第一話

風と生きる少年





「おはよう。」

少年「おはよう姉さん。」

この町は風守町。大きな軍の施設がある町。
この町の何処にでもありそうな朝の風景、そこに少年とその姉と思う少女がいた。
少年の名は天城優真、ここ天城家の三男で十五歳の少年である。

優真「ハガネが来たって事は和哉兄さんが?」

少女「えぇそうよ。」

少女は天城詠子。三番目に生まれた天城家の十八歳の長女である。

優真「和哉兄さんは軍人・・・直人兄さんもそうだから・・・」

詠子「いくら戦争嫌いだからってしょうがない事だってあるのよ?」

優真「分かってるよ・・・」

和哉は天城家長男の二十四歳の青年で軍に入っている。
直人は天城家次男で二十歳の軍人である。

詠子「今の世、長男と次男が軍だったら少しは生活も楽になるわよ。」

優真「だけど兄さん達が死ぬって事もあるんだ・・・死んじゃったら何にもならないじゃないか・・・」

詠子「優真・・・」

優真「ねぇ姉さん・・・僕やっぱり・・・」

詠子「その先は言っちゃ駄目。アンタは高校に行くの。」

優真「だけど・・・」

天城家には両親がいなかった。
三年前母親は事故で、父親は戦争で死んでしまっているのだ。
そして残されたのは優真、詠子を初めとした八人の兄弟だけだった。

優真「僕だって色々出来るんだ。姉さんも来年は受験なのにアルバイトとかして大変じゃないか・・・」

詠子「大丈夫だって。それに優真はもっと色々学んで欲しいのよ。」

優真「姉さん・・・」

詠子「それよりも。早く朝ご飯を。」

優真「あ、うん。」

優真は詠子と一緒に朝ご飯を食べ始めた。

優真「確か姉さんと匠と聖美は休みなんだよね?」

詠子「ええ。」

匠(ショウ)と聖美は十一歳と八歳の天城家四男と三女である。

詠子「聖名子はもう学校行ったわよ。日直だって。」

優真「そっか。じゃあ僕も急がなきゃ。」

聖名子は十三歳の天城家次女である。

ピンポ〜ン

その時チャイムが鳴った。

優真「香が来たんだな。」

詠子「のようね。は〜い。」

詠子が玄関に行くと黄色の長い髪を赤いリボンで結った水色の瞳の少女がいた。

少女「おはようございます。詠子姉さん。」

彼女の名は一之瀬香。優真の幼馴染で天城家とは長い付き合いの少女である。

詠子「おはよう香ちゃん。優真ならもう少し待ってくれればすぐ準備が終わるわ。」

香「そうですか。ちょっと早かったかな?」

詠子「いつもいつもご苦労ね。優真早く〜〜!!」

優真「分かってるよ姉さん!!」

詠子の言ったように優真はすぐに支度をしてやってきた。

優真「それじゃあ姉さん。行ってきます。」

詠子「行ってらっしゃい。」

そして優真と香は学校へ向かった。

香「確か高校と小学校は休みなんだよね?」

優真「うん。どっちもハガネの見学に行く人が多いからいっその事休校だって。」

香「何よそれ〜・・・私だって見に行きたかったのに〜・・・」

優真「僕は別にいいけどね。」

香「そっか・・・優真戦争嫌いだもんね・・・」

優真「だから兵器とか・・・嫌なんだ・・・」

香「分からなくは無いけど・・・今はしょうがないんだよ?」

優真「分かってるよ・・・ただ、好きになれないだけ・・・」

香「別に好きになれって言ってるんじゃ無いのよ?」

優真「うん・・・」

香「でも優真だったらMAでもPTでもバルキリーでも乗れるんじゃ無いの?」

優真「だけど乗る気は無いよ。」

香「そう言うと思った。」

MAとはモビルアーマー、地球軍が黒の時代から使用している戦闘機型の兵器である。
PTはパーソナルトルーパー、近年になり地球軍が開発した人型の兵器である。
バルキリーはMA同様黒の時代から使用してる戦闘機と人型に変形する兵器である。

