Another United World
〜一つに集まった十四の世界〜
第九話 盗賊と王女、傭兵と警察
レプリロイドと呼ばれるロボット達が現れたその頃、一人の少年はある場所に来ていた・・・
ジタン「さてとどうするか・・・」
フライヤ「そうじゃな・・・」
ジタンとフライヤはアレクサンドリアにて何かを考えていた。
ジタン「流石に前と同じじゃ通じないよな・・・」
フライヤ「そうじゃろう・・・」
ジタン「・・・あの二人には頼んだのか?」
フライヤ「ああ。流石に二人では厳しかろう。」
ジタン「そうだな・・・また手を借りる事になるなんてな・・・」
フライヤ「仕方無かろう。ただ遅れると言っておった。」
ジタン「どのくらいだ?」
フライヤ「今日の夜中には着くと言っていたが・・・」
ジタン「流石に待ってられる時間じゃないな・・・」
フライヤ「確かにそうじゃが・・・我らだけでは危険じゃろう・・・」
ジタン「それくらい分かってるさ。だけどもたもたしてたら彼女に危険が及ぶ・・・」
フライヤ「・・・止むを得まいか・・・」
ジタン「あぁ・・・日が沈んだら決行だ。」
フライヤ「心得た・・・」
「・・・」
アレクサンドリアにそびえるアレクサンドリア城の一室に一人の少女がいた。
少女「こんな形で戻ってくるなんて・・・」
この少女こそアレクサンドリア十七代目王女ガーネット姫であり、ジタン達が助け出そうとしているダガーその人である。
ダガー「私を連れ戻してきたあの人達・・・あの人達がタークスだったのかしら・・・」
「そう言う事になりますね。」
ダガー「あなたは・・・?」
ダガーがいる部屋に一人の男が入ってきた。
男「私はタークスのリーダーツォン。以後お見知りおきを。」
ダガー「あなた方が私をここに戻したのですか?」
ツォン「ええ。」
ダガー「お母様がそう命令したのですか・・・?」
ツォン「そう言う事になりますね。」
ダガー「・・・」
ツォン「ではこちらへ・・・ブラネ女王がお待ちしております・・・」
ダガー「分かりました・・・」
タークスのツォンに案内されダガーはその部屋を出てある部屋に入った。
ダガー「お母様・・・」
そこにいたのは一見普通の人間とは思えないがちゃんとした人間、幻想人で現アレクサンドリア女王ブラネだった。
ブラネ「おおガーネット!!どこに行っておったのじゃ。」
ダガー「・・・」
ブラネ「さぁ、母にその顔をよく見させておくれ。」
ダガー「ええ・・・」
ダガーは恐る恐るブラネに近づいた。
ダガー「あのお母様・・・一つお聞きしたいのですが・・・」
ブラネ「何じゃ?何でも言ってみよ。」
ダガー「・・・ブルメシアを・・・神羅と共に襲撃したと・・・」
ブラネ「何じゃそれの事か。」
ダガー「ええ・・・」
実は一ヶ月ほど前、アレクサンドリアは神羅と共に幻想人の国の一つ、フライヤの母国ブルメシアを襲っているのだ。
ブラネ「あれはブルメシアのネズミどもがアレクサンドリアを襲おうと企んでおったのじゃ。」
ダガー「そう・・・なのですか?」
ブラネ「そうじゃとも。このアレクサンドリアを滅ぼされるわけには行かぬ。だから先手を打ったのじゃ。」
ダガー「その言葉・・・信じてよろしいのですか?」
ブラネ「勿論じゃとも。」
