第十話

赤き悪魔





突如エルピスを襲う謎の敵。優真の記憶にあるその敵とは。


しいな「うわっ何だいありゃ?」

一足先に来たしいなとユフィは迫っている物体を見て言葉を詰まらせた。

ユフィ「あまり気味のいいのじゃ無いね・・・」

クロノ「しいな、ユフィ!!」

その時クロノ達とブリット達が来た。
その内シャマルは白いボディの機体に、タスクは大型の機体に乗っていた。

ユフィ「一体何なのさ? 見た事無いよ?」

クロノ「分かれば苦労などしない。未確認の物体だ。」

タスク「で、どうすんのよ。数多いぜ?」

タスクが言うとおりその物体は数が多かった。

クロノ「無論殲滅する。だがこれだけとは思えないからな・・・なのは、フェイト、はやて。」

なのは「はい!!」

クロノ「君達は何かがあってもいいようにフレームを装備して待機していてくれ。その後は個人の判断に任せる。」

はやて「了解や。」

クロノ「シグナムとシャマルはそれぞれ数小隊ずつ率いろ。しいなとユフィは僕に続け。ブリット、ユウ、タスクはそれぞれ自分の判断に任せる。」

全員「了解!!」

「待ったぁーーー!!」

クロノ「ん?」

その時五機の小型機がクロノ達の所に向かってきた。
五機はそれぞれ色が違い、武装も少々違っていた。

なのは「SOS団の皆さん、来たんですか。」

その五機はSOS団の五人の機体だった。

キョン「厄介になってるんだ。これくらいはしなきゃな。」

ハルヒ「だから私達は私達で行動するからね。」

クロノ「分かった。それじゃあ攻撃開始だ!!」

そして全員それぞれの行動に入った。

ハルヒ「じゃ、みくるちゃん。一発やっちゃって!!」

みくる「は、はい!!」

ハルヒの命令でみくるは機体の右背部にあった二つ折りの大型の方を前方に伸ばした。

みくる「いきま〜〜〜す!!」

みくるはその砲から高出力のビームを放った。
ビームは接近していた物体一体を貫き、物体は崩れ去った。

クロノ「どうやらこちらの兵器は効く様だな。それなら問題は無い!!」

敵に攻撃が効く事が分かるとクロノはエクサランスのディストラクション・ライフルを連発し、一機倒した。
しかしそれに反応したのかその物体が体から岩の塊を数個発生させてクロノやSOS団達に向けて放った。

