第九話

エルピスの戦士達





謎の部隊の襲撃でエルピスに来たハガネ。そこで出会う者達とは果たして。


浩之「ほ〜こりゃ凄い物だな。」

翼との一件後、浩之、稟、楓、なのは達は兵器が置かれてる工場の中に来ていた。

稟「確かにこれなら色々と大丈夫だよな。」

浩之「さっきの俺と似た事言うなよ・・・」

稟「あ?」

浩之「いや・・・ん? あれは。」

浩之達の前に先ほどなのは達が乗っていた戦闘機があった。

なのは「あれはアージェントファイター。エクサランスのコアで脱出用の戦闘機なの。」

楓「エクサランス?」

フェイト「さっきお兄ちゃんが乗っていた機体よ。エクサランスは元々一つのコアに様々なフレームをつけてどんな状況にも対応出来る機体なの。」

浩之「でも複数あるぞ? どう言う事だ?」

はやて「何でも搭載されてる時流エンジンの実験の有効活用の為に四機だけ量産したんやって。」

シャマル「ですから性能的に言えばα外伝でのνガンダムのような物です。」

ヴィータ「つまり主戦力にするにはイマイチ。」

浩之「は?」

シャマル「あ、な、何でも無いです!!」

浩之「そうか。で、時流エンジンって何だ?」

なのは「時流エンジンはまだ試作段階なんですけど時の流れをエネルギーにしているエンジンなんです。」

稟「時の流れ!? またとんでもない物をエネルギーにしたもんだな・・・」

なのは「ゆくゆくは今訪れてるエネルギー問題の解決に使うって。」

浩之「そうか。」

なのは「だけど・・・」

浩之「ん?」

なのは「浩之さんの声・・・お父さんに似ているような・・・」

浩之「は?」

なのは「な、何でも無いです!!」

浩之「そか。」

稟「ま、凄い事は凄いんだな。」

「お〜いブリット〜」

稟「ん?」

遠くから頭にバンダナを巻いた青年が来た。

青年「あり? 人違いか。」

稟「何ですか?」

青年「悪い悪い。どうにも声がそっくりでよ。」

なのは「タスクさん、ブリットさんならユウさんと偵察で出ていますよ。」

タスク「あ、そうだったか。んでこいつらは?」

フェイト「さっき来た地球連合のハガネって船のクルーです。」

タスク「そか。俺は新宮寺裕。エルピスの整備員兼パイロットだ。」

稟「俺は土見稟、こっちは芙蓉楓と藤田浩之だ。」

楓「こんにちわ。」

タスク「ヒュ〜かなりのベッピンさんじゃん。付き合ってるのか?」

楓「え? あ、あの・・・」

稟「一応言うが幼馴染だ。」

タスク「な〜る。にしたってアンタ、ほんとブリットと声がそっくりだな。」

浩之「誰なんだそのブリットって。」

シャマル「ブルックリン・ラックフィールド。パイロットです。ちょうど今戻ってきましたね。」

見ると遠くから大型の機体とMSやPTと同じくらいの大きさの機体が来た。

浩之「ん? ありゃグルンガストじゃねぇか。」

大型の機体はグルンガストと言う特機、スーパーロボットである。

シャマル「少し違いますね。あれはグルンガスト参式。グルンガスト三番目の機体です。」

浩之「三番目のグルンガストか・・・」

話していると両機からパイロットが降りてきた。

なのは「ブリットさん、ユウさん。どうでした?」

ブリット「別に異常は無い。所で誰なんだ? そこの人達は。」

稟「地球連合、ハガネのクルーだ。アンタがブリットか?」

ブリット「あぁ。ブルックリン・ラックフィールド、愛称はブリットだ。」

浩之「んで、そっちは?」

ユウキ「ユウキ・ジェグナン。ユウでいい。ここのパイロットをしている。で、お前達は?」

浩之「俺は藤田浩之。一応パイロットだ。」