ダガー「そうでしたか・・・疑ったりして申し訳ありません・・・」
ブラネ「おお、分かってくれたか。母は良き娘を持って幸せに思うぞ。」
ダガー「・・・」
「僕も参加していいかい?」
ダガー「え・・・?」
部屋にやけに露出した服を着た男がやってきた。
ダガー「あなたは・・・?」
男「僕はクジャ。以後お見知りおきを。」
ダガー「あなたどこかで会った様な・・・」
クジャ「どうやら僕と君とが出会うのは運命運命で決められてたようだね。」
ダガー「あの・・・あなたは一体・・・」
クジャ「僕はただこのお芝居に参加しに来ただけさ。」
ダガー「お芝居?」
クジャ「そう。白馬に乗った王子と見目麗しい王女の悲恋の物語。王女はその美しい肌に悲しみをたたえたまま百年の眠りにつく・・・」
ダガー「な、何を・・・?」
クジャは怪しい言葉を呟きながらダガーに近づいた。
クジャ「さぁ僕の可愛い小鳥よ、僕のもとにおいで。そして僕が夢幻の世界へいざなってあげよう。」
ダガー「な、何・・・ジ、ジタ・・・ン・・・」
クジャはダガーに何か魔法をかけ、ダガーはそのまま気を失った。
クジャ「思ったとおり、寝顔がとても素敵だよ。」
ブラネ「ふん!!小生意気な小娘が!!ゾーン、ソーン!!」
先ほどとは別の雰囲気になったブラネが赤い服と青い服を着た双子の老人と思う道化師が二人やってきた。
ブラネ「すぐにガーネットから召喚獣を取り出す準備にかかるんだよ!!」
命令されるとゾーンとソーンと呼ばれた道化師はダガーを何処かに連れて行った。
ツォン「あの話しはどうやら本当のようですね。」
ブラネ「あの小娘には利用価値がある。ただそれだけじゃ。」
ツォン「・・・」
クジャ「ふふふ・・・」
トグサ「何だか嫌な空気だな・・・」
素子「裏がありそうって言ったでしょ。ぶつくさ言わないの。」
トグサ「はいはい・・・」
アレクサンドリア城の一室に公安9課の素子とトグサがいた。
トグサ「にしてもどうして俺達を呼び出したんだろうか。」
素子「さぁ。聞きたかったら当人に聞いてみたら?」
トグサ「出来るわけ無いじゃないッスか。」
素子「なら気にしない事ね。」
トグサ「ったく・・・だけどどうしてまた賊が侵入するって分かったんだろうか。」
素子「それに関して今パズに調べさせてるわ。そろそろ何か反応あるでしょう。」
パズ(少佐。)
ちょうどその時素子とトグサにパズからの電通が届いた。
素子(何か分かったの?)
パズ(どうやらタークスが裏で絡んでいたようだ。)
トグサ(タークスが?確かに神羅と手を組んでたって聞いてるけど。)
素子(だったら何故私達が呼ばれたのか不自然ね。タークスやソルジャーなら賊の一人や二人どうって事無いでしょう。)
パズ(それも気になって調べたんだが・・・賊に元ソルジャーがいるそうだ。それも1STだそうだ。)
トグサ(ソ、ソルジャー1STクラスだって?)
素子(それは厄介ね・・・)
パズ(それにその賊も裏じゃ有名な輩だそうだ。)
サイトー(その元ソルジャーは今なんでも屋をやっている奴じゃないのか?)
電通にサイトーが割り込んできた。
トグサ(それなら聞いた事がある。もし本当なら苦戦は必至だな・・・)
素子(ったく・・・課長も厄介な仕事持ってきたわね・・・それよりサイトー、そっちはどうなの?)