香「にしても兵器の問題を改善させる暇があったら今起こってるエネルギー問題もどうにかして欲しい物よね・・・」

優真「うん・・・」

Nジャマーの設置以降核が関わる物全てが使用不能となり、エネルギーの問題は今も続いているのだ。

香「でも確か凄い協力者がいるって聞いたわよ。何でも未来から来たとかどうとか。」

優真「それに神族と魔族の魔力も動力にするとか言ってるしね。一体どうなるんだか・・・」

香「そのエネルギーを一般家庭にも欲しいわよね〜」

優真「ぼやかないぼやかない。」

香「そうね。」

二人はそんな事を話しながら学校への道を歩いていた。と。

「待てい!!」

優真「?」

突然二人を囲むように大量の男が現れた。

男A「天城優真!!貴様にはここで消えてもらう!!」

優真「あ、あのぉ・・・僕、何かしましたか?」

男B「ふざけんじゃねぇ!!この女たらしが!!」

男C「学校中の女子からキャーキャー言われていながら貴様は!!」

男D「それに人気bPの一之瀬香ちゃんべったりの時点で消えるべきだ!!」

香「優真がらみのようね。」

優真「またか・・・少し離れた街には神界と魔界の王女に求愛されてる高校生がいるって聞いたけど・・・僕も僕で大変だよ・・・」

優真は成績も良し、運動神経に至っては神技と言われるほどの万能人間とも言われており。
優しい性格と整った顔立ちもあって学校一番の人気者(女子限定)であるのだ。
同じく香は優真ほどでは無いが成績も運動神経よし、家事に至っては文句のつけようが無いが少々ドジなのが難点。
しかし明るくめげない前向きな性格と綺麗としか言いようの無い顔立ちで優真同様学校一番の人気者(男子限定)であるのだ。

優真「別に僕は好きでそうなってるわけじゃ無いんだけど・・・」

香「そうだよ〜優真は私の恋人だもん。ね?」

優真「ね?って・・・僕は別に・・・」

香「あ〜ひっど〜い!!」

そんな二人のやり取りを見ていた男達の怒りのボルテージは徐々に上がっていった。

男ども「ぶっ殺す〜〜〜〜〜〜!!」

男達が一斉に優真に襲いかかろうとしていた。

優真「あぁあぁ・・・香、つかまって。」

香「は〜い♪」

香は優真に抱きついた。

優真「そろそろ来るだろうから、一緒にジャンプして。」

香「あい♪」

男ども「うぉーーーー!!」

優真「今だ!!」

香「それっ!!」

二人は同時にジャンプした。その瞬間。

優真「くぅっ!!」

香「きゃっ!!」

優真達の後ろからとてつもない強風が一瞬吹き、二人は男達の頭上を数メートル飛んでいった。

男ども「しまったぁ!!」

香「さっすが風読みの優真ね。」

優真「褒める暇があったら走るよ!!」

香「うん!!」

二人はそのまま学校へ向かい走り出した。
風守町には時折不定期に一瞬だけ強風が吹く現象があり。
前触れ無しに来るのでこの街には一軒に必ず風を感知する装置があるのだが。
優真は人間で唯一その風が読めると言う能力があった。