楓「芙蓉楓です。パイロットでは無いです。」

稟「土見稟。日は浅いがこれでもパイロットだ。」

ユウキ「そうか。」

タスク「そうだ、おいブリット。」

ブリット「何だ?」

タスク「おめぇの刀、ちゃんと直しておいたぞ。」

ブリット「そうか。すまないな。」

タスク「ったく、人の事いえねぇけど、ちったぁ使い方考えてくれっての。」

ブリット「分かってる。」

浩之「そういやあの機体は何だ? 見た感じ遠距離使用らしいが。」

ユウキ「あぁ。あれはラーズアングリフ。砲撃用の機体だ。」

浩之「見た事ねぇタイプだな。」

ユウキ「そうだろうな。」

楓「本当に凄いんですね〜・・・」

ブリット「まぁエルピスの軍事力だからな。ちょっとやそっとなら・・・」

「こらぁーーーーー!!」

ブリット「ん?」

遠くから物凄い速さで走ってくる少女が来た。

タスク「あ、ありゃあ、おいブリット。やばいんじゃ・・・」

ブリット「もう遅い・・・」

少女「こらキョン!! 一体どこほっつき歩いてるのよ!!」

少女はいきなりブリットの胸倉を掴んで揺さぶった。

ブリット「ま、待てハルヒ・・・俺は・・・」

タスク「ハルヒ、そいつはブリットだ。キョンじゃねぇよ。」

ハルヒ「え?」

ハルヒと呼ばれた少女はブリットを放した。

ハルヒ「全く、あんた達声が紛らわしいのよ。」

稟「誰なんだ?」

なのは「あ、あの人は・・・」

なのはが紹介しようとした時。

ハルヒ「むっ!! そっちね!!」

稟「おわっ!?」

今度は稟がハルヒに襲われた。

フェイト「ハ、ハルヒさん!! その人も違います!!」

「何してんだ? ハルヒ。」

その時一人の少年が近づいてきていた。
何気に声が稟とブリットに似ていた。

タスク「おうキョン。お前また約束の時間に遅れたのか?」

キョン「は?」

キョンと呼ばれた少年は腕時計を見た。

キョン「俺は普通に約束の時間に来たぞ? おいハルヒ、とりあえず俺はこっちだ。」

ハルヒ「あらキョン、一体どこで時間つぶしていたのかしら〜?」

妙にドスの効いた声でハルヒは稟を掴んだままキョンに話しかけた。

キョン「あのなぁ・・・それを言いたいのは俺の方だ。遅れないように全力で集合地点に行ってもお前いなかったろ。」

ハルヒ「それはアンタを探しに行ったからよ。」

シャマル「あ、あの〜・・・とりあえず稟さんを・・・」

ハルヒ「ん? そうね。」

シャマルに言われ、ハルヒはやっと稟を解放した。

稟「がふっ・・・」

楓「稟くん!!」

浩之「えっと、キョンにハルヒか? お前らの時計は今何時を差しているんだ?」

キョン「あ? 俺のは三時二十分だが?」

ハルヒ「アンタ遅れてるじゃない。今は三時半よ。」

なのは「あ、あの・・・まだ三時十八分です・・・」

キョン&ハルヒ「え?」

浩之「俺も十八分だ。そろって進みすぎだろ。」

はやて「そやたら・・・時間的にハルヒさんの方が悪いやろな。」

ハルヒ「むっ・・・」

ブリット「ったく・・・毎度毎度間違われる俺の身にもなってくれよ・・・」

ハルヒ「とにかく!! 遅れた事は置いといて他の三人と合流するわよ!!」

キョン「やれやれ・・・」

そう言って二人はその場から去った。

浩之「何だあの二人は?」

フェイト「エルピスに協力しているSOS団のキョンさんと涼宮ハルヒさん。」

楓「SOS団・・・?」

タスク「まぁどう言う意味かは知らない方がいいだろうな。てか大丈夫なのか?」

稟「な、何とか・・・」

そうは言うも、稟は大丈夫には見えなかった。