サイトー(今の所城の周囲に怪しい人影は見えない。もっとも日が落ちたら分からないがな。)
素子(勝負は日が沈んでからね・・・気を抜かないように。)
トグサ&サイトー&パズ(了解。)
ジタン「さてと・・・そろそろ行動するか。」
フライヤ「ああ。」
日が沈み、夜を迎えたアレクサンドリアでジタンとフライヤは行動を開始した。
ジタン「前見たく上手く行けれるだろうかな・・・」
フライヤ「それは分からぬ・・・」
ジタン「・・・焦るなよフライヤ・・・」
フライヤ「・・・分かっておる・・・」
母国ブルメシアを襲われたフライヤは表には出してないがアレクサンドリアに怒りを覚えているのだ。
フライヤ「ジタンに言われるとはな。」
ジタン「分かってるって。俺だっていつまでも冷静にいられるわけじゃないさ・・・」
フライヤ「そうじゃの・・・」
ジタン「急ごう。」
フライヤ「ああ。」
ジタンとフライヤは闇に紛れアレクサンドリア城に忍び込んだ。
ジタン「さてと・・・分かれて行動するか一緒に行動するか・・・」
フライヤ「既に一回進入している。その分警備も一筋縄では行かぬだろう。ここは共に行動しようぞ。」
ジタン「じゃあそうするか。まずは彼女の部屋に行こう。」
フライヤ「うむ。」
二人はそのままダガーを探す為に王女の部屋に向かった。
フライヤ「あそこに入る為には警護の兵士をどうにかせんとな。」
ジタン「騒ぎにはしたくない。多分二人だろうから同時に気を失ってもらわなくちゃな。」
フライヤ「そうじゃの。」
綿密に作戦を立てて二人は目的の部屋の前と思われる場所に来た。
ジタン「いるいる・・・やっぱ二人か。」
部屋の前には女兵士が二人いた。
フライヤ「ぬかるなよ。」
ジタン「そっちこそ。」
二人は一度分かれて共に兵士の裏にまわった。
ジタン「じゃ・・・せ〜の・・・!!」
フライヤ「はっ!!」
兵士二人「ぐっ!?」
ジタンとフライヤは同時に兵士に当身をして気絶させた。
ジタン「悪いな。」
そのまま見つからないように二人は兵士を隅に運んだ。
フライヤ「それじゃ・・・入るぞ。」
ジタン「ああ・・・」
二人は静かに部屋に入った。
フライヤ「・・・いないな・・・」
ジタン「はずれか・・・」
その部屋には誰もいなかった。
フライヤ「急がなくてはならんぞこれでは。」
ジタン「目覚めちまったら厄介だしな・・・」
フライヤ「急ぐぞ。」
ジタン「ああ。」
二人はその部屋を出ようとした。その時。
「お待ちください。」
ジタン&フライヤ「!?」
その部屋にある人物が入ってきた。
ジタン「アンタは・・・ベアトリクス・・・!?」
ベアトリクス「はい・・・」
その人物はアレクサンドリアで一番強いと言われている女将軍である。
ジタン「まさかあんたが出てくるなんてな・・・俺らを捕まえにでも来たか?」
ベアトリクス「もしそうだと言ったらどうします?」
ジタン「ここで捕まるわけには行かないんでな・・・戦ってでも逃げてやるさ。」
フライヤ「ならば相手は私がしよう・・・」
ベアトリクス「あなたは・・・ブルメシアのフライヤですね・・・?」
フライヤ「そうじゃ・・・お前達に襲撃されたブルメシアの竜騎士じゃ!!」
ジタン「フライヤ・・・」
ベアトリクス「・・・今なら好きに裁いてくれてもいいです・・・」
フライヤ「なっ・・・?」
ジタン「どう言う事だ?」
