十四の調


四神目覚める








梢「・・・」

珠実「辛くないですか・・・?」

梢「・・・ちょっとね・・・」

私は昨夜の事から梢ちゃんは様子がおかしいのに気づいた。
本来なら目覚めなくなったと言う時点で泣いてしまっているのに・・・

珠実「・・・信じているんですね・・・白鳥さんの事を・・・」

梢「うん・・・」

珠実「そうですか・・・」

だけどこんな事になったのには私の責任でもある・・・
あの時あの男をしっかりと倒していなかったから・・・
あいつの攻撃に気づいていなかったから・・・
白鳥さんは私をかばって・・・

梢「珠実ちゃん。」

珠実「?」

梢「白鳥さんは・・・そんな風に思って欲しくないと思うよ。」

珠実「梢ちゃん・・・」

どうしてこの子はこうまで優しくいられるのだろう・・・
愛する人とまた会えなくなったのが私のせいなのにどうして・・・

珠実「・・・私を・・・憎んでますか・・・?」

梢「どうして?」

珠実「だって・・・私のせいで・・・」

梢「もういいよ珠実ちゃん。私達友達じゃない。」

珠実「梢ちゃん・・・」

梢「それに、まだ希望はあるんですから。」

珠実「もしその希望も打ち砕かれたら・・・」

梢「・・・その時は信じてみる。」

珠実「・・・奇跡・・・をですか?」

梢「白鳥さんをです・・・」

珠実「・・・」

梢「前に聞いた事があるの。『奇跡は幾つもの偶然が重なって生まれる物』って。」

珠実「偶然・・・ですか・・・?」

梢「うん。だから私は信じてみるの。奇跡じゃなく、白鳥さんの事を。また私に絵を描いてくれるって。」

珠実「・・・強くなったんですね。」

梢「そんなんじゃないよ。ただ信じているだけ。」

珠実「それが強いんですよ。普通ならもう絶望してると思うです・・・」

梢「そうかな?」

珠実「本当に・・・強いです・・・」

私はずっと梢ちゃんといた。
だからこそ、この子が強くなったのがよく分かった。

梢「でもどうするのかな?どうやって白鳥さんを・・・」

「それはワシが話そう。」

梢「きゃっ!?」

珠実「何者です!?」

私達のすぐ後ろに初老の男がいた。

男「安心せい。十二支じゃないわ。」

梢「そ、それじゃああなたが?」

男「そうじゃ。ワシの名前は菫里省吾。」

梢「菫里さん・・・あなたが白鳥さん達を・・・」

菫里「ああ。で、今どこに?」

神那「おうじいさん。やっと来たのか。」

ちょうど栗崎さんがやってきました。

菫里「その口調は神那じゃな。虎丈と朱雀譲ちゃんは元気かの?」

神那「おう。何なら話すか?」

菫里「いやいいわ。で、隆士が目覚めなくなったのじゃな?」

珠実「そうです・・・」

神那「何かいい方法無いのかいじいさん。」

菫里「少々無茶じゃが一つあるぞ。」

梢「それは?」

菫里「こいつらを元に戻すのじゃ。」

神那「て事は隆士の体から俺らを取り除くのか?」

菫里「ああ。もしかすれば目覚めるやも知れぬ。元々一つの体に四つの精神じゃったからの。」

梢「何でもいいです。白鳥さんが目覚めるのであれば・・・」

菫里「目覚めるとは限らんぞ?」

梢「それでも・・・お願いします。」

菫里「そうか。では神那、お前達の体を玄関に置いてある。運んでくれ。」

神那「おいおいじいさん・・・俺らの体大事に扱ってくれよ・・・」

菫里「腐らせないで取って置いたんじゃ。感謝してもらいたいわ・・・」

神那「はいはい・・・」

渋々栗崎さんは玄関の方に向かいました。

菫里「戻す際にどこか部屋を借りたいのじゃが・・・」