のび太「あ、また戻ってきたよ。」

リシアンサス「本当だ〜」

その頃別の場所でのび太、静香、桜、知世、すず、リシアンサス、ネリネ、樹が基地に戻ってくる機体を見ていた。

ネリネ「どうしてこんなにまで偵察部隊がいるのでしょうか?」

樹「まぁ考えられる理由はさっき襲撃してきたあの小型機の部隊だろうね。」

すず「確かにそうですね。あの部隊が何なのか分からないですし、恐らく中立なんて関係無いのでしょう。」

桜「ほぇ〜・・・」

のび太「嫌だなぁ・・・」

樹「まぁ元々あの部隊は一種のイレギュラーだからね。誰も予想だにしないさ。」

知世「そうですわ。大丈夫なのでしょうか・・・?」

静香「大丈夫だと思うけど・・・あら、また戻ってきたわ。今度はPTが二機ね。」

今度はPTが二機戻ってきた。

樹「ん? あのPTは見慣れない機体だな。」

そのPTは見た事も無い機体だった。

のび太「一機はヒュッケバインに似てるね。行ってみる?」

リシアンサス「賛成〜!!」

ネリネ「あまり邪魔をしては・・・」

樹「見るだけなら大丈夫だよ。」

そう言う事で一同はその二機の近くに来た。

のび太「やっぱりヒュッケバインに似てる。もう一機は変形機構付きかな?」

「よく分かったわね。」

その二機の影からパイロットと思われる少女と女性が出てきた。

すず「え? しいなお姉さん!?」

しいな「すず!? 何でここに?」

女性はすずの姉、しいなだった。

すず「私はハガネに・・・そう言えばお姉さんはエルピスでテストパイロットをしてるって。」

しいな「そうよ。だけどハガネって連合の船じゃない。」

すず「色々あって・・・」

のび太「すずちゃんのお姉さん?」

しいな「ん? 友達かい? アタシはしいな。こいつは如月ユフィ、アタシと一緒にテストパイロットしてるんだ。」

ユフィ「よろしくな。」

のび太「はい。僕は野比のび太、それに、源静香ちゃん、木之本桜ちゃん、大道寺知世ちゃん。それに・・・」

ユフィ「あれ? もしかしてリシアンサスにネリネ?」

リシアンサス「え? 知ってるの?」

ネリネ「シアちゃん。私達は神界と魔界の王女ですよ? 今でしたら知らない人なんて・・・」

ユフィ「いやいや、あたしこれでも血流れてるんだから。」

ネリネ「え? それは神族のですか? 魔族のですか?」

ユフィ「両方。」

リシアンサス&ネリネ「え?」

しいな「ユフィは神族魔族のクオーターなのよ。」

リシアンサス「そうなんだ〜」

ユフィ「それに、ジュピトリアンの3RDだしね。」

桜「ほえっ!? どう言う事!?」

しいな「ユフィはアーシアンと神族、ジュピトリアンの1STと魔族のハーフの子なのサ。」

静香「それじゃあ、アーシアン、ジュピトリアン、神族に魔族の血が?」

ユフィ「そ。世界でもあたしだけだろうね。」

桜「ほえ〜・・・それでこの機体は?」

しいな「まぁさっきのび太が言ったように、ヒュッケバインの元となったビルトシュバインと、変形機構搭載のビルトラプターだよ。」

ユフィ「あたしがラプターで、しいながシュバインのパイロットなんだ。」

のび太「でもヒュッケバインの元になった機体なら相当古いんじゃ?」

しいな「まぁ元々お蔵入りに等しい機体なんだけどサ、アタシらが使えるかどうか試してるのサ。」

リシアンサス「そうなんだ。」

その場の全員が和んだ会話を続けた。
その時。

のび太「ん?」

ハガネクルーに渡されている通信機が鳴った。

のび太「何だろう、こちらのび太です。」

素子(草薙だ。今すぐにエルピスの司令部に来い。)