ベアトリクス「私に課せられてる命はガーネット姫の護衛・・・しかし・・・」
ジタン「今のアレクサンドリア・・・いや、ブラネはそんな事を考えてはいない・・・?」
ベアトリクス「その通りです・・・」
ジタン「じゃあ・・・協力してくれるって言うのか?」
ベアトリクス「賊と手を結ぶつもりではありません・・・ですが姫を助けようとする者として手を結ぶのです。」
フライヤ「お主・・・」
ジタン「そっか・・・じゃあそう言う事にするか。で、彼女は今・・・」
ベアトリクス「地下の礼拝堂に・・・ですが・・・」
ジタン「ですが・・・ま、まさか!?」
ベアトリクス「生きてはいるでしょうが・・・目を覚ますかどうかは定かではありません・・・」
ジタン「遅かったか・・・くそっ!!」
ジタンは悔しさで床を殴った。
ベアトリクス「姫の事を・・・知っているのですね・・・?」
ジタン「・・・ああ・・・」
ベアトリクス「治療をすれば意識は戻るでしょうが・・・」
ジタン「分かってる・・・地下の礼拝堂だったな?」
ベアトリクス「ええ。そこへ行く為には女王の間のロウソクを動かせば道が開きます。地下には古い道がありますのでそこを伝って逃げてください。」
フライヤ「すまない・・・」
ベアトリクス「それとそこにはゾーンとソーンがいるでしょう・・・交戦は免れないはずです・・・」
ジタン「覚悟の上さ。」
ベアトリクス「後もう一つ・・・」
ジタン「時間が無いんだ・・・それだけ聞ければそれでいい。」
ベアトリクス「しかしこれは・・・」
ジタン「ありがとな。」
フライヤ「ブルメシアの事を許すわけにはいかぬが・・・今は助け出すのが優先じゃ。」
そう言ってジタンとフライヤは女王の間に向かった。
ベアトリクス「・・・気をつけてください・・・おそらく何処かに9課が・・・」
ジタン「これか・・・」
フライヤ「のようじゃな・・・」
二人はすぐに女王の間に侵入してローソクを調べていた。
ジタン「こうでもすりゃ・・・いいんだろうかな?」
ジタンは適当にローソクを動かした。その時。
フライヤ「お。これがそうか?」
暖炉に地下への通路が出てきた。
ジタン「だろうな。行こう。」
フライヤ「ああ。」
二人は地下に向かう螺旋階段を一気に下った。
ジタン「だいぶ降りたな〜・・・あっちがベアトリクスが言ってた古い道とかだったら・・・」
フライヤ「そこの扉ではないのか?」
ジタン「だな。」
ジタンは近くにあった扉を開き中に入った。
ジタン「間違いない・・・礼拝堂だ。」
そこは礼拝堂だった。
ジタン「話しが本当ならここにダガーが・・・」
フライヤ「あそこじゃ!!」
ジタン「いた!!」
二人の前方気を失って倒れているダガーとすぐそばにゾーンとソーンがいた。
ゾーン「何でおじゃる!?」
ソーン「曲者でごじゃる!!」
ジタン「そう言う事!!彼女を連れて行かせてもらうぜ!!」
ゾーン「させないでおじゃる!!」
ソーン「させないでごじゃる!!」
フライヤ「支援は任せよ!!」
ジタン「ああ!!」
ジタンは両手に短剣を持ち、フライヤは槍を構えてゾーンとソーンに向かった。
ゾーン「魔力をよこすでおじゃる!!」
ソーン「分かったでごじゃる!!ぬ〜ん・・・!!」
ソーンはゾーンに魔力を与え始めた。
フライヤ「何をするつもりじゃ!?」
ジタン「どう考えたっていい事じゃないだろう!!止めるぞ!!」
