして三人は走り出した。



アレクサンドリア城内



アレクサンドリアの城内、とある一室に一人の少女がいた。その瞳は宝石のガーネットのように赤い色をしている。

少女「劇団が来たの・・・彼もいるのかしら?」

と、その時一人の女性が入ってきた。

女性「ガーネット様。もうすぐ始まります。」

少女「あ、ベアトリクス。分かりました。」

そう、この少女がガーネット姫で、女性が霧の大陸一といわれる女将軍ベアトリクスである。

ベアトリクス「? どうかなさいましたか?」

ガーネット「あ、いえ、なにも。」

ベアトリクス「それでは。」

そしてベアトリクスは部屋から出て行った。ガーネットは夕暮れの空を見つめ。

ガーネット「今夜しかないわ。」

と、つぶやいた。そして悲しげな顔をして下を向き。

ガーネット「ライフ・・・あなたに会いたい・・・」

とまたつぶやいた。




誘拐をたくらむジタン、城へ忍び込もうとするビビ、なにかを企んでいるガーネット、この三者がそろった時、この物語の歯車は動き出す。



続く












あ と が き
僕の最初の作品です。今のに比べたら全然ヘタレですね。
最初の頃はどのくらいの長さがいいか分からず短めに作ってました。
まあ気付いているかと思いますが若干変わっている所もありますね。
まだどっかおかしくなってる場所があるかもしれませんが気にせんといてください。
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