のび太「エルピスの司令部ですか? 分かりました。」

桜「どうしたの?」

のび太「エルピスの司令部に来いって。しいなさんユフィさん。どこにあるんですか?」

ユフィ「案内するよ。一緒に来な。」

のび太「ありがとうございます。」

そして二人の案内でのび太達はエルピスの司令部に来た。
そこには優真を初め、パイロットと一部のクルー、リンディとクロノがいた。

素子「全員集まったな。では話しを始める。」

隆士「何を話すんですか?」

リンディ「あなた方はここに来る前、未確認の小型機の部隊と遭遇したそうですね。」

和哉「えぇ。あの部隊について何か知っているのですか?」

リンディ「はい。にわかに信じがたい話なのですが、あの部隊はバイストン・ウェルと言う所から来たと言うのです。」

由紀夫「バイストン・ウェル? 聞いた事無いナ。」

リンディ「そうでしょう・・・私達も初めて聞いた時は耳を疑いました。バイストン・ウェルとは、海と大地の狭間にある異世界の事らしいのです。」

ハガネクルー全員「!!」

その言葉に、ハガネクルー全員に衝撃が走った。

優真「う、海と大地の狭間!?」

リンディ「えぇ。」

浩之「て、提督さんよ。冗談ならもうちょっと・・・」

クロノ「僕達だって冗談だと思いたいが、事実だ。」

隆士(沙夜子さんが言っていた事はこの事か・・・まさか沙夜子さんは・・・いや、アーシアンに”あの能力”を持つ人はいないはず・・・)

稟「でも何でその事を知っているんだ?」

リンディ「はい。バイストン・ウェルの部隊が現れた時、エルピスの近海に二隻の大型の船が現れたのです。」

クロノ「その船に乗っていたのはバイストン・ウェルに存在する二つの国の王女だそうだ。」

雅史「国って事は・・・僕らの世界、地上と同じような感じなんですか?」

クロノ「話しを聞く限りでは科学は発達せず、雰囲気としては中世欧州程度だそうだ。」

優真「じゃああの機体は?」

クロノ「彼らが言うにはあれはオーラ・バトラーと呼ばれているそうだ。」

隆士「オーラ・バトラー・・・どうしてオーラ・バトラーは作られたんですか?」

リンディ「どうやらバイストン・ウェルには地上に住む人を召喚する事が出来るらしく、その一人がロボット工学を知っていて開発したと・・・」

素子「元凶は地上の人間・・・恐らくアーシアンでしょうね。名前は分かるの?」

リンディ「確か・・・ショット・ウェポンと・・・」

和哉&素子&由紀夫「ショット・ウェポンだと!?」

優真「兄さん知っているの?」

和哉「アーシアンでも希有なロボット工学に優れた科学者だ。行方不明だと聞いていたが・・・」

ジョニー「まさかそう言う事情があったとはナ。」

あかり「でもどうしてバイストン・ウェルから地上へ?」

リンディ「何でもショット・ウェポンが開発したオーラ・バトラーはバイストン・ウェルの各国に広まり、国同士戦乱と化していたそうです。その最中、地上人を召喚する事の出来る種族が戦乱を起こしている全てのオーラ・バトラーを地上へと放逐したと・・・」

浩之「要するに罪人を留置所に送るんじゃ無しに、丸々全部を地上に放り出したって事か。だけど聞く限りじゃ最低でも二つの勢力が争ってるようだな。」

クロノ「その通りだ。これを見て欲しい。」

そう言ってクロノが操作すると、モニターに大型の戦艦が四隻映し出された。

クロノ「これはオーラ・バトルシップ。彼らで言う所の大型戦艦だ。この内の二隻・・・」

クロノは四隻の内、左右に大きな甲板のある船とX型のシルエットの戦艦を映し出した。

クロノ「これがバイストン・ウェル、そして今は地上を支配しようと企む野心家、ドレイク・ルフトの旗艦ウィル・ウィプスとドレイクと同盟をしているビショット・ハッタの旗艦ゲア・ガリングだ。」

優真「ドレイク・ルフト・・・その人が全ての原因?」

リンディ「それはそうですね。ショット・ウェポンも戦乱を起こした者の一人でしょうが・・・」

クロノ「そしてこの二隻・・・」

続いてクロノは残る二隻、天守閣を抱いた古城を想起させる戦艦と全長が長く、艦首に巨大な砲のある戦艦を映し出した。

クロノ「これが我々にバイストン・ウェルの事を教えてくれた、シーラ・ラパーナ王女の旗艦グラン・ガランとエレ・ハンム王女の旗艦ゴラオンだ。」

和哉「シーラ・ラパーナ王女と、エレ・ハンム王女か・・・そのお二方は地上の軍に対し敵対する意思は無いのですね?」

リンディ「えぇ。それは大丈夫です。」

クロノ「先ほどの戦闘で君達が戦っていたオーラ・バトラーはこれだ。」

戦艦の次にクロノが映し出したのは先ほど戦っていた小型機だった。

クロノ「赤い機体はドラムロ、青い機体はビランビー。共に量産型だ。ピンク色の機体はバストール。機動性に優れたオーラ・バトラーで、オレンジ色のがレプラカーン、ビランビーの武装強化型らしく、多くの武器を持っているそうだ。」