フライヤ「ああ!!」
ジタンは走り続け、フライヤは前方に飛び掛った。
ゾーン「もう遅いでおじゃる!!喰らうでおじゃる!!プチメテ!!」
フライヤ「そちらの方が遅い!!竜剣!!」
ゾーン「おぐぅ!?」
フライヤの槍の先から光が放たれ、光はゾーンに当たった後フライヤの元に戻っていった。
ソーン「だったらこっちに魔力をよこすでごじゃる!!」
ゾーン「わ、分かったでおじゃる!!ぬ〜ん・・・!!」
今度はゾーンがソーンに魔力を与え始めた。
ソーン「喰らうでごじゃる!!プチフレ!!」
ジタン「遅いんだよ!!」
ソーン「あごぉっ!?」
ジタンはソーンに飛び蹴りを入れて吹っ飛ばした。
ゾーン「おのれぇ!!我らは一度邪魔をされると初めから魔力を与えねばならないでおじゃる!!」
ソーン「そうでごじゃる!!しかも放とうとした瞬間に妨害されると腹が立つでごじゃる!!」
ジタン「だとよ、聞いたか?」
フライヤ「ああ。これなら十分勝てるな。」
ゾーン&ソーン「あ・・・」
ジタン「さぁってと・・・どうされたい?」
フライヤ「どうされるも何も・・・手加減抜きじゃろ?」
ジタン「ま〜な。」
ゾーン&ソーン「ひぃ〜〜〜!!」
ジタン「で、どうす・・・」
ゾーン「逃げるでおじゃる!!」
ソーン「逃げるでごじゃる!!」
ゾーンとソーンはその場から逃げ出した。
ジタン「あ〜あ。逃げてやんの。どうする?」
フライヤ「逃げる者には何もしない主義じゃが・・・あいつらは別じゃ。」
ジタン「だな。」
二人はそう言うと互いの武器に力を込め始めた。
ジタン「逃がしはしないぜ!!タイダルフレイム!!」
フライヤ「桜花狂咲!!」
ゾーン&ソーン「おぎゃぁーーーー!!」
ジタンが右の短剣を振ると炎の波が、フライヤの槍の先から桜の花弁が発生しゾーンとソーンを飲み込んだ。
ゾーン「ど、ど〜せもうガーネット姫は用無しでおじゃる!!」
ソーン「いい気味でごじゃる〜〜〜!!」
負け惜しみめいた事を言い残してゾーンとソーンはその場から去った。
フライヤ「たいした事なかっの。」
ジタン「ああ・・・それよりも・・・!!」
フライヤ「うむ。」
二人はすぐに倒れているダガーの元に向かった。
ジタン「ダガー!!」
ダガー「・・・」
フライヤ「呼吸はしている・・・しかし生気が感じられぬ・・・」
ジタン「・・・ごめんよ・・・ダガー・・・」
ジタンはダガーを抱き寄せた。
ジタン「今すぐ元気にしてあげるから・・・それまで死なないでくれよ・・・」
フライヤ「行くぞ。」
ジタン「ああ・・・」
ジタンはダガーを抱き上げ、二人は地下にある坑道に入った。
フライヤ「これがどこへ続いているかによるの・・・」
ジタン「そうだな・・・にしても意外と広いな。」
フライヤ「そうじゃのう・・・恐らく何かあった時の為の脱出路かも知れぬな。」
ジタン「何も出なきゃいいけどな・・・」
フライヤ「ああ。じゃが・・・」
ジタン「・・・ああ・・・何かいるな。」
フライヤ「数は・・・三か?」
ジタン「だろうな・・・」
ジタンとフライヤは何かを感じ取っていた。
フライヤ「駆け抜けろジタン!!」
ジタン「すまないフライヤ!!」
フライヤの掛け声と同時にジタンは走り出した。
フライヤ「隠れてないで出て来い!!お前達には私が相手をしよう!!」
ガガガガガガ!!