梢「それなら二号室を。白鳥さんのお部屋ですので。」

珠実「そうですね。」

菫里「そうか。すまないの。」

梢「でも勝手にいいのでしょうか・・・」

菫里「いいんじゃよ。目覚めなくなった隆士のせいなんじゃからの。」

梢「・・・」

神那「持ってきたぜじいさん・・・」

ちょうど栗崎さんが人が入ってそうな箱を三つ持ってやってきました。

菫里「すまないの。では始めるか。」

梢「一体どうするのですか?」

菫里「まずは隆士の体にある程度移植したこいつらの細胞を摘出し本体に戻す。」

神那「虎丈が言ってたが今の隆士の体には一部俺らの体の細胞があるそうだ。そいつのおかげで俺らはこう言う風にいられるってよ。」

菫里「そう。そしてその後精神を戻すのじゃ。」

珠実「ですけど・・・三人の体って大丈夫なんですか?一度死んでる物ですよ。」

菫里「多分大丈夫じゃろ。」

梢「多分って・・・」

神那「・・・大丈夫じゃなかったら呪ってやる・・・」

菫里「安心せい。ほれ行くぞ。」

そう言ってお二人は二号室に入りました。

梢「後は待ってよう。」

珠実「そうですね。所で梢ちゃん・・・」

梢「何?」

珠実「そろそろお昼時では・・・」

梢「え?あ!!」

時間はちょうど十二時。
勿論昼食の準備は一切していません・・・

梢「た、大変急いで作らないと!!」

そう言って梢ちゃんは炊事場に走って行きました。

珠実「梢ちゃんったら・・・ふぅ・・・」

私はずっと思っていた。
一度は白鳥さんを憎みましたが今度は私のせい・・・
白鳥さんを恨む事は出来ない・・・

珠実「梢ちゃん・・・」













灰原「で・・・今元の状態に戻してるってのか。」

梢「はい。」

恵「みんなを元の状態って事はそれぞれの体に戻るって事よね。」

朝美「それでお兄ちゃんは目を覚ますの?」

珠実「おそらくです・・・」

瑞穂「確立は・・・低そうね・・・」

沙耶「でもそれしか無いんならしょうがないんじゃないですか?」

まひる「そうだろう・・・」

梢「・・・」

花梨「梢・・・」

浩子「梢ポン・・・」

私には信じる事しか出来ない・・・
白鳥さんが目覚めるのを信じて待つしかない・・・

菫里「ふぅ・・・」

その時菫里さんが戻ってきました。

梢「菫里さん・・・どうなんですか?」

菫里「その前にお茶でもくれぬか?疲れてのう・・・」

梢「あ、はい。」

「だったら俺にも〜」

梢「え?」

聞いた事の無い声が・・・
見ると菫里さんの後ろに見知らぬ人が三人・・・

梢「も、もしかして皆さんは・・・」

沙夜子「あの子達ね。」

朱雀「そうですわ。」

恵「そう言えば前に見た写真の体ね。」

虎丈「まぁそう言う事だ。」

梢「あ、今お茶入れますね。」

私はすぐにお茶を用意しました。

梢「どうぞ。」

神那「ありがとね〜」

朝美「それでお兄ちゃんは?」

菫里「それじゃがの・・・」

朱雀「その・・・」

虎丈「・・・生きてはいる・・・けどな・・・」

梢「けど・・・?」

朱雀「まだ目覚めないんです・・・」

梢「・・・」

タチバナ「昏睡状態か・・・」

梢「でも生きているんですよね?」

菫里「ああ。脈もはっきりしている。ただ深い眠りについているようなものじゃ。」

梢「それならよかったです。」

朱雀「でも目覚めるとは限りませんよ。もしもの時は・・・」

梢「その時が来るまで・・・私は希望を捨てません。」

「いやぁ〜・・・愛ってすばらしいね〜」

梢「な、何言って・・・って今のは誰です?」