しいな「やっぱり攻撃手段持ってたんだね。このっ!!」

ユフィ「それっ!!」

しいなが持っていたフォトン・ライフルを、ユフィが変形したラプター下部のキャノンで岩つぶてを撃ち落した。

シグナム「私に続け、行くぞ!!」

シャマル「行きます!!」

シグナムとシャマルはそれぞれ率いていたAM(アーマード・モジュール)のリオン六機と共にその物体に接近した。

????「ガアァァァ!!」

その接近に反応したのか、その物体が突然衝撃を伴ったおたけびをシグナム達の部隊に放った。

シグナム「回避しろ!!」

急激に接近していたシグナム達は緊急回避をしたが、リオン二機が回避出来ずにおたけびの衝撃波にダメージを受けた。

シャマル「ダメージを受けた機体は無理をしないで後退を!!」

兵士「りょ、了解!!」

シャマルの命令でダメージを受けた二機は後退した。

シャマル「あなた達にやらせはしません!!」

シグナム「喰らえ!!」

シャマルは右腕についていた砲からビームを放ち、シグナムは持っていたレーザーガンを放った。
しかし相手は防御力が高いらしく、あまりダメージにはならなかった。

クロノ「奴らは頑丈なようだな。だが攻撃は通じる。一気に叩く!!」

ブリット「それならこれを喰らえぇ!!」

ブリットは参式の背部にあったドリルを両腕にセットした。

ブリット「ドリルブーストナッコォ!!」

????「ガオオォォォォ!!」

ブリットの攻撃は敵二機の腹部に風穴を開けて倒した。

有希「ターゲットロック・・・キャノン砲、発射。」

そして有希は機体背部から伸びている二門のキャノン砲を放ち一機倒した。

タスク「この調子なら何とかなりそうだな。」

ユウキ「そうだといいがな・・・」

タスク「どうしたんだよ?」

ユウキ「いや・・・」

その時ユウキは感じていた。
この戦場に漂う謎の気配を・・・


ハガネ格納庫


隆士「そう言えばさ。」

あかり「何ですか?」

隆士「あの敵が出てから、優真君のちょっと様子おかしいよね。」

のび太「そう言えば・・・何か知っている風だったけど・・・」

静香「あら? のび太さん。」

のび太「え?」

その時のび太はヴォルレントの下の所にすずがいるのに気付いた。

のび太「どうしたのすずちゃん。」

すず「お願いです。私を乗せてください。」

のび太「え?」

すず「しいな姉さんが戦っている・・・だから私も戦いたいんです。」

のび太「だけど・・・」

すず「のび太さん・・・お願いです・・・」

のび太「すずちゃん・・・分かった。静香ちゃんはいいよね?」

静香「えぇ。」

すずの頼みにのび太は賛成し、静香を下に降ろした。

静香「頑張ってね。」

すず「はい。」

そして代わりにすずがヴォルレントのコックピットに入った。

のび太「だけど、僕達に出撃があるかどうかだね・・・」

あかり「そうだね。」

隆士「出来れば無い方がいいんだけど・・・」









エイミィ「敵部隊壊滅、街への被害はありません。」

その頃、戦闘は終わっていた。

リンディ「そうですか。しかし何が起こるか分かりません。警戒は怠らないように。」

エイミィ「了解。」

しかしリンディが指令を出したその時だった。
司令部に突如警報が鳴り響いた。

リンディ「何事です!?」

エイミィ「確認します!!」

エイミィはすぐに確認を取った。その結果は意外な物だった。

エイミィ「て、提督!! 先ほどの部隊が・・・今度はエルピス領全域に現れています!!」

リンディ「な、何ですって!?」









ユウキ「やはりこう言う事か!!」

クロノ「迂闊だった・・・隊を分散する!! シグナム、シャマルはハガネの方を、しいな、ユフィはJフリートの方を、SOS団は市街地へ!!」

シグナム「了解!!」

ハルヒ「分かったわ!!」

命令でそれぞれの場所に向かった。

クロノ「ブリット、タスク、ユウは僕についてきてくれ。恐らく司令部にも向かっているかもしれない。」

ブリット「了解!!」

クロノ「なのは、フェイト、はやて。準備は出来ているか?」

なのは(出来ているよ。クロノ君。)

クロノ「君達も工場周辺を。そして出せるだけの部隊を出すんだ!!」

はやて(了解や!!)

クロノ「絶対にエルピスをやらせるわけには・・・」

「あらあら。はりきっているわね。」

何者かから突如女の声の通信が入った。

クロノ「誰だ!?」

クロノが叫ぶと突然赤い謎の機体が現れた。

クロノ「何者だお前は!! こいつらの指揮か!?」

?「まぁそうね。それにしてもアレだけのデモンゴーレムをこんな短時間で倒すなんて、やるじゃない。」

タスク「声からして美人何だろうけど、俺の好みじゃ無さそうだな。」

ブリット「そんな事を言ってる場合か!!」

?「あらあらお若いのね坊や達。」

ブリット「う、うるさい!!」

クロノ「お前達の目的は何だ!!」

?「ヴォルクルス様を復活させる事よ。それ以外に何があって?」

ユウキ「ヴォルクルス・・・だと・・・?」


ハガネ格納庫


浩之「な、なぁアイツ今ヴォルクルスって言わなかったか?」

雅史「言ったよね・・・」

優真「あ、アイツは・・・」

ジョニー「ん? どうした?」

赤い機体が現れた途端、優真の様子がおかしくなっていた。

優真「いけない・・・行かなくちゃ!!」

優真はサイバスターの所へ走り出した。

ジョニー「お、おい!!」

優真「シロ、クロ!! サイバスターは行ける!?」

クロ「いつでも行けるニャ!!」

優真はすぐにサイバスターに乗り込んだ。

優真「サイバスターが目覚めたんだ・・・奴らが目覚めていてもおかしくない・・・!!」

シロ「やっぱり優真も知ってたニャか。」

優真「うん・・・多分マサキの記憶だと思うけど・・・ブリッジ!!」

和哉(何だ優真。)

優真「出撃します!! ハッチを開けてください!!」

和哉(何!? だがあっちからは・・・)

優真「開けて和哉兄さん!! 開けなかったらこじ開けてでも僕は行く!!」

和哉(わ、分かったよ!!)

優真「天城優真、サイバスター。出ます!!」

そして優真は出撃した。

隆士「優真君が出撃した? なら僕達も!!」

のび太「はい!!」

あかり「うん!!」

隆士はエールパックを、あかりはM950マシンガンを一丁、のび太は専用に作られたビームライフルを装備し三人も出撃した。

優真「急がなきゃ・・・奴らが既に動き出したんだ・・・」

何かを呟きながら優真は赤い機体の所に向かって行った。









タスク「うぉあっ!!」

その頃クロノ達は赤い機体と戦っていた。

ユウキ「大丈夫か!?」

タスク「へっガンドロの頑丈さはそんじょそこらの機体とは一味違うぜ。」

?「あら? その機体ガンドロって言うの?ダサいわね〜」

タスク「ちげぇよ!! 正式名ジガンスクード・ドゥロ。略してガンドロだ。」

?「そう?でもあなた達にはここで死んでもらわなくちゃね。」

そう言って赤い機体から強力な光線が放たれた。

ブリット「タスク!!」

タスク「だ〜い丈夫!! ガンドロなら!!」

赤い機体の光線はジガンスクードの周辺で突如消滅した。

?「あら、バリアでもあるのかしら?」

タスク「コレがグラビティ・ウォールだ。ちょっとやそっとの攻撃なら防げるぜ。」

?「あらそう? 結構様変わりしたのね。この世界も。」

ブリット「何をわけの分からない事を!! 喰らえ!!」

タスク「ついでももういっちょ!!」

参式とジガンスクードの胸部にエネルギーが集まった。

ブリット「オメガ・ブラスター!!」

タスク「焼き尽くせ!! ギガ・ワイドブラスター!!」

そして同時に強力な光線を赤い機体に放った。

?「あらん、その程度じゃ甘いわよ。」

二人の攻撃は難なくかわされてしまった。

?「あなた達相手じゃつまらないわ。もっとこう、刺激のある相手が・・・」

「それなら僕が相手だ!!」

?「何!?」

その時赤い機体に二発のミサイルが迫っていた。

?「くっ!!」

赤い機体はミサイルをかわしたが、すぐに何かが迫っていた。

優真「うぉーーーー!!」

それはサイバスターに乗った優真であった。

?「サイバスター!?」

優真「てやぁっ!!」

?「くっ!!」

優真がディスカッターで切りかかったが赤い機体も剣で受け止めた。

?「まさかとは思っていたけど、やっぱり目覚めてたのね。」

優真「そう言うお前もね・・・紅蓮のサフィーネ!!」

サフィーネ「ふぅん。マサキに似ている感じはするけど、ちょっと違うわね。坊や、名前は?」

優真「マサキの意思を継ぐ者・・・現サイバスター操者、天城優真だ!!」

サフィーネ「優真ね。覚えておくわ。」

優真「皆さん!! ここは僕が引き受けます!! 他をお願いします!!」

ユウキ「大丈夫なのか?」

優真「はい!!」

クロノ「致し方あるまい。エイミィ、奴らは?」

エイミィ(司令部の近くにはいないけど、徐々に増えてきているわ。また領内に接近する数もね。)