フライヤが叫ぶと同時に銃声が響いた。
フライヤ「くっ!!」
フライヤはその場から離れ影に身を潜めた。
フライヤ「気配はするが姿が無い・・・バニシュの魔法をかけているか・・・光学迷彩か・・・」
バニシュとは姿を消す魔法で光学迷彩とは正式名称熱光学迷彩、主に理想人の軍や警察が所有する装置で湿度が高いか濡れない限り姿を隠せれるのである。
フライヤ「銃を使用してきたとなれば恐らく後者であろうが・・・どちらにしても厳しいの・・・」
その時フライヤが隠れているすぐ近くに銃撃がされた。
フライヤ「くっ!!これではこちらが不利か・・・こうなれば・・・」
フライヤは持っていた槍を強く握り締めた。
フライヤ「玉砕覚悟で・・・突撃あるのみ!!」
覚悟を決めてフライヤは飛び出した。
フライヤ「かかってこい!!」
「勝手に死なれちゃ困るな。」
フライヤ「なっ!?」
突然フライヤの目の前に何者かが立ち、持っていた何かを銃弾から身を守るように地面に刺した。
フライヤ「お主は・・・クラウド!?」
クラウド「お前らが死んで困るのはこっちもそうなんでな・・・ティファ!!」
「分かってるわ!!アクアブレス!!」
すぐ近くにティファと呼ばれた女性がいて、彼女は両手を前に出すとそこから水の泡が大量に発生した。
クラウド「相手が何かくらいは調べてそう言う事をするんだな・・・」
フライヤ「相手・・・?」
ティファ「公安9課よ・・・だから水の魔法が使えるマテリアを用意してきたんだから。」
フライヤ「すまなかった。」
トグサ「用意周到って事かよ・・・参ったな。」
ティファのアクアブレスによりトグサ、サイトー、パズの三人が現れた。
クラウド「相手が見えた所で・・・ここからが本番だ。」
クラウドはそう言うと目の前に刺した大剣を手に取り構えた。
ティファ「ええそうね。」
そう言いながらティファは両手にグローブをはめて構えた。
フライヤ「ジタンは彼女を連れて先に去った。」
クラウド「そうか・・・しかしこいつらだけだったらいいんだがな・・・」
フライヤ「何・・・?」
サイトー「気づいてるようだな・・・」
パズ「相手はソルジャーだ。生身に近いお前達は気をつけるんだな。」
トグサ「分かってるって!!」
クラウド「行くぞ!!」
ジタン「銃声が聞こえたけど・・・フライヤ大丈夫だよな・・・」
その頃ジタンはダガーを抱えたまま坑道を抜け森に出ていた。
ジタン「しかし結構深い場所にあったんだな。かなり坂道があったぞ・・・」
「それはその坑道は元はアレクサンドリア城を襲おうとした者達が掘った坑道だからよ。」
ジタン「・・・やっぱ着けていたんだな。」
「やっぱり子供と言えど注意が必要のようね。ジタン=トライバル。」
ジタン「フライヤと分かれた直後から気づいてたさ・・・公安9課、通称攻殻機動隊隊長の草薙素子さん。」
素子「やるじゃいの。」
ジタンのすぐ近くに素子が姿を現した。
素子「早速だけど、捕まってもらえないかしら?」
ジタン「はいそうですか。って言うと思ってるのか?」
素子「無理そうね。じゃあ実力行使で行くわよ。」
そう言って素子は小銃を取り出した。
ジタン「セブロC−26Aか・・・どっちにしたって銃相手は厳しいな・・・」
素子「だったらどうするのかしら?あなたの性格ならそのお姫様を盾にするつもりは無いでしょう?」
ジタン「分かってるじゃねぇか。だったらどうするかも・・・分かるよな!?」
ジタンは何かを取り出し足元に投げると辺りに煙が広がった。
素子「煙玉程度で見失うとでも思ってないでしょうね!!」
ジタン「簡単に行くほど現実は甘くないさ!!だけど逃走の難易度は少し下がったぜ!!」
煙にまぎれてジタンは走り出した。
素子「そう簡単に逃げれるとは思わない事ね!!」
ジタン「おわっ!!」
素子はジタンに向けて銃撃したがジタンは近くの木に隠れて銃弾を逃れた。