珠実「私は・・・何も・・・」

恵「あたしも言ってないわよ?」

朝美「うん・・・」

神那「おいおい・・・な〜んで来てんだよ・・・美乃・・・」

梢「みない?」

「・・・懐かしい名前ね。カミ〜」

梢「その言い方・・・って兎連さん!?」

兎連「当ったり〜〜〜」

名前を言った途端裏庭から兎連さんが入ってきました。

兎連「ひっさしぃ〜ね〜その姿に名前もね。」

神那「敵なんだからもうちっと緊張感ってもん持てよ・・・」

兎連「まぁまぁ〜」

敵同士とは思えない会話をする二人を私達は呆然としながら見ていた・・・

梢「あ、あの〜・・・みないって・・・?」

神那「こいつの本名さ・・・緋山美乃・・・俺の幼馴染で・・・彼女だ・・・」

兎連「そ。元々十二支の名前は決められてるんよ。」

朝美「本名じゃないんだ・・・じゃあ鳥汐ちゃんも・・・」

兎連「そ〜なのよ。でもあの子の場合は十二支に拾われた天涯孤独な子だから本名が何なのか分かんないのよね。」

花梨「ん〜・・・それはそれで悲しいけど・・・本当に恋人だったんだ・・・」

神那「過去形にしないで欲しいな・・・」

兎連「そうね〜・・・過去形にはして欲しくないわね〜・・・」

恵「はぁ・・・」

兎連「まぁこの話をするの来たんじゃないの。本題に入るわね。」

神那「遊びに来ただけじゃないのか。」

兎連「まぁね。察しの通り、十二支全員が遂にここの事を知っちゃったわよ。」

梢「それじゃ・・・」

兎連「その気になったらいつでも襲撃可能だって。」

灰原「そりゃやばいんじゃないか・・・?」

兎連「で〜もしばらくは大丈夫じゃない?」

虎丈「そりゃまたどうしてだ?」

兎連「・・・三年前、カミ〜達が偶然知って、私達から奪った物。」

朱雀「!!」

兎連「それを虎焔、馬邨、それに竜汪の三人で取りに行っててね。」

虎丈「プルトニウムか・・・!!」

タチバナ「プルトニウムだと!?」

沙耶「それどっかで聞いた事あるような・・・」

翼「それって確か核兵器に使われてるって言う・・・!!」

兎連「そ。三年前の計画・・・もし四人が知ってなかったら核を使って脅迫するのがセオリーだった。」

浩子「か、核・・・」

朱雀「ですがそれを私達が偶然知ってしまい・・・」

虎丈「その計画を阻止する事が出来た。」

恵「あのさぁ・・・ど〜も気になってた事を言っていい?」

朱雀「何です?」

恵「三年前・・・何があったのか。」

虎丈「そうだな・・・本来なら隆士もいた方がいいと思うんだけど。」

朱雀「話しましょう。あの日の事を・・・」

神那「だな。」

朱雀「では話します。三年前のあの日の事を・・・」













朱雀(高校)「まったく皆さまったら・・・」

朱雀(その時私は班の皆さまが勝手に行動して・・・とりあえず皆さまと別れた公園で私は待っていました。)

隆士(高校)「はぁ・・・どうして僕が班長なのかな・・・」

朱雀(おそらく私と同時に隆士様も同じような事があって・・・)

虎丈(待て待て。)

神那(俺らもだ。)

虎丈(高校)「ったくあいつらは・・・」

神那(高校)「勝手すぎる奴らはほんと疲れちまうぜ・・・」

神那(まぁそんな事もあって俺らは偶然その公園にそろっちまったんだ。)

隆士「先生には何て言えばいいんだか・・・」

朱雀「本当です。困りますわ。」

虎丈「勝手な奴らばっかではた迷惑だっつうの・・・」

神那「同感同感。」

隆士「ん?」
虎丈「あ?」
神那「い?」
朱雀「え?」

朱雀(この時私達は顔をあわせました。)