クロノ「よし、僕らはそいつらの相手をする。」

優真「こっちからも一人連れてって。のび太君!!」

のび太「うん!!」

優真「あかりさんは市街地を、隆士さんとのび太君はハガネ周辺をお願いします!!」

あかり「分かったよ!!」

隆士「了解!!」

のび太「うん!!」

優真「やらせはしない。お前達には!!」

サフィーネ「一人で大丈夫なの? 坊や。」

優真「今お前のウィゾール・・・いや今はウィゾール改と言うべきか。相手に出来るのは僕くらいだろうからね。」

サフィーネ「確かにそうね。それじゃ、始めましょうか。」

優真「行くぞっ!!」

そしてそれぞれ行動を開始した。



市街地



キョン「ちっ、キリが無いな・・・」

その頃市街地に現れたデモンゴーレムをSOS団の五人が相手をしていた。

ハルヒ「何弱気になってんのよ!!」

みくる「頑張りましょう、キョン君。」

キョン「あぁ。分かっているさ。」

ハルヒ「てことで、一気に行くわよ!!」

ハルヒはデモンゴーレムに突っ込んだ。

ハルヒ「行けぇーーー!!」

デモンゴーレム「ガァァァァ!!」

ハルヒ機の周囲に発生したバリアのような物でデモンゴーレムに突進し倒した。

ハルヒ「どうよ?」

キョン「あっ!! おい!!」

その時キョンはハルヒの後ろにもう一体デモンゴーレムがいるのに気付いた。

キョン「うぉーーーー!!」

キョンも機体のブースターを最大にまで上げてそのデモンゴーレムに突進して突き飛ばした。
その動きは電光石火の如く一瞬の動きだった。

キョン「古泉!!」

一樹「分かっていますよ。」

突き飛ばしたデモンゴーレムに上から一樹が機体と同じくらいある大型のランスで突き刺した。

キョン「ったく、油断するなよ。元々お前のエステバリスは一撃必殺タイプだろうがよ。敵を残してどうするんだよ。」

ハルヒ「うるさいわね一々。そう言うアンタは防御力と一瞬の突進力しか脳の無い機体じゃない。」

一樹「と、言うよりも。僕らのエステバリスは一点強化で互いに互いの弱点を補っているんじゃないですか。」

キョン「あぁ。防御特化の俺。攻撃特化のハルヒ。機動性特化の古泉。支援特化の有希。そして情報戦特化の朝比奈さんだからな。」

一樹「つまり、僕らのコンビネーション次第で倒せない敵も倒せるって事。」

有希「その逆もしかりよ。敵はどうなの?」

みくる「えっと、このブロックの敵は今ので終わりです。残るブロックは三つです。」

ハルヒ「了解よ。一つ一つ潰していくわ。」

みくる「潰していくって表現は・・・あら?」

有希「どうかしたの?」

みくる「反応が、何かこっちに来ます。数は一。」

キョン「敵か?」

みくる「いえ、識別コードはハガネ。PT、量産型のヒュッケバインです。」

その場にあかりが到着した。

あかり「この辺りに敵はもういないんですか?」

キョン「あぁ。残るは三ブロックだけだ。」

あかり「私も手伝います。」

ハルヒ「そう。それじゃあ誰か二人はその子と一緒に。」

一樹「でしたら僕が行きます。」

みくる「私も。」

キョン「頼むぞ。古泉、朝比奈さん。」

みくる「はい!!」

ハルヒ「それぞれ片付けたら三つ目のブロックへ集合、一気に叩くわよ!!」

一樹「了解。」

ハルヒ「それじゃ散開!!」

ハルヒの命令でそれぞれ別のブロックへ目指した。



工場



なのは「やらせはしないよ!! フェイトちゃん、はやてちゃん!!」

フェイト「うん。」

はやて「勿論や。ヴィータ、サポート頼むな。」

ヴィータ「当たり前!!」

工場にいたなのは達は、なのはは紫色の飛行しているフレーム、フェイトが赤色の右腕が大きなクラッシャーのフレーム、はやてが緑色の砲のついたフレームを装備していた。

フェイト「あの敵は装甲が硬いらしいから、気をつけて行こう!!」

なのは「うん!! フォーメーションはフェイトちゃんがフォワード、私とはやてちゃんでバックスを!!」

フェイト「分かった!!」

なのはの号令でフェイトが突撃し、続けてなのはが後を追いはやてが装備していたビームガトリングで援護をした。
しかしそれに反応してか、一体のデモンゴーレムがフェイト機に向けて石つぶてを放った。