優真「流石に早いなぁ・・・」

香「男の執念って奴じゃないの?」

男ども「ぬぉーーーーー!!」

優真「嫌だなぁ・・・っと階段だ。」

二人の前方に下りの階段が見えてきた。

優真「一気に切り抜けるから、僕につかまって!!」

香「は〜い♪」

走りながら香は優真に飛びつき、優真は仕方なくお姫様抱っこで走り続けた。

優真「行くよ!!」

香「うん!!」

優真は階段の手すりに飛び乗り、そのまま下へと滑り降りていった。

優真「振り切るから裏道を通るよ!!」

香「りょ〜か〜い!!」

優真は一般道をそれて裏道に入った。

男A「逃がすなぁ!!追えぇ!!」

男ども「うおぉーーーーー!!」





優真「何とか振り切ったみたいだ。」

香「お疲れ♪」

優真「まったく・・・僕の事も少しは考えてくれよな・・・」

香「それは無理って物でしょ?私も時々追っかけられるもん。」

優真「そうだよね・・・あのさぁ・・・そろそろ降りてくれない?」

香「もうちょっといいじゃない。」

優真「あのさぁ・・・」

「相変わらず仲いいわね。」

優真「あ。」

優真と香の元に数名の男女がやってきた。

優真「隆士さんに梢さん。それに珠実さんに恵さん、沙夜子さんもおはようございます。」

香「朝美ちゃんもおはよう。」

隆士「おはよう。優真君。香ちゃん。」

梢「おはようございます。」

やって来たのはこの街の一角にある鳴滝荘と言うアパートに住む住人と大家。
白鳥隆士、蒼葉梢、桃乃恵、茶ノ畑珠実、黒崎沙夜子と朝美親子だった。

珠実「その様子だとまた追っかけられたみたいですね〜」

優真「ええ・・・毎朝ってわけじゃ無いけど・・・大変ですよ・・・」

恵「まぁいいんじゃないの。それだけ人気者何だしさ。」

優真「恵さん・・・他人事だからって・・・」

香「所で皆さんは今日は?」

隆士「あぁ。今日は梢ちゃん達も僕も学校が休みになったからハガネの見学に。」

優真「朝美ちゃんも?」

朝美「うん。今日は学校お休みするの。」

香「いいなぁ〜・・・」

梢「中学校でも休む人が多いそうですよ?」

香「ねぇ優真。私達も・・・」

優真「僕らは学校に行くので。」

香「ゆ〜まぁ・・・」

沙夜子「そう・・・」

隆士「それじゃあまた。急がないと学校に遅れるんじゃないの?」

優真「走れば間に合いますよ。それじゃあ。」

香「またね朝美ちゃん!!」

優真と香は再び学校へ走り出した。

隆士「それじゃあ僕らも行こうか。」

梢「はい。灰原さんも待っているでしょうから。」

恵「しっかしバラさんも分かんない人間よね〜冴えないおっさんだと思ったら実はアーマー乗りだったなんてね。」

珠実「そうですね〜それでJフリートや宇宙怪獣相手に戦ってるなんてある意味凄いです〜」

隆士「灰原さんもアーシアンなのに凄いよね。」

アーシアンとはジュピトリアン襲来以降についた地球圏に住む人間達の俗名である。

沙夜子「人は見かけによらない物なのよ・・・」

恵「な、何だか沙夜ちゃんが言うと説得力あるような・・・」

梢「それより急ぎましょう。」

朝美「そうだね。」

隆士「うん。」

そして隆士達はハガネがある港へ向かった。









優真「よし。間に合った。」

香「時間に余裕有り。少しは眠れるね。」

優真「寝る気なの・・・?」

その頃優真と香は学校に到着していた。

香「いいじゃないの。ちょっとは寝たって私達はあまり成績に響かないでしょ?」

優真「そうかなぁ・・・」

「あ、優兄ちゃん。それに香お姉ちゃん。」

優真「あ、聖名子おはよう。」

優真と香の所に次女聖名子がやってきた。

香「おはよう聖名子ちゃん。」

聖名子「もしかして今朝も追っかけられたの?」

優真「まぁね。」

聖名子「優兄ちゃんも大変だね。」

優真「もういいけどね・・・」

聖名子「所でお姉ちゃんから聞いた?今夜和兄ちゃんと直兄ちゃんが帰ってくるって。」

優真「そうなの?」

聖名子「うん。」

香「それじゃあ兄弟が久しぶりにみんなそろうんだね。」

優真「うん・・・」

聖名子「優兄ちゃん・・・いくら戦争が嫌いだからって、お兄ちゃん達を悪く思わないで。」

優真「分かってるよ。」

香「優真も馬鹿じゃないから大丈夫よ。それよりそろそろHR始まるよ?」

聖名子「そうね。じゃあまた後で。」

優真「うん。」

優真と香、聖名子はそれぞれの教室に向かった。









「補給の方はどうなの?」

「もう少しかかるそうです。」

「そう。」

ハガネのブリッジに一人の女性と男性がいた。
女性は草薙素子。地球連合第九艦隊の少佐でバルキリー乗りである。
そして男性が天城和哉。天城家長男の第九艦隊中尉でブリッジ要員である。