稟「成程な・・・ん? この機体は見た事無いぞ?」

そこにはもう一機、両腕にトマホークのような物を装備してるオーラ・バトラーがあった。

クロノ「それはビアレス。接近戦特化の主力機だそうだ。パワーはこの中で一番だろう。」

隆士「大体が七mから九mか・・・そう言えばあの二機は?」

のび太「そうそう。僕らを助けてくれたあの二機もオーラ・バトラーだったと思うけど。」

クロノ「それはこの二機か?」

そう言うとクロノは先ほどの戦闘で現れた二機を映し出した。

あかり「これです!!」

リンディ「それなら大丈夫です。この二機はシーラ王女が信頼する二人のパイロットの機体だそうですから。」

優真「味方と見て、いいんだろうね。」

リンディ「えぇ。今回はその事を伝えようと。」

和哉「ありがとうございます。それじゃみんな解散・・・」

「あら? 提督、よろしいですか?」

解散しようとした時、司令部にいたオペレーター、エイミィが話しかけてきた。

リンディ「何かしらエイミィ。」

エイミィ「はい、何でもハガネの誰かと話しがしたいとか。」

クロノ「誰って誰だ? それに一体誰が通信してきた?」

エイミィ「と、とにかくつなげるね。」

そう言ってエイミィは司令部に通信をつなげた。

和哉「ハガネ艦長の天城和哉だが・・・一体誰に用があるんだ?」

(・・・)

和哉が問い掛けたが反応が無かった。

和哉「え、えっと・・・聞こえているか?」

(・・・)

やはり返事は無かった。
しかし。

浩之「まさか・・・」

浩之には心当たりがあるようだ。

浩之「先輩?」

(・・・)

浩之が問い掛けても返事は無かったように思えた。
だが。

浩之「やっぱ先輩か。何でここに?」

何故か浩之には通じていた。

(・・・)

浩之「え? 皆さんがハガネに乗っていると聞いたので、心配になったから?」

(・・・)

浩之「そりゃどうも。」

稟「な、なぁ浩之、会話になってるのか?」

隆士「それ以前に・・・誰なの?」

周りの全員には何が何だか分からなかった。

浩之「あぁ悪い。相手は俺の先輩の来栖川芹香先輩だ。」

あかり「あ、やっぱり〜」

のび太「来栖川って、あの来栖川エレクトロニクスの?」

来栖川エレクトロニクスとは世界的に有名な財閥の一つであり、芹香はそのお嬢様に値する人物である。

雅史「うん。ただ先輩は声が小さいから浩之以外に聞き取れるのはあまりいないんだ。」

ジョニー「何だよそりゃ・・・」

(もう姉さん、浩之と話したい気持ちは分かるけど、これじゃあ周りの人が何だか分からないわよ。)

その時通信に少女の声が入った。

浩之「綾香か?」

綾香(やっほ〜元気にしてる?)

それは芹香の妹の綾香だった。

浩之「あぁ。でもどうして俺らがハガネに乗ってるって知ったんだ?」

綾香(来栖川の力なめちゃ困るわよ。)

浩之「だな・・・」

優真「な、何でこう普通に話が出来るの・・・? 相手ってあの来栖川のお嬢様なんじゃ・・・?」

あかり「まぁ浩之ちゃんだからね。」

浩之「それで、それだけに通信してきたのか?」

綾香(まぁさか〜私達、浩之達の力になろうって決めたのよ。)

浩之「は?」

綾香(戦闘で色々と大変でしょ? だから来栖川エレクトロニクスの力が行ける限り浩之達の所に物資とか色々と補給してあげるわ。)

浩之「お、そりゃ助かるな。」

綾香(艦長さんもいいわよね?)