なのは「危ない!!」

なのはがとっさに反応し、装備していた二丁の銃で石つぶてを撃ち落した。

フェイト「ありがとうなのは!! はぁーーーー!!」

フェイトはそのままそのデモンゴーレムに接近し、右腕のクラッシャーで胴体を貫いた。

はやて「それにしても、何なんやろうな。」

ヴィータ「はやて!! 右から二体接近してる!!」

はやて「何やて!?」

見るとデモンゴーレムが二体はやて機に向かっていた。

はやて「やらせはせんで!!」

反応が早く、はやてはガトリングを掃射して倒した。

なのは「数が多いからこのままじゃ危ないかも・・・」

シャマル「弱音を吐いちゃ駄目です!!」

その時シグナムとシャマルが近づいてきた。

はやて「どないしたんや二人とも。ハガネの所におったんや?」

シャマル「白鳥君が戻ってきて私達ははやてちゃん達の所をって。」

なのは「そうだったんですか。」

シグナム「しかしこの状況・・・倒しても倒してもきりが無い・・・」

なのは「何とかしなくちゃ・・・何とか・・・」



ハガネ周辺



隆士「くっ!!」

隆士はハガネに向けられていた石つぶてをシールドで防御したがデモンゴーレムの進行は止まらなかった。

隆士「ちょっとかっこつけてみたけど、やっぱり厳しいかな・・・」

のび太「あまり無茶はしたくないけど、難しいかな・・・?」

のび太はビームライフルを連射して一体一体慎重に倒していった。

隆士「何としてでもハガネは守るんだ!!」

隆士もビームライフルを連射させて接近してるデモンゴーレムを倒していった。
しかし。

のび太「隆士さん後ろ!!」

隆士「え? うわっ!!」

隆士は後ろに近づいていたデモンゴーレムに気付かずに体当たりを食らってしまった。
そして追い討ちをかけるようにその腕を振り上げた。

隆士「ま、まずい!!」

のび太「隆士さん!! くそっ邪魔をするな!!」

のび太は隆士を助けようとしたがデモンゴーレムに囲まれていた。

のび太「このっ!!」

隆士を助けようと左腕に装備されている盾のようなものからエネルギー状のソードを発生させて切り倒して行ったが数はあまり減らなかった。

隆士「やられる・・・!!」

隆士はシールドを前に出して防御した。
その時だった。

「退けろ白鳥!!」

隆士「!!」

通信が入り上から高出力のビームがデモンゴーレムを襲った。

隆士「つっ!! 今のはスキュラ・・・?」

すぐに上空からMSが、イージスが降りてきた。

隆士「翼君・・・」

翼「助けたわけじゃねぇ。こいつらは共通の敵だった。それだけだ。」

隆士「・・・ありがとう。」

翼「一気に叩く!!」

隆士「うん!!」

のび太「友達・・・のようだね。」

すず「ですね。そう言えば姉さんは・・・」

のび太「分かってるよ。行こう。」

そしてのび太はしいな達がいる方へ向かった。



ボズゴロフ級周辺



しいな「くっ!! ユフィ大丈夫かい!?」

ユフィ「何とかね・・・!!」

ボズゴロフ級の近くで戦っていたしいなはフォトン・ライフルの代わりにショットガンを装備し、ユフィは変形して地上で高出力のビームライフルで戦っていた。

しいな「全く・・・Jフリートの方も手伝ってくれるのは嬉しいけど、硬いんだよ!!」

Jフリートからもジンが数機出撃しているが、苦戦していた。

ユフィ「ほんっと・・・しいな後ろ!!」

しいな「何っ!?」

しいなが後ろを見るとデモンゴーレムが殴りかかろうとしていた。

しいな「なめんじゃ無いよ!!」

とっさにショットガンをデモンゴーレムの頭部に突きつけて発射して倒した。
しかしそれで隙が出来てしまった。

しいな「今度はこっちかい!!」

また迫っていたデモンゴーレムにショットガンを向けようとしたがそれより先にデモンゴーレムにショットガンを破壊されてしまった。

ユフィ「しいな!! このぉ!!」

ユフィはビームライフルをデモンゴーレムに向けた。
だがその時だった。

デモンゴーレム「ガァァッ!!」

ユフィ「え?」

別方向からビームが放たれ、そのデモンゴーレムの頭部を貫いた。

しいな「今のは・・・」

すず「しいな姉さん!!」

しいな「す、すず!?」

しいなのビルトシュバインの元にヴォルレントが来た。
先ほどのビームはヴォルレントの放ったビームだった。

しいな「どうしてここに・・・?」

すず「姉さんの力になりたかった・・・」

しいな「すず・・・ありがと。」

のび太「まだ敵が来ます!! しいなさん大丈夫ですか!?」

しいな「大丈夫!! まだまだやれるサ!!」

そう言うとしいなは一体のデモンゴーレムに向かい、左腕に装備された兵器を起動させた。
その兵器の周囲に円形のビームの刃が発生した。

しいな「喰らいな!! サークルザンバー!!」

しいなは兵器、サークルザンバーでデモンゴーレムを切り裂いた。

ユフィ「アタシも!! そこっ!!」

ユフィもビームライフルを連発し、二体のデモンゴーレムを倒した。

のび太「まだまだ大丈夫・・・ここをやらせはしないんだ!!」






タスク「どりゃぁっ!!」

ブリット「でやぁっ!!」

エルピス領に接近しつつある部隊に向かったクロノ達も全力で戦っていた。
しかしその数はまだ殲滅には遠かった。

クロノ「このままでは埒が開かない・・・提督!!」

リンディ(何かしらクロノ?)