隆士「別の高校の人・・・?」

虎丈「ま、まぁな。」

朱雀「もしかして皆さまも?」

神那「ああ。」

隆士「大変だよね〜・・・」

神那「そうそう・・・」

朱雀「これで困るのは皆さま、そして私もそうですから・・・」

虎丈「先生の説教は覚悟だな・・・」

朱雀「そうですわね・・・」

隆士「あ〜・・・嫌だな・・・」

虎丈「戻ってきたら蹴り飛ばしてやる・・・」

神那「俺は砂の中に頭だけ出して埋めてやる・・・」

隆士「はは・・・そうだ。僕は白鳥隆士。君達は?」

虎丈「虎丈。藍川虎丈って言う。」

神那「俺は栗崎神那。よろしくな。」

朱雀「十一代目橙条院家党首孫娘の朱雀と申します。」

隆士「えっと・・・藍川君に栗崎君に・・・橙条院さんでいいの?」

虎丈「おいおい苗字かよ。」

神那「そうだぜ。名前呼び捨てでいいんだぜ。」

朱雀「そうですわ。私も朱雀でいいです。」

隆士「そ、そう?」

虎丈「にしてもお前結構女顔だな。」

神那「所で朱雀ちゃんだっけ?君ってフリー?」

朱雀「はい。今は自由時間ですので・・・」

神那「いやそうじゃなくて・・・」

隆士「気にしてる事言わないでよ・・・」

虎丈「あ、悪い。」

朱雀「?」

虎丈(しばらくはそんな感じで話してたよな。)

朱雀(そうでしたわね。)

神那(どれだけ話したか・・・)

朱雀(ですけど・・・)

虎丈「なぁ・・・なんか変じゃないか?」

朱雀「変?」

隆士「そう言えば・・・この辺りには僕ら四人だけって・・・」

神那「確かにそうだな・・・こんな事ってあるんだろうか?」

「あ〜君達?」

隆士「はい?」

朱雀(その時私達の所に来たのは・・・)

虎丈(はっきり言えば初老の男だな。)

男「すまないが少しの間この公園には入らないで欲しいのだが。」

虎丈「あ?どうして?」

男「どうしてもだ。」

朱雀「しかし私達はここから離れてしまうと他の皆さまに迷惑をかけてしまいますし・・・」

男「だがどうしてもだ。今からここで重要な事があるのでね。」

神那「だがよぉ〜・・・」

隆士「みんなさぁ・・・迷惑かけるのもなんだから。」

朱雀「そうですわね。」

虎丈「しゃ〜ないか。」

神那「さんせ〜」

神那(そ〜ゆ〜事で、俺らは一度は公園を離れたんだ。)

虎丈(だけど・・・)

神那「そう簡単に言う事聞くかっての。」

虎丈「同感だ。」

隆士「い、いいのかな・・・?」

朱雀「さぁ・・・」

朱雀(お二人の提案ですぐ近くに身を隠していたのです。)

隆士「見つかったらどうするのさ・・・」

神那「その時はその時さ。」

朱雀「はぁ・・・」

虎丈「しっ!!誰か来たぜ。」

虎丈(そしてその公園に十二支のメンバー・・・鼠条と牛凱に羊宗、犬斗に後確か・・・猿治が来たんだ。)

神那(それとその時の鳥汐もいたな。)

朱雀(その手に・・・プルトニウムを持って・・・)

男「来たか。例の物は?」

鼠条「勿論ですぜ。」

男「おお・・・これがあればこの国は我らの思いのままだ・・・ふふふ・・・ふははははは!!」

虎丈「何だあれ・・・?」

神那「いい感じはしないな・・・」

隆士「うん・・・」

朱雀「あれは一体・・・」

羊宗「!!誰だ!!」

隆士「うわっ!!」

男「き、貴様ら!!」

虎丈「ま、街中で普通銃ぶっ放すか!?」

神那「それだけヤバイんだろうが!!」

男「見られたからには消えてもらうしかない!!行け!!」

朱雀「ちょ、ちょっと待ってください!!」

鼠条「待てねぇよ!!」

虎丈(つ〜事で鳥汐以外の奴らが襲ってきてな・・・)