和哉「あ、あぁ。協力感謝する。」

綾香(まぁそれだけ。またね〜)

芹香(・・・)

浩之「『ご武運を祈ります』? あぁ、ありがとう先輩。」

そう言って通信は終わった。

素子「強力なスポンサーがついたわね。」

稟「だな・・・ま、ありがたい事はありがたいな。」

リンディ「私達は中立なので大きな事は出来ないので。」

和哉「それは分かってますよ。じゃ、今度こそ解散だ。しばらくは自由にしてていいぞ。」

優真「はい。」







隆士「今出られるのは僕らだけだからな、念入りに調整しておかないと。」

解散後、隆士は一人でストライクの調整をしていた。
そこに。

「こっちにもガンダムがあるんだな。」

隆士「ん?」

声がして隆士はコクピットの下を見ると、キョンとハルヒ、
物静かな少女、幼さが漂う少女、微笑みを浮かべてる少年がいた。

隆士「君達は?」

ハルヒ「私達はSOS団よ。」

キョン「まぁ付け加えるならここでやっかいになってるんだ。」

隆士「え、SOS団? 何か助けを求めてるようなネーミング・・・」

ハルヒ「何か言ったかしら?」

隆士の一言にハルヒは放送コードに確実に引っかかる(つまり放送不可能)ような顔で隆士を睨んだ。

隆士「べ、別に・・・」

色々と言いたい事があるだろうが、隆士は言うのを止めて下に降りた。

隆士「僕は白鳥隆士。君達は?」

ハルヒ「私は涼宮ハルヒ、SOS団団長よ。で、こっちが。」

物静かな少女「長門有希。」

幼さが漂う少女「朝比奈みくるです。あの、一応年上です。」

微笑を浮かべてる少年「古泉一樹です。SOS団副団長です。よろしく。」

キョン「キョン、とりあえず雑用だ。」

隆士「はい?」

キョンと言う名に隆士は目を丸くした。

隆士「えっと・・・本名は・・・?」

キョン「な? こう言う反応が普通なんだよ。つまり俺らの世界その物がおかしいって事だよ。」

ハルヒ「何よつまんないわね。あんたはキョンで充分じゃない。」

キョン「いいけどよ、こう言う時に普通困るだろ? まぁもういいけどよ。」

二人は隆士を無視して話し始めた。

隆士「あのぉ・・・僕の話聞いてますか〜?」

キョン「ん? すまないな。」

隆士「いいですけど・・・で、本名は何なんですか?」

キョン「あぁ〜・・・悪いが思い出せないんだ?」

隆士「はい?」

キョンの意外な一言に隆士は先ほどと同じ反応をした。

みくる「あの、キョンくんはこっちの世界に来た時のショックで記憶喪失になったんです・・・」

隆士「記憶喪し・・・ん? こっちの世界?」

一樹「まぁ信じられないでしょうが、僕らはこことは違う世界から来たんです。」

隆士「こことは違う・・・そうだったんですか。」

一樹「あれ? 驚かないんですか?」

隆士「別世界程度でもう驚かないさ。ただでさえバイストン・ウェルやら神界魔界とかで充分そう言う事に耐性がついちゃったよ。」

有希「言えるわね。」

隆士「で、話を戻すけど。記憶喪失ならさ、教えてもらえれば・・・」

キョン「あ〜・・・そりゃ無理だ。」

隆士「何で?」

キョン「こいつら全員俺の名前知らねぇからな。」

隆士「はい?」

隆士は思わず三度も同じ反応をしてしまった。

キョン「全員俺の事『キョン』としか呼ばなくてよ、本名知らないんだ。」

ハルヒ「キョンはキョンで充分よ。」

隆士「酷い話・・・と言うかなんで君だけ?」

キョン「まぁそれは設定の都合上・・・」

隆士「え?」

キョン「いや、何でも・・・」

隆士「そ、そう? そう言えばさっき言った『ガンダム』って?」

みくる「え? 知らないんですか? この機体の事なんですが・・・」

隆士「ストライクの事? 別にガンダムって呼ばれては無いけど・・・」

キョン「まぁそうだろうな。俺らの世界じゃこの機体の様に、目が二つあってアンテナがあるような機体はガンダムって呼ばれてるんだ。」

隆士「そうなんだ。じゃあさしずめ、ストライクガンダムって所なのかな?」