クロノ「デバイスの使用許可を、こうなったら短時間で一気に片をつけるしかない!!」

リンディ(それは構いません。しかしあなた達の体が・・・)

クロノ「すぐに済ませる!! 許可を!!」

リンディ(クロノ・・・)

クロノ「信じてください。母さん。」

リンディ(・・・分かりました。デバイス使用を認めます!!)

クロノ「了解!! なのは、フェイト、はやて、シグナム、シャマル!! デバイス使用許可がおりたぞ!!」

なのは(本当!?)

フェイト(デバイスを?)

クロノ「長時間の使用には気をつけるんだぞ!!」

シグナム(了解!!)

はやて(了解や!!)

シャマル(了解です!!)

タスク「ジョーカー出してきたな。本当は使う気無かったんだろ?」

クロノ「状況が状況だ。已むを得まい。」

クロノがコクピット内のコンピューターに『Durandal』と打ち込んだ。
その時カードか何かを入れるようなスリットが出てきた。

クロノ「現段階では五分が限界だろう・・・」

クロノはスリットが出たのを確認すると一枚のカードを取り出した。

クロノ「だが、それでもやるしかない!!」

クロノはカードをスリットに入れた。
その時エクサランスのメインカメラ、目が光った。

クロノ「行くぞ!!」

カードを入れた瞬間、クロノのエクサランスの動きが俊敏に動き出した。

クロノ「うおぉぉぉ!!」

プラズマのソードを取り出しデモンゴーレムの群れに向かうクロノのエクサランス。
その速さは残像が残るほどだった。

クロノ「はあっ!!」

恐るべきスピードでクロノは三体のデモンゴーレムを切り倒し、続けてライフルを別のデモンゴーレムの群れに向けた。

クロノ「MAXモード、ファイア!!」

ライフルのMAXモードをその群れに放ち全て倒した。

ユウキ「クロノに続くぞ!!」

ブリット「あぁ!!」

タスク「おう!!」

クロノに続いてユウキがラーズアングリフの右肩にあった砲を展開し、タスクとブリットが突撃した。

ユウキ「ターゲットロック・・・ファイナルソリッドカノン、発射!!」

タスク「どりゃあぁーーー!!」

ブリット「シシオウブレード!!」

ユウキがFソリッドカノンを放ち、タスクが両腕の巨大なアンカーを飛ばし、ブリットが巨大な刀で切りかかった。
それぞれが強大な威力だったらしく一気にデモンゴーレムの数が減った。

ブリット「まだまだここからだ!!」





なのは「フェイトちゃん、はやてちゃん。私達も!!」

フェイト「うん。」

はやて「えぇで、なのはちゃん。」

なのはの一言を筆頭に、なのはが『Raising Heart』と、フェイトが『Bardiche』、はやての変わりにヴィータが『Reinforce』と打ち込んだ。
クロノ同様何かをセット出来る様な装置が出てきたが、三機とも違っていた。
なのは機は小さな円系の窪み、フェイト機は三角形の型、はやて機は剣十字の型だった。

なのは「宇宙戦使用でも・・・やれるだけの事は!!」

フェイト「ここを守る為に・・・!!」

はやて「迷惑はかけれへん・・・行くで!!」

なのはが小さな赤い珠を、フェイトが三角形の宝石を、はやてが剣十字の飾りをそれぞれはめ込んだ。
クロノ機同様メインカメラが光り、それぞれ先ほどとは動きが変わっていた。