虎丈「くそっ!!どう見たって隆士はケンカ出来そうに無いな・・・神那食い止めるぞ!!」

神那「あいよ!!」

虎丈(俺らは飛び出してあいつらに向かって行った。)

神那(俺は獲物が無かったから結局は素手になっちまったけどな。)

朱雀(そして私と隆士様はその場から逃げようとしました。)

犬斗「行かせないぜ!!」

朱雀(犬斗が私達を阻止しに来たんです・・・)

隆士「まずい!!朱雀さん早く行って!!」

朱雀「隆士さん!?」

朱雀(隆士様は犬斗の刀を一本奪い私を逃がす為に戦ってくれました。)

虎丈(それでもやばい事に変わりなかった。)

神那(ああ。隆士と犬斗、俺は素手だったけど鼠条を。そして虎丈は猿治と戦ってたな。)

朱雀(ですから残りのニ人が私を・・・)

朱雀「い、いや!!」

羊宗「消えてもらう。悪く思うな!!」

牛凱「死ねぃ!!」

神那(まぁやばかったのは確かだったけどよ。)

渚「お嬢様!!」

虎丈(その時は渚さんだったよな。)

朱雀(はい。修学旅行の護衛に来たのは渚でした。)

渚「お嬢様に何をするのだ!!」

羊宗「消えてもらうに決まっている!!」

渚「お前達は何を・・・お嬢様お逃げください!!ここは私が!!」

朱雀「渚・・・申し訳ありません!!」

朱雀(私はその場から逃げようとしました。ですが・・・)

神那(まだ牛凱が残っていた。)

牛凱「逃げられると思っているのか小娘が!!」

朱雀「はっ!?」

隆士「くっ!!朱雀さん!!」

朱雀(その時に隆士様が私のもとへ駆け寄ってくださり私を助けてくださったのです。)

朱雀「白鳥さん!?」

隆士「何だってこんな事に・・・早く逃げなきゃ!!」

渚「お願いします!!お嬢様を!!」

隆士「はい!!」

朱雀(そのまま私は隆士様と一度公園を離れました・・・)

神那(後は俺らが何とかして抑える事が出来た。)

虎丈(いろいろあったけどよ・・・何とかその時の鳥汐を捕まえる事は出来たんだ。)

神那(他の奴らは逃しちまったけどよ・・・プルトニウムは回収できたんだ。)

神那「一体何が目的で俺らを殺そうとしたんだ?」

鳥汐(当時)「へっ・・・んな事言えるか・・・」

虎丈「この野郎・・・一発殴らないといけないようだな。」

隆士「あ、あまり暴力は・・・」

渚「いえ、お嬢様に危害を加えようとした者はただで生かすわけに行きません。」

朱雀「そうですわね・・・渚。」

隆士「な、何それ・・・?」

渚「自白剤です。」

隆士「ちょ!!それっていいんですか!?」

渚「いいに決まっているのです。ではお嬢様。」

朱雀「ええ。」

鳥汐「な!?お、おいそれはやば・・・ムボヴァーーーー!!」

虎丈(まぁそんなこんなで俺らはそいつらが企んでいた事を知ってしまったんだ。)

隆士「何だかものすごい事になったような・・・」

虎丈「でも知っちまったからにはもう無関係じゃないしな・・・」

神那「まぁ何だ。とりあえず俺らは修学旅行中の学生だ。」

朱雀「あ、そう言えば・・・」

渚「ここからは私が引き受けます皆様は・・・」

隆士「ありがとうございます・・・早くみんなを見つけないと・・・」

朱雀「ですわね・・・」

虎丈「んじゃあ縁があったら。」

神那「あばよ!!」

朱雀(そう言う事で私達は分かれました・・・)