素子「ここでの補給が終わったら光陽町に行くわよ。受け取る物がある。」

和哉「まぁそうせかさないでくださいよ。出発は明日、今夜は家族と過ごしたいんで。」

素子「そう言えばあなたはこの町の出身だったかしら。」

和哉「ええ。それに弟の直人も。」

素子「いいわ。だけど夜になってからね。」

和哉「了解。」

「少佐。」

素子「どうした?イシカワ。」

ブリッジのオペレーター席にいた男イシカワは素子に話しかけてきた。

イシカワ「『G』の搬入と『ブレード』の輸送だが、少し遅れるそうだ。」

素子「どう言う事?」

和哉「大方この街の風でしょうね。」

イシカワ「正解だ。時々吹く強風でてこずってるそうだ。」

素子「厄介ね・・・」

和哉「ま、この街の迷惑な名物ですよ。」

素子「それで、どれくらい遅れそうなの?」

イシカワ「良くて一時間、遅れに遅れて三時間ほどのようだ。」

素子「ま、まだいい方ね。」

和哉「それにこの街の人達がハガネを見にゾロゾロ来てるそうですし。時間かかりそうですね。」

素子「見せ物じゃ無いわよ・・・」

和哉「まぁまぁ・・・」









「でっけぇ戦艦だよな。流石ハガネだ。」

「そうだね〜・・・」

ハガネの近くに高校生の三人の男女がいた。

「ハガネは一隻でかなりの戦闘能力を持つって言うからね。」

そこにいたのは詠子と同じ高校の生徒。
藤田浩之、神岸あかり、佐藤雅史である。

浩之「主力はMAとバルキリー辺りだったよな。」

雅史「でもPTもそろそろハガネの主力になるって話だよ。」

あかり「そうなんだぁ・・・」

浩之「そう言えば志保達は?」

あかり「他の所見てくるって。」

浩之「ったく。ちったぁ団体行動しろっての・・・」

雅史「いいじゃないか浩之。」

あかり「そうだよ。あれ?」

浩之「どうしたあかり?」

あかり「あれ、のび太君達じゃ無い?」

浩之「お、本当だ。」

少し離れた場所に小学生の男女がいた。

あかり「のび太く〜ん。」

のび太「あ、浩之さんにあかりさん。雅史さんも。」

浩之「お前らも来てたのか。」

のび太「はい。」

来ていたのはこの街の小学校に通う野比のび太、源静香、ジャイアンこと剛田武、骨川スネ夫、木之本桜、大道寺知世、藤林すずだった。

のび太「ドラえもんがエネルギー問題に協力するって言ってハガネに乗ったので。」

雅史「確か未来から来たって言ってたよね。」

静香「はい。」

あかり「だったらエネルギー不足も何とかなるんだね。」

浩之「そうかなぁ・・・結構マヌケな所があるからな・・・」

「誰がマヌケだって?」

のび太「あ、ドラえもん。」

ハガネの方から青いタヌキのようなロボット、一応ネコ型ロボットのドラえもんがやってきた。

桜「ねぇドラちゃん。どうなったの?」

ドラえもん「うん。世界中を回って色んな遺跡で使えそうな物を探してたんだけど・・・まだ難しいと思うんだ。」

すず「そうですか・・・」

ドラえもん「今のハガネにはトロニウムって言う不安定で危険だけど高出力のエネルギーがでる物質をエンジンにしてるからNジャマーに影響されないけど・・・」

桜「ふ、不安定で危険って・・・大丈夫なの・・・?」

ドラえもん「とりあえず未来の技術で制御可能にはなったけど・・・一度暴走したら核どころの被害じゃ収まらないと思うんだ。」

ジャイアン「じゃあそのトロにウニってのも爆弾かよ!?」

スネ夫「トロニウムだよジャイアン。」

ドラえもん「使い方次第じゃ核以上の爆弾になるね・・・」

のび太「でも今は安定したんだよね。じゃあ少しは大丈夫なんだよね。」

ドラえもん「うん。」

浩之「トロニウムか・・・道理でハガネが強力な力を持ってるってわけだ。」

雅史「浩之もトロニウムの事覚えてたんだ。」

浩之「ああ。」

ドラえもん「知ってたの?」

あかり「私達、PTの操縦の講習を受けて・・・トロニウムの危険性は知ってます。」

トロニウムとは古くから掘り出されてる鉱石で最小で砂一粒の大きさだが。
それでも強大な力を持つ危険な鉱石である。
ハガネにはそのトロニウムを集めるだけ集め、動力にした『トロニウムエンジン』が使われてる。
そして今のPTとバルキリーの動力もトロニウムなのだ。