はやて「ヴィータ、一斉放火や!! えぇな!?」

ヴィータ「勿論!!」

はやて「いっけぇーーー!!」

はやてはガトリング、ミサイル、そして肩部のプラズマカノンを一斉に放ち、一気に大量のデモンゴーレムを倒した。

フェイト「リミッター解除・・・行くよ!!」

フェイトは右腕のクラッシャーを展開させて一体のデモンゴーレムに突撃した。
それに反応し、他のデモンゴーレムがフェイトに向かってきた。

なのは「やらせないよ!! これでっ!!」

なのはが操作すると機体から数体の小型機が射出され、舞うようにフェイトに接近していたデモンゴーレムを撃ち落とした。

フェイト「なのはありがとう!! はぁーーーーー!!」

デモンゴーレム「ガァァァァ!!」

なのはの援護を受け、そのままフェイトはそのデモンゴーレムをクラッシャーで貫き砕いた。

シグナム「我らも行くぞ!!」

シャマル「はい!!」

シグナムは『Laevatein』、シャマルは『Klarwind』と打ち、シグナムには小さな剣の型、シャマルは指輪と同じくらいのリングの型が出てきた。

シグナム「これで、出し惜しみは無しだ!!」

シャマル「全力で行きます!!」

そして二人とも小さな剣の飾りと指輪のようなリングを型にはめ込んだ。

シグナム「うおぉーーーー!!」

シグナムは機体の速度を最大まで上げて飛び、上空からレーザーガンで数体のデモンゴーレムを打ち抜いた。

シャマル「私も!!」

シャマルもホバー走行で突撃した。
その時近くにいたデモンゴーレムが石つぶてをシャマルの機体に向けて放った。

シャマル「その程度の攻撃!!」

石つぶてをシャマルは機体の運動性を生かしてかわし、更にそのデモンゴーレムに接近した。

デモンゴーレム「ガァ!!」

シャマルの急接近にそのデモンゴーレムは殴りかかった。

シャマル「甘いです!!」

デモンゴーレムの攻撃をシャマルは盾で受け止めた。

シャマル「そこっ!!」

デモンゴーレム「ガッ!!」

受け止めた直後、シャマルはデモンゴーレムの腕を払い、喉元に盾を突き刺して倒した。

なのは「もう少し・・・みんな、頑張ろう!!」





ハルヒ「ラスト1!! みくるちゃん達は!?」

SOS団も残る市街地のブロックが一つとなり、そこに向かっていた。

キョン「ちょうど来たぞ!!」

みくる「皆さん!!」

最後のブロック手前でハルヒ達の所にあかり達が合流してきた。

あかり「後はここだけ!! どうするの!?」

有希「敵機数六、フォーメーションで何とかなるわ。」

一樹「そうですね。見せてやりましょう。」

ハルヒ「よぉし!! んじゃあアンタは見ていなさい!!」

あかり「え? えぇ!?」

キョン「行くぞみんな!!」

ハルヒ「アンタが命令するんじゃない!!」

言い争いをしながらも一樹、ハルヒ、キョンの順に群れに突撃し。
みくるはビーム砲を展開させ、有希は両腕に装備のガトリング、キャノン砲、腰部のレールガン、肩部のホーミングミサイル、脚部のマイクロミサイルを発射状態にした。