虎丈(後は・・・俺らが泊まっていたホテルが一緒で一騒動あったがこれはいいか。)

神那(そうだな・・・後は隆士が起きてからだ・・・)













梢「そんな事があったんですか・・・」

兎連「まぁ私はその時別の事してたからね・・・殺すべき相手がカミ〜って知った時は驚いたわよ。」

沙夜子「所で・・・どうしてあなたがいるの?」

兎連「え?」

虎丈「そういやそうだ。お前敵だろ?」

兎連「ま〜今くらいいいじゃない。懐かしい名前も聞けたんだし。」

神那「・・・そうじゃないだろ?」

兎連「ばりた?」

神那「何年の付き合いだと思うんだよ・・・」

梢「あの〜・・・お二人って・・・本当に幼馴染なんですか・・・?」

恵「つ〜か付き合ってたの?」

兎連「それよりも・・・」

兎連さんは壁に立てかけてる栗崎さんの槍を見ました。

兎連「・・・時雨・・・忘れていないんだね・・・」

神那「当たり前だ・・・」

瑞穂「時雨ってその槍よね。」

兎連「ええ。そして彼が持ってる時雨との思い出の品・・・」

珠実「はい?」

神那「事情知らん奴に言っても駄目だろ。」

兎連「それもそね。」

朝美「何が何だか・・・」

神那「その槍時雨は・・・緋山時雨が持っていた・・・」

灰原「緋山?そいつと同じ・・・」

兎連「当たり前じゃない。時雨は私の双子の妹だもん。」

梢「妹・・・どうしたんですか・・・?」

兎連「・・・ちょっとね・・・あの子は今・・・」

神那「それはもう言うな。」

兎連「・・・そうね、ごめん・・・もう帰るね。」

神那「・・・」

梢「あ、あの・・・」

兎連「何?」

梢「栗崎さんの事・・・どう思ってるんです・・・?」

兎連「・・・今でも愛してるわよ。世界で唯一ね。」

梢「ならどうして・・・」

兎連「そうしなきゃいけなかったのよ・・・」

神那「それ以上は聞かないでくれな・・・」

兎連「じゃあね。」

そう言って兎連さんは帰ってしまいました。

花梨「何だか相当訳有関係なのね・・・」

神那「ああ・・・」

虎丈「だがあいつのおかげで分かった事がある。」

浩子「そのプルトニウムをまた・・・?」

朱雀「でしょうね。しかし相手が相手ですので闇雲行動するのは・・・」

理想奈「それじゃこれからどうするの?」

虎丈「残る十二支は十人。兎連、馬邨、竜汪、虎焔はしばらくはこないだろうが・・・」

朱雀「残る鼠条、猪玩、羊宗、犬斗・・・それに蛇蒼に鳥汐ちゃんがどうくるかですね・・・」

朝美「・・・」

タチバナ「その者達の中で注意すべきは毒や酸を持つ鼠条、スナイパーの羊宗、兵器を持つ猪玩かと・・・」

沙耶「確かにそんな奴街中でウロウロされてたら怖いわ・・・」

三千代「このまま来なかったらいいですのに・・・」

「残念ですが・・・そうは行きそうに無いです。」

またどこからか女の人が・・・
もしかして・・・

梢「朱雀さん・・・」

朱雀「ええ。葵ね?」

「はい。」

楓さん達と同じようにどこからか一人の女の人がやってきました。

朱雀「それで葵、そうは行きそうに無いとは・・・?」

葵「先ほど町を散策していた渚達から通達で・・・羊宗が再びやっていたそうです。」

虎丈「あの野郎まだこりないのか・・・」

神那「そうだろうさ。どうする?俺ら三人だけで行くか?」

珠実「そこの葵さんは戦わないんですか?」

葵「私は情報収集が第一なので・・・」

恵「それって決まってるの?」

朱雀「ええ。楓は医療が第一ですが近距離の戦闘なら二番目に強いです。」

虎丈「それに渚さんは車などの運転が凄いし・・・」