有希「そうでしょうね。それにあそこにもあるわ。」

有希が言う様に、近くにはウイングがあった。

隆士「確かにウイングもガンダムタイプだね。」

みくる「こっちの世界にはガンダムタイプは多いのですか?」

隆士「どうなんだろう? 何機かあるって言うけど、多くは無いと思うな。」

みくる「そうなんですか。」

隆士「ガンダムか・・・そう言えばイージスもそうだったし・・・この世界にはガンダムが多いのかな・・・?」

そんな事を呟き、隆士はストライクを見上げた。







麻弓「ふ〜ん。凄いスポンサーがついたわね。」

稟「あぁ。まさか浩之が知り合いだったなんてな。」

その頃、稟、楓、麻弓、朝美、沙夜子、葵、琴音は市街地にいた。

葵「先輩は凄い人ですからね。でも私も綾香さんと話しがしたかったです・・・」

琴音「松原さんは綾香さんのファンですからね。」

楓「そうなんですか。有名人ですからね。」

麻弓「まぁある意味有名人がそこにいるけどね〜」

そう言って麻弓は怪しい笑顔で稟を見た。

朝美「え? どうして?」

稟「理由は聞かないでくれ・・・」

朝美「そう?」

朝美は不思議そうに思ったが、聞くのをやめた。
その時。

男「やや!! 貴様は土見稟!!」

稟「は?」

突然見ず知らずの男に稟が呼び止められた。

稟「あ、あの、どこかでお会いしましたっけ?」

男「会った事など無い!! だが貴様には用があるのだ!!」

稟「ま、まさか・・・」

男「そう!! 俺はSSS、好き好きシアちゃんエルピス支部団長、その名も!!」

稟「名前はいい。行くぞみんな。」

沙夜子「それじゃあ・・・」

そう言ってその男を無視して七人は帰ろうとした。
しかし。

男「ふざけんじゃねぇ!! どけっ!!」

朝美「きゃっ!!」

一番後ろを歩いていた朝美が男によって突き飛ばされた。

琴音「朝美ちゃん!!」

稟「その子は関係無いだろ!!」

男「うっせぇ!!」

朝美を突き飛ばした男に稟達は怒った。

朝美「痛た・・・」

「大丈夫か、朝美。」

朝美「え?」

その時オレンジ色の髪の少年が朝美の近くに来た。

少年「おいアンタ。」

男「あ?」

少年「俺の姪に、何してくれるんだよっ!!」

男「おぼっ!?」

少年は男の鳩尾に蹴りを入れた。

葵「そこっ!! てやっ!!」

男「がっ!?」

そこに続けて葵がカカト落としを入れて男を倒した。

少年「全く・・・なんでここにいるんだよ朝美。それに沙夜子さん。」

沙夜子「一護?」

朝美「一護お兄ちゃんもどうして?」

一護と呼ばれた少年は朝美と沙夜子と知り合いのようだ。

一護「まぁ俺は色々あってな。で、そいつらは?」

朝美「今一緒にいる人達なの。紹介するね、お父さんの弟の黒崎一護お兄ちゃん。」

一護「朝美と沙夜子さんが世話になってるそうだけど、よろしくな。」

稟「あぁ。俺らは・・・」

「一護何をしている。行くぞ。」

稟が紹介しようとした時、近くにいた少女が一護を呼んだ。

一護「義理の姉と姪に会ったんだ。少し待てよ葉月。」

葉月「・・・少しだけだぞ。」

そう言って葉月と呼ばれた少女は先に歩き出した。

朝美「誰なの?」

一護「東葉月、わけあって一緒に行動してる仲間だ。すまねぇな、久々に会えたのに。」

朝美「ううん、いいよ。頑張ってね一護お兄ちゃん。」

一護「あぁ。」

沙夜子「気をつけてね・・・」

そう言って一護は葉月の後を追った。

稟「いい奴なんだな。って待てよ? あいついくつなんだ?」

朝美「15歳だよ?」

稟「15の姪が13か・・・って待った。そう言えば沙夜子さんっていくつなんだ?」

楓「そう言えばそうですよね。」

沙夜子「27よ。」

琴音「え? それじゃあ二人は実の親子じゃないのですか?」

朝美「うん。だけどお母さんはお母さん。大切な家族だよ。」

稟「家族ね・・・大切にしなよ。」

沙夜子「えぇ。」

麻弓「それじゃあそろそろ戻ろうよ。」