浩之「結構危険だからな。ま、下手に暴走させない事だな。」

ドラえもん「分かってるよ。それとのび太君達には見てもらいたい物があるんだ。」

のび太「何なの?」

ドラえもん「とりあえずこっちに。」

浩之「じゃあ俺らは他の奴らと合流するから。」

静香「はい。」

のび太「それじゃあ。」

そう言ってのび太達はドラえもんに案内され、ハガネの方に向かっていった。

浩之「じゃあ志保や委員長達を探そう。」

あかり「そうだね。」

そして浩之達も他の者達を探しに歩き出した。









隆士「灰原さんお久しぶりです。」

「おう。」

その頃ハガネの近くに鳴滝荘の住人達も来ており、目的の人物、灰原由紀夫に会っていた。

梢「灰原さん大丈夫でしたか?」

ジョニー「俺と灰原をなめるなよ。」

灰原は犬のパペット人形『流星ジョニー』が話すというある意味奇妙な人間だった。
しかしMAメビウス・ゼロを唯一乗りこなす事の出来るアーマー乗りである。

恵「バラさんも結構活躍してるッぽいね。」

ジョニー「まぁな。だけど灰原と俺にある機体のパイロットをしてくれって言ってるんだがナ・・・」

珠実「またアーマーですか?」

ジョニー「いや、MSだ。」

隆士「モ、MS!?」

MSは現ジュピトリアンの主力であり、黒の時代に地球軍も核エンジンで動いていた人型の兵器である。

朝美「でも今のMSって確かバッテリーで動いているから扱いが難しいんじゃなかったの?」

ジョニー「その通りだ。今ここに二機いるんだが、両方ともOSが無茶苦茶で俺が扱えるかどうかも定かじゃねぇ。」

隆士「はぁ・・・」

ジョニー「っと、うっかり言っちまった・・・悪いが今言った事聞かなかった事にしてくれ。」

梢「どうしてですか?」

沙夜子「多分その二機、機密事項じゃないの・・・?」

恵「へ?」

ジョニー「その通り何だよ。だからよ、今のは聞かなかった事にしておいてくれや。」

珠実「じゃあ言うなです〜」

ジョニー「おめぇが一番に聞いたんだろうが!!」

隆士「ま、まぁまぁ・・・ん?」

梢「どうかしました?」

隆士「アレは・・・」

隆士の視線の先に金髪の隆士と同じくらいの青年がいた。

梢「白鳥さん?」

隆士「ちょっと待ってて。」

隆士は青年がいる方に走っていった。

ジョニー「何だ?」

梢「どうしたのでしょう・・・」









教師「であるからして。旧暦、つまり我々人類がまた宇宙へ進行していなかった時代、その頃からも現ジュピトリアンと思われる者達はいたとされ・・・」

優真「・・・香・・・」

香「むにゅ・・・?」

優真と香は学校で授業を受けていた。

優真「起きた方がいいって・・・」

香「ん〜・・・」

教師「今でも一部中立の場所では血は薄まったとは言えジュピトリアンの血を引き継ぐ者達が共存しているとされています。」

優真「香・・・」

香「分かったわよ・・・」

教師「こう言う事もあり、アーシアンにもジュピトリアンにも共存の声を上げる人もいるのも事実で・・・」

生徒A「だけど戦争を仕掛けてきたのはジュピトリアンじゃないですか。」

生徒B「そうは言うけど元々は昔のアーシアンがジュピトリアンを追放したからじゃないか。」

教師「その通りです。この戦争は追放したアーシアンにも、そして宣戦布告してきたジュピトリアンにも非があるのです。」

優真「少しは真面目に授業を受けた方が・・・」

(クル・・・)

優真「え?」

香「どしたん?」

優真「今声が・・・気のせいかな・・・?」

教師「つまりこの戦争は・・・」

ウィーーーーー!!

優真「警報!?」

突然街中に警報が鳴り響いた。
警報と同時に生徒の何名かが窓の外を見た。

生徒C「宇宙怪獣だ!!」

窓の外に十mほどの緑色の生物のような物。宇宙怪獣の兵隊が大量に現れていた。

教師「慌てないで!!みんな街のシェルターに向かいましょう!!」

優真「香!!」

香「うん!!」

中学校の生徒達は街の離れた場所にあるシェルターに向かって走った。
そして同時に街の住人達もシェルターに向かっていった。

香「だ、大丈夫かな!?」

優真「大丈夫!!風神様が守ってくれるって!!」

走りながら優真は街の小高い丘の岩肌の中にある石像を見た。
この街には風神と崇められる大きな石像があった。

優真「だから急ごう!!」

香「うん!!」

聖名子「あ、優兄ちゃん!!」

その途中で聖名子と出会った。

優真「聖名子大丈夫!?」

聖名子「う、うん!!」

優真「急ごう!!」

優真達は急いでシェルターに走っていった。

優真「風神様・・・どうか・・・守ってください・・・!!」

優真は祈りながら走り続けた。





平和な風守町を突如襲った悲劇。はたして優真達の運命は・・・



続く






あ と が き
自身初スパロボSS
一話はまず敵の襲撃からになります
とっ初めから原作とは違うッス
まほらばとトゥハートがオリジナルの町ですしね。
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