ジタン「流石公安9課の隊長だ!!やってくれるじゃないか!!」
素子「だったらあなたはどうするのかしら?」
ジタン「俺がする事一つだけ、ダガーを助ける為に今は逃げる!!」
そう言ってジタンは再び走り出した。
素子「それじゃあこっちも容赦しないわよ!!」
素子はジタンに向けて銃撃を続けた。
ジタン「一国の姫に当てるつもりかよ!?」
素子「それはあなた次第よ!!」
ジタン「くっそう!!」
素子の銃撃をかわしながらジタンは森の中を突き進んだ。
ジタン「まずいな・・・これじゃあその内・・・って嘘だろ!?」
森を抜けたその先は崖とその下に広がる海だった。
ジタン「冗談じゃねぇって・・・どうするよ・・・?」
素子「チェックメイトのようね。」
ジタン「マジでやばいな・・・」
素子も追いついてきてジタンは明らかに危機に陥ってしまっていた。
素子「さぁどうするの?」
ジタン「厳しいな・・・」
ジタンは崖ギリギリの場所まで追い詰められていた。
素子「さぁどうする?」
ジタン「くっ・・・」
ジタンは一度後ろの崖を見下ろした。
ジタン「流石に・・・危険・・・だよな・・・?」
素子「無茶はしない方がいいわよ。幻想人とは言えあなたは普通の・・・」
ジタン「・・・普通じゃないんだよな・・・俺は・・・」
素子「?」
ジタン「幻想人でも俺は人間とは・・・違うんだよ!!」
素子「なっ!?」
ジタンはダガーを抱きしめ自ら崖から飛び降りた。
素子「・・・ふう・・・やられたわね・・・」
トグサ(少佐。)
その時トグサから電通が来た。
素子(そっちも逃げられたの?)
トグサ(すいません・・・あいつら戦うだけ戦って坑道を崩しやがったんです。)
素子(こっちも崖から飛び降りされて逃げられたわ・・・)
トグサ(崖から!?無茶するなぁ・・・)
素子(で、どうするの?結局任務は失敗よ。)
トグサ(課長になんて言うんス?)
荒巻(その必要は無い。)
電通に荒巻が割り込んできた。
素子(課長どう言う事?)
荒巻(たった今連絡が入ったのだがお前達に課せられていた命令は夕刻の時点で果たされていたそうだ。)
トグサ(じゃ、じゃあ俺らが交戦したのって・・・)
素子(無駄だったって事ね。)
荒巻(残念ながらそうなる。それとバトー達が気になる情報を入手したそうだ。)
素子(気になる事?)
荒巻(ああ。ガーネット姫に関わる事だ。すぐ本部に戻って来い。)
素子(了解。)
トグサ(ここに来てそんな経ってないのに帰国とは・・・)
素子(そんな事言ってないで帰るわよ。)
トグサ(だったら手伝ってくださいよ。あいつら見事に崩して出られないんですよ。)
素子(しょうがないわね・・・)
ジタン「あつつつ・・・ちょっと無茶しすぎたな・・・」
その時ジタンは崖下の岩場で自分の治療をしていた。
ジタン「ま・・・彼女に怪我が無かっただけよかったか・・・」
すぐ近くにダガーはいたが外傷は無かった。
ジタン「さてと・・・これは船が来るのを待たなきゃ行けないな・・・流石に彼女ごと泳ぐわけに行かないし体がもたねぇし・・・お。」
ちょうど近くを船が通過しようとしていた。
ジタン「まだ・・・ついてるな。お〜〜い!!」
ジタンは大声で船の方に叫んだ。すると船がジタンの方に向かってきた。
ジタン「気づいてくれたな。後は、彼女をどうごまかすか。」
ダガー「・・・」
ジタン「必ず・・・元気にしてあげるからよ・・・もうちょっと待っててくれ。」
そう言ってジタンはダガーを抱き寄せた。
アレクサンドリアにて行われた戦い。ジタンとガーネット姫の関係は。そして彼女に隠された秘密とは・・・
続く
あ と が き
このサイトメインのはずのFF\がやっとここから
まぁCMSと技の感じが多少違う上
クラウドとティファが初めっから一緒ですし
オマケに仲間?になるかもしれない人と戦ったり・・・