稟「だな。」

そして稟達はハガネに戻ろうとしたその時だった。
突如警報が辺りに鳴り響いた。

葵「え!?」

稟「何だ!?」

琴音「あまりいい事では無いでしょう・・・急いで戻りましょう!!」

楓「はい!!」

そして七人はハガネに向かった。







リンディ「何事です!?」

エイミィ「正体不明機が市街地へ向かっています!!」

リンディ「相手に通信は!?」

エイミィ「駄目です、通じません!!映像に出します!!」

エイミィは司令部に映像を出した。

リンディ「こ、これは・・・?」

そこに映されたのは市街地に向かう土や岩で出来た謎の物体だった。

エイミィ「な、何なのでしょう・・・これ・・・」

クロノ「こんな物、見た事無いぞ・・・」

リンディ「このままでは危ないわ。クロノ、隊を率いて出撃して。」

クロノ「了解!!」

リンディの命令でクロノは格納庫に向かった。

リンディ「出来る限り多くの部隊を出して。そして街の人達に避難勧告を!!」

エイミィ「はい!!」

リンディ「それとハガネとJフリート両軍には現状で待機と、ここは私達で終わらせると伝えておいて。」

エイミィ「分かりました!!」







しいな「偵察から帰ってきたばかりだってのに・・・ユフィ行ける!?」

ユフィ「勿論!!」

しいな「じゃ、行くよ!!」

ユフィ「あいよ!!」

二人はそれぞれの機体に乗り込み出撃した。
そして。



ブリット「出撃か!! タスク、ユウ!!」

ユウ「分かっている。」

タスク「整備はバッチリ、行ったろうじゃん!!」



なのは「出撃なの!?」

クロノ「あぁ。急ぐぞ!!」

なのは「はい!!」

各場所でパイロット達が愛機に乗りこみ、出撃した。



キョン「ったく、こんな時に・・・ハルヒ!!」

ハルヒ「勿論よ!! 私達も出るわよ!!」

隆士と別れたSOS団も出撃しようとしていた。

有希「整備は済んでるらしいから、行きましょう。」

みくる「はい!! 頑張ります!!」

一樹「そうですね。分かりました。」

ハルヒ「SOS団、出撃よ!!」

キョン「あぁ!!」
有希「えぇ。」
みくる「はい!!」
一樹「了解。」







和哉「こんな時に襲撃なんてな・・・クルーは全員戻ってるのか?」

イシカワ「あぁ。何人かは出撃しようとしてるが、機体がまだ修理しきれてないのとあっちから言われてる事で出る事は出来ないがな。」

和哉「そうだとしても、出撃可能なパイロットには一応準備をしておけと言ってくれないか? 何かあった時の為に。」

イシカワ「了解。」


ハガネ格納庫


浩之「こんな時に襲撃なんて・・・くそっ」

雅史「さっきの戦闘で今出撃が出来そうなのは隆士さんにあかりちゃん、のび太君だけだからね・・・」

素子「だが、妙だな。」

浩之「あ?」

素子「ここに襲撃すると言う事はまずJフリートじゃない。だがオーラ・バトラーでも無いとなると、一体何なのか・・・」

稟「宇宙怪獣の一種・・・にしちゃおかしいよな・・・」

ジョニー「とりあえず白鳥達は出撃出来る状態で待機してる。とりあえずは大丈夫だロ。」

優真「だといいんですが・・・」

浩之「どう言う事だ?」

優真「分からないです・・・けど、何か嫌な予感が・・・」

稟「嫌な予感?」

優真(僕は何かを知っている・・・けど一体何なんだ・・・? 何も知らないはずなのに・・・僕の記憶なのか? それとも・・・)

自分の記憶に疑問を持ちながら、優真はサイバスターを見た。





エルピスで出会った様々な人達。そして襲ってきた謎の敵。優真は何を知っているのか・・・



続く






あ と が き
予想以上に量が多くなったな
てことで次回こそ某女王様出ますので
しかし一気に登場作品増えたですな
まぁそれがこの作品の醍醐味だし
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