有希「一斉放火。」

みくる「い、行きま〜す!!」

有希は全武装を一斉に発射し、みくるは何度もビームを放った。
その弾幕は凄まじく、二体のデモンゴーレムが倒れた。

一樹「一撃離脱戦法、させてもらいますね。」

一樹はその放火の中を先頭で突撃し、ランスで一体のデモンゴーレムを貫いたと同時に離脱した。

キョン「ラスト3!! 遅れんなよハルヒ!!」

ハルヒ「アンタもね、キョン!!」

そしてキョンがタックル、ハルヒが腕部にフィールドを集中させてのパンチで一体ずつ倒した。

ハルヒ「これでっ!!」

キョン「トドメっ!!」

キョン&ハルヒ「だあぁぁぁーーー!!」

最後の一機にキョンはフィールドを集中させたパンチを、ハルヒはフィールドを集中させたキックを同時に打ち込んで倒した。

あかり「す、凄い・・・」

ハルヒ「フォーメーションは成功ね!!」

キョン「だな。これからどうする?」

ハルヒ「まだ残っている所に向かうわ。アンタはどうするの?」

あかり「え? 私? じゃあ私もついて行くよ。」

ハルヒ「OK。行くわよ!!」

キョン「あぁ!!」





サフィーネ「あらあら。何だか気合が入っちゃったみたいね。」

優真「それはそうさ。お前達なんかにやられるような人達ではないよ。」

サフィーネ「優しいイメージで結構毒吐くのね〜でも、嫌いじゃないわ。あなたのようなタイプ。」

優真「嬉しいですが、僕はお前のような女性は好みじゃないんです。」

サフィーネ「言ってくれるじゃないの坊や。それじゃ、ちょっとは本気出そうかしら?」

優真「言ってくれますね。」

サフィーネ「ほーら、靴をお舐め。」

サフィーネは光線、ドライシュトラールをサイバスターに向けて放った。

優真「その程度、当たりはしない!!」

優真は回避し、そのままウィゾール改に斬りかかった。

サフィーネ「まだまだ甘いわね坊や。」

優真「何っ!?」

接近した優真はサイバスターにアカシックバスターとは逆さの魔方陣が纏っている事に気づいた。

サフィーネ「エレメンタルフュージョン、喰らいなさい。」

優真「しまっ!!」

サフィーネ「いけない子ねぇ。おしおきよっ!!」

サイバスターに纏っていた魔方陣が爆発し、サイバスターは爆煙に飲み込まれた。

サフィーネ「おーほほほほほほ!!」

サフィーネの高笑いがエルピスの上空で響いた。
だが。

優真「まだだ!!」

サフィーネ「何っ!?」

ダメージは受けていた物の、サイバスターは健在だった。
そしてディスカッターを構え、アカシックバスター発射体制を取っていた。

優真「肉を切らせて骨を断つ・・・直りたて早々また傷つけたけど・・・ごめんね!!」

サイバスターに謝りながらも優真はウィゾール改にアカシックバスターを放った。
放たれた不死鳥は一直線にウィゾール改を直撃した。

サフィーネ「あぁん!! やるじゃないの・・・」

優真「そのダメージだ・・・もう戦闘は無理だよね・・・?」

サフィーネ「それはお互い様でしょ? 見逃してくれるのかしら?」

優真「今回限りね・・・戻ったら『彼』に言っておくんだ。」

サフィーネ「何を?」

優真「ヴォルクルスの復活はさせやしない。必ず僕とサイバスターで止めてみせるってね。」

サフィーネ「分かった。ちゃんと伝えておくわ。新たな操者さん。じゃ、またね。」

そう言い残し、サフィーネはどこかへ去った。

優真「・・・恐らく、その内来るだろうな・・・シュウ・・・」







リンディ「支援ありがとうございます。」

和哉「いえ、こちらはただパイロットが勝手に出ただけですので。」

戦闘後、リンディと和哉、そして一部のパイロットが会見していた。

クロノ「結局あの敵は何だったのか・・・」

和哉「それに関して、優真が知っているようです。優真。」

優真「はい・・・」

クロノ「君はあのパイロットを知っているようだったが。」

優真「正式にはマサキの記憶がですけど。あれは紅蓮のサフィーネ、ヴォルクルスの復活を企んでいる者の一人です。」

リンディ「ヴォルスルク?」

フェイト「ヴォルクルスだよ、母さん・・・」

リンディ「ん・・・それで、それは一体?」

優真「はい・・・」

優真はヴォルクルスに関して知る限りの事を話した。

クロノ「そう言う奴らがいる何てな・・・」

和哉「我らはその事を知っている。Jフリート、宇宙怪獣、バイストン・ウェルのドレイク軍、そしてヴォルクルスの復活を目論む者。それら全てと戦う事になるでしょう。」

リンディ「そうですね・・・でしたらこちらからも協力をします。」

和哉「え?」

リンディ「なのはさんとフェイトをあなた達の部隊にしばし預けます。」

なのは「リンディさん!?」

フェイト「母さん。でも私は・・・」

和哉「しかし我らだけにそのような事をしては・・・」

リンディ「いえ、実はJフリートの方が先ほどの戦闘による消耗が激しいのでその分の補給をしたんです。」

素子「つまり私達への補給代わりと言う事ね。」

リンディ「はい。申し訳ありませんが・・・その代わり、G・Bに関わる事には二人を戦わせないでください。」

和哉「分かりました。お二人をしばし預かります。」

リンディ「いいですね?」

なのは「分かりました。頑張ろうね。」

フェイト「うん。」

はやて「二人だけで大丈夫? せや、シャマルもついてってあげてや。」

シャマル「私、ですか?」

はやて「そやたらあの人も一人ぼっちじゃ無くなるからな。」

シャマル「分かりました。」

ハルヒ「待った。私達も乗せてもらうわ。」

リンディ「あなた達。」

ハルヒ「忘れたのかしら? 私達は独自に行動するって名目でここで厄介になっていたんだから。」

キョン「で、今度はハガネに厄介になるのか。やれやれ・・・」

リンディ「分かりました。では、高町なのは曹長、フェイト・T・ハラオウン曹長、シャマル少尉、そしてSOS団五名をあなた達の所へ。」

和哉「ありがとうございます。」

リンディ「それと、そろそろJフリートの船が出ますが、あちらからしばらく戦闘は控えると申してきました。間違って仕掛けないようにしてくださいね。」

素子「ありがたいわね。」

エイミィ「提督、お茶です。」

話をしているとエイミィがお茶を持ってきた。

リンディ「ありがとうエイミィ。では、もう少しで補給が終わりますので、しばらく待っていてくださいね。」

和哉「えぇ。ありがとうござ・・・」

優真「え・・・」

リンディはそのお茶に、何故か大量の角砂糖とミルクを入れて飲みだした。

クロノ「あぁ。提督は甘党なんだ。気にしないでくれ。」

優真「あ、はい・・・」







翼「んじゃあ俺らは先に行くからな。」

隆士「うん・・・」

その頃、隆士と翼はボズゴロフ級の近くで会っていた。

翼「今回だけだからな。次に会う時は。」

隆士「敵、でしょ?」

翼「あぁ。」

隆士「君と一緒に戦えれたらね・・・」

翼「・・・だな・・・そうだ。これを渡しておく。」

そう言い、翼は隆士にメモリーカードらしき物を渡した。

隆士「これは?」

翼「俺らはここに来る前に未確認の部隊に襲われたんだ。連合でも宇宙怪獣でも、バイストン・ウェルって所の奴らでもなかった。」

隆士「え?」

翼「覚えてるか? 新暦103年、ジュピトリアンが追放されて50年の時の出来事。」

隆士「新暦103年・・・それってもしかして!!」