神那「要さんは狙撃がピカイチだったな。後は尊さんと梓さんか。」

梢「全部で六人なんですか・・・」

朱雀「ですが今は話をしている時ではありません。葵。」

葵「はい。」

葵さんは朱雀さんに大きな箱を渡しました。

翼「何ですかそれ?」

朱雀「私にとって必要なものです。」

恵「まさか・・・」

朱雀「はい。」

笑顔で答えた朱雀さんが出したのは一丁の銃でした。

朱雀「ウィンチェスターでも使い方次第で狙撃にも使えますし。」

まひる「そうなのか?」

朝美「さ、さぁ・・・」

沙耶「てか銃持っててええの?」

珠実「それ以上は聞いても呆れるです〜・・・」

神那「今度は俺らもいるし。」

虎丈「大丈夫だろうな。」

葵「いえそれが・・・」

梢「何か問題でも?」

葵「はい・・・どうやら金で雇われたと思われるゴロツキ何十人かが協力してるとの・・・」

恵「何よそれ・・・人の命をお金目的で殺すっての・・・?」

タチバナ「そう言う者もいるのが現実なのです・・・」

虎丈「そいつらに構ってる場合じゃ無いだろう。目的は羊宗だけだ。」

神那「でも厳しいぜ。羊宗だけって言っても大量の銃口が向けられてるんだからよ。」

朱雀「ええ・・・葵、何かいい手はありませんか?」

葵「そうと思いまして。これを。」

そう言って葵さんはテーブルに大量の腕時計のような物を置きました。

葵「新型の腕時計型トランシーバーです。これで通信しあいながら行動すれば。」

朱雀「なるほど。」

虎丈「でも数が数だ。もし葵さんを入れても俺らは四人だけ・・・」

まひる「ならタチバナ、手伝ってやれ。」

タチバナ「かしこまりましたお嬢様。」

珠実「私も手伝うです。」

花梨「お珠・・・」

珠実「私に出来る償いはここを守ってくれる皆さんの手伝いをする事だけです。」

虎丈「すまないな。」

梢「待って、私も手伝います。」

珠実「梢ちゃん!?」

梢「こんな事になって・・・私はとても辛いの・・・私に出来る事・・・ちょっとでもやりたいの!!」

浩子「こんな梢ポン見たの初めて・・・」

灰原「・・・となると年長者である俺も出なくちゃな。」

翼「男の数がただでさえ少ないんだ。俺も行く。」

神那「あんたら・・・すまない。」

瑞穂「まぁここはみんなの中でも大人な私達の出番ね。」

理想奈「瑞穂も!?」

瑞穂「ええ。白鳥君をあんな目に遭わせた奴らなんて・・・許せないんだから。」

朝美「だ、だったら私も・・・」

沙夜子「あなたは駄目よ・・・」

朝美「どうして!?」

虎丈「言っちゃ悪いが子供はこない方がいい。それに妊婦もな。」

恵「そうね。沙夜ちゃんと理想奈ちゃんとでここを引き受けるわ。」

菫里「ワシの面倒も頼むな。」

恵「はいはい。」

葵「ご協力感謝します・・・」

梢「いえ・・・ただ私がそうしたかっただけです。」

珠実「梢ちゃん・・・」

梢「急ぎましょう。この町を・・・ここを・・・白鳥さんを守る為に。」

朱雀「はい。」

瑞穂「ええ。」

翼「ああ。やってやろうじゃないか。」

タチバナ「皆・・・気をつけるように。」

虎丈「言わずもがな。」

神那「当たり前だっての。」

梢「それでは・・・行きましょう。」

町に出る者「ああ。」

私達は皆トランシーバーを持って外に出た。
いつも過ごしていた町も今は危険が立ち込めている・・・
死と隣り合わせの町中に私達は散らばった。
この町に悲劇を呼ばない為に。




白鳥さんがいるべき場所を守る為に・・・





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