翼「あぁ。気になって調べて分かった。あいつらが地球にまで来たんだよ。」

隆士「・・・」

翼「確実に今、地球圏は戦乱の渦の中だ。しばらくはお前らとは争わないだろうな。」

隆士「翼君・・・」

翼「そいつにはさっきの戦闘であった奴とこっちのデータに残っていた奴を入れてる。何かの足しにはなるだろ。」

隆士「うん。ありがとう。」

翼「後、これは俺からのお節介だが。たまにゃ四季園に手紙でも出せよな。俺と違ってお前はここ最近地球に住んでるんだから。」

隆士「そう言えばそうだね。分かったよ。」

翼「先生も理想奈も、特に瑞穂が心配してるだろうな。」

隆士「え? どうして?」

翼「ったく、相変わらずだな。んじゃ、そろそろ行くわ。」

隆士「うん。それじゃあ。」

そして二人は別れ、翼を乗せたボズゴロフ級はエルピスを離れた。

隆士「出来れば・・・戦場ではない場所で会いたいな・・・」







和哉「・・・と、言うわけで。こちら八名が新たに加わる事になった。」

なのは「高町なのはです。よろしくお願いします。」

フェイト「フェイト・T・ハラオウンです。」

シャマル「シャマルです。」

ハルヒ「SOS団団長涼宮ハルヒよ。」

キョン「キョンでいい。」

有希「長門有希・・・」

みくる「あ、朝比奈みくるです。」

一樹「古泉一樹。どうぞよろしく。」

エルピスを出た後、ブリーフィングルームで新メンバーの紹介をする事になった。

浩之「何だが平均年齢が下がったような気がするな。まぁいいか。」

恵「それよりもSOS団って何よ?何だか助・・・」

隆士「それ以上は駄目ですって・・・」

恵が禁句を言おうとしたのを隆士が止めた。
そしてハルヒは公開出来そうに無い顔になりかけていた。

稟「で、SOS団って何なんだよ。」

ハルヒ「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団。略してSOS団よ。」

知世「世界を・・・」

智子「大いに盛り上げるための・・・」

珠実「涼宮ハルヒの団・・・」

素子「確かに頭文字を取ればSOSだな。だが。」

プリムラ「変な名前・・・」

ハルヒ「何か言ったぁ!?」

プリムラ「・・・稟・・・怖い・・・」

怒るハルヒに怯え、プリムラは稟の後ろに隠れた。

稟「だ、大丈夫だ。俺がいるから安心しろ。」

プリムラ「うん・・・」

ジョニー「で、そのSOS団は一体何をしてるんだ?」

なのは「確かこの世の不思議を募集とか・・・でしたよね?」

ハルヒ「分かってきたじゃない。やっぱり入団する?」

なのは「け、結構です・・・」

ハルヒ「それで今は宇宙人、未来人、超能力者を探しているんだけど、この艦には乗ってないわけ?」

リシアンサス「神族や魔族は駄目なの?」

ハルヒ「別にこの世界じゃ不思議でも何でも無いんでしょ? なら対象外よ。言っておくけどジュピトリアンも駄目だからね。」

浩之「となると・・・いいとこドラえもんと琴音ちゃんだろうか?」

ドラえもん「まぁ僕は未来から来てるからね。」

ハルヒ「・・・却下。狸に用は無いわ。」

ドラえもん「狸って言うなぁーーー!!」

キョン「で、その琴音って人は?」

琴音「呼びましたか?」

その時ブリーフィングルームに琴音が来た。

浩之「琴音ちゃん。何かこいつらが超能力者を探しているとか何とかでな。」

ハルヒ「この子超能力者なわけ?」

琴音「え? えぇ。」

ハルヒ「ふむ・・・よし、あなた一緒に来なさい。」

琴音「え?」

キョン「お、おいハルヒ。いくらなんでも別世界の人だぞ?」

ハルヒ「だから何よ。せっかく見つけた超能力者を見す見す手放すなんて出来ないじゃない。と言う事で、さぁ。」

ハルヒは乱暴に琴音の腕を掴んだ。

琴音「え? ちょ、ちょっと止めて下さい。」

ハルヒ「別に減る物でも無いでしょ? さぁさぁさぁ!!」

優真「いい加減にしてくださいハルヒさん!!」

その時突然、今まで黙っていた優真が怒鳴り立ち上がった。

香「ゆ、優真ってば・・・」

優真「あなたには他人の都合を考えると言う事は無いんですか!?」

ハルヒ「何よ、何か文句あるの?」

優真「・・・それがあなたの生き方なら、僕は無いも言いませんけど・・・僕はあなたのような人は嫌いです・・・」

言う事を言い、優真はブリーフィングルームを出た。

キョン「ったく、ちょっと行って来るわ。古泉、後は頼む。」

一樹「はい。」

そしてキョンが優真の後を追った。

リシアンサス「驚いたぁ・・・優真君があんなに怒るなんて・・・」

香「優真は人に迷惑を掛けたくない性格しているから、ハルヒさんのような人は許せないんですよ。」

恵「じゃあアタシも実はやばかったのかしら・・・?」

浩之「確かにな。少しは周りの事も考えた方がいいんじゃないか?」

一樹「そうは申されましても、涼宮さんはいつもこんな感じですから。」

隆士「だけど僕は少し分かる気がします。」

梢「白鳥さん?」

稟「意外だな。誰かに振り回され気味のアンタが。」

隆士「どんな形でも、成し遂げたい何かがハルヒちゃんにはあるんだよね?」

ハルヒ「そうよ。一生懸命やっているんだから・・・」

隆士「それなら僕はハルヒちゃんを責める気は無い。人にはやりたい事が必ずあるんだから、どんな事だとしてもどうこう言う権利は無いと思うんだ。」

楓「隆士さん・・・」

隆士「だけど、ハルヒちゃんも少しは周りの事を考えた方がいいよ。その事に一途になりすぎて、気づいたら誰もいなくなるって事があるからさ。」

ハルヒ「・・・」







優真「話って何ですか? キョンさん。」

その頃キョンは優真を呼んでいた。

キョン「確かにハルヒはあぁ言う奴だ。何考えているかなんて分かりゃしない。だけどあいつはあいつなりに一生懸命なんだよ。」

優真「だとしても・・・僕はハルヒさんのような人は嫌です・・・」

キョン「そう言う考えは君しだいだけど、あいつの事も少しは考えてやってくれ。どんな形でも、ハルヒは頑張っているんだからよ。」

優真「人を巻き込んでまで叶えたい物って・・・そんなに大切なんですか・・・? 僕には・・・分かんないです・・・」

キョン「やれやれ・・・意外に強情なんだな。」

優真「キョンさんは何も思わないんですか? ハルヒさんの事。」

キョン「確かにやりすぎって感じはするけどよ、あいつが本気ならその後押しをしてやるだけさ。振り回されようとも、死なせるわけに行かないからな。」

優真「・・・」

キョン「こんな考えが出来るのも、記憶を失ったからなんだろうと思うけど、あまりハルヒを悪く思わないでくれよな。」

優真「難しいです。正直に言って・・・」

キョン「そうか。なら何も言わない。それが君なんだからな。」

そう言い、キョンは去った。

優真「迷惑を掛けてでも叶えたい事・・・それって本当に大切なんだろうか・・・」

優真は呟いたが、その問いに答えは来なかった。





新たな仲間が増えたハガネ。しかし生まれてしまったクルー同士の溝。互いに分かり合える時は来るのだろうか。



続く






あ と が き
今までの中で一番多くなってしまったな
まぁ戦闘の話だと妙に多くなるんでこれでもはぶいた方なんだけどね
そして新たに仲間が増えたけど、溝も生まれてしまった
これも一種のお約束と言う事で
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